JPH097586A - 電池用極板の製造方法 - Google Patents

電池用極板の製造方法

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JPH097586A
JPH097586A JP7156543A JP15654395A JPH097586A JP H097586 A JPH097586 A JP H097586A JP 7156543 A JP7156543 A JP 7156543A JP 15654395 A JP15654395 A JP 15654395A JP H097586 A JPH097586 A JP H097586A
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Atsushi Furukawa
淳 古川
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Furukawa Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 担持する活物質の利用率が高く、活物質の剥
落に基づく短絡事故も起こさない高容量電池用の極板の
製造方法を提供する。 【構成】 3次元網状構造を有する金属多孔体に活物質
が担持されている電池用極板を製造する際に、金属多孔
体に活物質ペーストを充填したのち活物質ペーストの含
水量が3〜15重量%になるまで乾燥処理をおこなって
極板前駆体4とし、ついで、この極板前駆体4を磁気吸
着能を有する無端ベルト2,2’に固定して搬送しなが
ら、その表面4a,4bに回転ブラシ3,3’を圧接し
てブラッシング処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電池用極板の製造方法に
関し、更に詳しくは、電池に組み込んだときに、担持さ
れている活物質の利用率が高くなり、また表面に付着し
ている余剰活物質の剥落に基づく短絡事故の発生を抑制
することができる電池用極板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル・カドミウム電池やニッケル・
水素電池のようなアルカリ二次電池に正極または/およ
び負極として組み込まれている電極は、通常、電池反応
時の電流を集電するための集電体に所定の活物質を所定
量担持させた構造になっている。
【0003】例えば、ニッケル・水素電池の正極の場
合、従来、ニッケル粉を焼結して成る焼結ニッケル板を
集電体とし、これを例えば硝酸ニッケル水溶液に浸漬し
てその空孔内に前記溶液を含浸させ、ついで水酸化カリ
ウム水溶液に浸漬して前記空孔内に水酸化ニッケルを生
成させるという操作を反復することにより、活物質であ
る水酸化ニッケルを焼結ニッケル板に担持させて極板と
している。また、パンチングニッケルシートを集電体と
し、これに、水酸化ニッケル粉末を主体とする活物質ペ
ーストを塗布して極板にすることも行われている。
【0004】しかしながら、これらの方法で製造された
極板の場合、用いる集電体の空隙率はそれほど大きくな
いので、単位体積当りの活物質の担持量はそれほど多く
ならず、電極としての容量が低く、最近、強く求められ
ている高容量電池の電極としては不充分である。このよ
うなことから、最近では、ニッケル発泡体のような3次
元網状構造を有する金属多孔体を集電体とする電極の開
発が進められている。この金属多孔体は、例えば、ニッ
ケル発泡体の場合、ニッケル骨格と空隙部とから成り、
空隙部を構成している連通孔の孔径は50〜500μm
と大きく、また空隙部の全体に締める体積割合(空隙
率)は、93〜98%程度であるため、前記した集電体
に比べて、活物質をはるかに多く担持することができ
る。
【0005】この金属多孔体を集電体にして、例えばニ
ッケル極板を製造する場合、概ね、次のような方法が採
用されている。まず、正極活物質として機能する水酸化
ニッケルの粉末、更には酸化コバルトの粉末などの所定
量を例えばカルボキシメチルセルロースのような増粘剤
