JP3059216U - 運動用具用包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 運動用具用包装体の一部又は全部に、入
射光を乱反射するホログラムを形成し、このホログラム
上に有機系又は無機系のインキ若しくは上記ホログラム
から乱反射した光と干渉作用することにより明度、彩
度、及び色相から選ばれる少なくとも一つの色属性が変
化する染料又は顔料を配合したインキでマーキング層を
形成したことを特徴とする運動用具用包装体。 【効果】 今までにない装飾性と高級感のある外観を備
えた運動用具用包装体が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、今までにない装飾性と高級感のある外観を備え、特にゴルフ用具用 又はテニス用具用として好適な運動用具用包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来より、ゴルフ用具又はテニス用具等の運動用具用包装体、特にゴルフボー ル用箱には、その一部又は全部に収容されるゴルフボールの特長を示すロゴ、キ ャッチフレーズ、着色又はイメージ画像などを一般的な顔料を用いたインキによ り印刷が施されているが、これら表示は平面的なものであり、装飾性に乏しく、 しかも高級感に欠けるものであった。

【０００３】 一方、意匠的効果の面から各種包装体の表面にホログラム表示を施すことが提 案されている（実開昭６２―１４３６６３号公報、実開平４―２４３９号公報等 参照）が、その多くは入射光を乱反射する乱反射部内に入射光を正反射する正反 射部を形成し、見る角度を変えることにより、正反射部の立体模様を顕出させる ものであり、需要者を引き付ける美粧的で、かつ高級感を備えた外観を作出する には至っていない。

【０００４】 また最近、反射光の干渉作用により発色する顔料で着色し、見る角度によって 色合いが変化する外観を有するゴルフボール用包装材料が提案されている（特開 平６−１８３４５４号公報）が、装飾性、豪華さの点では未だ十分なものではな く、更なる改善が望まれていた。

【０００５】 本考案は、上記事情に鑑みなされたもので、ホログラムの乱反射作用と、この ホログラムからの乱反射光と干渉作用することにより色の三属性（明度、彩度、 及び色相）に変化が生じるインキ、又はホログラム上に更に別のホログラムを積 層することにより形成されたマーキング層とを組み合わせることにより、今まで にない優れた美粧的効果を有し、高級感のある外観を作出し得る運動用具用包装 体を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、下記の運動用具用包装体を提供する。

【０００７】 請求項１： 運動用具用包装体の一部又は全部に、入射光を乱反射するホログラムを形成し 、このホログラム上に該ホログラムから乱反射した光と干渉作用することにより 明度、彩度、及び色相から選ばれる少なくとも一つの色属性が変化する染料又は 顔料を配合したインキでマーキング層を形成したことを特徴とする運動用具用包 装体。

【０００８】 請求項２： 運動用具用包装体の一部又は全部に、入射光を乱反射するホログラムを形成し 、このホログラム上に有機系又は無機系のインキでマーキング層を形成したこと を特徴とする運動用具用包装体。

【０００９】 請求項３： 運動用具用包装体の一部又は全部に、入射光を乱反射する第1ホログラムを形 成し、この第１ホログラム上に少なくとも１層の第２ホログラムを積層してなる マーキング層を形成したことを特徴とする運動用具用包装体。

【００１０】 請求項４： 上記ホログラム及び第1，２ホログラムがレインボウ型ホログラムである請求 項１，２又は３記載の運動用具用包装体。

【００１１】 請求項５： 上記運動用具がゴルフ用具又はテニス用具である請求項１乃至４のいずれか１ 項記載の運動用具用包装体。

【００１２】 本考案によれば、ゴルフ用具又はテニス用具等の運動用具用包装体の一部又は 全部に入射光を乱反射するホログラムを形成し、このホログラム上に有機系又は 無機系のインキ、或いは上記ホログラムからの乱反射光と干渉作用を生じて色の 三属性が変化する染料又は顔料を配合したインキでマーキング層を形成すること により、入射光がホログラムにより乱反射して見る方向を変えることにより虹色 に光輝く外観が得られると共に、この外観の中で通常の有機系又は無機系インキ で形成されたマーキング層が浮び上がって見え、従来にはない特長的な外観が得 られること、また、ホログラムからの乱反射光と干渉作用するインキを用いてマ ーキング層を形成した場合には、色の三属性（明度、彩度、及び色相）が微妙に 変化して、今までにない色合いと光のコントラストが生じ、装飾性と高級感のあ る外観を備えた運動用具用包装体が得られるものである。

