JPH0980945A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0980945A
JPH0980945A JP24033195A JP24033195A JPH0980945A JP H0980945 A JPH0980945 A JP H0980945A JP 24033195 A JP24033195 A JP 24033195A JP 24033195 A JP24033195 A JP 24033195A JP H0980945 A JPH0980945 A JP H0980945A
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JP
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fixing film
film
fixing
recording material
peripheral surface
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JP24033195A
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Takuji Shibuya
卓史 渋谷
Tatsunori Ishiyama
竜典 石山
Koichi Okuda
幸一 奥田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】定着装置の定着フィルムが偏ることによりその
端部が移動規制部材に当接してフィルム端部破れが発生
することを防止し、簡単な構成で低コストでありなが
ら、省電力性、クイックスタート性を損なうことなく、
しかもフィルム端部破れを防止して十分な定着性を得
る。 【解決手段】耐熱性に優れたポリイミドフィルムからな
る基層10aに、離型性に優れたPTFEやPFAの離
型層10bを設けて定着フィルム1を形成する。定着フ
ィルム1の端部に、その全周にわたって補強部11を設
ける。補強部11は、(ポリイミド+アルミナ)層等
の、無機材料からなる粉末による複合化によって形成す
ることができる。補強部11は、基層10aの内面側、
外面側、中間部、さらに、基層10aの外側等に配置で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性の定着フィ
ルムを利用した定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、レーザービームプリンタ
等の画像形成装置における定着装置として熱ローラ方式
のものが多用されている。このものは、所定の温度に維
持された加熱ローラと、表面の弾性層をこの加熱ローラ
に圧接された加圧ローラとを有し、これらローラによっ
て記録材を挟持搬送しながら加熱加圧して記録材表面の
未定着トナー像を溶融固着させて定着させるものであ
る。ほかに、熱を利用した定着装置としては、フラッシ
ュ加熱方式、オーブン加熱方式、熱板加熱方式などのも
のが知られており、また実用されている。
【0003】ところで、近時、フィルム加熱方式の定着
装置が提案されている。このものは、固定支持された加
熱体と、この加熱体に対向圧接しつつ搬送されるエンド
レスの耐熱性フィルム(定着フィルム)と、この定着フ
ィルムを介して記録材を加熱体に密着させる加圧部材
(加圧ローラ)とを有しており、加熱体の熱をフィルム
を介して記録材に付与することにより、記録材表面に担
持されている未定着トナー像を加熱定着させるものであ
る。
【0004】上述構成のフィルム加熱方式においては、
加熱体として低熱容量のものを用いることができる。こ
のため、従来の加熱方式である前述の熱ローラ方式に比
べて、省電力化及びウェイトタイム短縮化(クイックス
タート)が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のフィルム加熱方
式に使用する耐熱性の定着フィルムとしては、主とし
て、基層にポリイミドフィルムを用い、その外面側(記
録材との対向面側)に記録材上のトナー像との離型性を
よくするためにPTFEやPFAの離型層をコートした
ものが使われてきた。これは、200℃以上に発熱する