を溶解して成る所定量の水溶液に添加し、全体を撹拌し
て流動性を備えた活物質ペーストを調製する。
【0006】この活物質ペーストの調製に用いられる水
酸化ニッケル粉末などの粉末は、通常、その粒径が1〜
100μm程度のものであり、また、後述する充填操作
を円滑に進めるために、活物質ペーストの含水量は20
〜30重量%にして流動性の確保がなされる。ついで、
この活物質ペーストの所定量を前記したニッケル発泡体
の空隙部に充填して極板前駆体にする。その場合の充填
方法としては、例えば、減圧含浸法、スプレー法、摺動
(刷毛塗り)法や、流速を利用する方法などが適用され
ている。
【0007】その後、この極板前駆体に所定の温度で乾
燥処理を施し、充填されている活物質ペーストを乾燥
し、ついで、全体を例えば所定濃度のPTFEディパー
ジョンに浸漬したのち所望の厚みにまで圧延して極板と
する。しかしながら、上記した方法で製造したニッケル
極板を正極として電池に組み込んだ場合、次のような問
題の発生することがある。
【0008】まず、ニッケル発泡体に活物質ペーストを
充填すると、当該ニッケル発泡体の表面には比較的多量
の活物質ペーストが付着し、乾燥処理後に、それがその
まま残存するということである。このようにして表面に
残存付着している活物質は、ニッケル発泡体の空隙部に
担持されている活物質に比べて当該ニッケル骨格との間
で良好な導通関係を形成していないので、結果として、
電池反応に寄与する活物質として有効に利用されないこ
とになる。すなわち、活物質の利用率の低下が引き起こ
される。
【0009】また、電池の充放電サイクルが進むにつれ
て、ニッケル極板は膨潤傾向を示しはじめるが、そのと
き、表面に付着している活物質が徐々に剥落することが
ある。このような事態が起こると、剥落した活物質がセ
パレータを通って相手極(負極)と接触し、その結果、
短絡事故を引き起こすことがある。
【0010】このような問題の発生を防止するために、
活物質ペーストが充填された極板前駆体に対し、その表
面にブラッシング処理を行って、表面に付着している余
剰の活物質ペーストを除去する方法が提案されている
(特開昭55−87764号公報、特開昭61−147
455号公報を参照)。しかしながら、これらの先行技
術は、いずれも、集電体が焼結ニッケル板であって、前
記したような金属多孔体を用いたものではない。すなわ
ち、活物質は、焼結ニッケル極の空隙部に例えば含浸し
たカドミウム塩をアルカリ処理して当該空隙部に水酸化
カドミウムを生成させることによって担持されているの
であって、金属多孔質に粘稠な活物質ペーストを充填す
ることによって担持させるものではない。
【0011】したがって、これら先行技術に基づいて製
造された電極は、表面に付着している活物質の剥落を起
こしづらいという点では有用であるが、そもそもが活物
質の担持量が少ないため、高容量の電池用電極としては
難点を有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、集電体とし
て3次元網状構造を有する金属多孔体を用い、これに活
物質ペーストを充填して製造した電池用極板における上
記した問題を解決し、電池に組み込んだときに活物質の
剥落がほとんど起こらず、また、金属多孔体に担持され
ている活物質の利用率が高くなる電池用極板を製造する
方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、3次元網状構造を有する金属多孔体に活物質が
担持されている電池用極板を製造する際に、前記金属多
孔体に活物質ペーストを充填したのち前記活物質ペース
トの含水量が3〜15重量%になるまで乾燥処理を行っ
て極板前駆体とし、ついで、前記極板前駆体の表面にブ
ラッシング処理を行うことを特徴とする電池用極板の製
造方法が提供される。とくに、3次元網状構造を有する
金属多孔体に活物質ペーストが充填されている極板前駆
体の表面にブラッシング処理を行うに際し、磁気吸着能
を有する無端ベルトに前記極板前駆体を磁気吸着させて
搬送しながら、前記極板前駆体の表面に、搬送方向と順
