JPH096402A - プロセス制御装置 - Google Patents

プロセス制御装置

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JPH096402A
JPH096402A JP15339095A JP15339095A JPH096402A JP H096402 A JPH096402 A JP H096402A JP 15339095 A JP15339095 A JP 15339095A JP 15339095 A JP15339095 A JP 15339095A JP H096402 A JPH096402 A JP H096402A
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deviation
limiting
proportional
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control
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JP15339095A
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Yoshiyuki Yamamoto
美行 山本
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比例成分の切り捨てをなくし、比例動作分の
零基準を確保し、かつ、引き戻し現象がなくして制御応
答性を改善することにある。 【構成】 制御対象10からの制御量信号とその目標値
信号とを用いて偏差演算手段1で偏差を求め、かつ、当
該偏差を速度形P・I・D制御手段2〜4によってP・
I・D調節演算を実行し、得られたP・I・D調節演算
出力を加算合成し、位置形操作出力に変換した後、制御
対象に印加するプロセス制御装置において、前記偏差演
算手段によって求められる偏差の比例成分を偏差制限値
で制限し、前記速度形P制御手段2に導入する比例成分
偏差制限手段5と、前記制御手段2〜4の制御演算定
数,制限基準値および前記比例成分偏差制限手段5から
出力される偏差を用いて前記偏差制限値を算出し、比例
成分偏差制限手段に設定する偏差制限値演算手段11と
を設けたプロセス制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば石油化学等に代
表される工業分野のプロセス制御に利用されるプロセス
制御装置に係わり、特に制御対象に対する操作出力が予
め定めた制限値の範囲を越えた場合の応答性を改善する
プロセス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば石油化学・電力プラン
ト等においては、制御対象であるプロセスを制御するプ
ロセス制御装置が多く用いられてきている。図4は従来
のこの種のプロセス制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【0003】このプロセス制御装置は、制御対象101
からの制御量信号PVとその目標値信号SVとの偏差を
求める偏差演算手段102と、この偏差演算手段102
からの偏差を零にするように速度形PID(比例・積分
・微分)調節演算を実行する速度形比例制御手段10
3,速度形積分制御手段104および速度形微分制御手
段105と、これら制御手段103,104,105の
出力を加算して速度形調節演算信号を出力する加算手段
106と、この加算手段106の出力である速度形調節
演算信号を位置形操作信号に変換する速度形−位置形変
換手段107と、制限値の下に位置形操作信号MVを制
限して操作出力を得、前記制御対象101に印加する制
限手段108とによって構成されている。
【0004】従って、以上のような構成の制御装置にお
いては、制御対象101からの制御量信号PVと目標値
信号SVとを偏差演算手段102に導入し、 e=SV−PV なる演算を行って偏差eを求めた後、この偏差eを速度
形比例制御手段103,速度形積分手段104および速
度形微分制御手段105に導入し、ここでそれぞれ速度
形比例調節演算、速度形積分調節演算および微分調節演
算を実行する。そして、各速度形比例制御手段103,
速度形積分制御手段104および速度形微分制御手段1
05によって得られた調節演算信号を加算手段106で
加算合成し、今回サンプリング周期の操作出力の増分△
MVを取り出し、速度形−位置形変換手段107に供給
する。この速度形−位置形変換手段107は、加算手段
106からの操作出力の増分△MVを前回までの操作出
力に加算して位置形操作信号MVを求めた後、制限手段
