JPH0977810A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JPH0977810A
JPH0977810A JP23248995A JP23248995A JPH0977810A JP H0977810 A JPH0977810 A JP H0977810A JP 23248995 A JP23248995 A JP 23248995A JP 23248995 A JP23248995 A JP 23248995A JP H0977810 A JPH0977810 A JP H0977810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性樹脂の製造方法の提供 【解決手段】 水溶性エチレン性不飽和モノマー水溶液
を油中水滴型で逆相懸濁重合することにより得られた含
水ポリマーゲル粒子を含む反応混合物に、無機粉末存在
下水溶性エチレン性不飽和モノマーを追添加し、含水ポ
リマーゲル粒子に吸収させた後、追重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂の製造
方法に関する。更に詳しくは、本発明は、水溶性エチレ
ン性不飽和モノマーを逆相懸濁重合させて得られた含水
ポリマーゲルに、無機粉末存在下、前記モノマーを追添
加して重合させることにより粒径の大きなビーズ状吸水
性樹脂を製造する方法に関する。本発明の方法によれ
ば、平均粒径200−3000μの製品造粒物が任意に
得られ、且つ得られた造粒物は微粒が少なく、また粒径
分布が狭く、一次粒子の結着力が大きいので、紙おむつ
や生理ナプキン等の衛生材料のみならず、土壌保水剤と
して農業用分野、更には止水材、滑材、結露防止材等と
して土木や建築用資材として優位に使用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、吸水性樹脂は、紙おむつや生理用
品等の衛生材料のみならず、止水材、結露防止材、鮮度
保持材、溶剤脱水材等の産業用途、緑化、農園芸用途等
にも利用されるようになって来ており、これまで種々の
ものが提案されている。この種の吸水性樹脂としては、
澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解
物、カルボキシメチルセルロース架橋体、架橋ポリアク
リル酸(塩)、アクリル酸(塩)−ビニルアルコール共
重合体、架橋ポリエチレンオキシド等が知られている。
【0003】しかしながら、これらの吸水性樹脂はいず
れも粒径において満足できるものとは言い難かった。特
に逆相懸濁重合により得られるポリマーには種々の問題
があった。例えば、アクリル酸アルカリ金属塩の油中水
滴型(以下W/O型と称す)逆相懸濁重合において、分
散剤として特公昭54−30710号公報記載のHLB
3〜6のソルビタン脂肪酸エステル、特開昭57−16
7302号公報記載のHLB6〜9のノニオン系界面活
性剤或いは特公昭60−25045号公報記載のHLB
8〜12の界面活性剤を使用した場合、いずれも粒径が
約10−100μmと細かい吸水性樹脂しか得られなか
った。一方、特公昭63−36321号公報、特公昭6
3−36322号公報記載の分散剤に親油性カルボキシ
ル基含有重合体を使用した場合には、粒径が数百μm程
度のポリマーが得られるものの、分散剤とアクリル酸系
モノマーとの親和性が高いため、重合反応時に塊状化し
易いという問題点があった。
【0004】吸水性樹脂の粒径を大きくする方法とし
て、特公平1−17482号公報、特開昭57−158
210号公報には分散剤として油溶性セルロースエステ
ル又はセルロースエーテルを使用する方法が示されてい
るが、そのような方法では、乾燥時に残存した分散剤が
溶融して、ポリマーが凝集したり、器壁に付着し易いと
いう問題があった。また、特開昭62−172006号
公報記載の分散剤にHLB2〜16のポリグリセリン脂
肪酸エステルを使用した場合は、大粒径のポリマーが得
られるとしてもそれを安定に得るための製造条件の許容
範囲が非常に狭いため、この条件から外れると塊状重合
を起こし易く、工業的な安定生産を考慮した場合は有利
なものとは言い難かった。
【0005】他方、上記に代る方法として、吸水性樹脂
の一次粒子を水やポリビニルアルコール等のバインダー
を用いて造粒化する方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法の中でバインダーとして水を使用したもの
は、粒子同士の結着性が極めて弱く、一般的な搬送や取
り扱い時に結着粒子が容易に壊れてしまうという問題点
がある。また、ポリビニルアルコールを使用するもの
は、結着性は改良されるものの多量のポリビニルアルコ
ールを必要とし、且つ特殊な装置を必要とするためにコ
スト高となって、必ずしも優位性ある手法ではなかっ
た。
【0006】また、特開昭62−230813号公報に
は第一モノマーから形成された吸水性樹脂種子粒子の非
水性液体中における分散体を形成させ、該粒子に水溶性
エチレン性不飽和第二モノマーを吸収させ、次いで第二
モノマーを重合させることからなるシード重合法が示さ
れている。そして、この方法によれば、種子粒子より大
きなものや、種子粒子が凝集した大粒子径を有する吸水
