JPH0978229A - Zn−Mg合金めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

Zn−Mg合金めっき鋼板の製造方法

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JPH0978229A
JPH0978229A JP25815495A JP25815495A JPH0978229A JP H0978229 A JPH0978229 A JP H0978229A JP 25815495 A JP25815495 A JP 25815495A JP 25815495 A JP25815495 A JP 25815495A JP H0978229 A JPH0978229 A JP H0978229A
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alloy
vapor deposition
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Kazuyuki Sakamoto
和志 坂本
Yasumi Ariyoshi
康実 有吉
Yasushi Fukui
康 福居
Minoru Saito
実 斎藤
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Nisshin Steel Co Ltd
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23C14/56Apparatus specially adapted for continuous coating; Arrangements for maintaining the vacuum, e.g. vacuum locks
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    • C23C26/00Coating not provided for in groups C23C2/00 - C23C24/00

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性,塗装密着性,加工性,溶接性等の諸
特性が総合的に優れたZn−Mg合金めっき鋼板を製造
する。 【構成】 連続して走行する鋼板を真空室に導入し、Z
n,Mg,Znの順に蒸着めっきした後、蒸着めっき完
了直後の鋼板温度が370℃以下、蒸着めっき完了から
10秒後の鋼板温度が340℃以下、20秒後の鋼板温
度が320℃以下、40秒後の鋼板温度が300℃以下
になる冷却条件下で、めっき後の鋼板を冷却する。 【効果】 Zn,Mgの拡散が好適に管理され、適正な
3層又は5層の積層構造をもつZn−Mg合金めっき層
が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、塗装性、加工
性、溶接性等に優れ、建材、家電、自動車等の構造材,
部品材料として好適なZn−Mg合金めっき鋼板を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の耐食性を向上させるため、従来か
ら各種の表面処理が採用されている。なかでも、代表的
な表面処理方法であるZnめっきには、主として電気め
っき法、溶融めっき法が採用されている。耐食性の向上
に対する要求は年々高まる傾向にあり、これに伴って溶
融めっき法、電気めっき法において種々の改良が提案さ
れている。溶融めっき法でZnめっき鋼板の耐食性を向
上させようとすると、Znめっき層の付着量を増加させ
る、すなわち、めっき層を厚くすることが先ず考えられ
る。しかし、製造面からの制約により付着量には上限が
あり、付着量の増加によって耐食性の向上を図ることに
は限界がある。また、めっき層が厚くなると、めっき鋼
板をプレス形成するときにカジリ、フレーキング等の欠
陥を発生させる原因になりやすい。
【0003】一方、電気めっき法で同様に付着量を増加
させることも考えられる。しかし、電気めっき法で付着
量を増加させることは、めっき金属の折出に必要な電気
量を増加させ、めっき鋼板のコストを上昇させる原因と
なる。そこで、電気めっき法では、Zn−Ni合金めっ
き等のZn合金めっきを施すことによって耐食性の向上
を図っている。しかし、Zn−Ni合金めっき層は、硬