108に導入し、予め定めた所定の制限値の下に位置形
操作信号MVを制限しながら操作出力MV′を取り出
し、制御対象101に印加するものである。
【0005】ところで、このようなプロセス制御装置に
おいては、速度形の各制御手段として例えばPI(比例
・積分)動作を行ったとき、その操作出力MVに対する
今回サンプリング周期τの増分△MVn は、 △MVn =KP {(en −en-1 )+(τ/TI )en } ……(1) の演算式によって求められる。但し、上式においてKP
:比例ゲイン、TI :積分時間、τ:サンプリング周
期、en :現時点の偏差の大きさ、en-1 :前回のサン
プリング周期時点の偏差の大きさである。
【0006】そして、以上のような操作出力の増分△M
Vn は速度形−位置形信号変換手段107に導入され、
ここで MVn =MVn-1 +△MVn ……(2) なる演算を行って位置形操作出力MVn を求めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
プロセス制御装置では、次のような問題点が指摘されて
いる。今、例えば図5(a)に示すように目標値信号S
Vをステップ的に変化させたとき、そのステップ変化量
が大きいと、操作出力の例えば上限制限値の範囲を越え
る操作出力MVは当該上限制限値に引っかかり、制限値
を越えた分の操作出力成分がねぐられてしまう。このと
き、ねぐられた成分が後からきいてくる積分調節演算出
力によって十分に補う程度であればよいが、それ以上に
ねぐられた成分が大きい場合には、図5(b)に示すよ
うに引き戻し現象が発生し、制御量信号PVが目標値信
号SVに到達していないのに、目標値信号SVに近ずく
スピードが鈍化し、いわゆる変曲点をもった応答特性と
なり、応答性の低下を招く問題がある。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、目標値信号のステップ変化に対し、制御応答性を改
善するプロセス制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載される発明は上記実情に鑑みてなされた
もので、偏差の比例成分を制限することにより、比例成
分の切り捨てをなくし、比例動作分の零基準を確保し、
かつ、制御応答性を改善するプロセス制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】請求項2に記載される発明は、偏差の比例
・微分成分を制限することにより、比例動作分の零基準
を確保し、かつ、微分成分を時間的に有効に生かすつつ
制御応答性を改善するプロセス制御装置を提供すること
にある。
【0010】請求項3に記載される発明は、偏差の比例
成分を制限することにより、比例成分の切り捨てをなく
し、比例動作分の零基準を確保し、かつ、制御応答性を
改善し、さらに積分成分の行き過ぎを未然に回避するプ
ロセス制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、制御対象からの制御量
信号とその目標値信号とを用いて偏差演算手段で偏差を
求めるとともに、この偏差を速度形P・I制御手段また
は速度形P・I・D制御手段によってP・I調節演算ま
たはP・I・D調節演算を実行し、得られたP・I調節
演算出力またはP・I・D調節演算出力を加算合成し、
位置形操作出力に変換した後、制御対象に印加するプロ
セス制御装置において、前記偏差演算手段によって求め
られる偏差の比例成分を偏差制限値で制限し、前記速度
形P制御手段に導入する比例成分偏差制限手段と、前記
制御手段の制御演算定数,制限基準値および前記比例成
分偏差制限手段から出力される偏差を用いて前記偏差制
限値を算出し、前記比例成分偏差制限手段に設定する偏
差制限値演算手段とを設けたプロセス制御装置である。
【0012】次に、請求項2に対応する発明は、制御対
象からの制御量信号とその目標値信号とを用いて偏差演
算手段で偏差を求めるとともに、この偏差を速度形P・
I・D制御手段によってP・I・D調節演算を実行し、
得られたP・I・D調節演算出力を加算合成し、位置形
操作出力に変換した後、制御対象に印加するプロセス制
御装置において、前記偏差演算手段によって求められる
偏差の比例成分を第1の偏差制限値で制限し、前記速度
形P制御手段に導入する比例成分偏差制限手段と、前記
偏差演算手段によって求められる偏差の微分成分を第2
の偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段に導入す
る比例成分偏差制限手段と、前記制御手段の制御演算定
数,制限基準値および前記比例成分偏差制限手段から出
