JPH0983583A - Fsk通信装置 - Google Patents

Fsk通信装置

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JPH0983583A
JPH0983583A JP23394195A JP23394195A JPH0983583A JP H0983583 A JPH0983583 A JP H0983583A JP 23394195 A JP23394195 A JP 23394195A JP 23394195 A JP23394195 A JP 23394195A JP H0983583 A JPH0983583 A JP H0983583A
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fsk
wave
shift
deviation
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JP23394195A
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Masaru Nanbu
賢 南部
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数の偏移を所定の幅に保つことにより、
信号値を正しく表現するとともに隣接チャンネルを妨害
することのないFSK波を送信するFSK通信装置を提
供する。 【解決手段】 通信装置に、搬送波の周波数を偏移させ
る変調信号を生成する変調信号発生装置2、変調信号の
振幅を調整する振幅調整装置3、搬送波を発振しその搬
送波の周波数を変調信号の振幅に応じて偏移させてFS
K波を生成するフェーズロック変調器4、およびFSK
波の周波数偏移を検出する偏移検出装置5を備える。送
信時には、生成したFSK波の周波数偏移を検出して、
偏移幅に応じて変調信号の振幅を調整することにより、
FSK波の周波数偏移幅を所定の偏移幅に保つ。受信時
にはFSK波を偏移検出装置5によって復調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送波の周波数を
ディジタル信号により周波数変調して送信する通信装置
に関するものであり、特に、送信周波数の偏移幅を一定
に保つFSK通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子通信機器の変調方式として、AM、
FM、PM等様々な方式が利用されており、今日ではア
ナログ信号に代わって、搬送波を「0」、「1」の2値
に対応させて変化させるディジタル変調が主流になって
いる。その中でも、変調信号であるディジタル符号の
「0」、「1」に応じて搬送波を周波数変調するディジ
タル周波数変調(FSK:frequency shi
ft keying)方式は、振幅が完全に一定である
という利点が見直され、FSK方式が多用されるように
なってきた。
【0003】このFSKを行う方法として、発振周波数
が異なる独立した発振器を用意して、変調する符号に応
じてこれらを切り換える方法と、加えられる電圧に応じ
て発振周波数が変わる電圧制御発振器(VCO:vol
tage controlled oscillato
r)を用いて、ディジタル符号に対応する制御電圧をV
COに加えることにより発振周波数を変化させる方法が
ある。しかし、2つの独立した発振器を用いる前者の方
法では、切り換え時に位相が連続しないため、一般に、
歪みのない連続した波形を得るのが困難であり、振幅の
一定性が損なわれがちである。これに対して後者の方法
では、1つの発振器の周波数を変化させるので、切り換
え時にも位相が連続して、歪みのない波形を得ることが
でき、FMの特長である振幅の一定性が保たれる。この
ため、現在、単にFSKと称するときにはVCOを用い
る方法を指すと考えてよい。
【0004】図6に、従来のFSK送信装置の変調に関
する回路構成の概略をブロック図で示す。データ発生装
置51は、送信しようとするデータを順次「0」および
「1」のディジタル符号で表して出力する。変調信号発
生装置52は、搬送波の周波数を偏移させるための変調
信号を発生する。この変調信号はデータ発生装置51か
ら与えられるディジタル符号に応じた2レベルの電位の
信号である。フェーズロック変調器54は搬送波を発振
するためのVCOを備えており、変調信号発生装置52
から与えられる変調信号の電位に応じてVCOの発振周
波数を高周波側および低周波側に偏移させる。このフェ
ーズロック変調器54は、VCOの中心周波数を所定の