質で脆く、成形加工の際めっき層に割れや欠け等の欠陥
を発生させやすい。このような欠陥がめっき層に発生す
ると、欠陥部を介して下地鋼が露出するため、めっき層
本来の性能が発揮されず、欠陥部を起点とした腐食が進
行する。以上のような背景から、高耐食性のZn系合金
めっき鋼板を蒸着法で製造することが試みられている。
なかでも、Zn−Mg合金めっきは、優れた防食作用を
呈する材料として注目されている。たとえば、特開昭6
4−17853号公報では、0.5〜40重量%のMg
を含むZn−Mg合金めっき層を形成することを開示し
ている。また、Zn−Mg合金めっき層と下地鋼との間
にZn,Ni,Cu,Mg,Al,Fe,Co、Ti等
の中間層を介在させることによりめっき層の密着性及び
加工性が向上することが特開平2−141588号公報
で紹介されている。
【0004】本発明者等も、めっき層の中央部に高Mg
濃度層を形成し、その上下に低Mg濃度層を形成した積
層型構造のZn−Mg合金めっき鋼板が、耐パウダリン
グ性、耐食性、スポット溶接性、密着性、耐変色性等で
優れた特性を発揮することを見出し、特願平6−243
358号で提案した。更に塗装後の塗膜の二次密着性と
高耐食性を両立させたものとして、最表層である低Mg
濃度層の付着量を規定すると共に、最表層である低Mg
濃度層の付着量に対する第1層の低Mg濃度層の付着量
比率を規定したZn−Mg合金めっき鋼板を、特願平7
−65096号として出願した。また、積層構造を有す
るZn−Mg合金めっき鋼板の製造方法として、連続走
行する鋼板上にZn,Mg、Znの順に独立して順次蒸
着めっきを行い、蒸着終了後のめっき鋼板が持つ熱によ
ってZnとMgの拡散反応を進行させることを特願平6
−58624号,特願平6−205928号等で提案し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Zn−Mg合金めっき
鋼板の製造に際し、蒸着終了後の鋼板の保有熱でZnと
Mgの拡散を進行させることにより、積層構造のZn−
Mg合金めっき層が形成される。しかし、蒸着終了後の
鋼板を冷却する冷却速度が小さいと、冷却中にもめっき
層内でZnとMgの拡散が進行する。その結果、最終的
にめっき層の断面構造が適正なものとならず、Zn−M
g合金めっき鋼板が有する本来の耐食性、塗装性などの
特性が発揮されないことがある。本発明は、このような
問題を解消べく案出されたものであり、蒸着めっき後の
冷却条件を規定することによって、常に適正な断面構造
を有するZn−Mg合金めっき鋼板を製造することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、そ
の目的を達成するため、連続して走行する鋼板を真空室
に導入し、Zn,Mg,Znの順に蒸着めっきした後、
蒸着めっき完了直後の鋼板温度が370℃以下、蒸着め
っき完了から10秒後の鋼板温度が340℃以下、20
秒後の鋼板温度が320℃以下、40秒後の鋼板温度が
300℃以下になる冷却条件下で、めっき後の鋼板を冷
却することを特徴とする。
【0007】
【作用】適正な断面構造のZn−Mg合金めっき鋼板と
は、本発明者等の調査・研究によるとき、3層(図1)
又は5層(図2)の積層構造をもつZn−Mg合金層が
鋼板の表面に順次積層されたものである。このような積
層構造により、Zn−Mg合金めっき本来の特性が十分
発揮され、耐食性、塗装密着性、加工性、溶接性などの
諸特性が総合的に優れたものとなる。図1の3層構造で
は、Mg濃度0.5重量%以下のZn−Mg合金層(第
1層),Mg濃度7重量%以上のZn−Mg合金層(第
2層),そして最表層にMg濃度0.5重量%以下のZ
n−Mg合金層(第3層)が鋼板上に順次積層された断
面構造のものを適正とする。
【0008】図2の5層構造では、Mg濃度0.5重量
%以下のZn−Mg合金層(第1層),Mg濃度2〜7
重量%のZn−Mg合金層(第2層),Mg濃度7重量
%以上のZn−Mg合金層(第3層),Mg濃度2〜7
重量%のZn−Mg合金層(第4層),そして最表層に
Mg濃度0.5重量%以下のZn−Mg合金層(第5
層)が鋼板上に順次積層された断面構造のものを適正と
する。3層構造又は5層構造の何れの場合でも、最表層
のZn−Mg合金層は、塗装を施した場合のめっき層と
塗膜との間の密着強度を確保するために、付着量を0.