性樹脂が得られると記載されている。しかしながら、こ
の方法では、第二モノマーを重合させるときに、第一モ
ノマーと同じ分散剤(W/O型分散剤)或いは安定剤を
使用するために、これらが溶媒中で溶解しており、かか
る状態下で第二モノマー水溶液を系内に添加した時、第
二モノマー水溶液が第一段目の重合で得られた含水ゲル
粒子に吸液される前に懸濁状態となって種子粒子への第
二モノマーの吸液が極めて遅く、結着強度の優れた凝集
体が得られ難いという問題点を有している。
【0007】一方、特開平3−227301号公報には
同様なシード重合法において、第一段目の逆相懸濁重合
終了後のスラリー液を冷却し、界面活性剤及び/又は高
分子保護コロイドが溶媒中で析出状態となるようにして
第二段目のモノマー水溶液を添加して吸液後第二段目以
降の重合を行う吸水性樹脂の製造方法が提案されてい
る。この方法では第一段目の重合液を冷却することによ
り界面活性剤及び/又は高分子保護コロイドを析出する
ために界面活性機能即ち、第二段目のモノマー水溶液が
懸濁液、即ち、W/O型エマルションを形成せず、吸液
が十分に行われ、これを重合した場合、微粉の少ない、
しかも粒径分布のシャープな吸水性樹脂が得られると述
べられている。
【0008】しかしながら、この方法は冷却により界面
活性剤を析出させ界面活性機能を停止させることを狙い
とするものであるが、実際、界面活性剤及び/又は高分
子保護コロイドは数種から数十種の多成分から構成され
ており、構成成分の析出温度もかなり異なってくる。従
って、このような多成分から成る物質を完全に析出する
ためには場合によっては零度以下のような極めて厳しい
条件を選択する必要があり、現実的には不可能に近いも
のである。従って、実際は重要成分を析出するところに
留まるのが現実であり、これにより、尚も懸濁液中に溶
解したW/O型界面活性剤及び/又は高分子保護コロイ
ドが存在し、第二段目のモノマー水溶液の吸液を著しく
阻害する。その結果、その方法により得られる吸水性樹
脂はかなりの微粉を含み、しかも一次粒子が凝集した造
粒物ができたとしてもその結着強度は幅広く、満足すべ
きものではない。
【0009】また、吸液速度も冷却により著しく阻害さ
れ、十分な吸収を行わせしめるためには数十分〜数時間
を要する。従って、例えば重合性の極めて激しいアクリ
ル酸系モノマーを取り扱う場合、吸液中の異常重合に対
する危険性は極めて高いのみならず、プロセス的にも工
程時間が長く必要であり、その操作は極めて煩雑であ
り、生産性に劣るものである。
【0010】また、特開平6−184211号公報には
特定のラジカル重合反応性界面活性剤を用い、第一段目
の重合を行い、シードポリマー中に第一段目に使用した
ラジカル重合反応性界面活性剤を取り込み、第二段目以
後の吸液並びに重合には媒質から界面活性剤を消失させ
る方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この方法では媒質内の
過剰な界面活性剤を冷却操作等を行わず比較的高温度に
て第二回目のモノマーを吸収しうる利点が強調されてい
る。この方法は理論的には極めて興味ある手法と言える
が、特定のラジカル重合反応性界面活性剤を用いると言
えども実体はかなりの未重合物が残ること、また、該明
細書に記載されていることであるが、懸濁液に取り込ま
れた反応物を物理的に安定化させるための従属物として
乳化剤を伴う保護コロイド、例えば改質セルロース、無
水マレイン酸で酸化若しくは改質したポリエチレン又は
そのコポリマーの使用可能性が述べられているように、
界面活性剤としての乳化安定性が悪く、単独ではシード
粒子が安定的に得られない。従って、結果的にこれが媒
質中に残り第二段目以降の重合反応系においてもW/O
型の乳化系を形成してしまい、微粒が多く、満足な造粒
体が得られないという問題点を有する。
【0012】本発明の目的は、前記した逆相懸濁重合法
により得られるビーズ状の吸水性樹脂の製造方法であっ
て、界面活性剤及び/又は高分子保護コロイドを析出さ
せることなく安易で造粒効率が良く、微粒が少なく且つ
結着性が大きな造粒物を製造する方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、逆相懸濁重合に
より得られる含水ポリマーゲル粒子を含む反応混合物
に、無機粉末存在下モノマー水溶液を添加吸液させ、追
重合することにより、モノマー水溶液の吸液が極めて早
く効率的にシード粒子に吸液され、且つ平均200−3
000μの製品造粒品が任意に得られ、得られた造粒物
は微粒が少なく粒径分布が狭く且つ造粒粒子の結着強度
が大きなものが得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0014】即ち、本発明は、水溶性エチレン性不飽和
モノマーを逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造するに
際し、乳化剤の存在下疎水性有機溶媒中、所望により架
橋剤を含む水溶性エチレン性不飽和モノマー水溶液を、
水溶性ラジカル重合開始剤を用いて第一段目の油中水滴
型の逆相懸濁重合反応に付し、次いで、得られた含水ポ
リマーゲル粒子を含む反応混合物に、無機粉末存在下、
所望により架橋剤を含む水溶性エチレン性不飽和モノマ