周波数に保つために、位相比較器を含むPLL回路を内
蔵している。フェーズロック変調器54の出力であるF
SK波は、増幅器57で増幅され、帯域制限フィルタ5
9を通して周波数帯域幅を制限された後、図外のアンテ
ナより送信される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のFS
K送信装置では、変調信号の振幅がFSK波の周波数偏
移の大きさとなって現れるため、変調信号の振幅が変動
すると、FSK波の周波数の偏移幅も変動することにな
る。すなわち、何らかの要因で、変調信号の電位のレベ
ル差が小さくなると偏移幅が小さくなり、変調信号の電
位のレベル差が大きくなると偏移幅が大きくなる。周波
数の偏移幅が小さくなり過ぎると、ディジタル符号の
「0」に対応する周波数と「1」に対応する周波数との
差が僅かになり、FSK信号を受信する受信装置で復調
したときに、「0」および「1」の2値を正しく識別す
ることができなくなる。
【0006】逆に、FSK波の偏移幅が大きくなり過ぎ
ると、周波数が割り当てられた周波数帯域を超えてしま
う。割り当てられた帯域を超えた周波数成分は帯域制限
フィルタによって除去されるが、このとき、波形に歪み
が生じて符号間干渉が発生する。FSK送信装置に帯域
制限フィルタを設けない構成とすると、隣接チャンネル
の周波数帯域を妨害することになり、通信システムに著
しい障害を引き起こすことになる。また、通常の受信装
置には、雑音を除去するために、送信装置の周波数帯域
に対応した周波数成分だけを透過させるフィルタが設け
られるため、このフィルタによっても波形歪みが生じて
符号間干渉が起き、2値を正しく識別することは困難に
なる。
【0007】本発明は、周波数の偏移を所定の幅に保つ
ことにより、信号値を正しく表現するとともに隣接チャ
ンネルを妨害することのないFSK波を送信するFSK
通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、搬送波の周波数を変調信号の振幅に応
じて偏移させてFSK波を生成する送信装置において、
FSK波の周波数の偏移を所定の大きさにするために、
生成したFSK波の周波数偏移を検出し、検出した偏移
に応じて変調信号の振幅を調整する。FSK波の周波数
偏移は送信する信号の値に対応し、FSK波そのものが
送信されるのであるから、FSK波の周波数偏移を検出
することは、送信しようとする信号の値が正しく送信さ
れるか否かを直接検知することになる。変調信号の振幅
が適正でないときには、それがFSK波の偏移に現れ
る。検知した周波数偏移に応じて変調信号の振幅を調整
することで、FSK波の周波数偏移が適正化されて、信
号を正しく担持したFSK波が送信される。
【0009】また、2値のディジタル信号の値に応じて
搬送波の周波数を偏移させて送信するFSK送信装置に
おいて、ディジタル信号の値に応じて異なる電位の変調
信号を生成する変調信号生成手段と、所定周波数の搬送
波を生成し、生成した搬送波の周波数を変調信号の電位
に応じて高周波側と低周波側に偏移させてFSK波を生
成するFSK波生成手段と、FSK波生成手段によって
生成されたFSK波の周波数の搬送波の所定周波数から
の偏移を検出する偏移検出手段と、FSK波生成手段に
よって生成されるFSK波の周波数の偏移幅を所定の偏
移幅にするために、偏移検出手段によって検出された偏
移から高周波側と低周波側との偏移幅を検出し、検出し
た偏移幅に基づいてFSK波生成手段に与えられる変調
信号の電位差を調整する電位調整手段とを備える構成と
する。
【0010】変調信号生成手段によって生成される変調
信号の電位は、ディジタル信号の「0」と「1」を表す
2レベルとなる。FSK波生成手段は、所定周波数の搬
送波を生成し、変調信号の電位に応じて搬送波の周波数
を偏移させる。その偏移は、搬送波の所定の周波数を中
心周波数として、高周波側と低周波側の両方向である。
変調信号の電位の差が大きいときには、高周波側に偏移
したときの周波数と低周波側に偏移したときの周波数の
差すなわち偏移の幅は大きくなり、変調信号の電位差が
小さいときは周波数の偏移幅は小さくなる。
【0011】偏移検出手段はFSK波の周波数が中心周
波数である搬送波の所定周波数からどの程度偏移してい
るかを検出する。電位調整手段は、偏移検出手段によっ
て検出された偏移からFSK波の周波数の偏移幅を検出
し、検出した偏移幅に基づいて変調信号の電位の差を調
整する。この電位差の調整によりFSK波生成手段によ
って生成されるFSK波の周波数の偏移幅は所定の偏移
幅となり、中心周波数からの高周波側への偏移の大きさ
