JPH0967344A - 光学活性n−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法 - Google Patents
光学活性n−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法Info
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- JPH0967344A JPH0967344A JP22796695A JP22796695A JPH0967344A JP H0967344 A JPH0967344 A JP H0967344A JP 22796695 A JP22796695 A JP 22796695A JP 22796695 A JP22796695 A JP 22796695A JP H0967344 A JPH0967344 A JP H0967344A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコ
リン酸の工業的に有利な製造方法を提供すること。 【解決手段】光学活性アラルキルアミンを分割剤として
用いて、(±)−N−ベンジルオキシカルボニルピペコ
リン酸を光学分割することを特徴とする光学活性N−ベ
ンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法。
リン酸の工業的に有利な製造方法を提供すること。 【解決手段】光学活性アラルキルアミンを分割剤として
用いて、(±)−N−ベンジルオキシカルボニルピペコ
リン酸を光学分割することを特徴とする光学活性N−ベ
ンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(±)−N−ベン
ジルオキシカルボニルピペコリン酸の光学分割による光
学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製
造方法に関する。光学活性N−ベンジルオキシカルボニ
ルピペコリン酸は、医農薬中間体として有用な化合物で
ある。
ジルオキシカルボニルピペコリン酸の光学分割による光
学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製
造方法に関する。光学活性N−ベンジルオキシカルボニ
ルピペコリン酸は、医農薬中間体として有用な化合物で
ある。
【0002】
【従来の技術】(±)−N−ベンジルオキシカルボニル
ピペコリン酸の光学分割による光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の製造方法については、分
割剤にL−チロシンヒドラジドを用いる方法[Mona
tshefte f▲u▼rChemie,101,1
177(1970)]が知られている。
ピペコリン酸の光学分割による光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の製造方法については、分
割剤にL−チロシンヒドラジドを用いる方法[Mona
tshefte f▲u▼rChemie,101,1
177(1970)]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法において使
用する分割剤は、天然物のL−チロシンから誘導される
ため一方の対掌体しか得られず、また工業的に大量に入
手することが困難であり、光学分割における分割剤とし
ては必ずしも満足できるものとは言い難い。本発明は、
工業的に入手可能な分割剤を用いた、新規な(±)−N
−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の光学分割に
よる光学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン
酸の製造方法を提供することを目的とする。
用する分割剤は、天然物のL−チロシンから誘導される
ため一方の対掌体しか得られず、また工業的に大量に入
手することが困難であり、光学分割における分割剤とし
ては必ずしも満足できるものとは言い難い。本発明は、
工業的に入手可能な分割剤を用いた、新規な(±)−N
−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の光学分割に
よる光学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン
酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために研究を重ねた結果、分割剤として光
学活性アラルキルアミンを用いて(±)−N−ベンジル
オキシカルボニルピペコリン酸の光学分割を行えば、光
学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸を容
易に製造できることを見出し本発明に至った。
題を解決するために研究を重ねた結果、分割剤として光
学活性アラルキルアミンを用いて(±)−N−ベンジル
オキシカルボニルピペコリン酸の光学分割を行えば、光
学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸を容
易に製造できることを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、(±)−N−ベンジル
オキシカルボニルピペコリン酸を、一般式(1)
オキシカルボニルピペコリン酸を、一般式(1)
【化2】 (式中、Aは、アリール基を表す。ここでアリール基
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子で置換されていてもよい。Rは、低級アルキル基又は
置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示
される光学活性アラルキルアミンを分割剤として用いて
