JP2003188744A - Cfm−ssb無線機 - Google Patents

Cfm−ssb無線機

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JP2003188744A
JP2003188744A JP2001384205A JP2001384205A JP2003188744A JP 2003188744 A JP2003188744 A JP 2003188744A JP 2001384205 A JP2001384205 A JP 2001384205A JP 2001384205 A JP2001384205 A JP 2001384205A JP 2003188744 A JP2003188744 A JP 2003188744A
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wave
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Yoji Makishima
洋二 巻島
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ信号の伝送効率を向上し、また受信側
の周波数をより安定して供給することができるSSB無
線機を提供すること。 【解決手段】 搬送波に同期して形成された正弦波状の
基準信号及びデータ信号からなる変調波で、搬送波を変
調して、帯域制限されたSSBで送信する。受信側で
は、基準信号の周期に基づいて局部発振波周波数を発生
し、側帯波周波数に基づいて局部搬送波周波数を発生し
て、周波数誤差なく変換及び同期検波を行う。また、基
準信号のレベルに基づいてデータ信号を精度よく復号す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単側波帯(SS
B)通信方式に用いるSSB無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】変調信号により振幅変調し、無線通信を
行う方式として、SSB無線通信方式が広く用いられて
いる。
【0003】このSSB無線通信方式は、搬送波及び上
下の側帯波の内、直接情報伝達に寄与していない搬送波
と上下の側帯波の一方とを抑圧し、上または下の側帯波
の一方だけを伝送する方式である。この方式は電力の節
約になるのみならず、周波数帯域が半分で済み、通信チ
ャネルを多く取れる。
【0004】図8は、従来のSSB無線通信方式に用い
る無線機の受信回路のブロック構成を示す図である。図
8において、空中線121では送信側から送られてきた
単側波帯信号を受信し、高周波増幅器122で増幅す
る。周波数変換器123では、高周波増幅器122から
の単側波帯信号と第1局部発振器124からの信号とを
混合し、帯域制限用フィルタ125を通して中間周波数
信号に変換する。中間周波増幅器126では、その出力
の大きさが所定値になるように検出器126aにより自
動的に利得が調整される。復調器127では、自動利得
調整された中間周波数信号を局部搬送波発振器127a
からの信号に基づいて復調する。この復調器127の出
力信号を低周波ろ波器128を通して低周波増幅器12
9で増幅し、復調出力を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このSSB無
線通信方式では、図8の中間周波増幅器126及び検出
器126aでの自動利得調整に際して、レベル調整の基
準となるべき搬送波信号がないため、自動利得調整の時
定数を変調信号の周期より十分長く設定する必要があ
る。このため、無線通信経路の条件により自動利得調整
の時定数より短い周期で受信信号レベルが変動した場合
に、受信回路で振幅歪みを生じ、受信出力が変動してし
まう。
【0006】また、変調信号の波形を完全に再現するた
めには、送信側と受信側との周波数を一致させる周波数
を、第1局部発振器124から周波数変換器123に、
および局部搬送波発振器127aから復調器127に与
える必要があり、多少の誤差が許容される場合でもその
許容範囲内の周波数を与える必要がある。したがって、
送信側の周波数と受信側の周波数を一致させるために、
高安定度の発振器を必要とする。
【0007】また、SSB無線通信方式では、無線通信
経路の条件により受信出力レベルが変動するから、振幅
値をディジタル信号の変調値として扱うことが出来ず、
効率の良いデータ転送が行えない。
【0008】そこで、本発明者等は、SSB無線通信方
式における高電力効率及び狭周波数帯域伝送の利点を生
かしつつ、受信回路の自動利得制御を無線通信経路の条
件によらず即時且つ高精度に行うこと、及び、受信信号
に基づいて送信側周波数に同期した周波数を作成するこ
とができるSSB無線通信方式及び無線機を、既に提案
している(特願2001−157471)。
【0009】本発明は、提案済みのSSB無線通信方式
及び無線機を改善し、データ信号の伝送効率をさらに向
上し、また受信側の周波数をより安定して供給すること
ができるSSB無線機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のSSB無線機
は、局部搬送波及び局部発振波を共通の発振源から発生
する周波数発生手段と、前記周波数発生手段の発生周波
数に基づいて、所定の幅と所定の周期でかつ一定振幅の
正弦波状の基準信号及びこの基準信号と同じ幅でかつ前
記基準信号の振幅を基準とした2値又は多値のディジタ
ル値を表現する正弦波状のデータ信号からなる変調波を
発生する変調波発生手段と、前記局部搬送波を、前記変
調波で振幅変調する変調手段と、この変調手段の変調出
力を上側或いは下側のいずれかの単側帯波のみを通過さ
せる帯域通過フィルタ手段と、この帯域通過フィルタ手
段の出力を前記局部発振波によりシフトし送信搬送波信
