JPH0971476A - セラミックの熱処理方法 - Google Patents

セラミックの熱処理方法

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JPH0971476A
JPH0971476A JP7231513A JP23151395A JPH0971476A JP H0971476 A JPH0971476 A JP H0971476A JP 7231513 A JP7231513 A JP 7231513A JP 23151395 A JP23151395 A JP 23151395A JP H0971476 A JPH0971476 A JP H0971476A
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JP
Japan
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ceramic
firing
component
pbo
baking
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Pending
Application number
JP7231513A
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English (en)
Inventor
Kazuichi Onishi
一市 大西
Masataka Kida
雅隆 木田
Naoyuki Shibayama
尚之 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛などの蒸発成分を含むセラミックを焼成し
てできる、セラミックのそりや変形がないセラミックの
熱処理方法を提供する。 【解決手段】 出発原料として、PbO,TiO2,Z
rO2,MgO,Nb25およびCr23を、Pb(M
2/8Nb5/8Cr1/8)O3−PbZrO3−PbTiO3
の化学式になるよう秤量調合し、湿式混合、脱水、乾
燥、900℃で2時間仮焼する。この仮焼粉にバインダ
ーを添加混合し、脱水、整粒して、焼成後の形状が直径
30×厚さ0.3〜1.5mmの円板状にプレス成形し、
焼成する。焼成条件は、500℃までは大気中でバイン
ダー等を除去し、500〜1000℃の温度範囲では、
焼成雰囲気中にPbO蒸気を400Paとなる量を加え、
1000℃を越えると、PbOの分圧に関係なく、最高
温度1200℃で2時間焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉛などの蒸発成
分を含むセラミックの熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックの一般的な製造工程として、
原料の混合、仮焼、成形、焼成などがあり、鉛などの蒸
発成分を含むセラミックは高温焼成時に鉛がPbOとな
って蒸発することが知られている。このため、普通の焼
成方法では緻密で再現性のあるセラミックが得られない
ことから下記のような方法が行われている。
【0003】一つの方法として、焼成時に蒸発する鉛な
どの蒸発成分の蒸発量を見込んで、原料調合時にあらか
じめ鉛などの蒸発成分の量を過剰にしておく方法があ
る。またもう一つの方法として、焼成時に用いる匣など
の焼成治具に鉛などの蒸発成分を含ませておくととも
に、焼成時に鉛などの蒸発成分が蒸発しやすいようにし
ておき、セラミック中に含まれている鉛などの蒸発成分
よりも前に、匣などの焼成治具から鉛などの蒸発成分が
蒸発するようにしておく方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は次のような問題があった。原料調合時に蒸発量を見込
んで蒸発成分を過剰にする方法は、成形圧力、原料の仮
焼の有無、蒸発成分と蒸発しない成分との関係、焼成雰
囲気など様々な要因が加わって、蒸発する量が一定とな
らず、蒸発量を定量化できないことから、一定の品質の
セラミックを再現性よく得ることができなかった。
【0005】また、焼成時に用いる焼成治具に蒸発成分
を含ませておく方法も、一度焼成すると焼成治具に含ま
れていた蒸発成分が蒸発するため、焼成治具を繰り返し
使用することができず、量産性に適さない方法であっ
た。
【0006】しかも、鉛を含むセラミックは、焼成時の
焼成雰囲気中の鉛の蒸発濃度によって、収縮挙動が変化
することは文献等に記載されている。例えば、Pb(M
2/8Nb5/8Cr1/8)O3−PbZrO3−PbTiO3
の組成からなるセラミックの焼成時の重量変化を測定す
ると、そりが発生するセラミックとそりが発生しないセ
ラミックとでは異なる重量変化を示す。そりが発生しな
いセラミックは、焼成温度が上がるにつれ、セラミック
