JPH0968670A - 頭部装着型映像表示装置 - Google Patents

頭部装着型映像表示装置

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JPH0968670A
JPH0968670A JP7222918A JP22291895A JPH0968670A JP H0968670 A JPH0968670 A JP H0968670A JP 7222918 A JP7222918 A JP 7222918A JP 22291895 A JP22291895 A JP 22291895A JP H0968670 A JPH0968670 A JP H0968670A
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eye
line
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JP7222918A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kodama
裕 児玉
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、第1に設定された虚像までの距離と
実際の視度と輻輳角の合致位置とのずれを防止し、第2
に映像中に左右の視野枠側端面が映ることを防止し、第
3に配線コードが邪魔になることを防止した頭部装着型
映像表示装置の提供を目的としている。 【解決手段】目的達成のため第1に注視する虚像部分の
輻輳状態と視線が全虚像領域で合致させるように構成
し、第2に観察者の輻輳状態によらず視野枠が常に融像
できるよう構成し、第3に配線コードを移動自在となる
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の頭部に装
着させ、眼球内網膜上に映像を投影可能とした頭部装着
型映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、観察者の頭部に装着させ、液
晶表示素子等の映像表示素子を用いて映像を表示させ、
その映像をレンズ系や凹面鏡等の各種接眼光学系を用い
て観察者の眼球内に虚像として導く頭部装着型映像表示
装置が知られている。この頭部装着型映像表示装置は、
装着手段を介して観察者の頭部に装着でき、装置を手等
でおさえる必要がないとともに、装置本体内に設けられ
た小型の映像表示素子で大画面像を見ることができる新
しいタイプの映像表示装置である。
【0003】なかでも左右で視差を含んだ映像をそれぞ
れ左右眼球に導き、それを両眼視することで両眼視差に
よる立体感のある三次元映像を供給する頭部装着型映像
表示装置が注目されている。その中の一例として観察者
が像を注視している時の輻輳角(左右両眼の視線のなす
角)を検出し、それにより最適な輻輳位置(眼球から虚
像までの距離)を算出し、それに合わせて虚像の奥行き
を調整することを試みた頭部装着型映像表示装置が特開
平6−235885号にて提案されている。その構成を
図17に示す。
【0004】図17において観察者の左右眼球101L
及び101Rの前方に投影光学系102L及び102R
がそれぞれ配され更に前方に視差をもった映像を表示す
る映像表示素子103L及び103Rが配されている。
また左右眼球の近くに視線検出器104L及び104R
が配され、その信号により映像表示素子103L,10
3R及び又は投影光学系102L,102Rが移動手段
105により移動する構成となっている。そして虚像を
移動させる方法としては、具体的には左右の眼球の視線
を検出し、それをもとに輻輳角θを求め、瞳孔間隔をI
としたときに、眼球と虚像との距離ZがZ=I/θを満
たすべく移動手段により虚像を移動させるものを開示し
ている。このような構成により、視差を持つ映像の観察
であっても左右の視線方向の交わる位置に虚像が導か
れ、観察者の視度と輻輳角とがあった表示装置が提供で
きる旨記載されている。
【0005】特に表示された仮想の立体像と実物とを光
学的に重ねて観察するシースルーでの使用に際しても同
一の遠近位置に立体像と実物とが表示されるので視覚的
負担が低減される旨主張している。また、特開平5−2
08393号公報には、左右の視線方向を読み取ってそ
の位置に虚像を導くことで視度と輻輳とが合致する頭部
装着型映像表示装置を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では観察される虚像の全領域で視度と輻輳角が合致
した映像表示装置は達成されない。以下にそのことを説
明する。上記構成では先に述べた通り左右眼球の視線が
交わる位置を検出しその輻輳角θをもとに眼球と虚像と
の距離ZをZ=I/θとして算出している。観察者のほ
ぼ前方方向を注視した場合における検出であれば、上記
式に近似させることで視度と輻輳をほぼ合致させること
は可能となる。しかし頭部装着型映像表示装置は、近年
大画面を形成するため視野角を広げて構成するようにな
り、観察者は画面の中央以外にも、視点がずれることも
考慮しなければならない。そして観察者の視点が、画面
の中央以外にずれた場合、虚像の周辺部の観察では視度
と輻輳角とが合致しない現象が生じることとなる。図1
8はそのことを説明するための図であり観察者の直上方
から見たものである。この図において観察者の左右眼球
101L,101Rの前方の虚像点Qを注視する際には
眼球と虚像との距離ZをZ=I/θに近似させることで
ほぼ視度と輻輳角が合致する。ところがこの時に観察さ
れる虚像106の周辺部の任意の点P(虚像距離が本来
虚像点Qの虚像距離Zと等しくなるべき点)を注視する
場合でも虚像は前後に移動すべきではないが、上記式に
従うと虚像は虚像106の位置よりも遠方に導かれてし
まう。これは周辺部の任意の点Pを注視した際の輻輳角
θ’が前方方向を注視した際の輻輳角θよりも角度が小
さくなるためである。図18の一点鎖線で示した曲線
(虚像点Qと左右眼球の中心107L,107Rを通る
円の部分円周)は注視したときに左右眼球101L,1
01Rによる輻輳角がθとなる箇所を示し、また二点鎖
線(虚像点Pと左右眼球の中心107L,107Rを通
る円の部分円周)は注視したときに左右眼球101L,
101Rによる輻輳角がθ’となる箇所を示している。
この図からわかる通り、虚像点Pを注視した際に上記式
に従って視度と輻輳角とを合わせようとすると虚像は虚
像106の位置ではなく更に遠方の虚像106’の位置
にある点Q´に導かれてしまい結果的に輻輳状態は10
6の位置であって視度は106’の位置となり、かえっ
て視度と輻輳状態があわなくなってしまう。このような
不都合は縦方向に大視野の虚像を観察させる頭部装着型
映像表示装置は勿論、特に横方向に大視野の頭部装着型
映像表示装置であればあるほど視度と輻輳状態が合わな
くなるといった問題が生じてしまう。特にこの問題はシ
ースルーでの観察でにおいて顕著に表われ、同一の奥行
き輻輳を示す映像の結像位置(ピントの合う位置)と実
際の外界物との見える位置(輻輳位置及びピント位置)
が眼球の直前から離れるに従い奥行きが互いに違うとこ
ろに存在することになってしまい、先の従来例の記載に
反し一層視覚的負担が増加してしまう結果となる。
【0007】また、先に示した従来例では特に明記され
てはいないが瞳孔間隔Iを日本人の成人男性の平均的瞳
孔間隔(約65mm)として算出しているものと考える
と、女性や子供といった瞳孔間隔が約65mmよりも小
さい者や、欧米人のように瞳孔間隔が約65mmよりも
大きい者が使用した場合では、検出される輻輳角θが異
なってくるため、式Z=I/θにより導かれる虚像まで
の距離も実際に視度と輻輳角の合う位置よりも前方また
は後方にずれてしまうと言う問題が生ずる。
【0008】本願発明は第一に上記問題点に鑑み、第1
の目的として、注視する虚像部分の輻輳状態と視度を全
虚像領域で合致させ、使用者の瞳孔間隔の違いによらず
輻輳状態と視度が合致した頭部装着型映像表示装置を提
供することに主眼を置く。また、左右で視差を持つ映像
を観察し立体視効果を発生させる場合、輻輳状態が緩や
かな場合即ち視差を小さくすると、観察される像はあた
かも遠方にあるものと感じてしまう。また輻輳状態がき
つい場合即ち視差が大きくなると、観察される像はあた
かも近方にあるものと感じることとなる。そこで、その
輻輳状態によっては左右の視野枠自体が左右に大きくず
れてしまう場合もあり、そのため視野枠の融像ができず
観察映像中に視野枠の縦ラインが映ってしまい、観察者
の所望する映像の観察の妨げとなってしまうと言う第二
の問題が生ずる。
【0009】本願発明は上記第二の問題点に鑑み、第2
の目的として、観察者の輻輳状態によらず、視野枠が常
に融像される見やすい頭部装着型映像表示装置を提供す
ることに主眼を置く。更に、従来の頭部装着型映像表示
装置では、頭部装着型映像表示装置本体とは別体に構成
された表示映像の変換や外界観察するための液晶シャッ
ターのON/OFF切替え、電源といった頭部装着型映
像表示装置本体の電気的制御を行う信号を生成する制御
手段が配線コードを介して繋がれている。
【0010】しかしながら、頭部装着型映像表示装置と
配線コードとの位置関係は一義的に定められていると、
観察者の顔の位置や向きにより配線コードが顔等にあた
り不快感を与えることにも成りかねない。特に、医療の
分野で医師が頭部装着型映像表示装置を装着して患者の
患部の治療を映像を見ながら行うようなケースでは、医
師の立ち位置により配線コードが治療行為を妨げる可能
性もあると言う第三の問題が生ずる。
【0011】本願発明は上記第三の問題点に鑑み、第3
の目的として、観察者の顔の位置や向きに寄らず、配線
コードが邪魔の成らない頭部装着型映像表示装置を提供
することに主眼を置く。また、本願発明はこの他にも、
本明細書内に記載した種々の効果を得ることを目的とし
ている。
【0012】なお、特開平5−208393号公報は左
右の視線方向を読み取ってその位置に虚像を導くことで
視度と輻輳とが合致する頭部装着型映像表示装置を開示
しているが、表示される左右眼球用の映像に視差を含ま
せるといった記載がなく、そのため両眼視差による立体
視効果が得られず、近距離及び遠距離の映像の観察にお
いて視度と輻輳とが合わなくなるといった問題提起も発
生し得ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本第一の発明による頭部
装着型映像表示装置は、観察者の左右両眼それぞれに対
応した視差を持つ映像を表示する左眼用映像表示素子及
び右眼用映像表示素子と、上記左右の映像表示素子に表
示された左右映像をそれぞれ上記観察者の左右両眼へ虚
像として導く左眼用接眼光学系及び右眼用接眼光学系
と、上記左右の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系
とを上記観察者の頭部に装着可能とする装着手段とを有
する頭部装着型映像表示装置において、上記観察者の左
右眼球の視線方向の少なくとも略左右眼球を結ぶ横方向
成分を検出可能とする左右眼球視線方向検出手段と、上
記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右眼球の
視線方向の横方向成分信号から上記左右眼球の視線の横
方向成分が交差する位置を輻輳位置として算出する視線
位置算出手段と、上記視線位置算出手段により算出され
た輻輳位置に上記左右映像の虚像を移動させるべく上記
左右の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系の少なく
ともいずれか一方を移動させる虚像位置移動手段とを有
することを特徴とするものである。本第一の発明はこの
構成によって、観察者は装着手段により本願発明の頭部
装着型映像装置を装着することで、左右の映像表示素子
に表示された互いに視差を持つ映像は左右の接眼光学系
により観察者の左右眼球それぞれに視差を持つ映像とし
て導かれ、立体感のある映像(虚像)を観察することが
できる。この時に観察者が所望する領域を注視すると、
例えばアイカメラや眼球を動かす筋肉の収縮状態を検出
する電極板等の左右眼球視線方向検出手段により左右眼
球の視線方向の横方向成分が検出される。この検出され
た横方向成分を含む信号を基に、視線位置算出手段は左
右眼球の視線が交差する輻輳位置を算出する。この視線
位置算出手段により算出された輻輳位置へ左右映像の虚
像を導くべく虚像位置移動手段により左右の映像表示素
子及びまたは左右の接眼光学系が移動する。このように
本願発明の最も特徴となる視線位置検出手段は、単に左
右両眼の輻輳角のみから虚像の配する位置を確定するも
のではなく、左右の眼球の視線の横方向成分から左右眼