および低周波側への偏移の大きさはそれぞれ一定に保た
れる。中心周波数は所定の値であるから、偏移後の周波
数も一定になる。
【0012】上記構成において、偏移検出手段はFSK
波の周波数の偏移に対応する電位を出力するものとし、
電位調整手段に、変調信号を与えられその電位に応じた
切り換え信号を生成する切換信号発生器と、偏移検出手
段の出力と切り換え信号とを与えられ、偏移検出手段の
出力を切り換え信号に応じて2つの出力端子に切り換え
て出力するスイッチ回路と、スイッチ回路の一方の出力
端子に接続された第1のホールド回路と、スイッチ回路
の他方の出力端子に接続された第2のホールド回路と、
第1のホールド回路と第2のホールド回路が保持する電
位の差を検出する演算増幅器と、変調信号と演算増幅器
の出力とを与えられ、演算増幅器の出力に応じて与えら
れた変調信号の電位差を変化させるAGC回路とを備え
る。
【0013】偏移検出手段の出力電位はFSK波の中心
周波数からの偏移の大きさを表し、FSK波生成手段に
与えられる変調信号の電位に対応したものとなる。偏移
検出手段の出力電位はスイッチ回路を介して第1および
第2のホールド回路に与えられて保持される。スイッチ
回路の出力先の切り換えは、切換信号発生器により変調
信号の電位に応じて生成される切り換え信号により行わ
れる。したがって、FSK波の高周波側への偏移を表す
電位が一方のホールド回路に、低周波側への偏移を表す
電位が他方のホールド回路に与えられる。
【0014】演算増幅器は、これらのホールド回路の電
位の差を検出し、その検出した電位差によってAGC回
路が変調信号の電位差を変化させる。AGC回路は、演
算増幅器で検出された電位差が所定の偏移幅に対応する
電位差よりも大きいときには、変調信号の電位差を減少
させ、検出された電位差が所定の偏移幅に対応する電位
差よりも小さいときには、変調信号の電位差を増大させ
る。FSK波生成手段に与えられる変調信号の電位差は
こうして調整され、生成されるFSK波の偏移幅は所定
の幅に設定される。
【0015】また、半二重のFSK通信装置に上記構成
の送信装置を備えて、FSK波受信時において、受信し
たFSK波を偏移検出手段に与えて復調する。FSK波
を復調するということは、中心周波数からの周波数偏移
の大きさを検出することに等しく、上記構成の偏移検出
手段はこの復調動作を行っていることになる。半二重の
通信装置は送信と受信を同時に行うことはなく、信号受
信時には送信のための動作を行う必要がない。したがっ
て、信号受信時に偏移検出手段を復調手段として利用す
ることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のFSK通信装置の一実施
形態の概略構成を図1に示す。本FSK通信装置は、半
二重の通信方式により送信と受信を行うものであり、デ
ータ処理装置1、変調信号発生装置2、振幅調整装置
3、フェーズロック変調器4、偏移検出装置5、受信信
号検出装置6、増幅器7、8およびフィルタ9、10か
ら構成されている。また、信号や送受するFSK波の流
れを送信時と受信時とで切り換えるために、スイッチS
W1、SW2、SW3が設けられている。
【0017】データ処理装置1は、送信と受信の通信の
切り換え制御を行う通信制御部11、受信したデータを
処理する受信データ処理部12および送信するデータを
生成する送信データ発生部13より成る。通信制御部1
1は、送信時には送信データ発生部13を動作させ受信
時には受信データ処理部12を動作させるとともに、送
信と受信を切り換える制御信号を生成してスイッチSW
1、SW2、SW3に出力し、各スイッチの接点間の接
続を切り換える。
【0018】スイッチSW1およびSW2は、送信時に
は端子s側に設定され、受信時には端子r側に設定され
る。また、スイッチSW3は、送信時に端子sに設定さ
れて閉結され、受信時には開放される。したがって、こ
れらのスイッチSW1、SW2、SW3の設定により、
受信時には、アンテナANTからフィルタ10、増幅器
8、偏移検出装置5、受信信号検出装置6を経て受信デ
ータ処理部12に至る経路が設定される。また、送信時
には、送信データ発生部13から変調信号発生装置2、
振幅調整装置3、フェーズロック変調器4、増幅器7、
フィルタ9を経てアンテナANTに至る経路が設定され
るとともに、フェーズロック変調器4から偏移検出装置
5を経て振幅調整装置3に帰還するループ経路が設定さ
れることになる。
【0019】このFSK通信装置では、データ処理装置
1、変調信号発生装置2、振幅調整装置3、フェーズロ
ック変調器4、偏移検出装置5、増幅器7およびフィル
