JPH0972649A - 低温ショーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品の納出並びに商品陳列効果を向上させた
低温ショーケースを提供する。 【解決手段】 低温ショーケース１は、矩形状の断熱箱
体６内に貯蔵室４を構成し、冷却器４１と熱交換した冷
気を送風機４２にて貯蔵室４内に循環して成る。断熱箱
体６の前面及び上面に形成された前面開口部２及び上面
開口部３と、各開口部２、３をそれぞれ開閉自在に閉塞
する透明な前面扉１８、１９及び上面扉２３、２４とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、断熱箱体内に構成
した貯蔵室を冷却器と送風機にて冷却する低温ショーケ
ースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種低温ショーケースは、例
えば特公平６−３８０１７号公報（Ｆ２５Ｄ１９／０
０）に冷蔵ショーケースとして示される如く、上面に開
口した断熱箱体内に貯蔵室を構成すると共に、この貯蔵
室底部を仕切板にて仕切り、仕切板下方に設置した冷却
器からの冷気を送風機にて貯蔵室内に循環することによ
り、内部に収納した商品を冷却していた。そして、貯蔵
室の上面開口は引き戸式の透明扉にて開閉自在に閉塞さ
れ、係る扉を開放することによって、商品の納出を行
い、或いは、閉じた状態において内部商品の選択を行う
ものであった。

【０００３】また、係る上面開口の低温ショーケースの
他に、前面に開口した低温ショーケースもあり、その場
合は、前面に開口する断熱箱体内に貯蔵室が構成されて
いる。そして、内部は同様に冷却器と送風機にて冷却さ
れると共に、前面開口は透明扉にて開閉自在に閉塞され
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上面の
み開口する低温ショーケースの場合には、離れた場所か
ら内部商品を見ることができないため、商品陳列効果が
極めて低い。例えば、ビールなどを収納する場合にはラ
ベルが見え難く、広告効果は極めて低くなる。

【０００５】一方、前面のみ開口する低温ショーケース
の場合、特に、店舗のカウンター下やカウンターと並ん
で設置される背が低いものの場合には、前面の扉から商
品を取り出し難くなる。また、古い商品から先に取り出
す、所謂先入れ先出しも困難となる問題もあった。

【０００６】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、商品の納出並びに商品陳
列効果を向上させた低温ショーケースを提供することを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の低温シ
ョーケースは、矩形状の断熱箱体内に貯蔵室を構成し、
冷却器と熱交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環し
て成るものであって、断熱箱体の前面及び上面に形成さ
れた前面開口部及び上面開口部と、各開口部をそれぞれ
開閉自在に閉塞する透明な前面扉及び上面扉とを備えて
いるものである。

【０００８】請求項２の発明の低温ショーケースは、前
面に開口する断熱箱体内に貯蔵室を構成し、冷却器と熱
交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環すると共に、
前面開口を透明な扉にて開閉自在に閉塞して成るもので
あって、貯蔵室内底部に設けられ、後方の高位部と手前
側の低位部とから構成された仕切板と、この仕切板の上
方に位置して設けられた網棚とを備えており、仕切板の
低位部下方に冷却器を、また、高位部下方に送風機をそ
れぞれ設置すると共に、仕切板の前部に吸込口を、後部
に吐出口をそれぞれ形成し、網棚と低位部間に商品収納
空間を構成したものである。

【０００９】請求項３の発明の低温ショーケースは上記
において、送風機は仕切板の吐出口に対応して設けられ
ると共に、網棚は複数の線材にて構成され、且つ、送風
機の上方に位置する部分の網棚の線材は密とされている
ものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図１は本発明の低温ショーケース
１の斜視図、図２は低温ショーケース１の縦断側面図、
図３は低温ショーケース１の平断面図である。

【００１１】本発明の低温ショーケース１は、例えば店
舗において販売カウンターの下側や（アンダーカウンタ
ー）、或いは、カウンターと並んで設置（カウンターイ
ン）される比較的上下寸法の小さい低温ショーケースで
あり、前面及び上面にそれぞれ前面開口部２及び上面開
口部３を備え、内部に貯蔵室４を構成する矩形状の断熱
箱体６から本体を構成されている。

