JPH0966759A - パワートレインの制御方法及び制御装置 - Google Patents

パワートレインの制御方法及び制御装置

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JPH0966759A
JPH0966759A JP7224978A JP22497895A JPH0966759A JP H0966759 A JPH0966759 A JP H0966759A JP 7224978 A JP7224978 A JP 7224978A JP 22497895 A JP22497895 A JP 22497895A JP H0966759 A JPH0966759 A JP H0966759A
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JP
Japan
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output shaft
shift
torque
change rate
power train
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JP7224978A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Kurata
謙一郎 倉田
Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Tatsuya Ochi
辰哉 越智
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】あらゆる変速条件に広く対応可能で、かつショ
ックを的確に低減できるフェールセーフ性の高いパワー
トレインの制御方法及び制御装置を提供する。 【構成】少なくとも変速動作開始を認識し、変速機出力
軸の回転数を検出し、その検出された回転数から回転数
変化率を求め、この回転数変化率に基づいてパワートレ
インのトルクを制御するとともに、前記トルク制御の終
了時期を検出する。 【効果】パワートレインへの過剰な入力トルクに応じて
制御を行うので、広い範囲にわたってショック低減が行
え、トルク制御実行時期のずれにより変速に悪影響を及
ぼす恐れがないので、開始点を明確に検出する必要がな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータと自
動変速機構とから構成される自動変速機を備えている自
動車のパワートレインの制御方法及び制御装置に係わ
り、特に、自動変速機の変速時に生じるトルク変動すな
わち変速ショックを低減するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の制御方法では、例えば、
特開平6−207660 号公報に記載のように、変速機出力軸
回転変化率の信号を用いて変速機におけるクラッチの締
結時期を推定し、該クラッチ締結時期を起点として前記
パワートレインの出力トルクを制御するものが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに前記変速機のクラッチ締結時期を推定してパワート
レインの出力トルクを制御する方法では、変速機出力軸
回転数変化率の信号がタイヤと変速機間の振動により変
動し、正確にトルク制御開始時期を検出することが困難
であった。また、前記トルク制御開始時期を検出するた
めのクラッチ締結時期検出の閾値や前記トルク制御量
は、走行状態や変速状態により適正な値が異なるため、
各条件ごとにそれぞれマッチングを行う必要があった。
【0004】本発明の目的は、ショック低減制御におけ
る上記問題点を解決し、あらゆる変速条件に広く対応可
能で、かつショックを的確に低減できるパワートレイン
の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、エンジンの出力軸に接続されているト
ルクコンバータと当該トルクコンバータの出力軸に接続
されている自動変速機構と該自動変速機構を動作させる
油圧機構とを備えたパワートレインを有する車両の自動
変速機を制御する制御装置を備えた自動車において、少
なくとも変速動作開始を認識する変速状態認識手段と、
変速機出力軸の回転数を検出する検出手段と、その検出
された回転数から回転数変化率を求める手段と、求めら
れた回転数変化率に基づいて前記パワートレインにかか
るトルクを制御するトルク制御手段と、前記トルク制御
の終了時期を検出するトルク制御終了判定手段により構
成される。
【0006】
【作用】このように構成される本発明によれば、変速機
出力軸のねじれ振動を表す変速機出力軸回転数の回転変
化率に基づいてその場でトルク制御量を決定するので走
行状態、あるいは変速状態に適したショック低減制御が
可能である。また、パワートレインへの過剰な入力トル
クに応じて制御を行い、制御の終了時期を検出する方式
としたので、制御の開始時期を明確にする必要がなく、
トルク制御実行時期のずれにより変速に悪影響を及ぼす
恐れがない。さらに、仮に誤動作した場合でも走行に致
命的な欠陥を与えることがない。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。
【0008】図1から図3に本発明の第一実施例を示
す。図1は本発明によるパワートレインの制御装置の構
成を示すブロック図であり、各ブロック間の信号の流れ
を矢印で表してある。図1のパワートレイン制御装置1
には、少なくとも変速状態認識手段2と、dNo/dt
演算手段4と、トルク制御手段6と、トルク制御終了判
定手段5が設けられている。さらに、パワートレイン制
御手段1には、不必要なトルク制御を禁止するマスク手
段3が設けられている。変速状態認識手段2には変速フ
ェイズ判定手段8,変速開始検出手段9,変速終了検出
手段10が設けられており、変速フェイズ判定手段8,
変速開始検出手段9には変速指令値11が入力される。
変速開始検出手段9は、非変速状態において変速指令値
11に変化が生ずるとこれを変速開始として検出する。
変速フェイズ判定手段8は、少なくともこの変速指令値
に基づいて変速フェイズの判定を行う。ここで変速フェ
イズとは、変速時の変速パターン(例えば、4速の有段
変速機において、2・1変速(2速と1速の間の変
速),3・1変速,3・2変速,4・1変速,4・2変
速,4・3変速と呼ばれるもの)や、ドライバの急踏
み,じわ踏みといった変速条件に応じて設定される。こ
こで、急踏みとはドライバがアクセルペダルを早い速度
で踏み込むことを表し、またじわ踏みとはアクセルペダ
ルを遅い速度で踏み込む、すなわち長い時間をかけてア
クセルペダルを踏み込むことを表す。急踏みを行った場
合、変速開始から最終変速位置に移行する時間(例えば
3・1変速において、変速開始から変速指令値が1速と
なるまでの時間)が短く、じわ踏みではこの時間が長く
なる傾向にあり、これによって変速ショックは異なった
ものになる。前記変速フェイズ判定手段8では、変速開
始から最終変速位置までの時間を計測し、この時間が所
定の時間(例えば300ms)よりも短い場合には急踏
み、これより長い場合にはじわ踏みと判定して変速フェ
イズの設定を行う。
【0009】変速開始後、変速機のクラッチやバンドブ
レーキ等の締結に伴って、変速機の出力軸回転数が変動
し、駆動軸に伝わって変速ショックとなる。これを低減
するため、前記パワートレインのねじれ振動を表す出力
軸回転変化率の信号から適切なトルク制御量を求める必
要がある。また、不必要なトルク制御を防ぐため、前記
マスクを行う期間の決定や、トルク制御の終了判定を的
確に行う必要がある。図1に示すマスク手段3や変速終
了判定手段10,トルク制御手段6では前記変速フェイ
ズに応じて各種パラメータを変化させ、変速条件に応じ
たパラメータを用いることによって、様々な変速ショッ
クを適切に低減することができる。変速終了検出手段1
0は、例えばタイマを有し、前記変速開始から所定の時
間が経過すると変速終了として検出する。この変速終了
検出手段10からの変速終了信号に基づいて、前記マス
ク手段3のリセットを行ったり、前記終了判定手段にお
いてトルク制御の終了を決定したりする。変速終了検出
の他の例としては、変速機の入出力軸回転数比(以下ギ
ア比と呼ぶ)が変速フェイズに応じた所定の値に達する
のを検出して変速終了時期としたり、前記変速開始から
変速フェイズに応じた所定時間の経過後を変速終了とし
たり、あるいはdNo/dt演算手段4で求められた出
力軸回転数Noの変化率dNo/dtの揺らぎが変速フ
ェイズに応じた一定の値よりも小さくなった時を変速の
終了としてもよい。あるいは、トルク制御手段6におけ
る制御の終了時期を変速終了としてもよい。dNo/d
t演算手段4は、変速機出力軸回転数No検出手段12
より入力された変速機出力軸回転数Noから、微分演
算、あるいは周期的に求められたNoの値を用いた差分
演算によりその変化率dNo/dtを求めるものであ
る。この回転数変化率dNo/dtは変速機出力軸のね
じれを表すものであり、また、変速時のショックがこの
ねじれに蓄えられたエネルギーの放出によるものである
と考えられる。このことから、回転変化率dNo/dt
の値に基づく演算により、パワートレインのトルク、例
えばエンジンの発生トルクの制御量を的確に求めること
ができる。また、前記回転変化率dNo/dtは、変速
機のクラッチ締結に伴って特徴的な波形を示すため、例
えばトルク制御終了判定手段5において、この値が前記
変速フェイズに応じた上閾値を越えた後、さらに下変速
フェイズに応じた下閾値以下となると終了時期と判定し
てトルク制御手段6にトルク制御終了信号を出力する。
この終了判定の他の方法として、任意の変速状態におけ
るエンジン回転数や変速機の出力軸回転数,変速フェイ
ズ,車速,アクセル開度α,ギア比を用いて閾値判定等
によりトルク制御の終了時期を検出したり、あるいは前
記閾値検出時期からの経過時間等を用いて演算により求
めてもよい。トルク制御の終了時期の判定方法として、
さらに、変速機の出力軸トルクの変動が所定の範囲内に
おさまることを検出したり、あるいは終了判定手段に当
該変速機のモデルを設け、入力信号に基づいて処理を行
い、変速機が所定の状態になったことを推定して検出し
てもよい。マスク手段3では、変速開始検出手段9にお
いて変速開始が検出されてから任意の時間(以下、マス
ク時間と記す)前記回転数変化率dNo/dt信号にマ
スクを行い、この間はトルク制御手段におけるパワート
レインのトルク制御を行わない。マスク時間は、変速フ
ェイズに基づいてあらかじめ決められた値を用いる。あ