方向に回転するブラシを圧接することを特徴とする電池
用極板の製造方法が提供される。
【0014】本発明の方法においては、後述する極板前
駆体を製造する工程(以下、工程Aという)とその極板
前駆体にブラッシング処理を施す工程(以下、工程Bと
いう)とを必須の工程として含んでいる。上記した工程
Aと工程Bが順次行われることによって、本発明におい
ては、金属多孔体に充填された活物質ペーストのうち、
表面に付着していた活物質ペーストが金属多孔体の芯部
にまで押し込まれると同時に余剰の活物質ペーストは金
属多孔体の表面から除去されることになる。その結果、
得られた極板において、単位体積当りの活物質の担持量
は増量して容量が大きくなり、また、活物質が表面から
剥落するということも起こりづらくなる。
【0015】まず、工程Aにおいては、3次元網状構造
を有する金属多孔体に所定の活物質ペーストを充填した
のちそれに乾燥処理を施すことにより、充填されている
活物質ペーストの含水率が3〜15重量%となるように
調製して成る極板前駆体が製造される。金属多孔体とし
ては、3次元網状構造を有する導電性のものであれば何
であってもよく格別限定されるものではないが、その孔
径が50〜500μm程度で空隙率が93〜98%であ
るものが好適である。
【0016】一般に、活物質ペーストを構成する粉末の
粒径は1〜100μm程度のものが用いられているの
で、金属多孔体の孔径が上記した範囲にあるとき、活物
質ペーストは金属多孔体の芯部にまで円滑にかつ多量に
充填させることができるからである。このような金属多
孔体として、例えば、ニッケル発泡体などをあげること
ができる。
【0017】充填される活物質ペーストは、通常、充填
時にあっては含水率が20〜30重量%であって、流動
性を備えている。工程Aにおいては、まず、この流動性
を有する活物質ペーストが金属多孔体に充填される。充
填方法としては格別限定されるものではなく、従来から
行われている方法を適用すればよい。
【0018】ついで乾燥処理が施されて、充填されてい
る活物質ペーストから所定量の水分を除去し、活物質ペ
ーストに粘稠性が付与される。このとき、活物質ペース
トの含水率が3〜15重量%となるように、乾燥処理時
の温度や処理時間が適宜に設定される。含水率が3重量
%未満になると、活物質ペーストはその乾燥が進みすぎ
た状態になり、粘稠性を消失して固くなってしまう。そ
のため、後述する工程Bのブラッシング処理時に、金属
多孔体の表面に付着している活物質ペーストを芯部にま
で押し込むことが困難になる。また、含水率が15重量
%より多い場合は、活物質ペーストはほとんど乾燥して
いない状態であるため、粘稠性が発現していない。その
ため、この場合も、ブラッシング処理時に金属多孔体の
芯部に押し込まれにくく、徒に、表面に存在している活
物質ペーストが掻き落とされるということになってしま
う。
【0019】このように、工程Aでは、上記したように
含水率を調整した状態にある活物質ペーストが充填され
ている極板前駆体が製造される。工程Bでは、この極板
前駆体の表面にブラッシング処理が施される。このブラ
ッシング処理の過程で金属多孔体の表面に存在していた
活物質ペーストは、前記したように適宜な粘稠性を備え
ているので、ブラシによって表面から芯部に押し込めら
れ、また一部は表面から掻き落とされる。
【0020】このときに用いるブラシの主要な働きは、
金属多孔体の表面に付着している活物質ペーストを芯部
に押し込むことである。そして、金属多孔体の連通孔の
孔径は通常50〜500μm程度であることを考え、ま
た、その連通孔から空隙部に活物質ペーストを効果的に
押し込むことを考えると、ブラシを構成するブラシ毛の
直径は0.2〜1mm程度であることが好ましく、また、
ブラシ毛の植設密度は、ブラシ毛をたばねて直径が約5
mm程度にした束を5mm間隔で千鳥状に植毛した状態
であることが好ましい。ブラシ毛の直径が細すぎたり、
また植設密度が小さすぎたりすると、ブラシが活物質ペ
ーストを押し込む作用効果は減退し、逆にブラシ毛が太