【００１２】この断熱箱体６は、何れも鋼板製の外箱７
と内箱８、樹脂製の前面ブレーカ９及び上面ブレーカ１
１と、それらの間に発泡充填された断熱材１２とから構
成されている。前記外箱７と内箱８は矩形状を呈してお
り、前面及び上面に開口を有している。そして、外箱７
内に間隔を存して内箱８を組み込み、両箱７、８の開口
縁を前面ブレーカ９及び上面ブレーカ１１にてそれぞれ
連結した状態で、断熱材１２が充填され、各部品が一体
化されている。

【００１３】前面ブレーカ９の内周縁には前後二条のレ
ール１６、１７が形成されており、各レール１６、１７
にはガラス或いは硬質樹脂板などから構成された透明な
引き戸式前面扉１８、１９が摺動自在に嵌め込まれてい
る。これによって、断熱箱体６（貯蔵室４）の前面開口
部２は開閉自在に閉塞される。この前面ブレーカ９の下
縁内側は下方に溝状に凹陥してそこに左右に渡るドレン
溝２６が構成されている。そして、ドレン溝２６は排水
口２７に向けて徐々に引くなっており、ドレン溝２６の
後壁９Ａはレール１６、１７よりも上に延在している。

【００１４】また、上面ブレーカ１１の内周縁には内側
が低い階段状のレール２１、２２が形成されており、各
レール２１、２２にもガラス或いは硬質樹脂板などから
構成された透明な引き戸式上面扉２３、２４が摺動自在
に載置されている。これによって、断熱箱体６（貯蔵室
４）の上面開口部３も開閉自在に閉塞される。

【００１５】更に、貯蔵室４内底部には仕切板３１が取
り付けられている。この仕切板３１は後方に位置して貯
蔵室４の中央よりも十分低い高さまで台形状に立ち上が
る高位部３２と、この高位部３２の前側（手前側）に連
続して折曲形成された低位部３３から成り、高位部３２
の後面は内箱８の底面に向けて後方に低く傾斜し、そこ
に円形の吐出口３６が穿設されると共に、低位部３３の
前部は後壁９Ａ後面に向けて低く傾斜し、そこにスリッ
ト状の吸込口３７が穿設されている。

【００１６】そして、この仕切板３１の低位部３３下方
に冷却装置を構成する冷却器４１が設置されると共に、
高位部３２下方には送風機４２が設置され、前記吐出口
３６内に配置されている。

【００１７】そして、この仕切板３１の上方には網棚４
４が設けられる。この網棚４４は、コ字状に屈曲されて
左右及び中央において前後に配置された太い主線材（鋼
製ワイヤー）４６・・と、これら主線材４６・・の上面
に渡り、前後方向に所定の間隔を存して左右方向に複数
本溶接固定された細線材（鋼製ワイヤー）４７・・と、
この細線材４７・・の左右端に溶接固定され、前後縁が
上方に屈曲されたロ字状の枠線材４８とから構成されて
いる。

【００１８】そして、主線材４６・・の下端を内箱８の
底面（前端は後壁９Ａの後側）に載置することによって
網棚４４は貯蔵室４内に設けられる。このとき、網棚４
４の細線材４７・・・は仕切板３１の高位部３２の直上
に位置しており、また、細線材４７・・の前部と仕切板
３１の低位部３３間には、高位部３２の前側に位置して
商品収納空間Ｓが構成される。更に、送風機４２の上方
に位置する細線材４７・・・下面には、吐出口３６より
も広い範囲で、前後に渡る複数本の細線材５１・・が左
右方向に所定間隔で溶接固定されており、これによって
送風機４２上方の網棚４４の細線材４４、５１の密度
は、他の部分よりも密とされている。

【００１９】一方、断熱箱体６の下方には機械室５２が
構成されており、この機械室５２内には前記冷却装置を
構成する圧縮機５４及び凝縮器５６が設置されている。
また、機械室５２の下部にはドレン皿５７が配置されて
おり、図示しないドレンホースにて前記排水口２７と連
通している。