の重量が単調に減少するが、そりが発生するセラミック
では、1000〜1100℃の範囲でセラミックの重量
が急に増加し、その後、減少する。
【0007】そりが発生するセラミックとそりが発生し
ないセラミックの重量の総減少率は、増加量を除いて同
じ割合となるため、1000℃以降で重量が増加した
後、重量減少する割合が増加分だけ大きくなり、急激な
PbOの蒸発による結晶構造の変化が生じ、セラミック
のそり、変形の原因となる。そこで、1000〜110
0℃での焼成雰囲気中のPbO成分の割合を調べたとこ
ろ、そりが発生しないセラミックは焼成雰囲気中のPb
O成分が多く、そりが発生するセラミックは焼成雰囲気
中のPbO成分が少ないことがわかった。焼成中にセラ
ミックから蒸発するPbO成分は焼成温度が上昇すると
ともに指数関数的に蒸発するため、従来の方法では、蒸
発量を調整することができず、セラミックのそり、変形
などが発生していた。
【0008】この発明の目的は、鉛などの蒸発成分を含
むセラミックを焼成してできる、セラミックのそりや変
形がないセラミックの熱処理方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
セラミックを焼成する工程において、昇温過程800〜
1100℃の温度範囲の焼成雰囲気中に、セラミックを
構成する組成物中の蒸発成分と同じ蒸発成分を加えるセ
ラミックの熱処理方法である。
【0010】請求項2に係る発明は、前記請求項1に記
載のセラミックの熱処理方法において、焼成雰囲気中に
加える蒸発成分の量が、前記温度範囲での蒸発成分の飽
和蒸気圧に等しい量であるセラミックの熱処理方法であ
る。
【0011】請求項3に係る発明は、鉛を含むセラミッ
クを焼成する工程において、昇温過程800〜1100
℃の温度範囲の焼成雰囲気中に、前記セラミックを構成
する組成物中の鉛を含む蒸発成分と同じ蒸発成分を加え
るセラミックの熱処理方法である。
【0012】請求項4に係る発明は、前記鉛を含むセラ
ミックを焼成する工程において、焼成雰囲気中に加える
蒸発成分の量が、鉛を含む蒸発成分をPbOとして、前
記PbOの1000℃での飽和蒸気圧400Pa(3tor
r)に等しい量であるセラミックの熱処理方法である。
【0013】この発明によれば、昇温過程800〜11
00℃の温度範囲の焼成雰囲気中に、セラミックを構成
する組成物中の蒸発成分と同じ成分を加えることによ
り、セラミックから一定の割合で蒸発成分が蒸発するこ
とになり、焼成後のセラミックの形状ばらつきが抑えら
れる。
【0014】また、飽和蒸気圧に等しい量を加えること
により、セラミックからの蒸発成分の急激な蒸発が抑え
られ、焼成後のセラミックのそりや変形が抑えられる。
【0015】また、鉛を含むセラミックを、昇温過程8
00〜1100℃の温度範囲の焼成雰囲気中に、前記セ
ラミックを構成する組成物中の蒸発成分と同じ蒸発成分
を加えることにより、セラミックから一定の割合で鉛な
どの蒸発成分が蒸発することになり、焼成後のセラミッ
クの形状ばらつきが抑えられる。
【0016】また、PbOの1000℃での飽和蒸気圧
400Paに等しい量を加えることにより、鉛を含むセラ
ミックからのPbO成分の急激な蒸発が抑えられ、焼成
後のセラミックのそりや変形が抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施例1 まず出発原料として、PbO,TiO2,ZrO2,Mg
O,Nb25およびCr23を準備し、これら粉末をP
b(Mg2/8Nb5/8Cr1/8)O3−PbZrO3−Pb
TiO3の化学式になるよう秤量し、調合し、この調合
原料をボールミルを用いて湿式混合した後、脱水、乾燥
し、900℃で2時間仮焼する。さらに、この仮焼粉に
バインダーとしてポリビニルアルコールを加え、ボール
ミルで1時間混合し、脱水整粒して、焼成後の形状が直
径30×厚さ0.3〜1.5mmの円板状となるようにプ
レス成形し焼成する。
【0018】焼成条件は500℃までは大気中でバイン
ダー等を除去し、500〜1000℃の温度範囲では、
焼成雰囲気中にPbOの蒸発成分を加える。その加える
量は、PbOの1000℃での飽和蒸気圧400Paと同
じ分圧となる量である。そして1000℃以降では、P
bOの分圧に関係なく、最高温度1200℃で2時間焼
成し、室温まで冷却する。
【0019】この焼結体について、そりを測定し、その
結果を表1に示した。そりとは、平面状の板の上に焼結
体を置き、平面状の板と焼結体の間に生じたすきまを、
焼結体のそりとして測定している。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1 実施例1と同じ原料、同じ方法で焼結体を得た。ただ
し、焼成条件としては500〜1000℃の範囲内でP
bO成分を加えない。この焼結体について、実施例1と
