JPH0977784A - 非晶質性l−アスコルビン酸−2−リン酸エステル・ナトリウム塩および、その製造方法 - Google Patents

非晶質性l−アスコルビン酸−2−リン酸エステル・ナトリウム塩および、その製造方法

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JPH0977784A
JPH0977784A JP23725495A JP23725495A JPH0977784A JP H0977784 A JPH0977784 A JP H0977784A JP 23725495 A JP23725495 A JP 23725495A JP 23725495 A JP23725495 A JP 23725495A JP H0977784 A JPH0977784 A JP H0977784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便且つ高収率にL−アスコルビン酸−2−
リン酸エステル ナトリウム塩の固体を単離することが
できる製造法を提供する。 【解決手段】 炭素数4以下の低級脂肪族アルコール、
炭素数4以下の脂肪族飽和ケトンおよび環状エーテルか
ら選ばれる有機溶媒中に、L−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステル ナトリウム塩を含有する溶液を、有機溶
媒が該溶液と有機溶媒との和の30〜90%(V/V)
になるように、0〜40℃の温度範囲で、0.5〜10
時間で滴下することにより、非晶質性L−アスコルビン
酸−2−リン酸エステル ナトリウム塩を析出させるこ
とを特徴とする非晶質性L−アスコルビン酸−2−リン
酸エステル ナトリウム塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質性L−アスコル
ビン酸−2−リン酸エステルのナトリウム塩および、そ
の製造方法に関する。非晶質性L−アスコルビン酸−2
−リン酸エステル ナトリウム塩は、L−アスコルビン
酸の安定化誘導体として有用であり、化粧料、医薬品、
食品添加物用、飼料用その他各種の工業分野に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】L−アスコルビン酸(ビタミンC)は多
様な生理作用、薬理作用を持つことが知られていたが、
なかでもメラニン色素沈着防止への効果があることから
美白化粧料に用いられてきた。L−アスコルビン酸は、
酸素、熱に対して不安定であり、この不安定なL−アス
コルビン酸の2位の水酸基をリン酸エステル化すること
により、酸素、熱に対して安定化することが出来るのは
公知の事実であり、L−アスコルビン酸−2−リン酸エ
ステル 塩、特にマグネシウム塩の形で、水に溶け易い
ビタミンC誘導体として広く使われている。従来、L−
アスコルビン酸−2−リン酸エステル ナトリウム塩
(以下、APSと略記する)、および、その製造方法に
ついては余り知られていないが、L−アスコルビン酸−
2−リン酸エステル(以下、2−APと略記する)に関
する報告の中に、一部紹介されている。
【0003】例えば、野村等は、ビタミン(Vitamins;
Japan )41巻(1970年)の 387〜398 ページに、アス
コルビン酸リン酸エステルの化学と応用について書いて
いる。特に、 390ページにはアスコルビン酸−3−リン
酸エステルのマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウ
ム塩の性質について書いているが、この中で、アスコル
ビン酸−3−リン酸エステル ナトリウム塩の性質につ
いては、無色粉末と単に記載されているのみであり、結
晶形に関する記述はなく、単離方法に関する記述もな
い。後年になって、野村等はChem.Pharm .Bull. 30
巻(1982年)の1024〜1029ページの中で、これらのアス
コルビン酸−3−リン酸エステルは2−APであるとX
線解析の検討に基づき訂正している。
【0004】特開昭59-51293号公報には、2−APの活
性炭による精製法についての記述の中で、2−APを脱
カチオン処理した後、塩の形にすることが望ましいと書
かれている。塩の形として、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが記されている。
さらに、このように得られた目的物を含有する液を通常
行われる濃縮工程、晶析工程に付し、着色がほとんどな
い製品が得られる、とも書かれているが、実施例はすべ
てマグネシウム塩に関するものばかりであり、ナトリウ
ム塩に関する記述はない。また、本発明者らはこの公報
記述の方法でナトリウム塩を単離しようと試みたが、固
体のAPSは単離できずに、飴状で一部寒天状のものが
できたにすぎなかった。
【0005】特開平2-131494号公報では、APSを含有
する溶液に、40〜80℃の温度で加熱・還流しなが