ヒータ(発熱体)と直接圧接しながら摺動する条件下に
おいて、ポリイミド以外の樹脂フィルムでは、耐熱的に
も、強度的にも問題があるためである。
【0006】しかしながら、前述のフィルム加熱方式の
定着装置において、定着フィルムにポリイミドを材料と
したものを使用した場合においても、定着フィルムの円
筒度や厚みのばらつき等の他に、加圧部材である加圧ロ
ーラの径の振れが大きい場合や加圧力のバランスが十分
にとれていない場合等には、定着フィルムは、ヒータの
長手方向(加圧ローラの軸方向)の一方の端部側に偏っ
てしまい、やがて定着フィルムの端部は、フィルム寄り
移動規制手段に突き当たってしまう。この状態が継続す
ると、定着フィルムの端部にはその内面側から外面側に
押し開かれる状態で力が加わり続けるために亀裂が生
じ、最終的には短冊状に破れしまい、画像の定着乱れを
引き起こすという問題が発生する場合がある。
【0007】この定着フィルムの端部破れは、特に、小
サイズの記録材を連続通紙した場合により顕著に助長さ
せる傾向がある。これは 小サイズの記録材を連続通紙
すると通紙領域に対して非通紙領域の定着フィルム及び
加圧ローラの温度が大変高くなる状態、いわゆる非通紙
部昇温が生じ、非通紙領域における加圧ローラの熱膨張
による径変化が発生するため、定着フィルムにはこれを
偏らせようとする力が一層強く作用するからである。
【0008】このため、より大きなサイズの画像形成を
可能にする画像形成装置を考えた場合には、非通紙部昇
温に起因するフィルム端部破れが益々発生し易くなると
いう問題がある。
【0009】そこで、本発明は、フィルム加熱方式の定
着装置において、簡単な構成で低コストでありながら、
省電力性、クイックスタート性を損なうことなく、しか
もフィルム端部破れを防止して十分な定着性を得ること
ができる定着装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、無端状の定着フィルムの内
周面側と外周面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部
材とによって前記定着フィルムを周回自在に支持し、記
録材における未定着トナー像を担持した面が前記定着フ
ィルムの外周面に接するようにして前記記録材を前記定
着フィルムと搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記
発熱体によって前記定着フィルムを介して前記未定着ト
ナー像を加熱溶融させる定着装置において、前記定着フ
ィルムの端部に、無機材料を主とした粉末を含有させた
補強部を全周にわたって設ける、ことを特徴とする。
【0011】また、無端状の定着フィルムの内周面側と
外周面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とによ
って前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材にお
ける未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルムの
外周面に接するようにして前記記録材を前記定着フィル
ムと搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体に
よって前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像を
加熱溶融させる定着装置において、前記定着フィルムの
端部に、補強用のリングを設けた、ことを特徴とする。
【0012】さらに、無端状の定着フィルムの内周面側
と外周面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とに
よって前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材に
おける未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルム
の外周面に接するようにして前記記録材を前記定着フィ
ルムと搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体
