JPH0975084A - 改変シクロデキストリン合成酵素及びその 製造法並びに該酵素を用いたシクロデキス トリンの製造法 - Google Patents

改変シクロデキストリン合成酵素及びその 製造法並びに該酵素を用いたシクロデキス トリンの製造法

Info

Publication number
JPH0975084A
JPH0975084A JP25450595A JP25450595A JPH0975084A JP H0975084 A JPH0975084 A JP H0975084A JP 25450595 A JP25450595 A JP 25450595A JP 25450595 A JP25450595 A JP 25450595A JP H0975084 A JPH0975084 A JP H0975084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cgtase
cyclodextrin
modified
amino acid
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25450595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3809472B2 (ja
Inventor
Hiroko Ito
裕子 伊藤
Ikuo Matsui
郁夫 松井
Kazuhiko Ishikawa
一彦 石川
Takashi Hirano
隆 平野
Kuniaki Hosono
邦昭 細野
Hiroaki Takagi
広明 高木
Akimitsu Tanaka
昭光 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Higeta Shoyu Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Higeta Shoyu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Higeta Shoyu Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP25450595A priority Critical patent/JP3809472B2/ja
Publication of JPH0975084A publication Critical patent/JPH0975084A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3809472B2 publication Critical patent/JP3809472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 Cyclomaltodextrin glucanotransferase
(CGTase)のA領域の活性中心であるチロシン(Ty
r)(Bacillus macerans由来のCGTaseの場合、100
位のTyr)を他のアミノ酸(Trp、Phe、Le
u、Asn)に置換した新規改変CGTase。 【効果】 改変CGTaseを基質(澱粉)に作用させると、
α−シクロデキストリン含有量が非常に高い反応生成物
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改変シクロデキス
トリン合成酵素(CGTase : Cyclomaltodextrin glucano
transferase)及びその製造法並びに該改変CGTaseを用
いたシクロデキストリン(CD:cyclodextrin)の製造
法に関する。さらに詳しくは、バチルス・マセランス
(Bacillus macerans)由来のCGTaseのアミノ酸配列
中、N末端から100位のチロシン(Tyr)を他のア
ミノ酸に置換した改変CGTaseに関する。また、他のCGTa
seにおいても、バチルス・マセランス由来の該酵素の1
00位の位置のTyrに相当するTyrを他のアミノ酸
に置換した改変CGTaseに関する。
【0002】更にまた、本発明は、該改変CGTaseのアミ
ノ酸配列をコードする遺伝子をバチルス(Bacillus)属
細菌に形質転換し、該形質転換体を培養することによ
り、該改変CGTaseを培養物中に生成、蓄積せしめ、これ
を採取することを特徴とする該改変CGTaseの製造法に関
する。さらに該改変CGTaseを澱粉などの基質に作用せし
め、α−CD含有量の非常に高い反応液よりCDを採取
することを特徴とするCDの製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】CGTaseは、α−1,4グリコシド結合の
みを加水分解するα−アミラーゼの一種であり、澱粉を
分解し分子内糖転移により、環状多糖類であるシクロデ
キストリン(CD)を生成する酵素である。現在まで
に、バチルス(Bacillus)属、クレブシーラ(Klebsiel
la)属及びミクロコッカス(Micrococcus)属に属する
細菌がCGTaseを生産することが報告されている。
【0004】CGTaseの作用によって澱粉から生成される