ー水溶液を追添加し、該モノマー水溶液を前記ポリマー
ゲル粒子に吸収させた後、追重合させる操作を少なくと
も1回以上繰返すことを特徴とする吸水性樹脂の製造方
法である。
【0015】本発明では水溶性エチレン性不飽和モノマ
ー水溶液を第一段目で得られた含水ポリマーゲル粒子を
含む反応混合物に前記の特定の無機粉末を存在させるこ
とにより、第一に、モノマー水溶液の吸液が極めて早
く、効率的に行える。従って、重合性の激しい、例えば
アクリル酸系モノマーでも比較的高温度にて第一段目の
スラリー系に添加吸液できる。
【0016】第二に、第二段目以降の重合でいかに攪拌
を上げても、単粒子状の微粉ポリマーが生成しにくい。
一方、前記特開平3−227301号公報の如く、界面
活性剤を析出する方法では界面活性剤が多成分系である
ためどうしても析出しない成分が残り、これが乳化系を
形成して微粒が発生する。第三に、吸液が任意の温度で
可能であり、例えば、前記特開平3−227301号公
報の如く、界面活性剤析出の為の冷却操作等が全く不要
である。第四に、無機粉末の種類を適宜選択することに
より、平均粒子系、結着強度等を任意に変えることがで
きる。
【0017】第五に、第一段目のモノマー水溶液に対す
る第二段目以降のモノマー水溶液吸液量比率が極めて広
い範囲で採れることである。即ち、極めて少量の吸液モ
ノマー水溶液にて目標とする造粒が可能である。前記の
シード重合法の従来技術である特開平3−227301
号公報では、第二段目以降のモノマー水溶液は下限量が
第一段目の50%であり、該公報にもこれ以下では所望
の種々の効果が発現できないと記載されているように造
粒化効率が極めて悪い、等々の多種多用な特徴を有して
いる。以下、本発明の方法について詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(水溶性エチレン性不飽和モノマー)本発明に使用され
る水溶性エチレン性不飽和モノマーは基本的には水に溶
けるものであればいずれのものも使用できる。その一例
を挙げれば、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩、2−(メタ)−アクリルア
ミド−2−メチルスルホン酸及び/又はそのアルカリ金
属塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、Nメチロール(メタ)アクリルアミド、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和モノ
マーやそれらの4級化物等を挙げることができ、これら
の1種又は2種以上を用いることができる。なお、ここ
で「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及
び「メタクリル」の何れをも意味するものとする。
【0019】これらの中で好ましくは、(メタ)アクリ
ル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
(メタ)アクリルアミドが挙げられる。アルカリ金属塩
としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビ
ジウム塩等が挙げられるが、得られるポリマーの性能、
工業的入手の容易さ、安全性等の面から、ナトリウム
塩、又はカリウム塩が好ましい。
【0020】これら水溶性エチレン性不飽和モノマーの
水溶液中におけるモノマー濃度は一般的には20重量%
以上、好ましくは25重量%〜飽和濃度である。また、
(メタ)アクリル酸、2−メチル−アクリルアミド−2
−スルホン酸等はその一部又は全量アルカリ金属化合物
やアンモニウム化合物により中和された形で使用される
が、この時の中和の割合(中和度と称す)は20〜10
0モル%、好ましくは30〜100モル%である。
【0021】本発明では上記のような水溶性エチレン性
不飽和モノマー種としては、第二段目以降に用いるモノ
マー成分が第一段目に用いるモノマー成分と同種或いは
異種のモノマー成分を用いてもよい。更に、第二段目以
降に用いるモノマー成分が第一段目に用いるモノマー成
分と同種である場合、水溶液中のモノマー濃度や中和度
等が変わっても良く、任意な種類のみならず、種々な条
件が採用できる。
【0022】(乳化剤)本発明に使用される乳化剤は第
一段目の逆相懸濁重合系に使用されるもので、これらは
疎水性溶媒に可溶又は親和性をもちW/O型乳化系を作
るものであればいずれのものも使用できる。本乳化剤の
具体例としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、エチルセルロース、エ
チルヒドロキシエチルセルロース、酸化ポリエチレン、
無水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタ
ジエン、無水マレイン化エチレン・プロピレン・ジエン
・ターポリマー、α−オレフインと無水マレイン酸の共
重合体またはその誘導体、脂肪酸塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸塩等が挙げられる。これらの乳化剤の使用量は疎水
性溶媒に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.