号とするための周波数変換手段を備え、前記帯域通過フ
ィルタ手段は、前記局部搬送波の周波数に前記変調波の
周波数を加算或いは減算した単側帯波周波数が、通過帯
域の中心より一方側に設定されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項2のSSB無線機は、所定の幅と所
定の周期でかつ一定振幅の正弦波状の基準信号及びこの
基準信号と同じ幅でかつ前記基準信号の振幅を基準とし
た2値又は多値のディジタル値を表現する正弦波状のデ
ータ信号からなる変調波で変調されている単側帯波通信
信号を、局部発振波周波数信号でシフトし、中間周波数
信号に変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段
からの中間周波数信号を増幅する中間周波数増幅手段
と、この中間周波数増幅手段の出力を振幅検波し、前記
基準信号の周期の周波数成分を出力する振幅検波手段
と、この振幅検波手段からの前記基準信号の周期の周波
数成分に基づいて、前記局部発振波周波数信号を生成す
る周波数発生手段とを、有することを特徴とする。
【0012】請求項3のSSB無線機は、請求項2記載
のSSB無線機において、前記中間周波数増幅手段の出
力と局部搬送波周波数信号とを混合する混合回路、この
混合回路の出力を検波する検波回路を含む同期検波手段
と、前記中間周波数増幅手段の出力から前記単側帯波周
波数信号をろ波出力する帯域通過フィルタとを備え、前
記周波数発生手段は、さらに、前記帯域通過フィルタの
出力周波数に基づいて前記局部搬送波周波数信号を生成
することを特徴とする。
【0013】請求項4のSSB無線機は、請求項2,3
記載のSSB無線機において、前記中間周波数増幅手段
の出力を平均値検波する平均値検波手段を有し、この平
均値検波手段の検波出力に基づいて前記中間周波数増幅
手段の増幅度を制御することを特徴とする。
【0014】請求項5のSSB無線機は、請求項2記載
のSSB無線機において、前記中間周波数増幅手段の出
力と局部搬送波周波数信号とを混合する混合回路、この
混合回路の出力を参照値と比較する差動増幅回路、この
差動増幅回路の出力を検波する検波回路を含む同期検波
手段と、前記中間周波数増幅手段の出力から前記単側帯
波周波数信号をろ波出力する帯域通過フィルタとを備
え、前記周波数発生手段は、さらに、前記帯域通過フィ
ルタの出力周波数に基づいて前記局部搬送波周波数信号
を生成することを特徴とする。
【0015】請求項6のSSB無線機は、請求項5記載
のSSB無線機において、前記混合回路の出力に含まれ
る前記基準信号をピーク検波するピーク検波手段を有
し、このピーク検波手段の検波出力に基づいて、前記中
間周波数増幅手段の増幅度を制御するとともに、前記差
動増幅回路の参照値を生成することを特徴とする。
【0016】請求項7のSSB無線機は、請求項3〜6
記載のSSB無線機において、前記検波回路から順次出
力される基準信号及びデータ信号の値を記憶し、データ
信号の値を補正する記憶・補正手段を設け、連続する基
準信号の値にしたがって、それら基準信号間のデータ信
号の値を補正することを特徴とする。
【0017】請求項8のSSB無線機は、請求項7記載
のSSB無線機において、前記記憶・補正手段は、基準
信号及び連続するデータ群の値に応じて、それらデータ
信号の値を順次補正することを特徴とする。
【0018】本発明によれば、SSB無線通信方式にお
ける、高電力効率及び狭周波数帯域伝送の利点をさらに
拡大し、周波数利用効率を大幅に改善できる。
【0019】また、基準信号を一定とする制御及びデー
タ信号補正処理により、フェージングの影響を小さくす
ることができる。
【0020】また、受信した基準信号の間隔または周波
数に同期を取って局部発振周波数を調整し、また単側帯
波周波数に基づいて局部搬送波周波数を調整するから、
同期がほぼ完全にとれる。したがって、復調効率が改善
され、雑音などの影響が小さくなる。
【0021】以上のことから、VHF帯、UHF帯等に
も本発明のSSB無線機を適用することにより、VHF
帯、UHF帯等の周波数利用効率を大幅に改善できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の実施の形態にかかるSS
B無線通信方式の送信側の無線機の全体構成を示す図で
あり、図2はその各部の波形を示す図、図3は変調波を
形成する他の手段を示す図である。
【0024】この実施の形態においては、多値のディジ
タル信号を伝送するものにおいて、変調波周波数となる
クロック信号周波数を4.8kHzとし、変調波周波数
を局部搬送波に同期した単一周波数の正弦波のみとす
る。その1サイクルごとにその振幅値に信号を乗せ、そ
の信号の一つに最大で一定振幅、一定間隔の基準信号を
設け、データ信号をその間に2個(1個または他の複数
個でもよい)を挿入して、変調波を形成する。この変調
波で局部搬送波を振幅変調し、一方の単側帯波(この例
では上側)を送信する。
【0025】図1において、シンセサイザ回路11は、
本発明のSSB無線通信方式の送信側動作に必要な各種
の周波数信号をそれぞれ同期して発生する。この例で
は、第1局部発振周波数fl1=48.704MHz、
第2局部発振周波数fl2=70.224MHz、局部
搬送波周波数fc=476.4kHzを発生する。ま
た、変調波を発生するために、4.8kHzのデューテ
ィ50%の矩形波及び4.8kHzのパルス信号を発生
する。このように、本発明では、単一周波数の変調波で
変調することから、CFM(Constant Frequency Modul
ation)-SSB無線機ということができる。
【0026】帯域通過ろ波回路12は、シンセサイザ回
路11からの一定振幅でデューティ比50%の4.8k
Hzのクロック信号が入力され、4.8kHz正弦波の
変調波周波数信号が出力され、抵抗減衰部13に供給さ