すぎたり、植設密度が大きすぎたりすると、活物質ペー
ストを押し込むことよりも表面から掻き落とす作用効果
の方が顕著になるからである。
【0021】このブラッシング処理を行うに当たって
は、極板前駆体の表面に前記したようにブラシを圧接し
てブラッシングすればよい。このとき、あまり強い力で
圧接すると、金属多孔体の骨格を破損するような問題が
起こり、また圧接する力が弱すぎると前記したブラッシ
ング処理の効果が得られないので、通常は、ブラシ毛の
先端が、極板前駆体の厚みとほぼ同じ程度長さの部分で
当該極板前駆体をブラッシングすることが好ましい。
【0022】このブラッシング処理は手動で行ってもよ
いが、次に説明するような装置を用いて行うと、極板前
駆体に対し連続処理を行うことができるので好適であ
る。この装置は、図1で示したように、ローラ1a,1
bに懸架されてこれらローラ間を無限周回する無端ベル
ト2の一方の面2aに前記無端ベルト2の幅と略同じ長
さをした回転ブラシ3が対向して配置され、前記回転ブ
ラシ3のブラシ毛3aは無端ベルト2の面2aと圧接し
ている第1のブラッシング装置Aと、ローラ1'a,1'b
に懸架されてこれらローラ間を無限周回する無端ベルト
2’の一方の面2'bに前記無端ベルト2’と略同じ長さ
をした回転ブラシ3’が対向して配置され、前記回転ブ
ラシ3’のブラシ毛3'aは無端ベルト2’の一方の面
2'bに圧接している第2のブラッシング装置Bとをもっ
て構成されている。そして、第1のブラッシング装置A
における無端ベルト2の一方の面2aと、第2のブラッ
シング装置における無端ベルト2’の一方の面2'bと
は、略同一面を構成している。
【0023】この無端ベルト2,2’は、いずれも、例
えば磁性体粉末をゴムのような材料に分散させて成る柔
軟で可撓性を備えたベルトであって磁気吸着能を有して
いる。すなわち、この無端ベルトに磁性体材料を接触さ
せると、当該磁性体材料はこの無端ベルトに磁気吸着さ
れ、そこに固定される。この装置を用いてブラッシング
処理を行う場合には、まず、第1のブラッシング装置A
の無端ベルト2を矢印p方向に無限周回させ、第2のブ
ラッシング装置Bの無端ベルト2’を矢印p’方向に無
限周回させる。また、第1のブラッシング装置Aの回転
ブラシ3を矢印q方向に、すなわち無端ベルト2の面2
aの移動方向と順方向に回転させ、第2のブラッシング
装置Bの回転ブラシ3’を矢印q’方向、すなわち無端
ベルト2’の面2'bの移動方向と順方向に回転させる。
【0024】この状態で無限周回する無端ベルト2の一
方の面2aに、工程Aで製造した極板前駆体4を載置す
る。金属多孔体を芯体とするこの極板前駆体4は無端ベ
ルト2に磁気吸着され、その面2aに固定された状態で
矢印p方向に搬送される。そして、回転ブラシ3の配置
個所を通過する工程で、図2で示したように、極板前駆
体4の表面4aは、回転ブラシ3のブラシ毛3aでブラ
ッシングされながら、第2のブラッシング装置Bの方へ
移動していく。無端ベルト2の面2aと無端ベルト2’
の面2'bは略同一面をなしているので、第1のブラッシ
ング装置Aで処理された極板前駆体4は、次にブラッシ
ング処理された表面4aが無端ベルト2’の面2'bに順
次磁気吸着されていき、極板前駆体4はブラッシング処
理されていない表面4bを露出させて無端ベルト2’の
面2'bに固定されて矢印p’方向に搬送されていく。
【0025】そして、回転ブラシ3’の配置個所を通過
していくときに、極板前駆体4の表面4bに前記と同様
なブラッシング処理が施される。この装置を用いると、
無端ベルト2の一方の面2aに工程Aで製造した極板前
駆体4を供給するだけで、当該極板前駆体4は自動的に
無端ベルト4に固定されて搬送され、その過程で、自動
的に両方の表面にブラッシング処理が施される。とく
に、この装置は、極板前駆体が短冊状をしているもので
ある場合、その両面ブラッシングに適用して有効であ
る。
【0026】なお、活物質ペーストに酸化コバルト粉末
が含まれている場合には、上記した工程Bの終了後に、
再び乾燥処理を行って、含水率を1重量%以下にするこ