るいは、マスク時間を、任意のタイミングにおけるエン
ジン回転数や、変速機入力軸,出力軸回転数等の入力信
号に基づいて演算により求めたり、マスク手段3に変速
機モデルを設け、入力信号に基づいてモデル上で演算を
行って求めてもよい。トルク制御手段6では、前記マス
ク時間が終了すると処理を開始し、所定の処理により求
められた制御量をアクチュエータ7に出力する。トルク
制御手段6では、例えば変速フェイズに応じて、出力軸
回転変化率dNo/dtに急踏み,じわ踏みの別に応じ
た、あるいは前記変速フェイズに応じた係数を乗じてエ
ンジンの点火時期制御量を求め、エンジン制御装置(図
示せず)に出力してエンジンの発生トルクを制御し、変
速ショックの低減を図る。点火時期制御量を求めるため
の演算として、他に、出力軸回転変化率dNo/dtの
値に一定のオフセット値を加えるか、あるいは差引いた
後に、その値に応じて制御量を決定したり、また、回転
変化率dNo/dt及び出力軸トルクの値、あるいは自
動車に取り付けられた車体加速度センサからの信号に応
じて制御量を求める方法等があげられる。トルク制御手
段6による制御の他の例としては、エンジンの燃料量を
制御したり、エンジンの吸入空気量を制御してエンジン
の発生トルクを制御したり、当該変速機の作動油圧を制
御して変速特性を変化させて変速ショック低減を行う
か、あるいはこれらを組み合わせて変速ショックの低減
を行うことが考えられる。
【0010】図2は図1に示した第一実施例における信
号の処理の流れを示すフローチャートである。図1に示
した各部の処理は、あらかじめ決められた時間毎(例え
ば10ms毎)に、図2に示したソフトウェアで実行さ
れる。図2において、ステップ201で処理を開始する
と、ステップ202ではじめに変速指令値,変速機出力
軸回転数Noの取り込みを行って、ステップ203で出
力軸回転変化率dNo/dtの演算を行い、次いでステッ
プ204で変速状態のチェックを行う。ここで、図2に
示したショック低減制御は、変速開始後所定の期間マス
ク処理を行い、その後前記回転変化率dNo/dtの値
が変速条件に応じて決められた上閾値を越えた後、さら
に変速条件に応じた下閾値以下となるまでの間、回転変
化率dNo/dtに応じたトルク制御を実行するもので
ある。前記変速状態は、マスク終了を表すフラグや、ト
ルク制御の実行や禁止を表すフラグ等の本制御に用いる
各フラグの機能を代わってするもので、状態値0から3
で表され、非変速中を0,マスク期間中を1,トルク制
御実行中でかつ、上閾値判定中を2,トルク制御実行中
でかつ下閾値判定中を3で表している。この変速状態は
図2に示した処理中で用いられる他、前記ショック低減
装置のためのプログラム上、あるいはパワートレイン制
御に関係する他の制御装置においても参照することがで
きる。ステップ204において、変速状態が1以上、す
なわち変速状態にある場合にはステップ206に進む。
ステップ206は変速終了検出であり、たとえば、タイ
マを用いて変速開始からの経過時間を測定し、これが今
回の変速条件における変速の最大時間である変速終了時
間値を越えた場合には変速終了と判定し、ステップ20
7で変速状態を0にして強制的に制御を終了させ、ステ
ップ205で再び変速開始検出を行う。ステップ206
で、変速終了判定が成立しない場合にはステップ208
に進む。一方、ステップ204で変速状態が1未満、す
なわち非変速状態であった場合には、ステップ205に
進む。ステップ205では例えば変速指令値の変化から
変速開始検出を行い、検出された場合にはステップ21
8へ進み、変速状態を1とし、ステップ208に進む。
また、ステップ205で、変速開始が検出されない場合
にはステップ217へ進み、処理を終了する。ステップ
208において、変速状態をチェックし、変速状態が2
以上、すなわちトルク制御中である場合にはステップ2
11に進む。ステップ208で、変速状態が2未満、す
なわちマスク処理中である場合には、ステップ209に
進み、マスク処理の終了条件が成立するか判定を行う。
ここで、条件が成立すればステップ210へ進み、変速
状態を2とし、ステップ211へ進み、条件が不成立で
ある場合にはステップ217へ進み処理を終了する。ス
テップ211で、変速状態が3未満、したがって変速状
態が2、すなわちトルク制御中かつ上閾値判定中である
場合にはステップ212に進み上閾値判定を行い、変速
状態が3以上、すなわちトルク制御中でかつ下閾値判定
中である場合にはステップ214に進む。ステップ21
2において、前記回転変化率dNo/dtが上閾値を越
えていれば、ステップ213で変速状態を3とし、ステ
ップ214に進む。ステップ212で、上閾値判定が成
立しない場合にはステップ216でトルク制御を実行
し、ステップ217で処理を終了する。ステップ214
の下閾値判定において前記回転変化率dNo/dtが下
閾値以下となった場合にはステップ215で変速状態を
0にし、したがって今回の変速ショック低減制御を完了
し、ステップ217に進み処理を終了する。ステップ2
14で、下閾値判定条件が成立しない場合にはステップ
216でトルク制御を実行し、ステップ217へ進み、
処理を終了する。
【0011】図3に本発明を自動車に適用した場合の制
御装置間の信号伝達経路を示す。図3において、エンジ
ン20からの出力は有段変速機22,トルクコンバータ
23,変速機出力軸回転数No検出手段12の検出部で
ある出力軸回転センサ24を有する動力伝達機構21を
介して駆動軸25から車軸へ伝達される。エンジン制御
装置32はエンジンを制御するアクチュエータであるエ
ンジンの点火装置29、および燃料供給装置30を駆動
してエンジンの点火時期,燃料量を操作し、エンジン2
0の発生トルクを任意に制御することができる。また、
スロットル制御装置31からの信号に基づいて動作する
スロットルアクチュエータ28を備えたエンジンでは、
これによりスロットル弁27を駆動し、吸入空気量を変
化させてエンジン出力を制御することができる。パワー
トレイン制御装置1は、エンジン制御装置32に点火時
期制御量や燃料制御量を送ったり、スロットル制御装置
31に吸入空気制御量を送ることでエンジン20の発生
トルクを制御し、変速ショック低減を図ることができ
る。変速機制御装置33は、動力伝達機構21に油圧指
令値を送って動作油圧を制御し、有段変速機22に変速
指令値を送って変速の制御を行う。また、パワートレイ
ン制御装置1は、前記変速指令値を取り込めるようにな
っており、有段変速機22の変速状態を検出できる。さ
らに、パワートレイン制御装置1は、前記変速指令値以
外に、有段変速機22に設けられた変速制御用ソレノイ
ドの状態を知ることで変速機の変速状態を検出すること
が可能である。有段変速機22の出力軸には出力軸回転
数Noを知るための出力軸回転数センサ24が取り付け
られており、その信号はパワートレイン制御装置1に入
力される。運転者のアクセルペダルの踏み込み状態やそ
の変化率からドライバ意図を検知する目的で、アクセル
ペダルの踏み込み角α34がパワートレイン制御装置1
に入力される。これにより、各種の状況に応じた変速シ
ョックの低減が可能となり、ショック低減効果が十分得
られるような制御を行うか、多少変速ショックは残って
も加速重視の制御を行うかの判定が可能となる。また、
スロットルアクチュエータ28のない車両においては、
アクセル踏み込み角αのかわりにスロットル弁の開度が
入力され、運転者の意図の把握を行う。
【0012】図4から図5に本発明の第二実施例を示
す。図4は、図1に示した変速フェイズ判定手段8の構
成を示すブロック図である。図4において、変速フェイ
ズ判定手段8には変速前ギア位置保持手段40,タイマ
41,変速フェイズ設定手段42が設けられている。変
速前ギア位置保持手段40には変速指令値43、および
変速開始信号44が入力され、変速開始直前のギア位置
を保持する。タイマ41は変速開始信号44を受けて変
速開始からの経過時間を計測し、変速フェイズ設定手段
42に知らせる。変速フェイズ設定手段42では前記変
速前ギア位置,変速開始からの経過時間、および現在の
変速指令値から変速フェイズ45を設定し、出力する。
【0013】図5は図4の変速フェイズ判定手段8にお
ける信号の処理の流れを示すフローチャートである。図
5において、ステップ501で処理を開始するとステッ
プ502で変速指令値,変速開始信号の取り込みを行
い、次いでステップ503の判定を行う。この変速状態
とは図2で説明した変速状態と全く同様のもので、ステ
ップ503の判定において変速状態≧1が成立しない、
すなわち非変速中の場合、ステップ504で変速開始信
号を調べ、これが入力されていればステップ505でタ
イマ41をリセットし、ステップ506で変速前ギア位
置保持手段40において変速前ギア位置の保持を行う。
例えば10msおきに処理が行われるソフトウェア上で
この処理を実行する場合、前記ステップ502での変速
開始信号入力時に、一回前のギア位置を変速前ギア位置
として保持する。ステップ504の判定で、変速開始で
ない場合には処理を終了する。一方、ステップ503の判
定において、変速状態が1以上、すなわち変速中の場合
にはステップ507でタイマ41をカウントし、ステッ
プ508の判定を行う。ステップ508において、T2
は変速中とみとめる最長の時間のことで、変速前ギア位
置に応じて設定される。タイマ値>T2、すなわち変速
開始から変速最長時間を過ぎるまで変速フェイズの設定
が行えなかった場合には、前記変速フェイズの設定を行
わずに処理を終了する。タイマ値≦T2の場合にはステ
ップ509の判定を行う。ステップ509の判定で、変
速指令値が目標値(例えば3・1変速における1速)に
なれば次ステップ510の判定に進み、そうでない場合
には直ちに処理を終了する。ステップ509の判定で
は、変速指令値が目標値へ移行した時のみ判定がYes
となる。すなわちソフトウェア上で、今回の変速指令値
が目標値で、かつ前回の変速指令値が目標値以外の場合
にかぎりYesが成立する。ステップ510の判定で、タ
イマ値がT1以下であれば素早い変速であると判断し、
ステップ511で変速前ギア位置に応じてアクセルペダ
ルの急踏み込み時の変速フェイズ45を設定する。ま
た、タイマ値がT1を越えている場合にはゆっくりとし
た変速であると判断し、ステップ512で変速前ギア位
置に基づいてじわ踏み時の変速フェイズ45を設定し、
これらの変速フェイズ設定が終了すると処理を終了す
る。ステップ510の判定において、T1はじわ踏み,
急踏み判定の境界値であり、前記変速前ギア位置に応じ
て、例えば300msといった値が設定される。図6に
本発明の第三実施例を示す。図6は、運転者の意図(以
下、ドライバ意図と呼ぶ)や変速機出力軸回転数変化率