れる。抵抗減衰部13は、基準信号Kと8値のデータ信
号Dに対応するため、9つの抵抗減衰器1〜9から構成
されている。このデータ信号Dは、例えば4値、16値
などにすることができるが、この場合には、多値数に応
じて抵抗減衰器の数は5個、17個になる。
【0027】抵抗減衰部13からの各出力は、切換回路
14に入力される。一方、制御回路15では、ディジタ
ルデータ及び4.8kHzのパルス信号に応じて、変調
データである切替信号を形成し、切替回路14に入力す
る。切替回路14では、切替信号に基づいて、抵抗減衰
部13からの出力を切り替えて、基準信号K、データ信
号D(1〜8)を出力する。
【0028】この実施の形態では、最大の振幅値で一定
値の基準信号Kと、基準信号Kの間に挿入されたデータ
信号Dの振幅がフェージングにより変化することに対応
するため、データ信号2個毎に基準信号Kを挿入するこ
ととしている。もちろん、データ信号1個毎に基準信号
Kを挿入してもよく、また逆に変調波周波数やフェージ
ングの条件によっては、基準信号K間に3個以上(例え
ば5個)のデータ信号Dを入れることもできる。
【0029】切替回路14の出力は、切替時に発生する
雑音及び高周波成分などを除去するための低域通過ろ波
回路16を介して、図2(a)のように4.8kHzの
正弦波で各周期毎に振幅値が変動する変調信号として変
調回路17に与えられる。この変調信号(a)には、2
つおきの周期毎に一定振幅の基準信号Kが入っているこ
とから、1.6kHzの周波数成分が含まれている。こ
の例では、データ信号Dは、「1」「5」「3」「8」
として示されている。
【0030】変調回路17では、476.4kHzの局
部搬送波を変調波(a)で変調して、図2(b)のよう
に振幅変調された被変調波を発生する。この被変調波
(b)は、通常の振幅変調波であるから、局部搬送波、
下側帯波および上側帯波を含んでいる。図2(c)はそ
の上側帯波のみを表している。
【0031】この被変調波(b)が、中心周波数480
kHz、帯域幅2.4kHzの帯域通過ろ波回路18に
よりフィルタリングされて、上側帯波(c)のみが通過
して、図2(d)に示されるような単側帯波信号として
出力される。上側帯波の周波数は481.2kHzであ
るから、帯域通過ろ波回路18の通過帯域の一番高い側
にある。また、その下側の2.4kHzの帯域で、変調
波に含まれる基準信号Kとデータ信号Dの振幅変動成分
が送られることになる。したがって、中心周波数は、4
80kHzである。この単側帯波信号(d)には、上側
帯波の周波数成分と基準信号Kとデータ信号Dの振幅変
動成分が含まれているから、受信側で同期検波を行うこ
とにより、復調することができる
【0032】ここでは、帯域通過ろ波回路18の通過帯
域を、変調波周波数の1/2である2.4kHzとして
いるが、この通過帯域を広くすることもできる。また、
上側帯波の周波数を、帯域通過ろ波回路18の通過帯域
のどこに設定するかは、通過帯域幅との関係で適宜定め
ることができる。
【0033】この単側帯波信号(d)は、送信混合回路
19で70.224MHzの第2局部発振周波数fl2
と混合されてシフトアップされ、高周波増幅回路20で
増幅され、帯域通過ろ波回路21でろ波される。さら
に、送信混合回路22で48.704MHzの第1局部
発振周波数fl1と混合され、高周波増幅回路23で増
幅され、帯域通過ろ波回路24(中心周波数22MH
z)でろ波され、送信電力増幅回路25で増幅され、空
中線同調回路26を経て、空中線27から、22.00
12MHz(上側帯波)の周波数で送信される。
【0034】以上の送信側の作用を整理して、数式など
を用いて説明する。本発明のSSB無線方式では、最大
振幅の基準信号Kを変調波の1サイクルとして、定期的
に挿入し、その間の各サイクルの振幅値を多値としてデ
ータ信号Dを載せている。基準信号Kは、受信側におい
て振幅値を精度よく復調することと、送信側の搬送波の
周波数情報を与えるために使用される。
【0035】局部搬送波をVOcos(ωCt+θ)、変
調波をVMcos(pt+φ)とすると、振幅変調波v
(t)は下式となる。 v(t)=VOcos(ωCt+θ)+1/2・mVO
os{(wc+p)t+θ+φ)}+1/2・mVOco
s{(wc−p)t+θ−φ)} 但し、m=k・VM/VO 、kは比例定数
【0036】ここで、フィルタによって上側帯波v
U(t)を取り出すと、vU(t)=1/2・mVOco
s{(wc+p)t+θ+φ)}となる。本発明では、
局部搬送波と変調波(副搬送波)とを、振幅の立ち下が
りで同期させ、変調波は3π/2のところでピークとな
るようにしているため、θ=3π/2、φ=π/2とな
り、上側帯波vU(t)は、vU(t)=1/2・mVO
cos(wc+p)t となる。
【0037】変調波(副搬送波)の周波数を一定として
いるから、副搬送波が使用する帯域は、副搬送波の両側
または片側にデータ信号を乗せるのに必要な帯域があれ
ばよい。従って、局部搬送波と副搬送波との間隔に制限
はなくなり、副搬送波を高く設定する上でも、また搬送
波を削除する上でも局部搬送波と上側帯波との間隔は大
きく離れていることが望ましい。本発明の図1の実施の
形態では、上側帯波の下側にのみデータ信号を載せる方
式を採用している。
【0038】このように設定すると、局部搬送波及び下
側帯波などの不要発射の電力は従来のSSB方式と比較
して大幅に減少させることができる。また、使用する帯
域幅も最小限にできるため、周波数利用効率は最も高く
することができると考えられる。
【0039】また、変調波を形成する手段として、図3
(a)に示されるように、ROMなどから構成される正
弦波信号発生器31を用いて、入力される指令信号に応
じてディジタル的に正弦波信号を発生することが出来
る。この場合、正弦波信号発生器31にクロック信号
(4.8kHz)と、ディジタル信号(ディジタルデー