球の視線が交差する位置を輻輳位置として求めている。
そのため、大視野の虚像の画像周辺部の輻輳角が小さく
なる領域の注視であっても、視線の交差する位置で虚像
と眼球との間の距離を決定するので、大視野角の虚像が
観察できる頭部装着型映像表示装置であっても注視する
虚像部分の輻輳状態と視度が全虚像領域で合致すること
となり、前述の第一の問題点を解決することができるの
である。
【0014】更に、上記第一の発明は上記頭部装着型映
像表示装置に、上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を検出
する瞳孔間隔検出手段を具え、上記視線位置算出手段が
上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右眼球
の視線方向の横方向成分を含む信号及び上記瞳孔間隔検
出手段により検出された瞳孔間隔とから上記左右眼球の
視線が交差する輻輳位置を算出する視線位置算出手段と
なるように構成することによって、瞳孔間隔検出手段に
より観察者の左右眼球の瞳孔間隔が検出され、視線位置
算出手段により左右眼球視線方向検出手段で導かれた左
右眼球の視線方向の横方向成分を含む信号と先の瞳孔間
隔検出手段により検出された瞳孔間隔とから左右眼球の
視線が交差する輻輳位置を算出し、算出された位置に虚
像が導かれるようにすることもできる。そのため、使用
する観察者の瞳孔間隔の個人差にあわせて自動的に虚像
の全領域で輻輳状態と視度とを合致させることも可能で
ある。
【0015】更に、上記第一の発明は上記頭部装着型映
像表示装置に、上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を示す
情報を外部より変更可能とする瞳孔間隔情報変更手段を
具え、上記視線位置算出手段が、上記左右眼球視線方向
検出手段により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成
分を含む信号、及び上記瞳孔間隔情報変更手段により変
更された瞳孔間隔信号とから上記左右眼球の視線が交差
する輻輳位置を算出する視線位置算出手段となるように
構成することによって、観察者等が瞳孔間隔情報変更手
段を操作して左右眼球の瞳孔間隔を示す信号を観察者の
瞳孔間隔にあわせることで、視線位置算出手段により左
右眼球視線方向検出手段で導かれた左右眼球の視線方向
の横方向成分を含む信号と先の瞳孔間隔情報変更手段の
操作で設定された瞳孔間隔信号とから左右眼球の視線が
交差する輻輳位置を算出し、算出された位置に虚像が導
かれるようにすることもできる。そのため、使用する観
察者の瞳孔間隔の個人差があってもそれぞれの観察者に
あった瞳孔間隔信号に調整することで虚像の全領域で輻
輳状態と視度とが合致させることも可能である。
【0016】また、この構成に上記左眼用接眼光学系ま
たは上記右眼用接眼光学系の少なくとも一部を偏心移動
可能とし左右眼球近傍に形成される左右の射出瞳の間隔
を可変に構成した射出瞳間隔調整手段を具え、上記瞳孔
間隔情報変更手段は上記射出瞳間隔調整手段と一体化さ
れ上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の調整に従
って瞳孔間隔信号が変換されるように構成することによ
って、射出瞳間隔調整手段により観察者の瞳孔間隔の違
いに合わせて左右眼球近傍に形成される射出瞳の間隔を
調整することができるが、この調整に従って瞳孔間隔信
号が変換されるので、射出瞳の間隔調整時に瞳孔間隔信
号もあわせて変更できる。
【0017】またこの構成とは別に、上記装着手段によ
る締めつけ具合を検知する装着状態検知手段を具え、上
記瞳孔間隔情報変更手段は上記装着状態検知手段と一体
化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示す
情報に従って瞳孔間隔信号を変換することによって、装
着状態検知手段により装着手段による締めつけ具合を検
知し、その観察者顔面の横幅や頭部周囲の長さに対応
し、しいては瞳孔間距離にも対応した締めつけ具合を示
す情報に従って瞳孔間隔信号が変換されるので、頭部装
着型映像表示装置の装着調整時に瞳孔間隔信号もあわせ
変更できる。
【0018】次に、本第二の発明の頭部装着型映像表示
装置は、観察者の左右両眼それぞれに対応した視差を持
つ映像を表示する左眼用映像表示素子及び右眼用映像表
示素子と、上記左右の映像表示素子に表示された左右映
像をそれぞれ上記観察者の左右両眼へ虚像として導く左
眼用接眼光学系及び右眼用接眼光学系と、上記左右の映
像表示素子及び上記左右の接眼光学系とを上記観察者の
頭部に装着可能とする装着手段とを有する頭部装着型映
像表示装置において、上記観察者の左右眼球のうち少な
くともいずれかの視線方向を検出可能とする視線方向検
出手段と、上記視線方向検出手段により導かれた眼球の
視線方向を示す信号を基に輻輳位置を算出する視線位置
算出手段と、上記視線位置算出手段により導かれた輻輳
位置に基づいて、左右夫々の虚像の枠を形成する映像表
示素子上の映像の縁部を、左右の映像で相対的に近接又
は離反するように移動させることにより、上記左右の映
像表示素子上の表示領域を略合同に表示させる虚像縁変
更手段とを有するように構成することができる。本第二
の発明はこの構成によって、観察者は装着手段により本
願発明の頭部装着型映像装置を装着することで、左右の
映像表示素子に表示された互いに視差を持つ映像は左右
の接眼光学系により観察者の左右眼球それぞれに視差を
持つ映像として導かれ、立体感のある映像(虚像)を観
察することができる。この時に観察者が所望する領域を
注視すると、視線方向検出手段により左右眼球いずれか
の視線方向が検出される。この検出された信号を基に、
視線位置算出手段は輻輳位置を算出する。そして視野枠
変更手段により、先の輻輳位置の奥行きに関係させ観察
者が注視した際の輻輳の状態で左右眼球に導かれる左右
虚像の視野枠を互いに合致させるべく右眼に導かれる虚
像の視野枠の変更と左眼に導かれる虚像の視野枠の変更
とを左右の虚像で相対的に近接又は離反させるように変
更させ左右の映像表示素子上の表示領域を略合同に表示
させることができる。よって、観察者が注視した映像の
輻輳状態で視野枠の輻輳状態も略合致することとなり、
上記第2の問題点を解決することができるのである。更
に、右眼に導かれる虚像の視野枠の変更と左眼に導かれ
る虚像の視野枠の変更とを左右の虚像で対称的にするこ
とで観察者顔面の真っ直ぐ前方が常に映像(虚像)の中
心となるので、例えば各種視差を持つ立体ビデオソフト
の観察や視差を持って録画したVTRの観察等で主とす
る映像部分が常に虚像の中央部分となり観察し易く構成
できるのでより望ましい結果が得られる。
【0019】またこれらの構成中、上記視線方向検出手
段を上記観察者の左右眼球の視線方向の横方向成分を検
出可能とする左右眼球視線方向検出手段とし、上記視線
位置算出手段を上記左右眼球視線方向検出手段により導
かれた左右眼球の視線方向の横方向成分信号から上記左
右眼球の視線の横方向成分が交差する位置を輻輳位置と
して算出する視線位置算出手段とすることによって、左
右眼球視線方向検出手段により検出された横方向成分を
含む信号を基に、視線位置算出手段は左右眼球の視線が
交差する輻輳位置を算出させ、視野枠変更手段により、
先の輻輳位置の奥行きに関係させ観察者が注視した際の
輻輳の状態で左右眼球に導かれる左右虚像の視野枠を互
いに合致させるべく右眼に導かれる虚像の視野枠の変更
と左眼に導かれる虚像の視野枠の変更とを左右の虚像で
相対的(更に好ましくは対称的)に変更させ左右の映像
表示素子上の表示領域を略合同に表示させることも可能
である。よって、観察者が注視した映像のが虚像の周辺
を観察する輻輳状態であっても常に視野枠の輻輳状態が
合致し、より融像し易い頭部装着型映像表示装置を達成
できる。
【0020】またこれら構成中、上記虚像縁変更手段
を、上記左右の虚像を左右略対称的に変更させるため、
上記左眼用映像表示素子上の左端の表示部を欠落させて
表示させる場合には、それに合わせて上記右眼用映像表
示素子上の右端の表示部を欠落させて表示させ、及び/
または、上記左眼用映像表示素子上の右端の表示部を欠
落させて表示させる場合には、それに合わせて上記右眼
用映像表示素子上の左端の表示部を欠落させて表示させ
るように形成された、左右映像欠落手段とすることによ
って、先の左右虚像の左右対称的な変更を、左右映像欠
落手段により左眼用映像表示素子上の左端の表示を欠落
させる際は右眼用映像表示素子上の右端の表示を欠落さ
せることで行っている。このように表示素子上で視野枠
の変更を行うことでメカ的に視野枠を変更させるのに比
し頭部装着型映像表示装置の装着する重量を増やす事な
く視野枠が常に合致させることもできるのである。
【0021】勿論この場合、左眼用映像表示素子上の右
端の表示を欠落させる際に右眼用映像表示素子上の左端
の表示を欠落させても同様のことが言える。さらに、そ
の両方を併用しても構わない。またこの構成とは別に、
上記左右映像欠落手段を上記左右の映像表示素子の右方
向を正とするとき、上記輻輳位置の奥行き距離に比例関
係をもたせ上記奥行き距離が小さいほど上記左眼用映像
表示素子上の左端の表示の縁移動量を正方向に大に変換
して上記左端の表示を欠落させるとともに、上記比例関
係とは逆方向の比例関係をもって上記右眼用映像表示素
子上の右端の表示の縁移動量を負方向に大に変換して上
記右端の表示を欠落させることによって、左右映像欠落
手段により、輻輳位置の奥行き距離に比例関係をもたせ
奥行き距離が小さいほど左眼用映像表示素子上の左端の
表示を欠落させるとともに、この比例関係とは逆方向の
比例関係をもって右眼用映像表示素子上の右端の表示を
欠落させることができる(例えば後述する図9e参
照)。このように左右映像の欠落状態を奥行き距離に応
じて比例的に欠落させ両虚像を合致させることで、輻輳
変動による視野枠の変動が比例的で滑らかになり観察し
易くすることも可能である。
【0022】またこれらの構成に加え、上記左右映像欠
落手段を上記左右の映像表示素子の右方向を正とすると
き、上記輻輳位置の奥行き距離に比例関係をもたせ上記
奥行き距離が大きいほど上記左眼用映像表示素子上の右
端の表示の縁移動量を負方向に大に変換して上記右端の
表示を欠落させるとともに、上記比例関係と逆方向の比
例関係をもって上記右眼用映像表示素子上の左端の表示
の縁移動量を正方向に大に変換して上記左端の表示を欠
落させるようにすれば、左右映像欠落手段により、輻輳
位置の奥行き距離に比例関係をもたせ奥行き距離が大き
いほど左眼用映像表示素子上の右端の表示を欠落させる
とともに、この比例関係とは逆の比例関係をもって右眼
用映像表示素子上の左端の表示を欠落させることもでき
る(例えば後述する図9b参照)。このように左右映像
の欠落状態を奥行き距離に応じて比例的に欠落させ両虚
像を合致させることで、輻輳変動による視野枠の変動が
比例的で滑らかになり観察し易くなる。
【0023】またこの構成に加え、上記左右の映像表示
素子の中心部を上記左右の接眼光学系の光軸から上記中
心部がお互いに近づく方向に偏心させると共に、上記左
右眼球の視線の輻輳角が略0度となる時に上記左眼に導
かれる虚像の左端の欠落量を略0とし且つ上記右眼に導
かれる虚像の右端の欠落量を略0とし、上記観察者左右
眼球の輻輳変化に伴う上記枠形状の変更に際しても上記
左右の映像表示素子上の表示される領域を上記変更の前
後で略合同とすることによって、輻輳状態が無限遠観察
である場合の左端は、左眼用映像表示素子の左端にあわ
せて右眼用映像表示素子の左端を欠落でき、また右眼用
映像表示素子の右端にあわせて左眼用映像表示素子の右
端を欠落できる。そして、観察者の輻輳の変更の際も常
に左右の表示される領域が略合同であるため、輻輳変化
によらず、観察者は枠形状(視野角)が常に一定した観
察が行える。また、輻輳状態が並行である輻輳角0°を
こえて輻輳角がマイナスに傾くことは実際に有り得ない
ため、左右の映像表示素子をそれぞれの中心部が左右の
接眼光学系の光軸から中心部がお互いに近づく方向に偏
心させて設けることで、視野枠移動の移動距離が長くな
り、よって表示面を節約しつつ視野角が近距離輻輳まで
常に一定とすることができる。
【0024】更にこれら本第二の発明の種々の構成に加
え、上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を検出する瞳孔間
隔検出手段を具え、上記視線位置算出手段を上記左右眼
球視線方向検出手段により導かれた左右眼球の視線方向
の横方向成分を含む信号及び上記瞳孔間隔検出手段によ
り検出された瞳孔間隔とから上記左右眼球の輻輳位置を
算出する視線位置算出手段とすることによって、瞳孔間