α−CD、β−CD及びγ−CDは、それぞれ6、7及
び8個のグルコース残基がα−1,4結合により環状構
造をとったホモ・オリゴ糖であり、いずれのCDも環状
構造の空隙にゲストとなる疎水性の様々な物質を保持し
て安定な包接化合物を形成し、親水性を与える。CDは
この包接機能を有するため、揮発性物質の安定化、酸化
防止、特異臭の除去、苦味の抑制、乳化作用、潮解性物
質の安定化、物質の溶解性の変化などの目的で、食品、
薬品、化粧品その他の産業において広く利用されてい
る。
【0005】従来のα−CD、β−CD及びγ−CDの
製造は、バチルス属などの微生物由来のCGTaseを澱粉な
どの基質に作用させ、α−、β−、γ−CDの混合溶液
を得た後、その後の結晶化やクロマトなどによる分離に
よって各々のCDに分画、分取していた。しかしこの方
法では、純度の高い各々のCDを得るために複数回のク
ロマトを適用する必要があるなど分取に時間と労力が必
要で、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】また特異性の高いCGTaseを使用して、特定
のCDを効率よく生産する方法も行われている。例え
ば、生成するCDの約50%がα−CDであるバチルス・
マセランス(Bacillus macerans)の生産する比較的α
−CDを高率に生産するCGTaseを使用することにより、
ある程度選択的にα−CDを調製することができる。し
かし、この方法もいまひとつCD生成の選択性が低く、
混在するCDからα−CDを分離・精製する必要がある
という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような問題点を解決して、CDを効率よく製造すること
であって、先ず、特定のCDを特異的に生産するCGTase
を新たに開発することを目的として設定した。
【0008】しかして、CGTase分子はA、B、C及びD
領域から構成され(化学と生物 31, 112-120 (199
3))、現在までに報告されている由来の異なるCGTase間
のアミノ酸配列は、互いに60%以上の相同性を有して
いることが知られている。A領域は、澱粉に結合して分
解する活性を有する領域である。バチルス・マセランス
由来のCGTase(Takano, T. et. al., J.Bacteriol., 16
6, 1118-1122(1986))のN末端から100番目のA領域
に属するアミノ酸はチロシン(Try100)である
が、この100番目のアミノ酸はA領域の活性中心を構
成しており、CGTaseの活性の発現に重要な役割を果たし
ていると考えられる。
【0009】そこで、上記バチルス・マセランス由来の
CGTase遺伝子のTyr100領域を遺伝子工学的に他の
アミノ酸に改変すれば、CGTaseの酵素としての性質が変
化し、特定CDを特異的に生成する性質を有するCGTase
を得ることができるとの考えにはじめてたち、改変CGTa
seの開発という技術課題をはじめて創設した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、本発明者らは、特
定CDの生成率の高いCGTaseを得るために、バチルス・
マセランスのCGTaseのA領域のTyr100に注目し、
鋭意検討を行った。その結果、Tyr100をTrp、
Phe、LeuまたはAsnに置換した改変CGTaseがα
−CDを特異的に生成することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、バチルス・マセラン
ス由来のCGTaseのTyr100をTrp、Phe、Le
u、またはAsnに置換した、α−CDを特異的に生成
する改変CGTaseに関するものである。また更に、バチル
ス・マセランス由来のCGTaseのみでなく、他のすべての
CGTaseにおいても、同菌由来の酵素のN末端から100
位の位置のTyrに相当するTryについて、これを他
のアミノ酸に置換しても、α−CDを特異的に生成する
改変CGTaseを創製することができ、本発明は、これらす
べての新規な改変CGTaseを包含するものである。
【0012】また本発明は、該改変CGTaseのアミノ酸配
列をコードする遺伝子をバチルス属細菌に形質転換し、
該形質転換体を培養することによる改変CGTaseの製造法
に関する。さらに該改変CGTaseを澱粉などの基質に作用
せしめ、反応液よりCDを採取することを特徴とするC
Dの製造法に関する。
【0013】本発明においては、CGTaseであればすべて
のものが改変に供することが可能であって、バチルス・
マセランス由来のCGTaseも有利に使用することができ、
例えば、下記表1、表2、表3、表4で示される配列表
の配列番号1に示されるところの、バチルス・マセラン
ス IAM 1243(Bacillus macerans IAM 1243:
Takano, T. et. al., J.Bacteriol., 166, 1118-1122(1
986))のCGTaseが好適に使用できる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】また、B. maceransのほか、B. lichenifor
