JPH09139357A - レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置 - Google Patents

レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置

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JPH09139357A
JPH09139357A JP31752595A JP31752595A JPH09139357A JP H09139357 A JPH09139357 A JP H09139357A JP 31752595 A JP31752595 A JP 31752595A JP 31752595 A JP31752595 A JP 31752595A JP H09139357 A JPH09139357 A JP H09139357A
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JP
Japan
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silicon film
laser
film
energy density
laser annealing
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Withdrawn
Application number
JP31752595A
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English (en)
Inventor
Naoto Kusumoto
直人 楠本
Toru Takayama
徹 高山
Masahito Yonezawa
雅人 米澤
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の珪素膜に対しレーザーアニールを行う
に際し、良好な結晶性珪素膜を安定して得る。 【構成】 レーザー光の照射エネルギー密度と、試料
(珪素膜)の加熱温度を、アニール後の珪素膜が示す、
ラマン半値半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、また
は、屈折率、または、その両方の、好ましい範囲に従っ
て決定する。これにより、レーザー光の照射エネルギー
密度および加熱温度の、好ましい範囲が得られ、その範
囲内でアニールされた結晶性珪素膜は、異なる珪素膜間
で同質または類似の、優れた膜質・膜特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス等の絶縁基
板上に形成された非晶質(アモルファス)珪素膜や結晶
性シリコン膜に対し、レーザーアニールを施して、結晶
化させる、あるいは結晶性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス等の絶縁基板上に形成され
た非晶質珪素膜や結晶性珪素膜(単結晶でない、多結
晶、微結晶等の結晶性を有する珪素膜)、すなわち、非
単結晶珪素膜に対し、レーザーアニールを施して、結晶
化させたり、結晶性を向上させる技術が、広く研究され
ている。
【0003】レーザーアニールを施して形成された結晶
性珪素膜は、高い移動度有するため、この結晶性珪素膜
を用いて薄膜トランジスタ(TFT)に最適である。例
えば、一枚のガラス基板上に、画素駆動用と駆動回路用
のTFTを作製する、モノリシック型の液晶電気光学装
置等に利用するのに好適である。
【0004】また、出力の大きい、エキシマレーザー等
のパルスレーザービームを使用する方法は知られてい
る。これは、被照射面において、数cm角の四角いスポ
ットや、数ミリ幅×数10cmの線状となるように光学
系にて加工し、レーザービームを走査させる方法であ
る。この方法は、レーザービームの照射位置を被照射面
に対し相対的に移動させて行われる。このようなレーザ
ーアニールを行う方法は、量産性が良く、工業的に優れ
ているため、好んで使用される。
【0005】特に、線状レーザービームを用いると、前
後左右の走査が必要なスポット状のレーザービームを用
いた場合とは異なり、線方向に直角な方向だけの走査で
被照射面全体にレーザー照射を行うことができるため、
高い量産性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】パルスレーザービーム
を光源とする、スポット状、あるいは線状のレーザービ
ームを走査させて、非単結晶珪素膜に対してレーザーア
ニールを施すに際し、いくつかの問題が生じている。
【0007】レーザーアニールによって結晶化あるいは
結晶化が助長された結晶性珪素膜は、レーザーアニール
時の種々の条件により、その膜質が大きく変化する。例
えば、レーザーアニールを行うレーザー照射装置におい
て、レーザー光源の出力や、ビームの形状、面積、装置
の経時変化等により、得られる膜質の状態は千変万化す
る。
【0008】そのため、所望の特性の結晶性珪素膜を安
定して得ることは、いささか困難である。特に、特性が
異なるレーザー照射装置を用いて、同一または類似の膜
特性を有する結晶性珪素膜を得ることは極めて困難であ
る。本発明は、上記課題を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、複数の珪素膜に対してレーザーアニール
を行う方法であって、アニール後の珪素膜が示すラマン
半値半幅に従って、後の珪素膜に対するレーザー光の照
射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決定すること
を特徴とするレーザーアニール方法である。
【0010】また、本発明の他の構成は、複数の珪素膜