タ)を入力し、ディジタル信号の値に応じた振幅のデー
タ信号Dと、基準信号Kとして一定振幅の正弦波信号と
を発生させて、変調波を出力させる。
【0040】また、同様に、図3(b)に示されるよう
に、ROMなどから構成される正弦波信号発生器32
と、可変減衰器33とを用いて、入力されるディジタル
信号に応じてディジタル的に正弦波信号を発生すること
が出来る。この場合、正弦波信号発生器32にクロック
信号を入力して一定振幅の正弦波信号を繰り返し発生さ
せて可変減衰器33に供給し、可変減衰器33で入力さ
れたディジタル信号の値に応じた振幅となるように、そ
の正弦波信号を減衰させて、変調波を出力させてもよ
い。
【0041】図4は、本発明の実施の形態に係る、第1
のSSB無線通信方式の受信側の無線機の全体構成を示
す図、図5は受信した受信波から各局部発振周波数や局
部搬送周波数を再生するためのシンセサイザ回路の構成
を示す図、図6はその各部の波形を示す図である。
【0042】受信側の無線機においては、図1、図2等
で説明した送信波を受信し、中間周波数に変換した後、
自動利得制御及び同期検波を行い、振幅値を補償した上
でデータ信号を復号する。同時に、SSB方式に不可欠
な、局部発振周波数及び局部搬送波周波数を再生する。
【0043】まず、SSB方式では、送信波に含まれて
いない搬送波に、周波数及び位相がほとんど一致してい
る局部発振周波数及び局部搬送波周波数を受信側で再生
する必要がある。従来、VHF帯やUHF帯でSSB方
式が使用されていない理由に、この再生が困難であるこ
とがある。本発明では、その再生のために次のような方
策が採用されている。
【0044】1.基準信号Kの周波数及び間隔は、送信
側で局部発振周波数fl1,fl2及び局部搬送波周波
数fcに同期させているから、基準信号Kの周期の周波
数(この実施の形態では1.6KHz)も局部発振周波
数及び局部搬送波周波数に同期している。受信部におい
て、周波数変換されてもその周期は変化しない。よっ
て、受信波(具体的には中間周波数信号)を振幅検波し
て、その周期周波数を検出して、これに受信用の局部発
振周波数及び局部搬送波周波数を同期させれば、送信さ
れてくる周波数が例え変動した場合であっても常に同期
させることができる。
【0045】2.UHF帯など超高周波数の場合に、上
記1.による同期制御による誤差(例えば数Hz)が問
題になることが考えられる。この場合には、同期検波に
直接使用する局部搬送波周波数fcを、中間周波数信号
に含まれる上側帯波周波数を抽出し、この上側帯波周波
数に基づいて、再生する。再生された局部搬送波周波数
fcを同期検波手段に入力することにより、検波効率が
さらに向上される。本発明のこの実施の形態では、この
2.の方法も採用している。
【0046】つぎに、受信されるSSB波は、伝送経路
のフェージングなどにより、振幅値が低下したり、変動
したりする。その振幅値の検出・補償は次のように行わ
れる。
【0047】まず、振幅最大の基準信号Kを、振幅値を
乗せたデータ信号を挟んで、一定間隔毎に挿入している
から、同期検波手段の混合回路の出力をピーク検波し、
基準信号Kの信号レベルを一定になるように制御する。
この一定制御された基準信号Kに基づいてデータ信号D
を復調する。基準信号Kの間隔は、フェージングの通常
想定される最小時定数(約10ms)より十分に小さく
できるから、基準信号Kを一定とする制御は容易であ
る。
【0048】また、基準信号Kが一定制御しきれない場
合でも、基準信号Kの前後のそのレベルの変化分を監視
し、その差分に応じて、それら基準信号間に配置されて
いるデータ信号のレベルを内挿法により補正する。さら
に、帯域通過フィルタによる帯域制限等により基準信号
K及びデータ信号Dの振幅値の変化(立ち上がり或いは
立ち下がり)が遅れることによるデータ信号の補正を行
う。これにより、より正確なデータ信号Dの復調を行っ
て、多値伝送を可能にしている。
【0049】さて、図4、図5および図6を参照して、
アンテナ41で送信側の無線機から送信された、中心周
波数22MHzのSSB被変調波(上側帯波周波数2
2.0012MHz)の受信動作を説明する。この受信
信号は、伝送経路中でのフェージングなどの影響を受け
た場合には、その振幅が変動する。
【0050】この受信信号は低域通過ろ波回路42で高
周波成分が除去された後、指令値にしたがって可変減衰
器43で減衰され、帯域通過ろ波回路44、高周波増幅
回路45を経て混合回路46に入力される。混合回路4
6では、この入力された信号と、シンセサイザ回路54
からの第1局部発振周波数fl1(=48.704MH
z)とをミキシングし、帯域通過ろ波回路47(中心周
波数70.704MHz)を介して、第1中間周波数信
号fif1(=70.7052MHz)を得る。
【0051】この第1中間周波数信号fif1を帯域フ
ィルタ48でろ波した出力と高周波増幅回路45の出力
により増幅回路49を制御し、検波回路50、比較・増
幅回路51を介して、可変減衰器43を制御する。これ
により、過大妨害波入力、過大希望波入力により、希望
波入力の直線性が損なわれないように可変減衰器43の
減衰度が制御される。
【0052】第1中間周波数信号fif1は、中間周波
増幅回路52で利得制御され、混合回路53でシンセサ
イザ回路54の第2局部発振周波数fl2(=70.2
24MHz)とミキシングされ、帯域通過ろ波回路55
(中心周波数:480kHz、帯域幅:2.4kHz)
でろ波されて、第2中間周波数信号fif2(=48
0.12kHz)となる。
【0053】帯域通過ろ波回路55の出力が、中間周波
増幅回路56に入力されるとともに、増幅回路57で増
幅され、平均値検波回路58で平滑されてその平均値を
得、比較・増幅回路59で所定値と比較して増幅し、中
間周波数増幅回路52の制御信号を得て、中間周波数増
幅回路52の出力が一定値になるように制御される。