隔検出手段により観察者の左右眼球の瞳孔間隔が検出さ
れ、視線位置算出手段により左右眼球視線方向検出手段
で導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含む信号
と先の瞳孔間隔検出手段により検出された瞳孔間隔とか
ら左右眼球の視線が交差する輻輳位置を算出し、算出さ
れた位置に従って左右虚像の縁が互いに合致させられ、
使用する観察者の瞳孔間隔の個人差によらず自動的に虚
像の全領域の輻輳状態で視野枠の輻輳状態を合致させる
ことが可能となる。
【0025】また、この構成とは別に本第二の発明の種
々の構成に加え、上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を示
す情報を外部より変更可能とする瞳孔間隔情報変更手段
を具え、上記視線位置算出手段を上記左右眼球視線方向
検出手段により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成
分を含む信号及び上記瞳孔間隔情報変更手段により変更
された瞳孔間隔信号とから上記左右眼球の視線が交差す
る輻輳位置を算出する視線位置算出手段とすることによ
って、観察者等が瞳孔間隔情報変更手段を操作して左右
眼球の瞳孔間隔を示す信号を観察者の瞳孔間隔にあわせ
ることで、視線位置算出手段により左右眼球視線方向検
出手段で導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含
む信号と先の瞳孔間隔情報変更手段の操作で設定された
瞳孔間隔信号とから左右眼球の視線が交差する輻輳位置
を算出し、算出された位置に応じて視野枠が導かれた
め、使用する観察者の瞳孔間隔に個人差があってもそれ
ぞれの観察者にあった瞳孔間隔信号に調整することで虚
像の全領域で輻輳状態と視野枠の輻輳状態とが合致する
ことが可能となる。
【0026】更にこの構成に加え、上記左眼用接眼光学
系または上記右眼用接眼光学系の少なくとも一部を偏心
移動可能とし左右眼球近傍に形成される左右の射出瞳の
間隔を可変に構成した射出瞳間隔調整手段を具え、上記
瞳孔間隔情報変更手段を上記射出瞳間隔調整手段と一体
化され上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の調整
に従って瞳孔間隔信号が変換されるようにすることによ
って、射出瞳間隔調整手段により観察者の瞳孔間隔の違
いに合わせて左右眼球近傍に形成される射出瞳の間隔を
調整することができ、この調整に従って瞳孔間隔信号が
変換されるので、射出瞳の間隔調整時に瞳孔間隔信号も
あわせて変更できることとなる。
【0027】またこの構成とは別に、上記装着手段によ
る締めつけ具合を検知する装着状態検知手段を具え、上
記瞳孔間隔情報変更手段を上記装着状態検知手段と一体
化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示す
情報に従って瞳孔間隔信号を変換するようにすれば、装
着状態検知手段により装着手段による締めつけ具合を検
知し、その観察者顔面の横幅や頭部周囲の長さに対応
し、しいては瞳孔間距離にも対応した締めつけ具合を示
す情報に従って瞳孔間隔信号を変換することもできるの
で、頭部装着型映像表示装置の装着調整時に瞳孔間隔信
号もあわせて変更できる。
【0028】また本第二の発明はこれら種々の構成に変
え、上記虚像縁変更手段を、上記左眼用映像表示素子及
び上記右眼用映像表示素子との間隔を接近及び離反させ
る映像表示素子接近離反手段とし、且つ上記左眼用映像
表示素子及び上記右眼用映像表示素子の接近離反時の移
動量にともなって接近時には外側へ映像を横方向にスク
ロールさせ離反時には内側へ映像を横方向にスクロール
させる映像変換手段を有するように構成すれば、映像表
示素子接近離反手段により左眼用映像表示素子及び右眼
用映像表示素子との間隔が左右眼球の輻輳状態で変化し
輻輳状態と視野枠とを合致させることができる。このと
き、映像が縁にともなって左右に移動すると視線がぶれ
て輻輳状態が変化してしまうが、映像変換手段により左
眼用映像表示素子及び右眼用映像表示素子の接近離反時
の移動量にともなって接近時には外側へ離反時には内側
へ映像を横方向にスクロールさせることにより輻輳状態
の変化を抑えることができる(例えば後述する図3参
照)。また、この様な構成とすることで、常に左右の映
像表示素子の表示面をフル活用できるので、大型の映像
表示素子を用いる必要が無く、装置の小型化が達成され
る。
【0029】またこの構成とは別に本第二の発明の構成
に加え、上記視線方向検出手段を、上記観察者の左右眼
球の視線方向のうち、少なくとも略左右眼球を結ぶ横方
向成分を検出可能とする左右眼球視線方向検出手段と
し、上記視線位置算出手段に、上記左右眼球視線方向検
出手段により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分
信号から上記左右眼球の視線の横方向成分が交差する位
置を輻輳位置として算出する構成を加え、上記虚像位置
移動手段に、上記視線位置算出手段により算出された輻
輳位置に上記左右映像の虚像を移動させるべく上記左右
の映像表示素子と上記左右の接眼光学系の少なくとも1
方を移動させる手段をも備えさせることにより、観察者
のあらゆる視線の観察であっても、注視したところの視
度及び輻輳状態が合致するとともに、それに付随して虚
像の視野枠もまた、視度と輻輳状態とが一致し、益々観
察し易い頭部装着型映像表示装置が実現できる。
【0030】この時、請求項1記載の左右眼球視線方向
検出手段及び請求項6記載の左右眼球視線方向検出手段
を同一化させ、且つ、請求項1記載の左右眼球視線方向
算出手段及び請求項6記載の左右眼球視線方向算出手段
を同一化させ、上記同一化させた左右眼球視線方向算出
手段により算出された輻輳位置を表す信号をそれぞれ虚
像位置移動手段及び虚像縁変更手段へ出力する構成とす
れば、構成を簡略化させることができるとともに、虚像
位置移動手段及び虚像縁変更手段へ導かれる信号が同じ
となり、注視したところの視度及び輻輳状態の合致の状
態及び虚像の視野枠の視度と輻輳状態との合致の状態の
精度を増すことも可能となる。
【0031】またこの構成とは別に本第二の発明の構成
に加え、上記映像表示素子接近離反手段を、上記左眼用
映像表示素子及び上記右眼用映像表示素子との間隔を接
近及び離反の移動を左右略対称に行うよう形成すれば、
観察者は装着手段により本願発明の頭部装着型映像装置
を装着することで、左右の映像表示素子に表示された互
いに視差を持つ映像は左右の接眼光学系により観察者の
左右眼球それぞれに視差を持つ映像が導かれ、立体感の
ある映像(虚像)を観察することができる(例えば後述
する図3参照)。
【0032】この時に観察者が所望する領域を注視する
と、視線方向検出手段により左右眼球いずれかの視線方
向が検出される。この検出された視線方向の信号を基
に、視線位置算出手段は輻輳位置を算出する。そして映
像表示素子近接離反手段により、先の輻輳位置の奥行き
に関係させ観察者が注視した際の輻輳の状態で左右眼球
に導かれる左右虚像の視野枠を互いに合致させるべく左
眼用映像表示素子及び右眼用映像表示素子との間隔が変
化させられる。よって、観察者が注視した映像の輻輳状
態で視野枠の輻輳状態も合致する。このとき、映像が縁
にともなって左右に移動すると視線がぶれて輻輳状態が
変化してしまうが、映像変換手段により左眼用映像表示
素子及び右眼用映像表示素子の接近離反時の移動量にと
もなって接近時には外側へ離反時には内側へ映像を横方
向にスクロールさせることにより輻輳状態の変化を抑え
ることができる。また、この様な構成とすることで、常
に左右の映像表示素子の表示面をフル活用できるので、
大型の映像表示素子を用いる必要が無く、装置の小型化
が達成される。
【0033】また、さらに先の構成に加え、上記映像表
示素子接近離反手段を上記左眼用映像表示素子または上
記右眼用映像表示素子のいずれか一方の映像表示素子の
みを横方向に移動させる映像表示素子接近離反手段と
し、上記映像変換手段を上記映像表示素子接近離反手段
により横方向に移動させられる上記一方の映像表示素子
のみの映像を横方向にスクロールさせる映像変換手段と
することによって、観察者の輻輳状態に応じて虚像の縁
を合わせる際に、映像表示素子接近離反手段により左眼
用映像表示素子または右眼用映像表示素子のいずれか一
方の映像表示素子のみが横方向に移動させることができ
る。またこの移動に応じて、映像変換手段により横方向
に移動させられた一方の映像表示素子のみの映像を横方
向にスクロールさせることで、映像表示素子の横方向の
移動に伴う輻輳状態の変化を抑えている。このとき、映
像表示素子の片方のみを移動させることで両方を移動さ
せるものに対し小型化且つ構成の簡略化が可能となる。
また、片方のみの映像をスクロールさせればよいので映
像変換手段による処理が簡略化され安価な頭部装着型映
像表示装置が提供できる(例えば後述する図11参
照)。また、観察者の左右いずれかの利き目に対応させ
てその利き目側で虚像の枠の変更を抑えることで虚像が
更に観察し易くなる。
【0034】また本第二の発明の頭部装着型映像表示装
置の構成は上記種々の構成とは別に、観察者の左右両眼
それぞれに対応した視差を持つ映像を表示する左眼用映
像表示素子及び右眼用映像表示素子と、上記左右の映像
表示素子に表示された左右映像をそれぞれ上記観察者の
左右両眼へ虚像として導く左眼用接眼光学系及び右眼用
接眼光学系と、上記左右の映像表示素子及び上記左右の
接眼光学系とを上記観察者の頭部に装着可能とする装着
手段とを有する頭部装着型映像表示装置において、上記
観察者の左右眼球のうち少なくともいずれかの視線方向
を検出可能とする視線方向検出手段と、上記左右眼球視
線方向検出手段により導かれた眼球の視線方向を示す信
号を基に輻輳位置を算出する視線位置算出手段と、上記
視線位置算出手段により導かれた輻輳位置の奥行きに関
係させ上記輻輳の状態で上記左右眼球に導かれる左右虚
像の縁を互いに合致させるべく上記右眼または上記左眼
に導かれる虚像の一方のみの虚像の縁の変更を行い、上
記左右の映像表示素子上の表示領域を略合同に表示させ
る虚像縁変更手段とを有することによっても達成するこ
とが可能である。この構成によれば、観察者は装着手段
により本願発明の頭部装着型映像装置を装着すること
で、左右の映像表示素子に表示された互いに視差を持つ
映像は左右の接眼光学系により観察者の左右眼球それぞ
れに視差を持つ映像として導かれ、立体感のある映像
(虚像)を観察することができる。この時に観察者が所
望する領域を注視すると、視線方向検出手段により左右
眼球いずれかの視線方向が検出される。この検出された
視線方向の信号を基に、視線位置算出手段は輻輳位置を
算出する。そして視野枠変更手段により、先の輻輳位置
の奥行きに関係させ観察者が注視した際の輻輳の状態で
左右眼球に導かれる左右虚像の視野枠を互いに合致させ
るべく右眼に導かれる虚像の視野枠または左眼に導かれ
る虚像の視野枠のいずれか一方のみの視野枠を変更させ
左右の映像表示素子上の表示領域を略合同に表示させ
る。よって、観察者が注視した映像の輻輳状態で視野枠
の輻輳状態も略合致する。しかも、左右虚像の片方のみ
の視野枠を変更させることで両方を移動させるものに対
し小型化且つ構成の簡略化が可能となる。また、観察者
の左右いずれかの利き目に対応させてその利き目側で虚
像の枠の変更を抑えることで虚像が更に観察し易くな
り、上記第二の問題点を解決することができるのであ
る。
【0035】また本第一の発明の頭部装着型映像表示装
置の構成は上記種々の構成とは別に、観察者の左右両眼
それぞれに対応した視差を持つ映像を表示する左眼用映
像表示素子及び右眼用映像表示素子と、上記左右の映像
表示素子に表示された左右映像をそれぞれ上記観察者の
左右両眼へ虚像として導く左眼用接眼光学系及び右眼用
接眼光学系と、上記左右の映像表示素子及び上記左右の
接眼光学系とを上記観察者の頭部に装着可能とする装着
手段と、上記観察者の左右眼球の視線方向の少なくとも
横方向成分を検出可能とする左右眼球視線方向検出手段
と、上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右
眼球の視線方向の横方向成分信号から上記左右眼球の輻
輳位置を算出する視線位置算出手段と、上記視線位置算
出手段により算出された輻輳位置に上記左右映像の虚像
を移動させるべく上記左右の映像表示素子及びまたは上
記左右の接眼光学系を移動させる虚像位置移動手段とを
有する頭部装着型映像表示装置において、上記観察者の
左右眼球の瞳孔間隔を示す情報を外部より変更可能とす
る瞳孔間隔情報変更手段を具え、上記視線位置算出手段