ら、メタノールを添加し、更に、2〜10時間加熱還流
した後に、一晩かけて室温まで冷却して、結晶質のAP
Sを取得している。この方法は有用なAPSの単離方法
であるが、収率が71〜85%と低く、また、APSを
含有する溶液を40〜80℃という高温で加熱するた
め、APSの分解がおこり収率が低下する事や夾雑する
VCが分解して着色する欠点がある。更に、滴下終了後
2〜10時間加熱還流を継続する事や一晩かけて室温ま
で冷却するなど生産性が低いという欠点がある。
【0006】この方法で取得したAPSをパウダーなど
の化粧料に用いる場合、APSが結晶質であるため触っ
たときにザラザラ感があり、そのままでは使用できな
い。ボールミルやペイントコンディショナー等を用いて
微粉にする操作が必要である。このようにAPSを固体
で単離する方法は、簡便性、分解、収率、着色等の面で
充分とは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】APSは固体化しにく
いという前記欠点のため、その有効性にも係わらず、化
粧料その他に利用する際に制限があった。本発明者ら
は、上記欠点の改善について鋭意検討した結果、簡便且
つ高収率に着色の少ない非晶質性APSの固体および、
その非晶質性APSを固体として単離する方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、低温下、有機
溶媒中にAPSを含有する溶液を滴下することにより、
簡便且つ高収率に、着色の少ない非晶質性APSを固体
で析出させ単離する、APSの製造方法である。すなわ
ち、本発明は、炭素数4以下の低級脂肪族アルコール、
炭素数4以下の脂肪族飽和ケトンおよび環状エーテルか
ら選ばれる有機溶媒中に、APSを含有する溶液を、0
〜40℃の温度で、有機溶媒の溶液中濃度が30〜90
%(V/V)になるように、0.5〜10時間かけて滴
下する事により、非晶質性APSの固体を析出させるこ
とを特徴とする、APSの製造方法に関する。
【0009】本発明の特徴は、0〜40℃の低温条件
で、有機溶媒中にAPSを含有する溶液を滴下すること
にある。APSを含有する溶液に有機溶媒を滴下した場
合、0〜40℃の低温条件であっても、析出したAPS
は、飴状で部分的に寒天状になり分離が不可能である。
APSを含有する溶液に有機溶媒を滴下して固体のAP
Sを取得するには、特開平2-131491号公報に書かれてい
るように、40〜80℃の温度で加熱還流を行いながら
有機溶媒を滴下する事が必要である。滴下終了後、更
に、2〜10時間加熱還流を継続して熟成させなければ
ならない。この方法で得られたAPSは結晶質であり、
触ったときにザラザラ感がある。したがって、パウダー
などの化粧料をつくる場合には、そのままでは使用でき
ずに、ボールミルやペイントコンディショナー等を用い
て微粉にする操作が必要である。
【0010】本発明によれば、0〜40℃の低温条件
で、有機溶媒中にAPSを含有する溶液を滴下すること
により、高濃度の有機溶媒にAPSが接触するため、過
飽和が速やかに解消され、飴状にも寒天状にもならず
に、非晶質性APSの固体を簡便かつ高収率に単離する
事ができる。
【0011】本発明で用いられるAPSを含有する出発
溶液は、2−APを含有する液であれば2−AP溶液、
2−AP金属塩溶液もしくはアルカリ土類金属塩溶液な
どいずれも対象とすることができる。例えば、アスコル
ビン酸を直接ホスホリル化して得られた2−AP含有溶
液(特公昭43-9219 号公報、特公昭45-23746号公報、特
開平6-345786号公報等)があげられる。また、5,6−
O−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸をホスホリ
ル化して得られた2−AP含有溶液(特公昭43-9219 号
公報、特公昭45-4497 号公報、特公昭45-30328号公報、
特公昭59-4438号公報等)も好適に利用できる。更に、
L−アスコルビン酸とリン酸供与体とから酵素あるいは
微生物の作用により生成した、2−AP含有溶液(特開
平2-42996 号公報等)も利用できる。金属塩としてはカ
リウム塩、ナトリウム塩、アルカリ土類金属塩としては
マグネシウム塩、カルシウム塩があげられる。
【0012】2−APが塩の形である場合、あるいは、
2−AP含有溶液がアルカリ金属、アルカリ土類金属を
含有する場合は、その水溶液を適当なイオン交換樹脂で
処理して脱カチオンすることが望ましい。まず、2−A
Pをイオン交換樹脂に吸着させ、0.1〜2Nの希塩酸
で溶出した後、水酸化ナトリウムでpH調整が行われ
る。
【0013】水酸化ナトリウムによるpH調整は、通常
10〜48%の水酸化ナトリウム水溶液で行われる。調
整するpHの範囲は7〜11であるが、2−APの第3
当量点から、pHの範囲が9〜10であることが特に好
ましい。pH調整後の溶液中のAPSの濃度は1〜15
