JPH0963985A - 光処理装置および光処理方法 - Google Patents

光処理装置および光処理方法

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JPH0963985A
JPH0963985A JP7243762A JP24376295A JPH0963985A JP H0963985 A JPH0963985 A JP H0963985A JP 7243762 A JP7243762 A JP 7243762A JP 24376295 A JP24376295 A JP 24376295A JP H0963985 A JPH0963985 A JP H0963985A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス基板上に成膜された非晶質珪素膜への
レーザー光の照射によって、この非晶質珪素膜を結晶化
させる際において、その均一性を向上させる。 【構成】 減圧状態にされた室107と加熱されたヘリ
ウムで満たされた室108の間にガラス基板103を配
置し、圧力差とヘリウムガスの熱によって、ガラス基板
103を一定の形状に強制的に湾曲させる。この状態で
レーザー光106の照射を行うことで、個々のガラス基
板の微妙な変形の違いに起因するレーザーアニール効果
の違いを是正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、基板
上に形成された被照射物に対してレーザー光や強光を照
射するための装置に関する。またその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光を利用して微細加工や各種ア
ニール等を行う技術が知られている。このような技術の
具体的な例としては、ガラス基板上に成膜された非晶質
珪素膜に対してレーザー光を照射し、結晶性珪素膜に変
成する技術がある。また、ガラス基板上に形成された珪
素膜(非晶質珪素膜や結晶性珪素膜)を利用して薄膜ト
ランジスタを作製する際におけるソースおよびドレイン
領域の活性化にレーザー光の照射を行なう技術が知られ
ている。
【0003】前者の技術は、ガラス基板上にまず非晶質
珪素膜をプラズマCVD法等で成膜し、その後にレーザ
ー光の照射を行うことにより、非晶質珪素膜を結晶性珪
素膜に変成するものである。
【0004】一般にレーザー光の照射を行う場合、光学
系によりレーザー光のビーム形状を所定の形状に変形す
る。この際、レーザー光の焦点が合う深さ方向の範囲
(この長さを焦点深度[depth of focus]と定義する)
は、数10μm〜100μm程度となる。勿論、この焦
点深度は、光学系の構成やビーム形状、さらにはその断
面積によって変化する。特に大面積に照射を行うために
光学系によりビーム形状を拡大した場合に焦点深度は小
さくなる。従って、被照射面が大面積化すると焦点の位
置を合わせることが困難となる。
【0005】現状において非晶質珪素膜のような平面に
対してレーザー光を照射する場合は、非晶質珪素膜の表
面の凹凸を少なくとも100μm程度以下、好ましくは
それよりさらに小さい寸法に抑える必要がある。即ち、
凹凸を一定の範囲内に抑えないと、被照射面がレーザー
ビームの焦点範囲から外れてしまい、所定のアニール効
果を得ることができない。そして凹凸に従ってアニール
効果にバラツキが生じてしまうことになる。このような
ことは、不均一な結晶性を有した結晶性珪素膜を得る原
因となってしまう。
【0006】この問題を解決するには、平滑性の優れた
基板を用いることが有用である。しかし、一般に液晶電
気光学装置に利用されるような安価なガラス基板は、そ
の平滑性があまりよくない。この平滑性を改善するため
には、表面を研磨して平滑にする方法があるが、そもそ
も上記のような安価なガラス基板は、構成材料の均質性
がよくないので、レーザー光の照射時における加熱によ
って、やはり微小な凹凸は生じてしまう。また、必要と
するような平滑性を出すための研磨工程は生産コストを
上昇させることにもなり、生産技術としては好ましいも
のではない。
【0007】またレーザー光の変わりに紫外線や赤外線
等の光を照射することにより、各種アニールを施す技術
が知られているが、この場合にも上記の問題は生じる。
ただし、焦点深度が基板の変形よりもはるかに大きい場
