JPH0976700A - 水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂 - Google Patents

水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂

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JPH0976700A
JPH0976700A JP12012295A JP12012295A JPH0976700A JP H0976700 A JPH0976700 A JP H0976700A JP 12012295 A JP12012295 A JP 12012295A JP 12012295 A JP12012295 A JP 12012295A JP H0976700 A JPH0976700 A JP H0976700A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品表面に、水圧転写方式によって印刷模
様を形成するに際して用いられる水圧転写シートであっ
て、この水圧転写シート上の印刷模様層上に塗布される
プライマーのためのバインダー樹脂、特に、ポリオレフ
ィン成形体表面に対しても付着性に優れた印刷模様層を
形成することのできる水圧転写シート用プライマーのた
めのバインダー樹脂を提供する。 【構成】 印刷模様層を形成せしめた水溶性もしくは水
膨潤性フィルムからなる水圧転写シートの前記印刷模様
層形成面に塗布することによって該印刷模様層を溶解な
いし膨潤させることのできるプライマーのためのバイン
ダーであって、該バインダーが、アルコキシ・(ポリ)
アルキレングリコール・モノ(メタ)アクリレート5〜
50重量%、塩素化ポリプロピレン5〜50重量%およ
び重合性不飽和基含有ビニル化合物0〜90重量%から
なるグラフト共重合体であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品表面に、水圧転
写方式によって印刷模様を形成するに際して用いられる
水圧転写シートに関し、さらに詳しくは、水圧転写シー
ト上に形成された印刷模様層を水圧転写するに際し、該
印刷模様層上に塗布されるプライマーのためのバインダ
ー樹脂に関するもので、特にポリオレフィン成形体表面
に、付着性に優れた印刷模様層を形成することのできる
水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水圧転写方式は、表面に印刷模様層を有
する水溶性もしくは水膨潤性フィルムからなる水圧転写
シートの印刷模様層上に、該印刷模様層を溶解ないし膨
潤させて流動状態とすることのできるプライマー(活性
剤と称されていることもある)を塗布し、しかる後この
水圧転写シートを印刷模様層面が上面となるようにして
水に浮かべ、流動状態の印刷模様層が水面上に延展した
段階で被転写体である成形品をその上面から押し入れ、
流動状態でかつ延展した印刷模様層を、水圧によって成
形品の表面に転写する方法であり、かかる水圧転写方式
については、例えば、特開昭61−58798号公報、
特公平2−32160号公報などにより既に知られてい
る。
【0003】上記水圧転写方式において用いられるプラ
イマーは、水圧転写シート上に形成された印刷模様層を
溶解(ないし膨潤)させることのできる有機溶剤と、転
写工程を効率的に進めるための粘度調整および転写後の
印刷模様層を被転写体表面に良好に付着させることので
きるバインダー樹脂を必須成分とし、さらに必要に応
じ、プライマーの塗布によって流動化した印刷模様層が
水面上で延展するのを改善するための可塑剤、転写後の
乾燥工程において生じる印刷模様層の塗膜割れを防止す
るための体質顔料などが配合されているのが一般的であ
る。
【0004】ところで、上記従来の水圧転写シートに用
いられているプライマーは、成形品の材質が非ポリオレ
フィン系のプラスチック、例えば、ABS、ポリカーボ
ネート樹脂、塩ビ樹脂、アクリル樹脂等である場合、成
形品表面に実用的に満足し得る付着性の印刷模様層の形
成が可能であるが、成形品の材質がポリエチレン、ポリ
プロピレンといったポリオレフィン系樹脂である場合、
転写された印刷模様層の付着性は極めて小さく、実用に
供し得ないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記従
来の水圧転写用プライマーにおける問題点、すなわち、
ポリオレフィン系樹脂成形品表面に付着性に優れた印刷
模様を形成するのが難しいという問題点を解消すべく検
討を進めた結果、ポリオレフィン系基材に対して良好な
付着性を示すとされている塩素化ポリオレフィンを上記
プライマーのバインダー樹脂として用いると、印刷模様
層の付着性が大巾に改善できることを見出したが、しか
し、塩素化ポリオレフィンは、一般的には疎水性あるた
め、親水性の有機溶媒には溶解し難く、従って、塩素化
ポリオレフィン樹脂をバインダーとするプライマーの溶
剤組成は、必然的に疎水性有機溶剤で構成せざるを得な
いこととなり、かかる疎水性有機溶剤で構成されたプラ