同じ方法で、そりを測定した。その結果を表1に示す。
【0022】実施例2 出発原料として、PbO,TiO2,ZrO2,MgOお
よびWO3を準備し、これら粉末をPb(Mg
1/21/2)O3−PbZrO3−PbTiO3の化学式に
なるよう秤量し、調合する。この調合原料を実施例1と
同じ方法で作製する。この焼結体について、実施例1と
同じ方法で、そりを測定した。その結果を表1に示す。
【0023】比較例2 実施例2と同じ原料、同じ方法で焼結体を得た。ただ
し、焼成条件としては500〜1000℃の範囲内でP
bO成分を加えない。この焼結体について、実施例1と
同じ方法で、そりを測定した。その結果を表1に示す。
【0024】なお、実施例1、実施例2では、500〜
1000℃の温度範囲でPbOの蒸発成分を加えている
が、仮焼を行っているため、仮焼温度から1000℃ま
での温度範囲内で、PbOの蒸発成分を加えても同様の
効果が得られる。
【0025】また、上記の各実施例は圧電特性を利用す
る鉛含有複合酸化物について説明したが、この他に、積
層セラミックコンデンサに用いられるPb(Mg1/3
2/3)O3−PbTiO3系からなる誘電特性を利用し
た鉛含有複合酸化物についても同様の効果が得られる。
【0026】さらに、上記実施例では鉛を含んだセラミ
ックにPbO成分を混合する方法を記載してきたが、他
にビスマスを含んだ化合物、亜鉛を含んだ化合物など1
000℃前後で蒸発しやすい成分を組成物とするセラミ
ックに対しても、焼成中に酸化ビスマス成分などを焼成
雰囲気に混合してもよい。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、セラミックから一定
の割合で蒸発成分が蒸発することにより、焼成後のセラ
ミックの形状ばらつきが抑えられ、品質の一定したセラ
ミックが安定して得られる。
【0028】また、飽和蒸気圧に等しい量を加えること
により、セラミックからの蒸発成分の急激な蒸発が抑え
られ、焼成後のセラミックのそり、変形が抑えられ、良
品となるセラミックが得られる。
【0029】また、鉛を含むセラミックから一定の割合
で鉛成分が蒸発することにより、焼成後のセラミックの
形状ばらつきが抑えられ、品質の一定したセラミックが
安定して得られる。
【0030】さらに、鉛を含むセラミックからのPbO
成分の急激な蒸発が抑えられ、焼成後のセラミックのそ
り、変形が抑えられ、良品となるセラミックが得られ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックを焼成する工程において、昇
    温過程800〜1100℃の温度範囲の焼成雰囲気中
    に、セラミックを構成する組成物中の蒸発成分と同じ蒸
    発成分を加えることを特徴とするセラミックの熱処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセラミックの熱処理方
    法において、焼成雰囲気中に加える蒸発成分の量は、前
    記温度範囲での蒸発成分の飽和蒸気圧に等しい量である
    ことを特徴とするセラミックの熱処理方法。
  3. 【請求項3】 鉛を含むセラミックを焼成する工程にお
    いて、昇温過程800〜1100℃の温度範囲の焼成雰
    囲気中に、前記セラミックを構成する組成物中の鉛を含
    む蒸発成分と同じ蒸発成分を加えることを特徴とするセ
    ラミックの熱処理方法。
  4. 【請求項4】 前記鉛を含むセラミックを焼成する工程
    において、焼成雰囲気中に加える蒸発成分の量は、鉛を
    含む蒸発成分をPbOとして、前記PbOの1000℃
    での飽和蒸気圧400Pa(3torr)に等しい量であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のセラミックの熱処理方
    法。
JP7231513A 1995-09-08 1995-09-08 セラミックの熱処理方法 Pending JPH0971476A (ja)

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JP (1) JPH0971476A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005213117A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Tdk Corp セラミック基板の製造方法
US9219224B2 (en) 2011-03-30 2015-12-22 Ngk Insulators, Ltd. Method for manufacturing piezoelectric substrate

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