1〜1重量%である。
【0023】(疎水性溶媒)本発明に使用される疎水性
溶媒は基本的に水に溶け難く、重合に不活性であればい
かなるものも使用できる。その一例を挙げれば、n−ペ
ンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等
の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。工業的入手の安
定性、品質等から見てn−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサンが好ましい溶媒として挙げることができ
る。これら疎水性溶媒の使用量は第一段目に使用される
水溶性エチレン性不飽和モノマー水溶液に対して、0.
5〜10重量倍、好ましくは0.6〜5重量倍が採用さ
れる。
【0024】(架橋剤)本発明では第一段目及び第二段
目以降に必要に応じて架橋剤を使用することができる。
必要に応じてとは、本発明においては例えばモノマー条
件(モノマーの種類、モノマーの水溶液中の濃度、中和
度等)によって架橋剤が存在しなくてもいわゆるモノマ
ー自身による自己架橋が生起し、これにより吸水性樹脂
が形成し得るためである。しかしながら、要求される性
能、例えば吸水能、吸水速度等の如何によっては架橋剤
が必要な場合もある。本発明で使用される架橋剤として
は、重合性不飽和基及び/又は反応性官能基を2個以上
有する架橋剤が挙げられる。
【0025】重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
グリセリン等のポリオール類のジ又はトリ(メタ)アク
リル酸エステル類、前記ポリオール類とマレイン酸、フ
マール酸などの不飽和酸類とを反応させて得られる不飽
和ポリエステル類、N,N′−メチレンビスアクリルア
ミドなどのビスアクリルアミド類、ポリエポキシドと
(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ又はトリ
(メタ)アクリル酸エステル類、トリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソ
シアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを
反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエ
ステル類、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジ
アリルフタレート、その他テトラアリロキシエタン、ペ
ンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコール
ジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等の多価
アリル系が挙げられる。これらの中でも本発明では、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、N,N′−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド等が通常使用される。
【0026】反応性官能基を2個以上有する架橋剤とし
ては、例えばジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキ
シ化合物、イソシアネート化合物が挙げられる。これら
の中では特にジグリシジルエーテル化合物が好ましい。
ジグリシジルエーテル化合物の具体例としては、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポ
リグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。こ
の中でもエチレングリコールジグリシジルエーテルが好
ましい。この他ハロエポキシ化合物としてはエピクロル
ヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピクロル
ヒドリン等が、イソシアネート化合物としては、2,4
−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート等が挙げられ本発明で使用できる。上記のよう
な架橋剤の使用量は通常エチレン性不飽和モノマーに対
して0〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%
である。
【0027】(水溶性ラジカル重合開始剤)本発明に使
用される重合開始剤は水溶性ラジカル重合開始剤であ
る。その例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、
2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)2塩酸
塩、2,2′−アゾビス−(N,N′−ジメチレンイソ
ブチルアミジン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス{2メ
チル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−
ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾ系開始
剤である。これらの水溶性ラジカル開始剤は混合して使
用してもよい。また、過酸化水素、過硫酸塩は例えば亜
硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン類
等を組合わせてレドックス型の開始剤としても使用でき
る。これら重合開始剤の使用量はエチレン性不飽和モノ
マーに対して0.001〜5重量%、好ましくは0.0
1〜1重量%の範囲で用いるのが適当である。
【0028】(無機粉末)本発明では第一段目の逆相懸
濁重合後の含水ポリマーゲル粒子を含む反応混合物中に
第二段目のモノマー水溶液を添加し、第一段目で生成し
た含水ポリマーゲル粒子に吸液させるが、この時特定の
無機粉末を存在させる。本発明で使用できる無機粉末は
シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアル
ミナ、マグネシア、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、合
成ゼオライト等の金属酸化物であり、これらから選ばれ
る1種または2種以上の混合物でもよい。本発明ではこ
れらの中でも特にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニアから選ばれる1種又は2種以上の混合物が好まし
い。これら無機粉末は普通一次粒子が数nmから数十μ
mであるものが多く、また、通常これらが凝集状態とな
って存在しているが本発明ではいかなるものも使用でき
る。上記のような無機粉末の使用量はモノマー種その他
操作条件等により異なるが、一般的には追重合後の吸水
性樹脂(乾燥体)に対して0.05〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%である。
【0029】(反応方法)本発明では、先ず水溶性エチ
レン性不飽和モノマー水溶液をW/O型乳化剤の存在
下、疎水性溶媒中、該不飽和モノマーに対して0−5重
量%の架橋剤存在下、水溶性ラジカル開始剤を用いて第
一段目の逆相懸濁重合を行う。第一段目の重合後は用い
る乳化剤等重合条件によっても異なるが通常平均約10
〜300μの含水ゲルと過剰の乳化剤及び疎水性溶媒か
らなるスラリー状態となって存在する。この時の重合法
はモノマー水溶液を最初から一括に仕込んで行う一括重
合方式、或いはモノマー水溶液を疎水性溶媒中に滴下す
る滴下方式いずれの方式も使用できる。このスラリーを
第一段目の重合と同じ温度又は重合温度より低い温度に
保つ。次いでこのスラリー中に前記水溶性エチレン性不
飽和モノマー水溶液を添加し、含水ゲル中に吸液せしめ
るが、この時前記の特定の無機粉末を存在せしめる。
【0030】第二段目以降の水溶性エチレン性不飽和モ
ノマー水溶液は第一水溶性エチレン性不飽和モノマー水
溶液と同種或いは異種であってもよい。例えば、モノマ
ー種そのものが全く異なる場合、例えば第一段目にアク
リル酸ソーダの水溶液、第二段目にアクリルアミドの水
溶液を使用する等々である。更にモノマー種は同じでも
配合条件、例えばアクリル酸ソーダの水溶液で第一段目
と第二段目以降を異なる中和度或いは水溶液中のモノマ
ー濃度で行う場合等々が挙げられる。第二段目以降に用
いられるモノマー水溶液量は第一段目に使用されるモノ
マー水溶液に対して5〜300重量%、好ましくは10
〜150重量%である。また、第二段目モノマー水溶液
中には架橋剤や水溶性ラジカル重合開始剤は必ずしも必
須ではなく製品要求品質に応じ適宜決められる。特に水
溶性ラジカル開始剤は新たに第二段目以降のモノマー中
に入れなくとも第一段目のスラリー中に吸収され所定の
温度にすれば、容易に重合する。
【0031】無機粉末は第二モノマー水溶液を添加する
前にスラリー中に添加するか、または第二モノマー水溶
液を添加すると同時に又は第二モノマー水溶液中に添加
後投入する等々いずれの方法も実施できる。無機粉末の
添加は無機粉末をそのまま、又はスラリー水溶液とし
て、或いは第二モノマー中に混和せしめて行うことがで
きる。本発明では無機粉末の添加は第二モノマー水溶液
中に混和せしめ添加する方法が好ましい。この時の温度
は任意の温度で実施可能であるが、吸液後の温度が重合
開始温度以下とすることが望ましい。スラリー温度とし
てはスラリー中に残存した第一段目のW/O型乳化剤が
ほぼ疎水性溶媒中で溶解する温度が好ましい。一方、第
二モノマー水溶液の温度は該水溶液中におけるラジカル
重合開始剤の有無又は種類等々により変わるが、一般的
には室温付近、即ち15−40℃が好ましい。
【0032】第二モノマー水溶液の吸液は上記のように
無機粉末存在下極めて大きな速度で起こり、系全体は吸
液ゲルによる粘調なスラリー状態となるが、この時第二
モノマーの吸液はできるかぎり均一に行うことが重要で
ある。第二モノマーを吸液したゲルは一般的には、やや
粘着性でしかも凝集しやすい性質を有している。従って
吸液が不均一であったり、吸液むらがあると吸液ゲルが
部分的に凝集を起こし、局所で大きな塊となって付着し
たり滞留し、生成造粒品の平均粒径や粒度分布のみなら
ず、連続製造安定性に大きな影響を及ぼす。吸液均一性