【００２０】以上の構成で、低温ショーケース１は図５
に示す如く、例えば販売カウンター６１と並んで設置さ
れる（カウンターイン）。また、貯蔵室４の網棚４４上
（細線材４７上）には、図４の如く背の高い瓶ビールな
どの商品Ｂを載置陳列すると共に、網棚４４と低位部３
３間の商品収納空間Ｓには背の低い缶ビールなどの商品
Ｃを載置陳列する。

【００２１】そして、圧縮機５４及び送風機４２が運転
されると、冷却器４１が冷却作用を発揮する。冷却器４
１にて冷却された冷気は送風機４２によって後方に吸引
され、吐出口３６から斜め上後方に向けて吐出される。
吐出された冷気は貯蔵室４内を図２中矢印で示す如く循
環して前記各商品Ｂ、Ｃを所定の冷蔵温度に冷却した
後、吸込口３７から冷却器４１に期間する。

【００２２】このとき、低温ショーケース１の貯蔵室４
は前面開口部２及び上面開口部３にて開口し、各開口部
２、３をそれぞれ透明な前面扉１８、１９及び上面扉２
３、２４にて開閉自在に閉塞しているので、上面のみに
開口するものに比して、前面開口部２より離れた場所か
ら内部の商品を見ることができるようになる。従って、
商品陳列効果が向上すると共に、仮にカウンター６１下
方に設けられて上面開口部３が使用できなくなった場合
でも、前面開口部２から商品Ｂ、Ｃの納出ができるた
め、支障は生じない。

【００２３】一方、図５の如くカウンター６１と並んで
設置される場合には、前面開口部２に加えて上面開口部
３からも商品Ｂの納出ができるので、前面のみに開口す
るものに比して商品Ｂの出し入れ作業性が著しく向上す
ると共に、上面開口部３から貯蔵室４内後部に商品Ｂを
収納し、前面開口部２より前の商品Ｂから取り出すこと
によって、所謂先入れ先出しを容易に行うことができる
ようになる。

【００２４】また、貯蔵室４内底部に、後方の高位部３
２と手前側の低位部３３とから構成された仕切板３１を
設け、この仕切板３１の上方に位置して網棚４４を設け
ると共に、仕切板３１の低位部３３下方に冷却器４１
を、また、高位部３２下方に送風機４２をそれぞれ設置
して、仕切板３１の前部に吸込口３７を、後部に吐出口
３６をそれぞれ形成したので、平板状の仕切板にて貯蔵
室４下部を仕切る場合に比して貯蔵室４の前面開口部２
を広く確保することが可能となり、且つ、外部からの光
も円滑に入るようになるので、貯蔵室４の商品陳列効果
が著しく向上する。

【００２５】特に、網棚４４と仕切板３１の低位部３３
間にも商品収納空間Ｓを構成したので、網棚４４上に加
えてこの網棚４４下方の商品収納空間Ｓにも商品Ｃを陳
列できるようになり、貯蔵室４内の商品陳列効果を維持
しつつ、貯蔵室４の商品収納量を増大させることができ
る。

【００２６】また、送風機４２の上方に位置する部分の
網棚４４の細線材４７、５１を密としているので、格別
な送風機ガードなどを取り付けること無く、網棚４４に
て送風機４２への異物や使用者の指などの侵入を防ぐこ
とができる。従って、部品点数の削減と組立作業性の向
上、並びに、コストの低減を図ることができるようにな
る。

【００２７】尚、前面扉１８、１９内面に成長した結露
水や冷却器４１からの除霜水などはドレン溝２６で受け
止められ、排水口２７からドレン皿５７に排出されるも
のである。

【００２８】

【発明の効果】以上詳述した如く請求項１の発明によれ
ば、内部に貯蔵室を構成する矩形状の断熱箱体の前面及
び上面に前面開口部及び上面開口部を形成し、各開口部
をそれぞれ開閉自在に閉塞する透明な前面扉及び上面扉
とを設けたものであるから、上面のみに開口するものに
比して、前面開口部より離れた場所から内部商品を見る
ことができるようになり、商品陳列効果が向上する。ま
た、カウンター下方に設けられて上面開口部が使用でき
ない場合にも、前面開口部から商品の納出ができるた
め、支障が生じない。

