JPH0860342A - 密着性に優れた蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板及び製造方法 - Google Patents

密着性に優れた蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板及び製造方法

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JPH0860342A
JPH0860342A JP21426094A JP21426094A JPH0860342A JP H0860342 A JPH0860342 A JP H0860342A JP 21426094 A JP21426094 A JP 21426094A JP 21426094 A JP21426094 A JP 21426094A JP H0860342 A JPH0860342 A JP H0860342A
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Yasushi Fukui
康 福居
Kazuyuki Sakamoto
和志 坂本
Masanori Matsuno
雅典 松野
Minoru Saito
実 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Zn−Mg合金めっき層の密着性を改善し、
高耐食性のZn−Mg合金めっき鋼板を得る。 【構成】 Zn−Mg合金めっき層と下地鋼との界面
に、Zn−Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金層を形
成する。Zn−Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金層
は、下地鋼の表面に先ずZn蒸着した後、Mg蒸着、次
いでZn蒸着することにより形成される。Zn−Mg合
金めっき層は、蒸着後の加熱処理でZnとMgとを相互
拡散させることにより生成する。 【効果】 Zn−Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金
層によりZn−Mg合金めっき層の密着性が高められ、
加工性,耐パウダリング性に優れた高耐食性めっき鋼板
が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材,家庭電気製品,
自動車等の広範な分野において使用される密着性に優れ
た蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の耐食性を向上させるため、従来か
ら種々の表面処理が採用されている。代表的な方法に、
溶融めっき,電気めっき等がある。また、一部では、蒸
着めっきによってZnめっき鋼板を製造している。使用
環境の苛酷化や酸性雨等の環境悪化に応じ、耐食性の向
上に対する要求が年々高まる傾向にある。この要求に応
えるべく、溶融めっき,電気めっき等のそれぞれにおい
て検討・改良が試みられている。
【0003】溶融めっき法でZnめっき鋼板の耐食性を
向上させようとすると、大きな目付け量のZnめっき層
を形成することが先ず考えられる。しかし、付着量は製
造面から上限が制約され、付着量の増加によって耐食性
の向上を図ることには限界がある。しかも、付着量の増
加、すなわちめっき層の厚膜化は、めっき鋼板をプレス
成形する際にカジリ,フレーキング等の欠陥を発生させ
る原因となり、加工性を低下させる。電気めっき法で厚
膜のめっき層を形成しようとすると、ラインスピードを
遅くする必要が生じ、生産性が損なわれる。この点、電
気めっきでは、Zn−Ni系等のZn合金めっきを施す
ことにより耐食性を向上させている。しかし、Zn−N
i合金めっき層は、硬質で脆いことから、成形時にめっ
き層に割れ,欠け等の欠陥を発生し易い。めっき層に欠
陥があると、下地鋼が欠陥部を介して雰囲気に露出する
ため、めっき層本来の性能が発揮されず、欠陥部を起点
とする腐食が進行する。
【0004】そこで、溶融めっき法や電気めっき法に代
わるものとして、高耐食性のZn系合金めっき鋼板を蒸
着法で製造することが注目されている。なかでも、Zn