合には上記の問題は特に生じない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本明細書で開示する発
明は、基板の微小な凹凸の影響を排除して、レーザー光
や強光の照射の効果を一定なものとする技術を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
は、ガラス基板を強制的に変形させることによって、レ
ーザー光や強光の照射時に一定の形状とすることを特徴
とする。そして、レーザー光や強光の照射をこの変形さ
せた形状に合わせて行なうことで、常に一定の効果をガ
ラス基板の全面に渡って得ることを特徴とする。
【0010】本明細書で開示する発明においては、レー
ザー光または強光の照射を行なう対象として、ガラス基
板上に形成された非晶質珪素膜、結晶性珪素膜、作製途
中のデバイス(例えば薄膜トランジスタや薄膜ダイオー
ド)を挙げることができる。
【0011】本明細書で開示する発明が特に有用なの
は、基板として安価なガラス基板を利用した場合であ
る。さらにその面積が大面積化するほど有用である。さ
らに、照射されるレーザー光や強光の焦点深度が小さい
場合に有効となる。
【0012】本明細書で開示するの一つは、レーザー光
または強光を照射する装置であって、気体の圧力差を利
用してガラス基板を変形させる手段と、前記変形したガ
ラス基板に対してレーザー光を照射する手段と、を有す
ることを特徴とする。
【0013】上記構成を備えた構成を図1に示す。図1
において(A)と(B)は90度異なった断面を示すも
のである。図1に示す構成においては、レーザー光源1
14からのレーザー光が加熱されたヘリウムガスによっ
て強制的に変形したガラス基板103に対して照射され
る。この場合、ガラス基板を所定の形状に変形させるこ
とができるので、ガラス基板毎に異なるその形状の影響
を排除することができる。
【0014】他の発明の構成は、レーザー光または強光
を照射する装置であって、気体の圧力差を利用してガラ
ス基板を強制的に変形させる手段と、前記変形したガラ
ス基板に対してその焦点距離を変化させつつレーザー光
または強光を走査して照射する手段と、を有することを
特徴とする。
【0015】上記構成の具体的な例を図1に示す。図1
に示す構成においては、ヒーター110によって加熱さ
れたヘリウムガスによってガラス基板103が加熱さ
れ、所定の形状に変形される。そして、レーザー光が照
射される際において、装置を構成する筐体101がガイ
ドレール113に沿って移動する。またそれと同時に昇
降装置111によって、筐体101が上下に微動する。
こうすることにより、レーザー光が走査されて照射され
る。さらにその走査してのレーザー光の照射中におい
て、被照射面が常に焦点深度の範囲内となる。
【0016】本明細書で開示する発明においては、ガラ
ス基板に圧力を加えると同時に加熱する手段として利用
する気体としてヘリウムを用いることが好ましい。これ
はヘリウムの熱伝導率が300Kにおいて1510Wm
-1-1と大きいからである。熱伝導率が1000Wm-1
-1以上ある気体としては、ヘリウムの他にD2 (30
0Kにおいて1406Wm-1-1)、H2 (300Kに
おいて1815Wm-1-1)等があり、これらの気体を
用いることもできる。しかし、安全性を考慮した場合、
ヘリウムを用いることが好ましい。
【0017】また本明細書に開示する発明において、強
制的に変形させられたガラス基板の形状に沿って焦点深
度の分布を設定することは有用である。例えば、ビーム
の形状を線状のレーザービームとし、このビームの長手
方向に直角な方向に走査しながらレーザー光の照射を行
なう場合において、レーザービームの長手方向における
焦点深度の分布を被照射面を有するガラス基板の湾曲の
形状に沿ったものとして設定する。すると、レーザービ
ームの長手方向におけるアニール効果の均一性を高める
ことができる。
【0018】本明細書で開示する他の発明は、加熱され
た気体の圧力を利用してガラス基板を所定の形状に強制
的に変形した状態で前記ガラス基板上に形成された半導
体膜に対してレーザー光または強光を照射することを特
徴とする。
【0019】
【作用】図1に示す装置を用いてレーザー光を照射する
場合において、室107の圧力を室108の圧力に比較
して減圧状態とし、さらに室108内にヒーター110
によって加熱されたヘリウムガスを循環させる。このよ
うにすると、室108からの圧力とヘリウムガスによる