によって前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像
を加熱溶融させる定着装置において、前記定着フィルム
の端部に、繊維を含有させた補強部を全周にわたって設
けた、ことを特徴とする。
【0013】さらにまた、無端状の定着フィルムの内周
面側と外周面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材
とによって前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録
材における未定着トナー像を担持した面が前記定着フィ
ルムの外周面に接するようにして前記記録材を前記定着
フィルムと搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発
熱体によって前記定着フィルムを介して前記未定着トナ
ー像を加熱溶融させる定着装置において、前記定着フィ
ルムの端部に、繊維を網目状のシートに形成した補強部
を全周にわたって設けた、ことを特徴とする。
【0014】この場合、前記繊維をセラミック、又は金
属、又は有機材料によって形成することができる。
【0015】〔作用〕以上構成に基づき、定着フィルム
の端部が補強部によって強化されるので、定着フィルム
が一方の端部側に偏って、例えばその端部がフィルム寄
り移動規制手段に接触した状態で定着フィルムの周回が
継続された場合であっても、定着フィルムの端部破れを
防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。 〈実施の形態1〉図1、及び図2は、それぞれ本発明に
係る定着装置における記録材Pの搬送方向(定着装置の
長手方向に交差する方向)に沿った概略縦断面図、及び
定着装置の長手方向に沿った概略縦断面図である。
【0017】これらの図中、1は耐熱性を有する無端状
(エンドレス)の円筒形に形成された定着フィルムであ
り、主として基層に厚さ20〜80μmのポリイミドフ
ィルムを用い、その外面側(記録材Pとの対向面側)に
記録材P上のトナー像Taとの離型性をよくするために
厚さ5〜20μmのPTFEやPFAの離型層をコート
したものが使用される。定着フィルム1は、後述のよう
に、矢印R1方向に従動回転(周回)される。
【0018】2は搬送部材としての加圧ローラ(圧接ロ
ーラ、バックアップローラ)であり、芯金2aと、シリ
コーンゴム等の離型性の良いゴム弾性層2bとを有し、
前記の定着フィルム1の外面側に対して付勢手段8によ
り、例えば総圧4〜7kgの当接圧を持って対向圧接さ
せてあり、記録材Pの搬送方向(矢印K1方向)に対し
て順方向の、矢印R2方向に回転される。
【0019】6は加熱体としてのヒータであり、本実施
の形態のものは記録材Pの搬送方向に直交する方向(搬
送方向に向かって左右方向)を長手方向とする絶縁性、
高耐熱性、低熱容量のヒータ基板3と、このヒータ基板
3の表面側に長手方向に沿って印刷により形成された通
電発熱体層5と、通電発熱体層5を保護すべくこれを被
覆するガラス等の保護層16と、ヒータ基板3の裏面
側、つまり通電発熱体層5が形成されている面とは反対
の面に接触させて設けたヒータ検温素子4(例えばサー
ミスタ)と、を主要構成部材として構成されている。ヒ
ータ6は、全体として低熱容量に構成されており、縦断
面形状が半円弧桶形のフィルム内面ガイド部材(ステ
ー)7によって、通電発熱体層5側を露出させ、かつ断
熱された状態で、保持されている。
【0020】円筒形の定着フィルム1は、前記フィルム
内面ガイド部材7に対してルーズにはめ込んだ状態で支
持されている。そして、ヒータ6との間に定着フィルム
1を挟ませて加圧ローラ2をヒータ6に対して圧接させ
てある。加圧ローラ2がモータMを含む駆動系によって
回転駆動されることで円筒形の定着フィルム1がヒータ
6の下面に密着摺動してフィルム内面ガイド部材7の周
りを回転するように構成されている。
【0021】このフィルム駆動状態において定着フィル
ム1と加圧ローラ2との間に記録材Pが導入されて定着
ニップ部Nを通過することで、記録材Pは、定着ニップ
部を通過する過程でヒータ6の熱エネルギーがフィルム
1を介して付与され、トナー像Taの加熱定着がなされ
る。
【0022】本実施の形態の場合は、フィルム回転方向
