JPH0967381A - アクリルシランの蒸留方法 - Google Patents
アクリルシランの蒸留方法Info
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Abstract
を有するクロロシランまたはアセトキシシランを工業的
規模で蒸留精製する際に生じるアクリルシランの自発重
合を効果的に抑制するための蒸留方法に関する 【解決手段】 一般式(I)で表されるアクリルシラン
の蒸留精製を、ヒンダートフェノール化合物もしくはア
ミン化合物の少なくともいずれか一方と、N−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミン塩との存在下、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部
から供給しながら行う。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 nR3 3ーn …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2C
H2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基であり、nは1〜3である。]
Description
クリルオキシ基を有するクロロシランまたはアセトキシ
シラン(以下、アクリルシランと言う。)を工業的規模
で蒸留精製する際に生じるアクリルシランの自発重合を
効果的に抑制するための蒸留方法に関する。
剤、シランカップリング剤の原料、ポリシロキサンの原
料、ポリシロキサンの製造時における末端停止剤、各種
基材の表面処理剤、各種樹脂の変性材料など、幅広い用
途に有効である。一般に、このような有用性の高いアク
リルシランは、不飽和部位をもつアクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルとヒドロシラン化合物とを白
金などの遷移金属触媒の存在下でヒドロシリル化反応を
行い、さらに該反応液を減圧下で蒸留精製することによ
って得られる。
号公報にも開示されており、該公報には、アリルメタク
リレートとメチルジクロロシランとを白金触媒の存在下
で反応させた後、減圧下で蒸留を行ない、3−メタクリ
ロキシプロピルジメチルクロロシランを製造する方法が
記載されている。
性のために、各種の機能性材料などを製造するための原
料となりうる反面、アクリルシランの合成反応工程、蒸
留精製工程、貯蔵工程、運搬工程において、熱的に自発
重合しやすいという欠点を有している。このため、アク
リルシランの合成反応工程および合成反応後の蒸留精製
工程において、室温以上の加熱を余儀なくされる場合
は、いかにアクリルシランの自発重合を防止するかが最
も重要となる。通常、このようなアクリルシランの自発
重合を防止するために、アクリルシランの原料もしくは
反応液(以下、アクリルシラン溶液と言う。)に、重合
禁止剤が加えられており、ヒドロキノンやメトキノンと
いったフェノール系の重合禁止剤が好んで使用されてい
る。
は、珪素原子に塩素原子が結合しているアクリルシラン
(以下、クロロシランと言う。)と縮合反応をおこし、
重合禁止能がなくなるという欠点を持っている。このこ
とは、特公平6−51707号公報やEfimovらの
論文(Zh.Obsch.Khim.(1991)61(10)2244
-53)にも記載されている。
合、該重合禁止剤の性能は、メタクリル酸エステルやア
クリル酸エステルを用い、該エステルを自発重合が起こ
る温度にまで加熱した時、加えられている該重合禁止剤
によって、該エステルの自発重合がどの程度抑えられて
いるかを調べることによって判断している。普通、この
ような試験は、ビーカースケールのテーブルテストによ
って行われ、この方法の結果より、2、6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノールに代表されるヒンダートフ
ェノール類や、N,N’−ジフェニル−p−フェニレン
ジアミンあるいはフェノチアジンに代表されるアミン類
が、アクリルシラン用の重合禁止剤として極めて有効で
あることが知られている。しかし、該ヒンダートフェノ
ール類や該アミン類には、テーブルテストでは効果的で
あるが、工業的規模にまでスケールアップすると、アク
リルシランの自発重合を充分に抑制できなくなるという
欠点を有していた。
検討を重ねた結果、アクリルシランの自発重合形態に
は、均一重合と増殖重合の二種類があることに気が付い
た。均一重合は、アクリルシランの重合に伴い、溶液粘
度が徐々に上昇しプリン状に固化するものであり、一
方、増殖重合は、フリーラジカル重合における異常反応
で、溶液中にポップコーンのような形状をした不溶性の
ポリマ−が生成し、これが次第に生長、膨張する形態を
有するものである。アクリルシランが増殖重合を起こし
た場合、重合物の体積がモノマーの2倍以上となるの
で、反応装置や配管などの閉塞を起こすばかりでなく、
装置の破壊など重大な事故につながる。
は、均一重合の依存性が極めて高く、増殖重合が観測さ
れにくい。前記にように、テーブルテストで、重合禁止
剤の性能を検討したとしても、均一重合に対しての効果
が把握できるに過ぎず、その結果に基づいてスケールア
ップを行っても、増殖重合を抑制できないのである。従
って、工業的規模にまでスケールアップする場合は、均
一重合と増殖重合を共に防止できる重合禁止剤と該禁止
剤を用いた製造方法を確立する必要がある。
は、合成反応工程で得られたアクリルシラン溶液を加熱
減圧して気化させる蒸留釜と気化されたアクリルシラン
を蒸留する蒸留塔とで構成されているため、重合禁止剤
を蒸留釜内に配合しても、蒸留釜内部のアクリルシラン
溶液の自発重合を抑制するには効果があるかもしれない
が、蒸留塔内部を通過するアクリルシラン蒸気もしくは
液滴(以下、アクリルシラン蒸気という。)の自発重合
を抑制する効果はない。これは、アクリルシラン溶液に
添加されている重合禁止剤が、蒸留釜で気化されないた
め、蒸留塔内部に重合禁止剤が存在しないからである。
ては、アクリルシランと同等もしくはそれより若干低い
沸点を有する重合禁止剤を用いるという方法がある。し
かし、この方法は、蒸留後の製品に多量の重合禁止剤が