【００１３】 また、運動用具用包装体の一部又は全部に、入射光を乱反射する第1ホログラ ムを形成し、この第１ホログラム上に少なくとも１層の第２ホログラムを積層さ せてなるマーキング層を形成することにより、第１ホログラムによる乱反射光と 、第２ホログラムによる乱反射光とが微妙に干渉作用して、既存の１層のホログ ラムでは考えられない高級感のある特殊な外観を備えた運動用具用包装体が得ら れるものである。

【００１４】 そして、本考案の運動用具用包装体は、その特長的な外観を有することにより 、需要者を強く引き付けることができ、他社商品との差別化が図れるものである 。

【００１５】 なお、特開平６−１８３４５４号公報の発明は、反射光の干渉作用により発色 する顔料、特に雲母を核とし、その周囲を酸化チタンを主材とする光反射性物質 で被覆した複合粒子を用いることにより、見る角度によって色合いを変化させる ものであるが、特開平６−１８３４５４号公報には、ホログラム上に有機系又 は無機系インキからなるマーキング層を形成すること、ホログラム上にこのホ ログラムからの乱反射光と干渉作用してインキの色の三属性（明度、彩度、及び 色相）が変化するマーキング層を形成すること、第１ホログラム上に第２ホロ グラムを積層したマーキング層を形成すること、及び上記〜により、今ま でにない装飾性と高級感のある外観を備えること、については開示も示唆もなく 、課題を解決するための手段が本考案と明らかに相違するものである。

【００１６】

【考案の実施の形態及び実施例】

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して説明する。

【００１７】 [第１実施例] 図１，２は、それぞれ本考案の一実施例に係るゴルフボール用大箱１を示し、 図１は大箱１の蓋をあけた状態、図２は大箱１の蓋をした状態である。この大箱 １は、図３に示すゴルフボール用の小箱１１が４箱収容される大箱本体２と、そ の上端開放部を覆う蓋体３とからなる。上記小箱１１は、ゴルフボールが３個収 容されるもので、従って上記大箱１には一打のゴルフボールが収容されるように なっている。なお、図３中、１２は小箱の中身を覗くために設けた窓部である。

【００１８】 上記大箱１の蓋体３上面３ａ及び側面３ｂには、ホログラム２０が全面に亘っ て形成されていると共に、このホログラム２０上にマーキング層Ｍが積層されて いる。また、上記小箱１１の表面にもホログラム２０が全面に亘って形成されて いると共に、このホログラム２０上にマーキング層Ｍが積層されている。なお、 ホログラム及びマーキング層を大箱、小箱の一部にのみ形成することも可能であ る。

【００１９】 本考案のホログラム２０は、図４に示したように、基材シート２１上に形成さ れたホログラムエッチング２３と、基材シート２１の裏面に形成された反射性の 金属蒸着層２２からなり、基材シート２１と金属蒸着層２２とは接着界面２４を 介して接着されている。このホログラム２０は、金属蒸着層２２の下面に形成さ れた接着層（図示せず）により上記蓋体３や小箱１１に貼着可能に構成されてい るが、接着層を設けず、直接箱基材上にホログラムを形成しても構わない。

【００２０】 上記ホログラムエッチング２３は、上記基材シート２１上に公知のエンボス加 工などの方法により、０．０５〜０．５μｍ、特に０．１〜０．３μｍ程度の微 細凹凸を有する形状に形成することが好ましく、この微細凹凸のピッチ間隔を調 整することにより乱反射の角度、量等を適宜調整することができる。

【００２１】 本考案においては、上記ホログラムエッチング２３上に有機系又は無機系イン キ、ホログラムの乱反射光により干渉作用を生じるインキにより形成したマーキ ング層Ｍが積層され、このマーキング層Ｍ上に透明保護膜２５が形成されている 。

【００２２】 ここで、上記基材シート２１は、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィ ン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂などの透明プラスチックフィル ムにより形成することができる。また金属蒸着膜２２は、アルミニウム、銅、ニ ッケル、クロム、チタン、亜鉛、鉄、銀、金等やこれらの合金などによって１０ 〜１０，０００Å程度の厚さに真空蒸着法等の方法により形成することができる 。また、金属蒸着膜の代わりにホログラム効果層を用いても差し支えなく、この ホログラム効果層としては基材シートと屈折率に差のある透明樹脂シートなどを が挙げられる。なお、場合によっては一般紙、布等の素材を用いることもできる 。

【００２３】 上記透明保護膜２５は、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、塩化 ビニル、アクリル樹脂などの透明プラスチックフィルムにより通常１．０〜１０ μｍ程度に形成することができる。