力される偏差を用いて前記第1および第2の偏差制限値
を算出し、当該第1の偏差制限値を前記比例成分偏差制
限手段に設定し、前記第2の偏差制限値を前記微分成分
偏差制限手段に設定する偏差制限値演算手段とを設けた
プロセス制御装置である。
【0013】さらに、請求項3に対応する発明は、制御
対象からの制御量信号とその目標値信号とを用いて偏差
演算手段で偏差を求めるとともに、この偏差を速度形P
・I制御手段または速度形P・I・D制御手段によって
P・I調節演算またはP・I・D調節演算を実行し、得
られたP・I調節演算出力またはP・I・D調節演算出
力を加算合成し、位置形操作出力に変換し、さらに制限
手段を通した後、制御対象に印加するプロセス制御装置
において、前記偏差演算手段によって求められる偏差の
比例成分を偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段
に導入する比例成分偏差制限手段と、前記制御手段の制
御演算定数,制限基準値および前記比例成分偏差制限手
段から出力される偏差を用いて前記偏差制限値を算出
し、前記比例成分偏差制限手段に設定する偏差制限値演
算手段と、前記制限手段の入・出力信号から前記位置形
操作出力が当該制限手段の制限値を越えたと判断したと
き、前記速度形I制御手段の出力を切り離す手段とを設
けたプロセス制御装置である。
【0014】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、目標値信号のステップ変
化に対し、前記位置形操作出力が急激に増加し、制御対
象に悪影響を与えることから、通常,位置形操作出力を
制限値を用いて制限するが、このとき制限値を越えた分
の位置形操作出力成分がねぐられしまい、これに伴って
引き戻し現象が発生し、応答性の低下を招くといった問
題がある。
【0015】そこで、偏差制限値演算手段では、制御演
算定数,外部から設定される制限基準値および前記比例
成分偏差制限手段の出力等を用いて偏差制限値を算出
し、比例成分偏差制限手段に設定し、偏差の比例成分を
制限するするので、速度形調節演算後に得られる位置形
操作出力の切り捨てがなくなり、そのうち特に比例成分
の切り捨てがなくなって比例動作分の零基準値を確保で
き、目標値信号のステップ変化があっても、引き戻し現
象を抑制でき、しかも微分成分が十分にきいていること
から応答性の改善を図ることができる。
【0016】請求項2に対応する発明は、偏差制限値演
算手段および比例成分偏差制限手段の他、微分成分偏差
制限手段を設け、前記偏差制限値演算手段によって算出
された第1および第2の偏差制限値を比例成分偏差制限
手段および微分成分偏差制限手段に設定するので、請求
項1に対応する発明と同様な作用を有する他、偏差の微
分成分を制限することにより、瞬時の微分の強さを弱め
た後の微分成分を生かすことにより、スムーズに応答性
を得ることができる。
【0017】さらに、請求項3に対応する発明は、偏差
制限値演算手段および比例成分偏差制限手段を設ける
他、前記制限手段の入・出力信号から前記位置形操作出
力が当該制限手段の制限値を越えたことを判断し、前記
速度形I制御手段の出力を切り離す手段を設けたので、
請求項1に対応する発明と同様な作用を有する他、位置
形操作出力が制限手段の制限値を越えたとき、積分調節
演算出力を切り離すことにより、位置形操作信号が制限
値を越えた拡大するのを阻止でき、プラントの安全性に
貢献できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (第1実施例)図1は請求項1に係わるプロセス制御装
置の一実施例を示すブロック構成図である。
【0019】この制御装置は、目標値信号SVと制御量
信号PVとの偏差eを求める偏差演算手段1と、この偏
差演算手段1によって求められた偏差eをそれぞれ個別
的に比例調節演算,積分調節演算および微分調節演算を
行う速度形比例制御手段2、速度形積分制御手段3およ
速度形微分制御手段4と、この偏差演算手段1と速度形
比例制御手段2との間の処理,つまり偏差eの比例成分
が後記する偏差制限値を越えない範囲で制限された偏差
e′として出力する比例成分偏差制限手段5とが設けら
れている。
【0020】また、制御装置は、各制御手段2〜4の調
節演算出力を加算合成して操作出力MVの増分△MVを
求める加算部7、この加算部7で加算合成された今回サ
ンプリング周期の増分△MVを前回サンプリング周期ま
での操作出力に加算することにより位置形操作出力MV
に変換する速度形−位置形信号変換手段8、この信号変
換手段8によって信号変換された位置形操作出力MVを
所定の制限値で制限する制限手段9、この制限手段9を
