JPH0969510A - エッチング装置 - Google Patents

エッチング装置

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JPH0969510A
JPH0969510A JP7245402A JP24540295A JPH0969510A JP H0969510 A JPH0969510 A JP H0969510A JP 7245402 A JP7245402 A JP 7245402A JP 24540295 A JP24540295 A JP 24540295A JP H0969510 A JPH0969510 A JP H0969510A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエーハ群を混酸の定常状態にある回転流の
中に置き、且つバブリング用気体の均一な分散を図るべ
く、エッチング処理槽内の主要化学処理領域をウエーハ
と略同心円を描く回転流を形成するようにして、混酸の
安定した流動状態にすることにより平坦度を確保しつつ
所要の光沢度の設定をも可能としたエッチング装置を提
供する。 【解決手段】 混酸供給部10と、エッチング処理槽1
1とオーバーフロー槽12とより構成し、混酸供給部1
0とエッチング処理槽11の間に設けた整流板13の混
酸整流用貫通孔17により混酸の表層流19を形成さ
せ、その表層流によりウエーハ周辺に定常状態の回転流
20を誘起する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエーハ
(以後ウエーハという)をバブリング気泡を分散させた
混酸にさらすことにより湿式の化学的処理をするウエー
ハのエッチング装置に関し、特にウエーハの平坦度と光
沢度(輝度)を安定的に確保できるようにした混酸の供
給方法を備えたエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体シリコンウエーハは、シリコン単
結晶のインゴットをウエーハ状に切断し、この切断され
たウエーハのエッジ部分を面取りすることにより端部に
丸み付けを行い、更にラッピングをしてウエーハの厚み
を規定厚さに近付け、前記ラッピング等による破砕層を
エッチングにより除去し、次いでその片側主面を鏡面研
磨することによって製造される。ところで上記エッチン
グ工程においては、面取りやラッピング等の機械的加工
によりウエーハ表面に堆積された破砕層や表面歪み層等
を混酸により溶解除去することを目的としているが、そ
の際に平坦度と光沢度の両方を併せ満足するウエーハの
化学的処理装置が望まれていた。
【0003】従来のエッチング装置は、その断面構造を
摸式的に示す図5の側面図に示すように、混酸供給部5
0と、エッチング処理槽51と、オーバーフロー槽52
と、バブリングパイプ14とよりなり、前記混酸供給部
50とエッチング処理槽51との間には図6に示すよう
にその全面にわたり鉛直方向の縦長貫通孔群55を設け
た整流板53を設ける構成とし、該整流板53を介して
混酸18を混酸供給部50よりエッチング処理槽51内
に鉛直平行層流56を形成させるとともに、該鉛直平行
層流中にバブリングパイプ14を介してバブリング用気
泡15を分散均一に放出する。そのようにして形成され
た化学的処理領域に、鉛直状に適当間隔を置いて前記鉛
直層流に対し平行に並設したウエーハ群21を浸漬さ
せ、たとえば矢印A方向に回転させて化学的処理を行な
うようにし、一方、前記鉛直平行層流を形成した混酸1
8を前記整流板53の対向する位置に設けた直立璧57
によりオーバーフロー槽52へオーバフローする構成に
してある。
【0004】さてかかるエッチング装置において、混酸
として、50%フッ酸と濃硝酸、濃酢酸それぞれが等容
積比のものを使用し、エッチング温度を30℃の条件
で、直径150mmのシリコンウエーハをエッチング処
理した。なお、この混酸にはシリコンを予め溶解させ、
その溶解量を10.0〜13.0g/lの範囲で条件設
定した。そのように設定された混酸を250l/分の割
合で混酸供給部50の整流板53を介してポンプにより
エッチング処理槽51に供給し、またバブリング用気泡
を200l/分の割合でコンプレッサによりエッチング
処理槽50の下部に配設したバブリングパイプ14を介
して供給してシリコンウエーハをエッチングしたとこ
ろ、図7に示す結果が得られた。即ち、シリコン溶解量
が10.0g/lより13.0g/lに増量させる間
に、エッチング速度は1.13μm/分より0.82μ
m/分へと27%減速し、光沢度は62%より33%へ
と47%減少する結果となり、特に光沢度が極端に低下
し、不安定になっていることが理解される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記光沢度が低下し、
不安定となる原因は、ウエーハが浸漬され化学処理が行
なわれる領域において、従来のエッチング装置に下記の
ような問題点があるためと考えられる。 a、上記化学処理領域において、図5に示す混酸の流れ
の状況から見て、上部領域を含む相当部分の混酸が、エ
ッチング処理槽よりオーバーフロー槽52へ急激に流出
し、下部領域の混酸はその流れに圧迫され、流れの停滞
を余儀なくされている。 b、バブリング用気泡15も、上記理由から全領域にわ