が上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右眼
球の視線方向の横方向成分を含む信号及び上記瞳孔間隔
情報変更手段により変更された瞳孔間隔信号とから上記
左右眼球の輻輳位置を算出する視線位置算出手段とを有
することによっても達成することが可能である。この構
成によれば、左右映像表示素子に表示された映像は、観
察者の左右両眼それぞれに対応した視差を持つ映像を表
示することとなる。そして、左右接眼光学系は左右の映
像表示素子に表示された左右映像をそれぞれ観察者の左
右両眼へ虚像として導く。また、それら左右の映像表示
素子及び上記左右の接眼光学系を装着手段により観察者
の頭部に装着可能とし、射出瞳近傍へ観察者の瞳を位置
させることで拡大された立体映像を遠方に観察すること
ができる。このとき、左右眼球視線方向検出手段により
観察者の左右眼球の視線方向の横方向成分が検出され、
この左右眼球の視線方向の横方向成分信号をもとに視線
位置算出手段により左右眼球の輻輳位置が算出される。
そして、この算出された輻輳位置に虚像位置移動手段に
より左右映像の虚像が移動される。このとき、左右の射
出瞳間隔が使用者の眼幅の違いによらず一定であると使
用者により異なった奥行き感となってしまうが、本発明
はこれを解決すべく構成してあり、観察者等が瞳孔間隔
情報変更手段を操作して左右眼球の瞳孔間隔を示す信号
を観察者の瞳孔間隔にあわせることで、視線位置算出手
段により左右眼球視線方向検出手段で導かれた左右眼球
の視線方向の横方向成分を含む信号と先の瞳孔間隔情報
変更手段の操作で設定された瞳孔間隔信号とから左右眼
球の輻輳位置を算出し、算出された位置に虚像が導かれ
る。そのため、使用する観察者の瞳孔間隔の個人差があ
ってもそれぞれの観察者にあった瞳孔間隔信号に調整す
ることで虚像の輻輳状態と視度とが合致させられ上記第
一の問題点を解決することができるのである。
【0036】更にこの構成に加え、上記左眼用接眼光学
系または上記右眼用接眼光学系の少なくとも一部を偏心
移動可能とし左右眼球近傍に形成される左右の射出瞳の
間隔を可変に構成した射出瞳間隔調整手段を具え、上記
瞳孔間隔情報変更手段を上記射出瞳間隔調整手段と一体
化され上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の調整
に従って瞳孔間隔信号が変換できるようにすることにっ
て、射出瞳間隔調整手段により観察者の瞳孔間隔の違い
に合わせて左右眼球近傍に形成される射出瞳の間隔を調
整することができ、この調整に従って瞳孔間隔信号を変
換できるので、射出瞳の間隔調整時に瞳孔間隔信号もあ
わせて変更することも可能となる。
【0037】またこの構成とは別に、上記装着手段によ
る締めつけ具合を検知する装着状態検知手段を具え、上
記瞳孔間隔情報変更手段を上記装着状態検知手段と一体
化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示す
情報に従って瞳孔間隔信号を変換できるようにすること
にって、装着状態検知手段により装着手段による締めつ
け具合を検知し、その観察者顔面の横幅や頭部周囲の長
さに対応し、しいては瞳孔間距離にも対応した締めつけ
具合を示す情報に従って瞳孔間隔信号が変換されるの
で、頭部装着型映像表示装置の装着調整時に瞳孔間隔信
号もあわせて変更できる。
【0038】次に、本第三の発明の頭部装着型映像表示
装置は、映像を表示する映像表示素子と上記映像表示素
子に表示された映像を観察者の眼球内に虚像として像を
導く接眼光学系と上記映像表示素子及び上記接眼光学系
とを上記観察者の頭部へ装着可能とする装着手段とを備
えた頭部装着型映像表示装置本体と、上記頭部装着型映
像表示装置本体とは別体であり且つ上記頭部装着型映像
表示装置本体の電気的制御を行う信号を生成する制御手
段と、上記頭部装着型映像表示装置本体及び上記制御手
段とを電気的に接続し上記電気的制御を行う信号を上記
頭部装着型映像表示装置本体へ電送する配線コードとを
備えた頭部装着型映像表示装置において、上記頭部装着
型映像表示装置本体に対する上記配線コードの接続位置
を変更可能に構成した接続位置変更手段を有するように
構成されている。本第三の発明はこのこの構成により、
装着手段により観察者の頭部へ映像表示素子及び接眼光
学系とを保持させることができ、映像表示素子に表示さ
れた映像は接眼光学系により観察者の眼球内に虚像とし
て導き、制御手段による電気的制御を行う信号が頭部装
着型映像表示装置本体と電気的に接続された配線コード
により頭部装着型映像表示装置本体へ電送される。この
ときの配線コードの位置であるが、接続位置変更手段に
より頭部装着型映像表示装置本体に対する配線コードの
接続位置が変更できるので、観察者の所望する邪魔に成
らない位置に配線コードを移動させることができる。
【0039】さらにこの構成に加え、上記接続位置変更
手段を上記頭部装着型映像表示装置本体に設けられ抜き
差しにより上記配線コードを電気的に接続可能とした複
数の接続部とすることによって、頭部装着型映像表示装
置本体に設けられた複数の接続部により、観察者が所望
する接続部の位置に抜き差しにより配線コードを電気的
に接続できる。
【0040】さらにこの構成に加え、上記複数の接続部
のうち少なくとも一つずつが頭部装着側映像表示装置本
体の左右にそれぞれ設けられるようにすれば、制御装置
の位置に対しての観察者位置が左右いずれの側であって
も顔に配線がかからないように接続位置を選べることが
できる。またこの構成とは別に、上記複数の接続部のう
ちいずれかが頭部装着側映像表示装置本体の後側に設け
られるようにすることによって、後頭部側に配線が配さ
れる接続位置が自由に選べ、例えばワープロ作業等の両
手を動かす作業を伴う場合は後頭部側に配線が配される
接続をすることで配線が邪魔にならなくなる。
【0041】またこれらの構成とは別に上記第三の発明
の構成中、上記接続位置変更手段を上記頭部装着型映像
表示装置本体に沿って移動自在に設けられたレール若し
くはカムによるスライド形式に接続させるようにすれ
ば、使用用途又は使用者の好みに応じて配線の位置をス
ライドでき望ましい。猶、本発明は以上構成に限られる
ものではなく、各発明に記載したより具体的な構成は他
の発明の構成に転用することも可能である。例えば、請
求項2、請求項3、請求項8、請求項11、請求項16
の構成は、それぞれ請求項17記載の頭部装着型映像表
示装置に従属させても良く、その作用は、請求項16の
作用の説明及び先の各々の請求項の作用の説明に同じで
ある。
【0042】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の原理に基づ
いて実際に映像表示素子の位置を変化させ、虚像の奥行
きと輻輳とが合致する本発明の第一実施例を図1乃至図
3を基に説明する。図1は本第一実施例の主要構成部を
示す図である。観察者の左右眼球1L,1Rの前方にお
のおの左右で視差を有する映像を表示する左右液晶表示
素子(以下LCD)2L,2Rがそれぞれ接眼光学系と
しての左右凸レンズ3L,3Rを挟んで配されている。
この左右のLCD2L,2Rはともに同じ形状且つ大き
さの表示面を有している。また、観察者眼球1L,1R
の前方に、それぞれ赤外光を左右眼球1L,1Rに向け
て照射する左右赤外光発光素子4L,4R、及び左右眼
球1L,1Rで反射された赤外光を受光する左右赤外光
受光素子アレイ5L,5Rが映像を邪魔しない位置に並
んで配されている。また、左右LCD2L,2Rの下側
底面のフレーム部には、左右凸レンズ3L,3RのLC
D側主点を結ぶ線分の中点および左右凸レンズ3L,3
Rの焦点のおのおのを結ぶ二直線に合わせて斜めに設け
られた溝6L,6Rが設けられ、左右LCD2L,2R
の底部に設けられた図示しない突出部が挿通されてい
る。また、左右LCD2L,2Rの映像を邪魔しない位
置にそれぞれ貫通孔を設けた突出部7が設けられてお
り、この突出部7の貫通孔を貫通させて二本のシャフト
8が通されている。そして、この二本のシャフト8の両
端はおのおの固定部材9aおよび鋸山10を有する固定
部材9bにて一体的に形成されている。そしてこの鋸山
10と歯合させて設けた歯車11を有するモーター12
が配されている。また、左右の赤外光受光素子アレイ5
L,5Rの受光状態を表す信号(左右眼球1L,1Rの
視線方向及び左右眼球の瞳孔間距離を表す信号)が入力
され、その信号を基に左右眼球1L,1Rの視線が交差
する位置を輻輳距離として求める視線位置計算機13が
図示しない頭部装着型映像表示装置本体とは別体に設け
られている。また、先に求めた輻輳距離に応じて、適し
た位置にLCDを移動させる信号をモーター12に電送
するLCD位置調整器14が設けられている。また、左
右LCD2L,2Rに表示される視差を有する左右の映
像信号源である左眼用映像信号源15及び右眼用映像信
号源16が配され、それら信号源15,16からの映像
信号を視線位置計算機13により導かれた輻輳距離に基
づき映像変換して左右のLCD2L,2Rに出力する映
像信号変換手段17が設けられている。これら視線位置
計算機13、LCD位置調整器14、左眼用映像信号源
15、右眼用映像信号源16、映像信号変換手段17は
図示しない頭部装着型映像表示装置本体とは別体となっ
ており、その他の先の構成は本体内に収容されているも
のとする。そして、図示しない頭部装着型映像表示装置
本体は図示しないヘルメット等の装着手段と一体化され
ている。
【0043】以上のように構成された第一の実施例は、
横断面概略図として示した図15のようにディスプレイ
本体部201内部に観察者の眼球1の前方に来るように
LCD2と凸レンズ3を設け、観察者の顔面に装着され
る。また、後述する図6のような構成であっても良い。
その全体構成の一例を図16に示す。図中201はディ
スプレイ本体部を示し、観察者の顔面に保持されるよう
に支持部材が頭部を介して固定されている。その支持部
材としては一端を前記ディスプレイ本体部201に接合
し、観察者のこめかみから耳の上部にかけて延在する左
右の前フレーム202と、前記前フレーム202の他端
に接続され、観察者の側頭部を渡るように延在する左右
の後フレーム203と、前記左右の後フレーム203の
他端に挟まれるように自らの両端を一方づつ接合し、観
察者の頭頂部を支持する頭頂フレーム204とから構成
されている。
【0044】また、前記前フレーム202における前記
後フレーム203との接合部近傍には弾性体から成り例
えば金属板バネ等で構成されたリヤプレート205が接
合されている。このリヤプレート205は、前記支持部
材の一翼を担うリヤカバー206が観察者の後頭部から
首のつけねにかかる部分で耳の後方に位置して支持可能
となるように接合されている。また、音声はスピーカー
207により、個々人で異なる観察者の左右の耳に対応
する位置に設けられるように回動自在又はスライド,伸
縮自在に構成されている。
【0045】また、映像・音声信号等を外部から送信す
るためのケーブル208は、一端を図示しない頭頂フレ
ーム204内の電装部品に接続し、頭頂フレーム20
4、後フレーム203、前フレーム202、リヤプレー
ト205の内部を介してリヤカバー206の後端部より
外部に突出している。そして、このケーブル208は、
図16に示すようにビデオ再生装置209に接続されて
いる。また図中201は、ビデオ再生装置209のスイ
ッチやボリュウム調整部である。
【0046】猶、ケーブル208は先端をジャックにし
て、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としても良
い。さらに、TV電波受信チューナーに接続してTV観
賞用としても良いし、コンピューターに接続してコンピ
ューターグラフィクスの映像や、コンピューターからの
メッセージ映像等を受信するようにしても良い。また邪
魔なコードを排斥する為に、アンテナを接続して外部か
らの信号を電波によって受信するようにしてもかまわな
い。
【0047】さらに、ケーブル208のリヤカバー20
6の接続部分を例えば、頭頂フレーム204、後フレー
ム203、前フレーム202に沿って移動自在となるよ
うにレール若しくはカムによるスライド形式にすること
も可能である。本第一実施例は以上の如く構成されてお
り、以下にその作用を説明する。左右LCD2L,2R
に表示された視差を持つ映像は、左右凸レンズ3L,3
Rにより虚像18L,18Rとして遠方に拡大投影され
る。観察者は前述した図16に示す装着手段(支持部
材)により装置本体を顔面側に位置させ、左右眼球1
L,1Rを左右凸レンズ3L,3Rにより形成される射
出瞳近傍に配することで瞳孔を透して拡大された立体映
