JP3877080B2 - 立体視ディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、立体視ディスプレイ装置、特に視野の奥行きを自然に感じることができるような状態で立体視を行なう行なうことができる立体視ディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
視覚表示装置やシステムとして、立体視できるように映像を表示面に表示する立体視ディスプレイは、既知で種々のものが提案されている。例えばシャッタ型の立体視ディスプレイ装置においては、シャッタ機構によって左右の映像を観察者の左右の眼に交互に導くようにしている。また、レンチキュラ型の立体視ディスプレイ装置においては、表示面の前方にレンチキュラレンズを配置して、左右の映像がそれぞれ観察者の左右の眼に選択的に導かれるようにしている。最近では、左右の液晶表示装置(LCD) と、これらLCD 上に表示される左右の映像を左右の拡大レンズを介して観察者の左右の眼に導くようにした頭部搭載型の立体視ディスプレイ装置(HMD) が開発されている。
【0003】
今、図1に示すように三角の物体、例えば三角錐と円形の物体、例えばボールとを含む映像を上述したHMD で観察するものとする。この場合、映像信号は画面中の主題であるボールが図1a, 1b, 1cに示すように観察者に接近してくるように表示するものとする。これらの映像では、三角形の物体の位置および大きさは変化していない。その理由はこの物体は観察者にとって静止しているように近くされなければならないからである。一方、ボールの位置とサイズは変化している。すなわち、ボールは観察者の方に近づくのでサイズが大きくなっている。
【0004】
図2は観察者による左右の映像の融像を示すものである。左右の拡大レンズ62L および62R は、それぞれ左右の表示装置63L および63R 上に表示される左右の映像の拡大された虚像を形成し、これらの虚像は観察者の左右の眼61L および61R によってそれぞれ観察される。図2において、平面a, b, c は図1a, 1b, 1c に示す円形物体の像に対応している。融像によって円形物体はそれぞれ面a, b, c 上に位置しているように見える。そのとき、観察者の左眼61L は時計方向に回転し、右眼61R は反時計方向に回転するので、輻輳角αは大きくなる。ここで、輻輳角αは、左眼の光軸と右眼の光軸との間の角度として定義されるものである。本明細書においては、左右の眼の光軸が交叉する点と、眼との間の距離を輻輳距離と定義する。HMD においては、輻輳距離は、左右の映像の主光線が交差する点と左右の拡大レンズ63L, 63Rの主平面との間の距離に等しい。
【0005】
輻輳がおこると、同時に眼のピント調節もおこる。輻輳角が大きくなると、観察者の左右の眼は近くの物体にピントが合うように調節され、輻輳角が小さくなると遠くの物体に焦点が合うように調整される。しかしながら、HMD においては、最良のピントで見ることができる平面が固定されている。本明細書においては、この最良ピント面と眼との間の距離を視距離と定義する。HMD においては、拡大レンズ63L, 63Rによって虚像が形成される面と観察者の眼61L, 61Rとの間の視距離が一定である。このことは眼の自然の機能とは矛盾しており、したがって、立体映像を自然の状態で観察することができず、その結果立体視も損なわれるという問題がある。この問題は、HMD に限られるものではなく、上述したシャッタ型の立体視ディスプレイ装置はレンチキュラ型の立体視ディスプレイ装置においても同様に生じるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決する方法は種々提案されている。例えば、特開平3−292093号公報(文献1)には、観察者の注視点を検出して注視点での奥行き情報から拡大レンズを動かして視距離を変える方法が示されている。この既知の方法によれば、視距離と輻輳距離とを一致させることができる。しかし、拡大レンズを駆動するための複雑なメカ駆動系が要求されるため装置全体が大きくなり、重くなる欠点がある。
【0007】
一方、特開平5−292543号公報(文献2)には、左右の眼それぞれの注視点を検出し、この注視点の物体が表示映像上で動かないように左右の映像の一方をシフトする方法が示されている。しかしながら、視距離に対する考慮はなされておらず、視距離と輻輳距離とは一致しない。すなわち、この文献2に開示された装置では、視距離と輻輳距離とを一致させるといった機能までは有してはおらず、したがって立体視の不自然な感覚が損なわれるという欠点がある。
【0008】
また、特公平6−85590号公報(文献3)には、視点カメラからの信号を処理して映像中の注視物体を検出し、この注視物体の距離に応じて左右の虚像をスライドさせ、このスライドによる視距離のずれを拡大レンズの焦点距離を調整することによって補償するようにした方法が開示されている。この既知の方法でも、拡大レンズの焦点距離を調節するためのメカ機構が必要となり、装置全体が大きく、重くなる欠点がある。
【0009】
アメリカ特許第5,034,809 号明細書(文献4)には、左右の表示装置を、左右の拡大レンズの光軸に対してシフトさせることによって視距離と輻輳距離とを一致させる方法が示されている。しかし、この既知の方法では、左右の映像が一致するときだけ視距離と輻輳距離とが一致し、これらの映像が異なる場合にはこの文献4のFig.3(b)に示されているように視距離を輻輳距離に一致させることができない欠点がある。立体映像においては、輻輳距離は通常時間とともに変化し、視距離は映像中の注視物体に応じて変化するものである。この文献4では、このように変化する輻輳距離をどのようにして視距離と等しくするのかについては何も記載されていない。
【0010】
上述したようにメカ機構を設けた従来の立体視ディスプレイ装置においては、拡大レンズや表示装置を常時駆動している必要がある。したがって、表示される映像も変動し、観察者は安定な映像を見ることができない。さらに、メカ機構を駆動するには大型で重いバッテリが必要となり、装置がそれだけ大型化し、重量も大きいものとなってしまう。このような問題は、上述したHMD のような携帯型の立体視ディスプレイ装置においては大きな欠点となる。
【0011】
