JPH0971890A - 高純度チタンの製造方法 - Google Patents
高純度チタンの製造方法Info
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- JPH0971890A JPH0971890A JP25006095A JP25006095A JPH0971890A JP H0971890 A JPH0971890 A JP H0971890A JP 25006095 A JP25006095 A JP 25006095A JP 25006095 A JP25006095 A JP 25006095A JP H0971890 A JPH0971890 A JP H0971890A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 純度5N(99.999%、但しガス成分を
除く)以上の高純度チタンを、溶融塩電解法により効率
良く製造する。 【解決手段】 電解終了後、電解容器内の電解浴を電解
浴調整槽へ移送した後、電解容器内の陰極に生成した電
析チタンと電解容器内を同時に洗浄、乾燥した後に陰極
を取り出して、生成した電析チタンを回収すると共に、
電解容器内には新たに原料チタン及び陰極を装入してセ
ットし、次いで電解浴調整槽から電解浴を装入して電解
を継続する。
除く)以上の高純度チタンを、溶融塩電解法により効率
良く製造する。 【解決手段】 電解終了後、電解容器内の電解浴を電解
浴調整槽へ移送した後、電解容器内の陰極に生成した電
析チタンと電解容器内を同時に洗浄、乾燥した後に陰極
を取り出して、生成した電析チタンを回収すると共に、
電解容器内には新たに原料チタン及び陰極を装入してセ
ットし、次いで電解浴調整槽から電解浴を装入して電解
を継続する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融塩電解法によ
り、純度5N(99.999%、但しガス成分を除く)
以上の高純度チタンを、効率良く製造する方法に係り、
詳しくは、半導体デバイスにおける層間の膜バリヤ材な
どに用いるチタンターゲット材として有効に使用し得る
程度の高純度のチタンを、一つの電解容器を用いて電
解、洗浄、乾燥の各工程を実施することにより連続的に
電解精製する方法に関する。
り、純度5N(99.999%、但しガス成分を除く)
以上の高純度チタンを、効率良く製造する方法に係り、
詳しくは、半導体デバイスにおける層間の膜バリヤ材な
どに用いるチタンターゲット材として有効に使用し得る
程度の高純度のチタンを、一つの電解容器を用いて電
解、洗浄、乾燥の各工程を実施することにより連続的に
電解精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高純度チタンの用途はハイテク分野で多
岐に及んでいるが、とり分け半導体デバイスの層間膜バ
リヤや配線に採用されるようになって、その需要が拡大
している。特に最近は、半導体デバイスの高集積化が進
むにつれ、該デバイス素子の性能の信頼性を向上させる
ために、高純度チタンの純度も、不純物による影響を配
慮して5N以上の高純度化が要求されている。
岐に及んでいるが、とり分け半導体デバイスの層間膜バ
リヤや配線に採用されるようになって、その需要が拡大
している。特に最近は、半導体デバイスの高集積化が進
むにつれ、該デバイス素子の性能の信頼性を向上させる
ために、高純度チタンの純度も、不純物による影響を配
慮して5N以上の高純度化が要求されている。
【0003】ところで、チタンを高純度化する方法とし
て、従来からチタンヨウ化物分解法や溶融塩電解法が知
られているが、一般にヨード法と呼ばれているチタンヨ
ウ化物分解法では、生産性が著しく低く、経済性が要求
される工業的規模での生産には不向きであった。
て、従来からチタンヨウ化物分解法や溶融塩電解法が知
られているが、一般にヨード法と呼ばれているチタンヨ
ウ化物分解法では、生産性が著しく低く、経済性が要求
される工業的規模での生産には不向きであった。
【0004】そこで、近年、半導体デバイスの用途に充
分応じられる高純度チタンを工業的規模で製造し得る技
術の主流は、溶融塩電解法に移行しつつあり、この分野
における各種改良手段が提案されている。
分応じられる高純度チタンを工業的規模で製造し得る技