像を観察することができる。さらに本実施例は左右の虚
像の状態を観察者の視線変化に応じてより見やすくした
機能を有している。具体的には、左右の赤外光発光素子
4L,4Rから照射した赤外光は左右眼球1L,1Rの
表面で反射し、左右の赤外光受光素子アレイ5L,5R
上に導かれる。このときの受光素子アレイ5L,5R上
での強度分布であるが、眼球1L,1Rの表面の凹凸や
反射率の違いから、反射される強度にムラが生じるの
で、左右の赤外光受光素子アレイ上での受光状態(強度
分布)も左右眼球の視線方向や瞳孔位置により変化す
る。この左右の赤外光受光素子アレイ5L,5Rで測定
した受光状態の信号は、おのおの視線位置計算機13へ
と導かれる。そして視線位置計算機13では、先の受光
状態を表す信号から左右眼球1L,1Rの瞳孔間隔Iと
左右眼球1L,1Rの視線の横方向成分θL,θRを算
出する。そして、図2の直上方から見た左右眼球の瞳孔
間隔Iと左右眼球1L,1Rの視線の横方向成分θL,
θRと輻輳距離Lとの関係を示す図の如く、左右眼球1
L,1Rの中心から虚像18L,18Rまでの輻輳距離
Lを、L=I/(tanθL−tanθR)として算出
している。そして算出された輻輳距離LはLCD位置調
整器14へと導かれる。そしてLCD位置調整器14
で、先の輻輳距離Lに合わせて左右映像の虚像を移動さ
せるべくLCD2L,2Rを前後に移動させる信号を生
成する。その信号の生成であるが、左右凸レンズ3L,
3Rの焦点距離をfとしたときに、左右凸レンズ3L,
3RのLCD側主点と左右LCD2L,2Rの表示面ま
での距離L’を、L’=f(L−f)/Lとして算出
し、この距離L’に合わせるべくモーター12を駆動さ
せる信号を生成しモーター12に出力する。モーター1
2はその信号に合わせて右方向または左方向に歯車11
を回転させる。そして、歯車11と歯合する固定部材9
bの鋸山10を付勢し、一体化された固定部材9a,9
b及びシャフト8を前後に移動させる。そして、接合部
7にてシャフト8と連結された左右LCD2L,2R
は、その力を受け、溝6L,6Rに沿って斜めに移動
し、左右凸レンズ3L,3RのLCD側主点と左右LC
D2L,2Rの表示面までの距離をL’としたところに
導かれる。このときの左右LCD2L,2Rの横方向へ
の移動量であるが、お互いに近づく方向に(If)/
(2L)だけ移動する。よって、左右眼球1L,1Rの
視線方向がたとえ虚像の周辺部分であってもそれを考慮
して輻輳位置が算出されるので、常に視度と輻輳とが合
致した頭部装着型映像表示装置が達成できる。更に、左
右の映像表示素子としてのLCD2L,2Rを先に示し
た如く近距離の輻輳時ほど間隔を狭めることにより、視
野枠の輻輳も調整されるので近距離輻輳での融像時に視
野枠が融像を妨げることを防止している。しかも左右の
LCD2L,2Rの移動が左右で対称的であるので、虚
像は常に視野角を変えずに直前方に位置する。また、本
第一実施例は左右のLCD2L,2Rの斜め移動の際に
も注視点での輻輳状態を変えないために以下のように映
像信号変換手段17にて映像の変換を行っている。映像
信号変換手段17には、左右の元映像信号が送られてき
ており、同時に視線位置計算機13により導かれた輻輳
距離Lもまた導かれている。そして、輻輳距離Lをもと
に、無限遠時(輻輳角が0°の時)の表示映像を基準と
して、左右LCD2L,2R上の表示映像がお互いに離
れる方向に(If)/(2L)だけスクロールさせる信
号に変換し、左右LCD2L,2Rに導いている。この
状態を示したのが図3の作用及び効果を説明するための
図である。図3の(a)、(b)、(c)はそれぞれ無
限遠輻輳時(虚像上の山Xを注視した状態)の表示面
(LCD2L,2R)位置を表す図、そのときの表示枠
19の移動状態と映像の移動状態を表す図、そのときの
融像状態を表す図であり、(d)、(e)、(f)はそ
れぞれ近距離輻輳時(虚像上の少年Yを注視した状態)
の表示面(LCD2L,2R)の位置を表す図、そのと
きの表示枠19の移動状態と映像の移動状態を表す図、
そのときの融像状態を表す図である。(a)に示す如
く、輻輳状態が無限遠の場合は、(b)に示す如く表示
枠19に対する山Xの位置が同じになる。そして、融像
時には(c)に示すごとく山Xと一緒に視野枠20もと
もに融像される。そして、(d)に示す如く、輻輳状態
が近距離の場合は、(d)中の矢印で示す如くLCD2
L,2Rが左右対称的に内側に移動する。そして(e)
に示す如く表示枠19が(b)の状態よりも内側に移動
するとともにその移動量と同じだけ映像が左右外側にス
クロールされる。よって表示枠19のみが内側に移動す
る状態となり、表示枠19に対する少年Yの位置が左右
で同じになる。そして、融像時には(c)に示すごとく
少年Yと一緒に視野枠20もともに融像される。よって
いかなる輻輳状態であっても注視点と視野枠とが融像さ
れる見やすい頭部装着型映像表示装置が達成される。ま
た、本実施例では、視度と輻輳と視野枠までもが一致す
るので融像に対する観察者への負担を一層軽減させてい
る。更に、常に表示面の全面を映像表示に利用している
ため、小型ながら常に大視野な虚像を提供できる。
【0048】次に本発明の原理に基づいて映像表示素子
の位置を変化させ、虚像の奥行きと輻輳とが合致する本
発明の第二実施例を図4乃至図8を基に説明する。第一
実施例で示した同じ構成には同じ番号を付け説明は省略
する。図4は本第二実施例の主要構成部を示す図であ
る。観察者の図示しない左右眼球1L,1Rの前方にお
のおの左右で視差を有する映像を表示する左右LCD2
L,2Rがそれぞれ接眼光学系としての左右プリズム2
1L,21Rを介して配されている。この左右プリズム
21L,21Rは左右LCD2L,2Rに対して眼球側
に45度傾けて配された透反射面22L,22R及びL
CD2L,2Rに対し透反射面22L,22Rを挟んで
配された反射凹面部23L,23Rとを有している。ま
た、左右のLCD2L,2Rはともに同じ形状且つ大き
さの表示面を有しており、プリズム21L,21Rの光
軸に対してお互いに近づく方向に表示面が偏心して配さ
れている。また、図示しない観察者眼球1L,1Rの前
方に、左右赤外光発光素子4L,4R、及び左右赤外光
受光素子アレイ5L,5Rが左眼用筐体24Lの射出窓
25Lおよび図示しない右眼用筐体24Rの射出窓25
Rを挟んで映像を邪魔しない位置に並んで配されてい
る。LCD2L,2R及びプリズム21L,21Rは左
右それぞれの筐体24L,24R内に収容され、プリズ
ム21L,21Rは左右筐体24L,24R内にそれぞ
れ固定されている。また、左右LCD2L,2Rの裏面
には横方向に溝を形成した挿管部26が形成されてお
り、この左右LCD2L,2Rの挿管部26の溝内をそ
れぞれ挿通させた棒を一体形成した挿通部材27により
左右LCD2L,2Rが支えられ、後に示す眼幅調整時
に左右LCD2L,2Rが挿通させた棒に対し左右に滑
動するように構成されている。また、この挿通部材27
の中央には、図5の一部詳細図に示す如く縦方向に形成
されたボールネジ穴28が形成されている。また、左右
筐体24L,24Rの向かい合う側面には挿通部材27
の棒位置に縦方向に設けた誘導溝29が設けられ、挿通
部材27と左右LCD2L,2Rとを一体で上下移動可
能としている。また、ボールネジ穴28に沿って形成さ
れたボールネジを有するシャフト30が図6に示す縦断
面図に示す如く縦方向に形成され、その上下端で外装部
31内に回動可能に支持されている。そしてシャフト3
0のボールネジの上側に傘形のギア32が設けられ、こ
の傘形のギア32と歯合させたもう一方の傘形のギア3
3がモーター12の回転軸に設けられている。また、図
6に示す如く外装31の底部には左右の筐体24L,2
4Rを左右方向に移動させ射出瞳位置の調整を可能とす
るダイアル34が外装31に対し回動可能に設けられて
いる。また、外装31の内部のダイアル34の先端部に
は図7の筐体移動のための構成図に示す如く歯車35が
設けられ、左右筐体24L,24Rからのびた鋸山部3
6L,36Rが歯車35の上下で歯合している。そし
て、このダイアル34にはその回動位置により抵抗値が
変化する図示しない可変抵抗と繋がれており、この抵抗
値を表す信号(瞳孔間隔を示す情報)が視線位置計算機
13へと導かれる構成となっている。また、図4に示す
通り視線位置計算機13には左右の赤外光受光素子アレ
イ5L,5Rの受光状態を表す信号(左右眼球1L,1
Rの視線方向)も入力され、それらの信号を基に左右眼
球1L,1Rの視線が交差する位置を輻輳距離として求
める構成となっており、図示しない頭部装着型映像表示
装置本体とは別体に設けられている。また、先に求めた
輻輳距離に応じて、適した位置にLCDを移動させる信
号をモーター12に電送するLCD位置調整器14が設
けられている。また、左右LCD2L,2Rに表示され
る視差を有する左右の映像信号源である左眼用映像信号
源15及び右眼用映像信号源16が配され、それら信号
源15,16からの映像信号を視線位置計算機13によ
り導かれた輻輳距離に基づき映像変換して左右のLCD
2L,2Rに出力する映像信号変換手段17が設けられ
ている。この映像変換手段による映像の変換方法を図8
の光路を展開した図を基に説明する。図中23L,23
Rは光学作用をする反射凹面部23L,23Rを簡略化
して示したものである。図に示す表示面37L,37R
は常に光軸38L,38Rと垂直に配されており光軸に
従って平行移動をする。そしてそのときの表示の左端及
び右端の表示の欠落させる部分の軌跡を図中の斜線で示
し、それに従って欠落させる。その欠落量は、図中に示
すごとく左右反射凹面部23L,23Rの主点間の中点
と各々の焦点とを結ぶ2直線(図中破線)にそれぞれ平
行に、表示される映像の端の部分をがくるように設定さ
れている。また、表示面37L,37Rが焦点の位置に
ある時は図に示す如くそれぞれ表示面37Lの左端と表
示面37Rの右端の表示の欠落量を0としている。ま
た、この時に表示される映像の中心が光軸と重なる様に
LCD2Lの右端の表示とLCD2Rの左端の表示とを
欠落させている。これら視線位置計算機13、LCD位
置調整器14、左眼用映像信号源15、右眼用映像信号
源16、映像信号変換手段17は図示しない頭部装着型
映像表示装置本体とは別体となっており、その他の先の
構成は本体内(外装31内)に収容されているものとす
る。そして、図示しない頭部装着型映像表示装置本体は
図示しないヘルメット等の装着手段と一体化されてい
る。
【0049】本第二実施例は以上の如く構成されてお
り、以下にその作用を説明する。左右LCD2L,2R
に表示された互いに視差を持つ映像は、左右プリズム3
L,3Rを透過し左右透反射面22L,22Rを透過
し、反射凹面部23L,23Rで拡大反射し、再び左右
透反射面22L,22Rで観察者眼球1L,1R側へ反
射し左右射出窓25L,25R近傍に射出瞳を形成す
る。観察者は図示しない装着手段により装置本体を顔面
側に位置させ、左右眼球1L,1Rを左右プリズム21
L,21Rにより形成される射出瞳近傍に配することで
瞳孔を透して拡大された立体映像を虚像18L,18R
として遠方にて観察できる。さらに本実施例は左右の虚
像の状態を観察者の視線変化に応じてより見やすくした
機能を有している。具体的には、左右の赤外光発光素子
4L,4Rから照射した赤外光は左右眼球1L,1Rの
表面で反射し、左右の赤外光受光素子アレイ5L,5R
上に導かれる。この左右の赤外光受光素子アレイ5L,
5Rで測定した受光状態の信号は、おのおの視線位置計
算機13へと導かれる。一方左右の筐体24L,24R
の間隔をダイアル34を回動させることで調整できる。
ダイアル34を回動させるとその先の歯車35が回動し
その上下に位置する鋸山部36L,36Rをそれぞれ接
近または離反する方向に付勢する。それに従い、筐体2
4L,24Rはそれぞれ筐体内のLCD2L,2R及び
左右プリズム21L,21Rを一体として接近または離
反させられ、観察者の瞳孔間距離Iに合わせて射出瞳間
を調節することができる。また、このときの調整にあわ
せて図示しない可変抵抗の抵抗値が変化する。この抵抗
値は、左右の射出瞳間の距離、しいては観察者の瞳孔間
距離とも関係する。この信号もまた視線位置計算機13
へと導かれる。そして視線位置計算機13では、先の抵
抗値から求められる射出瞳間隔を左右眼球1L,1Rの
瞳孔間隔Iとして求め、先の受光状態を表す信号から左
右眼球1L,1Rの視線の横方向成分θL,θRを算出
する。そして、第一実施例で示した図2の直上方から見
た左右眼球の瞳孔間隔Iと左右眼球1L,1Rの視線の
横方向成分θL,θRと輻輳距離Lとの関係を示す図の
如く、左右眼球1L,1Rの中心から虚像18L,18
Rまでの輻輳距離Lを、L=I/(tanθL−tan