に及ぼす影響因子は種々あり、用いる無機粉末の種類や
濃度は勿論であるが、温度や回転数、第二モノマーの供
給速度も重要である。回転数は高ければ高い程、また供
給速度が小さければ小さい程均一な吸液が行われる。均
一なモノマー吸液を行わせる好適な一例は回転数を最初
吸液可能な回転数限界以上にして少しずつ下げていく方
法が挙げられる。該方法は最初回転数を十分高くするこ
とにより、第二段目のモノマー水溶液を投入しても第一
段目の懸濁系がW/O型となるようにして、即ち、第二
モノマー水溶液を該状態では吸液しないようにし、系内
を完全な均一混合状態とし、しかる後回転数を少しずつ
下げることにより吸液を促進せしめ、第二モノマー水溶
液を均一に吸収させるものである。
【0033】上記のような操作により第二モノマー水溶
液を均一に吸液したゲルができるが、該ゲルは前述の如
く凝集し易い性質を有する。従って、吸液後の回転数は
製品造粒の平均粒子径を決める一つの重要な因子であ
る。この時の回転数は高ければ高い程、造粒の平均粒径
は小さいものとなる。均一に吸液したゲルのスラリーは
攪拌下昇温等により重合を開始させると含水した略球状
のゲル粒子が互いに付着した葡萄状ゲルが得られる。こ
の時の回転数は製品造粒粒子の平均粒子径を決める一つ
の重要な因子である。即ち、回転数を大きくすればする
ほど、平均粒子径は小さいものが得られる。第二モノマ
ー水溶液以降のモノマー水溶液を更に吸液する場合は、
基本的には第二モノマー水溶液を吸液する方法と同様な
手法及び操作にて行われる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明がこれら実施例等により限定
されるものではない。尚、これらの例に記載の吸水性樹
脂の吸水能、粒径分布/平均粒径、結着強度は以下の方
法により測定したものである。
【0035】(1)吸水能 吸水性樹脂約0.5gを精秤し、250メッシュのナイ
ロン袋(20cm×10cmの大きさ)に入れ、500
ccの人工尿に1時間浸漬する。その後ナイロン袋を引
き上げ、15分水切りした後、重量を測定し、ブランク
補正し、下記式に従い吸水能を算出した。
【0036】
【数1】
【0037】尚、人工尿の組成は以下の通りである。人工尿組成 尿素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純水 97.09%
【0038】(2)平均粒径/粒径分布 ASTM式標準篩を上から8メッシュ、12メッシュ、
20メッシュ、40メッシュ、60メッシュ、80メッ
シュ、100メッシュ、150メッシュ、200メッシ
ュ、325メッシュ、受け皿の順に組合わせ、最上の篩
に吸水性樹脂を約50g入れ、ロータップ型自動篩振盪
器にて1分間振盪させた。各篩に残った吸水性樹脂の重
量を秤量し、全体量を100%とする割合を質量基準で
算出する。
【0039】(3)結着強度 10cm×10cmのSUS製プレートの中央部8cm
×8cm内に20メッシュパス〜80メッシュオン留分
の吸水性樹脂0.5gを均一に散布し、この上に更に同
上のSUS製プレートを乗せ吸水性樹脂を挟み、130
Kgf/cm2の圧力を10分間掛ける。解圧後の吸水
性樹脂を回収し、前記ロータップ型自動篩振盪器にて1
分間振盪させる。80メッシュ篩を通過した量を測定
し、この割合を重量%として算出する(この値が小さい
程、造粒粒子の破砕が少ないこと即ち結着強度が大きい
ことを示す)。
【0040】実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を付設し
た容量1リットルの四つ口丸底フラスコにシクロヘキサ
ン317gを入れこれにHLB=4.7のソルビタンモ
ノステアレート1.587gを添加溶解し、窒素ガス雰
囲気下内温を20℃とした。別に容量500ccのコニ
カルフラスコにアクリル酸116.2gを外部より冷却
しながら水55.7g加え、更に25%苛性ソーダ18
0.6gを加えてカルボキシル基の70%を中和した。
この場合の水に対するモノマー濃度は、中和後のモノマ
ー濃度として40重量%に相当する。次いでこれにN,
N−メチレンビスアクリルアミド0.0935g、過硫
酸カリウム0.1208g更に水溶性連鎖移動剤として
次亜リン酸ソーダ水和物0.1104gを加えて溶解
し、20℃とした。
【0041】前記の1リットルの四口丸底フラスコ内容
物に、この500ccフラスコの内容物の約半分17
6.3gを添加し、攪拌懸濁した。尚、攪拌はフルゾー
ン翼を使用し、150rpmにて行った。次いで同回転
数にて昇温せしめ55℃付近にしたところ、重合が開始
し、77℃付近でピークとなった。以後70℃で15分
間保持した。そして15分間反応後に重合内容物の温度
を50℃に冷却した。
【0042】次に前記500ccフラスコの残りのモノ
マー水溶液約176.3gを採り、これに無機粉末とし
てシリカ(アエロジル#200、日本アエロジル(株)
製)を0.7052g添加せしめスラリー状態とし、2
0℃として前記重合内容物に回転数200rpmにて添
加した。添加後の内容物の温度は約40℃となり、系は
やや粘調性のあるスラリー状態となり、添加終了後には
ほぼ完全に第一段目の含水ポリマーゲル粒子中に吸液さ
れていた。次いで攪拌を500rpmとして昇温したと
