JP2000034256A - 光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸と光学活性アラルキルアミンとの塩およびその製造法 - Google Patents

光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸と光学活性アラルキルアミンとの塩およびその製造法

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JP2000034256A
JP2000034256A JP20479198A JP20479198A JP2000034256A JP 2000034256 A JP2000034256 A JP 2000034256A JP 20479198 A JP20479198 A JP 20479198A JP 20479198 A JP20479198 A JP 20479198A JP 2000034256 A JP2000034256 A JP 2000034256A
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Miyuki Oikawa
幸 老川
Yukihiro Honda
幸宏 本田
Isao Kurimoto
勲 栗本
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医農薬中間体として有用な光学活性α−ハロ
−ハロフェニル酢酸と光学活性アラルキルアミンとの塩
およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中、X1、X2は、塩素、臭素、ヨウ素、R1は、ア
ルキル、アラルキル、R2は、水素、アルキル、アラル
キル、Aはアリール。)で示される塩およびその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば特開平3−
120286号公報記載の血液凝固阻止剤の中間体等、
医農薬中間体として有用な光学活性α−ハロ−ハロフェ
ニル酢酸と光学活性アラルキルアミンとの塩およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、(±)−α−フルオロフェニ
ル酢酸を光学活性α−メチルベンジルアミンにより光学
分割する方法(J.Fluorine Chem.,
(1987),37(1),85−94)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学活性α
−ハロ−ハロフェニル酢酸と光学活性アラルキルアミン
との塩およびその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために研究を重ねた結果、分割剤として、
光学活性アラルキルアミンを用いて(±)−α−ハロ−
ハロフェニル酢酸の光学分割を行えば、光学純度良く光
学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸の光学活性アラルキ
ルアミン塩を容易に製造でき、得られた塩に酸または塩
基を作用させることにより、工業的容易に光学活性α−
ハロ−ハロフェニル酢酸が製造できることを見出し、本
発明に至った。すなわち本発明は、一般式(1) (式中、X1、X2は、同一または相異なり、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子を表わし、*印は不斉炭素原
子を表わし、R1は、炭素数1〜4のアルキル基または
置換基を有していてもよいアラルキル基を表わし、R2
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または置換基
を有していてもよいアラルキル基を表わし、Aはアリー
ル基を表わす。ここでアリール基は、炭素数1〜4の低
級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、ニト
ロ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。但
し、Aがフェニル基、R1がメチル基かつR2が水素原子
である場合を除く。)で示される塩を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について、詳細に説明
する。 一般式(2) (式中、X1およびX2は前記と同じ意味を表わす。)で
示されるα−ハロ−ハロフェニル酢酸の光学活性体と一
般式(3) (式中、A、R1およびR2は前記と同じ意味を表わ
す。)で示される光学活性アラルキルアミンとの塩は、
溶媒中で一般式(3)で示される光学活性アラルキルア
ミンと一般式(2)で示されるα−ハロ−ハロフェニル
酢酸のラセミ体とを反応させ、一方のジアステレオマー
塩を析出させることにより製造することができる。
【0006】本発明に用いる原料のα−ハロ−ハロフェ
ニル酢酸のラセミ体は、例えば特開平3−120286
号公報記載の対応する置換基を有するベンズアルデヒド
とトリブロモメタンおよび水酸化カリウムを水中で不活
性溶媒の存在下に反応させる方法や、DE−19636
45号明細書記載の対応する置換基を有するマンデル酸
を有機溶媒中でハロゲン化チオニルおよびジメチルホル
ムアミドと反応させる方法により製造することができ
る。 もちろん、他の方法により製造されたものであっ
てもよい。
【0007】本発明で使用するα−ハロ−ハロフェニル
酢酸(2)のラセミ体の具体例としては、α,2−ジク
