JPH0966695A - 複式筆記具 - Google Patents

複式筆記具

Info

Publication number
JPH0966695A
JPH0966695A JP7243924A JP24392495A JPH0966695A JP H0966695 A JPH0966695 A JP H0966695A JP 7243924 A JP7243924 A JP 7243924A JP 24392495 A JP24392495 A JP 24392495A JP H0966695 A JPH0966695 A JP H0966695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
writing
ink
ball
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7243924A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kobayashi
小林  清一
Hiroyuki Muto
広行 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP7243924A priority Critical patent/JPH0966695A/ja
Publication of JPH0966695A publication Critical patent/JPH0966695A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ボテや筆記掠れがなく、また、インキの直流
・逆流で手や衣服などを汚すことがない、携帯性と使い
勝手の良い複式筆記具。 【解決手段】 インク収容管16内に剪断減粘性を有す
る水性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキを充填
する。インキの後端には、筆記に伴うインキの消耗に追
随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフ
ォロアを充填する。ボールペン筆記体1a、1bは、イ
ンキ収容管のインキ収容部が比較的大きな断面積を有し
た非変形のものとし、先端ボールがチップ10先端のボ
ール抱持部の内縁に常時は押圧して密接し、筆記時には
密接状態が解除されるようにスプリングを設ける。当該
ボールペン筆記体を少なくとも1本含む複数の筆記体を
搭載して、軸先から選択的にそれぞれの先端部を出没さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剪断減粘性の水性、低
粘度の油性ボールペンインキが充填されてなるボールペ
ン筆記体を搭載して成る複式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールペンは、ボール、チップホルダー
からなるペン先、インキ収容管、ペン軸などから構成さ
れる。このボールペンによる筆記は、ペン先のボールの
回転によりチップ内部より流出してくるインキが紙など
の記録体に転写若しくは浸透し、特に転写により、筆跡
・描線をつくりだす。
【0003】水性ボールペンは、粘度が数mPa・S以
下の低粘性であるため、軽い筆記圧で書けることが利点
であり、書き味が良好である特徴がある。しかしなが
ら、インキがペン先からだらだらと流れ出る直流現象
や、反対にボールペンの先から空気が流入してインキが
流出する逆流現象などが起こり易い欠点がある。これら
の現象は中綿と称する繊維の収束体などを用いて防止す
る方法がとられている。又、キャップオフの状態で放置
すると、溶媒の蒸気圧が高く、溶媒がれのため、先端が
乾燥してインキが流出しなくなり、書けなくなってしま
うという問題がある。
【0004】一方、従来知られている油性ボールペン
は、それに使用するインキが粘度が数千mPa・S以上
の高粘度の為に、ペン先からインキが流出する際にボー
ルが回転する時の抵抗が大きいため書き味が悪い欠点が
ある。又、筆記の際に先端から流出するインキ量は少な
く、ボテ現象があり、筆記描線のムラがあり筆跡濃度が
薄いこと、高い筆記圧が必要なことなどの問題がある。
この油性ボールペンの改良として、 最近、上記の水性
と油性との中間粘度領域(数mPa・S〜数千mPa・
S)のインキを用いる中粘度と呼ばれる水性インキ用ボ
ールペンが開発されている。このものは、先端ボールの
回転によって粘度が低下してインキがスムーズに流出す
る特性、所謂剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性
のインキを用いたボールペンである。しかしながら、こ
のものはインキが乾燥しやすい欠点があるために通常は
筆記先端部をシールするキャップが必要である。又、イ
ンキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにイン
キ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要
がある。
【0005】又、上記油性ボールペンの改良として、耐
乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペン
が考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆
記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてイン
キの充填量を多くする必要がある。又、インキの粘度が
低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボール
とチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直
流)が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠
点がある。
【0006】上記、中粘度の水性インキ、低粘度の油性
インキの何れも低粘性であることからインキが逆流や直
流しやすい現象がある。インキが逆流や直流を起こすと
衣類などを汚す危険がある。又、落下やノック衝撃で筆
記掠れが生じやすい欠点がある。又、中粘度の水性ボー
ルペンは、通常インキ収容管後端に、フォロアと称され
るグリース状の半透明不乾性物質が充填されるので、イ
ンキ蒸発防止の問題はペン先、即ちボールとホルダーの
間隙からの蒸発低減化を考えればよい。例えば、油性ボ
ールペンのように蒸気圧がかなり低い溶剤を主として用
いれば、インキの蒸発は考慮しないですむ。しかし、水
性インキの場合は水が主溶剤なので、低蒸気圧溶剤を選
択しただけでは、水の蒸発を防げない。
【0007】又、従来の複式筆記具として、2本の筆記
体を案内する摺動溝を有して先軸に対し固着されるガイ
ド筒と、当該ガイド筒に嵌装される二本の筆記体に取付
けられた摺動コマに接するカム斜面を前端部に有すると
共に後端はノック部となしてキャップに対し軸方向に移
動自在に且つ円周方向の回転は一体となるよう装着され
た円筒カムを備え、先軸に対するキャップの回転操作に
より二本の筆記体を軸先端口に於いて選択的に出没可能
とした複式筆記具が存在する。
【0008】又、中粘度の水性、低粘度の油性ボールペ
ンはインキ収容管が太くなるために通常の太さの複式筆
記具に搭載した場合、筆記体間の自由度がなく突出する
筆記体の先端部が軸筒の先端孔にスムーズに求心され
ず、作動が阻害されて筆記先端部の出没が不可となる。
従って、作動を可能とするために軸筒が極端に太くなっ
て、携帯性、使い勝手が悪くなる欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、即ち、インキの逆流、直流
現象が生じず、ペン先の耐乾燥性が維持されてキャップ
を外して放置することができ、又、落下衝撃、上向き筆
記によるインキの逆流やインキの直流を防止する機構を
有する中粘度の水性、低粘度の油性ボールペンの筆記体
を構成し、当該ボールペン筆記体を少なくとも1本有し
た、複数の筆記体を軸筒内に搭載して、軸筒先端から夫
々の筆記体の筆記先端部を選択的に出没可能とした、携
帯性、使い勝手に優れた複式筆記具を提供することにあ
る。又、不使用時に当該ボールペン筆記体を軸筒内に収
納するだけでなく、筆記先端を突出させたまま胸ポケッ
ト等に差しても服を汚すことなく筆記先端を軸内に収納
させ、更には軸筒内に満載状態で且つ直線的な筆記体が
進退動作を円滑に行うことができるようにして、軸筒の
外形とその先端形状をなるべく小さくすることができる
ようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複式筆記具は、
先端ボールを抱持するチップと後方にインク収容管を有
し、該インク収容管内に筆記に伴う先端ボールの回転で
粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水
性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキが充填さ
れ、前記インキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随
して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォ
ロアが充填されて構成されたボールペン筆記体に於い
て、当該ボールペン筆記体は、前記インキ収容管のイン
キ収容部が比較的大きな断面積を有した非変形のもので
あって、前記先端ボールがチップ先端のボール抱持部の
内縁に常時には押圧して密接し、筆記時には密接状態が
解除されるように設けられたスプリングを有することか
らなり、当該ボールペン筆記体を少なくとも1本含む複
数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に夫々の筆記体