θR)として算出している。そして算出された輻輳距離
LはLCD位置調整器14へと導かれる。そしてLCD
位置調整器14で、先の輻輳距離Lに合わせて左右映像
の虚像を移動させるべくLCD2L,2Rを上下に移動
させる信号を生成する。その信号の生成であるが、左右
プリズム21L,21Rの焦点距離をfとしたときに、
左右プリズム21L,21RのLCD側主点と左右LC
D2L,2Rの表示面までの距離L’を、L’=f(L
−f)/Lとして算出し、この距離L’に合わせるべく
モーター12を駆動させる信号を生成しモーター12に
出力する。モーター12はその信号に合わせて右方向ま
たは左方向にギア33を回動させる。そして、ギア33
と歯合するギア32を付勢しシャフト30を回動させ
る。この回動によりシャフト30に設けられたボールネ
ジも回動し、それと接近して設けられた挿通部材27の
ボールネジ穴28が付勢され上下に移動する。そして、
挿通部材27の棒部が挿通されたLCD2L,2Rの挿
管部26もそれに従い上下に移動し、プリズム21L,
21Rの光軸方向に従いLCD2L,2Rが上下に移動
する。よって、左右眼球1L,1Rの視線方向がたとえ
虚像の周辺部分であってもそれを考慮して輻輳位置が算
出されるので、常に視度と輻輳とが合致した頭部装着型
映像表示装置が達成できる。
【0050】また、映像信号変換手段17には、左右の
元映像信号が送られてきており、同時に視線位置計算機
13により導かれた輻輳距離Lもまた導かれている。そ
して、輻輳距離Lをもとに、無限遠時(輻輳角が0°の
時)の表示領域の縁の状態を基準として、左右LCD2
L,2R上の表示領域の縁がお互いに近づく方向に(I
f)/(2L)だけ移動させるべく表示領域を決定し、
表示しない領域(欠落させる部分)を黒色表示させる信
号に変換し、左右LCD2L,2Rに導いている。以
下、この状態を示した図8の第二実施例の光路を展開し
た図を基に説明する。図中23L,23Rは光学作用を
する反射凹面部23L,23Rを簡略化して示したもの
である。図に示す表示面37L,37Rは常に光軸38
L,38Rと垂直に配されており光軸に従って平行移動
をする。そしてそのときの所定範囲M中での平行移動に
際して表示の左端及び右端の表示の欠落させる部分の軌
跡を図中の斜線部Bで示し、それに従って各位置での表
示画面中の映像表示範囲を欠落させる。その欠落量は、
図中に示すごとく左右反射凹面部23L,23Rの主点
間を結ぶ線分の中点と各々の焦点とを結ぶ破線AL,A
R(図中破線)にそれぞれ平行に、表示される映像の端
の部分がくるように設定されている。また、表示面37
L,37Rが焦点の位置にある時は図に示す如くそれぞ
れ表示面37Lの左端と表示面37Rの右端の表示の欠
落量を0としている。また、この時に表示される映像の
中心が光軸と重なる様にLCD2Lの右端の表示とLC
D2Rの左端の表示とを欠落させている。
【0051】猶、本実施例では欠落部分を黒色表示によ
り映像上形成しているが、その色は黒に限らず、映像を
表示させない作用を有するものなら何色でも良い。図9
は作用および効果を説明するための図である。図9の
(a)、(b)、(c)はそれぞれ無限遠輻輳時(虚像
上の山Xを注視した状態)の表示面(LCD2L,2
R)位置を表す図、そのときの表示枠(表示領域)19
の移動状態を表す図、そのときの融像状態を表す図であ
り、(d)、(e)、(f)はそれぞれ近距離輻輳時
(虚像上の少年Yを注視した状態)の表示面(LCD2
L,2R)の位置を表す図、そのときの表示枠(表示領
域)19の移動状態を表す図、そのときの融像状態を表
す図である。(a)に示す如く、輻輳状態が無限遠の場
合は、(b)に示す如く表示枠19に対する山Xの位置
が同じになる。このとき左眼用LCD2Lの左端の欠落
量を0とし、図中斜線部に示す如く右端を欠落させ、反
対に、右眼用LCD2Rの右端の欠落量を0とし、左端
を欠落させそれぞれの表示枠19を形成している。そし
て、融像時には(c)に示すごとく山Xと一緒に視野枠
20もともに融像される。そして、(d)に示す如く、
輻輳状態が近距離の場合は、(d)中の矢印で示す如く
LCD2L,2Rが光軸にそって平行に移動する。そし
て表示枠19を(b)の状態よりも内側に移動させるべ
く図8の斜線部分で示すごとくLCD2L,2Rの移動
に従って左眼用LCD2Lの左端の欠落量を増加させる
とともに右端を欠落量を減少させ、反対に、右眼用LC
D2Rの右端の欠落量を増加させるとともに、左端を欠
落量を減少させている。(e)は左右の視野枠19が最
も内側に至った状態を示すものである。よって表示枠1
9のみが左右で合同のまま内側に移動する状態となり、
表示枠19に対する少年Yの位置が左右で同じになる。
そして、融像時には(c)に示すごとく少年Yと一緒に
視野枠20もともに融像される。
【0052】よっていかなる輻輳状態であっても注視点
と視野枠とが融像される見やすい頭部装着型映像表示装
置が達成される。また、本実施例では、視度と輻輳と視
野枠までもが一致するので融像に対する観察者への負担
を一層軽減させている。また、表示面上の表示枠のみを
変化させているので、映像処理が簡単である。しかも左
右のLCD2L,2Rの映像を表示している領域の移動
が左右で対称的であるので、虚像は常に視野角を変えず
に直前方に位置する。また、表示映像自体は光軸に沿っ
て平行移動するのみであるので、左右のLCD2L,2
Rの表示領域の縁の斜め移動の際にも注視点での輻輳状
態は変化しない。
【0053】猶、本実施例で左右の縁の変更を映像表示
領域の一部を黒色表示とした例を示したが、左右にスラ
イドする左右映像表示素子の表示面近傍にそれぞれ設け
られた光束遮蔽視野絞りにより、メカ的に視野枠の変更
を行ってもよい。これにより、より安価な頭部装着型映
像表示装置を提供できる。また、本実施例では左右の虚
像の縁を変更するために欠落部分を左右の虚像で全く対
称に行った例を示したが、本発明の方法はこれに限らな
い。即ち、LCDの移動に伴って縁を変化させていく方
向が左右の虚像で右側端と左側端が各々反対に増減して
いれば対称的な縁の変更が可能であるからである。その
一例を図10の変形例の光路を展開した図を基に説明す
る。図中23L,23Rは光学作用をする反射凹面部2
3L,23Rを簡略化して示したものである。図に示す
表示面37L,37Rは常に光軸38L,38Rと垂直
に配されており光軸に従って平行移動をする。そしてそ
のときの表示の左端及び右端の表示の欠落させる部分B
の軌跡を図中の斜線で示し、それに従って欠落させる。
その欠落量は、図中に示すごとく左右反射凹面部23
L,23Rの主点間を結ぶ線分上であってその中点から
右方向に偏心した点と各々の焦点とを結ぶ破線AL,A
Rにそれぞれ平行に、表示される映像の端の部分がくる
ように設定されている。また、表示面37L,37Rが
焦点の位置にある時は図に示す如くそれぞれ表示面37
Lの左端と表示面37Rの右端の表示の欠落量を0とし
ている。また、この時に表示される映像の中心が光軸と
重なる様にLCD2Lの右端の表示とLCD2Rの左端
の表示とを欠落させている。この様に構成しても観察者
の眼球前方の見やすい位置に常に虚像が投影されること
になる。また、観察者の利き目を考慮し、且つ映像信号
の変換を簡略化させるため、片方の映像表示素子上の映
像の縁のみを変更する構成としても良い。その例を図1
1の変形例の光路を展開した図を基に説明する。図中2
3L,23Rは光学作用をする反射凹面部23L,23
Rを簡略化して示したものである。図に示す表示面37
L,37Rは常に光軸38L,38Rと垂直に配されて
おり光軸に従って平行移動をする。右眼用LCD2R
は、観察者の輻輳状態によらず表示状態を変化させてい
ない。一方、他方のLCD2Lの表示についての左端及
び右端の表示の欠落させる部分Bの軌跡は図中の斜線で
示した通りであり、それに従って欠落させる。その欠落
量は、図中に示すごとく右眼側の反射凹面部23Rの主
点と左眼側の反射凹面部23Lの焦点とを結ぶ破線AL
に平行に、表示される映像の端の部分をがくるように設
定されている。また、表示面37Lが焦点の位置にある
時は図に示す如く表示面37Lの左端の表示の欠落量を
0としている。また、この時に表示される映像の中心が
光軸と重なる様にLCD2Lの右端の表示を欠落させて
いる。この様に構成しても観察者の眼球前方の見やすい
位置に常に虚像が投影されることになる。また、観察者
の利き目(ここでは右眼)を考慮し利き目側に対して枠
の変更をなくした見やすい頭部装着型映像表示装置が達
成できる。また、映像信号の変換が片方の映像信号のみ
であるので、映像信号変換手段17の信号処理が簡略化
され、安価なものを提供できる。
【0054】また、先に示した図10および図11に
て、表示される表示枠の横方向(左右の眼球を結ぶ方
向)の移動を、第一実施例で示したようにLCD2L,
2Rの横方向の移動に変更し、図10及び図11中の破
線に沿ってLCD2L,2Rを移動させるとともに、動
かされた横方向の移動量と同量分を先の横方向の移動方
向とは反対側に映像自体をスクロールさせる構成として
も良い。特に、図11に示す如く、片方のLCD2Rの
移動を光軸移動のみとすることで、片方のLCD2Rの
横移動のための構成が不要となるとともに、実施例1で
記述した映像のスクロール処理を片方のみとすることが
できるので、軽量且つ安価な頭部装着型映像表示装置と
することができる。
【0055】尚、第一実施例では赤外線発光素子及び赤
外線受光素子アレイを用いて左右眼球の瞳孔間隔を検出
した例を示し、第二実施例ではダイアルを回転させるこ
とで射出瞳間隔を変化させ、その調節の際の信号を基に
左右眼球の瞳孔間隔を含む信号を生成する例を示した。
本発明はこれらに限らず、装着手段の締めつけ具合を検
知してその情報から瞳孔間隔を算出する構成であっても
よい。以下その例を図12及び図13を基に説明する。
【0056】図12は眼鏡型の頭部装着型映像表示装置
の左右フレームの調整機構を示す構成図である。装置本
体39の両側には一対の左右フレーム40L,40Rが
設けられており、このフレーム40L,40Rを観察者
の両耳に掛けるとともに左右フレーム40L,40Rで
観察者に頭部を左右から挟み込むことで装置本体を顔面
前方に保持可能としている。この左右フレーム40L,
40Rはそれぞれ図中の矢印方向に移動可能となってお
り、図中ダイアル41を図中の矢印方向に回動させるこ
とでそれぞれのカギ付シャフト42が図中の矢印方向へ
移動し、観察者の頭部の大きさに合わせてフレーム40
L,40Rの間隔を調整できる構成となっている。ま
た、ダイアル41は図示しない位置の可変抵抗の抵抗値
をダイアル41の回動状態に則して変化させるボリュー
ムつまみとしての役目も兼ねている。そして、その抵抗
値を表す信号は視線位置計算機13へ導かれ、その抵抗
値から観察者の頭部の横幅を算出し、その値に0.4を
かけた値を観察者の瞳孔間隔とみなして輻輳位置を計算
する材料として使用している。
【0057】また、図13はゴーグル型の頭部装着型映
像表示装置の装着用ベルトの調整機構を示す構成図であ
る。装置本体39の両側から装着用ベルト43が延びて
おり、ダイアル44を図中矢印の方向に回動させること
でベルト43を図中矢印の方向に巻き取り、長さを可変
とし、観察者の頭部の大きさに合った長さに調整するこ
とでぴったりと装着可能にしている。また、ダイアル4
4は図示しない位置の可変抵抗の抵抗値をダイアル44
の回動状態に則して変化させるボリュームつまみとして
の役目も兼ねている。そして、その抵抗値を表す信号は
視線位置計算機13へ導かれ、その抵抗値から観察者の
頭部の周囲の長さを算出し、その値に0.15をかけた
値を観察者の瞳孔間隔とみなして輻輳位置を計算する材
料として使用している。
【0058】このように構成することで、観察者自身に
よる装着具合の調整で自動的に左右の瞳孔間距離も計算
され、効率良く瞳孔間距離の設定が行える。また、左右
眼球の視線の横方向成分から輻輳位置を計算するこれら
実施例の他に、虚像位置の映像の表示領域に対応して複
数設定された輻輳位置信号を有し、観察者の片方の眼球
の視線方向を読み取り、その視線方向に位置する虚像位
置の映像に対応した輻輳位置信号に合わせて虚像位置を
調整する構成であっても構わない。
【0059】また、本願発明の第3の目的を達成する為
の第三実施例を図14(a),(b)を基に説明する。
図4(a)において、装置本体39内には先の各実施例
に示した映像表示素子や接眼光学系等が配されており、
詳細については先の実施例と同様であるので説明は省略
する。この装置本体39はこの装置本体を観察者の頭部
に装着可能とするための部分円筒状のプラスチック性の
装着部45が接続されており、全体として頭部装着型映
像表示装置本体46を構成している。一方、この頭部装