イマーは、水圧転写シートを水面に浮かせた場合、該シ
ート上に形成された印刷模様層が水面上に均一かつ良好
に延展し難い欠点があり、印刷模様層のくずれた不鮮明
な転写模様しか得られないという新たな問題点のあるこ
とが判明した。
【0006】従って、本発明は、上記のごとき現状に鑑
み、ポリオレフィン樹脂成形品に対して付着性に優れた
印刷模様層の形成が可能であると共に、水面上に浮かべ
た際の印刷模様層の延展性が良好で、鮮明な印刷模様の
形成が可能な水圧転写プライマーを得るべくさらに検討
を進めた結果、塩素化ポリオレフィン樹脂に特定の親水
性アクリル系モノマーをグラフト重合せしめてなるグラ
フト共重合体を、水圧転写用プライマーのバインダーと
して用いると、有機溶剤組成を疎水性有機溶剤で構成し
た場合であっても、水面上で印刷模様層を均一かつ充分
に延展させることができると共に、ポリオレフィン樹脂
成形品に対して優れた付着性を示すプライマーとなり得
ることを見出したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂は、印
刷模様層を形成せしめた水溶性もしくは水膨潤性フィル
ムからなる水圧転写シートの前記印刷模様層形成面に塗
布することによって該印刷模様層を溶解(ないし膨潤)
させることのできるプライマーに用いるためのバインダ
ーであって、該プライマーのバインダーが、アルコキシ
・(ポリ)アルキレングリコール・モノ(メタ)アクリ
レート5〜50重量%、塩素化ポリプロピレン樹脂5〜
50重量%および重合性不飽和基含有ビニル化合物0〜
90重量%からなるグラフト共重合体であることを特徴
としている。
【0008】上記構成からなる本発明においては、バイ
ンダー樹脂として、塩素化ポリプロピレン樹脂に、アル
コキシ・(ポリ)アルキレングリコール・モノ(メタ)
アクリレートをグラフト重合せしめた共重合体で構成し
たことを大きな特徴としており、ここにおいて用いられ
るアルコキシ・(ポリ)アルキレングリコール・モノ
(メタ)アクリレートが親水性であるため、グラフト化
によって塩素化ポリプロピレン樹脂を親水性とすること
ができ、プライマーの有機溶媒組成を疎水性溶媒とした
場合であっても印刷模様層の水面上での延展性がなんら
損なわれることがない。
【0009】本発明のバインダー樹脂を得るのに用いる
ことのできるアルコキシ・(ポリ)アルキレングリコー
ル・モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、2−
メトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルア
クリレート、2−エトキシエチルアクリレート、メトキ
シジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエ
チレングリコールアクリレート、メトキシテトラエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリ
コールアクリレート、エトキシジエチレングリコールア
クリレートなど、および日本油脂(株)社製の商品名ブ
レンマーPME−100、同PME−200もしくは同
PME−400などが挙げられ、これらはそれぞれ単独
でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
【0010】上記アルコキシ・(ポリ)アルキレングリ
コール・モノ(メタ)アクリレートの中でも、アルコキ
シ・(ポリ)エチレングリコール・モノメタクリレート
は、側鎖基の親水性・疎水性に由来する印刷模様層の水
面上での延展性と、塩素化ポリプロピレンとの相溶性に
起因するプライマー自体の安定性の両面において優れて
いるので、本発明においてはアルコキシ・ポリエチレン
グリコール・モノメタクリレート、具体的には、メトキ
シジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエ
チレングリコールアクリレート、メトキシテトラエチレ
ングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレートなど、および日本油脂(株)社製の商
品名ブレンマーPME−200などを用いるのが特に好
ましい。
【0011】本発明において用いることのできる塩素化
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定するものではな
く、種々の塩素化率を有するものの中から適宜選択して
使用できる。しかし、該塩素化ポリオレフィン樹脂の塩
素化率が15%より低くなると、有機溶剤に対する溶解
性とプライマーとした時の貯蔵安定性が低下するように
なり、塩素化率が50%より高くなるとポリオレフィン
系基材に対する付着性が低下する傾向があるので、本発
明においては、塩素化率15〜50%の範囲の塩素化ポ
リオレフィン樹脂を用いるのが好ましい。
【0012】本発明に用いることのできる重合性不飽和
基含有ビニル化合物としては、特に制限するものではな
く、重合性の不飽和結合を持つものであればいずれも使