3g/m2 以上とすることが好ましい。Mg濃度が7重
量%以上の層は、それ自体の耐食性が高く、めっき層自
体の腐食寿命を長くする。また、Mg濃度が高い層から
溶け出したMgは、防食性に優れたZnの腐食生成物で
あるZnCl2 ・4Zn(OH)2 やZn(OH)2
生成を促進するので、更に耐食性が向上する。しかし、
Mg濃度7重量%以上の層が最表層として露出している
と、めっき鋼板の表面に塗料を塗布した場合に塗膜二次
密着性が得られないことがある。
【0009】具体的には、Mg濃度の高いZn−Mg合
金層は、塗料との界面に水や水蒸気の侵入があると塗膜
の密着強度が大幅に低下し、結果として塗装後の耐水二
次密着性が得られない。この問題を解消するためには、
めっき層の最表層として、Mg濃度0.5重量%以下の
Zn−Mg合金層を0.3g/m2 以上の付着量で形成
することが有効な手段である。また、めっき層の表層と
化成処理層又は塗料との間で反応層が生成する場合、M
g濃度0.5重量%以下のZn−Mg合金層が全て反応
層となってしまうことがあり、その場合にも耐水二次密
着性が低下する。以上のような理由から、最表層には、
Mg濃度0.5重量%以下のZn−Mg合金層を0.3
g/m2 以上の付着量で形成することが好ましい。最表
層にあるMg濃度0.5重量%以下のZn−Mg合金層
は、腐食に対する溶解速度が大きいことから犠牲防食作
用を呈する。すなわち、めっき鋼板に疵付き部等があっ
た場合、その部位からの赤錆発生が防止される。Zn−
Mg合金層により犠牲防食作用は、特に初期の赤錆発生
防止に有効である。
【0010】最表層のZn−Mg合金層は、スポット溶
接性を向上させる効果もある。すなわち、この合金層が
最表層としてあることにより、スポット溶接の電極は、
Mg濃度0.5重量%以下の層と接し、高Mg濃度の層
が直接電極と接触する場合に比較して電極へのMg拡散
を抑制し、電極寿命を長くする。更に、表面に高濃度の
Mgが存在すると、めっき鋼板表面に自然に生成するZ
nの酸化物や水酸化物が不飽和になり易く、黒変色が生
じ易い。この点、最表層をMg濃度0.5重量%以下の
Zn−Mg合金層とするとき、表面のMg濃度が低く抑
えられ、黒変色も防止される。Mg濃度7重量%以上の
層と下地鋼との間には、めっき鋼板の成形性を確保する
ため、第1層としてMg濃度0.5重量%以下のZn−
Mg合金層を形成することが望ましい。この第1層は、
延性を持っているため、めっき鋼板がプレス成形等の加
工により変形を受ける場合に、下地鋼と高Mg濃度層と
の間で変形量の差を吸収する作用を呈する。その結果、
パウダリングの発生が防止され、Zn−Mg合金めっき
鋼板の成形性が向上する。
【0011】更に、第1層のMg濃度0.5重量%以下
のZn−Mg合金層と下地鋼との間には、めっき層の密
着性を確保するためにZn−Fe合金層又はZn−Fe
−Mg合金層を形成することが好ましい。蒸着法によっ
て鋼板上にZn−Mg合金めっきを形成しようとする場
合、蒸着雰囲気中にガス成分として存在するO2 やH2
Oによって鋼板表面が酸化されると、めっき密着性が低
下することがある。また、鋼板表面を活性化した後、直
ちに蒸着めっきが行われないので、その間に表面が汚染
されて密着性が低下する虞れもある。このようなめっき
密着性の低下は、第1層と下地鋼との界面にZn−Fe
合金層又はZn−Fe−Mg合金層を形成することによ
り防止される。ただし、Zn−Fe合金層又はZn−F
e−Mg合金層の厚みは、加工成形時にパウダリングが
発生しないように0.5μm以下に抑えることが有効で
ある。このような理由から、図1に示した3層構造をも
つZn−Mg合金めっき鋼板は、耐食性,加工性,塗膜
密着性等において優れた特性を呈する。更に高耐食性が
要求される場合には、図2に示す5層構造にすることが
好ましい。5層構造は、3層構造と比較して、第2層及
び第4層にそれぞれMg濃度2〜7重量%のZnMg合
金層を設けたものである。
【0012】このような積層構造をもつZn−Mg合金
めっき鋼板は、蒸着めっき完了後にめっき鋼板が持つ熱
によってZnとMgとを拡散させることにより製造でき
る。しかし、めっき後の鋼板を冷却する際に、冷却が遅
く鋼板が高い温度に保持される時間が長いと、冷却中に
もZnとMgの拡散が過度に進行し、最終的には適正な
積層構造のZn−Mg合金めっきとならないことがあ
る。たとえば、拡散の進行によっては、3層又は5層の
積層構造にならず、図4〜6に示すようにMgがめっき
層全体にわたって拡散した1層めっき構造となる。しか
も、下地鋼からFeがめっき層中に拡散し、厚さ0.5