通過して出力される操作出力MV′が印加される制御対
象10等が設けられている。
【0021】さらに、この制御装置には、比例成分偏差
制限手段5の偏差制限値を求める偏差制限値演算手段1
1が設けられている。この偏差制限値演算手段11は、
速度形の各制御手段2〜4の制御演算定数KP (比例ゲ
イン),TI (積分時間),τ(サンプリング周期),
TD (微分時間)、過去の経験またはシミュレーション
等から得られる外部から設定される上・下限制限基準値
△MVH ,△MVL 、比例成分偏差制限手段5の出力偏
差e′等に基づいて、操作出力MVの増分△MVが上下
限制限基準値△MVH ,△MVL 内に入るような上限偏
差制限値eH および下限偏差制限値eL を算出し、比例
成分偏差制限手段5に設定する機能をもっている。
【0022】次に、以上のように構成された装置の動作
について説明する。先ず、減算演算手段1において目標
値信号SVと制御対象10となるプロセスからの制御量
信号PVとの偏差e(=SV−PV)を算出する。この
偏差eは、速度形積分制御手段3および速度形微分制限
手段4の他、比例成分偏差制限手段5に入力され、特に
偏差eが大きくなったとき、上限偏差制限値eH および
下限偏差制限値eL による制限を受け、それぞれ制限さ
れた偏差e′を出力する。そのうち、制限された偏差
e′は、速度形比例制限手段2によって速度形比例調節
演算が行われる。
【0023】しかる後、各制御手段2〜4で求められた
調節演算出力は、加算部7で加算合成されて操作出力M
Vの増分△MVとして求めた後、速度形−位置形信号変
換手段8に導入し、この増分△MVを前回サンプリング
周期までの操作出力に加算することにより位置形操作出
力MVを求める。そして、制限手段9を通して急変防止
のための制限を施して最終的な操作出力MV′として制
御対象10に印加する。
【0024】ところで、前記偏差演算手段1からの偏差
eに対する偏差制限手段5における制限は次のようにし
て行われる。先ず、偏差制限値演算手段11には、各制
御手段2〜4から制御演算定数KP(比例ゲイン),TD
(微分時間)、予め外部から設定されるTI (積分時
間),τ(サンプリング周期),上下限制限基準値△M
VH ,△MVL 、比例成分偏差制限手段5の出力偏差
e′が入力され、ここで次のような演算を行って上限偏
差制限値eH を求める。今、上限制限基準値△MVH と
各調節演算による速度形操作出力との関係を示すと、 KP {(e′n −e′n-1 )+(τ/TI )・e′n +△Dn }≦△MVH ……… (3) そこで、この式から上限偏差制限値eH は、 eH (e′n )≦{(△MVH /KP )+e′n-1 −△Dn } /{1+(τ/TI )} ……… (4) となる。前記(3)式の△MVH に代えて下限制限基準
値△MVL を用いて同様の演算を行うと、下限偏差制限
値eL は、 eL (e′n )≦{(△MVL /KP )+e′n-1 −△Dn } /{1+(τ/TI )} ……… (5) となる。
【0025】そこで、以上のようにして偏差制限値演算
手段11において得られた上限偏差制限値eH および下
限偏差制限値eL を比例成分偏差制限手段5に設定す
る。その結果、偏差演算手段1で得られた偏差eのうち
比例成分偏差が比例成分偏差制限手段5の上下限偏差制
限値eH ,eL の範囲内にある場合にはそのままの値の
偏差e′として速度形比例制御手段2に送られ、一方、
比例成分偏差が上下限偏差制限値eH ,eL の範囲を越
えたとき、その上下限偏差制限値eH ,eLに制限され
た偏差e′が出力され、この速度形比例制御手段2にて
速度形比例調節演算が実行される。
【0026】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、偏差制限値演算手段11で比例成分偏差制限手段5
に対する上下限偏差制限値eH ,eL に対する上・下限
偏差制限値を求めた後、これら上・下限偏差制限値eH
,eL 等を比例成分偏差制限手段5に設定することに
より、偏差制限手段5では、各制御手段2〜4の調節演
算で算出される操作出力の増分が上下限制限基準値△M
VH ,△MVL 内に入るように偏差が制限されているの
で、各制御手段2〜4の演算出力の加算合成された後の
位置形操作出力MVの切り捨てがなくなり、特に比例成
分の切り捨て分をなくすることにより、比例動作分の零
基準を確保でき、操作出力がその制限値を越える場合で
もその越える程度が小さく、何ら偏差制限の加わらない
積分成分で十分に捕えることができ、応答性を低下させ
ることがなくなる。 (第2実施例)図2は請求項2に係わるプロセス制御装