ころ、約55℃にて重合が開始し、69℃付近でピーク
となった。以後15分間70℃にて保持後、同回転数に
て更に加熱し、シクロヘキサンとの共沸により、生成し
たポリマーに対して7%まで脱水を行った。
【0043】脱水終了後、攪拌を停止するとポリマー粒
子がフラスコの底に沈降し、デカンテーションにより容
易に分離することができた。分離したポリマーを90℃
にて加熱し、付着したシクロヘキサン及び若干の水を除
去した。得られた乾燥ポリマーは、さらさらとした一次
粒子が葡萄状に結合した粉体状造粒物であった。
【0044】実施例2 実施例1において無機粉末をチタニア(クロノスKA1
0、チタン工業(株)製)とした以外は同操作、同手法
で粉体状造粒物を得た。
【0045】実施例3 実施例1において無機粉末をジルコニア(和光純薬
(株)試薬品)とした以外は同操作、同手法で粉体状造
粒物を得た。
【0046】実施例4 実施例1において無機粉末をアルミナ(和光純薬(株)
試薬品)とした以外は同操作、同手法で粉体状造粒物を
得た。
【0047】実施例5 実施例1において無機粉末としてアエロジル#200を
0.4760g使用し、吸液モノマー量を、61.71
gとし、吸液時の回転数を400rpmとした以外は同
操作、同手法で粉体状造粒物を得た。
【0048】実施例6 実施例1において無機粉末としてアエロジル#200を
0.5289gを使用し、吸液モノマー量を、88.1
5gとし、吸液時の回転数を400rpmとした以外は
同操作、同手法で粉体状造粒物を得た。
【0049】比較例1 実施例1における吸液モノマー水溶液中に無機粉末を添
加せず第一重合内容物にモノマー水溶液を添加し、同操
作、同手法にて重合、脱水を行った。得られた乾燥ポリ
マーは、微粉をかなり含んだ粉体状ポリマーであった。
【0050】比較例2 特開平3−227301号公報記載の方法に基づき追試
を行った。即ち、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガ
ス導入管を付設した容量1リットルの四つ口丸底フラス
コにシクロヘキサン317gを入れこれにHLB=4.
7のソルビタンモノステアレート1.587gを添加溶
解し、窒素ガス雰囲気下内温を20℃とした。別に容量
500ccのコニカルフラスコにアクリル酸116.2
gを外部より冷却しながら水55.7g加え、更に25
%苛性ソーダ180.6gを加えてカルボキシル基の7
0%を中和した。この場合の水に対するモノマー濃度
は、中和後のモノマー濃度として40重量%に相当す
る。次いでこれにN,N−メチレンビスアクリルアミド
0.0935g、過硫酸カリウム0.1208g更に水
溶性連鎖移動剤として次亜リン酸ソーダ水和物0.11
04gを加えて溶解し、20℃とした。
【0051】前記の1リットルの四口丸底フラスコ内容
物に、この500ccフラスコの内容物の約半分17
6.3gを添加し、攪拌懸濁した。尚、攪拌はフルゾー
ン翼を使用し、150rpmにて行った。次いで同回転
数にて昇温せしめ55℃付近にしたところ、重合が開始
し、77℃付近でピークとなった。以後70℃で15分
間保持した。そして15分間反応後に重合内容物の温度
を20℃に冷却し、乳化剤のソルビタンモノステアレー
トを析出させた。
【0052】次に前記500ccフラスコの残りのモノ
マー水溶液約176.3gを採り、20℃として前記重
合内容物に回転数50rpmにて添加し、同温度にて1
時間保持した。添加したモノマー水溶液はほぼ吸液さ
れ、系はやや粘調性のあるスラリー状態となった。次い
で攪拌を150rpmとして昇温したところ、約55℃
にて重合が開始し、69℃付近でピークとなった。以後
15分間70℃にて保持後、同回転数にて更に加熱し、
シクロヘキサンとの共沸により、生成したポリマーに対
して7%まで脱水を行った。
【0053】脱水終了後、攪拌を停止するとポリマー粒
子がフラスコの底に沈降し、デカンテーションにより容
易に分離することができた。分離したポリマーを90℃
にて加熱し、付着したシクロヘキサン及び若干の水を除
去した。粉体状ポリマーを得た。
【0054】比較例3 比較例2において第一重合における回転数を170rp
mとし、重合反応後の重合内容物の温度及び吸液モノマ
ー水溶液の温度をいずれも13℃とした以外は同操作同
手法にて粉体状ポリマーを得た。
【0055】比較例4 特開平3−227301号公報記載の方法に基づき追試
を行った。即ち、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガ
ス導入管を付設した容量1リットルの四つ口丸底フラス
コにn−ヘプタン376.2gを入れこれにHLB=3
のショ糖脂肪酸エステル1.38g(三菱化成食品
(株)製、リョートシュガーエステルS−370)を添
加して50℃まで昇温し溶解して窒素ガス雰囲気下内温
を30℃とした。別に容量500ccのコニカルフラス
コにアクリル酸80.6gを外部より冷却しながら水2
1.3g加え、更に25%苛性ソーダ179.1gを加
えてカルボキシル基の70%を中和した。この場合の水
に対するモノマー濃度は中和後のモノマー濃度として4
0重量%に相当する。次いで、これにN,N−メチレン
ビスアクリルアミド0.059g、過硫酸カリウム0.