用可能である。具体例としては、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸イソボルニル、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、プロピオン
酸ビニル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルな
どが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上混合して
使用できる。なお、これらビニル化合物の中でも(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸
−iso−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブ
チル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸イソボルニルを用いるのが好ましい。
【0013】本発明において、バインダー樹脂として好
適なグラフト共重合体は、上記アルコキシ・ポリアルキ
レングリコール・モノ(メタ)アクリレートを5〜50
重量%、塩素化ポリオレフィン樹脂を5〜50重量%、
重合性不飽和基含有ビニル化合物を0〜90重量%の範
囲でグラフト重合せしめてなるものであり、該グラフト
共重合体において、アルコキシ・ポリアルキレングリコ
ール・モノ(メタ)アクリレートが5重量%より少ない
と、得られるバインダー樹脂の親水性が低下するように
なるため、印刷模様層の水面上での延展性が損なわれ、
50重量%より多くなると親水性が著しく大きくなるた
めポリオレフィン系基材に対する付着性が損なわれると
共にプライマーとしたときの貯蔵安定性が悪化するよう
になる。また、塩素化ポリプロピレン樹脂が5重量%よ
り少ないと、ポリオレフィン系基材に対する付着性が低
下し、50重量%より多くなるとバインダー樹脂の疎水
性が強まるため印刷模様層の水面上での延展性が損なわ
れるようになる。また、重合性不飽和基含有ビニル化合
物が90重量%より多くなると、ポリオレフィン系基材
に対する付着性と印刷模様層の水面上での延展性の両特
性が損なわれるようになる。
【0014】上記グラフト共重合体は、一般的には、有
機溶剤溶液とした塩素化ポリプロピレン樹脂に、アルコ
キシ・ポリアルキレングリコール・モノ(メタ)アクリ
レートおよび重合性不飽和基含有ビニル化合物の所定量
を加え、適宜な重合開始剤の存在下、公知の重合法によ
って製造することができる。一例としては、70〜10
0℃で溶液重合するのが好ましく、この場合、重合溶媒
としてはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を主
体とし、必要に応じてシクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルなどを併
用することができる。また、その際に用いられる重合開
始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
オキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機化酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’
−アゾビスイソブチレートなどのアゾ系化合物等が挙げ
られる。
【0015】以上のようにして得られたバインダー樹脂
は、適宜な有機溶剤と混合することによって水圧転写用
プライマーとすることができる。ここにおいて用いるこ
とのできる有機溶剤としては、上記グラフト共重合体を
溶解させることができると同時に、水圧転写シート上に
形成された印刷模様層を溶解(ないし膨潤)させること
ができるものであればいずでも良い。用いることのでき
る有機溶剤の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ミネラルスピリット、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、テトラリ
ン、デカリン、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコ
ール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、
メチルエチルトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、イソホロン、エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコージブチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、および出光興産(株)社
製のスーパゾルシリーズ(商品名)などであり、これら
は1種もしくは2種以上混合して使用できる。
【0016】なお、上記有機溶剤は、水圧転写シート上
の印刷模様層が流動状態を経て転写工程に移るまでの
間、少なくとも転写に適した粘度に保持させる必要があ
り、また、転写後の印刷模様層の乾燥工程においては溶