【００２４】 このようにして形成されたホログラムとしては、レインボウ型ホログラム、リ ップマン型ホログラム、マルチフレックス型ホログラムなどが挙げられるが、本 考案においては、見る角度を変えることにより光輝く虹色光沢、モザイク状光沢 、真珠様光沢、きめの細かい光沢粒子状などの特殊な画像が得られるレインボウ 型ホログラムが好ましい。

【００２５】 次に、上記ホログラム２０上に形成されるマーキング層Ｍは、有機系又は無機 系のインキ、或いはホログラムからの乱反射光と干渉作用することにより色の三 属性（明度、彩度、及び色相）が変化する染料又は顔料を配合したインキにより マーク類を印刷した透明乃至半透明のプラスチックフィルムから形成される。

【００２６】 この場合、透明乃至半透明のフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタ レート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂などのプ ラスチックフィルムを用いることができる。なお、このマーキング層の厚さは通 常１．０〜１０μｍ程度である。

【００２７】 有機系又は無機系のインキとしては、特に制限されず、ゴルフボールのマーキ ングに普通に用いられる着色マイカ、蛍光性顔料などを用いることができる。

【００２８】 ホログラムからの乱反射光と干渉作用して色の三属性（明度、彩度、及び色相 ）が変化するインキとしては、例えばメタリック顔料、パール色調顔料などを着 色剤として水又は有機溶媒に配合したものである。

【００２９】 上記乱反射光と干渉作用して色が変化するインキは、干渉作用により色の三属 性（明度、彩度、及び色相）の少なくとも１つ、好ましくは色の三属性の総てが 微妙に変化するものである。ここで、干渉作用とは、インキからの反射光がホロ グラムの乱反射光により強められたり、弱められたりしてインキ本来の色の三属 性（明度、彩度、及び色相）が微妙に変化し、今までにない色調を呈することを いう。

【００３０】 この場合、色相とは「赤味」，「橙味」，「黄味」などの色味を表すもので、 有彩色を種類別に分ける基本となるものである。明度とは「明るい」，「暗い」 の反射による明暗の状況、つまり明るさの度合をいう。彩度とは「さえ」，「あ ざやか」，「ふかい」など、その色相での純色の度合を表すものである。なお、 有彩色はこれら色の三属性のすべてを有するが、無彩色は明度のみを有する。

【００３１】 上記インキを用いたマーキング方法としては、特に制限されないが、スクリー ン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などによりプラスチックフィルム上に印 刷し、このマーキング後のフィルムをホログラム上に被覆形成する方法が好適で ある。なお、ホログラム上に直接インキでマーキングを施すことも可能である。

【００３２】 また、描かれるマーク類としては、ゴルフ用具の特長を示すロゴ、キャッチフ レーズ、性能表示、着色又はイメージ画像などが挙げられ、例えば、ゴルフボー ルが大空に向かって猛スピードで飛んでいく状態をイメージした画像、ゴルフボ ールの断面構造（内部構造）を表現した画像、ゴルフクラブでボールをショット する瞬間をとらえたイメージ画像、これらゴルフ用具（ゴルフボール）の特長を 示すイメージ画像とキャッチフレーズ、ロゴ、性能表示、着色などを組み合わせ た画像などが挙げられる。

【００３３】 なお、本考案においては、上記有機系インキ、無機系インキ、及び乱反射光に より色の三属性が変化するインキを適宜組み合わせてマーキング層を形成するこ とも勿論可能であり、更には、マーキング層を１層以上の複数層に形成し、異な る色調の複数層からなるマーキング層により、優れた外観を作出できるものであ る。

【００３４】 〔第２実施例〕 本考案の第２実施例に係る包装体は、図示を省略しているが、運動用具用包装 体の一部又は全部に、入射光を乱反射する第1ホログラムを形成し、この第１ホ ログラム上に少なくとも１層、好ましくは１層又は２層の第２ホログラムを積層 させてマーキング層を形成したものである。なお、第１ホログラムの全面に亘っ て第２ホログラムを積層しても、第１ホログラムの一部分にのみ積層しても構わ ない。

【００３５】 この場合、第１ホログラムは上記第１実施例と同様のものを用いることができ 、第２ホログラムは、入射光を乱反射するものであれば特に制限されないが、上 記第１実施例と同様に形成することが好ましく、これら第１，２ホログラムがと もにレインボウ型ホログラムであることが好ましい。また、第２ホログラムは第 １ホログラム上に加熱又は加圧方式で転写することにより形成することができ、 その他の点については第１実施例と同様である。

【００３６】 このように、第１ホログラム上に少なくとも１層の第２ホログラムを積層させ てなるマーキング層を形成することにより、第１ホログラムによる乱反射光と、 第２ホログラムによる乱反射光とが微妙に干渉作用して、既存の１層のホログラ ムでは考えられない高級感のある特殊な外観を備えた運動用具用包装体が得られ るものである。

