JP2001117402A - 加熱ローラおよびこれを用いた定着装置 - Google Patents
加熱ローラおよびこれを用いた定着装置Info
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Abstract
ようにして温度分布を均一化することにより定着される
記録材のサイズの違いに拘わらず、ホットオフセットや
加熱ローラとしての剛性および熱供給性を良好なものと
することができる構成を備えた加熱ローラおよびこれを
用いた定着装置をを提供する。 【解決手段】未定着現像剤Tを表面に担持した記録材S
に接触しながら熱定着する加熱ローラ2であって、該加
熱ローラ2を構成するローラ体中に少なくとも結晶化グ
ラファイトシートからなる熱伝導層5を備えていること
を特徴としている。
Description
これを用いた定着装置に関し、さらに詳しくは、加熱効
率を向上させて定着性を改善するための構成に関する。
成装置においては、転写シートなどの記録材上に転写さ
れたトナー像を定着して記録物が得られるようになって
いる。このため、画像形成装置には、転写後に記録材上
のトナー像を定着するための定着装置が設けられ、定着
装置には、トナーを軟化溶融させて定着可能な熱ローラ
方式を採用したものがある。
備え、一方のローラが内部に熱源を有する加熱ローラと
され、他方のローラがシートを加熱ローラに向けて加圧
する加圧ローラとされた構成がある。加熱ローラは、内
部にヒータを備えた肉厚2mm以上の金属製ローラであ
り、加圧ローラは、表面にゴムなどの弾性層を備えた金
属性のローラであることが基本的な構成として知られて
いる。加熱ローラに加圧ローラを当接させることで両ロ
ーラの当接位置にシートの挟持が可能なニップ部を形成
し、そのニップ部において加熱ローラからの伝熱によっ
て記録紙やOHPなどの記録材上に担持されているトナ
ーを融着することができる。
えた定着装置では、加熱ローラでの熱容量がきわめて大
きい。このため、ローラの表面温度が所定の定着温度に
達するまでの立ち上げに数分の時間が必要となり、画像
出力動作を速やかに実行することができない場合があっ
た。
は、例えば、定着装置の非使用時においても加熱ローラ
の表面温度をある程度の温度、この場合には、定着持の
温度よりもわずかに低くなる温度に維持する待機時余熱
を行うことが必要となるが、消費電力の増加を招く虞が
ある。
出力動作を速やかに行うようにする方法として、ローラ
の肉厚を薄くすることで熱容量を小さくし、定着温度ま
での立ち上げ時間を短くする方式がある。このような薄
肉ローラを用いる方式では、加熱ローラとして肉厚が1
mm以下というきわめて薄い金属製のローラが用いられ
る。
によって定着されるトナーを担持した記録材は、サイズ
が種々あり、これら複数種類のサイズのシートに対して
加熱ローラは常時同じ条件で稼働し、その表面温度を所
定の定着温度に維持するようになっている。
ニップ部において記録材がローラと接触する範囲、時に
ローラの軸方向で接触する範囲はシートサイズによって
異なる。例えば、最大A3サイズの縦送りが可能な軸方
向の長さ(通紙幅297mm)を有する加熱ローラを備
えた定着装置の場合でいうと、A4縦(幅210mm)
や封筒(幅105mm)などの幅が狭い記録材を挟持搬
送させると加熱ローラの軸方向で非通紙部分が発生して
しまう。記録材などの被加熱部材を連続的に挟持搬送し
ていくと、加熱ローラの軸方向で記録材とローラとが接
触しない非通紙部分では被加熱部材による熱の吸収が行
われないためにその部分での温度が徐々に上昇する。こ
のため、次のような問題が発生する虞があった。
には、そのサイズを外れた加熱ローラと加圧ローラとの
接触位置の温度が極めて高くなる。このため、小サイズ
の記録材の搬送に次いで、そのサイズの記録材よりも大
きなサイズの記録材を定着しようとした場合には、今ま
で高温となっていた非通紙部の領域に記録材上のトナー
が接触するとトナーが溶融状態となり、いわゆる、ロー
ラ表面に溶融トナーが転移してしまう現象であるホット
