JPH0977174A - 情報記録媒体の包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷模様等による装飾効果に加えて新たな装
飾効果を付加し、かつ商品の偽造防止等の機能をも奏す
ることができる情報記録媒体の包装体を提供する。 【解決手段】 情報記録媒体の包装体は、情報記録媒体
を収納する収納ケース３０と、収納ケース３０を包装す
る包装フィルム１０とからなり、このうち包装フィルム
１０は熱収縮性フィルム１１を有している。熱収縮性フ
ィルム１１の表面に、ホログラム層２０が設けられてい
る。熱収縮性フィルム１１の裏面に裏移り防止層２３お
よび印刷模様層１２が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、音声情報または画
像情報を記録する情報記録媒体およびその収納ケースを
包装してなる情報記録媒体の包装体に関する。ここで情
報記録媒体とは、ビデオテープまたはカセットテープを
いう。

【０００２】

【従来の技術】従来、音声情報または画像情報を記録す
る情報記録媒体およびその収納ケースを包装するための
情報記録媒体用包装フィルムとしては、種々のものが開
発提案されている。とくに熱収縮性フィルムを有する包
装フィルムは、異形物の包装が容易であり、収縮の性質
を利用して商品の結束ができ、保証包装の機能が期待で
きる。またこのような包装フィルムはシェルライフを延
長させるとともに、情報記録媒体およびその収納ケース
の包装をタイトにピッタリ仕上げ、透明でかつ光沢が増
加している。また包装フィルムは商品価値を向上させ、
セールスアピールを向上させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の情報
記録媒体用包装フィルムにおいては、情報記録媒体の商
品価値を向上させ、セールスアピールを高めるため、そ
の表面にオフセット印刷、グラビア印刷等の印刷手段を
利用して文字、図形、記号あるいは絵柄等の所望の印刷
模様が施され、印刷模様の装飾効果等を発揮している。

【０００４】特に、蛍光色、または発光色のインキ組成
物、あるいは金銀インキ組成物等を使用して印刷模様が
施され、視覚的に立体効果、浮き出し効果等を発揮して
いる。

【０００５】更には、包装フィルムの表面に金、銀等の
箔押し加工等が施されることもある。

【０００６】しかしながら、このような装飾効果は、平
面的な加工となっており、変化に乏しい。また包装フィ
ルム表面に対して更に斬新な模様、あるいは個性的な模
様、あるいは差別化ができる模様等を施すことが要求さ
れている。

【０００７】特に、新規に開発された情報記録媒体の新
製品等においては、その製造者、販売者等は、自己の新
製品を模造されないようにするため、包装フィルム表面
に偽造防止等の効果を奏する表示を施すことが期待され
ている。

【０００８】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、今までの印刷模様等による装飾効果に対
して更に新たな装飾効果を奏することができ、かつ商品
の偽造防止等の機能も奏することができる情報記録媒体
の包装体を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、音声情報また
は画像情報を記録する情報記録媒体と、この情報記録媒
体を収納する収納ケースと、この収納ケースを包装する
ための包装フィルムとからなる情報記録媒体の包装体に
おいて、前記包装フィルムは、熱収縮性フィルムと、こ
の熱収縮性フィルムの一方の面に設けられたホログラム
層と、前記熱収縮性フィルムの他方の面に設けられ、前
記ホログラム層の裏移りを防止する裏移り防止層と、を
備えたことを特徴とする情報記録媒体の包装体である。

【００１０】本発明によれば、ホログラム層の装飾効果
によって、映像を立体的に見ることができるとともに、
見る角度によって模様、像形状等が変化し、その両者に
よる相乗効果によって新たな装飾効果を奏することがで
きる。また、ホログラム層を設けることによって、包装
される情報記録媒体の偽造を防止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図１乃至図４は本発明によ
る情報記録媒体の包装体の実施の形態を示す図である。

【００１２】図３および図４において、情報記録媒体用
包装フィルム１０は、巻体１０ａから繰り出され、音声
情報または画像情報を記録する情報記録媒体を包装する
ため用いられる。すなわち、図４において情報記録媒体
（図示せず）が収納ケース３０内に収納され、この収納
ケース３０が包装フィルム１０によって包装されてい
る。この場合、情報記録媒体と、収納ケース３０と、包
装フィルム１０とによって情報記録媒体の包装体が構成
される。

【００１３】図１に示すように包装フィルム１０は、熱
収縮性フィルム１１と、熱収縮性フィルム１１の一方の
面に設けられたホログラム層２０と、熱収縮性フィルム
１１の他方の面に設けられた印刷模様層１２および裏移
り防止層２３とを備えている。