加熱によって、ガラス基板103が凸状に変形する。
【0020】このガラス基板の変形は、ガラス基板が有
している凹凸にほとんど関係無く一定なものとすること
ができる。従って、所定の焦点深度にレーザービームを
調整し、さらにガラス基板の形状に合わせて筐体を上下
させながら移動させ、この際にレーザー光を照射するこ
とで、焦点深度内に被照射面を存在させつつ、レーザー
光を走査して照射することができる。即ち高い均一性で
もって、レーザー光の照射によるアニールを行うことが
できる。
【0021】この方法は、被照射面を有するガラス基板
を所定の形状に強制的に変形させ、その所定の形状に合
うようにレーザー光の焦点深度と照射時の走査方法を設
定することにより、被照射面を常に焦点深度内に存在さ
せるものである。そして均一性の高いアニールを実現す
るものである。
【0022】
【実施例】図1に本実施例で示すレーザー光の照射装置
について示す。図1に示す装置は、ガラス基板上に形成
された珪素膜や作製途中の半導体装置に対してレーザー
光の照射によるアニールを行う装置である。図1におい
て(A)と(B)はそれぞれ90度異なる角度から見た
断面を示すものである。
【0023】図1に示すレーザー光の照射装置は、ガラ
ス基板103が枠104によって筐体101に固定され
ており、この筐体101が線状のレーザー光106の照
射時に昇降装置111によって上下しながらガイドレー
ル113に沿って移動する構成を有している。
【0024】また筐体内は107と108の2室に分け
られている。107で示される室は気密性を有してお
り、減圧状態にできるように排気ポンプ105を備えて
いる。また、108で示される室は、ポンプ109によ
って室内にヘリウムガスを循環させることができる構成
を有している。室108内を循環するヘリウムガスは、
ヒーター110によって加熱される。そして、その加熱
されたヘリウムガスによってガラス基板を加熱する構成
となっている。
【0025】ここでは、室107を減圧にし、室108
を特に加圧も減圧も行わない構成とする。基本的には、
室107を室108に比較して相対的に減圧状態とでき
ればよい。なお室107の気密性は、室108との圧力
差を1/2気圧程度、好ましくは9/10気圧程度とで
きる程度にする。
【0026】レーザー光は光源(発振器)114で発振
されたエキシマレーザー(例えばKrFエキシマレーザ
ーが利用される)が光学系115によって長尺状(線
状)にビーム加工される。そしてさらにミラー116に
よって反射され石英製の窓102を通してガラス基板に
対して照射される。
【0027】線状のレーザービームの形状としては、例
えば幅が1cmで長さは30cmであるような形状とす
る。このような形状とするのは、一方向に走査すること
によって、基板の全体に対してレーザー光の照射が行え
るからである。このような照射方法を採用すると、レー
ザー光の照射方法が簡単化され、高い生産性を得ること
ができる。
【0028】図1に示す装置を利用するには、まず室1
07と108とを所定の差圧状態とし、さらにヒーター
110によって加熱されたヘリウムガスによってガラス
基板を加熱した状態において、ガラス基板がどれほど変
形するかを計測する。
【0029】このヘリウムガスによる加熱は、ガラス基
板を強制的に変形させるもので、結果として数100μ
m程度の凹凸を有するガラス基板が一定の形に変形す
る。この変形の結果、ガラス基板表面の凹凸は矯正され
る。
【0030】このガラス基板を強制的に変形させる条件
としては、例えば室107を0.5 気圧の減圧状態とし、
室108は特に圧力制御は行わずヘリウムを循環させた
状態とする。ここでヘリウムに対する加熱はガラス基板
が500℃に加熱されるように調整する。ガラス基板の
加熱は、450℃以上であって、そのガラス基板の歪点
以下とする。
【0031】なお、室108から室107へとガスが流
入してしまっても構わない。即ち、所定の圧力差を確保
でるならば、完全に気密性が保たれなくてもよい。
【0032】このガラス基板の変形の度合いについて
は、何枚かのサンプルについて行い予め調べておく必要
がある。そしてその計測値に基づいて、レーザー光の焦
点深度の分布を調整する。即ち、加熱によって凸状に変
形したガラス基板の形状に併せて、線状ビームの長手方
向における焦点深度の分布を調整する。この調整は光学
系115を調整することによって行なう。
【0033】また、レーザー光の走査方向における焦点