本発明は、立体感を保ちながら視距離と輻輳距離とを一致させ、自然な立体視が可能で、メカ機構が不要で小型化および軽量化も図れる立体視ディスプレイ装置を提供しようとするものである。
また、本発明の他の目的は、小型で軽量であり、しかも自然な立体視感を得ることができる頭部装着型映像表示装置として構成するのに好適な立体視ディスプレイ装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体視ディスプレイ装置は、立体画像を構成する左右の映像を表示面に表示する表示手段と前記表示手段へ表示する映像の表示制御を行う表示制御手段とを有しており、前記表示制御手段によって制御されて前記表示手段に表示される映像は少なくとも2つの物体を含み、表示される2つの物体のうちの一方の物体の大きさが時間的な変化に伴って変化すると共に他方の物体の大きさは変化せずかつこれら2つの物体は互いに時間変化に伴ってこれら物体同士の距離が変化するべく観察されるように映像内での表示位置が変化するよう制御され、かつ、これら2つの物体のうち大きさが時間的な変化に伴って変化する物体の輻輳距離が時間的な変化に対して固定されるように制御されると共にその輻輳距離と視距離とが一致するように制御されることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明による立体視ディスプレイ装置では、前記表示手段が、右映像を表示する右映像表示装置と、左映像を表示する左映像表示装置とを具え、ディスプレイ装置はさらに、観察者の右眼によって観察される前記右映像の拡大虚像を形成する右拡大光学系と、観察者の左眼によって観察される前記左映像の拡大虚像を形成する左拡大光学系とを有し、前記映像シフト手段は、観察者の眼から虚像面までの距離をL〔m〕、観察者の左眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθL 、観察者の右眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθR 、その左右の眼の眼幅をd〔m〕とするとき、
数4
1/L−2<(tan θL +tan θR ) /d< 1/L +2 (L≦0.5)
0<(tan θL +tan θR ) /d< 1/L +2 (L>0.5)
を満足するように前記左右の映像の少なくとも一方を水平方向にシフトするものとする。
このような実施例においては、視距離と輻輳距離との一致精度は、これを±2ディオプター内のずれの許容範囲中のものとして構成できる。また、前記映像シフト手段を、水平方向への映像のシフト後の輻輳角に比例する値(tanθL +tan θR )/d が、シフト前の輻輳角に比例する値(tanθL '+ tanθR ' )/d が大きくなるにしたがって大きくなるように映像のシフトを行なうように構成するのが好適である。ここで、上述した輻輳角に比例する値(tanθL +tan θR )/d は輻輳距離の逆数である。また、左右の表示装置は液晶表示装置で構成するのが好適である。
【0014】
上述した本発明による立体視ディスプレイ装置においては、輻輳距離が時間的にほぼ固定されるように表示手段上に表示される左右の映像の少なくとも一方を電気的に水平方向にシフトするものであるが、特に輻輳距離が視距離とほぼ等しくなるようにシフトすることによって自然な立体視が可能である。したがって、従来のように表示手段や光学系を機械的に駆動するメカ機構やそのための電源も不要であるので、容易に小型化および軽量化が図れる。このような利点は、特に頭部装着型映像表示装置に適用する場合に顕著である。さらに、このような頭部装着型映像表示装置においては、機械的に部品を動かすための空間を眼前本体部内に確保する必要がないので、装置全体を小型とすることができる。さらに、観察者が頭部装着した場合に、常時、振動などの影響を受けて見づらくなることもなくなる。
【0015】
本発明の実施例を説明する前に、本発明による立体視の原理を説明する。
図3a, 3b, 3cは本発明による立体視ディスプレイ装置の表示手段の上に表示される左右の映像の時間的な変化を示すものである。本発明においては、図1に示した従来の左右映像の信号を受け取った後に、画面中の円形物体、ボールの視差が変化しないように右の映像全体をシフトし、左の映像全体もシフトする。したがって、本発明においては、図4に示すようにボールは動かず、三角形の物体が移動することになるが、ボールのサイズは変化している。すなわち、本発明においてはボールに対する輻輳距離は時間に対して固定されている。しかしながら、三角形の物体のサイズは変化せず、ボールと三角形との距離は増大する。したがって、ボールに対する輻輳距離は変化しないが、ボールと三角形の物体との距離が増大するように知覚される。
【0016】
本発明においては、人間の眼の特性を巧みに利用している。すなわち、人間の眼は相対的な距離の変化には敏感であるが、絶対的な距離の変化には鈍感である。本発明者等が実験により確認したところによれば、暗い背景中に1個の物体がある場合、この物体の移動は知覚されないことがわかった。しかし、画面中に他の物体が存在する場合には、注視されている物体の移動は知覚されるようになる。この実験から、人間の眼は相対的な距離の変化には非常に敏感であるが、画面中のただ1個の物体が移動する場合のように絶対的な距離の変化は知覚しないことがわかった。本発明においては、ボールの視差を変化させなくても、ボールと三角形の物体との間の距離を変化させるとともにボールのサイズを大きくすることによって、ボールが観察者に向かって飛んでくるように見えるようにするものである。この場合、ボールに対する輻輳距離はほぼ一定となるので、観察者は自然の感覚で立体視することができる。特に、上述した輻輳距離 LH が視距離とほぼ等しくなるように映像をシフトすると常にボールにピントが合うようになるので好適である。また、画面中において観察者が注視している物体を検出し、この物体に対する輻輳距離がほぼ一定となるように映像をシフトするのが好適である。
【0017】
