JPH0977553A - 遠赤外線放射材および抗菌性遠赤外線放射材 - Google Patents

遠赤外線放射材および抗菌性遠赤外線放射材

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JPH0977553A
JPH0977553A JP7234302A JP23430295A JPH0977553A JP H0977553 A JPH0977553 A JP H0977553A JP 7234302 A JP7234302 A JP 7234302A JP 23430295 A JP23430295 A JP 23430295A JP H0977553 A JPH0977553 A JP H0977553A
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far
antibacterial
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zinc
silver
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JP7234302A
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Kazuo Sato
和夫 里
Shigeo Sawazaki
栄夫 沢崎
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Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の遠赤外線放射材に比して、広範囲の波
長域において、放射率に優れる遠赤外線放射材を、さら
に抗菌性を兼ね備える遠赤外線放射材を提供する。 【解決手段】 銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫お
よびジルコニウムから成る群より選ばれる1種または2
種以上の金属の酸化物と珪酸アルミニウム塩とから成る
遠赤外線放射材ならびに銀、銅および亜鉛から成る群よ
り選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物と珪酸ア
ルミニウム塩とから成る抗菌性遠赤外線放射材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線を高い放
射率で放射する遠赤外線放射材、および遠赤外線放射性
と抗菌性の両方の特性を併せ持つ抗菌性遠赤外線放射材
に関する。さらに詳しくは、加熱、暖房、乾燥、食品加
工、温熱治療等の分野で利用し得る遠赤外線放射材、お
よびそれら分野と共に除菌、殺菌の分野でも利用し得る
抗菌性遠赤外線放射材に関する。
【0002】
【従来の枝術】遠赤外線とは、一般に波長が4〜40μ
m程度の範囲の赤外線として定義され、物体に対しての
浸透性が優れているので、様々な態様の加熱に応用され
ている。さらに、常温付近での遠赤外線は生物体を構成
する有機化合物と振動が共鳴し、活性化するため、生物
の健康状態に好影響を与えると考えられ、最近注目され
ているところである。前者の加熱利用は、主として広範
囲な用途に用いられる加熱機、乾燥機等に見られ、また
後者の非加熱利用は、主に人体と接触する衣料素材とし
てである。
【0003】従来、セラミック材料を素材とした遠赤外
線放射体は、数々知られており、たとえばジルコニア、
チタニア、アルミナ、その他遷移金属元素酸化物系セラ
ミックスを利用したヒーターはすでに実用化されてい
る。
【0004】遠赤外線放射セラミックス素材の製造に用
いられる原料物質の具体例として、以下の特許文献に開
示される酸化物が挙げられる。
【0005】 1.Al23、SiO2(特公昭53―44928号) 2.ZrO2、Y23、La23、CeO2(特開昭57
―67078号) 3.Fe23、MgO、BaO(特開昭61―2326
8号) 4.SnO2、Sb23(特開昭61―1755号) 5.TiO2、CuO(特開昭60―251322号) しかしながら、シリカやアルミナは安価であるものの、
その遠赤外線放射率が低く、充分な効果を発揮し得な
い。
【0006】また、これら従来の遠赤外線放射材は、い
ずれも高温での乾燥または焼結等の処理が必要であり、
それらの製造は工業的に有利なものと言えなかった。加
えて、従来技術では遠赤外線の波長領域において、黒体
に近い放射率を有する素材はほとんど知られていない。
