JPH0975066A - 微生物の培養法 - Google Patents

微生物の培養法

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JPH0975066A
JPH0975066A JP22992295A JP22992295A JPH0975066A JP H0975066 A JPH0975066 A JP H0975066A JP 22992295 A JP22992295 A JP 22992295A JP 22992295 A JP22992295 A JP 22992295A JP H0975066 A JPH0975066 A JP H0975066A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ラクトバチルス・カセイ・サブスピーシ
ーズ・カセイ(Lactobacs casei subsp. casei)、ラク
トバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラク
トバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantaru
m)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacill
us alimentarius)及びサッカロミセス・セレビシエ(S
accharomyces cerevisiae)を、ジャガイモ、りんご、
人参、飯米、糖、小麦粉、塩及び水を含む培地を用いて
培養することを特徴とする微生物の培養法。 【効果】 漬物の製造等に有用な5種類の微生物、ラク
トバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lact
obacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・ブ
レビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・プ
ランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチ
ルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentariu
s)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)を一括して培養することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漬物の製造等に有
用な微生物群の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラクトバチルス・カセイ・サブスピーシ
ーズ・カセイ(Lactobacillus caseisubsp. casei)、
ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、
ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus planta
rum)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobaci
llus alimentarius)及びサッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)は、それぞれ単独で培養
して種々の用途に用いることは、従来より行われてい
る。
【0003】しかしながら、上記5種類の微生物を一度
にまとめて混合菌の形で培養する方法は知られておら
ず、ましてやこれら5種類の微生物の組み合わせが、漬
物の製造等に有用であることは知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ラク
トバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lact
obacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・ブ
レビス(Lactobacillusbrevis)、ラクトバチルス・プ
ランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチ
ルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentariu
s)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)を一括して培養する方法を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、ジャガイモ、りんご、人参、飯
米、糖、小麦粉、塩及び水を含む培地を用いれば、ラク
トバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lact
obacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・ブ
レビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・プ
ランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチ
ルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentariu
s)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)を一度にまとめて混合菌の形で培養するこ
とができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、ラクトバチルス・カセイ
・サブスピーシーズ・カセイ(Lactobacillus casei su
bsp. casei)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacil
lusbrevis)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactoba
cillus plantarum)、ラクトバチルス・アリメンタリウ
ス(Lactobacillus alimentarius)及びサッカロミセス
・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を、ジャガ
イモ、りんご、人参、飯米、糖、小麦粉、塩及び水を含
む培地を用いて培養することを特徴とする微生物の培養
法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
培養法において使用する微生物は、ラクトバチルス・カ
セイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lactobacillus case
i subsp. casei)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactob
acillus brevis)、ラクトバチルス・プランタラム(La
ctobacillus plantarum)、ラクトバチルス・アリメン
タリウス(Lactobacillus alimentarius)及びサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であ
るが、ラクトバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カ