光学分割することを特徴とする光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の製造方法を提供するもの
である。
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子で置換されていてもよい。Rは、低級アルキル基又は
置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示
される光学活性アラルキルアミンを分割剤として用いて
光学分割することを特徴とする光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の製造方法を提供するもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる原料の(±)−N
−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸は、例えば、
ピペコリン酸を、アルカリ性水溶液中でベンジルオキシ
カルボニルクロリドと反応させることにより容易に製造
することができる。勿論その他の方法により製造された
ものであってもよい。
−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸は、例えば、
ピペコリン酸を、アルカリ性水溶液中でベンジルオキシ
カルボニルクロリドと反応させることにより容易に製造
することができる。勿論その他の方法により製造された
ものであってもよい。
【0007】また、本発明に用いる(±)−N−ベンジ
ルオキシカルボニルピペコリン酸は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
の水酸化物のほか、アンモニア、メチルアミン等の塩基
との塩になっていてもよい。(±)−N−ベンジルオキ
シカルボニルピペコリン酸は、対掌体のどちらか一方を
多く含んでいてもよい。
ルオキシカルボニルピペコリン酸は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
の水酸化物のほか、アンモニア、メチルアミン等の塩基
との塩になっていてもよい。(±)−N−ベンジルオキ
シカルボニルピペコリン酸は、対掌体のどちらか一方を
多く含んでいてもよい。
【0008】本発明で分割剤として使用する一般式
(1)で示される光学活性アラルキルアミン[以下、光
学活性アラルキルアミン(1)という。]において、A
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲンが
置換していてもよいアリール基である。アリール基に置
換していてもよい低級アルキル基は、炭素数1〜3の低
級アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、
n−プロピル基及びイソプロピル基である。アリール基
に置換していてもよい低級アルコキシ基は、炭素数1〜
3の低級アルコキシ基で、具体的にはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基であり、ア
リール基に置換していてもよいハロゲン原子は、フッ
素、塩素、臭素及びヨウ素である。また、アリール基
は、フェニル基又はナフチル基である。
(1)で示される光学活性アラルキルアミン[以下、光
学活性アラルキルアミン(1)という。]において、A
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲンが
置換していてもよいアリール基である。アリール基に置
換していてもよい低級アルキル基は、炭素数1〜3の低
級アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、
n−プロピル基及びイソプロピル基である。アリール基
に置換していてもよい低級アルコキシ基は、炭素数1〜
3の低級アルコキシ基で、具体的にはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基であり、ア
リール基に置換していてもよいハロゲン原子は、フッ
素、塩素、臭素及びヨウ素である。また、アリール基
は、フェニル基又はナフチル基である。
【0009】Aの低級アルキル基、低級アルコキシ基又
はハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル
基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、
4−イソプロピルフェニル基、2,5−ジメチルフェニ
ル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−フルオ
ロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロ
フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、
2,3−ジクロロフェニル基、2−メトキシフェニル
基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル
基、2−プロポキシフェニル基、3,4−ジメトキシフ
ェニル基、2−メトキシ−5−フルオロフェニル基等が
挙げられる。
はハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル
基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、
4−イソプロピルフェニル基、2,5−ジメチルフェニ
ル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−フルオ
ロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロ
フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、