に対してレーザーアニールを行う方法であって、アニー
ル後の珪素膜が示す屈折率に従って、後の珪素膜に対す
るレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度
とを決定することを特徴とするレーザーアニール方法で
ある。
【0011】また、本発明の他の構成は、複数の珪素膜
に対してレーザーアニールを行う方法であって、アニー
ル後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って、
後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
ーアニール方法である。
【0012】本出願人は、非単結晶珪素膜に対してレー
ザーアニールを施して結晶化または結晶化を助長させ
て、結晶性珪素膜を得るに際し、主にレーザー光の照射
エネルギー密度と、試料(珪素膜)の加熱温度の2つの
パラメータを、所定の範囲内の数値とすることで、優れ
た膜質の結晶性珪素膜を得られることを発見した。
【0013】そして、レーザー光の照射エネルギー密度
と加熱温度を、アニール後の珪素膜が示す、ラマン半値
半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、または屈折率、ま
たはその両方に従って決定することで、レーザー光の照
射エネルギー密度および加熱温度の、好ましい範囲が得
られることを発見した。
【0014】このようにして決定された、加熱温度およ
び照射エネルギー密度の組み合わせの範囲は、加熱温度
や照射エネルギー密度が異なっても、好ましい膜質や膜
特性を有する、同質または類似の結晶性珪素膜が得られ
る。
【0015】本発明は、まず、珪素膜に対し、レーザー
アニールを行う。そしてアニール後の珪素膜のラマン半
値半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、または屈折率、
またはその両方から、好ましい範囲のレーザー光の照射
エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決める。
【0016】そして、後の珪素膜に対しては、このよう
にして決定された照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度により、レーザーアニールを行う。
【0017】すると、後の珪素膜は、レーザーアニール
後において、優れた膜質、特性を有するものが得られ
る。
【0018】特にアニール後の珪素膜が示すラマン半値
半幅は、3.3〜3.5cm-1の範囲であることが好ま
しい。
【0019】また、アニール後の珪素膜が示す屈折率
は、3.40±0.10の範囲であることが好ましい。
【0020】例えば、アニール後の珪素膜が示すラマン
半値半幅と屈折率に従って決定された、後の珪素膜に対
するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度は、X軸をレーザー光の照射エネルギー密度(mJ/
cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度(℃)とするとき、
(225、RT)、(286、RT)、(195、33
5)、(181、300)、(181、270)(RT
は室温)で囲まれた範囲内に制御されることが特に好ま
しい。
【0021】この範囲内の照射エネルギー密度および加
熱温度で、後の珪素膜をレーザーアニールすることで、
得られる結晶性珪素膜は高い結晶性を有し、膜面内にお
ける膜質の均質性が高く、かつ膜の荒れが少ない結晶性
珪素膜が得られる。
【0022】上記いずれかのレーザーアニール方法にお
いて、レーザーアニールされる珪素膜を結晶性珪素膜と
すると、特に顕著な効果が得られる。
【0023】本発明の他の構成は、複数の珪素膜に対し
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、後の珪素膜に対
するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度とを決定する手段を有することを特徴とするレーザー
アニール装置である。
【0024】本発明の他の構成は、複数の珪素膜に対し
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って、後の珪
素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜
の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴とする
レーザーアニール装置である。
【0025】本発明の他の構成は、複数の珪素膜に対し
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示す屈折率に従って、後の珪素膜に対するレー
ザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決
定する手段を有することを特徴とするレーザーアニール
装置である。
【0026】上記レーザーアニール装置は、前記したレ
ーザアニール方法を実施する装置である。
【0027】すなわち、レーザーアニールが施された珪
素膜から得られた、ラマン半値半幅や屈折率と、それら
に対応する、試料(珪素膜)の加熱温度、およびレーザ
ー光の照射エネルギー密度のデータを記憶装置に格納し
ておく。
【0028】そして、後の珪素膜にレーザーアニールを
行う際に、格納されたデータを参照して、加熱温度およ
び照射エネルギー密度を制御する。
【0029】このようにすることで、所望の好ましい膜
質や膜特性が得られる加熱温度および照射エネルギー密
度の組み合わせの範囲が得られ、その範囲内であれば、