ここで言う「黒体」とは、物理学で汎用される概念で、
入射したあらゆる光を完全に吸収する理想的な物体であ
る。この黒体は、持っているエネルギーを放射する能力
があらゆる物質より大きく、黒体の放射率を基準とし
て、いろいろな物体の熱(あるいは光)の放射能力が比
較される。また、黒体は500℃以下の温度では赤外線
(0.75μm以上)だけを、200℃以下の温度では
遠赤外線だけを放射するとされている。たとえば、高田
紘一、“セラミックス”23巻、310〜321頁、1
988年を参照。
【0007】―方、銀、銅、亜鉛等の重金属(またはイ
オン)が抗菌、抗真菌作用を有することは公知であり、
さらにこれらの重金属化合物を活性炭、アルミナ、シリ
カゲル等の吸着物質に吸着し殺菌、除菌目的に利用する
ことも知られている。
【0008】また、抗菌性重金属イオンの保持量を自在
に変えることができる抗菌性珪酸アルミニウム組成物お
よびその製法が本出願人による特開平4―77311に
開示されている。しかしながら、この抗菌性珪酸アルミ
ニウム組成物が遠赤外線放射特性を有することは知られ
ていなかった。
【0009】セラミック材料を住宅建材、健康製品(衣
料を含む)に使用する場合、遠赤外線放射性と抗菌性を
併せて持つことが望ましいが、両者とも兼ね備えた満足
すべき材料は、現在のところ見当たらない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術に鑑
み、本発明の目的は、比較的安価で、広範囲の波長域で
遠赤外線放射率の高い(すなわち、放射率の波長依存性
の低い)優れた放射特性を有する遠赤外線放射材並びに
優れた遠赤外線放射特性と優れた抗菌性とを兼ね備えた
抗菌性遠赤外線放射材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、鋭意研究
の結果、珪酸アルミニウム塩および特定の金属酸化物か
らなる珪酸アルミニウム組成物が望ましい遠赤外線放射
特性を有すること、また更に特定の金属酸化物の幾つか
においては抗菌性をも併せ持つことを知見して、達成す
ることができた。
【0012】本発明は、珪酸アルミニウム塩と銀、銅、
亜鉛、チタン、ニッケル、錫およびジルコニウムから成
る群より選ばれる1種または2穫以上の金属の酸化物と
から成る遠赤外線放射材と、珪酸アルミニウム塩と銀、
銅および亜鉛から成る群より選ばれる1種または2種以
上の金属の酸化物とから成る抗菌性遠赤外線放射材とを
その要旨とするものである。 本発明の一側面によれば、銀、銅、亜鉛、チタン、ニッ
ケル、錫およびジルコニウムから成る群より選ばれる1
種または2種以上の金属の酸化物と、珪酸アルミニウム
塩とから成り、式 xM2/nO・Al23・ySiO2・zNa2O・wH2
O (Mは銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫およびジル
コニウムから成る群より選ばれる1種または2種以上の
金属を、nは該金属の原子価を、x,yは正の整数を、
z,wは0または正の整数を表す)で表される金属珪酸
アルミニウム塩から成る遠赤外線放射材が提供される。
【0013】前記の遠赤外線放射材は、アルミニウム塩
(A)と銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫およびジ
ルコニウムから成る群より選ばれる1種または2種以上
の金属またはその金属塩(B)および珪酸アルカリ
(C)の3者を同時に中和反応させて得られることを特
徴とする。 本発明の別の側面によれば、銀、銅および亜鉛から成る
群より選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物と、
珪酸アルミニウム塩とから成り、式 xM2/nO・Al23・ySiO2・zNa2O・wH2
O (Mは銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれる1種ま
たは2種以上の金属を、nは該金属の原子価を、x,y
は正の整数を、z,wは0または正の整数を表す)で表
される抗菌性遠赤外線放射材が提供される。
【0014】前記の抗菌性遠赤外線放射材は、アルミニ
ウム塩(A)と銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれ
る1種または2種以上の金属またはその金属塩(B)お
よび珪酸アルカリ(C)の3者を同時に中和反応させて