【００３７】 なお、第１ホログラムの上に第２ホログラムを積層してなるマーキング層の上 （第２ホログラム上）に、更に上記第１実施例と同様のインキを用いてマーキン グを施すことも可能である。

【００３８】 [第３実施例] 図５は、本考案の第３実施例に係るテニスボール用ケース３０の斜視図であり 、このケース３０は厚紙又はプラスチック製で有底円筒状に形成されており、こ のケース中に３個のテニスボールが収容可能に構成されている。

【００３９】 このテニスボール用ケース３０にホログラムとマーキング層を形成する場合に は、上記ゴルフボール用箱と同様にケース全体に設けてもよいが、図５に３１で 示したように、シール状に形成し、ケースの一部分に貼着することが好ましい。 この場合、ホログラム、マーキング層及びその他の構成は第１実施例又は第２実 施例と同様とすることができる。

【００４０】 本考案の包装体は、以上の構成を有するものであり、ホログラムの乱反射作用 と、有機系インキ、無機系インキ、及び乱反射光で色の三属性が変化するインキ とを組み合わせること、またホログラム上に更にホログラムを積層することによ り、今までにないコントラストのある、美粧性と豪華さを備えた外観を作出し得 るものである。

【００４１】 本考案の包装体は、ゴルフ用具、テニス用具、サッカー用具、野球用具、バレ ー用具等の種々の運動用具の包装体として好適なものであるが、特にゴルフ用具 又はテニス用具に用いることが好ましい。

【００４２】 ゴルフ用具用包装体としては、例えばゴルフクラブ、ゴルフバッグ、ゴルフシ ューズ、ゴルフ用手袋等の収容箱、ケース、袋などが挙げられ、これらは通常、 コート紙、コートボール紙などの厚紙を基材として形成されるものであるが、ポ リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチック、アルミ等の金属 などの他の材質を用いることもできる。

【００４３】 テニス用具用包装体としては、例えばテニスボール、テニスラケット、テニス シューズ、テニス用手袋等の収容箱、ケース、袋などが挙げられる。

【００４４】 以上、本考案の一実施例につき説明したが、本考案は上記実施例に制限される ものではなく、例えば、ホログラムの乱反射部内に微細凹凸部を形成しない正反 射部を設けてゴルフ用具又はテニス用具の品質表示などを浮かび上がって見える ように形成したものを組み合わせて用いることもでき、その他の構成も本考案の 要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差し支えない。

【００４５】

【考案の効果】

本考案によれば、ゴルフ用具及びテニス用具用包装体の外観に今までにない優 れた美粧効果と高級感を付与し得、他社商品との差別化が図れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係るゴルフボール用大箱
の蓋を開けた状態を示す斜視図である。

【図２】同大箱の蓋をした状態を示す斜視図である。

【図３】同ゴルフボール用小箱の斜視図である。

【図４】同ホログラムとマーキング層との断面図であ
る。

【図５】本考案の第３実施例に係るテニスボール用ケー
スの斜視図である。

【符号の説明】

１，１１ ゴルフボール用箱 ２ 本体 ３ 蓋体 ２０，３１ ホログラム ２１ 基材シート ２２ 金属蒸着層 ２３ ホログラムエッチング ２５ 透明保護膜 ３０ テニスボール用ケース Ｍ マーキング層

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 運動用具用包装体の一部又は全部に、入
   射光を乱反射するホログラムを形成し、このホログラム
   上に該ホログラムから乱反射した光と干渉作用すること
   により明度、彩度、及び色相から選ばれる少なくとも一
   つの色属性が変化する染料又は顔料を配合したインキで
   マーキング層を形成したことを特徴とする運動用具用包
   装体。
2. 【請求項２】 運動用具用包装体の一部又は全部に、入
   射光を乱反射するホログラムを形成し、このホログラム
   上に有機系又は無機系のインキでマーキング層を形成し
   たことを特徴とする運動用具用包装体。
3. 【請求項３】 運動用具用包装体の一部又は全部に、入
   射光を乱反射する第1ホログラムを形成し、この第１ホ
   ログラム上に少なくとも１層の第２ホログラムを積層し
   てなるマーキング層を形成したことを特徴とする運動用
   具用包装体。
4. 【請求項４】 上記ホログラム及び第1，２ホログラム
   がレインボウ型ホログラムである請求項１，２又は３記
   載の運動用具用包装体。
5. 【請求項５】 上記運動用具がゴルフ用具又はテニス用
   具である請求項１乃至４のいずれか１項記載の運動用具
   用包装体。