着型映像表示装置本体46とは別体に、図示しない映像
表示素子の映像信号、映像表示素子を前後に移動させる
移動信号を生成する制御部47が配され、この制御部4
7の信号を上記頭部装着型映像表示装置本体45へ電送
するためプラグ48を先端に設けた配線コード49が設
けられている。この配線コード49と頭部装着型映像表
示装置本体46とを電気的に繋げるべく、この頭部装着
型映像表示装置本体46の左右及び後方の位置の配線コ
ード49先端のプラグ48と接続可能とする接続部50
が設けられている。このおのおのの接続部50には、プ
ラグ48を上方から抜き差し出来るように互いに向かい
合ったL字型レール51が設けられており、その底面に
映像表示素子やモーターと電気的に繋がった複数の金属
板52が配されている。一方、プラグ48の下面にもま
たプラグ48を接続部50に合わせたときに先の金属板
と合わさる位置に制御部47からの信号が送られてくる
複数の金属棒53が配されている。また、これら金属板
52と接続棒53とが外れにくくするように、各接続部
50には図示しない接続部低部に磁石が設けられてい
る。
【0060】本実施例はこのように構成されており、以
下にその作用を示す。制御部47で生成された映像信号
及び移動信号は配線コード49を通じてプラグ48へと
導かれる。そして、プラグ48は、観察者の所望する位
置の接続部50に接続が可能であり、プラグ48を所望
した接続部50のL字型レール51に従って挿入し、接
続部の底面に設けられた金属板52とプラグ48の金属
棒53とが接触する。このとき、接続部の底面の磁石の
磁力により、金属板52と金属棒53とが接触固定され
る。そして、プラグ48に送られた信号は、この金属棒
53と金属板52とを介して、図示しない映像表示素子
やモーターに導かれ、その信号により映像を表示した
り、モーターが駆動され視度が自動的に変化させられた
りする。また、装置本体内の図示しない視線検知手段か
らの信号を制御部47へ電送するルートとしてもよい。
【0061】よって観察者は使用の状況によって配線コ
ードが邪魔のならない位置に、配線コード自体が移動で
きるので、使用時のうざったさや、配線の絡みによる事
故を未然に防止することができる。また、図14(a)
に示す装置本体39の下面中央の重心部分に先の接続部
50を設け、その接続部を介して、制御信号を装置本体
内に電送する構成としても構わない。このときに接続部
に接続される電送手段を先の配線コード49のみのもの
にかえて、折り曲げた位置で固定されるアームスタンド
とし、このアームスタンド中に配線コード49が配され
る構成とし、且つ、装着部45が装置本体39から外せ
る構成としてもよい。この様に構成することで、図14
(b)の使用状態を示す図の如く、観察者は頭部への重
量負担を受けることなく映像を観察することができると
ともに、映像を見ないときはアームスタンドを観察者の
眼球前方から退避させることができる。そのため、図の
ように椅子に座って楽に映像を観察したい時などは、こ
のようなアームスタンドに接続させて観察できる等、利
用の幅が広がる。
【0062】また、このスタンド中に各種制御を行うス
イッチ部を設ける等して構わない。なお、本発明は以上
の実施例に限定されるものではなくそれぞれの実施例内
の構成は互いに転移や置換が可能であり、また特許請求
の範囲に記載された内容の範囲内であれば種々の変更が
あって構わない。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から判る通り、本願発明によ
れば、視差を含む映像の観察であっても注視する虚像部
分の輻輳角と視度が全虚像領域で合致した頭部装着型映
像表示装置を提供することができる。また、使用者の瞳
孔間隔の違いによらず輻輳状態と視度及び/又は輻輳状
態と視野枠が合致した頭部装着型映像表示装置を提供す
ることができる。
【0064】また、観察者の輻輳状態によらず、視野枠
が常に融像される見やすい頭部装着型映像表示装置を提
供することができる。また、配線コードが邪魔の成らな
い頭部装着型映像表示装置を提供することができる。ま
た、本明細書内に記載した種々の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の主要構成部を示す図である。
【図2】第一実施例の直上方から見た左右眼球の瞳孔間
隔と左右眼球の視線の横方向成分と輻輳距離との関係を
示す図である。
【図3】第一実施例作用及び効果を説明するための図で
ある。
【図4】第二実施例の主要構成部を示す図である。
【図5】第二実施例一部詳細図である。
【図6】第二実施例の縦断面図である。
【図7】第二実施例の筐体移動のための構成図である。
【図8】第二実施例の光路を展開した図である。
【図9】第二実施例の作用および効果を説明するための
図である。
【図10】第一及び第二実施例の変形例の光路を展開し
た図である。
【図11】第一及び第二実施例の変形例の光路を展開し
た図である。
【図12】眼鏡型の頭部装着型映像表示装置の左右フレ
ームの調整機構を示す構成図である。
【図13】ゴーグル型の頭部装着型映像表示装置の装着
用ベルトの調整機構を示す構成図である。
【図14】第3実施例の主要構成図である。
【図15】第1実施例のディスプレイ本体部の横断面概
略図である。
【図16】第1実施例の全体構成図である。
【図17】従来技術を示す概念図である。
【図18】従来技術を示す概念図である。
【符合の説明】 1L,1R 眼球 2L,2R LCD 3L,3R 凸レンズ 4L,4R 赤外光発光素子 5L,5R 赤外光受光素子アレイ 6L,6R 溝 7 突出部 8 シャフト 9 固定部材 10 鋸山 11 歯車 12 モーター 13 視線位置計算機 14 LCD位置調整器 15 左眼用映像信号源 16 右眼用映像信号源 17 映像信号変換手段 18L,18R 虚像 19 表示枠 20 視野枠 21L,21R プリズム 22L,22R 透反射面 23L,23R 反射凹面部 24L,24R 筐体 25L,25R 射出窓 26 挿管部 27 挿通部材 28 ボールネジ穴 29 誘導溝 30 シャフト 31 外装 32 ギア 33 ギア 34 ダイアル 35 歯車 36 鋸山部 37L,37R 表示面の軌跡 38L,38R 光軸 39 装置本体 40 フレーム 41 ダイアル 42 シャフト 43 ベルト 44 ダイアル 45 装着部 46 頭部装着型映像表示装置本体 47 制御部 48 プラグ 49 配線コード 50 接続部 51 L字型レール 52 金属板 53 金属棒

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観察者の左右両眼それぞれに対応した視差
    を持つ映像を表示する左眼用映像表示素子及び右眼用映
    像表示素子と、上記左右の映像表示素子に表示された左
    右映像をそれぞれ上記観察者の左右両眼へ虚像として導
    く左眼用接眼光学系及び右眼用接眼光学系と、上記左右
    の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系とを上記観察
    者の頭部に装着可能とする装着手段とを有する頭部装着
    型映像表示装置において、 上記観察者の左右眼球の視線方向の少なくとも略左右眼
    球を結ぶ横方向成分を検出可能とする左右眼球視線方向
    検出手段と、 上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右眼球
    の視線方向の横方向成分信号から上記左右眼球の視線の
    横方向成分が交差する位置を輻輳位置として算出する視
    線位置算出手段と、 上記視線位置算出手段により算出された輻輳位置に上記
    左右映像の虚像を移動させるべく上記左右の映像表示素
    子及び上記左右の接眼光学系の少なくともいずれか一方
    を移動させる虚像位置移動手段とを有することを特徴と
    する頭部装着型映像表示装置。
  2. 【請求項2】上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を検出す
    る瞳孔間隔検出手段を具え、 上記視線位置算出手段が上記左右眼球視線方向検出手段
    により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含む
    信号及び上記瞳孔間隔検出手段により検出された瞳孔間
    隔とから上記左右眼球の視線が交差する輻輳位置を算出
    する視線位置算出手段であることを特徴とする請求項1
    記載の頭部装着型映像表示装置。
  3. 【請求項3】上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を示す情
    報を外部より変更可能とする瞳孔間隔情報変更手段を具
    え、 上記視線位置算出手段が、上記左右眼球視線方向検出手
    段により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含
    む信号、及び上記瞳孔間隔情報変更手段により変更され
    た瞳孔間隔信号とから上記左右眼球の視線が交差する輻
    輳位置を算出する視線位置算出手段であることを特徴と
    する請求項1記載の頭部装着型映像表示装置。
  4. 【請求項4】上記左眼用接眼光学系または上記右眼用接
    眼光学系の少なくとも一部を偏心移動可能とし左右眼球
    近傍に形成される左右の射出瞳の間隔を可変に構成した
    射出瞳間隔調整手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記射出瞳間隔調整手段と
    一体化され上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の
    調整に従って瞳孔間隔信号が変換されることを特徴とす
    る請求項3記載の頭部装着型映像表示装置。
  5. 【請求項5】上記装着手段による締めつけ具合を検知す
    る装着状態検知手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記装着状態検知手段と一
    体化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示
    す情報に従って瞳孔間隔信号を変換することを特徴とす
    る請求項3記載の頭部装着型映像表示装置。
  6. 【請求項6】観察者の左右両眼それぞれに対応した視差
    を持つ映像を表示する左眼用映像表示素子及び右眼用映
    像表示素子と、上記左右の映像表示素子に表示された左
    右映像をそれぞれ上記観察者の左右両眼へ虚像として導
    く左眼用接眼光学系及び右眼用接眼光学系と、上記左右
    の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系とを上記観察
    者の頭部に装着可能とする装着手段とを有する頭部装着
    型映像表示装置において、 上記観察者の左右眼球のうち少なくともいずれかの視線
    方向を検出可能とする視線方向検出手段と、 上記視線方向検出手段により導かれた眼球の視線方向を
    示す信号を基に輻輳位置を算出する視線位置算出手段
    と、 上記視線位置算出手段により導かれた輻輳位置に基づい
    て、左右夫々の虚像の枠を形成する映像表示素子上の映
    像の縁部を、左右の映像で相対的に近接又は離反するよ
    うに移動させることにより、上記左右の映像表示素子上
    の表示領域を略合同に表示させる虚像縁変更手段とを有
    する頭部装着型映像表示装置。
  7. 【請求項7】上記視線方向検出手段が上記観察者の左右
    眼球の視線方向の横方向成分を検出可能とする左右眼球
    視線方向検出手段であり、 上記視線位置算出手段が上記左右眼球視線方向検出手段
    により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分信号か
    ら上記左右眼球の視線の横方向成分が交差する位置を輻
    輳位置として算出する視線位置算出手段であることを特
    徴とする請求項6記載の頭部装着型映像表示装置。
  8. 【請求項8】上記虚像縁変更手段が、上記左右の虚像を
    左右略対称的に変更させるため、上記左眼用映像表示素
    子上の左端の表示部を欠落させて表示させる場合には、
    それに合わせて上記右眼用映像表示素子上の右端の表示
    部を欠落させて表示させ、及び/または、上記左眼用映
    像表示素子上の右端の表示部を欠落させて表示させる場