得られる金属珪酸アルミニウム塩から成ることを特徴と
する。 本発明に従う遠赤外線放射材および抗菌性遠赤外線放射
材の製法は、原材料((A),(B),(C)の3者)
を直接、同時に中和反応せしめる工程から成る。 本発明に用いることのできるアルミニウム塩(A)と
しては、Al(SO43、Al(NO33、AlC
3、Al(CH3COO)3、等の遊離の無機酸あるい
は有機酸を含むこともある水溶性のアルミニウム塩ある
いはAl2(OH)3Cl3、Al2(OH)2(CH3CO
O)4等の水溶性塩基性アルミニウム塩が例示される。
特に、アルミニウム塩の水溶液のpHが7未満のもの
(酸性アルミニウム塩)が好ましい。 本発明に用いることのできる金属(B)は、銀(A
g)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ニ
ッケル(Ni)、錫(Sn)そしてジルコニウム(Z
r)から成る群から選ばれる。したがって、金属酸化物
としては、M2/nO(Mは前記の金属、nはMの原子
価)の1種または2種以上を使用する。しかしながら、
その他の抗菌性重金属、たとえば水銀(Hg)、錫(S
n)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(C
d)、クロム(Cr)等も本発明に用いることができ
る。用いることのできる金属塩としては、次のような無
機または有機酸の塩、あるいは金属錯塩が例示される。 Cu(SO4)、CuCl2、Cu(NO3232O、
Cu(CH3COO)2、〔CU(NH342+、Zn
(SO4)、ZnCl2、Zn(SCN)2、Zn(CH3
COO)2・3H2O、〔Zn(NH342+、Ag(N
33、Ag(CH3COO)、〔Ag(CN)2-
TiCl4、Ti(SO42、SnCl2、SnSO4
Zr(SO42・4H2O、Zr(NO34・5H2O、
ZrO(NO32・2H2O、Zr(CH3COO)4 金属塩は、水不溶性であってもよく、たとえばCuO、
Zn(OH)2等は(A)の水溶液に混合したとき溶解
し、Cu(SO4)、Zn(SO4)等を生成するので、
使用可能である。
【0015】反応方法としては、(A),(B)および
(C)が水溶液であれば撹拌水中に、それぞれ、個別に
かつ同時にあるいはいずれか一方または(A)および
(B)の混合水溶液を反応槽に投入撹拌し残りの水溶液
をそれぞれ個別にかつ同時に添加してもよいが、(B)
が無機または有機酸の塩の場合は(A)と(B)を混合
した水溶液と(C)の水溶液を反応槽内の撹拌水中に添
加する方が均質な金属珪酸アルミニウム塩が得られるの
で好ましい。 典型的には、(A),(B)の水溶液を調合し、次いで
必要に応じて水酸化アルカリでpH調整した(C)の水
溶液とを所定量の水の中に撹拌しながら、同時添加し中
和反応させる。得られたゲル状物を濾過、洗浄し、含水
量70〜90%まで脱水する。次いで100〜650℃
で乾燥して金属珪酸アルミニウム塩を得る。これをこの
まま遠赤外線放射材または抗菌性遠赤外線放射材として
使用してもよいが、慣用手段で粉砕し微粒化することが
好ましい。
【0016】粉砕方法としては―般的には、ボールミ
ル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等が使われるが
用途に応じてどのような粉砕方法も可能である。 本方法で製造される金属珪酸アルミニウム塩は、式xM
2/nO・Al23・ySiO2・zNa2O・WH2
(式中、Mは前記金属、nはMの原子価、x、yは正の
整数、z,wは0または正の整数である)で表される。
なお、関連の金属珪酸アルミニウム塩の合成条件等につ
いては、特開平4―77311(第3頁右上段2行目〜
第4頁右下段20行目)に詳細に開示されている。
【0017】本発明の遠赤外線放射材および抗菌性遠赤
外線放射材は、該金属の酸化物として重量換算で約l〜
約70%含有することが好ましい。金属酸化物の含有量
が約1%以下のとき、組成が珪酸アルミニウムに近くな
り、遠赤外線放射率が著しく低下する。また、金属酸化
物の含有量が約70%以上のとき、金属酸化物と珪酸ア
ルミニウム中のシリカ、アルミナとの相互作用が弱ま
り、遠赤外線放射率は金属酸化物単体のそれに近くな
り、望ましい複合効果が期待できない。金属酸化物の含
有量が約20%〜約50%のとき、遠赤外線放射率は最
善である。 抗菌作用は、金属酸化物の含有量にほぼ比例するので、
金属酸化物が多い程、好ましい。
【0018】さらに、本発明の遠赤外線放射材および抗