2,3−ジクロロフェニル基、2−メトキシフェニル
基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル
基、2−プロポキシフェニル基、3,4−ジメトキシフ
ェニル基、2−メトキシ−5−フルオロフェニル基等が
挙げられる。
【0010】また光学活性アラルキルアミン(1)にお
いて、Rは低級アルキル基又は置換基を有していてもよ
いアラルキル基であり、低級アルキル基は上記Aにおけ
る低級アルキル基と同様であり、置換基を有していても
よいアラルキル基は芳香環に低級アルキル基、低級アル
コキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよいベンジ
ル基及びフェニルエチル基である。芳香環に置換してい
てもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲ
ン原子は、上記Aの低級アルキル基、低級アルコキシ基
又はハロゲン原子が置換していてもよいアリール基にお
けるものと同様である。置換基を有していてもよいアラ
ルキル基としては、具体的には、ベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、2−フェニルエチル基等を挙げることができ
る。
いて、Rは低級アルキル基又は置換基を有していてもよ
いアラルキル基であり、低級アルキル基は上記Aにおけ
る低級アルキル基と同様であり、置換基を有していても
よいアラルキル基は芳香環に低級アルキル基、低級アル
コキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよいベンジ
ル基及びフェニルエチル基である。芳香環に置換してい
てもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基及びハロゲ
ン原子は、上記Aの低級アルキル基、低級アルコキシ基
又はハロゲン原子が置換していてもよいアリール基にお
けるものと同様である。置換基を有していてもよいアラ
ルキル基としては、具体的には、ベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、2−フェニルエチル基等を挙げることができ
る。
【0011】光学活性アラルキルアミン(1)の具体例
としては、光学活性α−メチルベンジルアミン、光学活
性α−エチルベンジルアミン、光学活性α−プロピルベ
ンジルアミン、光学活性α−イソプロピルベンジルアミ
ン、光学活性α,4−ジメチルベンジルアミン、光学活
性α,2,5−トリメチルベンジルアミン、光学活性
α,2,4,6−テトラメチルベンジルアミン、光学活
性α−メチル−4−イソプロピルベンジルアミン、光学
活性2−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活
性3−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性
4−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性4
−ブロモ−α−メチルベンジルアミン、光学活性2−ク
ロロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性3−クロロ
−α−メチルベンジルアミン、光学活性4−クロロ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性2,3−ジクロロ−
α−メチルベンジルアミン、光学活性2−メトキシ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性4−メトキシ−α−
メチルベンジルアミン、光学活性2−エトキシ−α−メ
チルベンジルアミン、光学活性3,4−ジメトキシ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性5−フルオロ−2−
メトキシ−α−メチルベンジルアミン、光学活性α,β
−ジフェニルエチルアミン、光学活性α−フェニル−β
−(4−メチルフェニル)エチルアミン、光学活性α−
フェニル−β−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン、光学活性α−フェニル−β−(4−クロロフェニ
ル)エチルアミン、光学活性α,γ−ジフェニルプロピ
ルアミン、光学活性α−メチル−1−ナフチルメチルア
ミン、光学活性α−メチル−2−ナフチルメチルアミン
等を挙げることができる。
としては、光学活性α−メチルベンジルアミン、光学活
性α−エチルベンジルアミン、光学活性α−プロピルベ
ンジルアミン、光学活性α−イソプロピルベンジルアミ
ン、光学活性α,4−ジメチルベンジルアミン、光学活
性α,2,5−トリメチルベンジルアミン、光学活性
α,2,4,6−テトラメチルベンジルアミン、光学活
性α−メチル−4−イソプロピルベンジルアミン、光学
活性2−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活
性3−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性
4−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性4
−ブロモ−α−メチルベンジルアミン、光学活性2−ク
ロロ−α−メチルベンジルアミン、光学活性3−クロロ
−α−メチルベンジルアミン、光学活性4−クロロ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性2,3−ジクロロ−
α−メチルベンジルアミン、光学活性2−メトキシ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性4−メトキシ−α−
メチルベンジルアミン、光学活性2−エトキシ−α−メ
チルベンジルアミン、光学活性3,4−ジメトキシ−α
−メチルベンジルアミン、光学活性5−フルオロ−2−