【００１４】次に各構成部材の材料について説明する。

【００１５】まず、本発明において、熱収縮性フィルム
１１としては、公知のもの、例えば、ポリエチレン、放
射線ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等の樹
脂を主体とし、これを二軸方向に延伸したフィルムない
しシートを使用することができる。

【００１６】熱収縮性フィルム１１の厚さとしては、使
用目的、対象商品の種類、収縮包装の方法等によって異
なるが、例えば、５ないし４００μｍ位、好ましくは、
１０ないし３００μｍ位が望ましい。

【００１７】次に、その収縮率としては、縦方向に３〜
１５％、横方向に４〜２０％の範囲の収縮率を有する二
軸延伸したフィルムないしシートを使用することができ
る。しかし、収縮率が高いと、それに設けた印刷模様層
の印刷模様、あるいはホログラム層２０のホログラム等
の画像が歪んだり、あるいは脱落等の現象を起こして好
ましくない。本発明においては、包装時に熱収縮性フィ
ルムのうちホログラム層２０等の画像部の収縮率が縦・
横ともに５％以下となるようホログラム層２０等の画像
の配置を設定することが最も好ましい。

【００１８】又、上記の熱収縮性フィルム１１は、シュ
リンクトンネルを通す前に、二方シール、三方シール等
が行われることから、ヒートシール性を有していること
が必要であり、ヒートシール温度範囲が広く、かつヒー
トシール強度の強いものが必要である。

【００１９】更にまた、収縮温度としては、シュリンク
の温度範囲が広く、かつ低温度で収縮するフィルムない
しシートが作業性がよく、また内容物に悪い影響を与え
ることがなく好ましいものである。

【００２０】なお、巻取状態で熱収縮性フィルムを供給
する場合、ホログラム層２０が接するフィルム裏面に巻
取圧力によってホログラム層２０が転移することも考え
られるが、熱収縮性フィルム１１の裏面に樹脂製の裏移
り防止層２３を設けることによりホログラム層２０の裏
移りは防止される。

【００２１】次に、熱収縮性ホログラム層２０について
説明する。ホログラム層２０は、光回折パターンであれ
ばよく、このような光回折パターンとしては、例えばフ
レネルホログラム、フラウンホーファホログラム、レン
ズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等
のレーザ再生ホログラム、レイボーホログラム等の白色
光再生ホログラム、更にその原理を利用したカラーホロ
グラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプ
レイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィック
ステレオグラム、ホログラム記録手段を利用したホログ
ラフィック回折格子をあげることができ、その他、電子
線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作製すること
により計算に基づいて任意の回折光が得られるホログラ
ムや回折格子等をあげることができ、これらが単一若し
くは多重に記録されていてもよい。

【００２２】本発明において、上記のようなホログラム
層２０を熱収縮性フィルム１１の表面に形成する方法と
しては、例えば、ホログラム層２０を有する加熱転写シ
ート２４を使用する加熱転写方式、あるいはホログラム
層２０を有する貼着シール２６を使用する貼着方式等に
よって行うことができる。

【００２３】上記の加熱転写方式について更に詳しく説
明すると、図１に示すようにまず、例えば、厚さ１２〜
２５μｍの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを
基材２１とし、この上に、必要ならば、例えば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体をビヒクルとする組成物をコ
ーティングして厚さ０．１μｍの剥離層２２を形成す
る。次に剥離層２２の上に、例えば、アクリル系樹脂を
ビヒクルとする組成物をコーティングして厚さ１μｍの
保護層１６を形成し、更にこの保護層１６の上に、例え
ば、ポリメチルメタクリレートをビヒクルとする組成物
をコーティングし、かつその表面にスタンパ等を使用し
て微細な凹凸を形成して厚さ２μｍのホログラムレリー
フ層１５を形成する。次にホログラムレリーフ層１５の
上に、真空蒸着法による形成された厚さ１０００オング
ストロームのアルミニュウム層、または蒸着法により形
成された厚さ５００オングストロームの酸化チタン層か
らなる反射層１４を形成する。しかる後この反射層１４
の上に、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体また
はアクリル系樹脂をビヒクルとする組成物をコーティン
グして厚さ２μｍの感熱接着剤層１３を形成する。この
ようにして加熱転写シート２４を製造する。