−Mg合金めっきは、優れた防食作用を呈する。蒸着め
っきに関し、たとえば特開昭64−17853号公報
は、0.5〜40重量%のMgを含有するZn−Mg合
金めっき層を形成することを紹介している。形成された
Zn−Mg合金めっき層を主としてMg相を含んでいな
いZn−Mg系金属間化合物で構成するとき、塗装後の
耐塗膜剥離性が向上するとされている。特開平2−14
1588号公報では、めっき層の密着性及び加工性が改
善するため、Zn−Mg合金めっき層と下地鋼との間に
Zn,Ni,Cu,Mg,Al,Fe,Co,Ti等の
中間層を介在させている。また、特開昭64−2599
0号公報では、Zn−Mg合金めっき層の上にZn−T
i合金めっき層を設けることによって、塗装後の耐食性
を向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】連続化された蒸着めっ
きラインにおいて、めっき原板である鋼板は、ガス還元
炉等で鋼板表面から酸化膜が除去された後、蒸着室に搬
入される。このとき、蒸着室に入るまで、或いは真空シ
ール装置を通過するとき、鋼板表面は、O2 ,H2 O等
が残留している雰囲気に曝され、酸化する。真空中でイ
オンビームやプラズマによるエッチングで酸化膜を除去
した場合でも、真空中を鋼板が蒸着室まで搬送されると
きに真空に残留しているO2 ,H2 O等によって鋼板表
面が酸化される。この傾向は、特にCr等の易酸化性元
素を含むステンレス鋼,低合金鋼等において顕著に現れ
る。
【0006】生成した酸化膜が極めて薄い場合、めっき
層の密着性に与える影響を無視できる。しかし、酸化膜
が厚くなるに従って、めっき層の密着性が低下する。ま
た、鋼板表面にMgを蒸着した後でZnを蒸着し、次い
で鋼板温度を高めてZnとMgとの相互拡散によりZn
−Mg合金めっき層を形成するとき、鋼板表面の酸化膜
が比較的薄い場合であっても密着性の低下が生じる。た
とえば、鋼板表面の酸化膜をイオンビームで完全に除去
した後、1×10-3トールの空気が存在する雰囲気で温
度100〜200℃に10秒間鋼板を曝すことにより薄
い酸化膜を生じさたとき、Al,Zn,Ti,Cu等を
蒸着する場合に良好な密着性が維持されるものの、Mg
蒸着→Zn蒸着→拡散処理のプロセスでZn−Mg合金
めっき層を形成する場合には密着性の低下が問題とな
る。このとき得られためっき鋼板を180度密着曲げテ
ープ剥離試験に供すると、めっき層が剥離する。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、Zn−Mg合金めっき層と下地鋼との界面にZn−
Fe系又はZn−Fe−Mg系の中間層を介在させるこ
とにより、蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板の密着性及び
加工性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸着Zn−Mg
合金めっき鋼板は、その目的を達成するため、Fe濃度
6重量%以上のZn−Fe合金層又はZn−Fe−Mg
合金層を中間層として下地鋼の表面にZn−Mg合金め
っき層が形成されていることを特徴とする。この蒸着Z
n−Mg合金めっき鋼板は、連続走行する鋼板に先ず付
着量0.03g/m2 以上でZnを蒸着し、次いでMg
蒸着及びZn蒸着を順次行うことにより製造される。最
初に形成される蒸着Zn層は、Zn−Fe層又はZn−
Fe−Mg層となって密着性を向上させる上から、0.
03g/m2 以上の付着量が必要である。このZnの付
着量は、特に上限が規定されるものではなく、Zn−F
e層又はZn−Fe−Mg層の生成に消費されなかった
分は、その上に蒸着されるMg及びZnと共にZn−M
g合金層を形成する。
【0008】蒸着工程を経た鋼板は、次いで270〜3
70℃の加熱処理を施すことにより、或いは蒸着装置か
ら独立した加熱炉で150〜250℃に1時間以上加熱
することにより合金化される。加熱に代え蒸着後の鋼板
温度が270〜370℃の範囲になるように温度管理す
ることによっても、鋼板の顕熱でZnとMgとの合金化
反応が進行する。本発明に従って形成されるめっき層
は、図1に示す構造をもっている。Zn−Fe合金層又
はZn−Fe−Mg合金層は、好ましくは0.01〜
