JP3833259B2 - Fsk受信器における周波数制御信号の生成 - Google Patents
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Description
欧州特許出願第0 160 339号は、直接変調されたデータ信号を受信するため配置されたFM受信器用の回路配置を開示する。この回路配置は、周波数が2個の信号周波数の間の周波数スケールにある局部発振器を含む。公知の回路配置は、特に、ディジタル無線受信器(ページャー)で使用されるようなFSK変調された信号の受信及び変調のため配置される。
欧州特許出願第0 160 339号から知られる回路配置は、アンテナから発生した信号が局部発振器からの信号と混合されるミキサを含む。ミキサの後側に設けられローパス又はバンドパスとして構成されたチャネルフィルタはミキサの出力信号を濾波し、その濾波された出力信号は伝達関数が周波数弁別器の特性を有する段に供給される。その段の出力信号は、局部発振器の周波数を再調整するため、増幅器及びローパスフィルタを介して制御信号として局部発振器に供給される。ステファン ドルーデによる論文“1台のページャーのための二つの集積回路”,Funkschau, Heft 26, 1989, pp.69-76は、直接周波数シフトキーイング、即ち、FSK変調で動作するページャー用の型番UAA2050Tを有する受信器構成部品を開示する。かかる受信器構成部品を用いて構成されたページャーは、温度変動及び老朽化の影響を補償する自動周波数制御(AFC)を含む。
ドイツ国特許出願第29 42 512号は、FSK変調された無線信号をアンテナを介して受信する無線受信器を開示する。無線信号は、RF搬送波の周波数の上下にFSK変調の周波数偏移と等しい距離にある2個の受信用周波数を含む。上記の無線信号は2個の高利得ミキサに供給される。ミキシング発振器は無線周波搬送波の周波数で発振する。その信号は第1の高利得ミキサにそのまま供給され、90°の位相シフトを介して第2の高利得ミキサに供給される。ミキサの出力は夫々のローパスフィルタに接続される。濾波された信号は、次に、夫々の高利得リミッタ増幅器に達する。リミッタ増幅器の出力は方形波信号を供給する。一方のリミッタ増幅器の出力の信号は、アンテナの入力信号の周波数がミキサ発振器の周波数よりも低周波数又は高周波数のいずれかに依存して、もう一方のリミッタ増幅器の出力の信号より進み若しくは遅れる。上記二通りの実施可能な状態は、進み又は遅れに依存して二通りの実施可能な状態のいずれか一方に切り替えられるD形フリップフロップにより認識される。
かかる無線受信器、例えば、ページャーに対する理想的な受信信号の周波数は、2個の実施可能な値、即ち、無線信号データ符号中で送信器信号“1”又は“0”と称される受信された無線信号の2個の実現可能な周波数の間で急激に変化する。しかし、実際上、かかる理想的な信号は存在せず、逆に、送信器信号はある周波数から別の周波数に変化するため有限の時間間隔を必要とする。同様に、有限の時間間隔は、復調された信号の一方の状態から他方の状態への切り替わりの間に経過する。有効な周波数測定はこの時間間隔中に可能ではないことが分かる。遷移期間と称されるこの時間間隔中に、送信された無線信号の一方のデータ値“1”又は“0”への割り当てが妨げられるだけではなく、特に、制御可能な発振器用の制御信号の発生が妨げられる。その理由は、発振器周波数の正確な制御を実現するためこの制御信号がFSK変調の周波数偏移と対応する必要があるからである。遷移期間中に、即ち、受信された信号から得られたデータ信号がその値を変化させる時間間隔の間に、FSK変調の周波数偏移、特に、より小さい周波数差に対応しなくなる制御信号が発生される。この結果として、発振器の周波数の過度の再調整が生じる。
関連した誤差が、特に受信信号の高い情報伝送レートの場合に生じ、その結果として非常に短い情報ユニット(ビット)が生じる。その理由は遷移期間が個々のビットの全区間の実質的な部分を占めるからである。これにより、発振器周波数制御が誤りのある制御信号の発生により妨害される危険性が増大する。次に、誤差が無線受信器のデータ受信で徐々に発生し、これらの誤差は、無線受信器(例えば、ページャー)の必要とされる低いビットレートを上回らないことを保証するため避けられなければならない。