mis (Nucleic Acids Res., 18, 199 (1990))、B. ohben
sis (Appl. Microbiol. Biotechnol., 35, 600-605(199
1))、B. circulans (J. Mol. Biol., 236, 590-600 (19
94))、B. sp. #1011 (J. Bacteriol., 169, 4399-4402
(1987))、B. sp. #1018 (Biochem. Biophys. Res. Comm
un., 166, 630-638 (1990))、B. stearothermophilus
(Appl. Microbiol. Biotechnol., 58, 4018-4025(199
1))、その他バチルス属菌由来のCGTaseも、本発明にお
いて広く改変に供することができる。
【0019】本発明を実施するには、バチルス・マセラ
ンス由来のCGTaseのA領域の活性中心、Tyr100を
他のアミノ酸に置換する必要があり、例えば配列番号1
に示されるCGTaseの100位のTyrを他のアミノ酸に
置換すればよい。
【0020】また、バチルス・マセランス以外のすべて
の菌由来のCGTaseについても、例えば図1に示すよう
に、バチルス・マセランスの100位の位置のTyrに
相当するTyrが存在しており、このTyrを他のアミ
ノ酸に置換すればよい。このように、CGTaseであれば、
由来を問わず、すべての酵素を本発明の改変に供するこ
とができる。
【0021】CGTaseにおいて、Tyr100(又はそれ
に相当するTyr)を他のアミノ酸に置換するには、化
学的手法、生物学的手法、遺伝子工学的手法その他各種
の方法が適宜利用可能である。
【0022】これらのうち、遺伝子工学的手法による置
換は、例えば次のようにして行う。先ず、CGTaseをコー
ドする遺伝子を調製しなければならないが、CGTaseをコ
ードする遺伝子は公知の方法で得ることが出来る。例え
ばCGTaseを生産するバチルス・マセランスからCGTaseを
コードする遺伝子をクローニングすることによって得る
ことが出来る。例えばバチルス・マセランス IAM1
243からSaito、Miuraの方法(Saito, H., and Miur
a, K., Biochem. Biophys. Acta., 72, 639(1964))に
よって染色体DNAを取り出したのち、既知の上記CGTa
seのシークエンスを基に作製したプライマーを用いて、
PCRにてCGTase遺伝子を増幅すればよい。
【0023】CGTaseの改変は、CGTaseをコードする遺伝
子を部位特異的変異(Site-Directed Mutagenesis)な
どの方法で改変することによって行うことができる。例
えば、CGTase分子中のN末端から100番目のTyrを
コードする塩基配列を、他のアミノ酸をコードする塩基
配列に改変した合成DNAをプライマーとし、CGTase遺
伝子を鋳型としてPCRを行えば、目的とする100番
目のTyr部分のみが改変した改変CGTase遺伝子を得る
ことが出来る。
【0024】このようにして得た改変CGTase遺伝子をベ
クターに挿入し、該ベクターで宿主菌を形質転換すれ
ば、改変CGTaseを生産する形質転換体を得ることが出来
る。
【0025】改変遺伝子を挿入するベクターとしては、
宿主微生物で自律的に増殖し得るファージまたはプラス
ミドが適している。例えばプラスミドはpNH400
(J.Bacteriol., 177, 745-749(1995))、pNU200
(鵜高重三、日本農芸化学会誌、61、669(1987))、p
HY700(Biosci, Biotech, Biochem., 56, 812-813
(1992))、pHT110(特開平6-133782)やこれらの
派生体などが使用できる。プラスミドを構築する方法と
しては、公知の方法が適宜用いられ、例えばMolecular
cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harber L
aboratory(1982)に記載の方法などが例示される。
【0026】改変CGTase遺伝子を組み込んだ発現ベクタ
ーで形質転換する微生物としては、ベクター、プロモー
ターが発現可能なバチルス属細菌であれば何れでもよ
く、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)などが使
用できるが、特に好適にはバチルス・ブレビスHPD3
1(本菌株はバチルス・ブレビスH102(FERMB
P−1087)と同一菌株である。)が使用される。
【0027】宿主にプラスミドを導入する方法として
は、公知の方法、例えば、トリス−PEG法(J. Bacte
riol., 156, 1130-1134(1983))やエレクトロポレーシ
ョン法(Agric, Biol. Chem., 53, 3099-3100(1989))
などが適用できる。CGTaseを生産する形質転換体の選択
は、澱粉を含むプレート上で、コロニーの周りが透明に
なるかどうか(澱粉が分解された際生じるハロ)を確認
して行うことができる。
【0028】得られた形質転換体の培養に用いる培地
は、形質転換体が生育して目的とする改変CGTaseを生産