タ9が送信機能を司り、フィルタ10、増幅器8、偏移
検出装置5、受信信号検出装置6およびデータ処理装置
1が受信機能を司る。
【0020】まず、送信動作に関与する各装置の機能に
ついて説明する。送信データ発生部13は、送信するデ
ータをビット単位に分解し、「0」または「1」の2値
を表すディジタル信号を順次出力する。変調信号発生装
置2は、送信データ発生部13から与えられる2値信号
に基づいて、搬送波の周波数を偏移させるための変調信
号を生成する。具体的には、与えられたディジタル信号
が「0」のときにLレベルの電位を出力し、ディジタル
信号が「1」のときにHレベルの電位を出力する。した
がって、変調信号はその電位によって「0」、「1」の
2値を表すことになる。
【0021】振幅調整装置3は、変調信号発生装置2か
ら与えられる変調信号の振幅すなわち2レベルの電位差
を、偏移検出装置5の出力信号に応じて調整し、振幅を
調整した後の変調信号を出力する。振幅調整装置3の構
成については後に詳述する。
【0022】フェーズロック変調器4は、所定周波数の
搬送波を生成するとともに、生成した搬送波の周波数
を、振幅調整装置3から出力される変調信号に基づいて
偏移させる。具体的には、与えられた変調信号がHレベ
ルのときに搬送波の周波数を高周波側に偏移させ、変調
信号がLレベルのときに搬送波の周波数を低周波側に偏
移させる。周波数偏移を受けた搬送波はFSK波として
出力される。
【0023】偏移検出装置5は、FSK波を与えられて
その周波数の偏移の方向と偏移の大きさを検出し、検出
した偏移を電位として出力する。この動作は送信時も受
信時も同じである。偏移検出装置5は、送信時には、フ
ェーズロック変調器4の出力であるFSK波の周波数偏
移を検出し、検出した偏移を表す電位を振幅調整装置3
に出力する。この出力電位に基づいて変調信号の振幅が
調整されることになる。フェーズロック変調器4および
偏移検出装置5についても後述する。
【0024】増幅器7はフェーズロック変調器4の出力
のFSK波を増幅する。フィルタ9はバンドパスフィル
タより成り、あらかじめ割り当てられている所定周波数
帯域内の周波数成分のみを透過させる。所定周波数帯域
外の高周波数成分と低周波数成分は雑音であり、フィル
タ9によって除去される。フィルタ9が透過させる周波
数の中心周波数は、フェーズロック変調器4が生成する
搬送波の周波数すなわち送信するFSK波の中心周波数
に合わせて設定されている。フェーズロック変調器4に
よって生成されたFSK波は、増幅器7によって増幅さ
れ、フィルタ9によって雑音を除去された後、アンテナ
ANTより送信される。
【0025】次に、受信動作に関与する各装置の機能に
ついて説明する。アンテナANTで受信されたFSK波
は、まずフィルタ10に入力される。フィルタ10は、
上述のフィルタ9と同じ帯域の周波数のみを透過させる
バンドパスフィルタより成る。FSK波に混入した所定
周波数帯域外の雑音成分はフィルタ10によって除去さ
れる。フィルタ10を透過したFSK波は増幅器8によ
って増幅された後、偏移検出装置5に入力される。
【0026】偏移検出装置5は、受信したFSK波を復
調する。すなわち、前述の動作により、FSK波の周波
数の偏移の方向と偏移の大きさを検出し、検出した偏移
を表す電位を出力する。受信信号検出装置6は、偏移検
出装置5から入力される電位のレベルに応じて「0」ま
たは「1」を表すディジタル信号を生成し、データ処理
装置1の受信データ処理部12に与える。受信データ処
理部12は、受信したFSK波が担持していた「0」、
「1」の2値を表す1ビット分のディジタル信号を順次
与えられて、バイト単位の情報を構築し、データを再生
する。
【0027】こうして、搬送波を2値のディジタル信号
によって周波数変調して送信するFSK送信と、受信し
たFSK波を周波数復調して2値のディジタル信号を抽
出し、データを再生するFSK受信が行われる。送信と
受信は通信制御部11によって切り換え制御され、互い
に独立して個別の時期に行われる。なお、送信動作を行
っている時以外は常時受信可能であるようにするため
に、通信制御部11は、送信時以外は、スイッチSW
1、SW2、SW3を受信側に設定しておき、受信デー
タ処理部12を動作可能な状態で待機させておく。
【0028】図2にフェーズロック変調器4の構成を示
す。フェーズロック変調器4は、所定周波数f0 の搬送
波を発振するVCO41、加算器42、VCO41の出
力を所定の比率で分周するプログラマブルカウンタ4
3、搬送波周波数f0 の分周後の周波数と同一の基準周
波を一定に発振する発振器44、位相比較器45および