現在の無線受信器(ページャー)の受信周波数は、例えば、約930MHzに達するので、受信装置の発振器の周波数の短期間及び長期間安定性に関して非常に厳しい要求が課される。発振器が上記要求を満たせない場合に、感度は必然的に影響され、場合によっては受信が失敗に終わる。
本発明の目的は、制御信号が上記遷移期間の妨害によって影響を受けない上記種類の受信装置の制御可能な発振器用の制御信号を発生する回路配置を提供することである。
本発明によれば、上記目的は受信装置の制御可能な発振器用の制御信号を発生する回路配置を用いて達成され、
上記回路配置は、少なくとも2個の所定の入力周波数を有するFSK変調入力信号を制御可能な発振器により供給された発振と混合し、かくして、中間周波信号を形成すると共に、瞬時値が中間周波信号の周波数(中間周波)から生じるデータ信号、並びに、周波数及び/又は位相が中間周波信号の周波数及び/又は位相の測定量である復調パルス信号を中間周波信号から得るため配置され、
上記回路配置は、復調パルス信号から制御信号を得る制御信号発生分岐回路と、データ信号が値を変える時間間隔中にデータ信号から割込信号を得る割込信号発生分岐回路と、割込信号の発生に応じて復調パルス信号からの制御信号に対する値の取り出しを抑止する割込段とを含む。
かくして、遷移期間中に、本発明による回路配置は、周波数測定、即ち、制御可能な発振器用の制御信号の発生のため受信信号を抑止する。遷移期間は、このようにして制御信号の発生のための誤差発生源として効果的に除去される。
本発明の回路配置の魅力的な一実施例において、制御信号は復調パルス信号から不連続的に取得された制御信号値のシーケンスの時間平均により形成され、この制御信号値は平均化演算から除外された遷移期間から生じる。かくして、2重の誤差保護が実現され、一方で不連続的な取得な制御信号値への妨害の影響を削減し、他方で遷移期間中に発生された制御信号値が無視される。これは、非常に簡単な回路配置を用いて実現され得る。
本発明の好ましい一実施例において、復調パルス信号は、反復周波数が中間周波の整数倍であるパルスのシーケンスを含む。制御信号値は連続的なパルスの時間的な距離の測定により形成される。この測定は、特に、一定レベルの信号が復調パルス信号の2個ずつの連続的なパルス間の時間間隔で積分される積分段で行われる。関連した時間間隔の最後に一定レベルの信号の積分値は、瞬時的な制御信号値を表わす。
本発明の好ましい一実施例における割込信号発生分岐は、信号変化検出段と、信号変化検出段に接続されたパルス形成段とを含む。信号変化検出段は、データ信号の値の変化を検出するための機能を果たし、好ましくは差分段を有する。かかる差分段は、供給された入力信号の瞬時値が時間的に変化するとき出力信号を供給する。パルス形成段は、遷移期間と一致する間隔を有するパルス状割込信号を形成するための機能を果たす。かくして、割込信号は、本発明の回路配置において、望まれていない、誤差を含む変調受信信号を除去するため直接使用される。
信号変化検出段は、差分段の後に整流段を含む方が有利である。この整流段は差分段により出力された信号の絶対値を形成する、即ち、符号を取り除くための機能を果たす。遷移期間を認識するためには、データ信号の値の向きではなく、データ信号の値の変化だけを認識する必要があるからである。
本発明による回路配置の一実施例は、以下で添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は中間波信号から復調パルス信号及びデータ信号を得る配置であって、制御可能な発振器用の制御信号を発生するため本発明による回路配置と共に用いられ得る配置のブロック図であり、
図2は図1に示された配置の動作中に発生する信号の時間的変化を表わす図であり、
図3は本発明による回路配置のブロック図であり、
図4は、本発明による回路配置を利用する受信装置において実験的に決められた時間的な変化の例を表わす図であり、
図5及び6は、本発明による回路配置の制御可能な発振器用の周波数制御システムの測定された周波数−電圧特性の例を示す図である。