0.5μmの厚みになっている。Zn−Fe−Mg合金
層がこの厚み範囲にあるとき、[下地鋼]〜[Zn−F
e合金層]〜[Zn−Mg合金層]又は[下地鋼]〜
[Zn−Fe−Mg合金層]〜[Zn−Mg合金層]間
に層間剥離が生じず、良好な密着性が得られる。Zn−
Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金層の厚みが0.0
1μmに満たないと、Zn−Fe合金層又はZn−Fe
−Mg合金層による密着性向上効果が期待できない。逆
に0.5μmを超える厚いZn−Fe合金層又はZn−
Fe−Mg合金層では、プレス成形時にパウダリングや
フレーキング等の欠陥が発生し易くなる。
【0009】合金化時の加熱温度が下回ると、Zn−F
e合金層又はZn−Fe−Mg合金層が形成されず、密
着性向上効果が得られない。逆に加熱温度が上回ると、
Zn−Fe合金層又はZn−Fe−Mg合金層が0.5
μmを超えて厚くなる。本発明に従っためっき鋼板は、
たとえば図2に示すめっき設備で製造される。めっき原
板10は、ペイオフリール11から巻き戻され、前処理
ゾーン20を経て真空室30に導かれる。前処理ゾーン
20は、無酸化炉21,還元焼鈍炉22及び窒素置換室
23を備え、連結ダクト24で真空室30に接続されて
いる。還元焼鈍炉22では、たとえば50H2 −N2
成の還元性雰囲気中でめっき原板10を加熱することに
より、表面の酸化膜を除去すると共にめっき原板10を
焼鈍する。
【0010】真空室30は、入側真空ロール31及び出
側真空ロール32によって内部が気密状態に維持され、
真空ポンプ(図示せず)により1×10-1トール程度ま
で減圧される。真空室30の内部には、めっき原板10
の搬送経路に沿って第1Zn蒸着室40,Mg蒸着室5
0,第2Zn蒸着室60及び第3Zn蒸着室70が配列
されている。更に、第2Zn蒸着室60と第3Zn蒸着
室70との間に、補助的な蒸着室65を設けても良い。
Mg蒸着室50は、入側真空ロール33及び出側真空ロ
ール34で気密になっており、別個の真空ポンプ(図示
せず)により更に高真空度に維持される。Mgの蒸着に
は、電気抵抗加熱蒸発,高周波加熱蒸発,電子ビーム加
熱蒸発,アーク蒸発等を採用できる。図示の設備では、
Mg蒸発源41及びMg蒸気案内フード42を、めっき
原板10の両側に対向配置している。
【0011】Zn蒸着室40,60,70は、Zn蒸気
発生器41,61,71及び蒸気案内フード42,6
2,72をめっき原板10又はMg蒸着されためっき原
板12に対向させている。第1Zn蒸着室40では、蒸
気案内フード42をめっき原板10の両側に対向させ、
めっき原板10の両面が同時にZn蒸着できるようにな
っている。第2蒸着室60及び第3Zn蒸着室70で
は、巻付けロール63,73に巻き付けられた状態のめ
っき原板12の片面づつにZnが蒸着される。Zn蒸着
後のめっき鋼帯13は、出側真空ロール32を経て加熱
炉80に導かれる。加熱炉80では、高周波加熱等の手
段によってめっき鋼帯13が必要に応じて加熱され、合
金めっき鋼帯14となる。合金めっき鋼帯14に対し、
後処理ゾーン90で必要な後処理が施される。そして、
最終的にめっき鋼帯15として巻取りリール16に巻き
取られる。加熱炉80で加熱処理を施さない場合、蒸着
ラインから独立した別個の加熱炉でめっき鋼帯13をバ
ッチ加熱することも可能である。
【0012】
【作用】本発明においては、めっき原板10の表面に先
ずZn蒸着が施される。Znは、鋼板表面に薄い酸化膜
が存在していても、酸化膜を拡散し、強固な結合力をも
ったZn−Fe等の合金層を下地鋼との間に生成する。
この合金層は、その上に形成されるZn−Mg合金層の
下地鋼に対する密着性を向上させる。下地鋼とZn−M
g合金めっき層との界面に形成される合金層は、加熱温
度が低い場合や加熱時間が短い場合にはZn−Fe合金
層となる。また、高い加熱温度や長い加熱時間により、
少量のMgが界面に拡散し、Zn−Fe−Mg合金層と
なる。何れの合金層であっても、下地鋼に対するZn−
Mg合金めっき層の密着性を大幅に向上させ、めっき鋼
板の加工性を改善する。
【0013】
【実施例】
実施例1:めっき原板として、表1に示す組成をもち、