剤ばなれが良く乾燥し易いことが望ましいので、用いる
有機溶剤の沸点範囲は50〜300℃であるのが好まし
く、特にその一部、好ましくは有機溶剤組成中の5〜3
0重量%は、200〜300℃の高沸点溶剤を含むのが
好ましい。
【0017】上記本発明のバインダー樹脂を用いて水圧
転写シート用プライマーを製造するのに特別な制限はな
い。一般的には上記のグラフト共重合体と有機溶剤と
を、グラフト共重合体5〜50重量%および有機溶剤5
0〜95重量%の範囲で混合することによって得られ
る。
【0018】上記組成によって得られるプライマーは、
そのままでも水圧転写シートの印刷模様層を溶解せしめ
るためのプライマーとして使用できるが、必要に応じて
これにさらに無機質繊維、可塑剤を加えるのが好まし
い。無機質繊維は成形品表面に転写した印刷模様の乾燥
時の塗膜クラックの発生を防止するのに有用であり、可
塑剤は印刷模様層の水面上での延展性を向上させる効果
を与える。
【0019】上記プライマーにおける無機質繊維は、上
記バインダー樹脂100重量部に対して5〜30重量部
の範囲、可塑剤については20〜100重量部の範囲で
用いるのが好ましい。用いることのできる無機質繊維に
ついては特に限定するものではなく、一般的には繊維の
直径で0.5〜1.0μm、繊維長で10〜30μm程
度のものが好ましく、その具体例としては、四国化成工
業(株)社製の商品名アルボレックスYSシリーズおよ
び同Mシリーズなどが挙げられる。また、可塑剤の具体
例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、エ
ポキシ系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ポリエステ
ル系可塑剤などが挙げられる。
【0020】さらに、上記プライマーには、上記グラフ
ト共重合体以外の樹脂(例えば、有機溶剤可溶型の熱硬
化性アクリル樹脂もしくわ熱可塑性アクリル樹脂な
ど)、顔料(例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウ
ム、クレー、バライトなど)、およびその他塗料用途に
おいて公知の種々の添加剤(例えば、分散剤、消泡剤、
界面活性剤など)等を、水圧転写プライマーの特性を損
なわない範囲で加えることは何ら差しつかえない。
【0021】本発明のバインダー樹脂を配合してなるプ
ライマーは、従来の水圧転写方式に利用されているプラ
イマーと全く同様に使用することができる。一例として
は、非水溶性の印刷模様層を有する水溶性もしくは水膨
潤性フィルム(澱粉系フィルム、ポリビニルアルコール
系樹脂フィルム等)の水圧転写シートの印刷模様形成面
に、本発明に係わるプライマーを刷毛塗り、スプレー塗
り、ロールコート、カーテンフローコート、グラビアコ
ートその他の公知の塗布方法で、ウエット塗膜厚10〜
30μm程度となるように塗布し、印刷模様層が流動状
態を呈した段階でこの水圧転写シートを、該シート上の
印刷模様形成層が上面となるように水面に浮かべ、該印
刷模様層が水面上に延展した段階で、成形品をその上方
から水中に押し入れることによって、該成形品の表面に
印刷模様が転写される。かくして転写の終了した成形品
は、水中から取り出し、印刷模様層上に残留する水溶性
シート残留物を水洗除去し、乾燥し、必要ならばさらに
その表面に保護のためのトップコートをおこなうことに
よって、表面印刷模様層によって装飾された成形品が得
られる。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、実施例中の各成分の共重合比ないし混合
比は特にことわりのない限り重量部で示した。
【0023】実施例1 [バインダー樹脂の製造]攪拌機、冷却機およびモノマ
ー滴下装置を備えた1lの四つ口フラスコに、下記表1
に示した組成(A)の各成分を仕込み、攪拌下、内温が
90℃になるまで加温し、さらに90℃で20分間保持
した。次いで組成(B)のモノマー混合物を1時間半に
わたって滴下し、滴下終了後組成(C)の成分を加え、
90℃で3時間保持し重合を終了した。次いでトルエン
を稀釈剤として共重合体溶液の稀釈を行ない、バインダ
ー樹脂溶液V1〜V5、W1およびW2を得た。
【0024】
【表1】
【0025】[プライマーの製造]上記で得た各バイン
ダー樹脂溶液(V1〜V5、W1、W2)を用い、後記
表2に示した組成で各成分を均一に混合して水圧転写シ
ート用プライマーを製造した。
【0026】[プライマーの性能評価]上記で得たプラ
イマーを、印刷模様層の形成された水圧転写シート(P
VAフィルム)の印刷模様層上に、グラビアコート法に
てウエット膜厚で15μmになるように塗布した後、こ
のシートを印刷模様層を上面にして水温30℃の水面に
浮かべ、その上面よりポリプロピレン樹脂成形品を押し
入れ、水面上の印刷模様層を成形品表面に水圧転写し、
しかる後水洗し、次いで80℃で20分間乾燥した。か
くして得られた成形品表面の転写模様について下記の評
価方法で評価し、評価結果を併せて表2に示した。
【0027】(1)延展性:水圧転写シートを水面に浮
かべた時の印刷模様層の延展状態を目視にて観察し、以