【００２９】一方、低温ショーケースの前方及び上方が
塞がれない状態（カウンターと並んで設置される場合な
ど）では、前面開口部に加えて上面開口部からも商品の
納出ができるので、前面のみに開口するものに比して商
品の出し入れ作業性が著しく向上すると共に、上面開口
部から貯蔵室内に商品を収納し、前面開口部より取り出
すことによって、所謂先入れ先出しを容易に行うことが
可能となるものである。

【００３０】請求項２の発明によれば、前面に開口する
断熱箱体内に構成された貯蔵室内底部に、後方の高位部
と手前側の低位部とから構成された仕切板を設け、この
仕切板の上方に位置して網棚を設けると共に、仕切板の
低位部下方に冷却器を、また、高位部下方に送風機をそ
れぞれ設置して、仕切板の前部に吸込口を、後部に吐出
口をそれぞれ形成したので、貯蔵室の前面開口部を広く
とることが可能となり、且つ、外部からの光も円滑に入
るようになるので、商品陳列効果が著しく向上する。

【００３１】また、網棚と仕切板の低位部間にも商品収
納空間を構成したので、網棚上に加えてこの網棚下方の
前記商品収納空間にも商品を陳列できるようになり、貯
蔵室内の商品陳列効果を維持しつつ、貯蔵室の商品収納
量を増大させることができるものである。

【００３２】更に、請求項３の発明の如く送風機を仕切
板の吐出口に対応して設けると共に、網棚を複数の線材
にて構成し、且つ、送風機の上方に位置する部分の網棚
の線材を密とすれば、格別な送風機ガードなどを取り付
けること無く、網棚にて送風機への異物や使用者の指な
どの侵入を防ぐことが可能となり、部品点数の削減と組
立作業性の向上、並びに、コストの低減を図ることがで
きるようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の低温ショーケースの斜視図である。

【図２】本発明の低温ショーケースの縦断側面図であ
る。

【図３】本発明の低温ショーケースの平断面図である。

【図４】商品を陳列した状態の低温ショーケースの縦断
側面図である。

【図５】低温ショーケースの設置状態を示す図である。

【符号の説明】

１ 低温ショーケース ２ 前面開口部 ３ 上面開口部 ４ 貯蔵室 ６ 断熱箱体 １８、１９ 前面扉 ２３、２４ 上面扉 ３１ 仕切板 ３２ 高位部 ３３ 低位部 ３６ 吐出口 ３７ 吸込口 ４１ 冷却器 ４２ 送風機 ４４ 網棚 ４７、５１ 細線材 Ｓ 商品収納空間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状の断熱箱体内に貯蔵室を構成し、
   冷却器と熱交換した冷気を送風機にて前記貯蔵室内に循
   環して成る低温ショーケースにおいて、 前記断熱箱体の前面及び上面に形成された前面開口部及
   び上面開口部と、各開口部をそれぞれ開閉自在に閉塞す
   る透明な前面扉及び上面扉を備えたことを特徴とする低
   温ショーケース。
2. 【請求項２】 前面に開口する断熱箱体内に貯蔵室を構
   成し、冷却器と熱交換した冷気を送風機にて前記貯蔵室
   内に循環すると共に、前記前面開口を透明な扉にて開閉
   自在に閉塞して成る低温ショーケースにおいて、 前記貯蔵室内底部に設けられ、後方の高位部と手前側の
   低位部とから構成された仕切板と、この仕切板の上方に
   位置して設けられた網棚とを備え、前記仕切板の低位部
   下方に前記冷却器を、また、高位部下方に前記送風機を
   それぞれ設置すると共に、前記仕切板の前部に吸込口
   を、後部に吐出口をそれぞれ形成し、前記網棚と前記低
   位部間に商品収納空間を構成したことを特徴とする低温
   ショーケース。
3. 【請求項３】 送風機は仕切板の吐出口に対応して設け
   られると共に、網棚は複数の線材にて構成され、且つ、
   前記送風機の上方に位置する部分の網棚の線材は密とさ
   れていることを特徴とする請求項２の低温ショーケー
   ス。