の先端部を出没可能とする。
【0011】又、ボールペン筆記体に於いて、先端ボー
ルがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時には押圧し
て密接し、筆記時には密接状態が解除されるように設け
られたスプリングを有し、更に、チップ後端に対接して
ボール弁が遊嵌された弁室が設けられ、該弁室後部にボ
ール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座及び
該ボール受け座からインキ収容管に通ずる導孔が設けら
れて、インキの直流、逆流、筆記掠れを防止可能とす
る。
【0012】又、本発明の複式筆記具は、軸筒に偏心位
置にて先端孔を備え、軸筒の内側にて選択的に筆記位置
と収納位置に進退可能に配設され、インクを筆記先端ま
で導くようにした複数本の水性ボールペン等筆記体と、
各筆記体の後側に取付けられた摺動コマと、軸筒の内側
に回転可能に挿入され、各摺動コマを摺動のみ可能に支
持するガイド筒と、前面に傾斜状のカム斜面を有した筒
状の円筒カムの側面に係止突起を備えて、軸筒の内側に
軸推移のみ可能な関係に設け、ガイド筒を回転した時に
各筆記体を進後退させると共にガイド筒の回転と連動し
て選択的に各筆記体を先端孔近傍に位置させ、円筒カム
を前進させて係止突起がクリップの先端に設けた係合段
部に係止した状態で筆記先端が先端孔から突出可能とす
る。
【0013】
【実施例】先ず、図1乃至図4は本発明の実施例を示し
ている。図1に於いて、2本のボールペン筆記体1a,
1bが設けられている。本発明の意図する複式筆記具
は、所謂剪断減粘性を有した水性、又は低粘度の油性ボ
ールペンインキが充填されたボールペン筆記体を少なく
とも1本搭載したものであって、他の筆記体としてはシ
ャープペンシル筆記体、通常の油性ボールペン等筆記体
が適用されるものである。
【0014】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1及び図2に示すように軸筒は着脱
可能な先軸30と後軸31で構成され、先軸30の先端
部が軸心に対し偏心して次第に先細りに形成され、先端
の偏心位置に先端孔32が形成されている。後軸31の
先端孔には接合筒62が取付けられ、接合筒62には後
軸31と相互に固着する係止部63と先軸30の後端孔
に着脱自在で相互に回転方向で位置決めされて止着可能
な連結部64が形成されている。
【0015】先軸30の内側には先端孔32に対し2本
のボールペン筆記体1aと1bが選択的に筆記位置と収
納位置に進退可能に配設されている。ボールペン筆記体
1aと1bは同じ構成であり半円状の平坦部を対向させ
た位置関係で先軸30内に満載状に配設される。尚、ボ
ールペン筆記体1a,1bの詳細に付いては後述する。
【0016】ボールペン筆記体1aと1bの後側には夫
々摺動コマ53,53`が連結される。摺動コマ53,
53`は同じ構成で、その前側には受け軸54,54`
が一体的に突設されて、受け軸54の先端部外周にはボ
ールペン筆記体1a後端の尾栓20と着脱自在に止着す
る環状部位が設けられている。尚、ボールペン筆記体1
bも同じである。又、摺動コマ53,53`の後方外面
は弧面に形成され、この弧面の中央部に後述する円筒カ
ム36のカム斜面38に従動する突起56,56`が設
けられている。従って、各ボールペン筆記体と各摺動コ
マを互いに引いて各ボールペン筆記体の尾栓を各受け軸
の環状部位から離脱させることによりボールペン筆記体
を交換して、又、受け軸を介して各摺動コマと連結する
ことができる。
【0017】後軸31の内側にはガイド筒33が回転可
能に挿入されている。このガイド筒33は軸心方向に沿
い略180度隔てて一対のガイド溝34,34`が形成
され、先端に各ガイド溝34,34`に対向してばね受
け61と該ばね受け61には上記受け軸54,54`を
挿通する孔62,62`が設けられている。又、ガイド
筒33のガイド溝34,34`に上記摺動コマ53,5
3`がその従動用の突起56,56`を略180度隔て
て摺動のみ可能に挿入され、各摺動コマの前端とばね受
け61との間には夫々リターンスプリング55,55`
が各摺動コマを後方に常時附勢している。又、各従動用
突起が各ガイド溝の外方に適宜突出されている。又更
に、ガイド筒33の先端には前述した接合筒63の後端
より後側で後軸31と回転のみ可能に固定される係止部
47が形成され、後端には後述するノック棒39を軸推
移のみ可能に嵌装する孔35を有した軸部66が形成さ
れている。
【0018】後軸31の内側には、ガイド筒33の外周
に円筒カム36が挿入されている。この円筒カム36は
その前面に上記摺動コマ53,53`の上記突起56,
56`を接触させて進後退可能に従動させる緩やかな傾
斜を有したカム斜面38が形成され、カム斜面38の頂
点には突起56,56`と夫々係止して、筆記先端部を
先端孔32から突出状態に位置決めする切欠(図示せ
ず)が設けられ、又、カム斜面38の頂点近傍で円筒カ