しうるものであれば如何なる培地でもよい。例えば培地
の炭素源としては、グルコース、シュークロース、グリ
セロール、澱粉、デキストリン、糖蜜、廃糖蜜、有機酸
などが用いられる。また窒素源としては、カゼイン、ペ
プトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸、グリシン
などの有機窒素源、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源などが用いられ
る。その他、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸
二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの
無機塩が必要に応じて培地に加えられる。栄養要求性を
示す菌はその生育に必要な栄養物質を培地に添加すれば
よい。該栄養物質としては、アミノ酸類、ビタミン類、
核酸などが挙げられる。
【0029】また、培養に際して必要があれば、培地に
抗生物質例えば、ペニシリン、エリスロマイシン、クロ
ラムフェニコール、バシトラシン、D−サイクロセリ
ン、アンピシリン、ネオマイシンなどを加える。更に必
要により、消泡剤例えば大豆油、ラード油、各種界面活
性剤などを加えてもよい。
【0030】培地の初発pHは5.0〜9.0、さらに
好ましくは6.5〜7.5である。培養温度は通常15
℃〜42℃、さらに好ましくは24℃〜37℃であり、
培養時間は通常16〜166時間、さらに好ましくは2
4〜96時間である。
【0031】本発明では、形質転換体を前記の条件で培
養することによって、培養物中に改変CGTaseが生成、蓄
積される。このようにして得られた改変CGTaseは、公知
の方法により、例えば膜処理、硫安分画法、クロマトグ
ラフィーなど(蛋白質・核酸の基礎実験法、南江堂、
(1985))で精製することができる。
【0032】精製された各種の改変CGTaseの澱粉分解能
の分析は、可溶性澱粉を基質として、酵素液を加えて反
応後、ヨード液で反応を停止させ吸光度(OD550)
を測定することによって行えばよい。また、精製された
改変CGTaseの反応生成物の分析は、可溶性澱粉を基質に
し、酵素液を加えて37℃で反応させ、煮沸にて反応を
停止させた後、生成したCDをHPLCで分析すること
によって行うことができる。
【0033】また本発明の改変CGTaseを澱粉などの基質
溶液に作用させてCD含有溶液を得、このCD溶液から
HPLCなどの方法によって各種CDに分画することに
よって各種のCDを得ることができる。
【0034】以下本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、これは例示的なものであり、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0035】
【実施例1】 発現ベクター(pNH400CG)の構築 Takanoらによって明らかにされているバチルス・マセラ
ンスのCGTaseのDNAシークエンス(J.Bacteriol., 16
6, 1118-1122(1986))を基にPrimerを作製し、バチルス
・マセランスIAM1243の染色体よりCGTase遺伝子
を増幅した。次に増幅した遺伝子を制限酵素NcoI及びBa
mHIで処理し、0.8%アガロースゲル電気泳動を行
い、2kbのCGTase断片をゲルからGene clean(Bio101社
製、 USA)を用いて回収した。
【0036】プラスミドpNH400(J.Bacteriol., 177, 74
5-749(1995))を、BamHIで処理後NcoIで部分分解し、pN
H400のMWP由来のシグナルペプチド上のNcoIが切断さ
れている4.1kb断片をアガロースゲルより回収し、
先に得たCGTase遺伝子断片とT4DNAリガーゼを用い
て連結し、CGTase遺伝子を保有するプラスミドpNH400CG
を構築した。次に、pNH400CGを用いてバチルス・ブレビ
スHPD31(FERM BP−1087)をエレクト
ロポレーション法(Agric, Biol. Chem., 53,3099-3100
(1989))により形質転換した。形質転換体からのCGTase
生産株の選択は3%澱粉を含むT2プレート培地(澱粉
3%、ペプトン1%、肉エキス0.5%、酵母エキス
0.2%、グルコース1%、ネオマイシン60μg/m
l、寒天1.5%、pH7.0)で、コロニーの周りが
透明になるかどうか(澱粉が分解された際生じるハロ)
を確認することによって行い、CGTaseを生産する形質転
換体を得た。
【0037】部位特異的変異及び改変CGTase遺伝子を
保有する発現ベクターの構築 Tyr100をTrp、Phe、Leu、Asnに置換
させるためpNH400CG上のCGTase遺伝子を2断片に分け増
幅した(N末端側の断片をFragment N、C末端側の断片
をFragment Cと呼ぶ)。
【0038】Fragment N(0.3kb)の増幅には、表
5で示される配列表の配列番号2に示されるPrimer N
と、表7で示される配列番号4に示されるPrimer YCを
用いた。また、Fragment C(1.8kb)の増幅には、