%(wt/v)、好ましくは5〜10%(wt/v)であ
り、必要に応じて水で希釈し、あるいは加熱、減圧、逆
浸透膜等によって濃縮される。次いで撹拌下、下記に示
す有機溶媒を、滴下終了後の溶液中の有機溶媒濃度が3
0〜90%(V/V)の範囲内で用い、APSを含有す
る溶液を有機溶媒中に滴下する。この時に用いられる有
機溶媒の量は、少なすぎるとAPSの回収率が低下す
る。また、多すぎてもAPSの回収率にはほとんど変化
ない。したがって、用いる有機溶媒の種類によって多少
異なるが、50〜80%(V/V)の範囲が特に好まし
い。
【0014】本発明で用いられる有機溶媒は、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数4
以下の低級脂肪族アルコール類、アセトン等の炭素数4
以下の脂肪族飽和ケトン類、およびテトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類が例示され
る。これらの溶媒は単独でも、混合しても用いることが
できる。これらの有機溶媒は、APSを固体として単離
した後、水−有機溶媒系の母液から蒸留などの操作によ
って回収されるため、共沸点をもたずに低沸点で安価な
溶媒が好ましい。したがって、メタノール、アセトンが
特に好ましい。
【0015】APSを含有する溶液を有機溶媒中に滴下
する時の温度は、0〜40℃で行われる。APSを含有
する溶液を有機溶媒中に滴下すると、混ざる時に希釈熱
を発するため、予め有機溶媒を10〜20℃に冷却して
おき、また、滴下するAPSを含有する溶液も予め10
〜20℃に冷却しておくことが好ましい。滴下中の温度
が、40℃以上になると、APSの分解や夾雑するVC
の分解がおこり、着色するため好ましくない。また、0
℃以下の温度ではAPSの回収率や着色に関する問題は
ないが、冷凍機などの冷却設備の能力を大きくしなけれ
ばならないため経済的に不利である。滴下中も冷却を継
続し、10〜30℃に保ちながら滴下を行うことが、特
に好ましい。APSを含有する溶液を滴下するのに要す
る時間は、0.5〜10時間である。滴下時間が速すぎ
ると、析出したAPSの粒子径が細かくなり、遠心分離
機で分離取得する際に目漏れをおこし回収率が低くな
る。滴下時間が遅い場合は、回収率や着色に問題はない
が、無意味にプラントを占有するため経済的に不利にな
る。したがって、1〜6時間で滴下することが特に好ま
しい。
【0016】有機溶媒中にAPSを含有する溶液を滴下
した後、0〜40℃の温度で0.25〜1時間熟成さ
せ、遠心分離機等の装置を用いて、APSの固体を単離
し、前記有機溶媒で充分洗浄した後、真空乾燥等の処理
によって、白色粉末状の非晶質性APSが、高純度かつ
高収率で得られる。
【0017】本発明で得られる非晶質性APSの組成お
よび分光学的データを以下に示す。 (1)元素分析値;
【表1】 (2)赤外線吸収スペクトル;KBr法による特徴的な
吸収(波数) 3400cm-1付近 :O−H吸収帯 1600cm-1付近 :C=O伸縮振動による吸収
帯 1000〜1200cm-1:P−O吸収帯 (3)X線回折スペクトル;CuKα線、40kV、4
0mAの条件で測定して得られたX線回折スペクトルを
図1に示す。尚、参考までに比較として結晶質APSの
X線回折スペクトルを図2に示す。
【0018】本発明で得られる非晶質性APSは結晶質
のAPSと比較して次のような特性がある。外観や触感
の違いを表に示す。
【表2】 非晶質性APSは凝集状でありザラザラ感がない。ま
た、平均粒子径が10〜20μmであるため、パウダー
化粧料等には、APSを微粉にすることなく好適に使用
できる。さらに、非晶質性APSはアルコール−水系の
ローション組成液への溶解速度が速く、40℃で3カ月
でも澱の析出が見られない。例えば、次の表の様な標準
的なローション組成液に対して、APS3%(wt%)
を25℃の温度で溶解させ、40℃で3カ月で澱の析出
の経時変化を見た。
【0019】
【表3】 非晶質性APSでは3カ月たっても澱の析出は見られな
かったが、結晶質APSでは、僅かに析出が確認され
た。したがって、高濃度にアルコールを使用するローシ
ョン等の化粧料にも好適に使用できる。本発明の製造方
法で得られる非晶質性APSは、化粧品のパウダー、ロ
ーションに限らず、例えば医薬品(例、口腔用薬剤、点
眼剤、浴用剤等)、化粧品(例、化粧水、乳液、クリー
ム、パック等)、食品(例、パン等)および動物用飼料
(例、海老、鮭、ハマチ、鰻、鯉等の養殖用飼料)など
として用いられる。
【0020】
【実施例】次に、実施例によって、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。また、以下、実施例1〜5で得られた純度99
%のAPSは上述の非結晶性APSと同等の元素分析、
赤外線吸収スペクトル、外観、触感を示した。
【0021】実施例1 窒素雰囲気下、純水1210ml、ピリジン303g及