【００２４】次に加熱転写シート２４の感熱接着剤層１
３を熱収縮性フィルム１１に重ね合わせ、次にその両者
を加熱加圧する。次に加熱転写シート２４の基材２１を
剥離層２２とともに引き剥がす。同時に、加熱転写シー
ト２４の保護層１６以下の層を熱収縮性フィルム１１の
表面に加熱転写して固着させ、このようにして熱収縮性
フィルム１１の表面にホログラム層２０を形成すること
ができる。この場合、ホログラム層２０は、感熱接着剤
層１３と、反射層１４と、ホログラムレリーフ層１５
と、保護層１６とからなっている。

【００２５】次に貼着方式について説明する。まず、例
えば、厚さ５０μｍの透明ポリエチレンテレフタレート
製保護層１６上に、ホログラムレリーフ層１５を形成す
る。次にレリーフ層１５の上に、反射層１４を形成し、
しかる後反射層１４の上に、例えば、アクリル系樹脂ま
たはポリ酢酸ビニル系樹脂をビヒクルとする粘着剤組成
物をコーティングして厚さ２０ないし３０μｍの粘着剤
層１３ａを形成する。次に粘着剤層１３ａの上に厚さ１
００μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムからな
る離型シート２５を貼り合わせて、貼着シール２６を製
造する。

【００２６】次に貼着シール２６の離型シート２５を引
き剥がし、次いでこれを熱収縮性フィルム１１の表面に
粘着剤層１３ａを介して貼り合わせて、収縮性フィルム
１１の表面にホログラム層２０を形成する。この場合、
ホログラム層２０は粘着剤層１３ａと、反射層１４と、
ホログラムレリーフ層１５と、保護層１６とからなって
いる。

【００２７】上述のように熱収縮性フィルム１１の表面
にホログラム層２０を形成するに際しては、熱収縮性フ
ィルム１１の裏面に印刷模様層１２を形成した後、印刷
模様層とデザイン上調和させて熱収縮性フィルム１１の
表面にホログラム層２０を形成する。

【００２８】なお、本発明において、装飾の観点から、
例えば、ホログラム層２０だけの装飾効果を望む場合に
は、熱収縮性フィルム１１の裏面に、印刷模様層１２を
設けずに、単にホログラム層２０のみを設けてもよい。

【００２９】次に、本発明において、上記の熱収縮性フ
ィルム１１に設ける印刷模様層１２について説明する。
このような印刷模様層１２は、通常の方法、例えば、熱
収縮性フィルム１１の裏面に、オフセット印刷、グラビ
ア印刷等の通常の印刷方式で、オフセットインキあるい
はグラビアインキ等を使用して、文字、図形、記号、絵
柄等の任意の印刷模様を印刷することにより形成され
る。

【００３０】この場合、蛍光性インキ、発光性インキ、
金銀インキ等の特色インキを使用し蛍光性の印刷模様、
発光性の印刷模様あるいは浮き出し印刷模様等の印刷模
様層１２を形成することができる。

【００３１】更には、本発明においては、金箔あるいは
銀箔等を使用して箔押し加工等により印刷模様層１２を
形成してもよい。

【００３２】次に、本発明において、上記のように熱収
縮性フィルム１１上に印刷模様層１２およびホログラム
層２０を設けた包装フィルム１０を使用して収縮包装す
る方法について説明する。まず、情報記録媒体を収納ケ
ース３０内に収納し、この収納ケース３０を熱収縮性フ
ィルム１１上に印刷模様層１２およびホログラム層２０
等を設けた包装フィルム１０により包装する。次いでシ
ーラで包装フィルム１０の二方あるいは三方をシール
し、その後包装された商品をシュリンクトンネルに通す
と、熱収縮性フィルム１１が収縮して、商品の形状にそ
ってぴったりと密着して収縮包装することができる。こ
のように情報記録媒体を収納した収納ケース３０を包装
フィルム１０によって包装することにより、情報記録媒
体の包装体が得られる。

【００３３】

【実施例】次に本発明について実施例を挙げて更に具体
的に説明する。

【００３４】実施例１ まず、厚さ２５μｍの透明ポリエチレンテレフタレート
フィルム（基材）の上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体をビヒクルとする組成物をコーティングして、厚さ
０．１μｍの剥離層を形成した。次に剥離層の上に、ア
クリル系樹脂をビヒクルとする組成物をコーティングし
て厚さ１μｍの保護層を形成し、更に保護層の上に、ポ
リメチルメタクリレートをビヒクルとする組成物をコー
ティングし、かつその表面にスタンパを使用して微細な
凹凸を形成して厚さ２μｍのホログラムレリーフ層を形
成した。次にホログラムレリーフ層の上に、真空蒸着法
により厚さ１０００オングストロームのアルミニュウム
層を形成して反射層とし、しかる後反射層の上に、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体をビヒクルとする組成物を
コーティングして厚さ２μｍの感熱接着剤層を形成して
加熱転写シートを製造した。