さらに、本発明においては、図5a, 5b, 5cに示すように画面の左右の端に黒いストライプを表示し、その幅を映像シフト量に応じて変化させるようにすることも可能である。図5aはボールが観察者から遠くにある状態を示し、図5bは視距離にある状態を示し、図5cは接近している状態を示す。図5bの状態では映像をシフトする必要はなく、黒いストライプを左右両端に表示させる。また、図5aの右映像または図5cの左映像に示されたように映像を左方向にシフトする場合には、表示面の右端に、シフト量とほぼ同じ幅を有する黒いストライプを表示し、図5aの左映像または図5cの右映像に示されたように映像を右方向にシフトする場合には、表示面の左端に、シフト量とほぼ同じ幅を有する黒いストライプを表示する。この場合、黒いストライプも三角形の物体のシフト量と同じだけシフトさせる。このようにして画枠として作用する黒いストライプもシフトさせて、観察者が注視しているボールと画枠との距離が変化するように見え、したがって立体視が改善されることになる。
【0018】
上述したように本発明においては、輻輳距離がほぼ一定となるように水平方向の映像シフトを行うが、この場合輻輳距離が視距離とほぼ等しくなるようにするのが好適である。しかし、本発明によれば、輻輳距離と視距離とは或る許容範囲内で相違させることもできる。このことを次に説明する。
視距離の逆数は一般に視度、ジオプタと呼ばれている。図6のグラフからわかるように、輻輳距離は、±2ジオプタの範囲内で視距離とは相違させることができる。この図6のグラフそのものは、1985年12月発行の「O plus E」, No.73,頁103 の図138 に示されているものである。このグラフにおいて、横軸は輻輳( MW: 輻輳角) を示し、縦軸は調節(視度)(D:ディオプター)を示す。中央の45°の実線は輻輳−調節が完全に対応している部分で、その近傍の領域は、焦点深度などによって許容できる範囲を示す。外側の曲線は、両眼の融像限界を示し、黒点実線は最大融像限界、その内側の点線は2重像状態から再度融像が成立する範囲、更にその内側の破線(一点鎖線)は画像呈示時間0.5秒にした時の融像限界を示す。
この図から分かるように、輻輳は調節値の±2ディオプター内にあれば短時間提示で可能である。したがって、視距離をL[m]とし、輻輳距離を LH [m] とするとき、以下の式を満足するように映像のシフトを行えば良いことになる。
数5
1/L-2<1/ LH <1/L+2 (L≦0.5) ---(1)
0<1/ LH <1/L+2 (L>0.5) ---(2)
今、観察者の左眼の視線方向と虚像面の法線との角度をθL とし、観察者の右眼の視線方向と虚像面の法線との角度をθR とし、左右眼球の眼幅をd(m)としたとき、輻輳距離 LH の逆数は、(tanθL +tanθR )/dで表されるので、上述した式は次のように表すことができる。
数6
1/L−2 <(tan θL +tan θR )/d < 1/L+2 (L ≦0.5) ---(1')
0 <(tan θL +tan θR )/d < 1/L+2 (L >0.5) ---(2')
【0019】
本発明においては、映像のシフトにあたっては、上述した関係を満足するよう左右の映像の少なくとも一方を水平方向にシフトさせるようにしてもよい。
本発明においては、表示されている画像中の任意の対象物において視距離と輻輳距離とが上述した範囲内で一致するように左右の映像をシフトするのが好適である。そのためには、注視点検出を行い、注視している対象物の輻輳距離が視距離とが上述した範囲内で一致するように映像をシフトするのが望ましい。つまり、例えば三角錐を注視していると判断した場合には、三角錐に対する視距離と輻輳距離とが上述した範囲内で一致するように映像のシフトを行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図7は、本発明の一実施例の全体的な構成を示すものである。本実施例では、立体視ディスプレイ装置として頭部装着型映像表示装置(以下、HMDとも称する)に適用した場合を例として挙げて説明する。
【0021】
図7は、観察者(使用者)が装着している状態でのHMDの外観構造を示し、図8は、主に表示光学系と信号処理系の構成を示す。HMD100は、図7のように、表示素子である例えばLCDや該LCDの像を観察者の眼に誘導するための光学系が組み込まれた本体と、この本体を観察者の顔面に装着するための支持機構を備えている。
【0022】
図7中、101はディスプレイ本体部を示し、これは使用時には観察者の顔面に保持されるよう支持部材が頭部を介して固定している。その支持部材としては、ここでは、一端を前記ディスプレイ本体部101に接合し、観察者のこめかみから耳の上部にかけて延在する左右の前フレーム102と、該前フレーム102の他端に接合され、観察者の側頭部を渡るように延在する左右の後フレーム103と、前記左右の後フレーム103の他端に挟まれるように自らの両端を一方づつ接合し、観察者の頭頂部を支持する頭頂フレーム104とから構成されている。
【0023】
また、前記前フレーム102における前記の後フレーム103との接合部近傍には、弾性体からなるリヤプレート、例えば金属板バネ等で構成されたリヤプレート105が接合されている。このリヤプレート105は、前記支持部材の一翼を担うリヤカバー106が観察者の後頭部から首のつけねにかかる部分で耳の後方に位置して支持可能となるように接合されている。
【0024】
また、図7中、122は映像・音声信号等を外部から送信するためのケーブルを示す。該ケーブル122は、一端を電装部品(例えば図8参照)に接続し、頭部フレーム104、後フレーム103、前フレーム102、リヤプレート105の内部を介してリヤカバー106の後端部より外部に突出している。そして、ここでは、このケーブル122は、図7に示すようにビデオ再生装置120に接続されている。また、120aはビデオ再生装置120のスイッチやボリュウム調整部等の操作部、109はイヤホーンである。
【0025】
なお、ケーブル122は先端をジャックにして、既存のビデオデッキ等に取り付け可能としてもよい。更に、TV電波受信用チューナーに接続してTV観賞用としてもよいし、コンピュータに接続してコンピュータグラフィックスの映像や、コンピュータからのメッセージ映像等を受信するようにしてもよい。
また、邪魔なコードを排斥するために、アンテナを接続して外部からの信号を電波によって受信するようにしてもかまわない。
更にまた、本HMD100は電源をバッテリーとするものでも商用電源を使用するものであってもよい。
【0026】