メトキシ−α−メチルベンジルアミン、光学活性α,β
−ジフェニルエチルアミン、光学活性α−フェニル−β
−(4−メチルフェニル)エチルアミン、光学活性α−
フェニル−β−(3−メトキシフェニル)エチルアミ
ン、光学活性α−フェニル−β−(4−クロロフェニ
ル)エチルアミン、光学活性α,γ−ジフェニルプロピ
ルアミン、光学活性α−メチル−1−ナフチルメチルア
ミン、光学活性α−メチル−2−ナフチルメチルアミン
等を挙げることができる。
【0012】光学活性α−メチルベンジルアミンは、い
ずれの対掌体をも比較的安価に入手でき、そしてその一
方を用いれば、光学活性N−ベンジルオキシカルボニル
ピペコリン酸の両対掌体を、夫々ジアステレオマー塩と
して析出させることができ、そして析出するジアステレ
オマー塩を複分解して得られる光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の光学純度が極めて高いこ
とから、本発明において特に好ましい分割剤である。
ずれの対掌体をも比較的安価に入手でき、そしてその一
方を用いれば、光学活性N−ベンジルオキシカルボニル
ピペコリン酸の両対掌体を、夫々ジアステレオマー塩と
して析出させることができ、そして析出するジアステレ
オマー塩を複分解して得られる光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の光学純度が極めて高いこ
とから、本発明において特に好ましい分割剤である。
【0013】本発明において光学活性アラルキルアミン
(1)は、塩酸、臭化水素酸、酢酸等の酸との塩として
使用することもできる。
(1)は、塩酸、臭化水素酸、酢酸等の酸との塩として
使用することもできる。
【0014】光学活性アラルキルアミン(1)の使用量
は特に限定されないが、(±)−N−ベンジルオキシカ
ルボニルピペコリン酸1モルに対し、通常、0.3〜
1.5モル、好ましくは0.5〜1モルである。
は特に限定されないが、(±)−N−ベンジルオキシカ
ルボニルピペコリン酸1モルに対し、通常、0.3〜
1.5モル、好ましくは0.5〜1モルである。
【0015】本発明は、通常、溶媒中で行われる。使用
される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類や
アセトニトリル、水等を例示でき、中でも水、イソプロ
ピルアルコール、アセトンが好ましい。溶媒は上記の1
種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。
される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類や
アセトニトリル、水等を例示でき、中でも水、イソプロ
ピルアルコール、アセトンが好ましい。溶媒は上記の1
種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。
【0016】溶媒の使用量は、N−ベンジルオキシカル
ボニルピペコリン酸及び光学活性アミン(1)の濃度、
溶媒の種類、溶解温度、晶析温度等により異なり一義的
に規定することはできないが、通常、光学活性アラルキ
ルアミン(1)1モルに対し300〜5000mlの範
囲である。
ボニルピペコリン酸及び光学活性アミン(1)の濃度、
溶媒の種類、溶解温度、晶析温度等により異なり一義的
に規定することはできないが、通常、光学活性アラルキ
ルアミン(1)1モルに対し300〜5000mlの範
囲である。
【0017】本発明方法の好ましい実施態様の1つを次
に挙げる。まず(±)−N−ベンジルオキシカルボニル
ピペコリン酸塩及び光学活性アミン(1)の塩を溶媒に
溶解する。次にこの溶液を、所望により濃縮した後、静
置して結晶を析出させる。晶析温度は、用いる溶媒の種
類及び量、溶解温度等により異なるが、通常、使用する
溶媒の融点〜沸点の範囲から選ばれる。好ましくは0〜
60℃である。このようにして析出した結晶を濾別すれ
ば、光学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン
酸が光学活性アラルキルアミン(1)との塩として分割
される。こうして得られた塩を、常法に従って、例え
ば、酸又は塩基により複分解すれば光学活性N−ベンジ
ルオキシカルボニルピペコリン酸が得られる。
に挙げる。まず(±)−N−ベンジルオキシカルボニル
ピペコリン酸塩及び光学活性アミン(1)の塩を溶媒に
溶解する。次にこの溶液を、所望により濃縮した後、静
置して結晶を析出させる。晶析温度は、用いる溶媒の種
類及び量、溶解温度等により異なるが、通常、使用する
溶媒の融点〜沸点の範囲から選ばれる。好ましくは0〜
60℃である。このようにして析出した結晶を濾別すれ
ば、光学活性N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン
酸が光学活性アラルキルアミン(1)との塩として分割
される。こうして得られた塩を、常法に従って、例え
ば、酸又は塩基により複分解すれば光学活性N−ベンジ
ルオキシカルボニルピペコリン酸が得られる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、以下の実施例において光学純度は、高速液体ク
ロマトグラフィーにより次の条件で測定した。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、以下の実施例において光学純度は、高速液体ク
ロマトグラフィーにより次の条件で測定した。
【0019】高速液体クロマトグラフィー分析条件: カラム:CHIRALPAK WH(商品名)4.6m
mφ×250mm [ダイセル化学工業株式社製] 溶離液:0.25mM硫酸銅水溶液/アセトニトリル=
1/1(容積比) 溶離液流速:1ml/分 温度:40℃ 検出波長:254nm
mφ×250mm [ダイセル化学工業株式社製] 溶離液:0.25mM硫酸銅水溶液/アセトニトリル=
1/1(容積比) 溶離液流速:1ml/分 温度:40℃ 検出波長:254nm