術の主流は、溶融塩電解法に移行しつつあり、この分野
における各種改良手段が提案されている。
【0005】その一例として、特開平3−177594
号公報によれば、電解槽の中心にチタン製の陰極、その
周囲にスポンジチタンを配置し、該スポンジチタンを陽
極とする電解槽であって、陰極であるチタン以外の電解
槽内面の電解浴と接する部分のすべてを高純度ニッケル
で構成すると共に、電解槽底部に絶縁板を設けた装置
と、電解法が提案されており、結果として6N以上の高
純度でしかも含有酸素が100ppm未満のチタンを製
造することに成功している。
号公報によれば、電解槽の中心にチタン製の陰極、その
周囲にスポンジチタンを配置し、該スポンジチタンを陽
極とする電解槽であって、陰極であるチタン以外の電解
槽内面の電解浴と接する部分のすべてを高純度ニッケル
で構成すると共に、電解槽底部に絶縁板を設けた装置
と、電解法が提案されており、結果として6N以上の高
純度でしかも含有酸素が100ppm未満のチタンを製
造することに成功している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶融塩電解法によるチ
タンの製造は、上記の従来技術に示されるごとく、その
高純度化において優れているが、その手段がバッチ方式
であるために工程が煩雑であり、工業的規模での実施に
当たっては生産性に大きな問題が残されている。
タンの製造は、上記の従来技術に示されるごとく、その
高純度化において優れているが、その手段がバッチ方式
であるために工程が煩雑であり、工業的規模での実施に
当たっては生産性に大きな問題が残されている。
【0007】そこで特開平3−173064号公報にお
いては、上記従来技術を改良する手段として、溶融塩電
解法で、原料となる粗Tiの電析により消費した分量
を、間欠的に補加して電解を連続的に行う方法が開示さ
れている。
いては、上記従来技術を改良する手段として、溶融塩電
解法で、原料となる粗Tiの電析により消費した分量
を、間欠的に補加して電解を連続的に行う方法が開示さ
れている。
【0008】ところが、上記の方法においても、陰極に
電析チタンを所定量精製した後は、その都度、陰極ごと
電析チタンを電解容器外に取り出した後、別途、洗浄、
乾燥という工程を経て、電析チタンを採取するという煩
雑な操作が不可欠であった。
電析チタンを所定量精製した後は、その都度、陰極ごと
電析チタンを電解容器外に取り出した後、別途、洗浄、
乾燥という工程を経て、電析チタンを採取するという煩
雑な操作が不可欠であった。
【0009】すなわち、上記従来技術においては、充分
に冷却したとは言え、高純度に精製されて一層活性化し
た電析チタンを、電解浴が付着したまま大気中に取り出
すという手段が伴うこと、更には、酸や水による洗浄や
乾燥の各工程の途中で大気などからの汚染の恐れも生
じ、一方、電析チタンは電解浴内から引き上げて置くと
は言え、650〜850℃に加熱された電解浴が内在す
る電解容器内にあって、ほぼ室温近くまで電析チタンを
冷却するためにかなりの時間を必要としていた。
に冷却したとは言え、高純度に精製されて一層活性化し
た電析チタンを、電解浴が付着したまま大気中に取り出
すという手段が伴うこと、更には、酸や水による洗浄や
乾燥の各工程の途中で大気などからの汚染の恐れも生
じ、一方、電析チタンは電解浴内から引き上げて置くと
は言え、650〜850℃に加熱された電解浴が内在す
る電解容器内にあって、ほぼ室温近くまで電析チタンを
冷却するためにかなりの時間を必要としていた。
【0010】また、繰返しの使用等により、電解浴が劣
化した場合には、電解を一旦中止して電解浴を冷却、固
化した後、電解容器外に取り出す必要があり、電解を再
開するためには、別途用意した新しい電解浴成分を電解
容器内に装入した後に加熱溶解する必要があった。この
ように、高純度の電析チタンを効率良く製造するために
は、上記種々の問題を解決するという課題が残されてい
た。
化した場合には、電解を一旦中止して電解浴を冷却、固
化した後、電解容器外に取り出す必要があり、電解を再
開するためには、別途用意した新しい電解浴成分を電解
容器内に装入した後に加熱溶解する必要があった。この
ように、高純度の電析チタンを効率良く製造するために
は、上記種々の問題を解決するという課題が残されてい