0765g更に水溶性連鎖移動剤として次亜リン酸ソー
ダ水和物0.069gを加えて溶解し、20℃とした。
【0056】前記の1リットルの四口丸底フラスコ内容
物に、この500ccフラスコの内容物を添加し、攪拌
懸濁した。尚、攪拌はフルゾーン翼を使用し、225r
pmにて行った。次いで同回転数にて昇温せしめ68℃
付近にしたところ、重合が開始し、84℃付近でピーク
となった。以後70℃で1時間保持し重合を完結した。
【0057】次に重合内容物の温度を20℃に冷却し、
乳化剤を析出させた。次に第一段目と同じモノマー水溶
液281.2gを作り、20℃として前記重合内容物に
回転数150rpmにて添加し、同温度にて30分間保
持した。添加したモノマー水溶液はほぼ吸液された。次
いで攪拌を500rpmとして昇温したところ、約67
℃にて重合が開始し、75℃付近でピークとなった。以
後1時間70℃にて保持後、同回転数にて更に加熱し、
n−ヘプタンとの共沸により、生成したポリマーに対し
て7%まで脱水を行った。
【0058】脱水終了後、攪拌を停止するとポリマー粒
子がフラスコの底に沈降し、デカンテーションにより容
易に分離することができた。分離したポリマーを90℃
にて加熱し、付着したn−ヘプタン及び若干の水を除去
した。粉体状ポリマーを得た。以上実施例1〜6及び比
較例1〜4で得られたポリマーについて吸水能、平均粒
径、粒径分布、結着強度につき評価を行った。その結果
を表1に示した。
【0059】実施例1〜6及び比較例1〜4(表)に示
したように、本発明では、特定の無機粉末を使用するこ
とにより第二モノマー水溶液の吸液が極めて効率良く行
われ、得られた造粒物の強度が大きく、粒径分布も狭く
かつ微粒成分(#80パス品)が少ない。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、逆相懸濁重合により得
られる含水ポリマーゲル粒子を含む反応混合物に前記特
定の無機粉末を存在させ第二モノマー水溶液を吸液させ
ることにより従来にはない前記のような特徴を有する造
粒物が極めて平易な操作にて低コストにて製造すること
ができる。そしてこのようなものは、例えば、紙おむつ
や生理用ナプキン、土壌用保水剤に適したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性エチレン性不飽和モノマーを逆相
    懸濁重合させて吸水性樹脂を製造するに際し、乳化剤の
    存在下疎水性有機溶媒中、所望により架橋剤を含む水溶
    性エチレン性不飽和モノマー水溶液を、水溶性ラジカル
    重合開始剤を用いて第一段目の油中水滴型の逆相懸濁重
    合反応に付し、次いで、得られた含水ポリマーゲル粒子
    を含む反応混合物に、無機粉末存在下、所望により架橋
    剤を含む水溶性エチレン性不飽和モノマー水溶液を追添
    加し、該モノマー水溶液を前記ポリマーゲル粒子に吸収
    させた後、追重合させる操作を少なくとも1回以上繰返
    すことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 所望により架橋剤を含む水溶性エチレン
    性不飽和モノマー水溶液の追添加において、該モノマー
    水溶液の該ポリマーゲル粒子への吸収処理後の混合物の
    温度が該重合開始剤の分解温度以下となるように追添加
    を行う請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 第二段目以降の重合に際し、追加する水
    溶性エチレン性不飽和モノマー水溶液を第一段目の水溶
    性エチレン性不飽和モノマー水溶液の5−300重量%
    の割合でその前段の重合反応系に添加する請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 水溶性エチレン性不飽和モノマーがアク
    リル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、アクリル
    アミド及びメタクリルアミドから選ばれる1種又は2種
    以上の混合物からなる請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 無機粉末がシリカ、アルミナ、チタニ
    ア、ジルコニア等金属酸化物粉末から選ばれる1種又は
    2種以上の混合物である請求項1に記載の方法。
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