μm以上に成長したZn−Fe合金層が存在する場合も
ある(図5,6)。厚いZn−Fe合金層は、めっき鋼
板を加工した場合にパウダリングと呼ばれるめっき層の
剥離現象を起こし易い。
【0013】本発明では、図1又は図2に示した積層構
造を得るため、蒸着めっき完了直後及び蒸着めっき完了
後の経過時間に応じた鋼板温度を管理している。すなわ
ち、蒸着めっき完了直後の鋼板温度が370℃以下、蒸
着めっき完了から10秒後の鋼板温度が340℃以下、
20秒後の鋼板温度が320℃以下、40秒後の鋼板温
度が300℃以下となるように冷却する。この冷却条件
は、本発明者等による多数の実験結果から見出されたも
のであり、Mg及びZnの拡散を適正化し、図1又は図
2の積層構造をもつZn−Mg合金めっき層を安定的に
形成する。蒸着めっき完了直後の鋼板温度が370℃を
超えると、めっき層と下地鋼との界面に生成するZn−
Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金層が厚くなり、
0.5μmを超えるので好ましくない。また、蒸着完了
から10秒後に340℃以下,20秒後に320℃以
下,40秒後に300℃以下となる条件の何れかでも満
足されないと、Zn−Mg合金めっき鋼板の断面構造
は、適正な3層又は5層にならず、図4〜6の1層構造
になりやすい。
【0014】本発明に従った冷却条件は、たとえば図2
に示す設備構成でZn−Mg合金めっき鋼板を製造する
とき、次のように管理される。めっき原板10は、ペイ
オフリール11から巻き戻され、無酸化炉20及び還元
焼鈍炉25で表面活性化及び焼鈍された後、鋼板温度制
御装置26を経て真空室30に導かれる。真空室30
は、入側真空シール部31及び出側真空シール部32を
備えた気密構造をもち、適宜の真空ポンプにより1Pa
程度の減圧雰囲気に維持される。真空室30の内部に
は、めっき原板10の搬送方向に沿って第1Zn蒸着室
33,Mg蒸着室34及び第2Zn蒸着室35が順次配
置されている。真空室30に導入されためっき原板10
は、第1Zn蒸着室33で先ずZn蒸着され、次いでM
g蒸着室34でMg蒸着され、更に第2Zn蒸着室35
でZn蒸着される。蒸着めっきは、必要に応じてめっき
原板10の片面又は両面に施される。
【0015】蒸着後のめっき鋼板10は、出側真空シー
ル部32を経て真空室30から送り出され、一次冷却装
置40及び二次冷却装置45を通り、最終的にめっき鋼
帯15として巻取りリール16に巻き取られる。めっき
鋼帯15は、一次冷却装置40において窒素ガス吹付け
により冷却され、二次冷却装置45において空気吹き付
けにより冷却される。冷却装置40,45の冷却能は、
吹き付ける窒素ガスや空気の温度及び流量によって調整
される。この蒸着めっきラインにおいて、第2Zn蒸着
室35の直後に温度計51を、真空室30の出側に温度
計52を、一次冷却装置40の出側に温度計53を、二
次冷却装置45の出側に温度計54を、巻取りリール1
6の上流側にある後処理装置(図示せず)の入側に温度
計55をそれぞれ設けている。温度計51〜55として
は、たとえば放射温度計が使用される。温度計51で測
定される温度は、蒸着めっき完了直後の鋼板温度であ
る。
【0016】また、通板速度が60m/分の場合、温度
計52で蒸着めっき完了から10秒経過した時点の鋼板
温度,温度計53で20秒経過した時点の鋼板温度,温
度計54で40秒経過した時点の鋼板温度が測定され
る。また、通板速度が120m/分の場合、蒸着めっき
完了から40秒経過した時点の鋼板温度が温度計55で
測定されるように、温度計55の設置箇所を定めてい
る。温度計51,52の測定値に基づき、蒸着完了直後
の鋼板温度が370℃以下となるように鋼板温度制御装
置26を制御し、蒸着前の鋼板温度を制御する。また、
温度計55の測定値に基づき、一次冷却装置40及び二
次冷却装置41の冷却能力が制御される。このようにし
て、蒸着めっき完了直後の鋼板温度が370℃以下に、
蒸着めっき完了から10秒経過した時点の鋼板温度が3
40℃以下に、蒸着めっき完了から20秒経過した時点
の鋼板温度が320℃以下に、蒸着めっき完了から40
秒経過した時点の鋼板温度が300℃以下に制御され
る。
【0017】
【実施例】表1に示した成分をもつ板厚0.5mm,板
幅700mmの未焼鈍冷延鋼板をめっき原板として使用
し、図3に示す蒸着めっき装置によりZn−Mg合金め
っき鋼板を製造した。めっき付着量を片面あたり20〜
50g/m2 ,Mg濃度を3重量%に設定した。たとえ
ば、めっき付着量が20g/m2 のとき、Mg付着量は