板厚0.7mm及び板幅700mmの未焼鈍冷延鋼板を
使用し、図2に示すめっき設備に通板して蒸着めっき鋼
板を製造した。
【0014】
【表1】
【0015】Mgの蒸着量を片面当り3g/m2 ,第2
Zn蒸着室60及び第3Zn蒸着室70で蒸着するZn
の付着量を片面当り30g/m2 に設定した。そして、
鋼板表面に薄い酸化膜が生成するように、連結ダクト2
4内をO2 濃度30ppm及び露点−30℃のN2 雰囲
気に維持し、連結ダクト24内を通過するめっき原板1
0の通過時間を110秒に設定した。更に、蒸着めっき
後、N2 雰囲気に維持された高周波加熱炉80でめっき
鋼帯13を330℃に3秒加熱した。この条件下で第1
Zn蒸着室40で蒸着するZnの付着量を変化させ、密
着性に与える影響を調査した。なお、第1Zn蒸着室4
0にめっき原板が入るときの鋼板温度を120℃とし
た。密着性は、180度密着折曲げテープ剥離試験を行
い、剥離の有無によって判定し、剥離なしを○,剥離し
たものを×として評価した。
【0016】
【表2】
【0017】調査結果を示す表2にみられるように、第
1Zn蒸着室40でのZn付着量が0.03g/m2
上になると良好な密着性が得られることが判った。この
ときのめっき層の断面を観察すると、下地鋼とZn−M
g合金めっき層との界面に、厚み0.1〜0.3μmの
Zn−Fe合金層が生成していた。これに対し、Zn付
着量が0.03g/m2 より少ないと、密着性が低下
し、形成されたZn−Mg合金めっき層が下地鋼から剥
離した。このときのめっき層の断面を観察すると、めっ
き層が下地鋼から浮き上がっている部分が多く存在して
いた。
【0018】実施例2:第1蒸着室40でZnを2g/
2 蒸着し、蒸着後の加熱温度が密着性及び耐パウダリ
ング性に与える影響を調査した。このとき、連結ダクト
24内をO2 濃度200ppm及び露点−20℃のN2
雰囲気に維持し、実施例1と同じめっき原板10を11
0秒で通過させた。蒸着後に施す加熱処理には、高周波
加熱炉80で3秒間加熱するインライン加熱及び蒸着設
備から独立したバッチ式の加熱装置で5時間加熱する方
式を採用した。加熱雰囲気には、何れもN2 を使用し
た。また、第1蒸着室40にめっき原板10が入るとき
の鋼板温度を170℃に設定し、Mg蒸着量を片面当り
1.4g/m2 に、第2Zn蒸着室60及び第3Zn蒸
着室70で蒸着されるZnの蒸着量を片面当り20g/
2 に設定した。
【0019】得られためっき鋼板を実施例1と同じ18
0度密着折曲げテープ剥離試験に供し、めっき層の密着
性を調査した。また、各めっき鋼板から切り出された試
験片を6t曲げし、次いで曲げ戻した後、粘着テープ剥
離試験によって耐パウダリング性を調査した。そして、
粘着テープにめっき層が全く転写されなかったものを
「パウダリングなし」、少しでもめっき層の転写が検出
されたものを「パウダリングあり」として評価した。
【0020】
【表3】
【0021】密着性及び耐パウダリング性に加熱温度が
与える影響は、表3に示した調査結果から明らかなよう
にインライン連続加熱とオフラインバッチ加熱とでは異
なっていた。インライン連続加熱によるとき、加熱温度
が270〜370℃では0.03〜0.5μmの薄いZ
n−Fe合金層が生成し、密着性及び耐パウダリング性
に優れたZn−Mg合金めっき層が形成された。しか
し、270℃より低い加熱温度では、Zn−Fe合金層
が生成せず、密着性試験でめっき層の剥離が検出され
た。また、加熱温度が370℃を超えるものでは、Zn
−Fe合金層が厚く成長し、パウダリングが発生した。
【0022】オフラインバッチ加熱によるとき、加熱温
度が150〜250℃では0.04〜0.5μmの薄い
Zn−Fe−Mg合金層が生成し、密着性及び耐パウダ
リング性に優れたZn−Mg合金めっき層が形成され
た。しかし、150℃より低い加熱温度では、Zn−F
e合金層が生成せず、密着性試験でめっき層の剥離が検
出された。また、加熱温度が250℃を超えるもので
は、Zn−Fe合金層が厚く成長し、パウダリングが発
生した。
【0023】実施例3:第3蒸着室70でZn蒸着した
後でめっき鋼帯13の鋼板温度が270〜370℃とな
るように、第1蒸着室40にめっき原板10が入るとき
の鋼板温度及び巻付けロール63,73の温度を制御す