に応じてより細分化された変速フェイズの設定が可能な
前記図1における変速フェイズ判定手段8の構成を示す
ブロック図である。図6において、変速フェイズ判定手
段8には変速前ギア位置保持手段40,タイマ41,dα
/dt演算手段46,ドライバ意図検出手段47,変速
フェイズ設定手段48が設けられている。変速前ギア位
置保持手段40には変速指令値43、および変速開始信
号44が入力され、変速開始直前のギア位置を保持す
る。タイマ41は変速開始信号44からの経過時間を計
測し、変速フェイズ設定手段48に知らせる。一方、d
α/dt演算手段46ではアクセル開度α34からその
変化率dα/dtが演算され、この値をもとにドライバ
意図検出手段47において加速重視であるか、あるいは
乗り心地重視であるかといったドライバ意図が検出され
る。変速フェイズ設定手段42では前記変速前ギア位
置,変速開始からの経過時間,ドライバ意図,任意の変
速状態における前記回転変化率dNo/dt49、およ
び現在の変速指令値43から変速フェイズ45を設定す
る。ドライバ意図を反映した変速フェイズを設けること
で、ドライバ意図を考慮した変速ショック低減制御が可
能となり、また、変速中の任意のタイミングにおけるd
No/dtに基づいて変速フェイズを細かく設定するこ
とで、より変速条件に適したショック低減制御が可能で
ある。
【0014】図7から図8に本発明の第四実施例を示
す。図7は図1に示したマスク手段3の構成を示すブロ
ック図である。マスク手段3にはマスク時間設定手段5
0,変速認識手段51,タイマ52,比較器53が設け
られている。マスク時間設定手段50では、変速フェイ
ズ45に基づいて所定の処理を行い、マスク時間を設定
する。マスク時間の設定は、例えば変速フェイズに応じ
てあらかじめ決められた値をマスク時間とする。あるい
は、変速フェイズ45に応じて決められた値とその他の
入力信号から演算により求めた値をマスク時間として設
定してもよい。変速認識手段51では変速指令値43に
より判定を行い、所定の変速状態となるタイミングを検
出してタイマ52をスタートさせる。図7では、変速認
識手段51で検出を行う変速状態として、変速指令値が
他ギア位置から目標値へ変わるタイミングを検出する。
タイマ52では所定の変速状態となってからの経過時間
を計測し、比較器53では、前記タイマ52で計測され
た経過時間が前記マスク時間に達するとマスク終了信号
54を出力し、マスク処理を終了する。ここで、このよ
うにマスク処理を行うことで、続いて行われる処理に不
適当な時間帯をマスクし、誤動作を防ぐことが可能とな
る。また、マスク時間を当該変速機の変速指令値が変速
の目標値になるタイミングを基点にして計測すること
で、あらゆる変速条件において安定にマスク処理を行う
ことが可能である。
【0015】図8は、図7に示したマスク手段3の信号
処理の流れを示すフローチャートである。図8におい
て、ステップ801で処理が開始されると、ステップ8
02で変速フェイズ,変速指令値の取り込みを行う。次
いでステップ803の判定を行い、変速状態が1以上で
あれば次のステップ804に進む。ここで、この変速状
態は状態0から3で表され、前記図2で説明したものと
全く同一のものである。ステップ803の判定で、変速
状態が1未満、すなわち非変速中である場合には直ちに
処理を終了する。ステップ804の判定で、変速指令値
が目標値になっている場合には次のステップ805の判
定に進み、前回のプログラム実行時の変速指令値と、今
回の変速指令値の比較を行い、変速指令値が今回目標値
へと変化したか否かの判定を行う。前記タイマ52は変
速指令値が目標値となったタイミングを基点としてマス
ク時間の計測を行うため、ステップ805の判定がYe
sの場合にはステップ807でタイマのリセットを行
い、さらにステップ808に進んで変速フェイズ等を参
照しながら今回のマスク時間を設定し、処理を終了す
る。ステップ805の判定結果がNoであった場合に、
すなわち変速指令値がすでに目標値になっておりマスク
処理用のタイマ52がスタートしている場合には、ステ
ップ809でタイマ41のカウントを行った後、ステッ
プ810の判定に進む。ステップ810の判定で、タイ
マ値が設定マスク時間を越えるとステップ811で変速
状態を2とし、他のジョブにマスク処理が終了したこと
を伝えた後、処理を終了する。ステップ810の判定で
タイマ値がマスク時間より小さい場合には今回の処理を
終了する。
【0016】図9は本発明の第五実施例であり、図1に
示したdNo/dt演算手段4で用いるフィルターの動
作を説明するタイムチャートである。変速機出力軸回転
数Noは図3に示した有段変速機22側と駆動軸25側
の双方から反する力を受けながら変化するため、その波
形に振動的な成分が多く含まれてしまう。そのため、変
速機出力軸回転数Noを例えば10msおきに起動され
るソフトウェアで取り込んだ場合、図9中に点線で示し
たNo信号波形60のように揺らぎながら変化する形態
となってしまい、差分演算等によりその変化率dNo/
dtを求めると同じ図9中に点線で示したdNo/dt
信号波形62のように0レベルを挟んで大きく上下に振
動するものになってしまう。図1に示したトルク制御終
了判定手段5において、このようなdNo/dt波形6
3を用いて閾値判定を行った場合、波形の乱れから正常
なタイミング検出が困難であったり、あるいは図1に示
したトルク制御手段6においてdNo/dt波形に基づ
いた演算でトルクの制御量を求めた場合、その値が揺ら
いで適切な制御が困難になってしまう。そこで、取り込
んだデータを用いて前後二回分の平均値を求め、それら
のデータから図9の実線で示した平均化されたNo波形
61を求め、これをもとに差分演算を行って実線で示さ
れたdNo/dt波形63を求めた。このようにして、
滑らかに変化するdNo/dt波形63を得ることがで
き、前記トルク制御終了判定手段5における閾値判定等
を安定に行うことができる。
【0017】図10から図11に本発明の第六実施例を
示す。図10は、図1に示したトルク制御終了判定手段
5の構成を示すブロック図である。図10において、ト
ルク制御終了判定手段5には上閾値設定手段71,下閾
値設定手段72、および比較手段73が設けられてい
る。ここで、このトルク制御終了判定手段5にはマスク
終了信号54が入力されており、前記マスク時間が終了
するまでトルク制御終了判定手段5は処理を行わない。
マスク終了信号54が入力されて処理が開始されると、
はじめに上閾値設定手段71において、入力された変速
フェイズ45に基づいて変速機出力軸回転数変化率dN
o/dtの上閾値が設定される。比較手段73では設定
された上閾値と、入力されたdNo/dt49を比較
し、dNo/dt49の値が設定された上閾値以上にな
ると下閾値設定手段72に上閾値判定終了信号を出力す
る。下閾値設定手段72では、この上閾値判定終了信号
が入力されると、変速フェイズ45に基づいて下閾値の
設定を行う。これを受けて、比較手段73では設定され
た下閾値とdNo/dtを比較し、dNo/dtの値が
設定された下閾値以下になるとトルク制御終了信号75
を出力する。ここで、トルク制御終了判定手段5には、
図1に示した変速終了検出手段10からの変速終了検出
信号74が入力されており、変速終了検出信号が入力さ
れた場合にはトルク制御終了に関する上記判定条件が成
立しない場合でも、トルク制御終了信号75を出力し、
強制的にトルク制御を終了する。
【0018】図11は、図10に示したトルク制御終了
判定手段5の信号処理の流れを示すフローチャートであ
る。図11において、ステップ1101で処理が開始さ
れると、ステップ1102でマスク終了信号54,変速
終了検出信号74,変速フェイズ45、および変速機出
力軸回転数変化率dNo/dt49の取り込みを行った
後、ステップ1103の判定に進む。ステップ1103
では変速状態≧2かどうかの判定を行う。ここで、この
変速状態は、図2で説明した変速状態と全く同様のもの
で、前記マスク期間が終了し、トルク制御が開始されて
おり、かつトルク制御終了判定のための上閾値判定を行
っている間は2、トルク制御中でかつトルク制御終了判
定のための下閾値判定を行っている間は3となる。ま
た、図11に示した制御においては変速終了信号74も
変速状態で表現し、図1に示した変速終了検出手段10
から変速終了信号が出力された場合には、変速状態を
0、すなわち非変速状態として表す。ステップ1103
の判定において変速状態≧2が成立する、すなわちマス
ク処理が終了している場合には、ステップ1104の判
定を行い、成立しない場合にはトルク制御終了判定は行
えないので、直ちに処理を終了する。ステップ1104
の判定において、変速状態=2、すなわち上閾値判定中
の場合には、ステップ1105で変速フェイズ45に基
づいて変速機出力軸回転数変化率dNo/dt49の上
閾値判定を設定し、ステップ1106に進んでdNo/
dt49が前記上閾値よりも大きいか否かの判定を行
う。ここで、dNo/dt>上閾値が成立すれば上閾値
判定を終了して次回から下閾値判定を行うためステップ
1107に進み、変速状態を3にした後処理を終了す
る。dNo/dt>上閾値が成立しない場合には、次回も
上閾値判定を行うのでそのまま処理を終了する。ステッ
プ1104の判定で変速状態=2でない場合、したがっ
てトルク制御終了判定のための下閾値判定中の場合には
ステップ1108で変速フェイズ45に応じて下閾値を
設定した後、ステップ1109に進んでNo/dt49
が前記下閾値よりも小さいか否かの判定を行う。ここ
で、dNo/dt<上閾値が成立すればトルク制御を終
了するため、ステップ1110で変速状態を0にし、ス
テップ1111でトルク制御終了信号75を出力して、
処理を終了する。ただし、図11に示した処理ではトル
ク制御終了信号を変速状態で表現して、他の処理で用い
るようにしているため、ステップ1111のトルク制御
終了信号出力は不要である。ステップ1109でdNo
/dt<下閾値が成立しない場合には、次回も下閾値判
定を行うのでそのまま処理を終了する。
【0019】図12は本発明の第七実施例を示し、勾配
路における変速時にも適切なトルク制御終了判定が行え
る図1に示したトルク制御終了判定手段5の構成を示す
ブロック図である。勾配路で2・1変速等のダウンシフ
トを行った場合、変速機出力軸回転数変化率dNo/d
t49は平坦路と異なった波形となるため、dNo/d
t49波形を用いてトルク制御の終了判定を行う場合に
は、前記上閾値や下閾値を勾配に応じて設定する必要が
ある。つまり、変速中の出力軸の回転変化率はタイヤの
回転変化率に比例するため、例えば上り勾配により負荷
が大きい場合は変速機出力軸回転数変化率が小さくな