ループフィルタ46より成り、PLLが形成されてい
る。VCO41の発振周波数は、加算器42から与えら
れる電位に応じて、所定周波数f0 を中心として高周波
側および低周波側に偏移する。
【0029】VCO41の出力はプログラマブルカウン
タ43によって分周され、位相比較器45において発振
器44からの基準周波と位相比較される。位相比較器4
5の出力はループフィルタ46によって高周波数成分を
除去され、加算器によって振幅調整装置3から与えられ
る変調信号に加算されて、制御電圧としてVCO41に
印加される。ループフィルタ46は、変調信号によるV
CO41の出力周波数の短時間の偏移にはPLLが追随
しないように、PLLの時定数を定めている。PLLの
時定数のこのような設定により、VCO41の発振周波
数の平均値すなわち中間周波数を、所定周波数f0 に常
に保つことができる。
【0030】図5にFSK波の周波数偏移を検出する偏
移検出装置5の動作原理を示す。図5において、横軸は
FSK波の周波数を表し縦軸は電位を表す。FSK波は
図のシグモイド曲線のようになり、f0 は搬送波の周波
数すなわちFSK波の中心周波数を表している。また、
fH0 は中心周波数f0 から高周波側へのあらかじめ定
められている偏移周波数であり、fL0 は中心周波数f0
から低周波側へのあらかじめ定められている偏移周波
数である。その差Δf0(=fH0−fL0)は周波数の偏
移の所定の幅を表す。
【0031】偏移検出装置5は、中心周波数(搬送波周
波数)f0 を中心とする周波数偏移に対応する電位を検
出できるように共振周波数が設定された共振回路から構
成されている。この偏移検出装置5は、入力されたFS
K波の周波数がfH0 のときに電位vH0 を出力し、周波
数がfL0 のときに電位vL0 を出力する。したがって、
FSK波の周波数偏移が所定の大きさΔf0 のときに、
偏移検出装置5の出力電位の差は所定の値Δv0(=vH
0−vL0)となる。
【0032】送信時においては、フェーズロック変調器
4の出力であるFSK波の周波数偏移の大きさは、入力
される変調信号の振幅すなわちレベル差に応じて変化す
る。変調信号の振幅が大きいときには、高周波側への偏
移周波数および低周波側への偏移周波数は、中心周波数
f0 から所定周波数fH0 およびfL0 よりも離れる。逆
に、変調信号の振幅が小さいときには、変調周波数は中
心周波数f0 に近づく。偏移検出装置5は、偏移周波数
fH およびfL を検出したときに、それぞれ電位vH お
よびvL を出力する。
【0033】偏移検出装置5の出力電位の差Δv(=v
H−vL)が所定値Δv0 に等しければ、変調信号の振幅
は正しく設定されていることになる。両者が等しくない
ときには、偏移検出装置5の出力電位の差Δvが所定値
Δv0 に一致するように、変調信号の振幅を調整する必
要がある。
【0034】受信時においては、出力電位vH およびv
L が「1」および「0」を示すことになる。受信信号検
出装置6はこれらの出力電位vH、vL を中心周波数f0
に対応する所定電位と比較して、「0」または「1」
を表すディジタル信号を生成する。
【0035】フェーズロック変調器4に与える変調信号
の振幅を調整するための振幅調整装置3の構成を図3に
示す。振幅調整装置3は、2つのホールド回路31、3
2、演算増幅器33、AGC回路34、切換信号発生器
35およびスイッチSW4より成る。スイッチSW4に
は偏移検出装置5の出力電位が与えられ、出力端子uお
よびdはそれぞれホールド回路31および32に接続さ
れている。ホールド回路31および32の出力はそれぞ
れ演算増幅器33の非反転入力端子(+)および反転入
力端子(−)に接続されている。演算増幅器33の出力
はAGC回路34に制御信号として入力される。
【0036】切換信号発生器35は、変調信号発生装置
2から変調信号を与えられて、スイッチSW4の設定を
制御するための信号を生成する。具体的には、切換信号
発生器35は、所定の時間間隔で変調信号の電位を検知
し、HレベルのときにスイッチSW4を端子u側に設定
し、LレベルのときにスイッチSW4を端子d側に設定
する切り換え信号を生成して、スイッチSW4に与え
る。
【0037】前述のように、フェーズロック変調器4に
よって生成されるFSK波は、変調信号がHレベルのと
きに高周波側に偏移し、Lレベルのときに低周波側に偏
移するものである。したがって、スイッチのSW4の切
り換えによって、ホールド回路31にはFSK波の高周
波側への偏移周波数fH に対応する電位vH が、ホール
ド回路32にはFSK波の低周波側への偏移周波数fL