オフセットが発生する。また、ホットオフセットが発生
する箇所のローラ部分が耐熱温度を超えて破損してしま
う虞もある。
め、加熱ローラ内のヒータを各サイズに対応した領域を
加熱できるように複数配置する構成が考えられている。
例えば、A3サイズの記録材に対応するように約300
mmの軸方向領域を加熱するヒータとA4サイズの記録
材に対応するように約210mmの軸方向領域を加熱す
るヒータとを設け、各サイズ毎にヒータを選択して非通
紙部での温度上昇が起こらないように加熱することが考
えられている。
温度が上昇するのを防止するために、小サイズの記録材
が所定枚数定着されると、それまでの搬送速度以下に切
り替えるようにして非通紙部での温度上昇を抑制する構
成も提案されている(例えば、特開平6−186875
号公報)。しかし、このような複数のヒータを用いた場
合には選択的にヒータの動作状態を切り替える必要があ
り、ヒータの数が多くなることも含めて構成が複雑化し
たりコスト上昇を招く虞がある。また搬送速度を切り替
えるようにした場合においても上述した不具合に加えて
定着のための搬送速度を低下させることで記録材の生産
性が低下してしまうことにもなる。
えてローラの素材自体を熱伝導のよいものとし、具体的
にはグラファイト製のローラ構造を用いることが提案さ
れている(例えば、特開閉5−307333号公報)。
しかし、このようなローラは、グラファイト繊維を巻い
て円筒状としているため、繊維同士は分離した状態であ
るのでローラの軸方向での熱伝導性に限界があり、しか
も軸方向でのたわみ変形が生じやすいことから、加熱ロ
ーラとしての剛性や熱供給性を発揮することができな
い。
よびこれを用いた定着装置における問題に鑑み、非通紙
部領域での異常な温度上昇を低減できるようにして温度
分布を均一化することにより定着される記録材のサイズ
の違いに拘わらず、ホットオフセットや加熱ローラとし
ての剛性および熱供給性を良好なものとすることができ
る構成を備えた加熱ローラおよびこれを用いた定着装置
を提供することにある。
未定着現像剤を表面に担持した記録材に接触しながら熱
定着する加熱ローラであって、該加熱ローラを構成する
ローラ体中に少なくとも結晶化グラファイトシートから
なる熱伝導層を備えていることを特徴としている。
ァイトシートは、シームレスな円筒体で構成されている
こと特徴としている。
ァイトシートは、フィルム状シートとされたものがロー
ラ体に捲装されていることを特徴としている。
ァイトシートは、ローラ体に捲装される際にその周方向
で分割された状態で捲装され、その分割面が斜めに形成
された接合面とされていることを特徴としている。
ァイトシートは、ローラ体の周方向で隙間を持たせて配
置されていることを特徴としている。
ァイトシートは、ローラ体の長手方向で複数に分割され
て配置されていることを特徴としている。
うちの一つに記載の加熱ローラを用いる定着装置であっ
て、上記加熱ローラには上記結晶化グラファイトシート
がローラ体の外面に配置され、上記ローラ体が誘導発熱
手段により加熱される構成とされていることを特徴とし
ている。
うちの一つに記載の加熱ローラを用いる定着装置であっ
て、熱源を内装した加熱ローラと、上記加熱ローラに対
向配置されて記録材を加熱ローラに向け圧接させながら
搬送可能な圧接手段とを備え、上記加熱ローラは、上記
記録材の非接触部分の熱を接触部分へ移動させる構成を
備えていることを特徴としている。
する。図1は、本発明実施例による加熱ローラが用いら
れる定着装置の構成を示す模式図であり、同図におい
て、定着装置1は、一対のローラを備えている。一方の
ローラ2が記録材S上に担持されている未定着状態の現
像剤であるトナーTと接触する回転可能な加熱ローラで
あり、他方のローラ3が加熱ローラ3と対向当接して記
録材Sを加熱ローラに向けて加圧しながら挟持搬送可能
な加圧ローラである。
録材Sを搬送できる方向に回転できるようになってお
り、周面の一部に当接する加圧ローラ3を連動回転させ
ることができる。加圧ローラ3は、図示しない加圧手段
により記録材Sを加熱ローラ2に向けて押圧しながら回