FSK変調入力信号用の受信装置において、図1に示された配置は復号化段を形成し、復号化段を用いてデータ信号及び復調パルス信号を中間周波信号から得ることが可能である。このため、図2に示された復号化段の2個の入力端子1,2は、FSK変調入力信号を制御可能な発振器からの発振と混合することにより位相が90°シフトした二つの方形波発振を生成する直角復調器の出力端子に接続される。この種の直角復調器は、例えば、ドイツ国特許出願第A 29 42 512号により公知である。直角復調器は、リミッタ増幅器の出力BAに、ペア形式で相互に90°ずつ進み及び遅れた中間周波信号を形成する7個の方形波発振を供給する。ドイツ国特許出願第A 29 42 512号の図1のリミッタ増幅器8の出力Bは、本発明の実施例の図1に示された復号化段の第1の入力端子1に接続される。同様に、先行技術のリミッタ増幅器7の出力Aは、本願の図1に示された復号化段の第2の入力端子に接続される。例えば、図2a)は、第1の入力端子1に供給された方形波発振を表わし、図2b)は第2の入力端子2に供給された方形波発振を表わす。
図1の復号化段の第1の入力端子は、第1のRC高域通過フィルタ3を介して第1のミキサ5の第1の入力4に接続され、第2のミキサ7の第2の入力6に直結される。同様に、第2の入力端子2は、RC高域通過フィルタ8を介して第2のミキサ7の第1の入力9に接続され、第1のミキサ5の第2の入力10に直結される。ミキサ5及び7の夫々の出力11及び12は、減算段13の各入力に接続される。減算段13において、第2のミキサ7からの出力12は、第1のミキサ5の出力11の信号から減算される。この減算演算により生じた信号は、減算段13の出力14に復調パルス信号として得られる。データ信号は、シュミットトリガとして動作するトリガ回路15を介して得られ、データ信号はトリガ回路15の出力を介して出力される。
図2に示された信号波形は、ページャー用の理想的な受信信号の場合に種々の事象を表わし、それらの事象は信号周波数が二つの値の間で急激に変化する時間の周期に関係する。この周波数の変化の時点で、図1の復号化段の入力端子1及び2の方形波信号の間で位相位置も変化する。この位相位置の変化は、図2b)に従う第2の入力端子2における信号の位相ジャンプに起因する。
差分部として動作するRC高域通過フィルタ3,8は、入力端子1及び2の夫々の信号の各エッジに応じてミキサ5及び7の夫々の第1の入力4及び9に短いパルス(ニードルパルス)を供給し、そのパルスの極性は正側に進むエッジと負側に進むエッジのいずれが考慮されているかに依存して変化する。上記ニードルパルスは、第1のミキサ5の第1の入力4に対し図2c)に示され、第2のミキサ7の第1の入力9に対し図2d)に示される。位相位置は入力端子1,2の信号の位相位置に追従する。次に、第1のミキサ5において、第1の入力4のニードルパルスの系列は、第1のミキサ5の第2の入力10に印加された第2の入力端子2からの信号によって乗算される。同様に、第2のミキサ7において、第2のミキサ7の第1の入力9でのニードルパルス系列は、第2のミキサ7の第2の入力6に印加された第1の入力端子1からの信号により乗算される。入力端子1,2の信号の間で夫々の位相位置に対し対応する極性を連続的に有する図2e)に示されたニードルパルスシーケンスは、次に、第1のミキサ5の出力11に現れる。図2f)に示される如くの対応して形成されたニードルパルスは、第2のミキサ7の出力12に生じる。減算段13において、図2f)のニードルパルス系列を図2e)のニードルパルス系列から減算することにより、減算段の出力14で図2g)に示されたニードルパルス系列が生成される。この系列は、入力端子1,2の信号の各エッジに対するニードルパルスにより形成され、ニードルパルスの極性は、入力端子1,2の信号の間の位相位置が変化すると共に変化する。シュミットトリガとして動作する回路15は、図2g)に示された信号から図2h)に示された信号を形成する。ここで、各信号レベルは入力信号の周波数の一つの値を表わす。
以下、図2g)に示された信号は復調パルス信号と称され、図2h)に示された信号はデータ信号と称される。
図3は、無線受信器の制御可能な発振器用の制御信号を発生する上記の如く提案、説明された本発明による回路配置を表わす図である。説明の簡単化のため、この実施例は図1に示された回路配置と同様に所謂2レベルFSK変調として設計され、受信信号は2個の異なる周波数の間で切り替えられる。しかし、本発明はこのような2レベルのFSK信号に限定されるものではなく、多重レベルFSK変調のためにも使用可能である。