【0054】中間周波増幅回路56では、この第2中間
周波数信号fif2(=480.12kHz)が入力さ
れ自動利得制御された信号が出力される。この中間周波
数増幅回路56の出力は、図6(e)に示されるような
エンベロープ波形を有している。これは、送信側から送
信された送信波、即ち図6(d)の帯域制限された上側
帯波と同様であり、上側帯波の周波数成分と基準信号K
とデータ信号Dの振幅変動成分が含まれている。この図
のように、基準信号Kの間にそれぞれ2つのデータ信号
Dが挿入されており、この例ではデータ信号Dは、それ
ぞれ「1」「5」「3」「8」である。
【0055】この中間周波数増幅回路56の出力は、振
幅検波回路62と、帯域濾波回路65と、混合回路67
に入力される。
【0056】振幅検波回路62では、中間周波数増幅回
路56の出力(e)を振幅検波する。この出力(e)の
エンベロープ波形は、基準信号Kと同一周波数でかつ同
期しているから、振幅検波出力を1.6kHzの狭帯域
の帯域通過ろ波回路63によりフィルタリングし、振幅
制限回路64で振幅制限する。これにより、基準信号K
に同期した1.6kHzの信号がシンセサイザ回路54
に供給される。シンセサイザ回路54では、入力された
1.6kHzの信号に基づいて第1局部発振周波数fl
1及び第2局部発振周波数fl2を発生する。基準信号
Kは、送信側の第1局部発振周波数fl1等に同期して
形成されているから、受信側で基準信号Kに基づいて形
成された第1局部発振周波数fl1等は、送信側のそれ
と基本的に一致する。したがって、周波数変換は、送信
側と受信側とも同様に行われる。
【0057】帯域通過ろ波回路65は、中間周波数増幅
回路56の出力(e)に含まれている上側帯波周波数成
分(481.2kHz)を通過させるように、狭帯域の
帯域通過ろ波回路であり、その中心周波数は当然である
が481.2kHzに設定されている。この帯域通過ろ
波回路66のフィルタリング出力は、分周回路66で分
周されて1.2kHzの信号が形成され、シンセサイザ
回路54に供給される。シンセサイザ回路54では、入
力された1.2kHzの信号に基づいて局部搬送波周波
数fc(=476.4kHz)を発生する。この局部搬
送波周波数fcは、入力された1.2kHzに同期し、
また受信した上側帯波周波数成分に同期しているから、
例え受信した上側帯波周波数成分に少しの周波数変化が
あったとしても、局部搬送波周波数fcはその周波数変
化に対応して変化する。したがって、同期検波用の局部
搬送波信号として、適している。
【0058】ここで、シンセサイザ回路54について、
図5を参照して説明する。図5のシンセサイザ回路は、
送信側及び受信側に共通に使用することができるよう
に、機能を切り替えできるように構成されている。受信
側で使用する場合には、図中のスイッチ86及びスイッ
チ97を「受」側に切り替えて使用する。
【0059】水晶制御発振回路81からの出力周波数を
分周回路82で分周し、位相比較回路83で分周回路6
6(図4)からの周波数(1.2kHz)と位相比較す
る。その位相比較結果が低域通過ろ波回路84でろ波さ
れ、水晶制御発振回路81からの出力周波数が、分周回
路66からの周波数(1.2kHz)に見合った周波数
fs(=52.404MHz)に制御される。この周波
数fsが、分周回路85で分周(1/110)され、局
部搬送波周波数fc(=476.4kHz)となって、
混合回路67(図4)に供給される。
【0060】また、電圧制御発振回路91からの出力周
波数を分周回路92で分周し、位相比較回路93で振幅
制限回路64(図4)からの周波数(1.6kHz)と
位相比較する。その位相比較結果が低域通過ろ波回路9
4でろ波され、電圧制御発振回路91からの出力周波数
が、振幅制限回路64からの周波数(1.6kHz)に
見合った第2局部発振周波数fl2(=70.224M
Hz)に制御される。この周波数fl2が、緩衝増幅回
路98を介して混合回路53(図4)に供給される。
【0061】また、分周回路95で分周された1kHz
の信号と、電圧制御発振回路101からの出力周波数を
可変分周回路102で分周した信号とを位相比較回路1
03で位相比較する。なお、可変分周回路102は、チ
ャネル指定を行う制御回路105からの指令により分周
比が制御される。その位相比較結果が低域通過ろ波回路
104でろ波され、電圧制御発振回路101からの第1
局部発振周波数fl1(=48.704MHz)に制御
される。この周波数fl2が、緩衝増幅回路106を介
して混合回路46(図4)に供給される。
【0062】このように、基準信号Kに同期した周波数
(1.6kHz)に基づいて第1局部発振周波数fl1
及び第2局部発振周波数fl2を形成するとともに、こ
れとは別に 上側帯波周波数からの周波数(1.2kH
z)に基づいて局部搬送波周波数fc(=476.4k
Hz)を形成するから、特にUHF帯などの超高周波の
SSB方式においても精度よく復調することが可能にな
る。
【0063】なお、図5のシンセサイザ回路を送信側の
シンセサイザ回路11として使用する場合には、スイッ
チ86,97を「送」側に切り替えて使用することにな
る。この場合、電圧制御発振回路91の発振周波数(7
0.224MHz)に基づいて、各々の周波数がPLL
回路や分周回路によって形成され、出力されることにな
る。
【0064】再び、図4に戻って、説明を続ける。混合
回路67の1入力として、中間周波数増幅回路56の出
力(e)が入力される。中間周波数増幅回路56の出力
(e)は図示されるようなエンベロープ波形をしてお
り、上側帯波の周波数成分と基準信号Kとデータ信号D
の振幅変動成分が含まれている。また、混合回路67の
他入力として、シンセサイザ回路54からの局部搬送波
周波数信号fc(=476.4kHz)が入力される。
【0065】この混合回路67の出力は図6(f)のよ
うになる。この出力(f)は、ピーク検波回路60に入