混入し、製品の品質を低下させるという問題やアクリル
シランの沸点に合わせて重合禁止剤の種類を適宜選択し
なければならないという欠点を有していた。また、酸素
や笑気ガスを使用する方法もあるが、酸素や笑気ガスだ
けでは充分に自発重合を防止することができないのが現
状であった。
題点について、鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有す
るアクリルシランは、ヒンダートフェノール化合物もし
くはアミン化合物の少なくともいずれか一方と、N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミン塩との存在下で、蒸
留塔の上部からN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン塩混合液を供給しながら蒸留精製すると、蒸留精製時
にアクリルシランの自発重合を効果的に抑制することが
できることを見い出し、本発明を完成した。
し(3)の構成を有している。 (1)一般式(I)で表されるアクリルシランの蒸留精
製を、ヒンダートフェノール化合物もしくはアミン化合
物の少なくともいずれか一方と、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミン塩との存在下、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部から供給
しながら行うアクリルシランの蒸留方法。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 nR3 3-n …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2C
H2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基であり、nは1〜3である。] (2)N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩が、
一般式(II) (R4N(NO)O)pYq …(II) [式中、R4は炭素数が6〜10のアリール基であり、
pは1〜4であり、qは1〜4であり、Yは陽イオン原
子または分子である。]により表される化合物である前
記第(1)項記載のアクリルシランの蒸留方法。 (3)ヒンダートフェノール化合物が、芳香族環の水酸
基の近傍に立体障害を与える置換基を、少なくとも1個
以上結合している化合物である前記第(1)項または前
記第(2)項に記載のアクリルシランの蒸留方法。
は、特定構造を有するアクリルシランの蒸留精製を、ヒ
ンダートフェノール化合物もしくはアミン化合物の少な
くともいずれか一方と、N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミン塩との存在下、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部から供給しながら
行う蒸留方法である。
れるアクリルシランの自発重合を抑制するのに効果的で
ある。該アクリルシランは、有用性が高い反面、自発重
合を起こし易いものである。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 nR3 3ーn …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2C
H2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基であり、nは1〜3である。]
2が、−OC(=O)R5[式中、R5は炭素数が1〜8
のアルキル基、炭素数が1〜8のアルケニル基、炭素数
が1〜8のアルキニル基または炭素数が6〜10のアリ
ール基である。]、好ましくは、−OC(=O)CR6
=CH2[式中、R6は炭素数が1〜2のアルキル基また
は水素である。]もしくはハロゲン元素、特に好ましく
は、−OC(=O)CH3もしくは塩素原子の構造を有
するものに有効である。
トリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチル
ジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチル
クロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシ
ラン、3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシラ
ン、3−アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメチルアセトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメタクリロキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルアセトキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルアクリロ
キシシラン等を例示することができる。
しくはアミン化合物の少なくともいずれか一方と、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩との存在下で行
われる。本発明に用いるヒンダートフェノール化合物と
しては、具体的に、2,6ージーt−ブチルー4ーメチ
ルフェノール、2,6ージーt−ブチルー4ージメチル
アミノメチルフェノール等を例示することができる。ま
た、本発明に用いるアミン化合物としては、具体的に、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェ
ノチアジン等を例示することができる。
合物およびアミン化合物の使用量は、アクリルシランに
対し、1〜100000ppm(重量換算)が好まし
く、10〜5000ppm(重量換算)がより好まし
い。本発明では、ヒンダートフェノール化合物もしくは
アミン化合物をそれぞれ単独で用いても、少なくとも1
種以上のヒンダートフェノール化合物と1種以上のアミ
ン化合物とを組み合わせて用いてもよい。
ンの合成反応工程の直前に添加する方法、アクリルシラ
ンの原料に予め混合しておく方法、蒸留精製工程直前