ロロフェニル酢酸、α,3−ジクロロフェニル酢酸、
α,4−ジクロロフェニル酢酸、α−クロロ−2−ブロ
モフェニル酢酸、α−クロロ−3−ブロモフェニル酢
酸、α−クロロ−4−ブロモフェニル酢酸、α−クロロ
−2−アイオドフェニル酢酸、α−クロロ−3−アイオ
ドフェニル酢酸、α−クロロ−4−アイオドフェニル酢
酸、α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸、α−ブロモ
−3−クロロフェニル酢酸、α−ブロモ−4−クロロフ
ェニル酢酸、α,2−ジブロモフェニル酢酸、α,3−
ジブロモフェニル酢酸、α,4−ジブロモフェニル酢
酸、α−ブロモ−2−アイオドフェニル酢酸、α−ブロ
モ−3−アイオドフェニル酢酸、α−ブロモ−4−アイ
オドフェニル酢酸、α−アイオド−2−クロロフェニル
酢酸、α−アイオド−3−クロロフェニル酢酸、α−ア
イオド−4−クロロフェニル酢酸、α−アイオド−2−
ブロモフェニル酢酸、α−アイオド−3−ブロモフェニ
ル酢酸、α−アイオド−4−ブロモフェニル酢酸、α,
2−ジアイオドフェニル酢酸、α,3−ジアイオドフェ
ニル酢酸、α,4−ジアイオドフェニル酢酸、等が挙げ
られ、より好ましくは、α−ブロモ−2−クロロフェニ
ル酢酸が挙げられる。また、α−ハロ−ハロフェニル酢
酸(2)のラセミ体は、対掌体のどちらか一方を多く含
んでいてもよい。
【0008】本発明で分割剤として使用する一般式
(3)で示される光学活性アラルキルアミン[以下、光
学活性アラルキルアミン(3)という。]において、A
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基また
はハロゲン原子が置換していてもよいアリール基であ
り、アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。低級アルキル基は、炭素数1〜4
の低級アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基等
が挙げられる。低級アルコキシ基は、炭素数1〜4の低
級アルコキシ基で、具体的にはメトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキ
シ基等が挙げられる。ハロゲン原子は、フッ素、塩素、
臭素およびヨウ素原子が挙げられる。
【0009】置換基Aとして具体的には、フェニル基、
ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニ
ル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェ
ニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,5−ジメチル
フェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−
フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フ
ルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロ
フェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロ
フェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、4−ブロモ
フェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフ
ェニル基、2−エトキシフェニル基、2−プロポキシフ
ェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2−メトキ
シ−5フルオロフェニル基等が挙げられる。
【0010】また、光学活性アラルキルアミン(3)に
おいて、R1は、低級アルキル基または置換基を有して
いてもよいアラルキル基、R2は、水素原子、低級アル
キル基または置換基を有していてもよいアラルキル基で
ある。ここで、R1、R2における低級アルキル基は、前
記Aにおける低級アルキル基と同様である。また、
1、R2における置換基を有していてもよいアラルキル
基としては、芳香環に低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ニトロ基またはハロゲン原子が置換していてもよい
ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。R1
2におけるアラルキル基の芳香環に置換していてもよ
い低級アルキル基、低級アルコキシ基およびハロゲン原
子は、前記Aにおける低級アルキル基、低級アルコキシ
基およびハロゲン原子と同様である。置換基を有してい
てもよいアラルキル基として、具体的には、ベンジル
基、4−メチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、
4−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基等を挙げ
ることができる。
【0011】かかる光学活性アラルキルアミン(3)の
具体例としては、それぞれ光学活性体のα−エチルベン
ジルアミン、α−プロピルベンジルアミン、α−イソプ
ロピルベンジルアミン、α,4−ジメチルベンジルアミ
ン、α−2,5−トリメチルベンジルアミン、α,2,
4,6−テトラメチルベンジルアミン、α−メチル−4
−イソプロピルベンジルアミン、2−フルオロ−α−メ
チルベンジルアミン、3−フルオロ−α−メチルベンジ