表6で示される配列番号3に示されるPrimer Cと、表8
で示される配列番号5に示されるPrimer YNW、表9で示
される配列番号6に示されるPrimer YNF、表10で示さ
れる配列番号7に示されるPrimer YNL及び表11で示さ
れる配列番号8に示されるPrimer YNNを用いた。(図
2)
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】Tyr100は、4種のPrimer YNW、YN
F、YNL及びYNNにより、各々Trp、Phe、Leu及
びAsnに置換した。Tyr100が正しく置換されて
いることは、DNAのシークエンスを行って確認した。
【0047】得られたFragment NをNcoI、BspEIでFragm
ent CをBspEI、BamHIでそれぞれ処理した後、のpNH40
0CG構築時と同様の方法でプラスミドpNH400に挿入し、
改変CGTaseをコードする遺伝子を保持するプラスミドpN
H400CGY100W、pNH400CGY100F、pNH400CGY100L、pNH400C
GY100Nを得た。ここで得た各々のプラスミドでバチルス
・ブレビス HPD31(FERMBP−1087)を
と同じ方法で形質転換し、改変CGTaseを生産する形質
転換体を得た。
【0048】Wild Type(バチルス・マセランス I
AM1243のCGTase)及び改変CGTaseの発現・精製 及びで得た各々の形質転換体を、オートクレーブ滅
菌した2SL培地(ペプトン4%、酵母エキス0.5
%、グルコース2%、FeSO4・7H2O 0.001
%、MnSO4・4H2O 0.0001%、ZnSO4
・7H2O 0.0001%、ネオマイシン60μg/
ml、pH7.2)100mlを含む500ml容三角
フラスコに植菌し、30℃、3日間振とう培養した。各
々のCGTase(バチルス・マセランス IAM1243の
CGTase(Wild Type)、Trp改変CGTase、Phe改変C
GTase、Leu改変CGTase及びAsn改変CGTase)の培
養液中ヘの生産量はいずれも約1g/Lであった。
【0049】培養終了後、各々の培養液から遠心分離で
菌体を除いた培養上清に50%飽和になるように硫酸ア
ンモニウムを加え、生成したCGTaseを沈澱させた。沈澱
を遠心分離にて回収して、酢酸緩衝液(50mM酢酸ナ
トリウム、1mMCaCl2、pH6.0)に溶解後、
同緩衝液で透析した。溶解したCGTaseを上記と同じ酢酸
緩衝液にて平衡化させたDEAE-Toyopearl 650Mカラムに
吸着させた後、塩化ナトリウム0M〜0.2Mまでの直
線濃度勾配により溶出させ、CGTase画分を回収した。回
収したCGTase画分に最終塩濃度4M〜0Mになる様に塩
化ナトリウムを加え、4M塩化ナトリウムを含む酢酸緩
衝液にて平衡化させたphenyl-Toyopearl650Mカラムに吸
着させ、塩化ナトリウム濃度4Mからの直線逆濃度勾配
にてCGTaseを溶出させ、CGTase画分を回収した。回収し
たCGTase画分を酢酸緩衝液を用いて透析して、Wild typ
e CGTase、Trp改変CGTase、Phe改変CGTase、Le
u改変CGTase及びAsn改変CGTaseの精製物を得た。
【0050】改変CGTaseの反応生成物の分析 で得たWild Type及び各々の改変CGTaseの酵素液35
0μl(CGTaseを4mg/mlで含む50mM酢酸緩衝
液、pH6.0)に、0.4%可溶性澱粉を含む酢酸緩
衝液100μlを加え、37℃で反応を行った。反応開
始20分経過後にサンプリングを行い、直ちに100℃
で5分間煮沸し、反応を停止させた。反応停止後、反応
液をフィルター濾過し(0.02μm)、生成したCD
をHPLC(カラム:TSK−GEL ODS−80T
s、粒径5μm、径4.6mm×長さ250mm(東ソ
ー社製)、緩衝液:メタノール/水(12/88)、流
速:1.0ml/min、検出器:示差屈折計)にて分
析した。
【0051】図3に(1)α−CD、β−CD及びγ−
CDの標準品を混合したスタンダード溶液、(2)澱粉
溶液にWild Type CGTaseを20分間作用させた時の反応
液、(3)澱粉溶液にLeu改変CGTaseを20分間作用
させた時の反応液のHPLC分析のパターンを示した。
【0052】またこのときの生成された総CD量に対す
るα−、β−、γ−CDの生成比率を表12に示した。
Wild Type CGTaseは、α−CD53%、β−CD34
%、γ−CD13%である。これに対していずれの改変
CGTaseもα−CDの生成比率が高くなっている。この様
にCGTaseのTyr100の改変はα−CD生成率を増加
させ、特にLeu改変CGTaseにおいてその傾向は顕著に
現れた。
【0053】
【表12】
【0054】改変CGTaseを用いたCDの製造 で得たLeu改変CGTase1.5g、を0.4%可溶性
澱粉溶液/50mM酢酸緩衝液(pH6.0)100m
lに添加し、40℃にて30分間反応させた後、煮沸し
て酵素を失活させた。この反応液をフィルター濾過
(0.02μm)したのち、HPLC(カラム:TSK
−GEL ODS−80Ts、粒径5μm、径4.6m