【0020】(実施例1)ラセミ体のN−ベンジルオキ
シカルボニルピペコリン酸42.08g(160ミリモ
ル)及び水酸化ナトリウム6.40g(160ミリモ
ル)を水160gに溶解し、該溶液に(+)−α−メチ
ルベンジルアミン9.76g(80ミリモル)及び36
%塩酸8.00g(80ミリモル)を水80gに溶解し
た溶液を加え、撹拌して混合した。該混合液を室温で1
5時間静置して結晶を析出させた。析出した結晶を濾別
した後、乾燥して、光学純度94%e.e.の(−)−
N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の(+)−
α−メチルベンジルアミン塩19.52g(51ミリモ
ル)を得た。融点142〜146℃ このようにして得た(−)−N−ベンジルオキシカルボ
ニルピペコリン酸の(+)−α−メチルベンジルアミン
塩19.2g(50ミリモル)及び水酸化ナトリウム
2.0g(50ミリモル)を水35gに溶解し、この溶
液に塩化ナトリウム2.5gを添加した後、トルエン1
6gで(+)−α−メチルベンジルアミンを抽出して除
去した。次に水層に36%塩酸10.0g(100ミリ
モル)及びトルエン40gを加え、撹拌しながら氷冷す
ると結晶が析出した。この結晶を濾別、乾燥して、光学
純度>99%e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカ
ルボニルピペコリン酸11.1g(42ミリモル)を得
た。融点107〜110℃ 比旋光度[α]27 D=−41.4°(c=1.025、
メタノール)
シカルボニルピペコリン酸42.08g(160ミリモ
ル)及び水酸化ナトリウム6.40g(160ミリモ
ル)を水160gに溶解し、該溶液に(+)−α−メチ
ルベンジルアミン9.76g(80ミリモル)及び36
%塩酸8.00g(80ミリモル)を水80gに溶解し
た溶液を加え、撹拌して混合した。該混合液を室温で1
5時間静置して結晶を析出させた。析出した結晶を濾別
した後、乾燥して、光学純度94%e.e.の(−)−
N−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の(+)−
α−メチルベンジルアミン塩19.52g(51ミリモ
ル)を得た。融点142〜146℃ このようにして得た(−)−N−ベンジルオキシカルボ
ニルピペコリン酸の(+)−α−メチルベンジルアミン
塩19.2g(50ミリモル)及び水酸化ナトリウム
2.0g(50ミリモル)を水35gに溶解し、この溶
液に塩化ナトリウム2.5gを添加した後、トルエン1
6gで(+)−α−メチルベンジルアミンを抽出して除
去した。次に水層に36%塩酸10.0g(100ミリ
モル)及びトルエン40gを加え、撹拌しながら氷冷す
ると結晶が析出した。この結晶を濾別、乾燥して、光学
純度>99%e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカ
ルボニルピペコリン酸11.1g(42ミリモル)を得
た。融点107〜110℃ 比旋光度[α]27 D=−41.4°(c=1.025、
メタノール)
【0021】(実施例2)ラセミ体のN−ベンジルオキ
シカルボニルピペコリン酸2.63g(10ミリモル)
及び水酸化ナトリウム0.40g(10ミリモル)を水
10gに溶解し、この溶液に(+)−1−フェニル−2
−(p−トルイル)エチルアミン1.06g(5.0ミ
リモル)及び36%塩酸0.50g(5.0ミリモル)
を水10gに溶解した溶液を加え、撹拌して混合した。
この混合液を室温で2時間静置して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純度63%
e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボニルピペ
コリン酸の(+)−1−フェニル−2−(p−トルイ
ル)エチルアミン塩2.36g(5ミリモル)を得た。
シカルボニルピペコリン酸2.63g(10ミリモル)
及び水酸化ナトリウム0.40g(10ミリモル)を水
10gに溶解し、この溶液に(+)−1−フェニル−2
−(p−トルイル)エチルアミン1.06g(5.0ミ
リモル)及び36%塩酸0.50g(5.0ミリモル)
を水10gに溶解した溶液を加え、撹拌して混合した。
この混合液を室温で2時間静置して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純度63%
e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボニルピペ
コリン酸の(+)−1−フェニル−2−(p−トルイ
ル)エチルアミン塩2.36g(5ミリモル)を得た。
【0022】(実施例3)(+)−1−フェニル−2−
(p−トルイル)エチルアミン1.06gの代わりに
(+)−α−ナフチルエチルアミン0.86g(5ミリ
モル)を使用した以外は実施例2と同様にして混合液を
調製した後、室温で4時間静置して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純度35%
e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボニルピペ
コリン酸の(+)−α−ナフチルエチルアミン塩2.1
5g(4.9ミリモル)を得た。
(p−トルイル)エチルアミン1.06gの代わりに
(+)−α−ナフチルエチルアミン0.86g(5ミリ
モル)を使用した以外は実施例2と同様にして混合液を
調製した後、室温で4時間静置して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純度35%
e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボニルピペ
コリン酸の(+)−α−ナフチルエチルアミン塩2.1
5g(4.9ミリモル)を得た。
【0023】(実施例4)ラセミ体のN−ベンジルオキ