0.6g/m2 となる。
【0018】
【0019】冷却条件を種々変更して製造したZn−M
g合金めっき鋼板について、めっき層の積層構造を電子
顕微鏡(SEM)により観察した。積層構造と冷却条件
との関係を調査したところ、両者の間に表2に示す関係
が成立していた。表2において、めっき層の断面が3層
構造(図1)又は5層構造(図2)になっており、下地
鋼とめっき層との界面に厚み0.5μmを超えるZn−
Fe合金層が生成していない場合を○,これらの条件の
何れかでも満足していない場合を×として評価した。
【0020】
【0021】表2に見られるように、蒸着めっき完了直
後の鋼板温度を370℃以下,蒸着めっき完了から10
秒経過した時点の鋼板温度を340℃以下,20秒経過
した時点の鋼板温度を320℃以下,40秒経過した時
点の鋼板温度を300℃以下にした製造番号1〜12で
は、何れも正常な3層又は5層構造をもつZn−Mg合
金めっき層が形成されていた。他方、めっき完了直後の
鋼板温度が370℃を超えた製造番号13〜15では、
何れも適正な積層構造をもっためっき層が形成されなか
った。製造番号13では、図4に示すように下地鋼の上
に厚みが1.3μmにも達するZn−Fe合金層が生成
しており、このZn−Fe合金層の上にめっき層の厚み
全体にわたってMgが拡散した1層状態のめっき層とな
っていた。製造番号14,15では、図5に示すように
何れも下地鋼の上に厚さ0.8μmのZn−Fe合金層
が生成していた。また、Zn−Fe合金層の上には、1
層状態のZn−Mg合金層が形成されていた。
【0022】めっき完了から10秒経過した時点の鋼板
温度が340℃を超える製造番号16,20秒経過した
時点の鋼板温度が320℃を超える製造番号17,1
9,40秒経過した時点の鋼板温度が300℃を超える
製造番号18では、めっき層断面において、図6に示す
ようにMgが固溶したZn層と、ZnとMgの金属間化
合物層が粒状に混在した1層状態になっており、3層又
は5層の積層構造をもっていなかった。以上の結果か
ら、3層構造(図1)又は5層構造(図2)の積層構造
をもつZn−Mg合金めっき層を常に安定して形成する
ためには、完了直後の鋼板温度を370℃以下,蒸着め
っき完了から10秒経過した時点の鋼板温度を340℃
以下,20秒経過した時点の鋼板温度を320℃以下,
40秒経過した時点の鋼板温度を300℃以下にする必
要性があることが確認された。このようにして3層構造
(図1)又は5層構造(図2)の積層構造をもつZn−
Mg合金めっき層は、本来のZn〜Mg合金めっきの特
性を十分に発揮し、以下に説明するように耐食性,塗装
密着性,加工性,溶接性等の諸特性が総合的に優れたも
のとなる。
【0023】塗膜二次密着性,黒変色性,スポット溶接
表2の条件で製造したZn−Mg合金めっき鋼板から試
験片を切り出し、塗膜二次密着性,黒変色性及びスポッ
ト溶接性を調査した。各試験片は、それぞれの試験前に
0.5%HCl水溶液で酸洗し、表面のMg濃化層を除
去して試験に供した。塗膜二次密着性試験では、前処理
として燐酸塩処理を施した後、アクリル系の電着塗装を
塗膜厚み20μmで施した。塗装した試験片を50℃の
蒸留水中に1000時間浸漬した後、カッターナイフに
より1mm間隔で碁盤目状の疵をつけ、テープ剥離試験
を行った。そして、テープに付着して試験片表面から剥
離しためっき層をカウントし、剥離面積が5%以下のも
のを○,5〜50%のものを△,50%を超えるものを
×として評価した。黒変色性は、温度50℃及び相対湿
度60%の促進試験機の中に試験片を1000時間放置
し、試験前後の明度差ΔL* によって評価した。スポッ
ト溶接性は、単相交流型の溶接機に先端径4.5mmの
CF型Cu−1%Cr電極を装着し、連続溶接が可能な
打点数によって評価した。
【0024】
【0025】調査結果を示す表3で実施例として掲げた
二つの試験片は、Zn−Mg合金めっき鋼板として適正
な3層又は5層の適正な断面構造をもつものである。比
較例として掲げた試験片は、何れもMgを固溶したZn
層とZn−Mg金属間化合物層が粒状に混在した1層状
態になっており、Zn−Mg合金めっき鋼板の断面構成
としては不適正なものである。試験の結果、塗膜の二次
密着性,黒変色性及びスポット溶接性の何れについて
も、適正な断面構造をもつ実施例の試験片が優れた特性
を示した。これは、適正な断面構造をもつ試験片がめっ
き層の最表層にMg濃度0.5重量%以下のZn−Mg
合金層が形成されていることに由来する。これに対し、
比較例の試験片では、めっき層の最表層にMg濃度0.