m×長さ250mm(東ソー社製)、緩衝液:メタノー
ル/水(12/88)、流速:1.0ml/min、検
出器:示差屈折計)にてα−CD画分を分取した。本画
分のα−CDの純度は95%であり、HPLCによる1
回の分画のみで高純度のα−CDを得ることが出来た。
【0055】
【発明の効果】本発明によって改変CGTaseの製造がはじ
めて可能となった。本改変CGTaseは従来未知の新規酵素
であって、本酵素を澱粉等の基質に作用させると、特に
α−CD含有量が非常に高いCDが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種菌株由来CGTaseのA領域におけるチロシン
残基前後のアミノ酸配列を示す。
【図2】CGTase遺伝子の2断片(Fragment A、B)の増
幅を示す。
【図3】3種類のサンプルについてのHPLC分析パタ
ーンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (72)発明者 松井 郁夫 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 石川 一彦 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 平野 隆 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 細野 邦昭 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 高木 広明 茨城県鹿島郡波崎町7707番8号 (72)発明者 田中 昭光 千葉県銚子市飯沼町8番6号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリン合成酵素のA領域の
    活性中心を構成するチロシンが他のアミノ酸に置換され
    た改変シクロデキストリン合成酵素。
  2. 【請求項2】 バチルス・マセランス由来のシクロデキ
    ストリン合成酵素のN末端から100位の位置のチロシ
    ンに相当するチロシンが他のアミノ酸に置換された請求
    項1に記載の改変シクロデキストリン合成酵素。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1のアミノ酸配列で示
    され、100位のチロシンが他のアミノ酸に置換された
    改変シクロデキストリン合成酵素。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1のアミノ酸配列で示
    され、100位のチロシンがトリプトファン、フェニル
    アラニン、ロイシンまたはアスパラギンに置換され、α
    −シクロデキストリンを特異的に生成することを特徴と
    する改変シクロデキストリン合成酵素。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    改変シクロデキストリン合成酵素のアミノ酸配列をコー
    ドする遺伝子をバチルス属細菌に形質転換し、該形質転
    換体を培養することにより、該改変シクロデキストリン
    合成酵素を培養物中に生成、蓄積せしめ、これを採取す
    ることを特徴とする改変シクロデキストリン合成酵素の
    製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    改変シクロデキストリン合成酵素を基質に作用せしめ、
    反応液よりシクロデキストリンを採取することを特徴と
    するシクロデキストリンの製造法。
JP25450595A 1995-09-07 1995-09-07 改変シクロデキストリン合成酵素及びその製造法並びに該酵素を用いたシクロデキストリンの製造法 Expired - Lifetime JP3809472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25450595A JP3809472B2 (ja) 1995-09-07 1995-09-07 改変シクロデキストリン合成酵素及びその製造法並びに該酵素を用いたシクロデキストリンの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25450595A JP3809472B2 (ja) 1995-09-07 1995-09-07 改変シクロデキストリン合成酵素及びその製造法並びに該酵素を用いたシクロデキストリンの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0975084A true JPH0975084A (ja) 1997-03-25