セイ(Lactobacillus casei subsp. casei)に属する微
生物としては、例えば47072470−分離菌a株が挙げら
れ、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevi
s)に属する微生物としては、例えば47072470−分離菌
b株が挙げられ、ラクトバチルス・プランタラム(Lact
obacillus plantarum)に属する微生物としては、例え
ば47072470−分離菌c株が挙げられ、ラクトバチルス・
アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)に属
する微生物としては、例えば47072470−分離菌d株が挙
げられる。
【0008】これら微生物47072470−分離菌a株〜d株
の菌学的性質は次の通りである。 ──────────────────────────────────── 菌学的性質 a株 b株 c株 d株 ──────────────────────────────────── 形 態 桿 菌*1 桿 菌*2 桿 菌*3 桿 菌*4 グラム染色性 + + + + 胞子 − − − − 運動性 − − − − 酸素に対する態度 通性嫌気性 通性嫌気性 通性嫌気性 通性嫌気性 カタラーゼ − − − − 生成乳酸 L DL DL L グルコースからのガス生成 − + − − グルコネイトからのガス生成 + + + + 15℃での生育 + + + + 45℃での生育 − − − − 糖の発酵性 アミグダリン + − + + アラビノース − + − − セロビオース + − + + エスクリン + − + + フラクトース + + + + ガラクトース + + + + グルコース + + + + グルコネイト + + + 微 弱 ラクトース + − + − マルトース + + + + マンニトール + +*5 + − マンノース + − + + メレチトース + − + +*5 メリビオース − + + − ラフィノース − − + − ラムノース − − − − リボース + + + + サリシン + − + + ソルビトール + − + − シュークロース + + + + トレハロース + − + + キシロース − + − − 菌体内DNAのGC含量(モル%)*6 44 44 42 39 ──────────────────────────────────── *1:図1に示す。
【0009】*2:図2に示す。 *3:図3に示す。 *4:図4に示す。 *5:非典型性状 *6:HPLC法によった。 また、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces ce
revisiae)に属する微生物としては、例えば47072470−
分離酵母株が挙げられる。この微生物47072470−分離酵
母株の菌学的性質は次の通りである。 ──────────────────────────────────── 項 目 菌学的性質 ──────────────────────────────────── 栄養細胞の形態 卵形〜楕円形 増殖形式 多極出芽 液体培養 沈殿は認めるが、皮膜の形成は認めない(25℃,3日間) 偽菌糸 未発達な偽菌糸を形成する(25℃,3日間) 子嚢胞子 1〜4個の球形〜楕円形の子嚢胞子を形成し、 子嚢は開裂しない* 発酵性 グルコース + ガラクトース + シュークロース + マルトース + ラクトース − ラフィノース + 炭素源の資化性 ガラクトース + シュークロース + マルトース + セロビオース − トレハロース − ラクトース − メリビオース − ラフィノース + メレチトース − スターチ − D-キシロース − L-アラビノース − D-リボース − L-ラムノース − エリスリトール − リビトール − D-マンニトール − クエン酸塩 − イノシトール − 窒素源の資化性 硝酸塩 − エチルアミン − カダベリン − ビタミン欠培地での生育 + 37℃での生育 + シクロヘキシミド存在下での生育 100ppm − 1000ppm − DBB の呈色 − 尿素分解 − ──────────────────────────────────── *:図5に示す。 以上の菌学的性質を有する各菌株を、バージーズ・マニ
ュアル・オブ・システマティック・バクテオロジー(Be
rgey's Manual of Systematic Bacteriology)第2巻19
86年に従って検索した結果、47072470−分離菌a株はラ
クトバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(La
ctobacillus casei subsp. casei)に属する菌株である
と、47072470−分離菌b株はラクトバチルス・ブレビス
(Lactobacillus brevis)に属する菌株であると、4707
2470−分離菌c株はラクトバチルス・プランタラム(La
ctobacillus plantarum)に属する菌株であると、47072
470−分離菌d株はラクトバチルス・アリメンタリウス
(Lactobacillus alimentarius)に属する菌株である
と、47072470−分離酵母株はサッカロミセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisiae)に属する菌株であると
同定された。
【0010】上記47072470−分離菌a株はFERM P-14891
として、47072470−分離菌b株はFERM P-14892として、
47072470−分離菌c株はFERM P-14893として、47072470
−分離菌d株はFERM P-14894として、47072470−分離酵
母株はFERM P-14890として、それぞれ平成7年4月12日
付で、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に
寄託されている。
【0011】本発明では、上記5種類の微生物の培養に
ジャガイモ、りんご、人参、飯米、糖、小麦粉、塩及び
水を含む培地を用いる。飯米としては白米の飯米が好ま
しく、糖としては三温糖が好ましく、小麦粉としては強
力小麦粉が好ましい。塩としては海水を太陽熱で乾燥さ
せたり、平釜等で炊いて結晶化させた自然塩が好まし
く、市販品としては、例えばイカリ商事(株)製の「おふ
くろの塩」や(株)青い海製の「沖縄の塩」等を用いるこ
とができる。水としては地下水、雨水、井戸水等の天然
水が好ましく、市販品としては、例えばハウス食品(株)
YK製の「六甲のおいしい水」等の銘水を用いることが
できる。また、小麦粉は、酸素を与えるために網目の細
かいフルイ(市販品としては、例えばピース社製の「キ
ッチンカシェットステンレスフルイ」が挙げられる。)
にかけたものを用いるのが好ましい。
【0012】それらの混合比は、ジャガイモジャガイモ
45〜55重量部、りんご45〜55重量部、人参45〜55重量
部、飯米35〜45重量部、糖15〜25重量部、小麦粉40〜50
重量部、塩0.1 〜0.5 重量部及び水45〜55重量部である
のが好ましい。具体的には、各微生物一白金耳程度に対
して、例えばジャガイモ50g、りんご50g、人参50g、
白米ごはん40g、三温糖20g、強力小麦粉適量、自然塩
0.1 g及び天然水50ccを含む培地を用いることができ
る。
【0013】培養は、振とう培養又はジャーファーメン
ターを用いて通気条件下で行うことができるが、これに
限られず、例えば広口の底の深いガラスビンや、陶器の
かめ等を用い、布巾か和紙で蓋をした状態で培養するこ
ともでき、大量生産も可能である。培地のpHは5.0 〜8.