置の一実施例を示すブロック構成図である。
【0027】この制御装置は、図1に示す制御装置の構
成に、さらに偏差演算手段1と速度形微分制御手段4と
の間の処理,つまり偏差eの微分成分を制限して微分に
対する感度を低減化してなる偏差e″を得ることにより
調整の自由度をもたせる微分成分偏差制限手段6を設け
たことにある。その他の構成は図1とほぼ同様な構成で
あるので、図1と同一部分には同一符号を付して説明す
る。
【0028】また、偏差制限値演算手段11は、比例成
分偏差制限手段5および微分成分偏差制限手段6の偏差
制限値を求める機能をもっている。この偏差制限値演算
手段11は、速度形の各制御手段2〜4の制御演算定数
KP (比例ゲイン),TI (積分時間),τ(サンプリ
ング周期),TD (微分時間)、過去の経験またはシミ
ュレーション等から得られる外部から設定される上・下
限制限基準値△MVH,△MVL 、比例成分偏差制限手
段5の出力偏差e′等の演算項目データに基づいて、操
作出力MVの増分△MVが上・下限制限基準値△MVH
,△MVL 内に入るような比例制限用上限偏差制限値
eH および比例制限用下限偏差制限値eLを算出し、こ
の算出された上限偏差制限値eH および下限偏差制限値
eL を比例成分偏差制限手段5に設定し、また算出され
た上限偏差制限値eH および下限偏差制限値eL に所要
とする係数を乗算し、或いは前記演算項目データに基い
て微分制限用上限偏差制限値および微分制限用下限偏差
制限値を求め、微分成分偏差制限手段6に設定する。
【0029】次に、以上のように構成された装置の動作
について説明する。先ず、減算演算手段1において目標
値信号SVと制御対象10となるプロセスからの制御量
信号PVとの偏差e(=SV−PV)を算出する。この
偏差eは、速度形積分制御手段3の他、比例成分偏差制
限手段5および微分成分偏差制限手段6に入力され、特
に偏差eが大きくなったとき、上限偏差制限値eH およ
び下限偏差制限値eL による制限を受け、それぞれ制限
された偏差e′,e″を出力する。そのうち、制限され
た偏差e′は、速度形比例制限手段2によって速度形比
例調節演算が行われ、一方、微分の強さ,ひいては感度
が制限された偏差e″は、速度形微分制限手段4によっ
て速度形微分調節演算が行われる。
【0030】しかる後、各制御手段2〜4で求められた
調節演算出力は加算部7で加算合成された操作出力MV
の増分△MVとして求めた後、速度形−位置形信号変換
手段8に導入し、この増分△MVを前回サンプリング周
期までの操作出力に加算することにより位置形操作出力
MVを求めた後、制限手段9を通して急変防止のための
制限を施して最終的な操作出力MV′として制御対象1
0に印加する。
【0031】一方、偏差制限値演算手段11では、各制
御手段2〜4の制御演算定数KP (比例ゲイン),TD
(微分時間)、予め外部から設定されるTI (積分時
間),τ(サンプリング周期),上下限制限基準値△M
VH ,△MVL 、比例成分偏差制限手段5の出力偏差
e′が入力され、ここで次のような演算を行って上限偏
差制限値eH を求める。今、上限制限基準値△MVH と
各調節演算による速度形操作出力との関係を示すと、 KP {(e′n −e′n-1 )+(τ/TI )・e′n +△Dn }≦△MVH ……… (6) そこで、この式から比例制限用上限偏差制限値eH は、 eH (e′n )≦{(△MVH /KP )+e′n-1 −△Dn } /{1+(τ/TI )} ……… (7) となる。前記(3)式の△MVH に代えて下限制限基準
値△MVL を用いて同様の演算を行うと、比例制限用下
限偏差制限値eL は、 eL (e′n )≦{(△MVL /KP )+e′n-1 −△Dn } /{1+(τ/TI )} ……… (8) となる。
【0032】このようにして偏差制限値演算手段11で
求められた上限偏差制限値eH および下限偏差制限値e
L を比例成分偏差制限手段5に設定する。なお、微分成
分偏差制限手段6に対する上限偏差制限値および下限偏
差制限値は、前記(3)式ないし(5)式と同様な手順
で求めてもよいし、或いは比例成分偏差制限手段5に対
する上限偏差制限値eH および下限偏差制限値eL にそ
れぞれ所要の係数をかけて求めてもよい。通常,微分成
分の変化分は比例成分の変化分よりも大きいので、eH
,eL に1以上の係数を乗算して微分成分偏差制限手
段6に対する上限偏差制限値および下限偏差制限値を求
めて設定する。
【0033】その結果、偏差演算手段1で得られた偏差
eのうち比例成分偏差が比例成分偏差制限手段5の上下
限偏差制限値eH ,eL の範囲内にある場合にはそのま
ま偏差e′として速度形比例制御手段2に送られ、一