菌性遠赤外放射材は、酸化物として表したモル比で下記
に相当する組成の金属珪酸アルミニウム塩から成ること
が好ましい。 M2/nO/Al23:0.01〜3.0(好ましくは1.8〜3.0) SiO2 /Al23:1〜15 (好ましくは1〜5) Na2O /Al23:0〜2.0 (好ましくは0〜0.5) (Mは前記の金属、nはMの原子価を表す) また、H2Oについては特に規定されず、実用的な用途
に応じた量で良い。 M2/nO/Al23比についてはこの値が小さい場合、
Na2Oの添加量を多くしてやらないと収率が低下する
が、M2/nOが多くなるとNa2Oの添加量は少なくて
も高い収率が得られる。不純物としてのNa2Oが問題
となる場合も多い。また、抗菌性については抗菌金属が
多い程良く、M2/nO/Al23は1.8〜3.0であ
ることが好ましい。 ゼオライトのイオン交換法などで抗菌金属を添加する際
には原料ゼオライトのNa2O/Al23が1程度であ
り、抗菌金属もアルミナの1.2倍モル程度しか含有さ
せる事ができなかったが、本発明の中和法では2倍モル
を越えるような添加量も可能であり、より高い抗菌効果
が期待できる。
【0019】本発明の遠赤外線放射材および抗菌性遠赤
外線放射材が、何故、予期せぬ高効率の遠赤外線放射特
性を与えるかについての理由は、詳らかでない。中和に
より、金属元素が直接、珪酸アルミニウム塩の結晶構造
中に組み込まれる。これにより結晶構造の状態に影響を
与え、光放射特性が遠赤外線側にシフトして、結果とし
て広い遠赤外線の波長領域で高効率の放射特性が得られ
るものと考えられる。 本発明の遠赤外線放射材、抗菌性遠赤外線放射材の応用
分野と期待される効果の代表的なものについて、表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】前記の応用分野において、本発明の遠赤外
線放射材および抗菌性遠赤外線放射材は、食品包装体
(たとえばカップ、バッグ)、衣料、寝具、靴中敷き、
暖房具(たとえば加熱ヒーター)、乾燥器具(たとえば
ヘアドライヤー)、調理器具(たとえば魚焼材)、発酵
器(たとえば孵卵器)、建築材料(たとえば壁材、壁
紙)等の物品に加工可能である。
【0022】さらに本発明の抗菌性遠赤外線放射材は、
各種の細菌(グラム陽性、陰性菌、メシチレン耐性菌)
や真菌類(カビ)に対する殺菌力に優れることが後述の
試験により確認されている。したがって、抗菌作用が望
まれる食品包装材、衣料、寝具、住宅建材として特に有
用である。
【0023】使用目的に応じた加工法は、当業者の知る
ところであるが、たとえば、本発明の遠赤外線放射材ま
たは抗菌性遠赤外線放射材を塗料として、素材に塗布
し、遠赤外線放射性膜または抗菌性遠赤外線放射性膜を
形成し、遠赤外線放射体または抗菌性遠赤外線放射体と
して成形することができる。典型的には、本発明の遠赤
外線放射材または抗菌性遠赤外線放射材を微粒化し、骨
材となし、適当な結合剤(水ガラス、エポキシ、フッ素
樹脂等)、被膜調整剤(たとえばカルボキシメチルセル
ローズ)および必要ならば水を加え塗料化する。この塗
料をスプレーで壁基材(モルタル等)に、所望の厚みに
なるように塗布乾燥する。
【0024】本発明の遠赤外線放射材および抗菌性遠赤
外線放射材は、常温付近で物理化学反応により合成さ
れ、比較的低温度で加熱乾燥されるので、製造工程にお
けるエネルギー消費が少なく低コストで製造することが
できる。 また、本発明の遠赤外線放射材および抗菌性遠赤外線放
射材は、金属珪酸アルミニウム塩中、金属と珪酸アルミ
ニウムの相互作用により優れた遠赤外線放射特性を有
し、その放射率は黒体の放射率に近づく。 さらに、本発明の抗菌性遠赤外線放射材は、抗菌性金属
の含有量が高いにも拘わらず、該金属の環境への放出量
が低い。すなわち抗菌性がより長時間継続する優れた抗
菌材料でもある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例、比較例、試験例を
挙げて本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、
比較例において、特にことわりのない限り、重量百分率
(%)を用いてある。
【0026】実施例l 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)23kgとZnSO4・6H2
(ZnO=29%)10.7kg、水21kgを混合、
溶解したA液、および3号水ガラス(SiO2=27.