シカルボニルピペコリン酸2.63g(10ミリモ
ル)、(+)−1−フェニル−2−(p−トルイル)エ
チルアミン1.06g(5ミリモル)、水15gおよび
イソプロピルアルコール3gの混合溶液を50℃にて1
時間撹拌した。室温まで冷却し、(−)−N−ベンジル
オキシカルボニルピペコリン酸の(+)−1−フェニル
−2−(p−トルイル)エチルアミン塩を接種し、さら
に10〜15℃にて2時間攪拌した。析出した塩を濾取
し、さらに水10gおよびイソプロピルアルコール1g
の混合溶液に加え、上記と同様にして溶解し結晶を析出
させた。析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純
度86%e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボ
ニルピペコリン酸の(+)−1−フェニル−2−(p−
トルイル)エチルアミン塩1.42g(3ミリモル)を
得た。
シカルボニルピペコリン酸2.63g(10ミリモ
ル)、(+)−1−フェニル−2−(p−トルイル)エ
チルアミン1.06g(5ミリモル)、水15gおよび
イソプロピルアルコール3gの混合溶液を50℃にて1
時間撹拌した。室温まで冷却し、(−)−N−ベンジル
オキシカルボニルピペコリン酸の(+)−1−フェニル
−2−(p−トルイル)エチルアミン塩を接種し、さら
に10〜15℃にて2時間攪拌した。析出した塩を濾取
し、さらに水10gおよびイソプロピルアルコール1g
の混合溶液に加え、上記と同様にして溶解し結晶を析出
させた。析出した結晶を濾別した後、乾燥して、光学純
度86%e.e.の(−)−N−ベンジルオキシカルボ
ニルピペコリン酸の(+)−1−フェニル−2−(p−
トルイル)エチルアミン塩1.42g(3ミリモル)を
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】(±)−N−ベンジルオキシカルボニルピ
ペコリン酸を、一般式(1) 【化1】 (式中、Aは、アリール基を表す。ここでアリール基
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子で置換されていてもよい。Rは、低級アルキル基又は
置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示
される光学活性アラルキルアミンを分割剤として用いて
光学分割することを特徴とする光学活性N−ベンジルオ
キシカルボニルピペコリン酸の製造方法。 - 【請求項2】一般式(1)で示される光学活性アラルキ
ルアミンが、光学活性α−メチルベンジルアミンである
請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22796695A JPH0967344A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 光学活性n−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22796695A JPH0967344A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 光学活性n−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967344A true JPH0967344A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16869055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22796695A Withdrawn JPH0967344A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 光学活性n−ベンジルオキシカルボニルピペコリン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967344A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008297281A (ja) * | 2007-06-01 | 2008-12-11 | Daito Kagaku Kk | 光学活性n−ベンジルオキシカルボニルアミノ酸の製造方法およびジアステレオマー塩 |
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JP2011236157A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Toray Fine Chemicals Co Ltd | 光学活性ニペコチン酸誘導体の製造方法 |
WO2013011999A1 (ja) * | 2011-07-20 | 2013-01-24 | 株式会社カネカ | 光学活性2-メチルプロリン誘導体の製造法 |
US8399615B2 (en) | 2005-08-19 | 2013-03-19 | Vertex Pharmaceuticals Incorporated | Processes and intermediates |
CN103288699A (zh) * | 2012-02-24 | 2013-09-11 | 中国药科大学 | 脯氨酸类似物的制备方法 |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP22796695A patent/JPH0967344A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103702981A (zh) * | 2011-07-20 | 2014-04-02 | 株式会社钟化 | 光学活性2-甲基脯氨酸衍生物的制造方法 |
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