に対応する電位vL が、偏移検出装置5から与えられる
ことになる。ホールド回路31、32は、与えられた電
位を次の電位が新たに与えられるまで保持するととも
に、保持している電位を演算増幅器33に出力し続け
る。
【0038】演算増幅器33は、非反転入力端子(+)
と反転入力端子(−)に与えられる電位の差すなわちF
SK波の高周波側と低周波側への偏移周波数fH、fV
を表す電位vH、vL の差Δvをとって、所定の増幅率
αで増幅し出力する。したがって、演算増幅器33はF
SK波の偏移幅を検出することになる。AGC回路34
は、変調信号発生装置2から変調信号を与えられて、そ
の振幅を演算増幅器33の出力電位に応じて調整する。
具体的には、増幅後の電位差α・Δvが前述の所定の偏
移幅に対応する電位差Δv0 をα倍した値α・Δv0 よ
りも大きいときに、変調信号の振幅を小さくし、増幅後
電位差α・Δvが値α・Δv0 よりも小さいときに、変
調信号の振幅を大きくする。こうして振幅を調整された
変調信号がフェーズロック変調器4に与えられて、搬送
波の周波数偏移に用いられる。
【0039】上記構成のFSK通信装置の、送信時にお
けるFSK波の周波数偏移、検出信号および制御信号の
経時変化の例を図4に示す。図4において、(a)は変
調信号発生装置2によって生成された変調信号であり、
電位のHレベルおよびLレベルは送信するデータの
「1」および「0」の2値に対応する。(b)は、振幅
調整装置3の切換信号発生器35によって生成された切
り換え信号を表している。所定の時間間隔で(a)の変
調信号の電位が検出されて、そのHレベルおよびLレベ
ルに対応する切り換え信号が生成され、スイッチSW4
の設定制御に用いられる。
【0040】(c)はフェーズロック変調器4で生成さ
れたFSK波の周波数fと、その周波数fを偏移検出装
置5によって検出したときの電位vを表している。周波
数f0 は搬送波の所定周波数すなわちFSK波の中心周
波数であり、電位v0 はこれに対応する偏移検出装置5
の電位である。周波数fH0 およびfL0 はそれぞれ高周
波側および低周波側への所定の偏移周波数であり、電位
vH0 およびvL0 はこれらに対応する検出電位である。
ここでは、送信動作のある時点において、フェーズロッ
ク変調器4に与えられた変調信号の振幅が大きく、FS
K波の周波数偏移幅が所定値Δf0(=fH0−fL0)よ
りも大きくなっている場合の例を示している。
【0041】(d)はホールド回路31に与えられ保持
された電位を表している。この電位vH は、偏移検出装
置5で検出されたFSK波の高周波側の偏移周波数fH
に対応する。(e)はホールド回路32に与えられ保持
された電位を表している。この電位vL は、FSK波の
低周波側の偏移周波数fL に対応するものである。
(f)は演算増幅器33からAGC34に与えられた制
御信号を表している。この信号の電位はホールド回路3
1、32が保持する電位vH、vL の差Δvをα倍に増
幅したものである。
【0042】時間t1 において生成された切り換え信号
(b)は変調信号(a)のHレベルに対応しており、偏
移検出装置5の出力電位(c)はホールド回路31に入
力される(d)。この後、次の切り換え信号が発生され
る時間t2 までは、演算増幅器33にはホールド回路3
1に入力されたこの電位とホールド回路32がそれまで
保持していた電位(e)が継続して与えられて、その電
位差Δvに応じた大きさの制御信号(f)がAGC回路
34に与えられる。この制御信号によって変調信号の振
幅は小さくされる。その結果、FSK波の中心周波数f
0 からの偏移の大きさ|f−f0|は、時間t1 におけ
る偏移の大きさよりも小さくなる(c)。
【0043】時間t2 において生成された切り換え信号
(b)は変調信号(a)のLレベルに対応しており、偏
移検出装置5の出力電位(c)はホールド回路32に入
力される(e)。この後、次の切り換え信号が発生され
る時間t3 までは、演算増幅器33にはホールド回路3
1がそれまで保持していた電位(d)とホールド回路3
2に新たに入力された電位(e)とが継続して与えられ
て、その電位差Δvに応じた大きさの制御信号(f)が
AGC回路34に与えられる。時間t2 におけるFSK
波の中心周波数f0 からの偏移の大きさは、時間t1 に
おける偏移の大きさよりも小さくなっているため、偏移
検出装置5で検出された電位の中心電位v0 からのずれ
の大きさ|v−v0|も小さくなっている。したがっ
て、時間t2からt3 までの制御信号の電位は、時間t1
からt2 までの電位よりも小さくなる(f)。この制
御信号によって変調信号の振幅は更に小さくなり、FS