び5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸15
0gを混合溶解し、0〜10℃に冷却後、50%水酸化
カリウム水溶液を加えて、pHを約13に調整した。こ
の溶液に、オキシ塩化リン150gと50%水酸化カリ
ウム水溶液とを滴下しながら、pH13、0〜10℃の
温度を保って反応を行った。滴下終了後、ピリジンを減
圧下、留去し、35%塩酸を加えてpHを4に調整し
た。このpH調整液に純水6500mlを加えて希釈し
た後、中塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIR
A−68 オルガノ製)2000mlを詰めたカラムに
通した。次いで、0.05N−塩酸23.5リットルで
展開した。更に、0.2N−塩酸11リットルで展開
し、2−APのみを含有する分画区分を得た。この分画
区分の溶液に48%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH
10に調整した。減圧下、APSの濃度が9%(wt/
v)になるまで濃縮操作を加え、出発溶液を得た。窒素
雰囲気下、95%メタノール750mlを380rpm の
速度で撹拌し、10〜15℃に冷却した。予め10〜1
5℃に冷却しておいたAPSを含有する出発溶液250
mlを、液の温度が10〜25℃の範囲になるように冷
却を継続しながら、4時間かけて滴下した。滴下終了
後、更に1時間撹拌を継続し、熟成させた。遠心分離機
を用いて、析出したAPSの固体を濾取し、その固体を
95%メタノール100mlで充分に洗浄した。真空
下、40℃で乾燥し、純度99%のAPSを21.5g
(収率91%)得た。
【0022】実施例2 実施例1と同様な方法でAPSを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、98%アセトン500mlを3
80rpm の速度で撹拌し、10〜15℃に冷却した。予
め10〜15℃に冷却しておいたAPSを含有する出発
溶液250mlを、液の温度が10〜25℃の範囲にな
るように冷却を継続しながら、6時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に0.5時間撹拌を継続し熟成させた。
遠心分離機を用いて、析出したAPSの固体を濾取し、
その固体を98%アセトン80mlで充分に洗浄した。
真空下、40℃で乾燥し、純度99%のAPSを21.
7g(収率92%)得た。
【0023】実施例3 実施例1と同様な方法でAPSを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、98%テトラヒドロフラン75
0mlを380rpm の速度で撹拌し、10〜15℃に冷
却した。予め10〜15℃に冷却しておいたAPSを含
有する出発溶液250mlを、液の温度が10〜25℃
の範囲になるように冷却を継続しながら、2時間かけて
滴下した。滴下終了後、更に1時間撹拌を継続し熟成さ
せた。遠心分離機を用いて、析出したAPSの固体を濾
取し、その固体を98%テトラヒドロフラン120ml
で充分に洗浄した。真空下、40℃で乾燥し、純度99
%のAPSを20.8g(収率88%)得た。
【0024】実施例4 実施例1と同様な方法でAPSを含有する出発溶液を調
整したが、この時のpHを8に調整した。窒素雰囲気
下、95%エタノール750mlを380rpm の速度で
撹拌し、10〜15℃に冷却した。予め10〜15℃に
冷却しておいたAPSを含有する出発溶液250ml
を、液の温度が10〜25℃の範囲になるように冷却を
継続しながら、6時間かけて滴下した。滴下終了後、更
に0.5時間撹拌を継続し熟成させた。遠心分離機を用
いて、析出したAPSの固体を濾取し、その固体を95
%エタノール100mlで充分に洗浄した。真空下、4
0℃で乾燥し、純度99%のAPSを21.0g(収率
89%)得た。
【0025】実施例5 L−アスコルビン酸リン酸エステル マグネシウム塩3
2gを純水368gに溶解した。この溶液を強酸性陽イ
オン交換樹脂(アンバーライトIR−120Bオルガノ
製)2000mlを詰めたカラムに通した。更に純水1
200mlを通して2−APのみを含有する溶液160
0mlを得た。この溶液に含まれるマグネシウムイオン
は3ml以下であった。この溶液に48%水酸化ナトリ
ウム水溶液を加え、pH10に調整し、2−APをAP
Sにした。減圧下、APSの濃度が9%(wt/V)に
なるまで濃縮操作を加え、出発溶液を得た。窒素雰囲気
下、95%メタノール750mlを380rpm の速度で
撹拌し、10〜15℃に冷却した。予め10〜15℃に
冷却しておいたAPSを含有する出発溶液250ml
を、液の温度が10〜25℃の範囲になるように冷却を
継続しながら、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更