ることにより、鋼板温度を調節した。そして、特に加熱
処理を施すことなくめっき鋼帯13の顕熱でZnとMg
とを相互拡散させる条件下でZn−Mg合金めっき鋼板
を製造した。なお、第1蒸着室40でのZn付着量を1
g/m2 に、Mg蒸着量を0.6g/m2 に、第2蒸着
室60及び第3蒸着室70でのZn付着量を10g/m
2 に設定した。
【0024】この条件下で製造されためっき鋼板につ
き、第3蒸着室70で蒸着が終了した時点の鋼板温度と
めっき層の密着性及び耐パウダリング性との関係を調査
した。調査結果を示す表4に見られるように、第3蒸着
室70で蒸着が終了した時点の鋼板温度が270〜37
0℃の範囲にあるとき、密着性及び耐パウダリング性に
優れたZn−Mg合金めっき層が形成されていた。これ
に対し、270℃より低い鋼板温度では、Zn−Fe合
金層が生成せず、密着性試験ではめっき層の剥離が検出
された。また、370℃より高い鋼板温度では、Zn−
Fe系の合金層が厚く成長し、パウダリングが発生し
た。
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のZn−
Mg合金めっき鋼板は、Zn−Fe合金層又はZn−F
e−Mg合金層を中間層としてZn−Mg合金めっき層
を形成している。界面に存在するZn−Fe合金層又は
Zn−Fe−Mg合金層は、下地鋼に対するめっき層の
密着性を改善し、加工性及び耐パウダリング性に優れた
Zn−Mg合金めっき層を生成する。そのため、Zn−
Mg合金めっき層が本来有する特性が十分に活用され、
高耐食性のめっき鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従ったZn−Mg合金めっき層の層
構成
【図2】 本発明に従ったZn−Mg合金めっき鋼板を
製造する設備
【符号の説明】
10:めっき原板 12:Mg蒸着されためっき原板
13:Zn蒸着されためっき鋼帯 14:加熱処
理された合金めっき鋼帯 20:前処理ゾーン 30:真空室 40:第1Z
n蒸着室 50:Mg蒸着室 60:第2Zn蒸着
室 70:第3Zn蒸着室 80:加熱炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 実 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地鋼とZn−Mg合金めっき層との界
    面にFe濃度6重量%以上のZn−Fe合金層又はZn
    −Fe−Mg合金層が形成されている密着性に優れた蒸
    着Zn−Mg合金めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 連続走行する鋼板上に付着量0.03g
    /m2 以上でZnを蒸着し、Mg蒸着及びZn蒸着を独
    立して順次行い、次いで270〜370℃の加熱処理を
    施す蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続走行する鋼板上に付着量0.03g
    /m2 以上でZnを蒸着し、Mg蒸着及びZn蒸着を独
    立して順次行い、蒸着装置から独立した加熱炉で150
    〜250℃に1時間以上加熱する加熱処理を施す蒸着Z
    n−Mg合金めっき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 連続走行する鋼板上に付着量0.03g
    /m2 以上でZnを蒸着し、Mg蒸着及びZn蒸着を独
    立して順次行い、蒸着終了後の鋼板温度が270〜37
    0℃となるように温度管理し、鋼板の顕熱によって拡散
    反応させる蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板の製造方法。
JP21426094A 1994-08-16 1994-08-16 密着性に優れた蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板及び製造方法 Withdrawn JPH0860342A (ja)

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