とが好ましい。そのような処理を行うと、得られた極板
を大気中で保存しておくときに、酸化コバルトの酸化を
防止することができ、もって極板の保管時における性能
劣化を抑制することができるからである。
【0027】
【作用】本発明方法によれば、金属多孔体に充填された
活物質ペーストに対し、その含水率が3〜15重量%と
なるような乾燥処理を施して適度な粘稠性を付与して極
板前駆体としたのちに、その極板前駆体の表面にブラッ
シング処理を施すので、表面に付着していた活物質ペー
ストは金属多孔体の芯部にまで押し込まれ、同時に余剰
のものは除去される。
【0028】そのため、得られた極板における活物質の
担持量は多くなってそれを組み込んだ電池は高容量電池
となり、同時に、表面からの活物質の剥落はほとんど起
こらず、そのため、短絡事故の発生は大幅に低減するよ
うになる。
【0029】
【発明の実施例】
実施例1〜6,比較例1〜3 水酸化ニッケル粉末(平均粒径10μm)100重量部
に対し、酸化コバルト粉末(平均粒径4μm)8重量
部、1%カルボキシメチルセルロース水溶液35重量部
とを混合・撹拌して、含水率が24.5重量%の活物質ペ
ーストを調製した。
【0030】一方、孔径が250〜350μmで空隙率
が96%で、長さ210mm、幅90mm、厚み1.1m
mの発泡ニッケル板を用意し、これに、前記した活物質
ペーストを真空含浸法で充填した。ついで、表面に付着
している余分の活物質ペーストをドクターブレードで除
去したのち、表1で示した条件の乾燥処理を行って、各
乾燥条件につきそれぞれ100枚の極板前駆体を製造し
た。
【0031】各極板前駆体の含水率を測定したのち、そ
れぞれを、図1で示した装置にセットして下記の条件下
において両面のブラッシングを行った。 無端ベルト2,2’の送り速度:5m/分 回転ブラシ3:直径0.5mm、長さ25mmのナイロン
製ブラシ毛3aを直径5mmの束に束ね、それを5mm
間隔で千鳥状に植設したもの、 ブラッシング条件:回転ブラシ3のブラシ毛3aの先端
1mmが極板前駆体4の表面に当たるようにして回転ブ
ラシ3を750rpmで回転。
【0032】ブラッシング処理後の表面観察を行った。
ついで、各極板前駆体を、表1で示した条件で再度乾燥
して活物質ペーストの含水率を全て0.5重量%にした。
その後、各極板前駆体を1%PFFEディスパージョン
に浸漬し、温度80℃で乾燥し、厚み0.55mmになる
まで圧延してニッケル極板とした。各ニッケル極板にお
ける活物質の担持量を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】活物質ペーストの含水率が3重量%未満で
ある極板前駆体(比較例1)や、逆に15重量%よりも
多い極板前駆体(比較例2)の場合には、これらにブラ
ッシング処理を施すと、作業現場では粉塵が舞ったり
(比較例1の場合)、活物質ペーストがえぐり取られた
り(比較例2)してニッケル極として不適切になる。こ
のことから、ブラッシング処理は、活物質ペーストの含
水率が3〜15重量%である極板前駆体に適用してはじ
めてその効果を発揮するということがわかる。
【0035】これらのニッケル極板をのうち、実施例1
〜6のニッケル極板を、公知のセパレータ、水素吸蔵合
金電極、アルカリ電解液と組み合わせて、定格容量11
00mAhのAAサイズニッケル・水素電池を各100
個組み立てた。なお、ブラッシング処理の効果を確認す
るために、表1で示した実施例1〜6の極板前駆体にブ
ラッシング処理を施さない場合についても同様の条件で
ニッケル極板を製造し、それらを用いて同様の電池を組
み立てた。
【0036】これらの電池につき、初期活性化処理を行
ったのち、温度20℃において0.2Cで充放電を反復
し、6サイクル後の放電容量を測定して活物質の利用率
を算出した。また、0.2Cで6サイクルの充放電を行っ
たのち、0.2Cで150%の過充電を行い、温度40℃
で10日放置したのち短絡事故の発生個数を調べた。