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術に残された課題を解決するため、種々検討した結
果、電解終了後に、電解容器内の陰極に生成した電析チ
タンを取り出す代わりに、電解浴を電解容器内から移送
することによって、種々の問題を解決し得るとの知見を
得、本発明を完成するに至った。
来技術に残された課題を解決するため、種々検討した結
果、電解終了後に、電解容器内の陰極に生成した電析チ
タンを取り出す代わりに、電解浴を電解容器内から移送
することによって、種々の問題を解決し得るとの知見を
得、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち本発明は、溶融塩電解法により高純度
チタンを製造する方法において、電解終了、後電解容器
内から電解浴調整槽へ電解浴を移送した後、電解容器内
の陰極に生成した電析チタンと電解容器内を同時に洗
浄、乾燥した後に陰極を取り出して生成した電析チタン
を回収し、その後に、前記電解容器内に、新たに原料チ
タン及び陰極を装入すると共に、前記電解浴調整槽から
電解浴を装入して電解を継続することを特徴とする高純
度チタンの製造方法を提供するものである。
チタンを製造する方法において、電解終了、後電解容器
内から電解浴調整槽へ電解浴を移送した後、電解容器内
の陰極に生成した電析チタンと電解容器内を同時に洗
浄、乾燥した後に陰極を取り出して生成した電析チタン
を回収し、その後に、前記電解容器内に、新たに原料チ
タン及び陰極を装入すると共に、前記電解浴調整槽から
電解浴を装入して電解を継続することを特徴とする高純
度チタンの製造方法を提供するものである。
【0013】本発明に使用される電解容器としては、一
般的に用いられる加熱炉等の加熱手段を用いて加熱可能
な容器であれば特に限定されるものではなく、その一例
として、底板付の円筒状容器であって、上部にフランジ
を設けて上蓋によって密閉可能に形成されたステンレス
製容器を用いることが出来る。
般的に用いられる加熱炉等の加熱手段を用いて加熱可能
な容器であれば特に限定されるものではなく、その一例
として、底板付の円筒状容器であって、上部にフランジ
を設けて上蓋によって密閉可能に形成されたステンレス
製容器を用いることが出来る。
【0014】電解容器の内部には、陽極として用いる該
電解容器の内壁に沿って多孔質又は網状の隔壁を設け
て、該隔壁と電解容器内壁の間に同じく陽極として用い
る原料チタンを装入して保持する構造とし、電解容器の
上蓋中央部には、陰極棒の挿入口が設けられている。
電解容器の内壁に沿って多孔質又は網状の隔壁を設け
て、該隔壁と電解容器内壁の間に同じく陽極として用い
る原料チタンを装入して保持する構造とし、電解容器の
上蓋中央部には、陰極棒の挿入口が設けられている。
【0015】また、電解容器には、電解浴調整槽に連結
して電解浴の電解容器への装入及び排出に用いるための
電解浴移送管を配設するが、該電解浴移送管と電解浴調
整槽との連結部取外しが可能な構造であることが、電解
容器の交換や移動を行うために好ましい。
して電解浴の電解容器への装入及び排出に用いるための
電解浴移送管を配設するが、該電解浴移送管と電解浴調
整槽との連結部取外しが可能な構造であることが、電解
容器の交換や移動を行うために好ましい。
【0016】更に、電解容器には少なくとも一つ以上の
洗浄液供給管及び排出管を配設すると共に、真空排気
系、Ar供給管、圧力計等をそれぞれ配設した構造から
なり、外部から加熱及び冷却が可能な電気炉内に設置さ
れる。
洗浄液供給管及び排出管を配設すると共に、真空排気
系、Ar供給管、圧力計等をそれぞれ配設した構造から
なり、外部から加熱及び冷却が可能な電気炉内に設置さ
れる。
【0017】反応容器に挿入される陰極棒としては、チ
タン製の棒が好ましく、又、反応容器及びその付属部品
の少なくとも電解浴に接する部分はMo、Nb、Ta、
Ni等の高融点金属の中から選択される材料で被覆され
ることが好ましい。
タン製の棒が好ましく、又、反応容器及びその付属部品
の少なくとも電解浴に接する部分はMo、Nb、Ta、
Ni等の高融点金属の中から選択される材料で被覆され
ることが好ましい。
【0018】一方、電解浴移送管を介して反応容器と連
結する電解浴調整槽は、外部から電気炉等の加熱手段に
より加熱可能な密閉容器を本体とし、電解浴成分の装入