JP3809472B2 JP3809472B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=17265994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25450595A Expired - Lifetime JP3809472B2 (ja) 1995-09-07 1995-09-07 改変シクロデキストリン合成酵素及びその製造法並びに該酵素を用いたシクロデキストリンの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3809472B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109307682A (zh) * 2018-11-21 2019-02-05 常州大学 一种基于二元自组装识别苯丙氨酸对映体的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109307682A (zh) * 2018-11-21 2019-02-05 常州大学 一种基于二元自组装识别苯丙氨酸对映体的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3809472B2 (ja) 2006-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2113551A1 (fr) Levures recombinantes hautement stables pour la production de proteines recombinantes
JPH04228079A (ja) セファロスポリン・アセチルハイドロラーゼ遺伝子および該遺伝子にコードされるタンパク質
US5795738A (en) Engineered peptide synthetases and their use for the non-ribosomal production of peptides
US5474917A (en) Modified cyclodextrin glycosyltransferases for producing γ-cyclodextrins
JPH084515B2 (ja) 有機化合物の製造方法
AU784466B2 (en) Cyclic depsipeptide synthases, genes thereof and mass production system of cyclic depsipeptide
JP3809472B2 (ja) 改変シクロデキストリン合成酵素及びその製造法並びに該酵素を用いたシクロデキストリンの製造法
IE920659A1 (en) Method of producing d-ribose
JPH0358787A (ja) Dnaおよびその用途
JP5754682B2 (ja) D−,l−ペプチドの立体選択的合成法
JP4162383B2 (ja) ホモグルタミン酸の生産に関与する遺伝子およびその使用
CA1335183C (en) Polypeptide possessing cyclomaltodextrin glucanotransferase activity
Skvortsova et al. Novel extracellular ribonuclease from Bacillus intermedius—Binase II: purification and some properties of the enzyme
JPH1033187A (ja) CGTアーゼ、突然変異CGTアーゼ遺伝子の製法、CGTアーゼをコードするDNA−配列、γ−CGTアーゼの製法、γ−CDの製法
CN112912504B (zh) 麦芽三糖生成淀粉酶
AU716408B2 (en) Novel HS gene, expression plasmid in which HS gene is ligated downstream of structural gene encoding foreign gene PR product, and process for producing foreign gene product using transformant containing the expression of plasmid
CN113957025B (zh) 一种过表达bshCBA基因的地衣芽孢杆菌及其应用
WO2020213374A1 (ja) ペルオキシダーゼの組換え生産
JP5528013B2 (ja) アルカリプロテアーゼ高生産菌
JPH09505989A (ja) 菌類からのα‐1,4‐グルカンリアーゼ、その精製、遺伝子クローニングおよび微生物での発現
JP3060019B2 (ja) マルトテトラオース生成酵素遺伝子を含有するプラスミド及び該プラスミドを有する微生物並びに該微生物を用いるマルトテトラオース生成酵素の製造法
JP2007228926A (ja) グリオキシル酸製造用酵素及びそれを用いたグリオキシル酸の製造方法
JP4997420B2 (ja) 変異微生物
JP3795279B2 (ja) ムレ臭減感ないし非感納豆
JP2024531706A (ja) ポリオールまたは粘液性高分子の生産能が調節された組換え微生物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060329

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090602

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term