たり均一に分散されていない。 c、さらに、ウエーハ群21の浸漬部位における混酸の
流れが安定した状態にないこと、即ち、鉛直平行層流5
6が整流板53と対向している直立壁57に直角に衝突
し混酸の流れを乱している。 d、混酸の大きな滞留域が直立壁57の下部に存在して
いる。
【0006】従って、本発明は上記の諸問題を解決し、
ウエーハ群を混酸の定常状態の回転流の中に置き、且つ
バブリング用気体の均一な分散を図るべく、エッチング
処理槽内の主要化学処理領域を、ウエーハと略同心円を
描く回転流を形成するようにして、混酸を安定した流動
状態とし、良好な平坦度や光沢度の確実な再現を可能と
したエッチング装置の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エッチング用混酸供給部
と、エッチング処理槽と、オバーフロー槽とよりなり、
前記エッチング処理槽には鉛直状に適当間隔で並立さ
せ、且つ回転可能にした半導体ウエーハ群を混酸の供給
方向に対し平行に載置させ、バブリング用気泡をエッチ
ング処理槽下部より混酸中に放出分散させるようにし
て、前記半導体ウエーハに化学的処理を行なうようにし
たエッチング装置において、前記エッチング処理槽内の
混酸の流れは、液面に形成される表層流と、半導体ウエ
ーハ周辺に誘起される回転流とにより構成したことを特
徴としたものである。
【0008】請求項2記載の発明は、前記エッチング処
理槽と混酸供給部との間に、前記表層流を形成する複数
の混酸整流用貫通孔を上部に配設し、下部に半導体ウエ
ーハ周辺に誘起される回転流を形成するための混酸供給
用貫通孔を備えた整流板を設けることを特徴としたもの
である。
【0009】請求項3記載の発明は、前記エッチング処
理槽と混酸供給部との間に、前記表層流を形成する複数
の混酸整流用貫通孔を上部に配設し、回転流を形成する
ための傾斜壁を設ける構成としたことを特徴としたもの
である。
【0010】請求項4記載の発明は、前記エッチング処
理槽とオーバーフロー槽との境界に、混酸の滞留防止用
の傾斜壁を設ける構成としたことを特徴としたものであ
る。
【0011】請求項5記載の発明は、前記混酸整流用貫
通孔は丸穴形状、若しくは水平長穴形状よりなるように
したことを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を、
図示例と共に説明する。ただし、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特に
特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。図1
は、本発明のエッチング装置の概略の構成を示す摸式的
側面図で、図2は図1の平面図である。
【0013】同図に示すように、本発明のエッチング装
置は、混酸供給部10と、エッチング処理槽11とオー
バーフロー槽12とより構成し、混酸供給部10とエッ
チング処理槽11の間には整流板13により仕切りを行
い、またエッチング処理槽11とオーバーフロー槽12
との間には、上縁をオーバーフロー槽12側に向け傾斜
させ、エッチング処理槽11内の表層流がオーバーフロ
ー槽12側にオーバフロー可能な高さを有する傾斜璧1
6を設けてある。前記整流板13の上部の、傾斜璧16
頂部より僅かに下方に対応する位置には複数の混酸整流
用貫通孔17を設け、該貫通孔17を通過する混酸によ
り強力な表層流19を形成可能に構成すると共に、前記
整流板13の下部には混酸供給用貫通孔23を設け、表
層流19下方の半導体ウエーハ21周辺のエッチング処
理槽11内に回転流20を誘起可能に構成する。上記混
酸整流用貫通孔17は図3(A)に示す丸穴貫通孔群1
7Aで構成しても良く、または図3(B)に示す長穴貫
通孔群17Bで構成しても良い。なお、下側の混酸供給
用貫通孔23は、特にその形状を問わず、たとえば整流
板13の横幅方向にスリット状に開口しているものであ
っても良く、原理的には上記混酸整流用貫通孔17も同
じスリット状に開口しているものを採用することが可能
である。なお、14はバブル管でコンプレッサCよりの
圧縮空気がエッチング処理槽11内でバブリング気泡1
5が生成される。Pはポンプである。
【0014】上記エッチング処理槽11内の上部は、表
層流19により遮蔽されており、その下方に位置するウ
エーハ群21のエッチングをするためのウエーハ周辺の
化学的処理領域は、混酸18の定常流である回転流20
で構成するようにされている為、先ず、エッチング処理
槽11の液面に前記混酸整流用貫通孔17により強力な
表層流19を形成させ、ついで該表層流とともに、混酸
供給用貫通孔23より供給される混酸18により前記回
転流20を誘起させるようにしてある。なお、この回転
流20は、前記整流用貫通孔23による混酸の供給を停
止させても、混酸整流用貫通孔17よりの表層流19
が、傾斜壁16の上縁に突き当り、これが傾斜壁に沿っ
て下方向に還流して回転流20を形成し、同様の作用効
果が得られることを確認している。また、前記傾斜璧1
6は、上縁をオーバーフロー槽12側に、下縁をエッチ
ング処理槽11側に傾斜させてあるため、傾斜璧16と
エッチング処理槽11の底部との交叉部における混酸の
滞留を極小になるようにして、前記回転流20が前記滞
留により起こされる攪乱を最小限に止める構成にしてあ