転できるようになっており、加熱ローラ2との接触位置
に記録材Sを挟持搬送するためのニップ幅Nが形成でき
るようになっている。
の肉厚を有するパイプ状に形成された鉄やアルミニュウ
ムからなるローラ体が用いられている。この構成として
は、上記材料の他に、ガラスやセラミックスおよび耐熱
性の樹脂などをローラ体全体あるいは部分的に用いるこ
とも可能である。また薄肉とすることに限らないことも
もちろんである。加熱ローラ2の内部には、ハロゲンヒ
ータなどの輻射熱により加熱する構成の熱源Hが配置さ
れており、表面を所定の定着温度に設定できるようにな
っている。上記熱源Hとしては、ハロゲンヒータに限ら
ず他の形式のものであってもよく、また、熱源Hは内蔵
するだけでなく、ローラ体表層部に埋設して発熱層とす
ることも可能である。
ウムなどの金属製の芯金が用いられ、その表面にシリコ
ンゴムなどの高弾性層が設けられ、加熱ローラ2との圧
接部分でニップ幅Nを確保できるようになっている。
当接しながら回転するようになっており、ニップ幅Nに
おいて加熱ローラ2からの熱が記録材Sに供給されて記
録材上のトナーが加熱溶解され、定着される。加熱ロー
ラ2における定着領域は、図2に示すように、加圧ロー
ラ3が接触する軸方向の領域である。
の部分的な断面図であり、同図においてローラ体は、基
体部2Aとその表面に位置する離型層2Bとを備えてい
る。基体部2Aは、上述した金属あるいはその他の材料
を混成した部分であり、その表面側(図3(B)参照)
あるいは裏面側(図3(A)参照)には、結晶化グラフ
ァイトシートを用いた熱伝導層5が配置されている。
シームレスなシート状とされることで基体部2Aに隣接
して連続面状の円筒体で構成され、基体部2Aに対して
図示しない接着層を介して一体化されている。
ファイトシートについて説明すると、結晶化処理された
グラファイトシートは、分散化処理されたグラファイト
シートと異なり、銅よりも高い熱伝導性を備えている特
徴がある。このため、熱伝導率が低い鉄を用いた加熱ロ
ーラでは、記録材Sと接触しない領域である非通紙部で
の温度が上昇した場合、その熱の移動が得にくく、この
結果として非通紙部での温度が異常に上昇しやすい。
は、熱の移動が円滑に行え、加熱ローラ2の軸方向での
温度を均一化することができる。これにより、記録材S
と接触して熱の受授が行われている箇所に向けて非通紙
部からの熱の移動が円滑に行われて非通紙部での異常な
温度上昇が抑制され、加熱ローラ2の軸方向での温度分
布が均一化される。なお、熱伝導率に関し、結晶化グラ
ファイトシートと鉄(Fe)とアルミニュウム(Al)
とを比較した結果を表1に示す(理科年表より)。
FEなどのフッ素系樹脂を用いた被覆層やシリコンゴム
層などが用いられる。
加熱ローラ2と加圧ローラ3との接触位置に向けて記録
材Sが搬送されてくると、ニップ幅Nにおいて挟持搬送
され、その過程で記録材S上のトナーTが加熱ローラ2
からの熱を受けることで軟化・溶解されて記録材S上に
定着される。トナーTは定着装置1を通過し終わると温
度降下して冷却されることにより固化し記録材S上に完
全に定着される。
定の定着温度に達するまでの立ち上がり時間が短くてす
む。このため、待機時にあらかじめ昇温させておく必要
がなく、省エネルギー化が可能となる。
熱ローラ2の軸方向においては、記録材Sと接触する領
域である通紙位置と、接触しない領域である非通紙位置
とで温度が異なってくる。本実施例では、結晶化グラフ
ァイトシートを用いた熱伝導層5における熱伝導率によ
り、温度降下している通紙位置に対して非通紙位置から
の熱の移動が起こり、加熱ローラ2の軸方向における温
度が均一化される。換言すれば、温度上昇が著しい非通
紙位置での熱が通紙位置に移動することで非通紙位置で
の温度上昇が抑制される。この結果、非通紙位置での温
度上昇が低減されて加熱ローラ2の軸方向での温度分布
が均一化されるので、非通紙位置に接触できるサイズの
記録材が搬送されてきた場合でも異常な温度上昇による
ホットオフセットを防止することができ、しかも、軸方
向での異常な温度上昇による熱変形の発生を防止するこ