1%、Na2O=9.2%)7.6kgとNaOH水溶
液(Na2O=37.6%)13.2kgと水31.2
kgを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、珪酸アル
ミニウム亜鉛からなるスラリーを合成した。 次いで、このスラリーをSO4イオンが1%以下になる
まで、脱水、洗浄し、220℃でl6hr乾燥した。Z
nO/Al23=2.2(モル比、以下同様)、SiO
2/Al23=1.8なる遠赤外線放射性珪酸アルミニ
ウム亜鉛を得た。
【0027】実施例2 実施例1で得られた珪酸アルミニウム亜鉛をジェットミ
ルで平均粒径を約2μmまで粉砕し、遠赤外線放射性珪
酸アルミニウム亜鉛粉末品を得た。
【0028】実施例3 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)397gとZnSO4水溶液
(ZnO=17.0%)302gを混合したA液、およ
び3号水ガラス(SiO2=28.5%、Na2O=9.
2%)133gとNaOH水溶液(Na2O=9.8
%)952gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、
珪酸アルミニウム亜鉛から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、ZnO/Al
23=2.0(モル比、以下同様)、SiO2/Al2
3=2.0なる遠赤外線放射性珪酸アルミニウム亜鉛を
得た。
【0029】実施例4 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)420gとTi(SO42水溶
液(TiO2=13.8%)298gを混合したB液、
および実施例3で用いた3号水ガラス141gとNaO
H水溶液851gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下
し、珪酸アルミニウムチタンから成るスラリーを合成し
た。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、TiO2/A
23=1.0、SiO2/Al23=2.0なる遠赤
外線放射性珪酸アルミニウムチタン粉末品を得た。
【0030】実施例5 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)377gとSnCl4水溶液
(SnO2=11.5%)195gを混合したB液、お
よび実施例3で用いた3号水ガラス125gとNaOH
水溶液714gを混合した水溶液をそれぞれ同時に滴下
し、珪酸アルミニウム錫から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、SnO/A
23=0.5、SiO2/Al23=2.0なる遠赤
外線放射性珪酸アルミニウム錫粉末品を得た。
【0031】実施例6 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)377gとNiCl2水溶液
(NiO=13.3%)168gを混合したA液、およ
び実施例3で用いた3号水ガラス125gとNaOH水
溶液824gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、
珪酸アルミニウムニッケルから成るスラリーを合成し
た。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、NiO/Al
23=1.0、SiO2/Al23=2.0なる遠赤外
線放射性珪酸アルミニウムニッケル粉末品を得た。
【0032】実施例7 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)355gとZrO(SO4)水
溶液(ZrOZ=14.3%)243gを混合したA
液、および実施例3で用いた3号水ガラス119gとN
aOH水溶液780gを混合したB液をそれぞれ同時に
滴下し、珪酸アルミニウムジルコニウムから成るスラリ
ーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、ZrO2/A
23=1.0、SiO2/Al23=2.0なる遠赤
外線放射性珪酸アルミニウムジルコニウム粉末品を得
た。
【0033】実施例8 張水した反応槽中に撹拌下、Al2(SO43水溶液
(Al23=8.1%)397gとCuSO4水溶液
(CuO=13.0%)135gを混合したA液、およ
び実施例3で用いた3号水ガラス133gとNaOH水
溶液693gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、
珪酸アルミニウム銅から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、CuO/Al
23=0.7、SiO2/Al23=2.0なる遠赤外
線放射性(抗菌)珪酸アルミニウム銅粉未品を得た。
【0034】実施例9 張水した反応槽中に撹拌下、Al(NO33水溶液(A
23=10.4%)420gとAgNO3水溶液(A
2O=15.2%)65.6gを混合したA液、およ
び実施例3で用いた3号水ガラス180gとNaOH水
溶液779gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、
珪酸アルミニウム銀から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、Ag2O/A
23=0.1、SiO2/Al23=2.0なる遠赤
外線放射性(抗菌)珪酸アルミニウム銀粉末品を得た。
【0035】実施例10 張水した反応槽中に撹拌下、Al(NO33水溶液(A
23=10.4%)490gにCu(NO32水溶液
(CuO=7.2%)111gおよびAgNO3水溶液
(Ag2O=15.2%)76gを混合したA液と、実
施例3で用いた3号水ガラス237gとNaOH水溶液
947gを混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、珪酸
アルミニウム(銅−銀)から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約5μmまで粉砕し、CuO/Al
23=0.2、Ag2O/Al23=0.1、SiO2
Al23=2.25なる遠赤外線放射性(抗菌)珪酸ア
ルミニウム(銅−銀)粉末品を得た。
【0036】実施例11 張水した反応槽中に撹拌下、Al(NO33・9H2
(Al23=13.6%)116.4kg、ZnNO3
・6H2O(ZnO=26.3%)94.2kgとAg
NO3(Ag2O=41.6%)2.1kgを水180k
gに溶解混合したA液、および3号水ガラス(SiO2
=27.1%、Na2O=9.2%)67.4kg、N
aOH水溶液(Na2O=37.6%)111.1kg
と水180kgを混合したB液をそれぞれ同時に滴下
し、珪酸アルミニウム(亜鉛−銀)から成るスラリーを
合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約2μmまで粉砕し、ZnO/Al
23=2.0(モル比、以下同様)、Ag2O/Al2
3=0.04、SiO2/Al23=2.0なる遠赤外
線放射性(抗菌)珪酸アルミニウム(亜鉛−銀)粉末品
を得た。
【0037】実施例12 張水した反応槽中に撹拌下、Al(NO33・9H2
(Al23=13.6%)1134g、ZnNO3・6
2O(ZnO=26.3%)920gとAgNO3(A
g2O=41.6%)40.5gを水1800gに溶解
混合したA液、および3号水ガラス(SiO2=27.