上流側のフィルム内面ガイド部材7の外面と定着フィル
ム1との接触部領域のフィルム部分にのみテンションが
作用し、残余の大部分にはテンションが作用しない。
【0023】このようなテンションの加わらないテンシ
ョンフリータイプの装置ではフィルムの寄り移動規制手
段、又はフィルム寄り制御手段を簡略化することができ
る。例えば、フィルムの寄り移動規制手段としてはフィ
ルム端部を受け止めるフランジ部材9(図2参照)のよ
うな簡単なものにすることができ、さらに、フィルム寄
り制御手段は省略して装置のコストダウンや小型化を図
ることができる。
【0024】本実施の形態は、定着フィルム1の端部
に、セラミック、ガラス等の無機材料を基層、あるいは
離型層に混ぜて定着フィルム1の端部を補強したことを
特徴とするものである。
【0025】図3(a)〜(d)、図4(e)〜(f)
は本実施の形態を示す種々の定着フィルム1の端部の長
手方向の縦断面図であり、これらの図中、11はセラミ
ック、ガラス等の粉末からなる強化層(補強部)であ
る。
【0026】セラミック、ガラス等の無機材料は耐熱
性、強度に優れているものが数多くあり、複合化する上
でも材料選択の幅が広がり、用途・適用に応じた選択が
可能になるという利点がある。
【0027】ここで使用される補強部材としての無機材
料としては、シリカ、アルミナ(Al23 )炭化ケイ
素(SiC)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、
酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、チタン酸カリム、ホウ
酸アルミニウム、ジリコニア、ガラス、金属粉等があ
り、粉末の形状としては球状や針状(ウィスカー)のも
のが適用可能である。
【0028】特に、ウィスカーの場合には、その少量を
強化層に対して添加、複合化するだけで、複合化された
定着フィルム1の強度を上げることが可能であり、さら
に、添加するウィスカーの割合を変えることにより定着
フィルム1の強度を適宜に設定できるという特徴を有し
ている。
【0029】上記の各材料について以下のような構成法
が考案できる。 (1)セラミック粒子(ウィスカー)で基層を強化した
場合 図3(a)〜(d)に基層への積層方法を示す。
【0030】図3(a)は補強層11としての(ポリイ
ミド+アルミナ)層が定着フィルム1の内面側に位置す
るもであり、その外側に順に基層10a、離型層10b
と積層したものである。
【0031】図3(b)は(ポリイミド+アルミナ)層
11が定着フィルム1の基層10aと離型層10bの間
に位置するように積層したものである。
【0032】図3(c)は(ポリイミド+アルミナ)層
11が定着フィルム1の基層10aに挟まれるような位
置に積層したものである。
【0033】図3(d)は(ポリイミド+アルミナ)層
11を離型層10bと同じ厚さにして定着フィルム1の
基層10aの外面側に接着し、残された基層10aの外
面側のみに離型層10bをコートするものである。
【0034】針状のセラミック粒子(ウィスカー)によ
るフィルム端部の強化法としては、基層のポリイミドに
針状のアルミナウィスカを体積率にして10〜50(v
ol%)ほど分散させて焼成した(ポリイミド+アルミ
ナ)とポリイミドとを積層した積層構造にする方式が最
も簡単であり、また効率的である。これらの積層方法に
ついては、定着フィルム1の成形時の型の形状や、その
他の条件に応じて自由に選択することが可能である。 (2)セラミック粒子(ウィスカー)で離型層を強化し
た場合 図4(e)〜(f)に離型層10bへの積層方法を示
す。
【0035】図4(e)は(PFA+アルミナ)層11
が基層10aに接しているものである。
【0036】これは、基層10aに所定の厚さを有する
(PFA+アルミナ)層11を接着剤にて接着し、その
後にPFAをコートすることで得られる。
【0037】図4(f)は(PFA+アルミナ)層11
が離型層10b中に構成されているものである。
【0038】これは、基層10aに一度、離型層10b
をコートし、そこへ所定の厚さを有する(PFA+アル
ミナ)層11をPFAの再溶融によって接着し、再度、
離型層10bをコートすることで得られる。(PFA+
アルミナ)層11のアルミナウィスカーの含有量は前記