ともできる。
いた熱伝導層5の設置構造について説明する。図4は、
熱伝導層5をなす結晶化グラファイトシート(便宜上、
図中においては結晶化グラファイトシートを符号5で示
している)の構成を示す図であり、同図において、結晶
化グラファイトシート5は、加熱ローラ2の周方向でロ
ーラ体の軸線に平行する分割面によって分割され、加熱
ローラ2の基体部2Aに対して巻き付けられるようにな
っている。このような構成は、加熱ローラ2の基体部2
Aに対してシームレスな状態で設置することが困難な場
合、あるいは、加工精度の関係でローラ体の径と結晶化
グラファイトシート5の径とが大きく異なるとシート5
自体がローラ体から浮き上がってしまう虞があるような
場合に適用される。
ート5は、分割部を接合できるようにローラ体の基体部
2Aに対して矢印で示す方向に力を加えることできつく
巻き付けることが可能となり、上述した不具合を解消で
き、しかも、これにより、シームレスとした場合に比べ
て加工コストを低減させることが可能となる。なお、図
4(A)は、1枚の結晶化グラファイトシート5におけ
る周方向で1カ所に分割面を設けた場合を示しており、
図4(B)は結晶化グラファイトシート5における周方
向で複数、実施例では2カ所で分割した場合をそれぞれ
示している。
5により説明する。図5(A)において熱伝導層5をな
す結晶化グラファイトシート(便宜上、図5において結
晶化グラファイトシートを符号5で示す)は、加熱ロー
ラ2のローラ体における軸線に対して斜めに分割面5A
が形成されている。換言すれば、ローラ体の周方向でニ
ップ幅Nの領域を横断することができる分割面5Aを備
えている。
は、その分割面が単純にローラ体の軸線方向に平行した
分割面とされている。これに対して、図5に示す結晶化
グラファイトシート5では、分割面が斜めであるので、
次の理由によりニップ幅領域での熱伝達を良好なものと
することができる。すなわち、図5(B)は図4に示し
た場合と同様に、ローラ体の軸線に平行する分割面(便
宜上、符号5A’で示す)を形成した場合を示してお
り、この場合には、分割面5A’の位置がニップ幅Nの
領域(図中、破線で示す)での軸線方向に一致してしま
う。このため、分割面5A’を接合した場合の接合位置
を境にして加熱ローラ2のローラ体における周方向で伝
達される熱の移動量が、図4(B)中、細い矢印と太い
矢印とで示すように、一方の分割領域からのものと他方
の分割領域のものとで差が生じることがある。これは、
分割面5A’を接合した場合、接合位置での伝熱特性が
悪く、熱の移動が起こりにくいことが原因と考えられ
る。このため、分割面5A’をはさんだ両側では、温度
分布が均一とならず、記録材Sに対する熱の移動が不均
一となり、定着性が悪化することがある。
面5Aがニップ幅領域を横断する構成とした場合には、
図5(C)に示すように、ニップ幅領域での軸線方向と
一致する接合部の割合を少なくできる。このため、結晶
化グラファイトシート5の接合位置がニップ幅領域に差
し掛かった場合でも、結晶化グラファイトシート5で
は、熱の移動が可能な領域が広くなっている状態でニッ
プ幅領域に対面することができるので、接合位置近傍で
の温度差が生じにくくなる。従って、ニップ幅領域に差
し掛かった接合位置近傍での温度分布を均一に保つこと
ができるので、記録材Sに対する熱の移動が均一化され
て定着性を損なうようなことがなくなる。
図6および図7において説明する。図6は、熱伝導層5
を構成する結晶化グラファイトシート(便宜上、図6に
おいて符号5で示す)をローラ体の周方向で隙間を持た
せるように分割して設けた構成を示している。この場合
の結晶化グラファイトシート5は、ローラ体の軸方向に
平行する長さとして、ほぼローラ体の軸方向長さを覆い
得る長さに設定され、周方向ではその長さよりも短くさ
れた短冊状に構成されて周方向に隙間を設けて隣り合わ
せた状態で配置されている。
ローラ体が鉄ではなくアルミニュウムのように比較的熱
伝導率が高いものが用いられる場合、あるいは、ローラ
体の肉厚が厚く、ローラ体自体での熱移動が比較的良好