K波の偏移の大きさも更に小さくなる。
【0044】これ以降も同様に、FSK波の周波数偏移
の大きさの検出と、検出した偏移幅に基づく変調信号の
振幅調整が反復され、FSK波の周波数の偏移幅は所定
の偏移幅Δf0 に近づいていく(c)。そして最終的
に、たとえば時間t5以後に示したように、高周波側へ
の偏移周波数は所定値fH0 となり、低周波側への偏移
周波数は所定値fL0 となって、その後一定に保たれ
る。このとき、制御信号の電位も一定に保たれる
(f)。
【0045】なお、ここではFSK波の周波数偏移幅が
所定の偏移幅よりも大きい状態にあるときの変調信号の
振幅を調整する例を示したが、FSK波の周波数偏移幅
が所定の偏移幅より小さい場合も、同様にして変調信号
の振幅を調整することにより、高周波側への偏移周波数
および低周波側への偏移周波数をそれぞれ所定値fH0お
よびfL0 に一致させることができる。この場合、AG
C回路34に与えられる制御信号の電位は、低い状態か
ら徐々に上昇していき、最終的に一定値となる。
【0046】以上説明したように、本発明のFSK通信
装置では、生成したFSK波の偏移を検出し、これに基
づいて搬送波を偏移させる変調信号の振幅を調整するた
め、FSK波の偏移幅を確実に所定の偏移幅に保つこと
ができる。これにより、FSK波に担持された2値の確
実な識別が可能になるとともに、送信するFSK波を所
定の周波数帯域内に収めることができる。
【0047】なお、上記実施形態においては、フィルタ
9を透過させた後にFSK波を送信する構成としたが、
フィルタ9はFSK波を所定周波数帯域内に収める目的
で設けられているものではなく、単に雑音を除去するた
めに設けられたものである。したがって、フィルタ9は
本発明のFSK通信装置に必ずしも必要なものではな
い。増幅器7等を低雑音性の電気素子で構成すれば、フ
ィルタを用いずとも良質のFSK波を送信することがで
きる。
【0048】
【発明の効果】本発明のFSK送信装置によるときは、
周波数偏移の大きさを決定する変調信号の振幅が、実際
に変調されたFSK波の周波数偏移の大きさによって調
整されるため、周波数偏移の大きさを常時略一定に保つ
ことができる。したがって、周波数偏移の大きさが過大
になったり過小になったりすることを回避することがで
き、送信しようとする信号の値を常に正しく保持したF
SK波を送信することが可能である。このため、受信装
置によって信号値を誤読される恐れがなく、通信の正確
性が確保される。
【0049】請求項2のFSK送信装置によるときは、
FSK波の周波数偏移幅を常時略一定に保つことができ
るため、ディジタル信号の値を正しく担持したFSK波
を送信することが可能である。また、周波数偏移幅が略
一定に保たれることに加えて中心周波数も所定周波数に
保たれるため、FSK波の周波数があらかじめ定められ
ている周波数帯域を超えることがない。したがって、帯
域制限のためのフィルタ処理を行ったときでも、FSK
波に歪みを生じることがなく、信号値を確実に保持する
ことができる。また、帯域制限のためのフィルタ処理を
行なわなくても、FSK波の周波数が隣接チャンネルに
侵入することがないため、フィルタ処理を必ずしも必要
としない。
【0050】請求項3のFSK送信装置では、スイッチ
回路の切り換えと偏移検出手段の出力が同期するため、
高周波側および低周波側への周波数偏移を確実に検出す
ることができ、偏移幅を正確に検出することが可能であ
る。したがって、周波数偏移幅を所定の幅に設定するこ
とができて、上記効果が確実に発揮される。
【0051】請求項4のFSK通信装置によるときは、
送信されるFSK波が上記特長を有することに加えて、
送信時に使用する偏移検出手段を受信時の復調に兼用す
るため、受信したFSK波を復調するための装置を備え
る必要がなく、装置構成が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のFSK通信装置の一実施形態の概略
構成を示す図。
【図2】 フェーズロック変調器の構成を示す図。
【図3】 振幅調整装置の構成を示す図。
【図4】 送信時におけるFSK波の周波数偏移、検出
信号および制御信号の経時変化の例を示す図。
【図5】 偏移検出装置の動作原理を示す図。
【図6】 従来のFSK送信装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 データ処理装置 2 変調信号発生装置 (変調信号発生手
段) 3 振幅調整装置 (電位調整手段) 4 フェーズロック変調器 (FSK波生成手