(1)に準拠してよい。
【0039】上記(1)、(2)のいずれの構成の場合
においても、ウィスカーの配向方向については規定しな
いが、中でも、図5に示すようにウィスカーを定着フィ
ルム1の周方向に配向にするのが最も好ましい。
【0040】すなわち、定着フィルム1が偏って、規制
部材に当接した場合、定着フィルム1の端部には定着フ
ィルム1の長手方向(図5中の矢印m方向)に規制部材
からの力が作用して端部が破れてしまうが、ウィスカー
を定着フィルム1の回転方向に沿った方向に配向するこ
とにより、定着フィルム1は引き裂かれ難くなり、より
十分な補強が行われることになる。
【0041】上記の図3(c)の構成によって、耐久試
験をすることで定着フィルム1端部をウィスカーで強化
したことによる効果を評価した。比較のため、従来の、
端部を強化していない定着フィルムを標準フィルムとし
て評価した。
【0042】耐久試験の条件としては、最大A4サイズ
の画像形成が可能である画像形成装置において、幅とし
て約1/2の封筒を1分間に4枚の間隔で連続通紙し
た。定着装置のヒータ6の温調温度は190℃に設定し
た。
【0043】分散粒子には、直径2〜5μm、長さ30
〜100μmの針状アルミナウィスカーを用い、基層の
ポリイミド中に体積率30%ほど含浸したもの、さらに
ウィスカーの配向方向を定着フィルム1の回転方向に沿
わせたものを使用した。
【0044】(ポリイミド+アルミナ)層11は定着フ
ィルム1の内面側に幅5〜10mmほどにし、その外面
側にポリイミド層10aを耐熱性接着剤で接着してコー
トする形式をとった。
【0045】その結果、目標耐久枚数に対し、標準のフ
ィルムではおよそ1万枚ほどの封筒を通紙したところで
定着フィルム1の端部に亀裂が生じ始め、その後の画像
形成に影響を及ぼしていた。しかし、本実施の形態の、
端部をウィスカーで強化した定着フィルム1の場合、終
始、定着フィルム1の端部に亀裂の生じることはなく、
画像形成に影響を及ぼすこともなかった。
【0046】以上のような本実施の形態に基づく構成の
定着フィルム1を用いることにより、簡単な構成で定着
フィルム1の強度を上げることができるとともに、定着
フィルム1の偏りによって引き起こされるフィルム端部
破れを防止することができ、画像の定着乱れの発生をな
くすことができた。 〈実施の形態2〉図7(a)、(b)は本実施の形態2
を表わす、定着フィルム1の長手方向に沿った縦断面を
示す。これらの図中、12はセラミックや金属、耐熱性
有機材料等の繊維からなる強化層である。
【0047】繊維として使用可能なものとしては、石英
ガラスやソーダーガラス等のガラス繊維、ステンレス鋼
(Fe−Cr−Ni系)等の金属繊維、ケブラー(アラ
ミド)などの耐熱性に優れた耐熱性有機繊維などがあげ
られ、それぞれ選択する材料、適用に応じて繊維の直径
(10〜100μm程度)、断面形状(真円、楕円等)
を設定することが可能である。
【0048】繊維の場合は、上記のように材料選択の幅
が広いので単に繊維として活用する他に、シート状に織
り込んだ状態(メッシュシート)に加工することも容易
である。メッシューシートにした場合にはその織り込み
によって強度を変化させることができ、繊維径、織り込
み方によって柔軟性も自由に確保することができる。
【0049】また、繊維・メッシュシートは、基層10
a、離型層10bへの漏れ性、密着強度をそれほど考慮
することなくポリイミド等と複合強化できるため、材料
選択の幅、適用範囲が広範になるという特徴を有する。
【0050】繊維あるいはメッシュシートの定着フィル
ム1に対する補強の方法としては図6(a)、(b)に
示すものがある。
【0051】図6(a)は、繊維を定着フィルム1の回
転方向に沿って複数回、巻き付けたもの、あるいはその
ように織り込んだメッシュシートであり、巻数、幅等は
任意に設定できる。
【0052】図6(b)は、繊維を網状にクロスさせて
定着フィルム1の端部に巻いたもの、あるいはそのよう
に織り込んだメッシュシートであり、巻数、幅、方向は
任意に選択できる。
【0053】上記の繊維あるいはメッシュシートの定着
フィルム1への構成の方法は図7(a)、(b)に示す
ものがある。
【0054】図7(a)は、所定の厚さ、幅を有する強