な場合に適用される。これにより、加熱ローラ2のロー
ラ体では、図6中、細い矢印で示すように熱が周方向に
伝わり、結晶化グラファイトシート5に熱が移動する
と、結晶化グラファイトシート5において、図6中、太
い矢印で示すように軸方向に伝達されるので、周方向お
よび軸方向で温度ムラを生じることがなく、ローラ体で
の非通紙部での温度の異常な上昇を防ぐことができる。
が結晶化グラファイトシート5によって軸方向にも伝達
されるので、周方向での結晶化グラファイトシート5の
使用量を少なくすることができ、コスト低減化が可能と
なる。さらに、熱源としてハロゲンヒータを用いた場合
には、加熱ローラ2のローラ体を直接加熱することがで
きる領域が得られるので、結晶化グラファイトシート5
が熱源の前方でローラ体に一体化されている場合に比べ
て加熱ローラ2の表面温度を所定の定着温度に設定する
までの立ち上がり時間が多少なりとも早められることが
発明者の観察により確認された。
成としては、図7に示すように、加熱ローラ2における
ローラ体の軸方向において分割したものを用いることも
可能である。
トシートを用いた場合の熱源に関する別実施例を図8に
おいて説明する。図8に示す実施例では、熱源H(図1
参照)として、コイルCを用いた誘導加熱源が用いられ
ている。コイルCは、加熱ローラ2のローラ体内部に配
置されたボビンBに捲装されて設けられている。
加熱ローラ2のローラ体を誘導加熱することができる。
これにより、厚さ方向での熱伝導率が悪いとされている
結晶化グラファイトシートをローラ体の内側面で熱源H
の前方に位置させた場合でも、誘導加熱によってローラ
体に誘導起電力を生起させて自己誘導加熱させることが
できる。この結果、ハロゲンヒータを熱源とした場合と
比較して、熱伝導率が悪いとされる結晶化グラファイト
シートの厚さ方向への伝熱を行わせる必要がないので、
ローラ体の表面温度を所定の定着温度にするまでの立ち
上がり時間を短縮することが可能となる。
合のように、結晶化グラファイトシートにおいて輻射熱
を吸収しやすいような処理が必要なくなるので、この処
理に必要なコストの低減が可能となる。しかも加熱ロー
ラ2のローラ体自体の温度を上昇させることにより厚さ
方向での熱伝導率の悪い結晶化グラファイトシートを用
いても、表面での加熱効率を高めるとともに、その効率
が高められた後に得られる結晶化グラファイトシートに
よる温度分布の均一化により定着効率を低下させないよ
うにすることができる。
として用いられる結晶化グラファイトシートがシートで
あることで連続面状をなし、ローラにおける通紙部に対
して非通紙部からの熱の移動を円滑に行わせることがで
き、ローラ全域での温度分布を均一化することができ
る。これにより、非通紙部での異常な温度上昇を防ぎ、
この部分でのホットオフセットや熱変形が生じるのを未
然に防止することが可能となる。
なす結晶化グラファイトシートがシームレスな円筒体で
あるので、熱の移動を妨げるような接合部が存在してい
ないことにより、ローラ全域での熱の移動が良好に行
え、通紙部および非通紙部を含めた温度分布を均一化さ
せることが可能となる。
ファイトシートがフィルム状シートのものをローラ体に
捲装できるようになっているので、ローラ体に密着させ
ることができ、しかも、シームレスの場合と違って製造
を容易に行うことが可能となる。
捲装される結晶化グラファイトシートの分割面が斜めに
形成されているので、記録材を挟持搬送する領域が占め
る方向と分割面の方向とが一致する部分を少なくするこ
とができる。これにより、熱の移動領域を広くした状態
で挟持搬送領域に結晶化グラファイトシートを対面させ
ることができるので、温度差の発生を低減して周方向で
の温度分布を均一化することが可能となる。
熱ローラ周面で隙間を持たせて配置したり複数に分割し
て配置することにより結晶化グラファイトシートの占有
面積を少なくすることができる。これにより、熱源から
の輻射熱による加熱ローラ表面をの温度を上昇させる際
には結晶化グラファイトシートのないローラ体自体を加
熱することができ、輻射熱を受ける方向での熱伝導性が