下の評価基準で評価する。 ○;模様くずれがなく均一性に優れた状態で延展する ◇;模様くずれがごく僅か認められるが、実用上問題と
ならない程度 △;延展性が不充分で、模様くずれも一部に認められる
【0028】(2)転写性:成形品表面に形成された印
刷模様層の外観を、目視により観察し、以下の評価基準
で評価する。 ○;模様切れがなく、鮮明な印刷模様が形成される ◇;模様切れがごくわずかに発生するが実用上問題とな
らない範囲 △;模様切れが発生、均一な模様の外観が得られない
【0029】(3)付着性;JIS−K−5400、
「8.5.1碁盤目法」により付着性試験(すきま間隔
1mm、ます目の数100)を行ない、以下の評価基準
で評価する。 ○;剥離の痕跡も認められず、付着性極めて良好(10
0/100) ◇;カット面にそって僅かに塗膜の欠けがある程度で付
着性良好(100/100) △;僅かな剥離が認められるが実用上の使用範囲(90
以上/100) ×;剥離が認められる(90未満/100)
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によって提供される水圧転写シー
ト用プライマーのバインダー樹脂は、塩素化ポリプロピ
レンに上記特定のアルコキシ・(ポリ)アルキレングリ
コール・モノ(メタ)アクリレートの特定量をグラフト
重合してなる重合体で構成してなるので、これをバイン
ダー樹脂として含有せしめたプライマーは、従来適用困
難であったポリオレフィン系樹脂成形品、特に付着性を
上げるための表面処理をおこなわないポリオレフィン系
樹脂成形品に対しても、付着性に優れた印刷模様層を形
成することができ、また、バインダー樹脂自体に親水性
が付与されているので、プライマーの有機溶剤組成を疎
水性溶媒で構成した場合であっても、水面上での印刷模
様の延展性が良好であり、模様くずれのない鮮明な転写
模様が形成できるという利点がある。また、本発明のバ
インダー樹脂を用いることによって、水圧転写シート用
プライマーの溶剤組成を必ずしも親水性溶剤で構成する
必要がなく、疎水性溶剤で構成することが可能となった
ことは、該プライマーのコストダウンともなり、実用性
においても優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷模様層を形成せしめた水溶性もしく
    は水膨潤性フィルムからなる水圧転写シートの前記印刷
    模様層形成面に塗布することによって該印刷模様層を溶
    解ないし膨潤させることのできるプライマーのためのバ
    インダーであって、該バインダーが、アルコキシ・(ポ
    リ)アルキレングリコール・モノ(メタ)アクリレート
    5〜50重量%、塩素化ポリプロピレン樹脂5〜50重
    量%および重合性不飽和基含有ビニル化合物0〜90重
    量%からなるグラフト共重合体であることを特徴とする
    水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂。
  2. 【請求項2】 前記アルコキシ・(ポリ)アルキレング
    リコール・モノ(メタ)アクリレートが、アルコキシ・
    ポリエチレングリコール・モノメタクリレートであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水圧転写シート用プライ
    マーのバインダー樹脂。
  3. 【請求項3】 前記塩素化ポリプロピレンが、塩素化率
    15〜50%であることを特徴とする請求項1記載の水
    圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂。
  4. 【請求項4】 前記重合性不飽和基含有ビニル化合物
    が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
    チル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アク
    リル酸−iso−ブチル、(メタ)アクリル酸−ter
    t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
    クリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−
    n−ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、お
    よび(メタ)アクリル酸イソボルニルからなる群から選
    ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    記載の水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂。
JP12012295A 1995-05-18 1995-05-18 水圧転写シート用プライマーのバインダー樹脂 Expired - Fee Related JP3395450B2 (ja)

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