化層12としての繊維あるいはメッシュシートを基層1
0aの中に埋め込んだ構成にしたもので、図6(a)の
場合は繊維、メッシュシートの絶縁性、すなわち加圧ロ
ーラ2、記録材Pあるいはヒータ6といった、定着フィ
ルム1に接触する部材に対する絶縁性を確保する必要が
あるためにこのような構成をとっている。
【0055】図7(b)は、基層10aの外面側に強化
層12である所定の厚さ、幅を有する繊維あるいはメッ
シュシートを接着し、その強化層12のない基層10a
の外面側に離型層10bをコートしたものである。
【0056】本実施の形態ではセラミック繊維として、
直径20μmの石英ガラスを定着フィルム1の端部の基
層10aの外面側に定着フィルム1の回転方向に沿った
方向に、幅5mmにわたって巻き付けたものと、ステン
レス網を網状シートに織り込んだメッシュシート(線径
28μm、メッシュ間隔50μm、厚さ64μm、幅幅
mm)を基層10aの外面側に接着したものとを用いて
評価した。
【0057】定着フィルム1の長手方向に対するメッシ
ュシートのメッシュ方向は、図8(a)、(b)に示す
ように二通りある。
【0058】図8(a)は、定着フィルム1の長手方向
に対してメッシュ方向が平行及び直角をなすように構成
したものであり、図8(b)は、定着フィルム1の長手
方向に対してメッシュ方向が斜行するように構成したも
のである。
【0059】定着フィルム1の端部には定着フィルム1
の長手方向に直角の方向に力が作用しやすいという傾向
がある。定着フィルム1の端部の補強は選択した材料の
強度によるものが一番大きいのであるが、本実施の形態
ではより確実な補強を達成するために、図8(a)の構
成を有する定着フィルム1を選択した。
【0060】上記の構成で実施の形態1と同様の評価を
試みた。
【0061】その結果、目標耐久枚数に対し、標準のフ
ィルムではおよそ1万枚ほどの封筒を通紙したところで
定着フィルムの端部に亀裂が生じ始め、その後の画像形
成に影響を及ぼしていた。しかし、本実施の形態の、端
部を繊維あるいはメッシュシートで強化したいずれの構
成、材料の定着フィルム1においても、終始、定着フィ
ルム1の端部に亀裂が生じることはなく、画像形成に影
響を及ぼすこともなかった。
【0062】以上のような本実施の形態に基づく構成の
定着フィルム1を用いることにより、簡単な構成で定着
フィルム1の強度を上げることができるとともに、定着
フィルム1の偏りによって引き起こされるフィルム端部
破れを防止することができ、画像の定着乱れの発生を無
くすことができた。 〈実施の形態3〉本実施の形態では、定着フィルム1の
端部をリング状材料で端部補強したことを特徴とするも
のである。リングの使用は、基層、離型層に対する複合
化を必要としないため、より簡単に定着フィルム1を補
強することが可能となるという利点を有する。
【0063】図9は、本実施の形態を表わす定着フィル
ム1の端部の概略構成図である。同図中15は補強部材
としての補強リングである。
【0064】ここで使用される補強リング15の材料と
しては、シリカ、アルミナ(Al23 )、炭化ケイ素
(SiC)、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミ、酸化
チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、チタン酸カリム、ホウ酸ア
ルミニウム、ジリコニア、ガラス、金属粉、石英ガラス
やソーダーガラス等のセラミック、ステンレス鋼(Fe
−Cr−Ni系)、アルミニウム合金等の金属、ケブラ
ー(アラミド)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、P
ES、PFA(4フッ化エチレンーパーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱性に優れた
耐熱性有機材料などがあげられ、それぞれ選択する材
料、適用に応じて補強リング15の厚さ、幅、構成など
を自由に設定することが可能である。
【0065】本実施の形態では、補強部材の補強リング
15として、アルミナ粉末を焼結させてリング状にした
ものを用い、実施の形態1と同様の耐久試験による評価
を試みた。
【0066】補強リング15は厚さ100μm、幅2.