ム36の側面には後述するクリップ49の先端に設けた
係合段部52と係止する係合突起37が形成され、カム
斜面38の底部にはやはり後述する後軸31の段部45
と当接して円筒カム36の後退位置を規制する突部46
が形成されている。
【0019】一方、後軸31は後端の側面に台状の基部
43が形成され、基部43にはクリップ49の板状のク
リップ板50の後端屈曲部が固着されて更に釦58と先
端部59を備えた操作部材57が、クリップ板50に穿
設された窓から釦58を突出させた状態で軸支されてい
る。釦58を軸内方に押圧すると梃子式に先端部59が
クリップ49の先方を持ち上げるよう構成されている。
又、クリップ板50の先端には前述した円筒カム36の
係合突起37と係止する係合段部52を下面に有した玉
部51が固着されている。又、クリップ49の下面に対
向した後軸31の側面には長めのスリット42が穿設さ
れている。
【0020】以上により、後軸31の先端孔から上記円
筒カム36が挿入されて係合突起37がスリット42に
弾性的に嵌入し、突部46が後軸内後端の段部45に当
接させて、円筒カム36の後退規制をする。続いて、後
軸31の先端孔から受け軸54,54`と一体化しリタ
ーンスプリング55,55`を介装した摺動コマ53,
53`を取付けたガイド筒33が挿入され、係止部47
で後軸と回動のみ可能に固定されると共に、後軸31の
後端孔から突出した円筒カム36の後端部の孔にガイド
筒33後端の軸部66の孔35に軸推移のみ可能に嵌装
する部位を有したノック棒39の軸部41を嵌装した状
態でノック棒39が回転のみ可能に止着される。又更
に、後軸31の先端孔には接合筒63が係止部64で一
体に固着され、その先方の連結部65には筆記体を配設
した状態で先軸1が先端孔32の偏心方向を位置決めし
た状態で着脱可能に止着される。ところで、上記円筒カ
ム36は係合突起37がスリット42に嵌装しているの
で後軸31と軸推移のみ可能になっているが、確実にす
る為に円筒カム36と後軸31の内側で別の回転止め部
位を形成することもできる。
【0021】次に、本発明の複式筆記具に搭載されるボ
ールペン筆記体1aに付いて説明する。尚、ボールペン
筆記体1aと1bは同じ構成であり、例えば、インキ色
などが異なるものである。又、ボールペン筆記体に適用
されるインキは所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度の
油性インキである。
【0022】図3に示すようにチップ10は、インキ流
入可能なチャンネルを有した座に先端ボール11が略当
接した状態で、先端ボール11が回転自在に抱持される
ようカシメられている。又、チップ10の内孔部にスプ
リング13が内挿され、スプリング13の後端が抜出不
能となるようにチップの軸部12の後端を適宜カシメて
いる。又、先端ボール11がチップ抱持部の内面に密接
することは筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極
めて重要であって、そのために先端ボールを抱持するチ
ップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する
為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的
な塑性加工が配慮される。又、先端ボールとの密接面に
表面処理などが配慮される。
【0023】又、スプリング13の先方は直立状の棒軸
部14となり、当該棒軸部14の先端が先端ボール11
の後端に押圧状態で当接する。尚、先端ボール11はそ
の押圧によってチップ10のボール抱持部(カシメなど
で形成)の内縁に密接状態となる。
【0024】又、継ぎ手2は先端にチップ10の軸部1
2を圧着する前軸部3とインキ収容管16の前端に圧着
される後軸部4で形成されている。又、前軸部3の内孔
部後方にはボール弁15が遊嵌している弁室6があり、
該弁室6の後方にはテーパー状又は球面状のボール受け
座7と軸心に適宜偏心して設けられた導孔8とが設けら
れてインキ収容管16の内孔に連通している。又、弁室
6の内壁の一側には、軸方向にインキが流れるように溝
部を設けている。(図示せず)この弁室6内に遊嵌して
いるボール弁15は、チップ10を下向きにした状態で
は、チップの軸部12の後端に偏った状態に接してイン
キ流路を形成し、インキ収容管のインキは導孔8を通り
前記溝部、前記インキ流路をなどを通じてチップ内孔部
に流入する。逆に上向きの状態ではボール弁15がボー
ル受け座7に当接してインキの逆流を防止する機能が得
られる。
【0025】又、インキ収容管16内には上記ボールペ
ンのインキ17が充填され、更に、このインキ17の後
端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移
動可能なグリース状の半透明不乾性物から成るフォロア
18が充填される。又、落下やノック衝撃等による変形