【0037】以上の結果を表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】表2から明らかなように、含水率が3〜1
5重量%の範囲内で、極板前駆体の活物質ペーストの含
水量が同じであったとしても、ブラッシング処理を施す
と、それを組み込んだ電池の特性は、放電容量、活物質
の利用率の点でいずれも優れており、かつ短絡事故の発
生がゼロになっていて、ブラッシング処理の効果は歴然
となっている。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、集電体に担持される活物質の利用率が高
く、しかも活物質の剥落に基づく短絡事故の発生を大幅
に抑制することができる高容量電池用の電極を製造する
ことができる。これは、集電体として3次元網状構造を
有する金属多孔体を用い、これに充填する活物質ペース
トの含水率を3〜15重量%となるように乾燥処理を行
って極板前駆体とし、その表面にブラッシング処理を行
ったことがもたらす効果である。
【0041】なお、以上の説明は、主として、電池用電
極がニッケル極である場合について行ったが、本発明方
法はそれに限定されるものではなく、例えば、水素吸蔵
合金電極など他の電極に対しても有効に適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラッシング処理で用いる装置例を示
す概略斜視図である。
【図2】図1の装置の概略平面図である。
【符号の説明】
1a,1b,1'a,1'b ローラ 2,2’ 無端ベルト 2a 無端ベルト2の面 2'b 無端ベルト2’の面 3,3’ 回転ブラシ 3a,3'a 回転ブラシ3のブラシ毛 4 極板前駆体 4a,4b 極板前駆体4の表面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元網状構造を有する金属多孔体に活
    物質が担持されている電池用極板を製造する際に、前記
    金属多孔体に活物質ペーストを充填したのち前記活物質
    ペーストの含水量が3〜15重量%になるまで乾燥処理
    を行って極板前駆体とし、ついで、前記極板前駆体の表
    面にブラッシング処理を行うことを特徴とする電池用極
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属多孔体の孔径が50〜500μ
    mである請求項1の電池用極板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ブラッシング処理後に更に乾燥処理
    を行って、前記活物質ペーストの含水量を1重量%以下
    にする請求項1の電池用極板の製造方法。
  4. 【請求項4】 3次元網状構造を有する金属多孔体に活
    物質ペーストが充填されている極板前駆体の表面にブラ
    ッシング処理を行うに際し、磁気吸着能を有する無端ベ
    ルトに前記極板前駆体を磁気吸着させて搬送しながら、
    前記極板前駆体の表面に、搬送方向と順方向に回転する
    ブラシを圧接することを特徴とする電池用極板の製造方
    法。
JP7156543A 1995-06-22 1995-06-22 電池用極板の製造方法 Pending JPH097586A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101329073B1 (ko) * 2012-07-16 2013-11-14 주식회사 엠플러스 이차 전지용 극판 스태킹 장치

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KR101329073B1 (ko) * 2012-07-16 2013-11-14 주식회사 엠플러스 이차 전지용 극판 스태킹 장치
WO2014014196A1 (ko) * 2012-07-16 2014-01-23 (주)엠플러스 이차 전지용 극판 스태킹 장치

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