る。これは次式から判断できる。
【0020】 Tα=To−TL −TQ …(数1) ただし、Tα:加速トルク TL :平地走行負荷トル
ク To :出力軸トルク TQ :勾配負荷トルク そこで、トルク制御終了判定手段5に、上閾値設定手段
71,下閾値設定手段72,比較手段73、および勾配
検出手段76を設けた。図12に示したトルク制御終了
判定手段5では、図11のものと同様、マスク終了信号
54が入力され、前記マスク時間が終了すると処理を開
始し、上閾値判定、及び下閾値判定を行う。また、変速
終了検出信号74が入力された場合には強制的に処理を
終了する。図12に示したトルク制御終了検出手段5で
は、勾配検出手段76において入力信号77からあらか
じめ勾配検出を行い、上閾値設定手段71や下閾値設定
手段72でこの勾配及び前記変速フェイズ45から上閾
値、および下閾値を設定して終了判定を行うようにした
ため、勾配により変速機出力軸回転数変化率dNo/d
t49波形が変化しても、それに応じて適切にトルク制
御の終了判定を行うことができる。ここで、勾配検出手
段76において検出する勾配は、トルク制御終了判別を
行うのに十分な精度があればよいので、必ずしも勾配の
具体的な値である必要はなく、勾配あり,なしや、勾配
の段階的な値で表現されてもよい。勾配検出を行うため
の入力信号77として、変速機出力軸回転数Noやその
変化率dNo/dt49,エンジン回転数,タービン回
転数,変速機出力軸トルク等、あるいはこれらの入力信
号の組み合わせを用いることができる。また、勾配検出
の方法として、例えば変速開始後一定期間内の変速機出
力軸回転数変化率dNo/dt49の最大値に基づいて
勾配を求めたり、あるいは前記(1)式及び次の(2)
式から求める等の方法があげられる。
【0021】 sinΘ=TΘ/W・g・k …(数2) ただし、Θ:勾配 W:重量 g:重力加速度 k:タイヤ半径 比較手段73では前記上閾値,下閾値と変速機出力軸回
転数変化率dNo/dt49を比較し、図10に示した
比較手段73と同様にトルク制御終了検出を行い、トル
ク制御終了信号75を出力する。
【0022】図13は本発明の第八実施例を示し、勾配
路における変速時に、勾配に応じてトルク制御を禁止し
たり、勾配に応じてトルク制御量を変化させ、勾配路に
おいても適切なトルク制御が可能なパワートレイン制御
装置1の構成を示すブロック図である。パワートレイン
制御装置1には、変速状態認識手段2と、マスク手段3
と、dNo/dt演算手段4と、トルク制御終了判定手
段5と、トルク制御手段6と、勾配検出手段80が設け
られている。また、変速状態認識手段には、変速フェイ
ズ判定手段8,変速開始検出手段9,変速終了検出手段
10が設けられている。図13に示した構成の内、変速
フェイズ判定手段8,変速開始検出手段9,変速終了検
出手段10を含む変速状態認識手段2、およびマスク手
段3,dNo/dt演算手段4,トルク制御終了判定手
段5は図1に示したものと同様である。勾配検出手段8
0には最大値保持手段81,勾配演算手段82,タイマ
83,トルク制御禁止判定手段84が設けられており、
これらにより変速開始から所定の時間内の変速機出力軸
回転数変化率dNo/dt49の最大値を求め、この値
に基づいてトルク制御禁止判定を行ったり、あるいは演
算により勾配を求めてトルク制御手段6におけるトルク
制御量を調整する。タイマ83には変速開始検出手段9
から変速開始信号44が、また変速フェイズ判定手段8
から変速フェイズ45がそれぞれ入力されており、最大
値保持手段81が最大値を求める期間や、トルク制御禁
止判定手段84がトルク制御禁止判定を行うタイミング
を決定する。例えば、タイマ83は変速開始信号44を
受けてカウンタをリセットし、同時に最大値保持手段8
1に信号を送り、勾配検出に用いる前記dNo/dt4
9の最大値検出のための処理を開始させる。また、タイ
マ83は入力された変速フェイズ45に応じて前記最大
値検出のための処理を行う時間を設定し、変速開始後こ
の時間が経過すると最大値保持手段81に信号を出力し
て前記最大値検出のための処理を終了するとともに、ト
ルク制御禁止判定手段84に信号を出力してトルク制御
禁止判定を行ったり、あるいは勾配演算手段82に信号
を送って勾配を演算したりする。最大値保持手段81
は、タイマ83からの信号により処理を開始し、前回ま
での最大値(初回は0)と、今回入力された変速機出力
軸回転数変化率dNo/dt49を比較し、今回入力さ
れたdNo/dt49が大きい場合には最大値を更新す
る、という作業を、タイマ83から処理終了のための信
号が入力されるまで繰り返す。また、トルク制御禁止判
定手段84では勾配を表す前記変速機出力軸回転数変化
率dNo/dt49の保持最大値に基づき、入力された
変速フェイズに応じてトルク制御禁止の判定を行う。例
として、登坂路において2速から1速へのダウンシフト
を行ったような場合について述べると、変速開始後から
所定の時間内に現れる変速機出力軸回転数変化率dNo
/dt49の値は、平坦路におけるdNo/dt49と
比較して小さなものとなり、また、変速時のショックも
小さくなるため、平坦路の場合と同様に変速機出力軸回
転数変化率dNo/dt49に応じてトルク制御を行う
と過度のトルク抑制となり、加速感を損なってしまう。
このような減少を防ぐため、トルク制御禁止判定手段8
4では変速フェイズに応じて決められた値に対して、保
持された変速機出力軸回転数変化率dNo/dt49の
最大値が小さい場合には、走行路面がきつい上り勾配で
あると判定し、トルク制御手段6にトルク制御禁止信号
を出力して変速ショック低減のためのトルク制御を禁止
する。勾配演算手段82は、タイマ83等から入力され
たタイミングで演算を行い、変速フェイズ45や前記d
No/dt49の最大値等の入力信号から該自動車の走
行路面の勾配を求めるもので、トルク制御手段6では求
められた勾配に応じて制御量を変化させ、勾配路でも適
切なトルク制御が可能となる。
【0023】図14は図13に示した本発明の第八実施
例における勾配検出手段80の信号処理の流れを示すフ
ローチャートである。図14において、ステップ140
1で処理を開始すると、ステップ1402で変速フェイ
ズ45,変速開始信号44,変速機出力軸回転数変化率
dNo/dt49の取り込みを行ってから、ステップ1
403で変速状態≧1であるかの判定を行う。この変速
状態は図3で用いたものと同様なもので、ステップ14
03において判定条件が成立する、すなわち変速中の場
合にはステップ1404の判定に進み、条件が成立しな
い、すなわち非変速中の場合には直ちに処理を終了す
る。ステップ1404の判定で、タイマ=0である場
合、すなわち変速開始直後である場合には、初期設定と
してステップ1405で保持dNo/dtを0にし、ス
テップ1407の判定に進む。一方、ステップ1403
の判定でタイマ=0でない場合にはステップ1406の
判定に進む。ステップ1406におけるT3とは、図1
3で述べた最大値保持手段81が、変速機出力軸回転変
化率dNo/dt49の取り込みを行って、その最大値
を求めるための変速開始からの時間を表し、変速フェイ
ズに応じて設定される。ステップ1406の判定でタイ
マ値>T3の場合には、前記最大値検出中であるのでス
テップ1407の判定に進み、タイマ値がT3以上の場
合には前記最大値の検出は完了しているので、ステップ
1410で変速フェイズ45,保持された変速機出力軸
回転変化率dNo/dt49の最大値に応じて勾配を検
出し、ステップ1411でタイマ83の値を0にし、ス
テップ1412で変速状態を0にした後、処理を終了す
る。ここで、図13に示したトルク制御禁止判定手段8
4により、勾配に応じてトルク制御禁止を行う場合に
は、ステップ1410で変速フェイズ45,保持された
変速機出力軸回転変化率dNo/dt49の最大値に応
じてトルク制御の禁止判定を行い、その結果をトルク制
御手段6に出力すればよい。ステップ1407からステ
ップ1409は勾配検出のための変速機出力軸回転変化
率dNo/dt49の最大値を求める実際の処理であ
り、ステップ1407の判定でdNo/dt49が保持して
いる最大値よりも大きい場合にはステップ1408で最
大値の更新を行ってから、そうでない場合にはステップ
1408を行わずに、ステップ1409に進み、タイマ
83をカウントしてから処理を終了する。
【0024】図15から図16は本発明の第九実施例を
示す。図15は図1に示したトルク制御手段6の構成を
示すブロック図であり、一例としてエンジンの点火時期
の遅角、すなわちリタードを行う制御を示してある。図
15において、トルク制御手段6にはパラメータ設定手
段90,リタード制御量演算手段91が設けられてい
る。トルク制御手段6にはマスク終了信号54、および
トルク制御終了信号75が入力されており、マスク終了
信号54が入力されると処理を開始し、トルク制御終了
信号75が入力されると処理を終了する。パラメータ設
定手段90には変速フェイズ45が入力されており、こ
の変速フェイズに応じて、リタード制御量演算手段91
で用いる演算の各パラメータを設定する。リタード制御
量演算手段91は、前記パラメータと、入力された変速
機出力軸回転数変化率dNo/dt49とからリタード
制御量94を演算し、図1に示したアクチュエータ7、
あるいはエンジン制御装置32等のアクチュエータの制
御装置に出力すると同時に、リタード制御許可信号を出
力し、アクチュエータ7が出力したリタード制御量94
を反映して動作するように指令を与える。一例として、
変速機出力軸回転数変化率dNo/dt49が閾値U1
以上の場合に、基準値U2を越えたdNo/dt49の
値に対して、比例定数U3をかけてリタード制御量94
を求めるものとすると、閾値U1,基準値U2、及び比
例定数U3が前記パラメータであり、変速フェイズ45
に応じて決定される。また、リタード制御量演算手段9
1には、トルク制御禁止信号92や勾配93が入力され
ており、トルク制御禁止信号92の入力に対してリター
ド制御量94を0にしたり、リタード制御許可信号を不
許可とする等の方法により、リタード制御を中止し、あ
るいは入力された勾配93を用いてリタード制御量94
を演算することで、勾配路においても適切なトルク制御
を行い、すなわちショック低減を図ることができる。
【0025】図16は図15に示したトルク制御手段6
における信号処理の流れを示すフローチャートである。
図16において、ステップ1601で処理が開始される
と、ステップ1602で変速機出力軸回転数変化率dN
o/dt49,変速フェイズ45,トルク制御禁止信号
92の取り込みを行い、ステップ1603で変速状態≧
2であるか判定を行う。この変速状態は図2で示したも