本体部内部の表示及び光学系は、図8に示すように、左眼10L用の左LCD11L,左接眼光学系12Lと、右眼10R用の右LCD11R,右接眼光学系12Rとを有する構成のものとすることができる。LCD11L,11Rが左右の各LCDドライバー回路(LCDドライブ回路)32L,32Rにより駆動され、その各表示面に映像が表示されるとき、左右の映像は、それぞれの像を拡大する接眼光学系12L,12Rを通して観察者の眼10L,10Rに与えられ、観察者は拡大虚像を見ることができる。
【0027】
本実施例では、このように、観察者の左眼10L、右眼10Rのそれぞれの前に位置することとなるように、それぞれ左LCD11L,右LCD11Rを含む2つの映像表示系と、それぞれ左接眼光学系12L,右接眼光学系12Rによる2つの光学系とを頭部装着式のディスプレイ本体部101内に収納し、一方、映像再生器31から立体視の表示映像ソースとなる左右映像信号が左右LCDドライバー回路32L,32Rへ与えられ、左右のLCD表示面に左右の映像を表示させるようにする。ここで、映像信号そのものは従来の立体視ディスプレイ装置における映像信号と同様のものであり、したがって映像シフトを行わない場合には、図1に示すような映像が表示されることになる。本実施例においては、図3および4に付いて説明したように輻輳距離が時間に対してほぼ固定となるとともに視距離ともほぼ等しくなるように左右の映像の双方を水平方向にシフトするものである。
【0028】
図8に示すように、本例では、前述した映像再生器31、及び左右LCDドライバー回路32L,32を有する構成に加え、映像再生器31からのLCDドライバー回路への映像信号供給系に対し挿入した左右の映像シフト回路38L,38Rを備える。更に、HMDを装着した観察者の視線方向角を検出し、及び映像をシフトさせるのに必要なシフト量を得るため、光源15と視線検出器16を備えるとともに、これに関連して、図示の如くライン信号抽出回路35、相関計算部36、シフト量計算部37を備えている。これらの光源15および視線検出器16は、LCD11L,11Rや拡大レンズ12L,12Rなどと一緒にディスプレイ本体部101内に設ける。
【0029】
ライン信号抽出回路35には、左右の映像信号を入力するとともに視線検出器16の出力信号を入力し、そのライン信号抽出回路35の出力は相関計算部36に与える。相関計算部36の出力はシフト量計算部37に入力し、そのシフト量計算部37の出力を映像シフト回路38に供給する。
ここで、ライン信号抽出回路35、相関計算部36及びシフト量計算部37は、これらを含んで、後述の如くに視線検出に基づき観察者の注視点座標を決定し、左右の映像信号間の相関を取りシフト量を決定する手段を構成する。
【0030】
本実施例では、左右の映像の双方を水平方向にシフトするが、本発明によれば、いずれか一方の映像をシフトすることもできる。例えば右映像のみをシフトする場合には、視線検出器16を観察者の左眼10Lの視線を検出するものとして設けらることができる。このようにするときは、視線検出する方の右眼の映像シフトしないので、シフトによって視線がふらつくといったようなことをも避けつつ、より適切に必要な映像シフトを実現できる。
【0031】
図8にも示されるように、観察者の両眼10L,10Rの前には、LCD11L,11Rと該LCD面(22L,22R)上の像を拡大する接眼光学系12L,12Rとがそれぞれ配置されており、拡大像の中で観察者の注視している部分は、本実施例では左眼10Lの視線方向を検出することで分かる。
実際の構成としては、視線方向の検出の方式は、例えば、赤外線のように見えない波長の光を発する光源を光源15として用い、該光源と、角膜で反射した光を捕らえるレンズ部17と、光検出器部18とからなるものとして構成することができる。
そして、これからの信号はライン信号抽出回路35に入力する。
【0032】
〔視線検出器〕
図9は、視線検出器16に適用できる好適構成例を示す。
本例では、観察者の眼球の角膜からの反射光を検出する方法として、シリンドリカルレンズと1次元センサ(1次元PSD)の組み合わせ2つを使用する。
同図において、不図示の光源から使用者の眼球に向けて光が発せられ、その眼球からの反射光が光検出器で検出されるものとする。かかる装置において、図示の如く、シリンドリカルレンズとフォトディテクタである1次元センサによる光検出系の組と、もう一方の同様のシリンドリカルレンズと1次元センサとによる光検出系の組との2組が用いられる。
一方の組は、それぞれ、図示のような位置関係で配置するシリンドリカルレンズ41aと1次元PSD42aとの組み合わせからなり、また、他方の組は、それぞれ、図示のような位置関係で配置するシリンドリカルレンズ41bと1次元PSD42bとの組み合わせからなる。
【0033】
角膜から反射した光(眼球からの反射光)の一部は、シリンドリカルレンズ41aに入射する。このシリンドリカルレンズ41aは、垂直方向に球面形状になっている。そして、該シリンドリカルレンズ41aと組み合わされる1次元PSD42aはこの球面の焦点位置に配置されているので、水平方向に長い光の一部が1次元PSD42aに入射する。
従って、視線方向の変化に伴い、眼球の垂直方向の回転によりシリンドリカルレンズ41aへの垂直方向の入射角度が変化し、焦点面上で光は垂直方向に移動する。つまり、1次元PSD42aへの入射位置が変化するので眼球の垂直方向の回転が検出できる。
一方、シリンドリカルレンズ41bと1次元PSD42bは、図示の如く、上記シリンドリカルレンズ41a及び1次元PSD42aの組み合わせのものとは、それぞれ対応する要素のものが90°回転した関係で配置されており、同様の作用により、上記の場合に準じて眼球の水平方向の回転が検出できる。
【0034】
結果として、上記構成により、眼球の回転つまり視線方向を検出できる。
この方法は、レンズと2次元PSDによる視線検出法と比べ安価に構成できるというメリットを有する。これは、1次元PSDは2次元PSDと比べ大幅に安価であるからであり、低コストで視線検出装置が実現できる。
【0035】
しかして、垂直回転検出の1次元PSD42aの出力は、観察者が注視している点の垂直座標(y)つまりラインを示す。一方、水平回転検出の1次元PSD42bの出力は、観察者が注視している点の水平座標(x)を示す。かくて、これにより観察者の注視点座標(x,y)を決定することができる。
【0036】
この場合は、上記の如くに1次元PSD42a,42bの使用によって装置コストの低減が図れる上、一方の1次元PSD42aが検出した信号をもとに、左右映像信号から垂直座標(y)に相当する水平ラインの映像信号をそれぞれ抽出し、その抽出した左右の映像信号を他方の1次元PSD42bが検出した信号をもとに相関計算を行いシフト量を決定するよう構成する場合においても、それぞれのセンサ出力は独立に処理することができ、回路をシンプルにし得て、この点でも低コスト化が図れる。