ルアミン、4−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、
4−ブロモ−α−メチルベンジルアミン、2−クロロ−
α−メチルベンジルアミン、3−クロロ−α−メチルベ
ンジルアミン、4−クロロ−α−メチルベンジルアミ
ン、2,3−ジクロロ−α−メチルベンジルアミン、
2,4−ジクロロ−α−メチルベンジルアミン、2−メ
トキシ−α−メチルベンジルアミン、4−メトキシ−α
−メチルベンジルアミン、2−エトキシ−α−メチルベ
ンジルアミン、3,4−ジメトキシ−α−メチルベンジ
ルアミン、5−フルオロ−2−メトキシ−α−メチルベ
ンジルアミン、α,β−ジフェニルエチルアミン、1−
フェニル−2−(p−トリル)エチルアミン、α−フェ
ニル−β−(3−メトキシフェニル)エチルアミン、α
−フェニル−β−(4−クロロフェニル)エチルアミ
ン、α,γ−ジフェニルプロピルアミン、α−メチル−
1−ナフチルアミン、α−メチル−2−ナフチルメチル
アミン等をあげることができる。これら光学活性アラル
キルアミン(3)の中でも特に好ましくは、1−フェニ
ル−2−(p−トリル)エチルアミンおよび2,4−ジ
クロロ−α−メチルベンジルアミンが好ましく使用され
る。
【0012】光学活性アラルキルアミン(3)の使用量
は、α−ハロ−ハロフェニル酢酸(2)に対し、通常、
0.2〜3モル倍、好ましくは、0.4〜1.5モル倍
である。
【0013】本発明で使用される溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、t−ブチ
ルメチルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロル
エタン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジ
メチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン性
極性溶媒、水等を例示できる。溶媒は、上記の1種を単
独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
【0014】溶媒の使用量は、α−ハロ−ハロフェニル
酢酸(2)および光学活性アラルキルアミン(3)の種
類、溶媒の種類等により異なるが、通常、α−ハロ−ハ
ロフェニル酢酸(2)に対し1〜50重量倍の範囲であ
る。
【0015】光学分割の際の温度は、通常、使用する溶
媒の融点〜沸点の範囲から選ばれるが、好ましくは、−
20〜60℃である。α−ハロ−ハロフェニル酢酸
(2)および光学活性アラルキルアミン(3)を溶媒中
で混合することにより析出した結晶を濾別すれば、目的
とする光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸が光学活性
アラルキルアミン(3)の塩として得られるが、場合に
よっては、この塩をさらに再結晶等の操作でさらに精製
することもできる。
【0016】α−ハロ−ハロフェニル酢酸(2)の光学
活性体は、前記方法により得られたジアステレオマー塩
を酸または塩基により処理することにより得ることがで
きる。酸を使用する場合は、ジアステレオマー塩に酸と
水を加えて酸性水溶液にし、酸性水層を疎水性溶媒で抽
出後抽出液を濃縮することにより、光学活性α−ハロ−
ハロフェニル酢酸が得られる。
【0017】塩基を使用する場合は、ジアステレオマー
塩に塩基と水を加えて塩基性水溶液にし、塩基性水層を
疎水性溶媒で抽出した後、水層に酸を加えて酸性化す
る。酸性水層を疎水性溶媒で抽出後抽出液を濃縮するこ
とにより、光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸が得ら
れる。
【0018】本発明で光学活性α−ハロ−ハロフェニル
酢酸の遊離に使用される酸の具体例としては、フッ化水
素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸等が使用される。これら
酸の中でも特に好ましくは、塩酸および硫酸が使用され
る。酸の使用量は、ジアステレオマー塩中の光学活性α
−ハロ−ハロフェニル酢酸(2)に対し、通常、1〜2
00モル倍、好ましくは、2〜200モル倍である。
【0019】本発明で光学活性α−ハロ−ハロフェニル
酢酸の遊離に使用される塩基の具体例としては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等の炭酸水素塩、等が使用される。
【0020】塩基の使用量は、ジアステレオマー塩中の
光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸に対し、通常、1
〜200モル倍、好ましくは、2〜200モル倍であ
る。
【0021】本発明で抽出に使用される疎水性溶媒の具
体例としては、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル類、酢酸エチル等のエステル類、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、
クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等を例示でき
る。溶媒は、上記の1種を単独で使用しても、2種以上
を混合して使用してもよい。抽出に使用される疎水性溶
媒の使用量は、ジアステレオマー塩を構成する光学活性
α−ハロ−ハロフェニル酢酸および光学活性アラルキル
アミン(3)の種類、溶媒の種類等により異なるが、通