のと同様で、ステップ1603における判定がNoの場
合、すなわち非変速中、あるいは前記マスク処理中であ
る場合にはトルク制御を行わないので、ステップ160
5でリタード制御許可フラグをOFFにして処理を終了
する。一方、ステップ1603の判定がYesの場合に
はステップ1604の判定を行う。ステップ1604に
おいてトルク制御禁止信号が入力されている場合には、
リタード制御を行わないので、ステップ1605でリタ
ード制御許可フラグをOFFにして処理を終了する。ま
たステップ1604の判定で、リタード制御禁止信号が
入力されていなければ、ステップ1606に進み、変速
フェイズ45に応じて設定された各演算パラメータ、お
よび変速機出力軸回転数変化率dNo/dt49からリ
タード制御量94を演算し、ステップ1607でリター
ド制御許可フラグをONにし、ステップ1608でアクチュ
エータ7、またはその制御装置にリタード制御量94を
出力して処理を終了する。図16に示した制御では、変
速ショックと強い相関性を持つ変速機出力軸回転数変化
率dNo/dtを用いてリタード制御量を決定し、パワ
ートレインのトルクを制御するため、各々の変速条件ご
とに細かくパラメータを設定する必要がなく、運転条件
の基本的要素のみを抽出してパラメータにより変更すれ
ば、多様な運転条件に対応できるので、設計時のパラメ
ータマッチングの工数低減が図れる。また、共通のステ
ップ1606のリタード制御量演算にあたり、変速フェ
イズ45,変速機出力軸回転数変化率dNo/dt49
に加え、勾配93を用いて演算を行えば、より的確なシ
ョック低減制御が可能となる。
【0026】図17は、本発明の効果を表すタイムチャ
ートである。図1に示した第一実施例の構成により、図
2に示した信号処理を行ったものである。なお、トルク
制御手段6としては図15に示した構成を用いている。
図17には一例として2速から1速へのダウンシフトを
行った場合の各波形を示している。図17において、ト
ルク制御を行わない場合、変速指令値1701が2速か
ら1速に変化して変速が開始されると、点線で示した変
速機出力軸回転数dNo/dt波形1705ははじめに
比較的小さな振動を示した後、一旦落ち込んでから大き
く立ち上がり、その後次第に1速の回転数変化率に落ち
着いていく。これに伴って、点線で示された車体加速度
の信号波形1706も、初期に小さな振動を示しながら
次第に上昇し、一旦落ち込んでから大きく立ち上がり、
その後急激に引いて次第に1速の加速度に収束する。こ
のように、変速中の車体加速度波形1706は、一旦落
ち込んでから急激に立ち上がり、その後さらに引くよう
に変化するため、運転者は車体加速度の急激な立ち上が
り部分を突き上げ感として不快に感じてしまう。従来、
このような変速ショックを低減するため、ギア比や出力
軸回転数変化率dNo/dt等の入力信号を用いて閾値
判定を行い、リタード制御を開始するタイミングを検出
し、そのタイミングにおいて変速条件に応じてあらかじ
め設定されたリタード制御を実行するものが多く見受け
られる。しかしながらこのような方法では、図17に示
した変速機出力軸回転数dNo/dt波形1705のよ
うに、変速開始後等でノイズとなる振動が現れるため
に、変速条件によってはノイズが閾値を越えて誤動作を
する可能性がある。また、リタード制御量は変速条件に
応じてあらかじめ決められた値を用いるため、適切なシ
ョック低減制御を行うためには変速条件を細かく分類
し、それぞれの条件ごとにパラメータをマッチングしな
ければならないため、開発時のマッチング工数が膨大な
ものになっていた。これに対し、本発明では変速ショッ
ク低減制御の対象外である変速開始から所定の期間をマ
スク時間1709として各処理を禁止して不要なリター
ド制御を防止し、また変速初期の変速機出力軸回転数d
No/dt波形1705の振動による誤動作を防ぐよう
にしたうえで、変速ショックと強い相関性を持つ変速機
出力軸回転数変化率dNo/dtを用いて、その場で演
算を行ってリタード制御量を決定するようにしたため、
誤動作なく、的確でばらつきのない変速ショック低減が
可能である。以下図17において、本発明による変速シ
ョック低減制御を行った場合について述べる。図17に
おいて、変速指令値1701が2速から1速へと変化
し、変速が開始してから一定期間はマスク時間1709
であり、この間トルク制御終了判定やリタード制御等の
各処理は行わない。マスク時間1709が終了すると、
実線で示した変速機出力軸回転数dNo/dt波形17
05に基づいて直ちにリタード制御が開始され、図17
に示したリタード制御量1702がエンジン制御装置3
2に出力され、エンジンの発生トルクが連続して制御さ
れる。同時に、トルク制御終了検出が行われ、実線のd
No/dt波形1705について上閾値1703,下閾
値1704による閾値判定が順次行われて前記リタード
制御の終了タイミングが検出される。このようにして、
リタード制御量1702が出力され、エンジンの発生ト
ルクが制御された結果、実線で示された車体加速度17
07は落ち込みの後の急激な突き上げが抑制され、不快
な変速ショックが低減された適切な加速度波形を得るこ
とができた。
【0027】図18は本発明の第十実施例を示し、図1
に示したパワートレイン制御装置1において、複数個の
アクチュエータを用いた場合の構成例を示すブロック図
である。図18において、パワートレイン制御装置1に
は少なくとも変速状態認識手段2が設けられており、変
速状態認識手段2には変速フェイズ判定手段8,変速開
始検出手段9,変速終了検出手段10が設けられてい
る。変速状態認識手段2およびその中に設けられた各手
段は図1で説明したものと同様である。また、パワート
レイン制御装置1にはアクチュエータ1 104を制御
するための制御手段1 101,アクチュエータ2 1
05を制御するための制御手段2 102,アクチュエ
ータn 106を制御するための制御手段n 103が
設けられている。制御手段1 101,制御手段2 1
02,制御手段n 103には変速状態認識手段2から
変速フェイズ45,変速開始信号44,変速終了検出信
号74等がそれぞれ入力されており、各制御手段はこれ
らの入力信号に基づいて協調して処理を行うことができ
るので、様々な変速条件で適切なショック低減が可能で
ある。
【0028】図19から図21に本発明の第十一実施例
を示す。図19は複数のアクチュエータを用いて、勾配
路においても効果的な変速ショック低減が図れるパワー
トレイン制御装置1の構成を示すブロック図である。図
19において、パワートレイン制御装置1には変速状態
認識手段2と、マスク手段3と、dNo/dt演算手段
4と、トルク制御終了判定手段5と、トルク制御手段6
と、勾配検出手段80と、油圧制御手段111と、トル
ク制御手112が設けられている。また、変速状態認識
手段2には、変速フェイズ判定手段8,変速開始検出手
段9,変速終了検出手段10が設けられている。図19
に示した構成手段のうち、変速フェイズ判定手段8,変
速開始検出手段9,変速終了検出手段10を含む変速状
態認識手段2、およびマスク手段3,dNo/dt演算
手段4,トルク制御終了判定手段5は図1に示したもの
と同様であり、変速指令値11や変速機出力軸回転数N
o検出手段12からの入力信号も図1と同様に各手段に
入力されている。勾配検出手段80は図13に示したも
のと同様の構成を持ち、勾配演算手段82で求めた勾配
を油圧制御手段111に出力する。油圧制御手段111
は入力された前記勾配に基づいて図3に示した動力伝達
機構21の油圧を制御し、図3の有段変速機22の特性
を変化させてトルク制御手段112によるパワートレイ
ンのトルク制御との協調により最適なショック低減制御
を行う。ここで、アクチュエータ1113は、例えば有
段変速機22の動作油圧を制御するソレノイドバルブで
ある。また、油圧制御手段111には、変速開始検出手
段9及びトルク制御終了判定手段5から変速開始信号4
4およびトルク制御終了信号75が入力されており、こ
れらの入力信号に基づいて油圧制御手段111は処理の
開始及び終了時期を決定する。さらに、油圧制御手段1
11には変速フェイズ45が入力されており、変速フェ
イズに応じて油圧の制御方法を変化させることで変速条
件に対応した油圧制御が可能である。トルク制御手段1
12にはマスク手段3からマスク終了信号54が、トル
ク制御終了判定手段5からトルク制御終了信号75が、
変速フェイズ判定手段8から変速フェイズ45が、dN
o/dt演算手段4から変速機出力軸回転数変化率dN
o/dt49がそれぞれ入力されており、図15に示し
たトルク制御手段6と同様に動作する。ただし図19に
示したパワートレイン制御装置1では、勾配の影響に対
して油圧制御手段111で対応し、変速時のショック低
減をトルク制御手段で取り除くようにしたため、トルク
制御手段112にはトルク制御禁止信号92や勾配93
を入力しなくてもよい。トルク制御手段112におい
て、トルク制御の手段として例えばエンジン点火時期の
リタード制御を行う場合にはトルク制御アクチュエータ
2 114に対してリタード制御量94,リタード制御
許可信号95を出力する。この場合、アクチュエータ1
14は例えば図3に示したエンジン制御装置32であ
る。このように構成されたパワートレイン制御装置を用
いれば、勾配路等における特殊な運転条件においても、
通常時と同様にトルク制御を行うことが可能であるため
効果的な変速ショック低減が可能である。
【0029】図20,図21は本発明の第十一実施例の
効果を示すタイムチャートで、図19に示した第十一実
施例の構成を用いて、一例として、上り勾配路における
2・1速のダウンシフトを実施した場合の各波形を示し
たものである。図20において、図19の油圧制御手段
111、及びアクチュエータ1 113を用いず、トル
ク制御のみを行った場合について、また図21において
油圧制御手段111、及びアクチュエータ1 113を
用いて、トルク制御手段112と協調制御を行った場合
について、変速指令値,図3の有段変速機22の動作油
圧,リタード制御量,変速機出力軸回転数変化率dNo
/dt,車体加速度の各波形を示して説明を行う。図2
0において、変速指令値2001が2速から1速にかわ
り変速が開始されると、トルク制御を行わない場合には
変速機出力軸回転数変化率dNo/dtは点線で示した波
形2006のように、比較的小さな振動の後、一旦落ち
込んでから立ち上がり、さらに引いて、次第に1速の回
転数変化率に落ち着いていく。これに伴って、点線で示
された車体加速度の信号波形2008も、変速開始から
次第に上昇し、一旦落ち込んでから立ち上がるが、上り
勾配を走行しているためにこの立ち上がりはさほど大き