上記回路配置は、好ましくは、無線受信器内の自動周波数制御(AFC)のため使用され、受信装置内の制御可能な発振器の周波数をFSK変調によって予め決められた2個の入力周波数の平均値に制御する。これはFSK変調された送信器信号の搬送波周波数と同時である。
引用文献“Funkschau”に記載されたような上記の種類の自動周波数制御の場合に、中間周波は、発振器の周波数と入力周波数との間の周波数の距離に対する情報として使用される。しかし、中間周波は変調の影響を受ける。引用文献から知られる周波数制御システムにおいて、これは必要な発振器の周波数の再調整に関する間違った情報を生じさせる可能性がある。誤った情報が生じる状況は、入力信号で使用されるデータレート、データの遷移間の位相位置、及び中間周波に依存する。送信、受信された信号の帯域制限の機能を果たす送信器に設けられた所謂スプラッターフィルタも影響を与える。この点に関してスプラッターフィルタの最も本質的な特性の一つは、信号の周波数がスプラッターフィルタによる処理後には急激に変化しなくなることである。スプラッターフィルタは、かくして、遷移期間の延長に寄与し、上記の妨害に寄与する可能性がる。
異なる影響の大小のため、制御可能な発振器の周波数の不可欠な補正に関して誤った情報を含む測定誤差は、かなりランダムな性質を帯び、その結果として発振器の周波数の必要な補正の向きに関する誤差の発生を排除し得ないため予測が困難になる。しかし、周波数補正の向きに関する誤りは、入力周波数の間の周波数範囲から発振器の周波数を容易に引き離す。かかる発振器の周波数のシフトは、通常、受信されたデータの完全な破壊を生じさせるので、いかなるコストをかけても防止しなければならない。
無線受信器(ページャー)において、例えば、3%のビット誤り率を超えてはならないことに注意する必要がある。
本発明による回路配置において、データ遷移、即ち、入力周波数の変化が生じる遷移期間が検出される。かかる遷移期間中に形成された全ての測定情報は無視される。中間周波からの情報は入力周波数がデータ値の中の一つに対し安定し始めた時に限り使用される。
図3に示された回路配置は、整流段17、遅延器18、第1のパルス成形段19、第2のパルス成形段20、積分段21、ミキサ22、スイッチとして図示されたキーイング段23、及び、RCローパスフィルタ24が集中した制御信号発生分岐回路を含む。整流段17の入力は図1の減算段13の出力14に接続され、復調パルス信号を受ける。復調パルス信号は整流段17において整流され、即ち、図2g)の信号波形の全てのニードルパルスに、図2h)のデータ信号の瞬時値とは無関係の均一な極性を与えられる。図示された例ではこの極性は正極性である。整流段17は、かくして、図2g)に示された信号から符号を、“除去”し、変調パルス信号の絶対値を形成する。この絶対値信号は、遅延器18を介して第1のパルス成形段19の入力を駆動する。第1のパルス成形段19は、出力26が整流段17又は遅延器18からの絶対値信号の正側に移る各エッジに応じて所定の間隔の方形波パルスを供給する単安定トリガ回路を含む。上記エッジの後縁は第2のパルス成形段20の出力27に第2の方形波パルスを与え、この第2の方形波パルスは第1のパルス成形段19の出力26の第1の方形波パルスに時間的に後続する。第2の方形波パルスは第2のパルス成形段20の出力27から積分段21のリセット入力28に供給される。基準値入力29を介して、積分段21は一定レベルの信号を受ける。この信号は、積分段21で連続的に積分され、かくして形成された積分は、積分段21の出力30を介して信号値(又はレベル)として出力される。出力30の信号値は、積分段21のリセット入力28に到達した各方形波パルスに応じて初期値にリセットされ、続いて信号値は新たに上記初期値から増加し始める。従って、出力30の信号値は、最後の方形波パルスがリセット入力28に到達してから経過した時間の期間の直接的な測定量である。次の方形波パルスがリセット入力28に到達する直前に、出力30の信号値は変調パルス信号の二つのニードルパルスの間の時間的な距離の測定量である。出力30の信号値は、かくして中間周波信号の周波数を表わす。上記信号値は、制御可能な発振器の周波数と共に変化するので、この発振器の周波数を制御する制御信号として使用可能である。このためミキサ22において、上記信号値は最初にトリガ段15の出力16からのデータ信号と混合され、出力16及び積分段21の出力30はその目的のためミキサ22の各入力に接続されている。積分段21の出力30からの信号値がトリガ段15の出力16からのデータ信号と混合されるため、出力30からの信号値は受信されたデータ信号の値に従って極性が与えられ、上記極性は発振器周波数の制御又は補正の向きを決定する。