5重量%以下のZn−Mg合金層がないため、良好な塗
膜二次密着性が得られず、表面の色も−20以上の大き
く黒変し、スポット溶接の連続打点寿命も実施例と比較
して半分程度に過ぎなかった。
【0026】加工性 Zn−Mg合金めっき鋼板として、適正な3層又は5層
の断面構造をもつものと、1層構造になった不適性なも
のとで加工性の違いを比較した。各試験片は、それぞれ
の試験前に0.5%HCl水溶液で酸洗し、表面のMg
濃化層を除去して試験に供した。加工性試験では、パウ
ダリング発生量で加工性を評価した。パウダリング性
は、高さ4mm,R=0.5mmのビードをつけた金型
に試験片を挾み、金型への加圧力500kg及び引抜き
速度200m/分で金型から試験片を引抜くドロービー
ド法試験で調査した。
【0027】
【0028】試験結果を示す表4から明らかなように、
比較例の試験片は、何れもパウダリングの発生量が多
く、加工性に劣ったものであった。これは、製造時の冷
却条件が不適正であったため、延性に富む第1層がな
く、またZn−Fe合金層が厚く成長したことに原因が
ある。これに対し、適正な冷却条件で製造した実施例の
試験片では、第1層と下地鋼との間に薄いFe−Zn合
金層が観察され、良好な加工性を呈していた。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、蒸着めっき完了直後及び蒸着めっき完了からの経過
時間に応じて鋼板温度を制御することにより、Mg及び
Znの拡散を適正に管理し、Zn−Mg合金めっき層の
断面構造を常に適正な3層又は5層の積層構造にしてい
る。この3層又は5層の積層構造をもつZn−Mg合金
めっき鋼板は、本来のZn〜Mg合金めっきの特性を十
分に発揮し、耐食性,塗装密着性,加工性,溶接性等の
諸特性が総合的に優れた材料として広範な分野で使用さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3層構造をもつZn−Mg合金めっき層
【図2】 5層構造をもつZn−Mg合金めっき層
【図3】 本発明に従ってZn−Mg合金めっき鋼板を
製造するライン
【図4】 Mgが固溶したZn層及びZn−Mgの金属
間化合物が混粒状で1層となった製造番号13のZn−
Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
【図5】 Mgが固溶したZn層及びZn−Mgの金属
間化合物が混粒状で1層となった製造番号14,15の
Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
【図6】 Mgが固溶したZn層及びZn−Mgの金属
間化合物が混粒状で1層となった製造番号16〜19の
Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
【符号の説明】
10:めっき原板 11:ペイオフリール 15:
めっき鋼帯 16:巻取りリール 20:無酸化炉 25:還元焼鈍炉 26:鋼板温
度制御装置 30:真空室 31:入側真空シール部 32:出
側真空シール部 33:第1Zn蒸着室 34:Mg蒸着室 35:
第2Zn蒸着室 40:一次冷却装置 45:二次冷却装置 51〜
55:温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 実 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続して走行する鋼板を真空室に導入
    し、Zn,Mg,Znの順に蒸着めっきした後、蒸着め
    っき完了直後の鋼板温度が370℃以下、蒸着めっき完
    了から10秒後の鋼板温度が340℃以下、20秒後の
    鋼板温度が320℃以下、40秒後の鋼板温度が300
    ℃以下になる冷却条件下で、めっき後の鋼板を冷却する
    ことを特徴とするZn−Mg合金めっき鋼板の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009054716A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Hitachi Metals Ltd Mgを含むAl被膜を表面に有する希土類系永久磁石およびその製造方法
EP2085492A1 (en) 2007-12-28 2009-08-05 Posco Zinc alloy coated steel sheet having good sealer adhesion and corrosion resistance and process of manufacturing the same
JP2022514409A (ja) * 2018-12-19 2022-02-10 ポスコ メッキ密着性及び耐食性に優れたメッキ鋼材及びその製造方法
WO2023110178A1 (de) * 2021-12-14 2023-06-22 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Verfahren zur herstellung eines stahlflachprodukts mit einem kathodischen korrosionsschutz, anlage zur herstellung eines mit einem kathodischen korrosionsschutz versehenen stahlflachprodukts und verwendung

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