【0037】
本例の場合は、上述のようにして得られる1次元PSD42aの出力信号は、前記図8におけるライン信号抽出回路35に入力され、また、1次元PSD42bの出力信号は、同図における相関計算部36に入力されて、使用されるものとすることができる。
もっとも、1次元センサを使用する図9の構成例に限られるものではなく、本発明は、2次元センサ(2次元PSD)を採用する構成で実施することを妨げるものではないことはいうまでもない。
【0038】
図8の構成に戻り、上記に例示したような視線検出器16からの信号が与えられるライン信号抽出回路35には、映像再生器31からの左右の映像信号も入力され、映像信号の中から左眼が注視している映像ラインだけを左右とも抜き出し、次に、抜き出した左右のライン信号の相関計算をする。
即ち、ここでは、決定した注視点座標(x,y)信号をもとに、左右映像信号から垂直座標yに相当する水平ラインの映像信号をそれぞれ抽出し、抽出した左右の映像信号を水平座標xをもとに相関計算を行い、そしてシフト量を決定する。
【0039】
〔ライン信号抽出及び相関計算〕
このようなライン信号の抽出と相関計算についての例を説明する。
まず、図10に概念図を示す。いま、例えば左右の映像(前記の原理説明で示した三角錐と球による映像)があり、観察者の左眼は×印で示したように球に注視しているとする。この注視している部分の座標を(x’,y’)とする。
注視点検出は、既述した手法で行われ、当該部分の座標(x’,y’)は決定される。
【0040】
次に、左右の映像信号の中からラインy’の信号だけを左右とも抜き出す。これにより、上記座標(x’,y’)における垂直座標y’に相当する水平ラインの映像信号が左y’ライン映像信号、右y’ライン映像信号としてそれぞれ抽出される。そして、こうして抽出したら、次に、その抽出左右y’ライン映像信号を対象にして、上記座標(x’,y’)における水平座標x’を基に相関を演算をする。
例えば、左y’ライン映像信号の中からx’を中心とした信号(x’±Δx分相当の信号)と右y’ライン映像信号との相関を取る。相関計算は、好適には、以下の計算式にしたがって行なうことができる。
【数7】
Figure 0003877080
【0041】
結果として得られる上式左辺のS(τ)から、左映像の水平方向の座標x’に存在する信号と最も相関の強い右映像信号との時間差が分かる。つまり、この時間差から視差量が分かる。シフト量計算部37では、かくして得られる情報に基づき、映像を水平方向にシフトさせるべきシフト量を求める。
このようにして、シフト量の決定に際し、左右の映像信号間の相関を取ることによってシフト量を決定でき、高い精度で必要なシフト量を得ることができる。また、上記の方法に従えば、相関計算は2次元の映像信号のうち、1つの水平ライン信号だけでも行えるので、計算スピードも速く、処理も迅速となる。
【0042】
ライン信号抽出回路35及び相関計算部36についての実際の回路例の一つを図11に示す。
本例では、図示のように、左ラインメモリ46L、右ラインメモリ46R、カウンタ45、掛け算器47、積分器48を備える構成である。各ラインメモリ46L,46Rには映像再生器31からそれぞれ左右映像信号が供給され、また、カウンタ45からホールド信号が与えられる。該カウンタ45には、水平同期信号を入力するとともに、指定ライン情報を入力し、ここでは、そのライン情報を視線検出で決定された注視点座標のy座標情報に応じて設定する。
【0043】
上記構成においては、水平同期信号のパルスをカウンタ45でカウントし、視線検出して得た指定ライン数になったとき左右の映像信号をラインメモリ46L,46Rに書き込む。そして、ラインメモリに書き込まれた映像信号の内、必要な信号のみを取り出し、掛け算器47、積分器48で掛け算と積分を行うことによって視差信号を取り出すことができる。
【0044】
上述したようにして求めた視差情報に基づいて映像シフトのためのシフト量を決定することができる。
図8において、例えば、ライン信号抽出及び相関計算によって得られる視差信号はシフト量計算部37へと入力され、該シフト量計算部37では、適用するHMDの設定された視度に対応する視差とこの視差信号を比較し、その差分をシフト量とすることができる。
【0045】
〔シフト〕
本発明に従う水平方向への映像シフトの原理は、図3、図4あるいは図5を参照して既に述べた通りであるが、更に補足すれば、図12のように、輻輳距離と視距離とを一致させるためには以下の式を満足しなければならない。
数8
L(tanθL +tanθR )=d ---(4)
ここで、θL は左眼の視線方向角、θR は右眼の視線方向角、Lは虚像面26までの距離(視距離)、dは眼幅である。輻輳角はθL +θR で表されるものである。
【0046】
一方、右LCD面(表示面22R)上での表示位置と右眼視線方向角θR との関係は、次式で示される。
数9
tanθR =xR /f ---(5)
ここで、fは適用する接眼レンズの焦点距離、xR は表示の位置を表す。
よって、
数10
xR =(f/L)・(d−LtanθL ) ---(6)
を満足するように映像シフトを行わせればよい。
【0047】
即ち、上記式4は、これをtanθR について整理して、次のように表せる。
数11
(tanθL +tanθR )=d/L ---(7)

tanθR =(d/L)−tanθL ---(8)
【0048】
なお、前記式1は、基本的に上記式4の関係を基礎として導かれ、上記式7の変形、即ち、
数12
(tanθL +tanθR )/d=1/L ---(9)
の関係に対し、更に±2ジオプタの許容範囲を考慮して誘導される。
【0049】
しかして、上記式8の右辺部分を、上記式5の左辺tanθR に代入し、かつ、それをxR について整理すれば、上記に示した式6の関係が得られる。
従って、この式6を満足するように左右のLCD上に表示される左右の映像信号(元映像)をシフトすれば輻輳距離と視距離とを一致させことができる。
【0050】
ここでは、前述の視差計算によりシフト前における右眼映像の表示位置が分かるので、この表示位置と上式のxR を比較しその差分をシフトすればよい。