に、反応混合物の中に添加する方法等を例示することが
できる。ただし、ヒンダートフェノール化合物およびア
ミン化合物は、均一重合抑制には優れた効果を有する
が、増殖重合抑制には効果がないので、必ずN−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミン塩と併用しなければなら
ない。
ドロキシルアミン塩の使用量は、アクリルシランに対
し、1〜100000ppm(重量換算)が好ましく、
10〜1000ppm(重量換算)がより好ましい。本
発明に使用するN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン塩は、下記一般式(II)の化合物を単独で用いても、
複数組み合わせて用いてもどちらでもよい。具体的な使
用方法としては、アクリルシランの合成反応工程の直前
に添加する方法、アクリルシランの原料に予め混合して
おく方法、蒸留精製工程直前に、反応混合物の中に添加
する方法等を例示することができる。 (R4N(NO)O)pYq …(II) [式中、R4は炭素数が6〜10のアリ−ル基であり、
pが1〜4であり、qが1〜4であり、Yが陽イオン原
子または分子である。] 具体的には、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
アンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンナトリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンカリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩を例示することができる。これら
は、単独で用いても、複数組み合わせて用いてもどちら
でもよい。ただし、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミン塩は、増殖重合抑制には優れた効果を有するが、
均一重合抑制には効果がないので、必ずヒンダートフェ
ノール化合物およびアミン化合物の少なくともいずれか
一方と併用しなければならない。
キシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部から供給しながら
蒸留精製をおこなう。N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミン塩が分散もしくは溶解された混合液を、蒸留塔
上部から継続的に供給することによって、蒸留塔内部の
アクリルシラン蒸気の自発重合を効果的に抑制すること
ができる。該混合液の供給方法には、特に限定はなく、
滴下法または噴霧法のいずれの方法を使用しても差し支
えない。N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩
は、蒸留精製されたアクリルシラン溶液に極めて混入し
難いので、製品の品質を悪化させることがない。
ヒドロキシルアミン塩は、下記一般式(II)の化合物で
示すことができる。 (R4N(NO)O)pYq …(II) [式中、R4は炭素数が6〜10のアリ−ル基であり、
pが1〜4であり、qが1〜4であり、Yが陽イオン原
子または分子である。] 具体的には、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
アンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンナトリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンカリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩を例示することができる。これら
は、単独で用いても、複数組み合わせて用いてもどちら
でもよい。
ドロキシルアミン塩の供給量は、蒸留塔の形状に依存す
るが、1時間当たりアクリルシランに対し、0.1〜1
0000ppm(重量換算)であることが適当であり、
特に1〜100ppm(重量換算)であることが好まし
い。
ニルヒドロキシルアミン塩を分散もしくは溶解させる液
体は、特に限定しないが、アクリルシランや重合禁止剤
と反応せず、かつ蒸留精製したアクリルシランに混入し
ないものが好ましく、特に蒸留精製するアクリルシラン
そのものやアクリルシランより沸点の高い液体が好まし
い。
酸素を不活性ガスで希釈したガスや空気を装置内部に導
入しても良い。
を、添付図面を参照しながら説明する。本発明の蒸留方
法は、図1に示される蒸留装置を用いて行うのが最も好
ましいが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、該蒸留
装置に限定する必要はない。合成反応によって得られた
アクリルシラン溶液を蒸留釜1に投入し、加熱減圧する
ことによって、アクリルシランを気化させる。減圧は、
減圧ポンプ6によって行い、加熱は、蒸留釜1の周りに
設置してあるジャッケット7に熱媒を循環させることに
よって行う。気化されたアクリルシランは、蒸留塔2に
導かれ、蒸留塔2を上昇してゆき、蒸留塔2の上部から
排出され、凝集器4に導かれる。一方、塔頂フィード液
タンク3には、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン塩混合液を投入しておき、流量調節弁8により流量を
調節しながら、該混合液を蒸留塔2の内部に供給する。
凝集器4により、アクリルシランは液化された後、留出
液タンク5に溜められる。場合によっては、蒸留塔2の
上部に導かれ、再度蒸留精製が行われる。
を用いて詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をな
んら限定するものではない。
チルクロロシランから白金触媒存在下で3−メタクリロ
キシプロピルジメチルクロロシランを主成分とするアク
リルシラン溶液を既知の方法により合成した。このアク
リルシラン溶液6.28kgにフェノチアジン65.7
gとN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニ
ウム塩6.5gとを配合し、蒸留釜1に投入し、加熱減
圧をおこなった。まず、装置内部を30kPaに減圧