に0.25時間撹拌を継続し、熟成させた。遠心分離機
を用いて、析出したAPSの固体を濾取し、その固体を
95%メタノール100mlで充分に洗浄した。真空
下、40℃で乾燥し、純度99%のAPSを21.3g
(収率90%)得た。
【0026】比較例1 実施例1と同様な方法でAPSを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、APSを含有する出発溶液25
0mlを380rpm の速度で撹拌し、10〜15℃に冷
却した。予め10〜15℃に冷却しておいた95%メタ
ノール750mlを、液の温度が10〜25℃の範囲に
なるように冷却を継続しながら、4時間かけて滴下し
た。滴下終了後、APSは飴状で部分的に寒天状となり
固体にならず分離できなかった。
【0027】比較例2 実施例5と同様な方法でAPSを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、APSを含有する出発溶液25
0mlを380rpm の速度で撹拌し、−10〜−15℃
に冷却した。約10分で出発溶液が凍結し、APSを取
り出すことができなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造法により、簡便且つ高収率
にL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル ナトリウ
ム塩の固体を単離する事ができる。本発明の製造法によ
り得られる非晶質性L−アスコルビン酸−2−リン酸エ
ステル ナトリウム塩は化粧料、飼料、医薬、食品添加
物等に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られる非晶質性L−アスコルビン酸
−2−リン酸エステル ナトリウム塩のX線回折スペク
トル(CuKα線、40kV、40mA)である。図
中、縦軸は回折強度(単位:カウント/秒)を、横軸は
回折角(単位:2θ(°))を表す。
【図2】結晶質のL−アスコルビン酸−2−リン酸エス
テル ナトリウム塩のX線回折スペクトル(CuKα
線、40kV、40mA)である。図中、縦軸は回折強
度(単位:カウント/秒)を、横軸は回折角(単位:2
θ(°))を表す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質性L−アスコルビン酸−2−リン
    酸エステル ナトリウム塩。
  2. 【請求項2】 炭素数4以下の低級脂肪族アルコール、
    炭素数4以下の脂肪族飽和ケトンおよび環状エーテルか
    ら選ばれる有機溶媒中に、L−アスコルビン酸−2−リ
    ン酸エステル ナトリウム塩を含有する溶液を、有機溶
    媒が該溶液と有機溶媒との和の30〜90%(V/V)
    になるように、0〜40℃の温度範囲で、0.5〜10
    時間で滴下することにより、非晶質性L−アスコルビン
    酸−2−リン酸エステル ナトリウム塩を析出させるこ
    とを特徴とする非晶質性L−アスコルビン酸−2−リン
    酸エステル ナトリウム塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 L−アスコルビン酸−2−リン酸エステ
    ル ナトリウム塩を含有する溶液のpHが7〜11であ
    る請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 L−アスコルビン酸−2−リン酸エステ
    ル ナトリウム塩を含有する溶液のL−アスコルビン酸
    −2−リン酸エステル ナトリウム塩の濃度が1〜15
    %(wt/V)である請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒が、メタノールおよび/または
    アセトンである請求項2記載の製造方法。
JP23725495A 1995-09-14 1995-09-14 非晶質性l−アスコルビン酸−2−リン酸エステル・ナトリウム塩および、その製造方法 Expired - Lifetime JP3750160B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6121464A (en) * 1998-07-13 2000-09-19 Basf Ag Preparation of salts of ascorbyl 2-phosphoric esters
US6299912B1 (en) 1999-04-23 2001-10-09 Showa Denko Kabushiki Kaisha Preparation for administration to animals and feeding method thereof

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