こうしてシフト量を決定でき、これに基づくシフト量信号が図8の左右の映像シフト回路38Lおよび38Rに入力され、映像再生器31から供給される左右の映像信号を互いに反対方向に等しい量だけ水平にシフトさせる。
実際のシフト手段は、例えば、LCDドライブ回路へ映像信号を入力する前段にその遅延時間を可変制御可能な遅延回路を挿入し、その遅延時間をシフト量信号に応じて制御する構成のものとすることができ、本例でもかかる構成であってよい。
【0051】
上述したようにしてシフトされた左右の映像信号は、左右のLCDドライバ回路32Lおよび32Rに入力され左右のLCD11R上にシフトされた映像を表示する。
【0052】
以上のようにして、HMDを装着している観察者に対し、前記図3A, 3B, 3Cに示すように水平方向にシフトされた映像が表示面22L,22R上に表示される。このとき、観察者には図4のようにボールと三角形の物体との相対距離が変化する映像が与えられ、この場合、注視しているボールの輻輳距離はほぼ固定となって視距離とほぼ等しくなるので、自然な立体視を適切に実現することができる。このように、立体感を保ちつつ視距離と輻輳距離とは一致し、しかも、斯く一致するように電気的にLCD表示面上に表示する映像をシフトすることができ、本HMD100は、メカ機構も不要であり、装置の小型化も図れる等、前掲文献のものの問題も良好に解消することができ、特に頭部装着式映像表示装置に適用して好適な立体視ディスプレイ装置を提供できる。
【0053】
次に、本発明の他の実施例を説明する。
本実施例(第2実施例)では、左右の視野枠が融像しないよう光学系を配置することによって、視野枠による立体感の低下を抑えんとするものである。
本発明に従って注視点の輻輳角を固定にし他の像の輻輳角を変化させる方式の場合には、視野枠の輻輳角が固定になっていると中央部分と注視点との距離差は変化しないため、注視点如何では、場合により注視点の立体感が低下してしまうというおそれがある。
そこで、本実施例では、視野枠を立体融像させないことによりこの問題をも解決しようとするものである。
【0054】
図13は、本実施例の要部の構成例である。同図には、本実施例に従う場合の左右のLCD11L,11R、接眼光学系12L,12Rの配置を示してある。これらは、図示のように、前記実施例(第1実施例)の場合のもの配置に対し、左右の光学系の光軸が外向きに広がるよう傾けて配置してある。即ち、左光軸と右光軸は虚像方向に向かって広がるように設定される。
【0055】
他の構成部分については、第1実施例と基本的に同様であってよい。
従って、例えば図8の如くにライン信号抽出及び相関計算、並びにシフト量計算により右映像のシフトを行わせる場合は、次のような処理内容のものとできる。
本実施例でも、映像再生器からの左右の映像信号もライン信号抽出回路に入り、映像信号の中から左眼が注視している映像ラインだけを左右とも抜き出し、抜き出した左右のライン信号の相関計算をし、その結果得られる視差信号により、HMDの設定された視度に対応する視差とその視差信号を比較し、その差分をシフト量として得る。そして、そのシフト量信号により右映像信号を水平シフトさせ、右LCD11R上に映像を表示させる一方、左映像信号については元映像のまま左LCD11L上に映像を表示させることができる。
【0056】
しかして、本実施例においては、この場合、観察者の両眼10L,10Rの前には、図13の如くにLCD11L,11Rと光学系12L,12Rとがそれぞれ配置されており、結果、このように配置したとき、中央部分のみが立体融像でき、左端と右端の周辺部分は片眼でのみ見ていることになり立体融像できない。よって、本実施例によると、第1実施例の作用効果に加え、視野枠と中央部分にある注視点との距離感は薄らぎ注視点の立体感は低下しない。つまり、視野枠が融像されないため注視点と視野枠との距離感は感じられない。こうして、視野枠による立体感の低下をも抑えるようにすることができる。
【0057】
次に、本発明の更に他の実施例について、図14により説明する。
視線検出については、光源と光検出器を用いるタイプのものを既に説明してきており、特に、好適例としてのシリンドリカルレンズと1次元センサの組み合わせの構成や、また2次元PSDによるものについても触れてきたが、本実施例(第3実施例)は、観察者の眼の視線方向の角度を計測する場合の変形例の更に他の手段を示すものでもある。具体的には、観察者の眼の周りの皮膚上に電極を接触させて眼球の回転角を測定する視線検出器をHMDに備えるようにした場合の例を示す。
【0058】
図14は、このタイプの視線検出器を具備させたHMD100の概略構成を表している。
図示例では、HMD100の左右接眼部のうち、左接眼部の近くにネジ51で位置調整できるパッド52が備えられていて、そのパッド52の表面には電極53が設けられている。該電極53は、観察者の左眼の周りの皮膚上に接触させることにより、観察者の左眼の視線方向に応じた信号を得て、その眼球の回転角の測定の用に供される。
他の構成部分については、本実施例でも、第1実施例(または、第2実施例)と基本的に同様であってよい。
【0059】
本実施例では、装着者(観察者)は本HMD100を装着したあと、上記ネジ51を回してパッド52の電極53側の面を眼の周辺の皮膚に当たるように調整する。この電極53からの信号は眼球回転角を表しており、従って、これにより注視点検出が行え、これまでの第1、第2実施例と同様に、この信号を基にライン信号抽出や相関計算を行うことができる。
本発明は、このようして実施してもよく、前記各実施例と同様の作用効果を奏する。
なお、上記電極53については、例えば、その電極をHMDの内側に向かってのびる板バネに取り付けるようにしてもよい。
【0060】
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。
本実施例(第4実施例)は、更に、次のような点からの考察に基づくものであり、前記各実施例を発展させている。
これまでに説明してきた実施例では、注視点の輻輳角は元の映像の注視点の奥行き距離とは関係無く視度の距離に略一致するよう設定を行って、既述の水平方向への映像シフトを伴う映像表示をなすことを基礎としてきたものである。
【0061】