5mmのものを形成、使用した。
【0067】その結果、目標耐久枚数に対し、標準のフ
ィルムではおよそ1万枚ほどの封筒を通紙したところで
定着フィルムの端部に亀裂が生じ始め、その後の画像形
成に影響を及ぼしていた。しかし、本実施の形態に示す
ような補強リング15で補強したいずれの材質の定着フ
ィルム1においても、終始、定着フィルム1の端部に亀
裂の生じることはなく、画像形成に影響を及ぼすことも
なかった。
【0068】以上のような本実施の形態に基づく構成の
定着フィルム1を用いることにより、簡単な構成で定着
フィルムの強度を上げることができるとともに、定着フ
ィルム1の偏りによって引き起こされるフィルム端部破
れを防止することができ、画像の定着乱れの発生を無く
すことができた。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
定着フィルムの端部を補強することにより、簡単な構成
で低コストでありながら、省電力性、クイックスタート
性を損なうことなく、しかもフィルム端部破れを防止し
て十分な定着性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のフィルム加熱方式の定着装置の
長手方向に直角な方向の縦断面図。
【図2】実施の形態1のフィルム加熱方式の定着装置の
長手方向に沿った縦断面図。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)は、定着フィ
ルムの端部に設けた強化層のそれぞれ別の実施例を示す
縦断面図。
【図4】(e)、(f)は、定着フィルムの端部に設け
た強化層のそれぞれ別の実施例を示す縦断面図。
【図5】実施の形態1において、ウィスカーを定着フィ
ルムの端部に周方向に向けて配置して補強部を形成した
例を示す斜視図。
【図6】(a)は、実施の形態2において、繊維を定着
フィルムの端部に回転方向に沿って複数回、巻き付けて
補強部を形成した例を示す斜視図。(b)は、実施の形
態2において、繊維を定着フィルムの端部に網状にクロ
スさせて巻き付けて補強部を形成した例を示す斜視図。
【図7】(a)は、実施の形態2において、メッシュシ
ートを基層に埋め込んで補強部を形成した例を示す縦断
面図。(b)は、実施の形態2において、メッシュシー
トを基層の外側に配置して補強部を形成した例を示す縦
断面図。
【図8】(a)、(b)は、それぞれ別のメッシュ方向
を表示す図。
【図9】実施の形態3において、定着フィルムの端部に
補強リングを設けた様子を示す斜視図。ける、を表わす
フィルム端部の概略構成図。
【符号の説明】
1 定着フィルム 2 搬送部材(加圧ローラ) 3 ヒータ基板 4 ヒータ検温素子 5 通電発熱体層 6 発熱体(ヒータ) 7 フィルム内面ガイド部材 8 付勢手段 9 フィルムの寄り移動規制手段(フランジ部
材) 10a 定着フィルムの基層 10b 定着フィルムの離型層 11 ウィスカーによる補強部(補強層) 12 繊維による補強部(補強層) 15 補強リング 16 保護層 P 記録材 Ta トナー像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状の定着フィルムの内周面側と外周
    面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とによって
    前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材における
    未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルムの外周
    面に接するようにして前記記録材を前記定着フィルムと
    搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体によっ
    て前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像を加熱
    溶融させる定着装置において、 前記定着フィルムの端部に、無機材料を主とした粉末を
    含有させた補強部を全周にわたって設ける、 ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 無端状の定着フィルムの内周面側と外周
    面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とによって
    前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材における
    未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルムの外周
    面に接するようにして前記記録材を前記定着フィルムと
    搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体によっ
    て前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像を加熱
    溶融させる定着装置において、 前記定着フィルムの端部に、補強用のリングを設けた、 ことを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 無端状の定着フィルムの内周面側と外周
    面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とによって
    前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材における
    未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルムの外周
    面に接するようにして前記記録材を前記定着フィルムと
    搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体によっ
    て前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像を加熱
    溶融させる定着装置において、 前記定着フィルムの端部に、繊維を含有させた補強部を
    全周にわたって設けた、 ことを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 無端状の定着フィルムの内周面側と外周
    面側とにそれぞれ配置した発熱体と搬送部材とによって
    前記定着フィルムを周回自在に支持し、記録材における
    未定着トナー像を担持した面が前記定着フィルムの外周
    面に接するようにして前記記録材を前記定着フィルムと
    搬送部材との間にて挟持搬送しつつ、前記発熱体によっ
    て前記定着フィルムを介して前記未定着トナー像を加熱
    溶融させる定着装置において、 前記定着フィルムの端部に、繊維を網目状のシートに形
    成した補強部を全周にわたって設けた、 ことを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 前記繊維がセラミックによって形成され
    た、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の定着装
    置。
  6. 【請求項6】 前記繊維が金属によって形成された、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の定着装
    置。
  7. 【請求項7】 前記繊維が有機材料によって形成され
    た、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の定着装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012048101A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 発熱定着ベルトとそれを用いた画像形成装置
JP2013104928A (ja) * 2011-11-10 2013-05-30 Canon Inc 像加熱装置
JP2014109642A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Canon Inc 定着用部材、定着用部材の製造方法、及び、定着装置

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