キーイング段23は、キーイング段23がミキサ22の出力31と、RCローパスフィルタ24との間に導電性接続を確立しなければならないとき高論理レベル(“1”)を有する信号を受信する必要がある制御入力32を含む。このため、図3の第1のパルス形成段19の出力26は制御入力32に接続され、第1の方形波パルスはこの接続を確定する。RCローパスフィルタ24は、リセット入力28の第2の方形波パルスによる積分段21のリセットの直前に、(ミキサ22を用いて)データ信号と混合された出力30からの瞬時信号値をサンプリング値の形式で受ける。換言すれば、RCローパスフィルタ24は、キーイング段23を介して、復調パルス信号の二つずつのパルス間の時間期間に対する測定値、即ち、中間周波信号の不連続的な周波数測定値を連続的に受ける。上記測定値はRCローパスフィルタ24において低域通過濾波され、RCローパスフィルタ24の出力25で発振器用の制御信号として利用可能にされる。この回路の動作は重み付きサンプリングに対応する。
図3には、また、トリガ段15の出力16の後に続く割込信号発生分岐回路が示され、割込信号発生分岐回路は、信号変化検出段と、信号検出段に接続された(第3の)パルス成形段33とからなる。信号変化検出段は、差分段34と下流の(第2の)整流段35とを含む。パルス成形段33、差分段34及び整流段35は、回路網としてトリガ段15の出力16に接続される。
差分段34はデータ信号の信号値変化を認識するための機能を果たす。差分段の出力信号の極性はデータ信号の信号値変化の向きに追従する。この例の目的として極性は重要ではないので、整流段35においてその出力信号から一定極性のパルスシーケンスが発生され、即ち、符号が再び消される。パルス成形段33において、整流段35から受信された各パルスは、本実施例において負の極性(又は低い信号レベル)を有する所定の間隔のパルスを発生する。このパルスは割込信号として機能とし、パルス成形段33から割込段37の第1の入力36に供給される。この割込段は、好ましくは、ANDゲートとして構成され、第2の入力38は第1のパルス成形段19の出力26に接続される。割込段37の出力39はキーイング段23の制御入力32に接続される。
トリガ段15の出力16のデータ信号が一定値を有するとき、論理レベル“1”は割込段37の第1の入力36に連続的に現れる。従って、割込段37は第1のパルス成形段19の出力26からの第1の方形波パルスに対し連続的に導通する。RCローパスフィルタ24の出力25に制御信号を発生する測定値は、復調パルス信号の各ニードルパルスに対して積分段21及びキーイング段23を介して得られる。割込信号が発生したとき、即ち、データ信号がその値を変える遷移期間中に、低い信号レベル(論理値“0”)が割込段37の第1の入力36に現れる。第1のパルス成形段19からキーイング段23への第1の方形波パルスの転送は、このように割り込まれる。従って、遷移期間中に測定値はRCローパスフィルタ24に供給されないので、RCローパスフィルタによって記憶された制御信号は遷移期間中に影響されることが無く、誤って変えられることもない。
遅延器18は制御信号発生分岐回路内で信号を時間的に遅延させ、割込信号が適当な時間、即ち、遷移期間中に第1のパルス形成段19から第1の方形波パルスが発生する前に、割込段37に供給されることを保証する。パルス状割込信号の長さは、好ましくは遷移期間が受信された信号に応じてマスクされるように(第3)のパルス成形段33内の単安定トリガ段により決められる。
積分段21は復調パルス信号中の二つの連続的なニードルパルス間の時間的距離が大きくなり過ぎる場合に、出力30の信号値が所定の最終値を持続するような形に構成される。発振器の周波数が受信された信号の搬送波周波数に正確に調整されたとき、信号レベルは積分段21の出力30の信号値が初期値と最終値との間の平均値を正確に推定するような形で調整され得る。この場合に発振器の周波数は補正されない。