方、比例成分偏差が上下限偏差制限値eH ,eL の範囲
を越えたとき、その上下限偏差制限値eH ,eL に制限
された偏差e′を出力し、この速度形比例制御手段2に
て速度形比例調節演算が実行される。
【0034】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、偏差制限値演算手段11で比例成分偏差制限手段5
に対する上・下限偏差制限値eH ,eL および微分成分
偏差制限手段6に対する上・下限偏差制限値をを求めた
後、これら上・下限偏差制限値eH ,eL 等を比例成分
偏差制限手段5および微分成分偏差制限手段6に設定す
ることにより、各偏差制限手段5,6では、各制御手段
2〜4の調節演算で算出される操作出力の増分が上・下
限制限基準値△MVH ,△MVL 内に入るように偏差を
制限するので、各制御手段2〜4の演算出力の加算合成
した後の位置形操作出力MVの切り捨てがなくなり、特
に比例成分の切り捨て分をなくすることにより、比例動
作分の零基準を確保でき、操作出力がその制限値を越え
る場合でもその越える程度が小さく、何ら偏差制限の加
わらない積分成分で十分に捕えることができ、応答性を
低下させることがなくなる。
【0035】また、微分成分偏差制限手段6によって偏
差の微分成分を制限することにより微分の強さを弱めた
ことにより、最初の変化時点の微分成分は制限される
が、その後の微分成分が生きてくるので、応答性を損な
うことなくなる。 (第3実施例)図3は請求項3に係わるプロセス制御装
置の一実施例を示すブロック構成図である。
【0036】この実施例は、図2と同様に偏差の比例成
分を制限する偏差制限機能5,11を有する他、速度形
積分制御手段3と加算部7との間に設けられ積分動作出
力を生かしたり、停止したりするスイッチ手段21と、
偏差制限値演算手段11内において制限手段9の入出力
側の操作出力MV,MV′を取り込み、当該操作出力M
Vが制限手段9の上下限制限値に引っかかっているか否
かを判断する判断手段とが設けられている。
【0037】その他の構成は、図1と同様であるので、
同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略す
る。この実施例の構成によれば、第1実施例と同様に各
制御手段2〜4の演算出力の加算合成した後の位置形操
作出力MVの切り捨てがなくなり、特に比例成分の切り
捨て分をなくすることにより、比例動作分の零基準を確
保でき、操作出力がその制限値を越える場合でもその越
える程度が小さく、何ら偏差制限の加わらない積分成分
で十分に捕えることができ、しかも応答性を改善するこ
とができる。さらに、速度形積分制御手段3は偏差につ
いて後追いの形で積分調節演算出力が徐々に増加する
が、操作出力MVが上下限制限値の範囲内の場合にはM
V=MV′となっている。
【0038】しかし、操作出力MVが積分調節演算出力
の影響を受けて上・下限制限値を越えた場合には、MV
≠MV′となり、かつ、このときには操作出力MVが上
下限制限値を越えてなおも拡大する方向にあるので、ス
イッチ手段21を切り離すことにより、速度形積分制御
手段3による積分調節演算出力の影響を抑制するので、
操作出力MVが上・下限制限値を解消する方向,つまり
上・下限制限値の範囲内にとどまるので、制御の乱れを
なくして制御応答性を改善でき、プラントの安全性を確
保できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。請求項1の発明において
は、偏差の比例成分を制限することにより、比例成分の
切り捨てをなくなり、比例動作分の零基準を確保でき、
かつ、引き戻し現象がなくなって制御応答性を改善でき
る。
【0040】請求項2の発明では、偏差の比例・微分成
分を制限することにより、比例動作分の零基準を確保で
き、かつ、微分成分を時間的に有効に生かしつつ制御応
答性を改善できる。
【0041】請求項3の発明においては、偏差の比例成
分を制限することにより、比例成分の切り捨てをなくな
り、比例動作分の零基準を確保でき、かつ、制御応答性
を改善でき、さらに積分成分の行き過ぎを未然に回避で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係わるプロセス制御装置の一実施例
を示すブロック構成図。
【図2】請求項2に係わるプロセス制御装置の一実施例
を示すブロック構成図。
【図3】請求項3に係わるプロセス制御装置の一実施例
を示すブロック構成図。
【図4】従来のプロセス制御装置のブロック構成図。
【図5】従来装置における目標値信号のステップ変化に
対する制御量および操作出力の応答状態を示す図。