悪い結晶化グラファイトシートを用いた場合でも消音時
間を短縮することができる。しかも昇温後には結晶化グ
ラファイトシートの熱伝導率を利用して温度分布を均一
化することが可能となる。
輻射熱ではなくローラ体自体を発熱させる誘導加熱を用
いるので、輻射熱による熱源と違って輻射熱を受ける方
向での熱伝導性が悪い結晶化グラファイトシートを用い
てもローラの昇温時間を短縮することができ、これによ
り所定の定着温度に達するまでの待機時間を短くするこ
とができる。
に結晶化グラファイトシートを用いたので、結晶化グラ
ファイト繊維を用いた場合と違って熱伝導面が連続面状
をなすことができ、熱伝導性を良好なものとして非通紙
部での異常な温度上昇を防止することができる。これに
より、非通紙部に記録材が接触した場合のホットオフセ
ットや熱変形を未然に防止することが可能となる。
装置の構成を説明するための模式図である。
明するための図であり、(A)は熱伝導層をなす結晶化
グラファイトシートがローラ体の内側面に位置している
場合を、(B)は上記結晶化グラファイトシートがロー
ラ体の表面側に位置している場合をそれぞれ示してい
る。
伝導層を成す結晶化グラファイトシートの構造を説明す
るための図であり、(A)は分割面が周方向で1カ所で
ある場合を、(B)は分割面が周方向で2カ所である場
合をそれぞれ示している。
伝導層を成す結晶化グラファイトシートの分割構造に関
する構成および作用を示す図であり、(A)は構成を示
す斜視図、(B)は(A)に示した構成と異なる場合の
作用を、(C)は(A)に示した構成での作用をそれぞ
れ示している。
する別実施例を説明するため模式図である。
する他の実施例を説明するための模式図である。
関する変形例を説明するための部分的な図である。
Claims (8)
- 【請求項1】未定着現像剤を表面に担持した記録材に接
触しながら熱定着する加熱ローラであって、 該加熱ローラを構成するローラ体中に少なくとも結晶化
グラファイトシートからなる熱伝導層を備えていること
を特徴とする加熱ローラ。 - 【請求項2】上記結晶化グラファイトシートは、シーム
レスな円筒体で構成されていること特徴とする請求項1
記載の加熱ローラ。 - 【請求項3】上記結晶化グラファイトシートは、フィル
ム状シートとしたものがローラ体に捲装されていること
を特徴とする請求項1記載の加熱ローラ。 - 【請求項4】上記結晶化グラファイトシートは、ローラ
体に捲装される際にその周方向で分割された状態で捲装
され、その分割面が斜めに形成された接合面とされてい
ることを特徴とする請求項3記載の加熱ローラ。 - 【請求項5】上記結晶化グラファイトシートは、ローラ
体の周方向で隙間を持たせて配置されていることを特徴
とする請求項1または3記載の加熱ローラ。 - 【請求項6】上記結晶化グラファイトシートは、ローラ
体の長手方向で複数に分割されて配置されていることを
特徴とする請求項1または3記載の加熱ローラ。 - 【請求項7】請求項1乃至6のうちの一つに記載の加熱
ローラを用いる定着装置であって、 上記加熱ローラには上記結晶化グラファイトシートがロ
ーラ体の外面に配置され、上記ローラ体が誘導発熱手段
により加熱される構成とされていることを特徴とする定
着装置。 - 【請求項8】請求項1乃至7のうちの一つに記載の加熱
ローラを用いる定着装置であって、 熱源を内装した加熱ローラと、 上記加熱ローラに対向配置されて記録材を加熱ローラに
向け圧接させながら搬送可能な圧接手段とを備え、 上記加熱ローラは、上記記録材との非接触部分の熱を上
記記録材との接触部分へ移動させる構成を備えているこ
とを特徴とする定着装置。
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JP29464599A JP3961169B2 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 加熱ローラおよびこれを用いた定着装置 |
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