口、Ar供給管、真空排気系、圧力計等を配設したもの
であり、該電解浴調整槽内では電解浴成分の加熱溶融や
比率調整等を行うことにより、電解浴を予め電解に適し
た組成に調整し、これを溶融状態に維持すると共に内部
をAr加圧することにより電解浴を電解容器に移送する
ことが可能な構造となっている。
結する電解浴調整槽は、外部から電気炉等の加熱手段に
より加熱可能な密閉容器を本体とし、電解浴成分の装入
口、Ar供給管、真空排気系、圧力計等を配設したもの
であり、該電解浴調整槽内では電解浴成分の加熱溶融や
比率調整等を行うことにより、電解浴を予め電解に適し
た組成に調整し、これを溶融状態に維持すると共に内部
をAr加圧することにより電解浴を電解容器に移送する
ことが可能な構造となっている。
【0019】又、電解浴調整槽の容器及びその付属部品
の少なくとも電解浴に接する部分はMo、Nb、Ta、
Ni等の高融点金属の中から選択される材料で被覆され
ることが好ましい。
の少なくとも電解浴に接する部分はMo、Nb、Ta、
Ni等の高融点金属の中から選択される材料で被覆され
ることが好ましい。
【0020】本発明の溶融塩電解に用いられる原料チタ
ンは、通常、スポンジチタンが使用されるが、純チタン
ダライ粉やチタンブリケットを用いることも可能であ
る。然し乍ら、目的とするチタン材の純度を考慮し、可
能な限り不純分の少ないものを用いることが好ましい。
ンは、通常、スポンジチタンが使用されるが、純チタン
ダライ粉やチタンブリケットを用いることも可能であ
る。然し乍ら、目的とするチタン材の純度を考慮し、可
能な限り不純分の少ないものを用いることが好ましい。
【0021】電解浴に用いられる塩化物としては、Na
Cl、NaCl−KCl、LiCl−KCl、NaCl
−K2TiF6等であるが、可能な限り水分を除去した状
態で用いることが好ましい。
Cl、NaCl−KCl、LiCl−KCl、NaCl
−K2TiF6等であるが、可能な限り水分を除去した状
態で用いることが好ましい。
【0022】電析チタンや電解容器内部を洗浄するため
の洗浄液としては、硝酸や塩酸などの酸性溶液と純水が
好ましく用いられる。
の洗浄液としては、硝酸や塩酸などの酸性溶液と純水が
好ましく用いられる。
【0023】本発明の溶融塩電解方法を具体的に説明す
る。内部を完全に脱水乾燥し、Ar置換された電解容器
内に原料チタンを装入した後、該電解容器を密閉し、電
気炉を用いて加熱、減圧乾燥することによって、原料チ
タンに潜在する水分、空気等の不純分を除去する。
る。内部を完全に脱水乾燥し、Ar置換された電解容器
内に原料チタンを装入した後、該電解容器を密閉し、電
気炉を用いて加熱、減圧乾燥することによって、原料チ
タンに潜在する水分、空気等の不純分を除去する。
【0024】次いで、電解浴調整槽でNaCl−KCl
のモル比が、40〜60:60〜40、Tiイオン濃度
が1〜5wt%になるように調整された溶融状態にある
電解浴の必要量を、電解浴調整槽内をAr加圧すること
により電解浴移送管を介して電解容器内に移送し、電解
浴温度が700〜900℃まで上昇したところで、陰極
の電流密度及び電解電圧を所定のレベルに設定し、通電
して電解を開始した。電解の開始と同時に、陽極からチ
タンの電解浴中への溶出が始まり、陰極のチタン棒に
は、高純度のチタンが析出する。
のモル比が、40〜60:60〜40、Tiイオン濃度
が1〜5wt%になるように調整された溶融状態にある
電解浴の必要量を、電解浴調整槽内をAr加圧すること
により電解浴移送管を介して電解容器内に移送し、電解
浴温度が700〜900℃まで上昇したところで、陰極
の電流密度及び電解電圧を所定のレベルに設定し、通電
して電解を開始した。電解の開始と同時に、陽極からチ
タンの電解浴中への溶出が始まり、陰極のチタン棒に
は、高純度のチタンが析出する。
【0025】本発明においては、電解終了と同時に、A
r供給管から電解容器内にArガスを供給して電解容器
内を加圧することにより、電解浴移送管を介して電解浴
を電解浴調整槽へ移送した後、電解容器を冷却するが、
この際にも、内温の低下に伴う圧力低下により大気が侵
入しないようにArガスの供給は継続される。
r供給管から電解容器内にArガスを供給して電解容器
内を加圧することにより、電解浴移送管を介して電解浴
を電解浴調整槽へ移送した後、電解容器を冷却するが、