【００３５】次に、厚さ２５μｍで、１５０℃における
縦方向の延伸率４％、横方向の延伸率６％のポリプロピ
レンフィルム（熱収縮性フィルム）の上に、所定の印刷
模様層を形成した後、印刷模様層と反対側の面に、上記
のように製造した加熱転写シートの感熱接着剤層を重ね
合せた。次にその両者を、加熱温度１３０℃、加圧力２
ｋｇ／ｃｍ² で０．５秒間加熱加圧した。その後、感熱
転写シートの基材を引き剥がすとともに感熱転写シート
の保護層以下の層をポリプロピレンフィルムの表面に加
熱転写して固着させた。このようにして、熱収縮性ポリ
プロピレンフィルムの表面にホログラム層を形成した。
次いで、印刷模様層とホログラム層とを設けたポリプロ
ピレンフィルムからなる包装フィルムによって情報記録
媒体を収納した収納ケースを包装した。次に包装シート
の三方をシールし、しかる後温度１８０℃のシュリンク
トンネル内を通して収縮包装した。

【００３６】このようにして製造した情報記録媒体の包
装体は、印刷模様とホログラム層のホログラムとによっ
て、極めて斬新な装飾効果を与え商品のアッピール効果
を高めることができた。またホログラム層のホログラム
によって商品の偽造防止を図ることができた。

【００３７】実施例２ 実施例１に記載の包装フィルムを巻取状態で供給し、連
続包装を可能とした場合、ホログラム層が接する熱収縮
性フィルムが無地であるとホログラム層の一部もしくは
全体が上記裏面に、その巻取圧力により転移してしま
い、外観をそこねることがあった。この現象を除くた
め、熱収縮性フィルム裏面のホログラム層が接するヒー
トシール部を除いた無地部分にウレタン樹脂系ニス（厚
さ１μｍ）で塗布し、裏移り防止層を形成した。これに
よりホログラム層の裏移りを防止することができた。

【００３８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、装飾性
のホログラム層を設けることによって、ホログラム層等
の映像を立体的に見ることができ、かつ見る角度によっ
て、模様、像形状等を変化して見ることができ、今まで
にない新たな装飾効果を発揮することができる。またホ
ログラム層による偽造防止効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による情報記録媒体の包装体に用いる包
装フィルムの層構成を示す図。

【図２】包装フィルムの変形例を示す図。

【図３】包装フィルムを巻体から繰り出す状態を示す
図。

【図４】情報記録媒体を収納した収納ケースを包装フィ
ルムで包装した状態を示す図。

【符号の説明】

１０ 包装フィルム １１ 熱収縮性フィルム １２ 印刷模様層 ２０ ホログラム層 ２３ 裏移り防止層 ３０ 収納ケース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅 倉 隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】音声情報または画像情報を記録する情報記
   録媒体と、この情報記録媒体を収納する収納ケースと、
   この収納ケースを包装するための包装フィルムとからな
   る情報記録媒体の包装体において、前記包装フィルム
   は、 熱収縮性フィルムと、 この熱収縮性フィルムの一方の面に設けられたホログラ
   ム層と、 前記熱収縮性フィルムの他方の面に設けられ、前記ホロ
   グラム層の裏移りを防止する裏移り防止層と、を備えた
   ことを特徴とする情報記録媒体の包装体。
2. 【請求項２】熱収縮性フィルムはポリプロピレンフィル
   ムであることを特徴とする請求項１記載の情報記録媒体
   の包装体。
3. 【請求項３】熱収縮性フィルムは縦方向に３〜１５％、
   横方向に４〜２０％の熱収縮率を有することを特徴とす
   る請求項１または２記載の情報記録媒体の包装体。
4. 【請求項４】ホログラム層は少なくともヒートシール層
   または粘着剤層、反射層、およびレリーフ層を有するこ
   とを特徴とする請求項１乃至３のいずれか記載の情報記
   録媒体の包装体。
5. 【請求項５】熱収縮性フィルムの一方の面に印刷模様層
   を設けたことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか記
   載の情報記録媒体の包装体。