0 の範囲内が好ましく、pHの調整は常法によって行えば
よい。
【0014】本微生物群は、5〜38℃の温度で培養可能
であり、培養時間の面からは32〜35℃の範囲内が好まし
い。しかし、30℃を超えた常温下で培養するよりも、冷
蔵庫等を使用して一晩程度培養する方が、発酵がゆるや
かでピークに達した状態が長時間(3〜4日)続くため
好ましい。冷蔵庫等の使用により5〜10℃で培養する場
合は、初段階で40〜43時間程度、2回目以降で10〜15時
間程度の培養時間を必要とする。32〜35℃で培養する場
合は、2〜3時間程度で足りる。
【0015】具体的な培養方法の一例としては、まずジ
ャガイモ、りんご及び人参の皮を剥き、水道水等により
流水洗浄する。これらジャガイモ、りんご及び人参は、
約1.5 cm角程度の大きさに切断するのが好ましい。次い
でジャガイモ、りんご、人参、飯米及び水を混合し、ミ
キサーで粉砕攪拌する。得られた混合物の内容物は搾ら
ずに、糖、塩及び5種類の菌体をそれぞれ添加するとと
もに、フルイにかけた小麦粉を添加し、攪拌する。この
とき、微生物の培養の面からも、混合物が粘らず、味噌
よりもやわらか目になるように小麦粉を添加して攪拌す
るのが好ましい。また、よく攪拌することにより、微生
物を均一に分散させるとともに、栄養源や酸素も均等に
分散させることができる。
【0016】このようにして培養した混合菌は、呼吸が
できるように和紙又は清潔な布巾等で蓋をして4〜5℃
程度で保管するのが好ましく、ビン等に詰めて密封しな
いように注意する必要がある。容器が広口のビンであれ
ば、空気に接する培養物の面積を大きくすることがで
き、酸素の供給を十分に行うことができる。培養終了後
の培養物は、スターター(元種)として用いることがで
き、一定の条件を満たした培地を用意すれば、繰り返し
繁殖・増殖し続ける。培養物に含まれる菌体は増殖能力
に優れているため、培養が容易で安定性が良好である。
また、発酵能力にも優れており、高温であっても低温で
あっても発酵が可能である。さらには、各種成分の生成
能力に優れ、望ましい香気成分、各種アルコール、酸、
エステルなどの有効成分の生成が可能である。
【0017】初段階で得た培養物をスターターとして用
いる場合、新たに用いる培地に、山の芋等を加えること
もできる。例えば、培養物150 重量部をスターターとし
て用いる場合、培地として山の芋を40重量部、ジャガイ
モ30重量部、リンゴ100 重量部、人参100 重量部、飯米
80重量部、水150 重量部、小麦粉約100 重量部、砂糖40
重量部及び塩1重量部を含むもの(合計約640 重量部)
を用いることができ、約640 重量部の培地に上記スター
ター150 重量部を混入して培養すると約790 重量部の培
養物が得られる。この約790 重量部の培養物から約5回
分のスターターが得られる。このように、本発明で得ら
れる菌体の培養物を培養すれば、短時間で膨大な量の培
養物を得ることができる。
【0018】雑菌に侵されやすい食品からなる培地が安
全に発酵できるのは、本発明の方法により培養した5種
類の微生物のうち、ラクトバチルス・ブレビス(Lactob
acillus brevis)及びラクトバチルス・プランタラム
(Lactobacillus plantarum)の共棲が、他の有害菌の
増殖を抑える働きを有すること、ならびにラクトバチル
ス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lactobacillu
s casei subsp. casei)及びラクトバチルス・プランタ
ラム(Lactobacillus plantarum)の共棲が、培養及び
熟成中における好ましくない微生物の生育を抑制するこ
とによると考えられる。各々の菌種は相互に拮抗し合
い、長時間の培養を重ねれば重ねる程、その作用が強化
されるので、生成した乳酸菌は、病原菌や腐敗菌などの
有害な雑菌の生育を抑制し、安全に発酵を続ける。
【0019】本発明の方法により得られた5種類の微生
物、即ちラクトバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・
カセイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、ラクト
バチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクト
バチルス・プランタラム(Lactobacillus plantaru