なものではなく、従ってその後の引きはほとんど表れず
に1速の加速度に収束する。このため、運転者は変速シ
ョックをあまり感じないで、むしろ車体加速度波形20
08の一時的な低下を加速感の低下として不快に感じ
る。このような場合、図1に示した通常時のトルク制御
を実行し、実線で示した変速機出力軸回転数変化率dN
o/dt波形2007に応じてリタード制御量2003
を出力し、トルク制御を行ってしまうと車体加速度は実
線で示した波形2009のようになり、一旦落ち込んだ
後十分に立ち上がることができず、その後ゆっくりと上
昇して次第に1速のトルクに近づいて行く波形となるた
め、トルク制御によって変速中の非力感を一層強めてし
まうことになる。図21は、図19の油圧制御手段11
1を用いて図3に示した有段変速機22の特性を変化さ
せた場合の各波形を示したものである。油圧制御手段1
11における制御の一例として、図19で説明したよう
に、変速開始信号44に基づいて前記油圧を上昇させ、
トルク制御終了信号75が入力されると油圧をもとに戻
すように制御すると、トルク制御を行わない場合には変
速機出力軸回転数変化率dNo/dtは図21に点線で
示した波形2106のようになり、慣性分の放出が短期
間に行われるため、落ち込み,突き上げ、その後の引き
の変化が図20で示したdNo/dt波形2004と比
較してやや早めに変化するとともに、突き上げ時のピー
ク値等が大きくなり、鋭い波形変化を示す。これに伴
い、車体加速度も点線で示した波形2108のように落
ち込んだ後、大きく突き上げてから再び落ち込む鋭い波
形となり、運転者は、いくらかの変速ショックを感じる
とともに、変速時の車体加速度の落ち込み時間が短くな
るため、素早い変速であると感じる。このように油圧制
御を行って変速時の特性を変化させたうえで、さらに図
19のトルク制御手段112により協調してトルク制御
を行った場合について以下に述べる。図21において、
油圧を波形2102で示したように変化させたうえで、
マスク時間2110終了後、dNo/dt下閾値210
5による前記判定が終了するまでの間、実線で示した変
速機出力軸回転数変化率dNo/dt波形2107に基
づくリタード制御量2103を出力して前記トルク制御
を実行すると車体加速度は実線で示した波形2109の
ようになり、トルク制御により変速時の突き上げショッ
クが低減されている。この車体加速度波形2109を、
図20に点線で示した油圧制御,トルク制御を行わない
場合の上り勾配路における2・1ダウンシフト時の車体
加速度波形2008と比較すると、車体加速度が落ち込
む時間が短くなり、また落ち込み後の立ち上がりが素早
く、しかもオーバーシュートして突き上げ感をもたらす
ことなく1速の車体加速度に収束していることが分か
る。従って、油圧制御とトルク制御を協調して実施した
場合には、変速時間の短い、かつ変速ショックの少ない
変速を実現できる。
【0030】図22から図24に本発明の第十二実施例
を示す。図22は、図1に示した第一実施例を応用し
た、NDセレクト時のショック低減を図るパワートレイ
ン制御装置121の構成を示すブロック図である。図2
2のパワートレイン制御装置は、図3に示した動力伝達
機構21に入力される過大なトルクを制御することで、
ATセレクトレバーを操作によりエンジン20のトルク
を有段変速機22に伝えないセレクタの中立位置、すな
わちNレンジから、動力を伝え通常走行を行うためのD
レンジに入れる、いわゆるNDセレクトを行った時の変
速ショックを低減し、運転者に不快な衝撃を与えないと
ともに、動力伝達機構21の構成部品に過負荷がかかる
ことを防ぐ。これは、図3において、Nレンジではトル
クコンバータ23以降切断されていたエンジンからの動
力が、Dレンジに投入ると急激に有段変速機22から駆
動軸26に伝達されるため、駆動輪に急激なトルク変動
が生じ、運転者に不快なショックを与えてしまうことを
防止するものである。図22の有段変速機22におい
て、パワートレイン制御装置121にはNDモード判定
手段122,ND開始検出手段123,ND終了検出手
段124,NDトルク制御終了検出手段125,トルク
制御手段126が設けられ、また、NDトルク制御終了
検出手段125にはdNo/dtマイナス時間計測用タ
イマ128,比較手段129,閾値判定手段130が設
けられている。ND開始検出手段123は有段変速機2
2を含む動力伝達機構21の接続状態を選択するATセ
レクトレバーからの信号に基づき、NDセレクトが行わ
れたことを検出する。NDモード判定手段122ではN
D開始検出手段123からND開始信号が入力された
時、すなわち運転者によりNDセレクトが行われると処
理を開始し、入力された車速131,エンジン回転数N
e132,アクセル開度α133等からNDモードを判
定する。NDモードとは、NDセレクト時の状態を表す
パラメータで、ND終了検出手段124やNDトルク制
御終了検出手段125,トルク制御手段126はこのパ
ラメータに応じて処理を行い、トルク制御を実行,不実
行を決定し、あるいはトルク制御におけるパラメータを
調節して、適切なトルク制御を実行するものである。N
Dトルク制御終了検出手段125は入力された変速機出
力軸回転数変化率dNo/dt135に基づいてトルク
制御の終了時期を検出する。実験によれば、NDセレク
ト後、変速機出力軸回転数変化率dNo/dt135は
上下に大きく振動した後、一定期間負の値をとった後、
上昇して通常加速時の値に収束するように変化する。こ
れに伴って、車体前後加速度も上下に大きく振動した
後、一旦落ち込んでから再び突き上げ、その後次第に通
常時の加速度に収束する。運転者が不快に感じるのは車
体前後加速度の初期の振動と、続く突き上げ感であるの
で、NDセレクト時のトルク制御では、NDセレクト開
始からこの突き上げ部分までについてトルク制御を行
い、ショックを低減すればよく、その後は加速感を損な
うことになるためトルク制御を行うべきではない。そこ
で、NDトルク制御終了検出手段125に、dNo/d
tマイナス時間計測用タイマ128,比較手段129,
閾値判定手段130を設け、dNo/dtマイナス時間
計測用タイマ128において変速機出力軸回転数変化率
dNo/dt135が負の値を取り続ける時間を計測
し、比較手段129においてこの時間が所定の値に達し
たことを検出した後、さらに閾値判定手段130におい
て変速機出力軸回転数変化率dNo/dt135が所定
の値に達して、前記突き上げ部分に至ったことを検出し
て、NDトルク制御の終了判定検出とした。ここで、比
較手段129におけるdNo/dtマイナス時間の判定
閾値や、閾値判定手段130における突き上げ部分検出
のための閾値は前記NDモードに応じて設定される。
【0031】ND終了検出手段124はND開始検出手
段123からの信号を受けて処理を開始し、タイマ等を
用いてND操作後NDモードに基づく所定の期間が経過
するとND終了を検出し、NDトルク制御終了検出手段
125で終了検出が行われているいないに関わらず、全
ての処理を強制的に終了させる。これにより、誤動作等
でNDトルク制御の終了検出が正常に行われない場合で
も、通常走行に異常をきたすことがない。トルク制御手
段126は入力された変速機出力軸回転数変化率dNo
/dt135に基づいてトルク制御量を求め、アクチュ
エータ127に出力する。トルク制御手段126には前
記NDモードが入力されており、これに応じてトルク制
御手段126はトルク制御を実行し、またトルク制御量
演算時のパラメータを決定することで、より状況にあっ
たショック低減制御が可能である。トルク制御手段12
6の構成としては、例えば図15に示した構成があげら
れ、アクチュエータ127に対しリタード制御許可信号
95やリタード制御量94を出力する。
【0032】図23は図22に示したパワートレイン制
御装置121における信号処理の流れを示すフローチャ
ートである。図23に示した処理は例えば10msおき
の一定周期で繰り返し実行される。図23において、ス
テップ2301で処理が開始されると、ステップ230
2でND信号134,変速機出力軸回転数変化率dNo/
dt135,エンジン回転数Ne132,車速131の
取り込みを行い、ステップ2303でND状態≧1であ
るか判定を行う。このND状態はNDセレクト時のトル
ク制御に関する状態を表すもので、NDセレクト前、あ
るいはNDトルク制御終了後を状態値0,NDトルク制
御中で前記dNo/dtマイナス時間による判定を行っ
ている間は状態値1,NDトルク制御中で閾値判定手段
130による閾値判定を行っている間を状態値2で表し
たものであり、フラグとして用いる。ステップ2303
でND状態≧1、すなわちトルク制御中の場合にはステ
ップ2308の判定に進み、そうでない場合にはステッ
プ2304に進んで、ND開始、すなわち今回NDセレ
クトが行われたか否かを判定する。ステップ2304の判定
がYesの場合、ステップ2305に進み、Noの場合
にはステップ2307でトルク制御許可フラグをoffにし
て処理を終了する。ステップ2305では入力された車
速131やエンジン回転数Ne132等からNDトルク
制御を実行するかどうかの判定を行い、NDトルク制御
実行条件が成立した場合にはステップ2306でND状
態を1にしてステップ2308の判定に進み、成立しな
い場合にはステップ2307でトルク制御許可フラグを
offにして処理を終了する。ステップ2308の判定
において、ND状態=1、すなわちNDマイナス時間に
よる判定を行う場合にはステップ2309に進み、それ
以外、従って前記閾値判定を行う場合にはステップ23
18に進む。ステップ2309では変速機出力軸回転数
変化率dNo/dt135<S1の判定を行う。ここで
S1はdNo/dtのマイナス判定を行うための境界値
で、基本的には0であるが、前記NDに応じて最適な値
が設定される。ステップ2309でdNo/dt<S1
であればdNo/dtマイナス条件が成立しているので
ステップ2310でタイマをカウントした後、ステップ
2311に進み、dNo/dt<S1が成立しなければ
ステップ2317でタイマをクリアしてステップ231
4に進む。ステップ2311ではタイマ≧S2の判定を行
う。すなわち、タイマではdNo/dtが所定値S1以
下のまま継続している時間を測定しており、これがND
モードに応じて設定される時間S2に達すると、ステッ
プ2312でND状態=2として次の判定に進むように
し、ステップ2313でタイマをクリアしてからステッ
プ2313に進む。ステップ2311でタイマ値が判定
時間に達していない場合にはそのままステップ2314
に進む。
【0033】ステップ2314ではNDモードや入力さ
れた変速機出力軸回転数変化率等に基づいてトルク制御