    合には、それに合わせて上記右眼用映像表示素子上の左
    端の表示部を欠落させて表示させるように形成された、
    左右映像欠落手段からなることを特徴とする請求項6ま
    たは7記載の頭部装着型映像表示装置。
  9. 【請求項9】上記左右映像欠落手段は上記左右の映像表
    示素子の右方向を正とするとき、上記輻輳位置の奥行き
    距離に比例関係をもたせ上記奥行き距離が小さいほど上
    記左眼用映像表示素子上の左端の表示の縁移動量を正方
    向に大に変換して上記左端の表示を欠落させるととも
    に、上記比例関係とは逆方向の比例関係をもって上記右
    眼用映像表示素子上の右端の表示の縁移動量を負方向に
    大に変換して上記右端の表示を欠落させることを特徴と
    する請求項8記載の頭部装着型映像表示装置。
  10. 【請求項10】上記左右映像欠落手段は上記左右の映像
    表示素子の右方向を正とするとき、上記輻輳位置の奥行
    き距離に比例関係をもたせ上記奥行き距離が大きいほど
    上記左眼用映像表示素子上の右端の表示の縁移動量を負
    方向に大に変換して上記右端の表示を欠落させるととも
    に、上記比例関係と逆方向の比例関係をもって上記右眼
    用映像表示素子上の左端の表示の縁移動量を正方向に大
    に変換して上記左端の表示を欠落させることを特徴とす
    る請求項8または9記載の頭部装着型映像表示装置。
  11. 【請求項11】上記左右の映像表示素子の中心部を上記
    左右の接眼光学系の光軸から上記中心部がお互いに近づ
    く方向に偏心させると共に、上記左右眼球の視線の輻輳
    角が略0度となる時に上記左眼に導かれる虚像の左端の
    欠落量を略0とし且つ上記右眼に導かれる虚像の右端の
    欠落量を略0とし、上記観察者左右眼球の輻輳変化に伴
    う上記枠形状の変更に際しても上記左右の映像表示素子
    上の表示される領域を上記変更の前後で略合同としたこ
    とを特徴とする請求項10記載の頭部装着型映像表示装
    置。
  12. 【請求項12】上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を検出
    する瞳孔間隔検出手段を具え、 上記視線位置算出手段が上記左右眼球視線方向検出手段
    により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含む
    信号及び上記瞳孔間隔検出手段により検出された瞳孔間
    隔とから上記左右眼球の輻輳位置を算出する視線位置算
    出手段であることを特徴とする請求項7,8,9,10
    および11記載の頭部装着型映像表示装置。
  13. 【請求項13】上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を示す
    情報を外部より変更可能とする瞳孔間隔情報変更手段を
    具え、 上記視線位置算出手段が上記左右眼球視線方向検出手段
    により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含む
    信号及び上記瞳孔間隔情報変更手段により変更された瞳
    孔間隔信号とから上記左右眼球の視線が交差する輻輳位
    置を算出する視線位置算出手段であることを特徴とする
    請求項7,8,9,10および11記載の頭部装着型映
    像表示装置。
  14. 【請求項14】上記左眼用接眼光学系または上記右眼用
    接眼光学系の少なくとも一部を偏心移動可能とし左右眼
    球近傍に形成される左右の射出瞳の間隔を可変に構成し
    た射出瞳間隔調整手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記射出瞳間隔調整手段と
    一体化され上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の
    調整に従って瞳孔間隔信号が変換されることを特徴とす
    る請求項13記載の頭部装着型映像表示装置。
  15. 【請求項15】上記装着手段による締めつけ具合を検知
    する装着状態検知手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記装着状態検知手段と一
    体化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示
    す情報に従って瞳孔間隔信号を変換することを特徴とす
    る請求項13記載の頭部装着型映像表示装置。
  16. 【請求項16】上記虚像縁変更手段が、上記左眼用映像
    表示素子及び上記右眼用映像表示素子との間隔を接近及
    び離反させる映像表示素子接近離反手段であり、且つ上
    記左眼用映像表示素子及び上記右眼用映像表示素子の接
    近離反時の移動量にともなって接近時には外側へ映像を
    横方向にスクロールさせ離反時には内側へ映像を横方向
    にスクロールさせる映像変換手段を有することを特徴と
    する請求項6記載の頭部装着型映像表示装置。
  17. 【請求項17】上記視線方向検出手段が、上記観察者の
    左右眼球の視線方向のうち、少なくとも略左右眼球を結
    ぶ横方向成分を検出可能とする左右眼球視線方向検出手
    段からなり、 上記視線位置算出手段が、上記左右眼球視線方向検出手
    段により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分信号
    から上記左右眼球の視線の横方向成分が交差する位置を
    輻輳位置として算出する構成を有し、 上記虚像位置移動手段が、上記視線位置算出手段により
    算出された輻輳位置に上記左右映像の虚像を移動させる
    べく上記左右の映像表示素子と上記左右の接眼光学系の
    少なくとも一方を移動させる手段をも備えたことを特徴
    とする請求項6記載の頭部装着型映像表示装置。
  18. 【請求項18】上記映像表示素子接近離反手段が、上記
    左眼用映像表示素子及び上記右眼用映像表示素子との間
    隔を接近及び離反の移動を左右略対称に行うよう形成さ
    れたことを特徴とする請求項16記載の頭部装着型映像
    表示装置。
  19. 【請求項19】上記映像表示素子接近離反手段が上記左
    眼用映像表示素子または上記右眼用映像表示素子のいず
    れか一方の映像表示素子のみを横方向に移動させる映像
    表示素子接近離反手段であり、 上記映像変換手段が上記映像表示素子接近離反手段によ
    り横方向に移動させられる上記一方の映像表示素子のみ
    の映像を横方向にスクロールさせる映像変換手段である
    ことを特徴とする請求項16記載の頭部装着型映像表示
    装置。
  20. 【請求項20】観察者の左右両眼それぞれに対応した視
    差を持つ映像を表示する左眼用映像表示素子及び右眼用
    映像表示素子と、上記左右の映像表示素子に表示された
    左右映像をそれぞれ上記観察者の左右両眼へ虚像として
    導く左眼用接眼光学系及び右眼用接眼光学系と、上記左
    右の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系とを上記観
    察者の頭部に装着可能とする装着手段とを有する頭部装
    着型映像表示装置において、 上記観察者の左右眼球のうち少なくともいずれかの視線
    方向を検出可能とする視線方向検出手段と、 上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた眼球の視
    線方向を示す信号を基に輻輳位置を算出する視線位置算
    出手段と、 上記視線位置算出手段により導かれた輻輳位置の奥行き
    に関係させ上記輻輳の状態で上記左右眼球に導かれる左
    右虚像の縁を互いに合致させるべく上記右眼または上記
    左眼に導かれる虚像の一方のみの虚像の縁の変更を行
    い、上記左右の映像表示素子上の表示領域を略合同に表
    示させる虚像縁変更手段とを有する頭部装着型映像表示
    装置。
  21. 【請求項21】観察者の左右両眼それぞれに対応した視
    差を持つ映像を表示する左眼用映像表示素子及び右眼用
    映像表示素子と、 上記左右の映像表示素子に表示された左右映像をそれぞ
    れ上記観察者の左右両眼へ虚像として導く左眼用接眼光
    学系及び右眼用接眼光学系と、 上記左右の映像表示素子及び上記左右の接眼光学系とを
    上記観察者の頭部に装着可能とする装着手段と、 上記観察者の左右眼球の視線方向の少なくとも横方向成
    分を検出可能とする左右眼球視線方向検出手段と、 上記左右眼球視線方向検出手段により導かれた左右眼球
    の視線方向の横方向成分信号から上記左右眼球の輻輳位
    置を算出する視線位置算出手段と、 上記視線位置算出手段により算出された輻輳位置に上記
    左右映像の虚像を移動させるべく上記左右の映像表示素
    子及びまたは上記左右の接眼光学系を移動させる虚像位
    置移動手段とを有する頭部装着型映像表示装置におい
    て、 上記観察者の左右眼球の瞳孔間隔を示す情報を外部より
    変更可能とする瞳孔間隔情報変更手段を具え、 上記視線位置算出手段が上記左右眼球視線方向検出手段
    により導かれた左右眼球の視線方向の横方向成分を含む
    信号及び上記瞳孔間隔情報変更手段により変更された瞳
    孔間隔信号とから上記左右眼球の輻輳位置を算出する視
    線位置算出手段であることを特徴とする頭部装着型映像
    表示装置。
  22. 【請求項22】上記左眼用接眼光学系または上記右眼用
    接眼光学系の少なくとも一部を偏心移動可能とし左右眼
    球近傍に形成される左右の射出瞳の間隔を可変に構成し
    た射出瞳間隔調整手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記射出瞳間隔調整手段と
    一体化され上記射出瞳間隔調整手段による射出瞳間隔の
    調整に従って瞳孔間隔信号が変換されることを特徴とす
    る請求項21記載の頭部装着型映像表示装置。
  23. 【請求項23】上記装着手段による締めつけ具合を検知
    する装着状態検知手段を具え、 上記瞳孔間隔情報変更手段は上記装着状態検知手段と一
    体化され上記装着状態検知手段による締めつけ具合を示
    す情報に従って瞳孔間隔信号を変換することを特徴とす
    る請求項21記載の頭部装着型映像表示装置。
  24. 【請求項24】映像を表示する映像表示素子と上記映像
    表示素子に表示された映像を観察者の眼球内に虚像とし
    て像を導く接眼光学系と上記映像表示素子及び上記接眼
    光学系とを上記観察者の頭部へ装着可能とする装着手段
    とを備えた頭部装着型映像表示装置本体と、 上記頭部装着型映像表示装置本体とは別体であり且つ上
    記頭部装着型映像表示装置本体の電気的制御を行う信号
    を生成する制御手段と、 上記頭部装着型映像表示装置本体及び上記制御手段とを
    電気的に接続し上記電気的制御を行う信号を上記頭部装
    着型映像表示装置本体へ電送する配線コードとを備えた
    頭部装着型映像表示装置において、 上記頭部装着型映像表示装置本体に対する上記配線コー
    ドの接続位置を変更可能に構成した接続位置変更手段を
    有することを特徴とする頭部装着型映像表示装置。
  25. 【請求項25】上記接続位置変更手段は上記頭部装着型
    映像表示装置本体に設けられ抜き差しにより上記配線コ
    ードを電気的に接続可能とした複数の接続部であること
    を特徴とする請求項24記載の頭部装着型映像表示装
    置。
  26. 【請求項26】上記複数の接続部のうち少なくとも一つ
    ずつが頭部装着側映像表示装置本体の左右にそれぞれ設
    けられたことを特徴とする請求項25記載の頭部装着型
    映像表示装置。
  27. 【請求項27】上記複数の接続部のうちいずれかが頭部
    装着側映像表示装置本体の後側に設けられたことを特徴
    とする請求項25記載の頭部装着型映像表示装置。
  28. 【請求項28】上記接続位置変更手段は上記頭部装着型
    映像表示装置本体に沿って移動自在に設けられたレール
    若しくはカムによるスライド形式に接続されたことを特
    徴とする請求項24記載の頭部装着型映像表示装置。
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