この際にも、内温の低下に伴う圧力低下により大気が侵
入しないようにArガスの供給は継続される。
【0026】又、電解容器の冷却は、該電解容器を電気
炉から抜き出して冷却架台等に移動した上で行うことが
冷却時間の短縮に有効であり、電解容器を抜き出した後
の電気炉に別の電解容器を設置することにより電解を行
うことが出来るため、生産性を一層高めることが可能と
なる。
炉から抜き出して冷却架台等に移動した上で行うことが
冷却時間の短縮に有効であり、電解容器を抜き出した後
の電気炉に別の電解容器を設置することにより電解を行
うことが出来るため、生産性を一層高めることが可能と
なる。
【0027】内温がほぼ室温近くに低下したところで、
Arガスの供給を停止し、電解容器内に洗浄液供給管を
介して洗浄液を装入することにより、陰極に析出した電
析チタンを清浄すると同時に、電解容器内をも洗浄す
る。この際、洗浄は先ず、酸性溶液を用いて行った後に
純水を用いて行うことが一般的である。
Arガスの供給を停止し、電解容器内に洗浄液供給管を
介して洗浄液を装入することにより、陰極に析出した電
析チタンを清浄すると同時に、電解容器内をも洗浄す
る。この際、洗浄は先ず、酸性溶液を用いて行った後に
純水を用いて行うことが一般的である。
【0028】使用済みの洗浄液は、洗浄液排出管を介し
て系外に排出されて処理されるが、該洗浄液を、洗浄液
供給管と洗浄液排出管との間に循環ポンプを設けて循環
させて使用することも可能である。
て系外に排出されて処理されるが、該洗浄液を、洗浄液
供給管と洗浄液排出管との間に循環ポンプを設けて循環
させて使用することも可能である。
【0029】洗浄終了後、電解容器ごと電析チタンを乾
燥した後、該容器から電析チタン取り出して、高純度チ
タンを回収する。
燥した後、該容器から電析チタン取り出して、高純度チ
タンを回収する。
【0030】電解容器には、その後直ちに、新たな原料
チタン及び陰極を装入すると共に、電解浴調整槽から予
め調整された電解浴を装入して電解を継続する。
チタン及び陰極を装入すると共に、電解浴調整槽から予
め調整された電解浴を装入して電解を継続する。
【0031】以上の如く、本発明方法によれば、陰極に
析出した電析チタンを、大気に暴露させることなく、電
解、洗浄及び乾燥の一連の操作を、密閉された電解容器
内で実施するため、大気による汚染を効果的に防止し得
る。さらに、電析チタンを取り出した後の電解容器に、
直ちに原料チタン、陰極及び電解浴を挿入して次の電解
を開始することが出来ることから極めて生産性の良い電
解精製を継続し得る。
析出した電析チタンを、大気に暴露させることなく、電
解、洗浄及び乾燥の一連の操作を、密閉された電解容器
内で実施するため、大気による汚染を効果的に防止し得
る。さらに、電析チタンを取り出した後の電解容器に、
直ちに原料チタン、陰極及び電解浴を挿入して次の電解
を開始することが出来ることから極めて生産性の良い電
解精製を継続し得る。
【0032】
【実施例】内容積70リットルの電解容器に、表1に示
す組成のスポンジチタン20Kgを装入して上蓋を装着
した後、チタン製の棒(陰極)を挿入して電解容器を密
閉した。そして直ちに、容器内を加熱、排気した後、A
rガスを充填した。
す組成のスポンジチタン20Kgを装入して上蓋を装着
した後、チタン製の棒(陰極)を挿入して電解容器を密
閉した。そして直ちに、容器内を加熱、排気した後、A
rガスを充填した。
【0033】次いで該電解容器に、電解浴調整槽から電
解浴移送管を介して、予め電解浴調整槽中でNaCl−
KClのモル比が50:50、Tiイオン濃度が約3w
t%になるように調整され、約750℃に保持された電
解浴約60Kgを装入した。電解容器内の電解浴温度を
約750℃に加熱保持した状態で、直流電流(約50
A)を通電して電解を開始し、約20時間後に通電を終
了した。
解浴移送管を介して、予め電解浴調整槽中でNaCl−
KClのモル比が50:50、Tiイオン濃度が約3w
t%になるように調整され、約750℃に保持された電
解浴約60Kgを装入した。電解容器内の電解浴温度を
約750℃に加熱保持した状態で、直流電流(約50
A)を通電して電解を開始し、約20時間後に通電を終
了した。
【0034】その後直ちに、電解容器をArガスで加圧
して、電解浴移送管を介して電解浴を排出した後、電解
容器の内部が室温近くになるまで冷却した。次いで、電