し、蒸留塔2の塔頂温度60〜85℃で、アリルメタク
リレートを主成分とする低沸成分を留去した後、15k
Paに減圧し、塔頂温度69〜75℃で3−メタクリロ
キシプロピルジメチルクロロシランの留分を得た。その
間、ヘリパックが充填された内径約50cmの蒸留塔2
の塔頂部から、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンアルミニウム塩を3−メタクリロキシプロピルジメチ
ルクロロシランに重量比2%となるように溶解させた液
を供給した。該蒸留精製の際、蒸留釜2内部のアクリル
シラン溶液には、粘度が上昇する重合は観察されず、増
殖重合物の生成も見られなかった。また、蒸留終了後、
蒸留塔2の内部を点検したが、均一重合物や増殖重合物
の生成はみられなかった。
キシルアミンアルミニウム塩を3−メタクリロキシプロ
ピルジメチルクロロシランに重量比2%となるように溶
解させた混合液の代わりに、N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミンアルミニウム塩を鉱油(綜研化学株式会
社製商品:NeoSK−OIL330)に重量比2%と
なるように溶解させた混合液を、蒸留塔2の塔頂部から
添加すること以外は、実施例1に準拠して蒸留を行なっ
た。該蒸留精製の際、蒸留釜2内部のアクリルシラン溶
液には、粘度が上昇する重合は観察されず、増殖重合物
の生成も見られなかった。また、蒸留終了後、蒸留塔2
の内部を点検したが、均一重合物や増殖重合物の生成は
みられなかった。
キシルアミンアルミニウム塩を3−メタクリロキシプロ
ピルジメチルクロロシランに重量比2%となるように溶
解させた混合液を供給しない以外は、実施例1に準拠し
て蒸留を行なった。15kPaに減圧し、塔頂温度30
〜69℃でアリルメタクリレートを主成分とする低沸成
分を留去した後、蒸留塔2の内部に増殖重合物が生成、
蒸留塔を閉塞したため蒸留操作が不能となった。
キシルアミンアルミニウム塩を3−メタクリロキシプロ
ピルジメチルクロロシランに重量比2%となるように溶
解させた混合液の代わりに、2,6ージーt−ブチルー
4ーメチルフェノールを3−メタクリロキシプロピルジ
メチルクロロシランに重量比2%となるように溶解させ
た混合液を、蒸留塔2の塔頂部から添加し、蒸留釜1内
のアクリルシラン溶液に配合しているフェノチアジンの
かわりに2,6ージーt−ブチルー4ージメチルアミノ
メチルフェノール0.66gを配合すること以外は、実
施例1に準拠して蒸留を行なった。15kPaに減圧
し、塔頂温度30〜69℃でアリルメタクリレートを主
成分とする低沸成分を留去している間に、蒸留塔2の内
部に増殖重合物が生成、蒸留塔を閉塞したため蒸留操作
が不能となった。
キシルアミンアルミニウム塩を3−メタクリロキシプロ
ピルジメチルクロロシランに重量比2%となるように溶
解させた混合液の代わりに、フェノチアジンを3−メタ
クリロキシプロピルジメチルクロロシランに重量比2%
で溶解させた混合液を、蒸留塔2の塔頂部から添加し、
蒸留釜1内のアクリルシラン溶液に配合しているフェノ
チアジンのかわりに2,6ージーt−ブチルー4ージメ
チルアミノメチルフェノール0.66gを配合すること
以外は、実施例1に準拠して蒸留を行なった。15kP
aに減圧し、塔頂温度30〜69℃でアリルメタクリレ
ートを主成分とする低沸成分を留去している間に、蒸留
塔2の内部に増殖重合物が生成、蒸留塔を閉塞したため
蒸留操作が不能となった。
に、ヒンダートフェノール化合物もしくはアミン化合物
の少なくともいずれか一方と、N−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミン塩との存在下、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部から供給す
ると、工業的なスケールでアクリルシランの蒸留精製を
実施しても、蒸留釜内部ならびに蒸留塔内部で発生し易
いアクリルシランの自発重合を極めて効果的に抑制でき
ることが判る。また、N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミン塩混合液は、蒸留精製されたアクリルシランす
なわち製品にほとんど混入しないため、製品の品質は極
めて良い。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I)で表されるアクリルシランの
蒸留精製を、ヒンダートフェノール化合物もしくはアミ
ン化合物の少なくともいずれか一方と、N−ニトロソフ
ェニルヒドロキシルアミン塩との存在下、N−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミン塩混合液を蒸留塔の上部か
ら供給しながら行うことを特徴とするアクリルシランの
蒸留方法。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 nR3 3ーn …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2C
H2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基であり、nは1〜3である。] - 【請求項2】N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
塩が、一般式(II) (R4N(NO)O)pYq …(II) [式中、R4は炭素数が6〜10のアリール基であり、
pは1〜4であり、qは1〜4であり、Yは陽イオン原
子または分子である。]により表される化合物であるこ
とを特徴とする請求項1記載のアクリルシランの蒸留方
法。 - 【請求項3】ヒンダートフェノール化合物が、芳香族環
の水酸基の近傍に立体障害を与える置換基を、少なくと
も1個以上結合している化合物であることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のアクリルシランの蒸留
方法。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
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