ここで、輻輳角が大きく変動するような映像が対象となる場合を考えたとき、この方法であると、例えば、背景がなく単一の物体のみが動く映像の場合には、映像の大きさが変わるだけで奥行き方向は変化せず立体感が損なわれることがあるという可能性があり、それ故に、これをも解消できれば、更に効果的な立体視ディスプレイ装置を実現できる。
そこで、本実施例では、元映像の輻輳距離の変動を視距離の近傍の領域内に圧縮して輻輳距離に変化を与えるようにするものである。
【0062】
図15及び図16は、本実施例において映像を水平方向にシフトする場合のその内容を説明する図であり、図15に、元映像の輻輳(シフト前の輻輳)とシフトした後の輻輳の関係を示してある。
ここでは、元映像の輻輳((tanθL ’+tanθR ’)/d)が、いま、図中横軸の最小値αから最大値βまで変動するとしたとき、縦軸のシフト後の輻輳((tanθL +tanθR )/d)は視距離Lの逆数(1/L)を中心とした±2ジオプタ内((1/L)−2〜(1/L)+2)で比例に変化する(値αから値βへと大きくなるに従い、大きくなる)。
【0063】
このとき、物体の奥行き距離は、図16に示したように変換される。図16(a)はシフト前の映像を示しており、物体が遠距離から近距離まで大きく変化する。しかし、本実施例に従い、これを図15に示したように変換すると視距離Lを中心とした近傍(ジオプタ±2)内で変化する物体となる(図(b))。 このような変換は、例えば前記図8におけるブロック図のシフト量計算部37内で上記図15の関数にそって計算を行えばよい。
なお、本実施例においても、他の構成部分については、第1実施例と同様であってよく、本実施例(第4実施例)は、この第1実施例の場合のほか、前記第2、第3実施例でも適用可能である。
【0064】
本実施例によれば、こうして、背景がなく単一の物体のみが動く映像の場合にも対応でき、第1実施例(または第2実施例、あるいは第3実施例)と同様の作用効果を奏するのに加え、たとえ輻輳角が大きく変動する映像においても、シフトを行うことで設定した視度の距離Lを中心とした狭い輻輳領域(図示例では、L±2)だけで変動するので立体感は保ったまま自然な立体視を表現できる。
特に、前記式1を満足するよう左右の映像の少なくとも一方を水平方向にシフトする方式と組み合わせて実施するとき、両者の利点の両立を図れてより効果的である。
なお、図15に例示した態様では、シフト後の輻輳はシフト前の輻輳に比例しているが、本発明はこれに限るものではなく、非線型でもよい。
【0065】
以上、図を参照して、特定の実施例、変形例等について述べたが、本発明は、それらに限定されるものではい。
例えば、主に頭部装着式映像表示装置を例に説明したが、その他これ以外の立体視ディスプレイのための視覚表示システムに適用できる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、立体視のため映像を表示手段の表示面に表示する場合に、輻輳距離が実時間でほぼ固定となるように表示面上に表示制御することにより自然な立体視が可能となる。さらに、この輻輳距離が視距離と一致するように表示制御する場合にはさらに自然の立体感を改善することができる。本発明の映像シフトは、映像を電気的にシフトするものであるから従来のようなメカ機構が不要となり、したがって装置全体を容易に小型かつ軽量とすることができる。
【0067】
また、従来のような使用表示パネルやレンズ等を機械的に移動しないことから、頭部装着型映像表示装置に適用する場合であっても、その移動に要する部品を動かすための空間をこの種装置の眼前本体部内に確保したり、しかも、そのための移動機構も当該本体部に組み込んだり、あるいはまた、観察者が頭部装着したその使用観察中に、常時、振動などの影響を受けて見づらくなるなどすることもなくなる。さらに、小型、軽量、部品点数の減少を実現することができ、更には装置電源がバッテリー駆動の場合も不必要な電力消費も回避し得て、特にこの種装置に適用して好適な立体視ディスプレイ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1a〜1cは従来の立体視ディスプレイ装置における映像の変化を示す線図である。
【図2】図1に示す映像の変化に対応する見え方を示す線図である。
【図3】図3a〜3cは本発明による立体視ディスプレイ装置における映像の変化を示す線図である。
【図4】同じく、本発明における映像の見え方を示す線図である。
【図5】図5a〜5cは、本発明における映像の変化の他の例を示す線図である。
【図6】人間の眼の輻輳と調節との関係を示すグラフである。
【図7】本発明による立体視ディスプレイ装置の1実施例の構成を示す図である。
【図8】同じくその詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】同じくその視線検出器の一例の構成を示す図である。
【図10】同じく、ライン信号抽出、及び相関計算における処理内容の説明に供する線図である。
【図11】ライン信号抽出、及び相関計算のための具体的回路例を示すブロック図である。
【図12】本発明による映像のシフトの説明に供する線図である。
【図13】本発明の他の実施例の要部の構成を示す線図である。
【図14】本発明の更に他の実施例の要部の構成を示す線図である。
【図15】同じく、本発明の更に他の実施例を示すもので、シフト前の輻輳とシフト後の輻輳との関係を示すグラフである。
【図16】図16aおよび16bは同例の説明に供する線図である。
【符号の説明】
10L 左眼
10R 右眼
11L 左LCD
11R 右LCD
12L 左接眼光学系
12R 右接眼光学系
15 視線検出器
16 光源
17 レンズ
18 光検出器
21L 左LCD枠
21R 右LCD枠
22L 左表示面
22R 右表示面
25 黒表示(非画像部分)
26 虚像面
31 映像再生器
32L 左LCDドライバ回路
32R 右LCDドライバ回路
35 ライン信号抽出部
36 相関計算部
37 シフト量計算部
38L,38R 左右の映像シフト回路
41a,41b シリンドリカルレンズ
42a,42b 1次元SPD
45 カウンタ
46L 左ラインメモリ
46R 右ラインメモリ
47 掛け算器
48 積分器
51 ネジ
52 パッド
53 電極
100 HMD
101 ディスプレイ本体部
102 前フレーム
103 後フレーム
104 頭頂フレーム
105 リヤプレート
106 リヤカバー
120 ビデオ再生装置
120a 操作部
122 ケーブル

Claims (12)