力される。ピーク検波回路60では、基準信号Kのピー
ク値を検波する。このピーク値が比較・増幅回路61に
入力され、目標基準値と比較され、その差分に基づいて
中間周波増幅回路56が自動利得制御される。このこと
により、混合回路出力(f)の基準信号Kはほぼ一定値
に制御されることになる。
【0066】この混合回路67の出力(f)は、送信側
における図2の振幅変調波(f)と比較して、帯域制限
の影響により多少の歪みが発生していることは認められ
るものの、ほぼ同様のエンベロープ波形になっている。
【0067】混合回路67の出力はまた、差動増幅回路
68に入力される。この差動増幅回路の比較入力(基準
値)Vrefとして、ピーク検波回路60のピーク検波
出力を分圧して形成する。基準値Vrefは、無変調時
の混合回路67の出力値に設定することがよい。
【0068】差動増幅回路68では、混合回路出力
(f)が基準値Vrefを上回るときに、その上回る分
を増幅して、図6(g)に示されるような差動増幅回路
出力を出力する。検波回路69では、差動回路出力
(g)のエンベロープを得るように振幅検波する。以上
の混合回路67、差動増幅回路68、及び検波回路69
により、同期検波手段が構成されている。
【0069】この検波回路69での振幅検波の結果は、
検波出力のピークの時点での値とすることが望ましいか
ら、基準信号K及びデータ信号Dの各1サイクルの2π
/3の時点で検出される。この2π/3の時点は、図6
(また図2でも)で縦の参照線として示されている。そ
して、検出された各基準信号K及びデータ信号Dの値
は、記憶・補正回路70に供給される。
【0070】記憶・補正回路70では、検出された各基
準信号K及びデータ信号Dの値を、フェージングなどに
よる変動分や、帯域制限などによる歪み分を補正して、
より正確な値に補正する。
【0071】記憶・補正手段では、まず、検波回路69
から順次出力される基準信号K及びデータ信号Dの値を
所定の複数個分だけ記憶する。そして、連続する2つの
基準信号Kの値からその変化分を検出する。それらの基
準信号間に変化分が検出されれば、その変化分に応じ
て、基準信号間に配置されているデータ信号Dの値をそ
の時間間隔に応じて補正する。例えば、基準信号K間の
値が3dBだけ変化していると仮定すると、第1のデー
タ信号及び第2のデータ信号を1dB及び2dB補正す
ることにより、基準信号Kに対する相対値を調整する。
なお、この3dBなどは、理解を容易にするための値で
あり、基準信号の周期(0.63ms≒1/1.6kH
z)を考慮すると、実際にはもっと小さな値となる。以
上が第1の補正である。
【0072】この第1の補正に加えて、或いは単独で、
さらに、次の第2の補正を行う。図6の混合回路出力
(f)は、図2の振幅変調波(b)に比べて、基準信号
Kを一定値になるように利得制御した場合でも若干の歪
みが発生することがある。この歪みは、主に使用する周
波数帯帯域を制限することにより生じるから、周波数効
率を向上するためにはある程度避けられない。
【0073】この歪みは、変調度mの変化と関係してい
る。基準信号K及びデータ信号Dを含めて、信号がある
変調度m1からそれより小さい他の変調度m2(即ち、
m1>m2)に変化する場合を想定する。この場合、変
調度m1の振幅から変調度m2の振幅に変化するため
に、通過帯域幅の制限により時間をかけて立ち下がるこ
とになる。例えば、簡易式で表現すると、{1+cos
(qt)}/2、(但しq=通過帯域幅の角周波数)の
ように変化する。また、逆に、信号がある変調度m1か
らそれより大きい他の変調度m2(即ち、m1<m2)
に変化する場合を想定すると、変調度m1の振幅から変
調度m2の振幅に変化するために、通過帯域幅の制限に
より時間をかけて立ちあがることになる。例えば、簡易
式で表現すると、{1+cos(qt+π)}/2、の
ように変化する。したがって、本来の変調度に対応した
データ信号の値と異なった値が検出されてしまうことに
なる。
【0074】しかし、これらの立ち上がり・立ち下がり
の変化、従って検出される値は、変調度m1,m2の大
きさと、その変化方向によって一定の関係を示すことに
なる。この関係を実例に基づいて、例示すると次の表の
ようになる。 m2\m1 0.0 0.1 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.02 0.0 0.1 0.07 0.07 0.07 0.07 0.07 0.09 0.08 0.2 0.15 0.15 0.15 0.15 0.15 0.17 0.15 0.4 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 0.34 0.32 0.6 0.52 0.52 0.52 0.52 0.52 0.54 0.52 0.8 0.75 0.75 0.75 0.75 0.75 0.77 0.75 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
【0075】この表は、最大振幅である基準信号Kを一
定になるようにし、これを基準として判定するのに合わ
せて設定されている。この表に従って、前の信号の変調
度m1とその次の信号の変調度m2との関係が定まるか
ら、基準信号Kから始まって、順次データ信号の値を補
正していくことができる。例えば、m1が1.0(すな
わち基準信号)でm2として0.15が検出されたとき
はm2=0.2であり、引き続いてm1が0.2からm
2として0.32が検出されたときはm2=0.4を示
している。このようにして第2の補正を行う。この場
合、パターンとして補正してもよい。
【0076】このように、第1,第2の補正を、記憶・
補正回路70で行い、その結果に従って、復号回路71
でデータ信号を得て、出力することができる。
【0077】以上の実施の形態では、通過帯域幅:2.