m)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacill
usalimentarius)及びサッカロミセス・セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae)の培養物は、多種多様の用途
に利用することのできる品質評価の高い微生物のかたま
り(ミクロフローラ)である。本培養物は、例えば、ぬ
か味噌床に利用することができ、そのぬか味噌床を用い
て漬物や魚の干物等を製造することができる。
【0020】ぬか味噌床は、上記培養物の他に、通常使
用される米ぬか、食塩、水等を用いて作製することがで
きる。例えば、本培養物300 重量部と、ぬか3000重量
部、糖100 部及び水720 重量部とを混合して発酵させた
ものに、漬けている最中の食塩濃度が13重量%程度とな
るように食塩を添加することにより作製することがで
き、好みによっては、タカノツメ(赤唐辛子)、さんし
ょうの実、にんにく、昆布等を加えてもよい。漬物の対
象としては、野菜、根菜、薬草、魚類等、通常漬けるこ
とができるものであれば、いかなるものであってもよ
い。
【0021】本ぬか味噌床では、混合後にすぐ微生物が
ぬかの成分などを分解するため、乳酸やアルコールなど
風味を有するものが生成するとともに、酸味やぬか臭さ
がなくなり、発酵性の芳香を有し、醍醐味のあるぬか味
噌床となる。また、本ぬか味噌床では、ぬか味噌と微生
物群との一定の平衡関係が維持され、ぬか味噌漬の発酵
を促進することができ、種ぬか味噌床としても有用であ
る。
【0022】このようなぬか味噌床を使用することによ
り、100 年以上経ったぬか味噌床によるものと同様の美
味芳香を有するぬか味噌漬けを作ることができる。得ら
れた漬物は、無添加無着色で健康的であり、なおかつカ
ビにくいという利点を有する。また、日持ちも良好で、
通常のぬか味噌床を使用して漬けたものが4〜5℃、24
時間以内で酸っぱくなるのに対して、上記培養物を用い
たぬか味噌床を使用して漬けたものは、4〜5℃で1週
間以上酸っぱくならず、歯ごたえも良好である。
【0023】魚の干物を製造するには、上記ぬか味噌床
で漬けた後、水洗いして乾燥させればよい。このように
して得られる魚の干物は、「くさや」のような臭いがな
く良好な香りを有し、また腐りにくく日持ちが良好であ
り、健康食品としても利用できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び試験例によって本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例及び試
験例に限定されるものではない。 〔実施例1〕ジャガイモ、りんご及び人参の皮を剥き、
水道水により流水洗浄し、それぞれ約1.5 cm角に切断し
た。切断したジャガイモ50g、りんご50g及び人参50g
と、白米ごはん40gと、天然水50ccとを混合し、40〜50
秒間ミキサー(ナショナル社製、ジューサー・ミキサー
MJ−(32))にかけた。得られた混合物は、シェー
ルピンク色を有し、なめらかでどろっとしていた。
【0025】この混合物に、三温糖20g及び自然塩0.1
gを添加するとともに、ラクトバチルス・カセイ・サブ
スピーシーズ・カセイ(Lactobacillus casei subsp. c
asei)の乾燥菌体1白金耳、ラクトバチルス・ブレビス
(Lactobacillus brevis)の乾燥菌体1白金耳、ラクト
バチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)
の乾燥菌体1白金耳、ラクトバチルス・アリメンタリウ
ス(Lactobacillus alimentarius)の乾燥菌体1白金耳
及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae)の乾燥菌体1白金耳菌体を添加し、よくかき混
ぜた。
【0026】次に、この混合物の粘度が味噌よりもやわ
らか目程度となるように、フルイ(ピース社製、キッチ
ンカシェットステンレスフルイ)にかけた強力小麦粉を
加え、攪拌混合した。得られた混合物を底の深いガラス
ビン(インスタントコーヒーの空きビン)に入れ、布巾
で蓋をした。培地のpHは5.0 〜8.0 の範囲内となるよう
に調整して、32〜35℃下で2〜3時間培養した。培養
後、得られた培養物の容積は当初の約2倍にふくれ上が
っていた。
【0027】〔試験例1〕実施例1と同様にして得られ