常、ジアステレオマー塩に対しに対し1〜200重量倍
の範囲である。
【0022】ジアステレオマー塩の溶解に使用される水
の使用量は、ジアステレオマー塩を構成する光学活性α
−ハロ−ハロフェニル酢酸および光学活性アラルキルア
ミン(3)の種類等により異なるが、通常、ジアステレ
オマー塩に対し1〜200重量倍の範囲である。抽出の
際の温度は、通常、水および使用する溶媒の融点〜沸点
の範囲から選ばれるが、好ましくは、0〜60℃であ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、医薬中間体として
有用な光学活性α−ハロ−ハロフェニル酢酸を光学純度
良く、工業的に容易に製造することが可能となった。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下の実施例において光学純度は、高速液
体クロマトグラフィーにより測定した。
【0025】実施例1 室温で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸2
42mg(0.97mmol)をt−ブチルメチルエー
テル0.74gに溶解し、この溶液に、室温で(R)−
2,4−ジクロロ−α−メチルベンジルアミン111m
g(0.58mmol)をあらかじめt−ブチルメチル
エーテル2.22gに溶解した溶液を加え、攪拌して混
合した。混合後の溶液を−20℃で18時間静置して結
晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、t−ブチルメ
チルエーテル2.96gで洗浄後乾燥し、光学純度87
%eeの(+)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
の(R)−2,4−ジクロロ−α−メチルベンジルアミ
ン塩122mg(収率29%)を得た。融点116〜1
17℃、比旋光度[α]D 25=+16.8゜(c=0.
80、メタノール)。
【0026】実施例2 55℃で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
242mg(0.97mmol)をアセトニトリル5.
44gに溶解し、この溶液に、同温で(S)−1−フェ
ニル−2−(p−トリル)エチルアミン119mg
(0.57mmol)をあらかじめアセトニトリル0.
78gに溶解した溶液を加え、攪拌して混合した。結晶
の析出を確認後、攪拌しながら3時間かけて徐々に25
℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、アセトニトリ
ル1.55gで洗浄後乾燥し、光学純度97%eeの
(+)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸の(S)
−1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミン塩1
25mg(収率28%)を得た。融点148〜150
℃、比旋光度[α]D 25=+73.1゜(c=1.9
4、メタノール)。
【0027】実施例3 40℃で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
261mg(1.04mmol)を2−プロパノール
7.20gに溶解し、この溶液に、同温で(S)−1−
フェニル−2−(p−トリル)エチルアミン111mg
(0.53mmol)をあらかじめ2−プロパノール
0.80gに溶解した溶液を加え、攪拌して混合した。
結晶の析出を確認後、攪拌しながら30分かけて徐々に
25℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、2−プロ
パノール1.60gで洗浄後乾燥し、光学純度89%e
eの(+)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸の
(S)−1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミ
ン塩61mg(収率13%)を得た。
【0028】実施例4 55℃で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
255mg(1.02mmol)をトルエン6.04g
に溶解し、この溶液に、同温で(S)−1−フェニル−
2−(p−トリル)エチルアミン117mg(0.55
mmol)をあらかじめトルエン0.86gに溶解した
溶液を加え、攪拌して混合した。結晶の析出を確認後、
攪拌しながら3時間かけて徐々に25℃まで冷却した。
析出した結晶を濾別し、トルエン1.72gで洗浄後乾
燥し、光学純度96%eeの(+)−α−ブロモ−2−
クロロフェニル酢酸の(S)−1−フェニル−2−(p
−トリル)エチルアミン塩91mg(収率20%)を得
た。
【0029】実施例5 40℃で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
249mg(1.00mmol)をアセトン3.92g
に溶解し、この溶液に、同温で(S)−1−フェニル−
2−(p−トリル)エチルアミン111mg(0.53
mmol)をあらかじめアセトン0.78gに溶解した
溶液を加え、攪拌して混合した。結晶の析出を確認後、
攪拌しながら30分かけて徐々に25℃まで冷却した。
析出した結晶を濾別し、アセトン1.57gで洗浄後乾
燥し、光学純度95%eeの(+)−α−ブロモ−2−
クロロフェニル酢酸の(S)−1−フェニル−2−(p
−トリル)エチルアミン塩29mg(収率6%)を得