4kHz、変調波周波数:4.8kHz、多値数:8
(23)、データ信号数:2(基準信号間の数)として
いるが、この場合のデータ伝送速度は、9.6kbps
(=4.8×3×2/3)となる。また、通過帯域幅:
2.4kHz、変調波周波数:4.8kHz、多値数:
16(24)、データ信号数:5(基準信号間の数)と
すると、この場合のデータ伝送速度は、16kbps
(=4.8×4×5/6)となる。本発明方式を採用す
ると、この程度のデータ伝送効率は実現可能であり、従
来のものより一段とデータ伝送効率を向上することがで
きる。
【0078】また、この実施の形態によれば、受信波を
振幅検波して、基準信号Kの周期周波数を検出して、受
信用の局部発振周波数fl1,fl2を同期させている
から、送信されてくる周波数が例え変動した場合であっ
ても常に同期させることができる。
【0079】また、UHF帯など超高周波数の場合に、
同期制御による誤差(例えば数Hz)が問題になる場合
でも、中間周波数信号に含まれる上側帯波周波数を抽出
して、この上側帯波周波数に基づいて局部搬送波周波数
fcを再生し、同期検波手段に入力するしているから、
検波効率がさらに向上する。
【0080】さらに、受信されるSSB波が、伝送経路
のフェージングなどにより振幅値が低下したり、変動し
ても、基準信号Kのレベルを一定になるように自動利得
制御するから、検波出力は一定に保たれ、振幅歪みが発
生しにくい。
【0081】さらに、検波出力の基準信号Kに基づい
て、それら基準信号間に配置されているデータ信号Dの
レベルを内挿法により補正すること、また、帯域通過フ
ィルタによる帯域制限等により基準信号K及びデータ信
号Dの振幅値の変化(立ち上がり或いは立ち下がり)が
遅れることによるデータ信号の補正を行うことにより、
より正確なデータ信号の復調を行って、多値伝送を可能
にしている。
【0082】図7は、本発明の他の実施の形態に係る、
第2のSSB無線通信方式の受信側の無線機の全体構成
を示す図である。この図7の受信側の無線機において
も、図4のものと同様に、図1、図2等で説明した送信
波を受信し、中間周波数に変換した後、自動利得制御及
び同期検波を行い、振幅値を補償した上でデータ信号D
を復号する。同時に、SSB方式に不可欠な、局部発振
周波数fl1,fl2及び局部搬送波周波数fcを再生
する。
【0083】この図7の受信側の無線機では、中間周波
増幅回路56の出力を平均値検波する平均値検波回路1
11を設け、その平均値検波信号に基づいて、中間周波
増幅回路56の自動利得制御を行っている。また、差動
増幅回路68の比較入力(基準値)Vrefとして、所
定値が設定される。この所定値としては、例えば、でき
るだけ無変調時の混合回路67の出力値と見なせるよう
な値に設定することがよい。その他の回路構成は、図4
におけるものと同様であるので再度の説明は省略する。
【0084】図7において、平均値検波回路111の時
定数は、基準信号Kの間隔よりもかなり長く設定されて
いる。このため、多数の基準信号K及びデータ信号Dを
含んだ期間の平均値に従って、中間周波増幅回路56の
利得が制御されることになるから、データ信号Dによる
出力信号のレベル変動は制限される。そして、混合回路
67の出力が差動増幅回路68で基準値Vrefと差動
増幅され、その出力が検波回路69で検波されて記憶・
補正回路70に入力される。
【0085】記憶・補正回路70では、やはり、図4の
場合と同様に入力された検波信号を補正することにな
る。この実施の形態では、中間周波増幅回路56の利得
制御を平均値により行っていることにより、その出力信
号のレベルが多少変動したとしても、記憶・補正回路7
0で補正することができる。
【0086】なお、SSB無線機による通信方式を、ス
ペクトラム拡散通信方式(DS方式)と併用することが
可能である。この場合、超高速のデータ通信にはDS方
式を使用し、その音声通信及び通信制御、ビット同期な
どの制御には本発明のSSB無線機による通信方式を採
用する。本発明のSSB無線機による通信方式は、周波
数効率が非常に高く、伝送電力を小さくできるので、D
S方式のチャンネル数への制限を少なくできる。
【0087】
【発明の効果】本発明では、SSB無線通信方式におけ
る、高電力効率及び狭周波数帯域伝送の利点をさらに拡
大し、周波数利用効率を大幅に改善できる。
【0088】また、基準信号を一定とする制御及びデー
タ信号補正処理により、フェージングの影響を小さくす
ることができる。
【0089】また、受信した基準信号の間隔または周波
数に同期を取って局部発振周波数を調整し、また側帯波
周波数に基づいて局部搬送波周波数を調整するから、同
期がほぼ完全にとれる。したがって、復調効率が改善さ
れ、雑音などの影響が小さくなる。
【0090】以上のことから、VHF帯、UHF帯等に
も本発明のSSB無線機を適用することにより、VHF
帯、UHF帯等の周波数利用効率を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるSSB無線通信方
式の送信側の無線機の全体構成を示す図。
【図2】その各部の波形を示す図。
【図3】変調波を形成する他の手段を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る、第1のSSB無線
通信方式の受信側の無線機の全体構成を示す図。
【図5】受信波から各局部発振周波数や局部搬送周波数
を再生するためのシンセサイザ回路の構成を示す図。
【図6】その各部の波形を示す図。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る、第2のSSB
無線通信方式の受信側の無線機の全体構成を示す図。
【図8】従来のSSB無線通信方式を用いる無線機の受