【符号の説明】
1…偏差演算手段、2…速度形比例制御手段、3…速度
形積分制御手段、4…速度形微分制御手段、5…比例成
分偏差制限手段、6…微分成分偏差制限手段、7…加算
部、8…信号変換手段、9…制限手段、10…制御対
象、11…偏差制限値演算手段、21…スイッチ手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象からの制御量信号とその目標値
    信号とを用いて偏差演算手段で偏差を求めるとともに、
    この偏差を速度形P・I(P:比例,I:積分)制御手
    段または速度形P・I・D(D:微分)制御手段によっ
    てP・I調節演算またはP・I・D調節演算を実行し、
    得られたP・I調節演算出力またはP・I・D調節演算
    出力を加算合成し、位置形操作出力に変換した後、制御
    対象に印加するプロセス制御装置において、 前記偏差演算手段によって求められる偏差の比例成分を
    偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段に導入する
    比例成分偏差制限手段と、 前記制御手段の制御演算定数,制限基準値および前記比
    例成分偏差制限手段から出力される偏差を用いて前記偏
    差制限値を算出し、前記比例成分偏差制限手段に設定す
    る偏差制限値演算手段と、 を備えたことを特徴とするプロセス制御装置。
  2. 【請求項2】 制御対象からの制御量信号とその目標値
    信号とを用いて偏差演算手段で偏差を求めるとともに、
    この偏差を速度形P・I・D(D:微分)制御手段によ
    ってP・I・D調節演算を実行し、得られたP・I・D
    調節演算出力を加算合成し、位置形操作出力に変換した
    後、制御対象に印加するプロセス制御装置において、 前記偏差演算手段によって求められる偏差の比例成分を
    第1の偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段に導
    入する比例成分偏差制限手段と、 前記偏差演算手段によって求められる偏差の微分成分を
    第2の偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段に導
    入する比例成分偏差制限手段と、 前記制御手段の制御演算定数,制限基準値および前記比
    例成分偏差制限手段から出力される偏差を用いて前記第
    1および第2の偏差制限値を算出し、当該第1の偏差制
    限値を前記比例成分偏差制限手段に設定し、前記第2の
    偏差制限値を前記微分成分偏差制限手段に設定する偏差
    制限値演算手段と、 を備えたことを特徴とするプロセス制御装置。
  3. 【請求項3】 制御対象からの制御量信号とその目標値
    信号とを用いて偏差演算手段で偏差を求めるとともに、
    この偏差を速度形P・I(P:比例,I:積分)制御手
    段または速度形P・I・D(D:微分)制御手段によっ
    てP・I調節演算またはP・I・D調節演算を実行し、
    得られたP・I調節演算出力またはP・I・D調節演算
    出力を加算合成し、位置形操作出力に変換し、さらに制
    限手段を通した後、制御対象に印加するプロセス制御装
    置において、 前記偏差演算手段によって求められる偏差の比例成分を
    偏差制限値で制限し、前記速度形P制御手段に導入する
    比例成分偏差制限手段と、 前記制御手段の制御演算定数,制限基準値および前記比
    例成分偏差制限手段から出力される偏差を用いて前記偏
    差制限値を算出し、前記比例成分偏差制限手段に設定す
    る偏差制限値演算手段と、 前記制限手段の入・出力信号から前記位置形操作出力が
    当該制限手段の制限値を越えたと判断したとき、前記速
    度形I制御手段の出力を切り離す手段と、 を備えたことを特徴とするプロセス制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101520030B1 (ko) * 2014-04-25 2015-05-14 알에스오토메이션주식회사 제어 장치
JP2015157288A (ja) * 2015-05-01 2015-09-03 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置
JP2015164731A (ja) * 2015-05-01 2015-09-17 三浦工業株式会社 逆浸透膜分離装置

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