1%、Na2O=9.2%)660g、NaOH水溶液
(Na2O=37.6%)1095gと水1800gを
混合したB液をそれぞれ同時に滴下し、珪酸アルミニウ
ム(亜鉛−銀)から成るスラリーを合成した。 次いで、このスラリーを脱水、洗浄し、220℃にて乾
燥した後、平均粒径約10μmに粉砕し、ZnO/Al
23=2.0、Ag2O/Al23=0.08、SiO
2/Al23=2.0なる遠赤外線放射性(抗菌)珪酸
アルミニウム(亜鉛−銀)粉末品を得た。
【0038】前記実施例のうち、代表的なものについて
酸化物重量組成を表2に示す。
【0039】比較例1 NaOH水溶液(Na2O=5.1%)400g撹拌
下、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al23=13.3
%、Na2O=13.1%)1170gおよび珪酸ナト
リウム水溶液(SiO2=28.5%、Na2O=9.2
%)1037gをそれぞれ同時に添加した。添加後、4
時間撹拌を続行した後、洗浄炉液のpHが10.3にな
るまで、脱水、洗浄、乾燥を行い、さらにジェットミル
で平均粒径を約5μmまで粉砕し、珪酸アルミニウムナ
トリウム(0.91Na2O・Al23・2.37Si
2・3.88H2O)の粉末品を得た。
【0040】比較例2〜4 比較例2(SnO2市販品)、比較例3(TiO2市販
品)、比較例4(ZrO2市販品)を使用した。
【0041】前記比較例のうち代表的なものについて酸
化物重量組成を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】(試験例1)本発明の実施例および比較例
において、得られた材料(実施例1〜12,比較例1〜
4)について、遠赤外線放射特性を調べるため、放射エ
ネルギーを各波長毎に測定し、放射率を計算した結果を
表3に示す。放射スペクトルの測定は、日本分光エ業製
フーリエ変換赤外線分光計E500型を用い、測定条件
を温度40℃、分解能1/16cm、積算回数200
回、検知器MCTと設定した。
【0044】
【表3】
【0045】さらに実施例3の遠赤外線放射材につい
て、放射率を図1に示す。
【0046】(試験例2) 抗菌性試験 本発明の抗菌性遠赤外線放射材(実施例8〜12)の細
菌や真菌に対する抗菌力を評価するために、抗菌力の評
価試験を下記の条件で実施した。
【0047】(1)試験菌 大腸菌(Escherichia coli) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s, MRSA) 黒かび(Aspergilus nigel) (2)試験方法 (a)抗菌 滅菌イオン交換水に試料を添加して試験液を調製し、そ
れに各試験菌の菌液(菌を滅菌イオン交換水に懸濁させ
たもの)を添加し、30℃で保存、6時間後、24時間
後の生菌数をそれぞれ測定した。測定結果を表4に示
す。
【0048】(b)抗真菌 試料を添加したポテト−デキストロース寒天平板培地に
試験菌を接種し、27℃で4〜30日間培養を行い、菌
の成育度を肉眼で観察した。観察結果を表5に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の遠赤外線放射材
は、比較例の材料と比較して、幅広い波長域で高い遠赤
外線放射率を示し、黒体の放射輝度に近い輝度をも得
る。また本発明の抗菌性遠赤外線放射材は、前記試験例
2に記載のとおり、かびや細菌(病院内感染として問題
になっているMRSA菌を含む)に対して優れた抗菌作
用を発揮する。本発明によれば、極めて良好な放射率を
有する遠赤外線放射材さらに良好な放射率と杭菌性とを
有する抗菌性遠赤外線放射材が比較的安価に製造され、
これらを様々な応用分野で使用することによって、目的
とする乾燥、加熱、治療、殺菌効果等を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠赤外線放射材(実施例3)の放射率
を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫お
    よびジルコニウムから成る群より選ばれる1種または2
    種以上の金属の酸化物と、珪酸アルミニウム塩とから成
    り、式 xM2/nO・Al23・ySiO2・zNa2O・wH2
    O (Mは銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫およびジル
    コニウムから成る群より選ばれる1種または2種以上の
    金属を、nは該金属の原子価を、x,yは正の整数を、
    z,wは0または正の整数を表す)で表される金属珪酸
    アルミニウム塩から成る遠赤外線放射材。
  2. 【請求項2】 前記金属珪酸アルミニウム塩が酸化物と
    して表したモル比で M2/nO/Al23:0.01〜3.0 SiO2 /Al23:1〜15 Na2O /Al23:0〜2.0 (Mは銀、銅、亜鉛、チタン、ニッケル、錫およびジル
    コニウムから成る群より選ばれる1種または2種以上の
    金属を、nは該金属の原子価を表す)に相当する請求項
    1記載の遠赤外線放射材。
  3. 【請求項3】 遠赤外線放射率が85%以上である請求
    項1および2記載の遠赤外線放射材。
  4. 【請求項4】 アルミニウム塩(A)と銀、銅、亜鉛、
    チタン、ニッケル、錫およびジルコニウムから成る群よ
    り選ばれる1種または2種以上の金属またはその金属塩
    (B)と珪酸アルカリ(C)との3者を同時に中和反応
    させて得られる金属珪酸アルミニウム塩から成る請求項
    1〜3記載の遠赤外線放射材。
  5. 【請求項5】 銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれ
    る1種または2種以上の金属の酸化物と、珪酸アルミニ
    ウム塩とから成り、式 xM2/nO・Al23・ySiO2・zNa2O・wH2
    O (Mは銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれる1種ま
    たは2種以上の金属を、nは該金属の原子価を、x,y
    は正の整数を、z,wは0または正の整数を表す)で表
    される抗菌性遠赤外線放射材。
  6. 【請求項6】 前記金属珪酸アルミニウム塩が酸化物と
    して表したモル比で M2/nO/Al23:0.01〜3.0 SiO2 /Al23:1〜15 Na2O /Al23:0〜2.0 (Mは銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれる1種ま
    たは2種以上の金属を、nは該金属の原子価を表す)に
    相当する請求項4および5記載の抗菌性遠赤外線放射
    材。
  7. 【請求項7】 前記酸化物モル比が M2/nO/Al23:1.8〜3.0 SiO2 /Al23:1〜15 Na2O /Al23:0〜2.0 (Mは銀、銅および亜鉛から成る群より選ばれる1種ま
    たは2種以上の金属を、nは該金属の原子価を表す)で
    ある請求項6記載の抗菌性遠赤外線放射材。
  8. 【請求項8】 遠赤外線放射率が85%以上である請求
    項4〜7記載の抗菌性遠赤外線放射材。
  9. 【請求項9】 アルミニウム塩(A)と銀、銅および亜
    鉛から成る群より選ばれる1種または2種以上の金属ま
    たはその金属塩(B)と珪酸アルカリ(C)との3者を
    同時に中和反応させて得られる金属珪酸アルミニウム塩
    から成る請求項5〜8記載の抗菌性遠赤外線放射材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088054A1 (fr) * 2000-05-19 2001-11-22 Toshio Komuro Composition pour rayonnement infrarouge lointain presentant une excellente propriete antistatique et fibre et produit textile la contenant

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WO2001088054A1 (fr) * 2000-05-19 2001-11-22 Toshio Komuro Composition pour rayonnement infrarouge lointain presentant une excellente propriete antistatique et fibre et produit textile la contenant

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