た。
【0030】実施例6 55℃で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸
5.00g(20.04mmol)をトルエン5.03
gに溶解し、この溶液に、同温で(S)−1−フェニル
−2−(p−トリル)エチルアミン2.11g(9.9
9mmol)をあらかじめトルエン2.17gに溶解し
た溶液を加え、攪拌して混合した。結晶の析出を確認
後、攪拌しながら55℃で1時間保温し、その後2時間
かけて徐々に0℃まで冷却した。析出した結晶を0℃に
て濾別し、トルエン8.09gで洗浄後乾燥し、光学純
度96%eeの(+)−α−ブロモ−2−クロロフェニ
ル酢酸の(S)−1−フェニル−2−(p−トリル)エ
チルアミン塩2.28g(収率25%)を得た。得られ
た塩のうち250mg(0.54mmol)に、2N塩
酸水溶液40mlおよびt−ブチルメチルエーテル40
mlを添加し塩を完全に溶解した後、t−ブチルメチル
エーテル層を分離した。次に、分離したt−ブチルメチ
ルエーテル溶液を減圧濃縮し溶媒を留去すると固体が析
出した。この析出固体にn−ヘキサン1mlを添加して
洗浄、濾別後乾燥して、光学純度96%eeの(+)−
α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸120mg(収率
89%)を得た。融点105〜108℃、比旋光度
[α]D 25=+6.3゜(c=2.41、メタノー
ル)。
【0031】比較例1 室温で(±)−α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸2
17mg(0.87mmol)をt−ブチルメチルエー
テル0.74gに溶解し、この溶液に、室温で(S)−
α−メチルベンジルアミン78mg(0.65mmo
l)をあらかじめt−ブチルメチルエーテル2.22g
に溶解した溶液を加え、攪拌して混合した。 混合後の
溶液を−20℃で18時間静置して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾別し、t−ブチルメチルエーテル2.
96gで洗浄後乾燥し、光学純度5%eeの(+)−α
−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸の(S)−α−メチ
ルベンジルアミン塩147mg(収率46%)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗本 勲 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC47 AC83 AC90 AD33 BJ50 BM10 BM30 BM72 BM73 BM74 BS10 BS70

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、X1、X2は、同一または相異なり、塩素原子、
    臭素原子またはヨウ素原子を表わし、*印は不斉炭素原
    子を表わし、R1は、炭素数1〜4のアルキル基または
    置換基を有していてもよいアラルキル基を表わし、R2
    は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または置換基
    を有していてもよいアラルキル基を表わし、Aはアリー
    ル基を表わす。ここでアリール基は、炭素数1〜4の低
    級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、ニト
    ロ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。但
    し、Aがフェニル基、R1がメチル基かつR2が水素原子
    である場合を除く。)で示される塩。
  2. 【請求項2】一般式(1)のX1が臭素原子、X2がオル
    ト位の塩素原子であり、Aがフェニル基、R1が4−メ
    チルベンジル基、R2が水素原子である請求項1記載の
    塩。
  3. 【請求項3】一般式(1)のX1が臭素原子、X2がオル
    ト位の塩素原子であり、Aが2,4−ジクロロフェニル
    基、R1がメチル基、R2が水素原子である請求項1記載
    の塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載の塩と酸または塩基とを反応
    させることを特徴とする一般式(2) (式中、X1およびX2は前記と同じ意味を表わす。)で
    示されるα−ハロ−ハロフェニル酢酸の光学活性体の製
    造法。
  5. 【請求項5】一般式(2)で示されるα−ハロ−ハロフ
    ェニル酢酸のラセミ体と一般式(3) (式中、A、R1およびR2は前記と同じ意味を表わ
    す。)で示される光学活性アラルキルアミンを溶媒中で
    反応させて形成される一般式(1)で示されるジアステ
    レオマー塩を取得し、このジアステレオマー塩を酸また
    は塩基と反応させることを特徴とする前記一般式(2)
    で示されるα−ハロ−ハロフェニル酢酸の光学活性体の
    製造法。
  6. 【請求項6】一般式(2)で示されるα−ハロ−ハロフ
    ェニル酢酸の光学活性体。
  7. 【請求項7】一般式(2)のX1が臭素原子、X2がオル
    ト位の塩素原子である請求項6記載のα−ハロ−ハロフ
    ェニル酢酸の光学活性体。
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