量を演算し、ステップ2315でこの値を出力して、ス
テップ2316でトルク制御許可フラグをonにし、処
理を終了する。一方、ステップ2318に進んだ場合に
は、dNo/dt>S3の判定を行う。ここでS3は図
22の閾値判定手段130においてdNo/dt波形の
突き上げ部分を検出するための閾値で、入力されたdN
o/dt値がS3を越えてNDトルク制御終了が検出さ
れた場合にはステップ2319でND状態を0としてN
Dトルク制御を終了とし、ステップ2320でトルク制
御許可フラグをoffにして処理を終了する。
【0034】図24は本発明の第十二実施例の効果を示
すタイムチャートで、図22の構成により図23に示し
た信号処理を行ってNDセレクト時のショック低減を図
ったものである。図24において、ATセレクタ信号2
401がNレンジがらDレンジに変化するいわゆるND
セレクトの後、トルク制御を行わない場合には変速機出
力軸回転数変化率dNo/dtは点線で示した波形24
04にようになりNDセレクト後大きく振動した後、一
旦落ち込んでから急激に上昇し、再び落ち込んでから収
束する。これに伴って、車体加速度も点線で示した波形
2407のようにNDセレクト後激しい振動の後、一旦
落ち込み、突き上げてから再び低下して通常の加速度に
収束する。この激しい振動や突き上げによるショックは
運転者に不快であるばかりでなく、該パワートレインに
大きな機械的負荷をかけ、場合によっては駆動輪の空転
を招く等好ましくない。そこで、本発明のNDトルク制
御を実行し、実線で示された変速機出力軸回転数変化率
dNo/dt2405に基づいてトルク制御量を演算
し、図中の波形2402で示したリタード制御量を図3
のエンジン制御装置32に出力してエンジンの発生トル
クを制御すると、車体前後加速度は実線で示した波形2
408のようになり、前記NDセレクト直後の振動が抑
制され、また、不快な突き上げ部分を取り除くことがで
きた。このように本発明によるNDトルク制御を用いれ
ば、パワートレインの過大なトルクを抑制し、駆動系に
発生する振動を抑えてパワートレイン系にかかる不要な
負荷を取り除くことができる。
【0035】なお、以上の実施例は複数個の歯車のかみ
合わせにより回転とトルクを伝達する有段式の変速機構
についてであるが、本発明は他の方式の変速機構、例え
ばベルトを用いた無段式の変速機構でも同様の考え方が
適用できることはいうまでもない。
【0036】以上をまとめると以下のような構成によ
り、ショック低減制御における上記問題点を解決し、あ
らゆる変速条件に広く対応可能で、かつショックを的確
に低減できるパワートレインの制御方法及び制御装置を
提供できるという顕著な効果を達成することができる。
【0037】(1) エンジンと、該エンジンの出力軸
にトルクコンバータを介して接続された変速機構と該変
速機構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とか
らなるパワートレインを備えた自動車のパワートレイン
の制御方法において、前記自動変速機の出力軸の回転数
変化率を検出し、該回転変化率の値に応じて該パワート
レインのトルクの制御を行う。
【0038】(2) (1)において、前記エンジンの
点火時期を変化させ、該エンジンの発生トルクを制御し
て、前記パワートレインの出力軸のトルク制御を行う。
【0039】(3) (1)において、前記エンジンの
吸入空気量,燃料量のうち少なくともいずれかひとつを
変化させ、該エンジンの発生トルクを制御して、前記パ
ワートレインの出力軸のトルク制御を行う。
【0040】(4) エンジンと、該エンジンの出力軸
にトルクコンバータを介して接続されている変速機構と
該変速機構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機
とからなるパワートレインを備えた自動車のパワートレ
インの制御方法において、前記自動変速機の出力軸回転
数を検出し、該出力軸回転数から回転数変化率を求め、
該回転変化率の値に応じて該出力軸のトルクの制御を行
う。
【0041】(5) (4)において、セレクトレバー
位置がニュートラルからドライブにかわってから所定の
期間、前記変速機出力軸回転変化率に基づいてパワート
レインの前記出力軸のトルク制御を行う。
【0042】(6) (4)において、セレクトレバー
位置がニュートラルからドライブにかわった時点を検出
し、該時点から、前記変速機出力軸回転変化率に基づい
てパワートレインの前記出力軸のトルク制御を行うとと
もに、該トルクの終了時期を検出し、該終了時期が検出
されると前記トルク制御を終了する。
【0043】(7) (6)において、セレクトレバー
位置がニュートラルからドライブにかわってから所定の
時間の経過をタイマを用いて検出し、該所定の時間の経
過時点を前記出力軸のトルク制御の終了時期とする。
【0044】(8) (6)において、前記セレクトレ
バー位置がニュートラルからドライブにかわってから前
記出力軸のトルク制御の終了時期までの時間を、変速条
件に応じてかえる。
【0045】(9) (6)において、前記変速機出力
軸回転変化率の所定期間における平均値を演算し、一定
期間、該回転変化率が平均値に対して所定の偏差を越え
なくなると前記出力軸のトルク制御の終了時期として検
出する。
【0046】(10) (9)において、前記出力軸の
トルク制御の終了時期の検出のための回転変化率の偏差
を、変速条件に応じてかえる。
【0047】(11) (4)において、前記エンジン
の点火時期を変化させ、該エンジンの発生トルクを制御
して、前記パワートレインの出力軸のトルク制御を行
う。
【0048】(12) (4)において、前記エンジン
の吸入空気量,燃料量のうち少なくともいずれかひとつ
を変化させ、該エンジンの発生トルクを制御して、前記
パワートレインの出力軸のトルク制御を行う。
【0049】(13) エンジンと、該エンジンの出力
軸にトルクコンバータを介して接続されている変速機構
と該変速機構を動作させる油圧機構とを有する自動変速
機とからなるパワートレインを備えた自動車のパワート
レインの制御方法において、変速の開始を示す変速開始
時期を検出し、前記自動変速機の出力軸回転数を検出
し、該出力軸回転数から回転数変化率を求め、検出され
た前記変速開始時期から所定の時間マスクを行い、該マ
スク処理終了後、所定の期間、前記変速機出力軸回転変
化率の値に応じて前記出力軸のトルク制御を行う。
【0050】(14) (13)において、前記マスク
を行う時間を変速条件に応じて演算で求める。
【0051】(15) (13)において、前記出力軸
トルクの制御量を、前記変速機出力軸回転変化率に比例
して決める。
【0052】(16) (15)において、前記トルク
制御量を演算するための比例定数を運転条件に応じてか
える。
【0053】(17) (13)において、前記出力軸
トルクの制御量を、前記変速機出力軸回転変化率が所定
の閾値より大きい場合には、該回転変化率の値に比例し
て決め、前記変速機出力軸回転変化率が前記閾値以下で
ある場合には前記トルク制御量を零とする。
【0054】(18) (17)において、前記閾値が
零である。
【0055】(19) (13)において、変速の終了
を示す変速終了時期を検出し、前記出力軸トルクの制御
を、マスク終了後、変速終了時期を検出するまでの期間
行う。
【0056】(20) (19)において、前記変速終
了時期は、前記変速機出力軸回転変化率を用いて検出す
る。
【0057】(21) (20)において、前記変速機
出力軸回転変化率の値が、上閾値を越えた後、これとは
別に用意された下閾値以下となった時点を前記変速終了
時期として検出する。
【0058】(22) (21)において、前記上閾値
および下閾値を、変速状態に応じてかえる。
【0059】(23) (20)において、演算により
求めた変速比が所定の閾値に達した時点を前記変速終了
時期として検出する。
【0060】(24) (23)において、前記変速比
の閾値を、変速状態に応じてかえる。
【0061】(25) (13)において、走行路面の
勾配を検出し、前記検出された勾配が所定の閾値よりも
大きい場合には前記出力軸のトルク制御を禁止する。
【0062】(26) (25)において、前記勾配の
閾値を変速条件に応じてかえる。
【0063】(27) (13)において、走行路面の
勾配を検出し、変速比の高速段から低速段へのダウンシ
フト時に、前記検出された勾配が所定の閾値よりも大き
い場合には前記出力軸のトルク制御を禁止する。
【0064】(28) (27)において、前記勾配の
閾値を変速条件に応じてかえる。
【0065】(29) (13)において、走行路面の
勾配を検出し、前記検出された勾配の値に応じて前記自
動変速機の変速機構を動作させる油圧機構の油圧をかえ
る。
【0066】(30) (13)において、走行路面の
勾配を検出し、変速比の高速段から低速段へのダウンシ
フト時に、前記検出された勾配の値に応じて前記油圧機
構の油圧をかえ、前記勾配の値に関わらず前記出力軸の
トルク制御を行う。
【0067】(31) (30)において、前記勾配の
検出を、前記変速機出力軸回転変化率を用いて行う。
【0068】(32) (13)において、前記エンジ
ンの点火時期を変化させ、該エンジンの発生トルクを制
御して、前記パワートレインの出力軸のトルク制御を行
う。
【0069】(33) (13)において、前記エンジ
ンの吸入空気量,燃料量のうち少なくともいずれかひと
つを変化させ、該エンジンの発生トルクを制御して、前
記パワートレインの出力軸のトルク制御を行う。
【0070】(34) エンジンと、該エンジンの出力
軸にトルクコンバータを介して接続されている変速機と
該変速機構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機
とからなるパワートレインを備えた自動車の制御方法に
おいて、前記自動変速機の出力軸回転数を検出し、該出
力軸回転数から回転数変化率を求め、該回転数変化率を
用いて勾配を検出する。
【0071】(35) (34)において、前記勾配の
検出を、変速開始後の所定期間内における、前記変速機
出力軸回転変化率の最大値に基づいて行う。
【0072】
【発明の効果】走行状態、あるいは変速状態に見合った
パワートレインのトルク制御が可能となるため、変速状
態を細かく分類して、それぞれの条件ごとにトルク制御
量等をマッチングする必要がなくなるため、汎用性が高
くなる。また、パワートレインへの過剰な入力トルクに
応じて制御を行う方式であるため、トルク制御の実行期
間を厳密に限定する必要がなく、広い範囲にわたってシ
ョック低減が行える。さらに、トルク制御実行時期のず