信回路のブロック構成を示す図。
【符号の説明】
11 シンセサイザ回路 12、18、21、24 帯域通過ろ波回路 13 抵抗減衰部 14 切替回路 15 制御回路 16 低域通過ろ波回路 17 変調回路 19、22 送信混合回路 20、23 高周波増幅回路 25 送信電力増幅回路 26 空中線同調回路 27 空中線 31、32 正弦波信号発生器 33 減衰器 41 空中線 42 低域通過ろ波回路 43 可変減衰器 44、47、48、55、63、65 帯域通過ろ波回
路 45 高周波増幅回路 46、53、67 混合回路 49、57 増幅回路 50、69 検波回路 51、59、61 比較・増幅回路 52、56 中間周波増幅回路 54 シンセサイザ回路 58 平均値検波回路 60 ピーク検波回路 62 振幅検波回路 64 振幅制限回路 66 分周回路 68 差動増幅回路 70 記憶・補正回路 71 復号回路 81 水晶制御発振回路 82、85、92、95、96、 分周回路 83、93、103 位相比較回路 84、94、104 低域通過ろ波回路 86、97 切替スイッチ 98、106 緩衝増幅回路 105 制御回路 111 平均値検波回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 局部搬送波及び局部発振波を共通の発振
    源から発生する周波数発生手段と、 前記周波数発生手段の発生周波数に基づいて、所定の幅
    と所定の周期でかつ一定振幅の正弦波状の基準信号及び
    この基準信号と同じ幅でかつ前記基準信号の振幅を基準
    とした2値又は多値のディジタル値を表現する正弦波状
    のデータ信号からなる変調波を発生する変調波発生手段
    と、 前記局部搬送波を、前記変調波で振幅変調する変調手段
    と、 この変調手段の変調出力を上側或いは下側のいずれかの
    単側帯波のみを通過させる帯域通過フィルタ手段と、 この帯域通過フィルタ手段の出力を前記局部発振波によ
    りシフトし送信搬送波信号とするための周波数変換手段
    を備え、 前記帯域通過フィルタ手段は、前記局部搬送波の周波数
    に前記変調波の周波数を加算或いは減算した単側帯波周
    波数が、通過帯域の中心より一方側に設定されているこ
    とを特徴とするSSB無線機。
  2. 【請求項2】 所定の幅と所定の周期でかつ一定振幅の
    正弦波状の基準信号及びこの基準信号と同じ幅でかつ前
    記基準信号の振幅を基準とした2値又は多値のディジタ
    ル値を表現する正弦波状のデータ信号からなる変調波で
    変調されている単側帯波通信信号を、局部発振波周波数
    信号でシフトし、中間周波数信号に変換する周波数変換
    手段と、 この周波数変換手段からの中間周波数信号を増幅する中
    間周波数増幅手段と、この中間周波数増幅手段の出力を
    振幅検波し、前記基準信号の周期の周波数成分を出力す
    る振幅検波手段と、 この振幅検波手段からの前記基準信号の周期の周波数成
    分に基づいて、前記局部発振波周波数信号を生成する周
    波数発生手段とを、有することを特徴とするSSB無線
    機。
  3. 【請求項3】 前記中間周波数増幅手段の出力と局部搬
    送波周波数信号とを混合する混合回路、この混合回路の
    出力を検波する検波回路を含む同期検波手段と、 前記中間周波数増幅手段の出力から前記単側帯波周波数
    信号をろ波出力する帯域通過フィルタとを備え、 前記周波数発生手段は、さらに、前記帯域通過フィルタ
    の出力周波数に基づいて前記局部搬送波周波数信号を生
    成することを特徴とする、請求項2記載のSSB無線
    機。
  4. 【請求項4】 前記中間周波数増幅手段の出力を平均値
    検波する平均値検波手段を有し、この平均値検波手段の
    検波出力に基づいて前記中間周波数増幅手段の増幅度を
    制御することを特徴とする、請求項2,3記載のSSB
    無線機。
  5. 【請求項5】 前記中間周波数増幅手段の出力と局部搬
    送波周波数信号とを混合する混合回路、この混合回路の
    出力を参照値と比較する差動増幅回路、この差動増幅回
    路の出力を検波する検波回路を含む同期検波手段と、 前記中間周波数増幅手段の出力から前記単側帯波周波数
    信号をろ波出力する帯域通過フィルタとを備え、 前記周波数発生手段は、さらに、前記帯域通過フィルタ
    の出力周波数に基づいて前記局部搬送波周波数信号を生
    成することを特徴とする、請求項2記載のSSB無線
    機。
  6. 【請求項6】 前記混合回路の出力に含まれる前記基準
    信号をピーク検波するピーク検波手段を有し、このピー
    ク検波手段の検波出力に基づいて、前記中間周波数増幅
    手段の増幅度を制御するとともに、前記差動増幅回路の
    参照値を生成することを特徴とする、請求項5記載のS
    SB無線機。
  7. 【請求項7】 前記検波回路から順次出力される基準信
    号及びデータ信号の値を記憶し、データ信号の値を補正
    する記憶・補正手段を設け、 連続する基準信号の値にしたがって、それら基準信号間
    のデータ信号の値を補正することを特徴とする、請求項
    3〜6記載のSSB無線機。
  8. 【請求項8】 前記記憶・補正手段は、基準信号及び連
    続するデータ群の値に応じて、それらデータ信号の値を
    順次補正することを特徴とする、クレーム7記載のSS
    B無線機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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