段) 5 偏移検出装置 (偏移検出手段) 6 受信信号検出装置 7、8 増幅器 9、10 フィルタ 11 通信制御部 12 受信データ処理部 13 送信データ発生部 31、32 ホールド回路 33 演算増幅器 34 AGC回路 35 切換信号発生器 41 VCO 42 加算器 43 プログラマブルカウンタ 44 発振器 45 位相比較器 46 ループフィルタ SW1、SW2、SW3、SW4 スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送波の周波数を変調信号の振幅に応じ
    て偏移させてFSK波を生成する送信装置において、F
    SK波の周波数の偏移を所定の大きさにするために、生
    成したFSK波の周波数偏移を検出し、検出した偏移に
    応じて変調信号の振幅を調整することを特徴とする送信
    装置。
  2. 【請求項2】 2値のディジタル信号の値に応じて搬送
    波の周波数を偏移させて送信するFSK送信装置におい
    て、 前記ディジタル信号の値に応じて異なる電位の変調信号
    を生成する変調信号生成手段と、 所定周波数の搬送波を生成し、生成した搬送波の周波数
    を前記変調信号の電位に応じて高周波側と低周波側に偏
    移させてFSK波を生成するFSK波生成手段と、 前記FSK波生成手段によって生成されたFSK波の周
    波数の前記搬送波の所定周波数からの偏移を検出する偏
    移検出手段と、 前記FSK波生成手段によって生成されるFSK波の周
    波数の偏移幅を所定の偏移幅にするために、前記偏移検
    出手段によって検出された偏移から高周波側と低周波側
    との偏移幅を検出し、該偏移幅に基づいて前記FSK波
    生成手段に与えられる変調信号の電位差を調整する電位
    調整手段とを備えることを特徴とするFSK送信装置。
  3. 【請求項3】 前記偏移検出手段はFSK波の周波数の
    偏移に対応する電位を出力し、前記電位調整手段は、 前記変調信号を与えられ、その電位に応じた切り換え信
    号を生成する切換信号発生器と、 前記偏移検出手段の出力と前記切り換え信号とを与えら
    れ、偏移検出手段の出力を切り換え信号に応じて2つの
    出力端子に切り換えて出力するスイッチ回路と、 前記スイッチ回路の一方の出力端子に接続された第1の
    ホールド回路と、 前記スイッチ回路の他方の出力端子に接続された第2の
    ホールド回路と、 前記第1のホールド回路と前記第2のホールド回路が保
    持する電位の差を検出する演算増幅器と、 前記変調信号と前記演算増幅器の出力とを与えられ、前
    記演算増幅器の出力に応じて与えられた変調信号の電位
    差を変化させるAGC回路とから成ることを特徴とする
    請求項2に記載のFSK送信装置。
  4. 【請求項4】 半二重のFSK通信装置であって請求項
    2または請求項3に記載の送信装置を備えて、FSK波
    受信時において、受信したFSK波を前記偏移検出手段
    に与えて復調することを特徴とするFSK通信装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6882826B2 (en) * 2001-08-03 2005-04-19 Atmel Germany Gmbh Process for the transfer of data
US7376391B2 (en) * 2003-07-23 2008-05-20 Atmel Germany Gmbh Wireless data transmission between base station and transponder with encoding/decoding parameter adjusted dependent on header symbol duration
JP2009111449A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Panasonic Electric Works Co Ltd Fsk変調回路
JP2009111450A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Panasonic Electric Works Co Ltd Fsk変調回路
US11665033B2 (en) 2020-07-06 2023-05-30 Jvckenwood Corporation Transmission device

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