れにより変速に悪影響を及ぼす恐れがないので、開始点
を明確に検出する必要がなく開発時の工数を低減でき
る。また仮に誤動作した場合でも走行に致命的な欠陥を
与えることがないことから、フェイルセーフ性の高いシ
ステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パワートレインの制御装置の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】図1の信号処理の流れを示すフローチャート。
【図3】制御装置間の信号伝達経路を説明する模式図。
【図4】図1に示した変速フェイズ判定手段の構成を示
すブロック図。
【図5】図4の信号処理の流れを示すフローチャート。
【図6】図1に示した変速フェイズ判定手段の構成を示
すブロック図。
【図7】図1に示したマスク手段の構成を示すブロック
図。
【図8】図7の信号処理の流れを示すフローチャート。
【図9】図1のdNo/dt演算手段で用いるフィルタ
ーの動作を説明するタイムチャート。
【図10】図1に示したトルク制御終了判定手段の構成
を示すブロック図。
【図11】図10の信号処理の流れを示すフローチャー
ト。
【図12】勾配に対応可能なトルク制御終了判定手段の
構成を示すブロック図。
【図13】勾配時にトルク制御を禁止可能なパワートレ
イン制御装置の構成を示すブロック図。
【図14】図13の信号処理の流れを示すフローチャー
ト。
【図15】図1のトルク制御手段の構成を示すブロック
図。
【図16】図15の信号処理の流れを示すフローチャー
ト。
【図17】図1に示したパワートレイン制御装置を用い
たときの効果を表すタイムチャート。
【図18】図1に示したパワートレイン制御装置におい
て、複数個のアクチュエータを用いた場合の構成例を示
すブロック図。
【図19】複数個のアクチュエータを用いて、勾配路で
効果的な変速ショック低減が図れるパワートレイン制御
装置の構成を示すブロック図。
【図20】上り勾配路におけるトルク制御の問題点を示
すタイムチャート。
【図21】図19に示したパワートレイン制御装置を用
いた時の効果を示すタイムチャート。
【図22】NDセレクト時にトルク制御を行うパワート
レイン制御装置の構成を示すブロック図。
【図23】図15の信号処理の流れを示すフローチャー
ト。
【図24】図22に示したパワートレイン制御装置を用
いた時の効果を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…パワートレイン制御装置、2…変速状態認識手段、
3…マスク手段、4…dNo/dt演算手段、5…トル
ク制御終了判定手段、6…トルク制御手段、7…アクチ
ュエータ、8…変速フェイズ判定手段、9…変速開始検
出手段、10…変速終了検出手段、11…変速指令値、
12…変速機出力軸回転数No検出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:48 59:66 59:68

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続された変速機構と該変速機構を
    動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからなるパ
    ワートレインを備えた自動車のパワートレインの制御方
    法において、 前記自動変速機の出力軸の回転数変化率を検出し、 該回転変化率の値に応じて該パワートレインのトルクの
    制御を行うことを特徴とするパワートレインの制御方
    法。
  2. 【請求項2】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続されている変速機構と該変速機
    構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからな
    るパワートレインを備えた自動車のパワートレインの制
    御方法において、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出し、 該出力軸回転数から回転数変化率を求め、 該回転変化率の値に応じて該出力軸のトルクの制御を行
    うことを特徴とするパワートレインの制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2の記載において、 セレクトレバー位置がニュートラルからドライブにかわ
    ってから所定の期間、前記変速機出力軸回転変化率に基
    づいてパワートレインの前記出力軸のトルク制御を行う
    ことを特徴とするパワートレインの制御方法。
  4. 【請求項4】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続されている変速機構と該変速機
    構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからな
    るパワートレインを備えた自動車のパワートレインの制
    御方法において、 変速の開始を示す変速開始時期を検出し、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出し、 該出力軸回転数から回転数変化率を求め、 検出された前記変速開始時期から所定の時間マスクを行
    い、 該マスク処理終了後、所定の期間、前記変速機出力軸回
    転変化率の値に応じて前記出力軸のトルク制御を行うこ
    とを特徴とするパワートレインの制御方法。
  5. 【請求項5】請求項4の記載において、前記マスクを行
    う時間を変速条件に応じて演算で求めることを特徴とす
    るパワートレインの制御方法。
  6. 【請求項6】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続されている変速機と該変速機構
    を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからなる
    パワートレインを備えた自動車の制御方法において、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出し、 該出力軸回転数から回転数変化率を求め、 該回転数変化率を用いて勾配を検出することを特徴とす
    るパワートレインの制御方法。
  7. 【請求項7】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続された変速機構と該変速機構を
    動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからなるパ
    ワートレインを備えた自動車のパワートレインの制御装
    置において、 前記自動変速機の出力軸の回転数変化率を検出する回転
    数変化率検出手段、 該回転変化率の値に応じて該パワートレインのトルクの
    制御を行うトルク制御手段を有することを特徴とするパ
    ワートレインの制御装置。
  8. 【請求項8】エンジンと、該エンジンの出力軸にトルク
    コンバータを介して接続されている変速機構と該変速機
    構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからな
    るパワートレインを備えた自動車のパワートレインの制
    御装置において、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数
    検出手段、 該出力軸回転数から回転数変化率を求める回転数変化率
    演算手段、 該回転変化率の値に応じて該出力軸のトルクの制御を行
    うトルク制御手段を有することを特徴とするパワートレ
    インの制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8の記載において、 前記トルク制御手段は、セレクトレバー位置がニュート
    ラルからドライブにかわってから所定の期間、前記変速
    機出力軸回転変化率に基づいてパワートレインの前記出
    力軸のトルク制御を行うことを特徴とするパワートレイ
    ンの制御装置。
  10. 【請求項10】エンジンと、該エンジンの出力軸にトル
    クコンバータを介して接続されている変速機構と該変速
    機構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とから
    なるパワートレインを備えた自動車のパワートレインの
    制御装置において、 変速の開始を示す変速開始時期を検出する変速開始時期
    検出手段、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数
    検出手段、 該出力軸回転数から回転数変化率を求める回転数変化率
    演算手段、 検出された前記変速開始時期から所定の時間、前記回転
    数変化率の出力に対してマスクを行うマスク手段、 該マスク処理終了後、所定の期間、前記変速機出力軸回
    転変化率の値に応じて前記出力軸のトルク制御を行うト
    ルク制御手段を有することを特徴とするパワートレイン
    の制御装置。
  11. 【請求項11】請求項10の記載において、前記マスク
    手段は前記マスクを行う時間を変速条件に応じて演算で
    求めることを特徴とするパワートレインの制御装置。
  12. 【請求項12】エンジンと、該エンジンの出力軸にトル
    クコンバータを介して接続されている変速機と該変速機
    構を動作させる油圧機構とを有する自動変速機とからな
    るパワートレインを備えた自動車の制御装置において、 前記自動変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数
    検出手段、 該出力軸回転数から回転数変化率を求める回転数変化率
    演算手段、 該回転数変化率を用いて路面勾配を検出する勾配検出手
    段を有することを特徴とするパワートレインの制御装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007522397A (ja) * 2004-02-17 2007-08-09 フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト 自動車の駆動歯車列においてトルク伝動する少なくとも二つの並列なクラッチを作動する方法と伝動装置制御部

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