た培養物300 gと、うるち米の米ぬか3000gと、三温糖
100 gと、水(一旦沸騰させて冷ましたもの)720 ccと
を大きめの容器でよく混合した後、和紙で蓋をして2〜
3日ねかせた。得られた米ぬか2500gに食塩約300 gを
添加するとともに、タカノツメ及びさんしょうの実を少
量加え、攪拌・混合し、ぬか味噌床とした。
【0028】一方、とび魚を用意し、ウロコを除去した
後、背開もしくは腹開し、又はそのままの状態で洗浄
し、内蔵を除去した。5〜10分程度水洗いして血抜きを
行った後、約5〜10℃の下で、上記ぬか味噌床に10〜26
時間浸漬させた。その後、ぬか味噌床からとび魚を取り
出して流水で水洗いし、次いで48〜60時間天日で乾燥さ
せた。
【0029】このように製造したとび魚の干物を食した
ところ、「くさや」のような臭いがなく、良好な味覚を
有していた。また、このとび魚の干物を常温下で30日間
以上放置しても腐らず、日持ちが良好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、5種類の微生物、ラク
トバチルス・カセイ・サブスピーシーズ・カセイ(Lact
obacillus casei subsp. casei)、ラクトバチルス・ブ
レビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・プ
ランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチ
ルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentariu
s)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)を一括して培養することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】47072470−分離菌a株の形態を示す図である。
【図2】47072470−分離菌b株の形態を示す図である。
【図3】47072470−分離菌c株の形態を示す図である。
【図4】47072470−分離菌d株の形態を示す図である。
【図5】47072470−分離酵母株の形態を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:24 1:25 1:225 1:865)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトバチルス・カセイ・サブスピーシ
    ーズ・カセイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、
    ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillusbrevis)、
    ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus planta
    rum)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobaci
    llus alimentarius)及びサッカロミセス・セレビシエ
    (Saccharomyces cerevisiae)を、ジャガイモ、りん
    ご、人参、飯米、糖、小麦粉、塩及び水を含む培地を用
    いて培養することを特徴とする微生物の培養法。
  2. 【請求項2】 前記飯米が白米の飯米であり、前記糖が
    三温糖であり、前記小麦粉が強力小麦粉であり、前記塩
    が自然塩であり、前記水が天然水であることを特徴とす
    る請求項1記載の微生物の培養法。
  3. 【請求項3】 前記培地が、ジャガイモ45〜55重量部、
    りんご45〜55重量部、人参45〜55重量部、飯米35〜45重
    量部、糖15〜25重量部、小麦粉40〜50重量部、塩0.1 〜
    0.5 重量部及び水45〜55重量部を含む培地であることを
    特徴とする請求項1記載の微生物の培養法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999040178A1 (fr) * 1998-02-05 1999-08-12 Riken Compositions fonctionnelles
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