上記回路配置は、SN比が低下する場合、並びに、データ信号にランダムな誤差を生じさせる他の受信条件の場合に、受信装置の制御可能な発振器用の制御信号の絶対値が減少する利点がある。不正確な制御信号の発生は上記動作条件で回避される。上記回路配置は、更に、制御信号の制限及び比例制御を利用する。いかなる状況でも、自動周波数制御は、受信された入力周波数を超える周波数域、即ち、受信された周波数キーイングを超える周波数域まで発振器をドライブしないことが保証される。製造パラメータ及び温度効果によって決定される制御されていない発振器の周波数許容範囲は、発振器の周波数と入力周波数との間の距離が自動周波数制御の制御域に対応する値よりも決して小さくならない程度に小さくなるよう選定される。全体的に、本発明による回路配置によって発振器に課される要求条件は従来技術よりも厳しくないので、低価格で製造することが可能である。
本発明は、当業者に“フェージング”、“マルチパス”、“サイマルコスト(simulcost)”、“隣接チャネル効果”、“ブロッキング”等として公知の動作条件による発振器の制御に与えられるスプリアスの影響を制御信号の制限により除去する。
図4には、本発明による回路配置によって測定された幾つかの信号波形が示されている。図4a)及びb)は、再生されるべきデータ信号による変調に従って相互に位相進み及び位相遅れのある中間周波信号の2通りの直角変調発振を示す図である。図4c)及びd)において、図4a)及びb)夫々の信号は、例えば、高利得制限増幅器により方形波信号に変換されている。図4e)は方形波信号から得られ、図2g)の波形に対応した復調パルス信号が示されている。ここで、本発明に従って無視された測定間隔は参照名Mで示される。
本発明による回路配置の割り当てに関する一例として、図5及び6は、発振器周波数の送信器の搬送周波数からの偏りと、本発明による回路配置によって発生された制御信号の値との間の機能的な関係を示す。制御信号はRCローパスフィルタ24の出力25の電圧として縦軸にプロットされる。図5は変調された入力信号の関係を表わし、図6は比較のため変調されていない入力信号の場合を表わす。
積分段21は、必要に応じて、積分段の信号処理段階がプログラムされた信号処理ルーチン中で実行されるプログラマブル回路配置により実現してもよい。
Claims (7)
- 少なくとも2個の所定の入力周波数を有するFSK変調入力信号を制御可能な発振器により供給された発振と混合し、中間周波信号を形成すると共に、瞬時値が上記中間周波信号の周波数(中間周波)から生じるデータ信号、並びに、周波数及び/又は位相が上記中間周波信号の周波数及び/又は位相の測定量である復調パルス信号を上記中間周波信号から得るため配置され、
上記復調パルス信号から制御信号を得る制御信号発生分岐と、
上記データ信号が値を変える時間間隔中に上記データ信号から割込信号を得る割込信号発生分岐と、
上記割込信号の発生に応じて上記復調パルス信号からの上記制御信号に対する値の取り出しを抑止する割込段とを有する、受信装置の制御可能な発振器用の制御信号を発生する回路配置。 - 上記制御信号は上記復調パルス信号から不連続的に取得された制御信号値のシーケンスの時間平均により形成され、
上記データ信号が値を変える時間間隔から生じた制御信号値は、平均化演算から除外されることを特徴とする請求項1記載の回路配置。 - 上記復調パルス信号は反復周波数が上記中間周波の整数倍であるパルスのシーケンスを有し、
上記制御信号値は連続的なパルス間の時間的距離の測定により形成されることを特徴とする請求項2記載の回路配置。 - 上記復調パルス信号の2個ずつの連続的なパルス間の各時間間隔毎に一定レベルを有する信号の積分により上記制御信号値を一つずつ形成する積分段を更に有することを特徴とする請求項3記載の回路配置。
- 上記割込信号発生分岐は、
上記データ信号の値の変化を検出する信号変化検出段と、
上記信号変化検出段に接続され、上記データ信号が値を変える時間間隔をカバーするパルス状割込信号を形成するパルス形成段とを有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の回路配置。 - 上記信号変化検出段は、差分段と、後続の整流段とを有することを特徴とする請求項5記載の回路配置。
- 請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の回路配置を有することを特徴とする無線受信器(ページャー)。
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