る。
【0015】なお、ウエーハ群21は図1と図2に見る
ように、ウエーハボード22に鉛直面内で前記回転流に
対し平行になるように適当間隔で並立載置させ、載置し
たウエーハボード22を回転流20に対し逆方向の矢印
A方向に回転させ、混酸との接触効率を上げる構成にし
てあるが、それが同方向であっても構わない。上記構成
により、ウエーハ群21の周辺はバブリング用気泡15
の均一分散と混酸の定常状態にある回転流の場に浸漬さ
れるために、ウエーハ表面を安定した流動状態にある混
酸に常時均一にさらすことができ、ウエーハ群21のウ
エーハ面に対して均一なエッチングが可能となり、結果
として平坦度が損われることなく光沢度の安定したウエ
ーハを製造することが可能となる。
【0016】
【実施例】本発明のエツチング装置において、混酸とし
て、50%フッ酸と濃硝酸、濃硫酸それぞれが等容積比
のものを使用し、エッチング温度を30℃の条件で、直
径150mmのシリコンウエーハをエッチング処理し
た。なお、この混酸には、シリコンを予め所定の設定量
として10.0〜13.0g/lの範囲で溶解させ、試
験用の混酸とした。該混酸を250l/分でポンプで供
給し、バブリング用気泡を200l/分の割合でコンプ
レッサで供給した場合のエツチング結果を図4に示す。
図に見るように、シリコン溶解量が10.0〜13.0
g/lの間で変化しても、エッチング速度は1.02〜
0.86μm/分に押さえることができ、また光沢度も
67〜60%の安定した値を得ていることがわかる。従
って、エッチング条件の設定に際しては、従来、光沢度
と平坦度の両品質を考慮していたが、上記本発明の構成
により、所定の光沢度を維持しつつ平坦度の改善を考慮
した条件設定が容易となった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ウエーハ群を混酸の定
常状態にある回転流の中に置き、且つバブリング用気体
の均一な分散を図るべく、エッチング処理槽内の主要化
学処理領域を、ウエーハと略同心円を描く回転流を形成
するようにして、混酸を安定した流動状態にして、良好
なエッチング条件の設定を可能とした。また、本発明
は、整流板および傾斜壁の効果的配置により、前記回転
流を誘起する表層流を構成するとともに、エッチング処
理槽内の混酸の滞留を防止し得、前記回転流の中に浸漬
されたウエーハ群の態様をより効果的に再現することを
可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング装置の概略の構成を示す摸
式的側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の整流板の整流用貫通孔の形状を示す一部
破断した平面図で、(A)は丸穴貫通孔群で構成した状
況を示す図、(B)は長穴貫通孔群で構成した状況を示
す図である。
【図4】本発明のエッチング装置によるエッチング結果
を示すグラフ図である。
【図5】従来のエッチング装置の概略の構成を示す摸式
的側面図である。
【図6】図6の整流板の整流用貫通孔の形状を示す一部
破断した平面図である。
【図7】図5のエッチング装置によるエッチング結果を
示す図である。
【符号の説明】
10 混酸供給部 11 エッチング処理槽 12 オーバーフロー槽 13 整流板 14 バブリングパイプ 15 気泡 16 傾斜壁 17 混酸整流用貫通孔 18 混酸 19 表層流 20 回転流 21 ウエーハ群 23 混酸供給用貫通孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング用混酸供給部と、エッチング
    処理槽と、オバーフロー槽とよりなり、前記エッチング
    処理槽には鉛直状に適当間隔で並立させ、且つ回転可能
    にした半導体ウエーハ群を混酸の流れに対し平行に載置
    させ、バブリング用気泡をエッチング処理槽下部より混
    酸中に放出分散させ、前記半導体ウエーハに化学的処理
    を行なうようにしたエッチング装置において、 前記エッチング処理槽内の混酸の流れは、液面に形成さ
    れる表層流と、半導体ウエーハ周辺に誘起される回転流
    とにより構成したことを特徴とするエッチング装置。
  2. 【請求項2】 前記エッチング処理槽と混酸供給部との
    間に、前記表層流を形成する複数の混酸整流用貫通孔を
    上部に配設し、下部に半導体ウエーハ周辺に誘起される
    回転流を形成するための混酸供給用貫通孔を備えた整流
    板を設ける請求項1記載のエッチング装置。
  3. 【請求項3】 前記エッチング処理槽と混酸供給部との
    間に、前記表層流を形成する複数の混酸整流用貫通孔を
    上部に配設し、回転流を形成するための傾斜壁を設ける
    構成とした請求項1記載のエッチング装置。
  4. 【請求項4】 前記エッチング処理槽とオーバーフロー
    槽との境界に、混酸の滞留を防止すべく傾斜壁を設ける
    構成とした請求項1記載のエッチング装置。
  5. 【請求項5】 前記混酸整流用貫通孔は丸穴形状、若し
    くは水平長穴形状に開口した請求項2または3記載のエ
    ッチング装置。
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