  1. 立体画像を構成する左右の映像を表示面に表示する表示手段と前記表示手段へ表示する映像の表示制御を行う表示制御手段とを有しており、
    前記表示制御手段によって制御されて前記表示手段に表示される映像は少なくとも2つの物体を含み、表示される2つの物体のうちの一方の物体の大きさが時間的な変化に伴って変化すると共に他方の物体の大きさは変化せずかつこれら2つの物体は互いに時間変化に伴ってこれら物体同士の距離が変化するべく観察されるように映像内での表示位置が変化するよう制御され、かつ、これら2つの物体のうち大きさが時間的な変化に伴って変化する物体の輻輳距離が時間的な変化に対して固定されるように制御されると共にその輻輳距離と視距離とが一致するように制御されることを特徴とする立体視ディスプレイ装置。
  2. 前記表示制御手段は映像シフト手段を含み、物体の大きさが時間的な変化に伴って変化する前記物体の輻輳距離が時間的な変化に対して固定されるようにかつその輻輳距離と視距離とが一致するように前記映像シフト手段によって左右の映像の少なくとも一方が水平方向にシフトされることを特徴とする請求項1に記載の立体視ディスプレイ装置。
  3. 前記輻輳距離をLH [m〕とし、視距離をL[m]とするとき、前記映像シフト手段は、前記表示手段で表示される左右の映像の少なくとも一方を、
    Figure 0003877080
    なる条件を満足するようにシフトすることを特徴とする請求項2に記載の立体視ディスプレイ装置。
  4. 前記表示手段で表示される左右の映像をそれぞれ拡大して観察者の右眼および左眼に導く光学手段を有し、
    前記光学手段の各光軸は虚像面に向かって互いに発散するように配置され、観察時における左右映像の視野枠を非融像状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の立体視ディスプレイ装置。
  5. 前記表示手段が、右映像を表示する右映像表示装置と、左映像を表示する左映像表示装置とを具え、ディスプレイ装置はさらに、観察者の右眼によって観察される前記右映像の拡大虚像を形成する右拡大光学系と、観察者の左眼によって観察される前記左映像の拡大虚像を形成する左拡大光学系とを有し、前記映像シフト手段は、観察者の眼から虚像面までの距離をL〔m〕、観察者の左眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθL、観察者の右眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθR、その左右の眼の眼幅をd〔m〕とするとき、
    Figure 0003877080
    を満足するように前記左右の映像の少なくとも一方を水平方向にシフトし、かつ、前記映像シフト手段は、水平方向への映像のシフト後の輻輳角に比例する値(tanθL+tan θR )/dが、シフト前の輻輳角に比例する値(tanθL '+ tanθR ' )/d が大きくなるにしたがって大きくなるように映像のシフトを行なうことを特徴とする請求項2に記載の立体視ディスプレイ装置。
  6. 前記表示手段が、右映像を表示する右映像表示装置と、左映像を表示する左映像表示装置とを具え、ディスプレイ装置はさらに、観察者の右眼によって観察される前記右映像の拡大虚像を形成する右拡大光学系と、観察者の左眼によって観察される前記左映像の拡大虚像を形成する左拡大光学系とを有し、かつ、前記右拡大光学系および前記左拡大光学系を、それらの光軸が虚像面に向かって互いに発散するように配置して観察時における左右映像の視野枠を非融像状態とすると共に、前記映像シフト手段は、観察者の眼から虚像面までの距離をL〔m〕、観察者の左眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθL、観察者の右眼の視線方向と虚像面に立てた法線との角度をθR、その左右の眼の眼幅をd〔m〕とするとき、
    Figure 0003877080
    を満足するように前記左右の映像の少なくとも一方を水平方向にシフトすることを特徴とする請求項2に記載の立体視ディスプレイ装置。
  7. 前記表示手段の表示面の中の特定の一部分の領域を指定する領域指定手段と、前記指定した一部分領域の視差を演算する視差演算手段と、この演算された視差に基づいて映像シフト量を決定するシフト量決定手段とを具え、前記映像シフト手段は、前記一部分領域に存在する像に対する輻輳距離と、視距離とがほぼ一致するように映像をシフトするものであることを特徴とする請求項2に記載の立体視ディスプレイ装置。
  8. 前記領域指定手段が、観察者が注視している領域を検出する注視領域検出手段を具えることを特徴とする請求項7に記載の立体視ディスプレイ装置。
  9. 前記注視領域検出手段が、観察者の何れか一方の眼の視線方向の角度を検出する視線方向角計測手段と、この視線方向角計測手段からの出力に基づいて観察者の注視点の座標(x, y)を検出する手段とを具え、前記視差演算手段が、前記注視点の座標に基づいて左右の映像信号間の相関を取って視差を求めるものとしたことを特徴とする請求項8に記載の立体視ディスプレイ装置。
  10. 前記検出した注視点の座標(x, y)に基づいて視差を求める前記視差演算手段が、左右の映像信号から、注視点の垂直座標 yに相当するラインの映像信号をそれぞれ抽出し、これら抽出した映像信号に対して水平座標 xに基づいて相関計算を行って視差を求めるものであることを特徴とする請求項9に記載の立体視ディスプレイ装置。
  11. 前記視線方向角計測手段が、観察者の一方の眼に向けて光を放射する光源と、眼から反射される光を検出する光検出器とを有する視点カメラを具え、前記光検出器は、第1のシリンドリカルレンズおよび第1の1次元センサと、第2のシリンドリカルレンズおよび第2の1次元センサとを有することを特徴とする請求項9に記載の立体視ディスプレイ装置。
  12. 前記視差演算手段が、前記第1の1次元センサの出力信号に基づいて、左右の映像信号から垂直座標yに相当する水平ラインの映像信号をそれぞれ抽出し、これら抽出した左右の映像信号を、前記第2の1次元センサの出力信号に基づいて相関計算を行って視差を求めるものであることを特徴とする請求項11に記載の立体視ディスプレイ装置。
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