深度の調整は光学系の調整だけではできないので、この
方向における補正は、昇降装置111によって行なう。
即ち、レーザー光を走査するために行う筐体101の移
動を筐体101を昇降装置111によって僅かに上下さ
せながら行う。
【0034】図1(B)に示すようにレーザー光の照射
は、ガイドレールに沿って筐体を移動させながら行うこ
とによって行うのであるが、この時に昇降装置111に
よって筐体を上下させることによって、基板の変形に沿
ってレーザー光の焦点の位置を変化させる。こうして常
に被照射面が焦点深度の範囲に存在するようにする。
【0035】このように図1に示す装置を用いてレーザ
ー光の照射によるアニールを行なうことで、個々のガラ
ス基板が微妙に異なった変形をしていたり凹凸を有して
いても、均一なアニール効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】個々のガラス基板が異なる変形や凹凸を
有していても、強制的に変形させた状態とし、その変形
の状態に合わせてレーザービームの焦点深度と調整し、
かつその変形に合わせて焦点の位置を変化させながらレ
ーザー光の照射を行うことで、走査しながらのレーザー
光の照射において、被照射面の全ての面を焦点深度内に
存在させることができる。そして、レーザー光の照射に
よる効果を均一なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザー光を照射するための装置の概要を示
す。
【符号の説明】
101 筐体 102 窓(石英) 103 ガラス基板 104 ガラス基板を押さえるための枠 105 排気ポンプ 106 線状のレーザービーム 107 減圧可能な室 108 ヘリウムが循環する室 109 ヘリウムを循環させるためのポンプ 110 ヘリウムを加熱するためのヒーター 111 筐体を上下させるための昇降装置 113 筐体を平行移動させるためのガイドロ
ーラ 114 レーザー光源 115 レーザービームを成形するための光学
系 116 ミラー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光または強光を照射する装置であ
    って、 気体の圧力差を利用してガラス基板を変形させる手段
    と、 前記変形したガラス基板に対してレーザー光を照射する
    手段と、 を有することを特徴とする光処理装置。
  2. 【請求項2】レーザー光または強光を照射する装置であ
    って、 気体の圧力差を利用してガラス基板を強制的に変形させ
    る手段と、 前記変形したガラス基板に対してその焦点距離を変化さ
    せつつレーザー光または強光を走査して照射する手段
    と、 を有することを特徴とする光処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、圧力差
    は加熱したヘリウムを利用して与えられ、かつ前記ヘリ
    ウムによりガラス基板が加熱されることを特徴とする光
    処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、レーザ
    ー光または強光は線状のビームを有しており、前記ビー
    ムは線状の長手方向における焦点深度の分布を強制的に
    変形されたガラス基板の形状に合わせて設定しているこ
    とを特徴とする光処理装置。
  5. 【請求項5】加熱された気体の圧力を利用してガラス基
    板を所定の形状に強制的に変形した状態で前記ガラス基
    板上に形成された半導体膜に対してレーザー光または強
    光を照射することを特徴とする光処理方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、レーザー光または強光
    は線状のビーム形状に変形されており、前記レーザー光
    または強光は強制的に変形されたガラス基板の形状に沿
    って走査されて照射されることを特徴とする光処理方
    法。
  7. 【請求項7】請求項5において、レーザー光または強光
    は線状のビーム形状に変形されており、前記ビームの焦
    点深度の線状の方向における分布は強制的に変形された
    ガラス基板の形状に沿って設定されていることを特徴と
    する光処理方法。
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