解容器内を酸性溶液で洗浄した後、純水を用いて充分に
洗浄を行った。
して、電解浴移送管を介して電解浴を排出した後、電解
容器の内部が室温近くになるまで冷却した。次いで、電
解容器内を酸性溶液で洗浄した後、純水を用いて充分に
洗浄を行った。
【0035】その後、電解容器内を約100℃に加熱保
持した状態で、真空乾燥を12時間行った後に、電解容
器からチタン棒に析出付着した電析チタンを取り出し、
約2Kgの電析チタンを得た。得られた電析チタンを化
学分析した結果は、表1に示す通りであり、充分に高純
度に精製されていることが確認された。
持した状態で、真空乾燥を12時間行った後に、電解容
器からチタン棒に析出付着した電析チタンを取り出し、
約2Kgの電析チタンを得た。得られた電析チタンを化
学分析した結果は、表1に示す通りであり、充分に高純
度に精製されていることが確認された。
【0036】
【表1】 成分(ppm) 試料 Fe Ni Cr Mn Al Cu As Sn O C 原料スポン ジチタン 332 118 91 11 9 6 10 3 300 20 電析チタン <1 <1 2 11 <1 <1 <1 <1 30 <10
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、一つの電
解容器を用いて電解、洗浄、乾燥の各工程を実施するこ
とにより、煩雑な操作を必要とせずに、高純度のチタン
を効率良く製造することが出来る。
解容器を用いて電解、洗浄、乾燥の各工程を実施するこ
とにより、煩雑な操作を必要とせずに、高純度のチタン
を効率良く製造することが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】溶融塩電解法により高純度チタンを製造す
る方法において、電解終了後、電解容器内から電解浴調
整槽へ電解浴を移送した後、電解容器内の陰極に生成し
た電析チタンと電解容器内を同時に洗浄、乾燥した後に
陰極を取り出し、生成した電析チタンを回収し、その後
に、前記電解容器内に、新たに原料チタン及び陰極を装
入すると共に、前記電解浴調整槽から電解浴を装入して
電解を継続することを特徴とする高純度チタンの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25006095A JPH0971890A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 高純度チタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25006095A JPH0971890A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 高純度チタンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0971890A true JPH0971890A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=17202210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25006095A Pending JPH0971890A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 高純度チタンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0971890A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012251221A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Osaka Titanium Technologies Co Ltd | 溶融塩電解方法 |
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1995
- 1995-09-05 JP JP25006095A patent/JPH0971890A/ja active Pending
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