を防止するために必要に応じてフォロア18内にフォロ
アと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒19が浸
漬される。尚、上記インキ収容管16は一例として透明
PP樹脂成形品等が使用される。又、インキ収容管をク
リアドレン性に優れた材質で選定する。又、インキ収容
管16は継ぎ手2と一体に形成されてもよい。
【0026】又、インキ収容管16のインキ収容部は比
較的大きな断面積を有した非変形のものであって、実施
例では先軸30内に無駄なく嵌挿する略D形の断面形状
を有している。(図4参照)
【0027】
【作用】次に、本発明の作用について説明する。今、図
1に示すようにボールペン筆記体1aの摺動コマ53の
従動用の突起56が円筒カム36の頂部の切欠に係止さ
れてボールペン筆記体1aの筆記先端部が先軸30の先
端孔32内近傍に位置された状態から、図2に示すよう
にノック棒39の後端をノックすると、円筒カム36の
係合突起37がクリップの玉部51の係合段部52に係
止して筆記先端部が先端孔32から突出して筆記状態と
なる。この時、ボールペン筆記体1bの摺動コマ53`
の従動用の突起56`がガイド溝34`の終端面に当接
されてボールペン筆記体1bは収納位置にある。この状
態より、胸ポケット等に差すとクリップの玉部51が引
上げられ、係合突起37と係合段部52の係止が解除さ
れて円筒カム36が後退するので、それと連動して筆記
先端部は先軸30内に没入する。又、ポケットに差さな
い場合は、釦58を押圧することでクリップの玉部51
が押し上げられ同様に筆記先端部が先軸30内に没入す
る。又、ノック棒39の摘み40を略180度回転させ
ると、ボールペン筆記体1aと1bの位置関係が入れ代
わり、ボールペン筆記体1bの筆記先端部が先端孔32
内の近傍に位置される。
【0028】ところで、筆記先端部が先軸30の先端孔
32から突出した状態(図2参照)でノック棒39の摘
み40を回転させると、筆記先端部が突出状態で筆記体
が回転される為に故障の原因となる可能性があり、その
ような状態に於いては摘み40が回せないようにするこ
とが望ましい。その為には、ガイド筒33の後端の軸部
65の外周と円筒カム36の内周との相互間に溝及びキ
ー(突部)を形成して、円筒カム36が前進した状態で
相互が噛み合って回転不能に構成することが可能であ
る。(図示せず)
【0029】尚、前記実施例では筆記体を2本用いた場
合について説明したが、3本以上の筆記体を用いること
も可能である。例えば3本の筆記体を用いるにはガイド
筒33のガイド溝を120度間隔にて3箇所形成し、円
筒カム36はガイド筒33を120度づつ回転させるこ
とにより1本の筆記体の摺動コマの従動用の突起が順次
に切欠に係合しうるように設定すればよい。また円筒カ
ム36は先軸と後軸が軸推移するように連結すれば、後
軸を合成樹脂製としてその内側に一体に設けることも可
能である。その場合にはノック棒は不要である。又、ボ
ールペン筆記体を使い捨て、又はガイド筒、円筒カム等
の機構ユニットを後軸後端孔から着脱可能に構成すれ
ば、先軸と後軸を一体の軸筒とすることも可能である。
又、シャープペンシルを搭載する場合には円筒カムの係
合突起がクリップ玉部の係合段部に係止された状態に於
いて、円筒カムが適宜軸推移可能な寸法関係を設定すれ
ばよい。
【0030】ボールペン筆記体1aは、チップ10を上
向きにした状態に於いて、そのボール弁15が弁室6の
ボール受け座7に位置して導孔8を密閉するので、上向
き筆記されてチップの先端ボール11直下のインキがな
くなっても、インキにヘッドが掛かり逆流することがな
い。従って、チップ10を下向きにした時にはインキが
すぐに流出可能となり、筆記で掠れが防止される。(因
みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記でインキ
が逆流方向に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、
下向き筆記で即インキが追随せず掠れが生じる)
【0031】チップ10を下向きにした筆記状態に於い
ては、ボール弁15がチップ10後端の一方に偏った状
態に当接し、他方にはチップ10内にインキが流入可能
な流路が構成され、インキ収容管16から導孔8を経て
弁室6に入ったインキ17は先端ボール11の後端まで
誘導される。この状態で、棒軸部14の押圧で先端ボー
ル11がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキの
直流が防止される。又、筆圧により先端ボール11が微
小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能とな
り、筆記により先端ボール11の回転でインキがスムー
ズに流出され、ボテが無く、筆跡濃度の高い筆記が可能
となる。
【0032】先端ボール11の直下にはチャンネル(チ
ップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇所に
有した先端ボールの受け座)がありチャンネルの中心孔
には棒軸部14が貫通する。チップ内のインキはインキ
流入溝および中心孔と棒軸部14との間の隙間を通じて
先端ボール11直下に誘導される。
【0033】
【発明の効果】本発明の複式筆記具の構成及び作用は以
上の如くであり、所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度
の油性インキを使用したボールペン筆記体を搭載して、
ボテの無い、描線の濃い、筆記掠れの無い、且つ、キャ
ップを不要として筆記先端部を出没可能とし、且つ、イ
ンキの直流や上向き筆記、ノック及び落下衝撃に対する
インキの逆流で軸筒内や手や衣服等を汚す事故がない。
又、各筆記体はガイド筒の回転に伴い先軸内でその先端
の偏心位置の先端孔に対向するように回転させて筆記位
置に突出させるので、筆記体を先軸の軸心上に位置する
先端孔より選択的に突出させるタイプのものに比べて筆
記位置の筆記体に対する後退位置の筆記体の逃げのため
の空間を必要最小限に小さくすることができ、しかも各
筆記体は直線的であっても一箇所の先端孔より選択的に
突出させることができるので、先端を細く形成すること
もでき、筆記先端を見易くして筆記作業を容易に行うこ
とができる。又、筆記体は直線上に進後退するので筆記
体が先軸の先端孔に引っ掛かることなく相互の損傷等を
防止することができ、しかもこれにより先端孔を小さく
形成することができるので、筆記の際に筆記体のガタツ
キを少なくして筆記作業を確実に行うことができる等の
利点がある。以上で、便利な複式筆記具が携帯性、使い
勝手を満足した軸体の太さで提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である複式筆記具の全体を示す
縦断面図で、一部省略した断面で示されている。
【図2】筆記先端部を先端孔から突出させた状態を示す
縦断面図で、クリップ玉部をP方向に引き上げた時筆記
先端部が没入する。
【図3】実施例であるボールペン筆記体の縦断面図であ
る。
【図4】ボールペン筆記体のインキ収容管に於いて、イ
ンキ収容部位を横断面した図である。
【符号の説明】
1a ボールペン筆記体 1b ボールペン筆記体 2 継ぎ手 3 前軸部 4 後軸部 5 鍔部 6 弁室 7 ボール受け座 8 導孔 9 内孔部 10 チップ 11 先端ボール 12 軸部 13 スプリング 14 棒軸部 15 ボール弁 16 インキ収容管 17 インキ 18 フォロア 19 フォロア棒 20 尾栓 21 通気孔 30 先軸 31 後軸 32 先端孔 33 ガイド筒 34 ガイド溝 34` ガイド溝 35 孔 36 円筒カム 37 係合突起 38 カム斜面 39 ノック棒 40 摘み 41 軸部 42 スリット 43 基部 44 内孔 45 段部 46 突部 47 係止部 48 先軸後端孔 49 クリップ 50 クリップ板 51 玉部 52 係合段部 53 摺動コマ 53` 摺動コマ 54 受け軸 54 `受け軸 55 リターンスプリング 55` リターンスプリング 56 突起 56` 突起 57 操作部材 58 釦 59 先端部 60 端部 61 ばね受け 62 孔 62` 孔 63 接合筒 64 係止部 65 連結部 66 軸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端ボールを抱持するチップと後方にイ
    ンク収容管を有し、該インク収容管内に筆記に伴う先端
    ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減
    粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油性イ
    ンキが充填され、前記インキの後端に筆記に伴うインキ
    の消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物
    から成るフォロアが充填されて構成されたボールペン筆
    記体に於いて、当該ボールペン筆記体は、前記インキ収
    容管のインキ収容部が比較的大きな断面積を有した非変
    形のものであって、前記先端ボールがチップ先端のボー
    ル抱持部の内縁に常時には押圧して密接し、筆記時には
    密接状態が解除されるように設けられたスプリングを有
    することからなり、当該ボールペン筆記体を少なくとも
    1本含む複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的に夫
    々の筆記体の先端部を出没可能とした複式筆記具。
  2. 【請求項2】 ボールペン筆記体に於いて、上記チップ
    後端に対接してボール弁が遊嵌された弁室が設けられ、
    該弁室後部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボ
    ール受け座及び該ボール受け座からインキ収容管に通ず
    る導孔が設けられて成る上記請求項1記載の複式筆記
    具。
  3. 【請求項3】 軸筒に偏心位置にて先端孔を備え、軸筒
    の内側にて選択的に筆記位置と収納位置に進退可能に配
    設され、インクを筆記先端まで導くようにした複数本の
    水性ボールペン等筆記体と、各筆記体の後側に取付けら
    れた摺動コマと、軸筒の内側に回転可能に挿入され、各
    摺動コマを摺動のみ可能に支持するガイド筒と、前面に
    傾斜状のカム斜面を有した筒状の円筒カムの側面に係止
    突起を備えて、軸筒の内側に軸推移のみ可能な関係に設
    け、ガイド筒を回転した時に各筆記体を進後退させると
    共にガイド筒の回転と連動して選択的に各筆記体を先端
    孔近傍に位置させ、円筒カムを前進させて係止突起がク
    リップの先端に設けた係合段部に係止した状態で筆記先
    端が先端孔から突出するように構成したことを特徴とす
    る上記請求項1及び2記載の複式筆記具。
JP7243924A 1995-08-30 1995-08-30 複式筆記具 Withdrawn JPH0966695A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7243924A JPH0966695A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 複式筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7243924A JPH0966695A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 複式筆記具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0966695A true JPH0966695A (ja) 1997-03-11

Family

ID=17111053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7243924A Withdrawn JPH0966695A (ja) 1995-08-30 1995-08-30 複式筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0966695A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019206152A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 三菱鉛筆株式会社 多芯式筆記具
CN113928042A (zh) * 2020-07-13 2022-01-14 三菱铅笔株式会社 旋转送出书写工具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019206152A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 三菱鉛筆株式会社 多芯式筆記具
CN113928042A (zh) * 2020-07-13 2022-01-14 三菱铅笔株式会社 旋转送出书写工具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0966695A (ja) 複式筆記具
JP2000198291A (ja) ボ―ルペンのリフィ―ル
JP3502522B2 (ja) 複式筆記具
JP3336169B2 (ja) 複式筆記具
JP3375567B2 (ja) 複式筆記具
JP3643155B2 (ja) ノック式のボールペン
JP3583321B2 (ja) 複式筆記具
JP3643184B2 (ja) 複式筆記具
JP3500253B2 (ja) 複式筆記具
JP3698789B2 (ja) 複式筆記具
JP3643183B2 (ja) 複式筆記具
JPH09188093A (ja) 複式筆記具
JP3765532B2 (ja) 複式筆記具
JP3583219B2 (ja) 複式筆記具
JP3502510B2 (ja) 複式筆記具
JPH10264583A (ja) ノック式筆記具
JPH0999693A (ja) 複式筆記具
JP3523739B2 (ja) ボールペンのリフィール
JP3602273B2 (ja) 複式筆記具
JPH09156292A (ja) 複式筆記具
JP2001232990A (ja) 複式筆記具
JPH09254578A (ja) ボールペンのリフィール
JPH09156290A (ja) 印鑑付筆記具
JPH09188092A (ja) 複式筆記具
JPH10278482A (ja) ノック式筆記具

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021105