加熱温度や照射エネルギー密度が異なっても、同質また
は類似の結晶性珪素膜が得られる。
【0030】本発明により、レーザーアニールにより結
晶性珪素膜を得るに際し、 異なるレーザー照射装置を用いて同質の結晶性珪素膜
を得る。 レーザー照射装置の経時劣化、特性変化が生じても、
同質の結晶性珪素膜を得る。 所定のパラメータを制御することで、常に一定の膜質
を有した結晶性珪素膜を得ることができる。 といった優れた効果が得られる。
【0031】以下、実施例に本発明の詳細を説明する。
【0032】
【実施例】
〔実施例1〕実施例1では、ガラス基板上にレーザーア
ニールによる結晶性珪素膜を設け、該膜を用いて薄膜ト
ランジスタを形成する例を示す。
【0033】図8に、実施例の作製工程を示す。まず、
基板201として、127mm角のコーニング1737
上に、下地膜としての酸化珪素膜202が2000Å、
その上に非晶質珪素膜が、300〜3000Å、例えば
500Å、共にプラズマCVD法にて、連続的に成膜さ
れる。
【0034】次に、10ppmの酢酸ニッケル水溶液
が、スピンコート法により非晶質珪素膜上に塗布され、
酢酸ニッケル層が形成される。酢酸ニッケル水溶液に
は、界面活性剤を添加するとより好ましい。酢酸ニッケ
ル層は、極めて薄いので、膜状となっているとは限らな
いが、以後の工程における問題はない。
【0035】次に、上記のようにして各膜が積層された
基板201に、600℃で4時間の熱アニールが施さ
れ、非晶質珪素膜が結晶化し、結晶性珪素膜203が形
成される。(図8(A))
【0036】このとき、触媒元素であるニッケルが結晶
成長の核の役割を果たし、結晶化を促進させる。600
℃、4時間という低温、短時間で結晶化を行うことがで
きるのは、ニッケルの機能による。詳細については、特
開平6−244104号に記載されている。
【0037】触媒元素の濃度は、1×1015〜1019
子/cm3 であると好ましい。1×1019原子/cm3
以上の高濃度では、結晶性珪素膜に金属的性質が現れ、
半導体としての特性が消滅する。本実施例において、結
晶性珪素膜中の触媒元素の濃度は、膜中のおける最小値
で、1×1017〜5×1018原子/cm3 である。これ
らの値は、2次イオン質量分析法(SIMS)により分
析、測定したものである。
【0038】このようにして得られる結晶性珪素膜20
3の結晶性をさらに高めるために、エキシマレーザーを
用いてレーザーアニールを行う。
【0039】図10に、実施例におけるレーザー照射室
を示す。図10は、レーザー照射室の側断面図である。
【0040】図9に、実施例におけるレーザーアニール
装置の上面図を示す。ここでは、図9に示すマルチチャ
ンバー型のレーザーアニール装置を用いる。図9におけ
るA−A’断面を示す図が図10に相当する。
【0041】図10において、レーザー照射室101
は、レーザー発振装置102から照射され、光学系11
2により断面形状が線状に加工されたパルスレーザービ
ームを、ミラー103で反射させ、石英で構成された窓
104を介して被処理基板105に照射される機能を有
している。
【0042】レーザー発振装置102は、ここでは、X
eClエキシマレーザー(波長308nm)を発振する
ものを用いる。他に、KrFエキシマレーザー(波長2
48nm)を用いてもよい。
【0043】被処理基板105は、台106上に設けら
れたステージ111上に配置され、台106内に設置さ
れたヒーターによって、所定の温度(100〜700
℃)に保たれる。
【0044】台106は、移動機構107によって、線
状レーザービームの線方向に対して直角方向に移動さ
れ、被処理基板105上面に対しレーザービームを走査
しながら照射することを可能とする。
【0045】雰囲気制御が可能なレーザー照射室101
は、減圧、排気手段として、真空排気ポンプ108を有
する。また、気体供給手段として、バルブを介して酸素
ボンベに接続された、気体供給管109と、バルブを介
して窒素やその他の気体のボンベに接続された、気体供
給管110を有する。
【0046】レーザー照射室101は、ゲイトバルブ3
01を介して、基板搬送室302に連結されている。
【0047】図9において、図10のレーザー照射室1
01がゲイトバルブ301を介して基板搬送室302に
連結されている。
【0048】図9に示す装置の説明をする。ロード/ア
ンロード室306に、被処理基板105が多数枚、例え
ば20枚収納されたカセット312が配置される。ロボ
ットアーム305により、カセット312から一枚の基
板がアライメント室に移動される。
【0049】アライメント室303には、被処理基板1
05とロボットアーム305との位置関係を修正するた
めの、アライメント機構が配置されている。アライメン
ト室303は、ロード/アンロード室306とゲイトバ
ルブ307を介して接続されている。また、アライメン
ト室303には、エリプソメータを構成する光照射部3
13、受光部314が設けられており、必要に応じて珪
素膜の屈折率を計測することができる構成となってい
る。
【0050】予備加熱室308は、レーザーアニールさ
れる基板を所定の温度まで予備的に加熱して、レーザー
照射室101において基板加熱に要する時間を短縮さ
せ、スループットの向上を図るものである。
【0051】予備加熱室308は、その内部は円筒状の
石英で構成されている。円筒状の石英はヒーターで囲ま
れている。また石英で構成された基板ホルダーを備えて
いる。基板ホルダーには、基板が多数枚収容可能なサセ
プターが備えられている。基板ホルダーは、エレベータ
ーにより上下される。基板はヒーターで加熱される。予
備加熱室308は、基板搬送室302とは、ゲイトバル
ブ309によって連結されている。
【0052】予備加熱室308において、所定の時間予
熱された基板は、ロボットアーム305によって基板搬
送室302に引き戻され、アライメント室303にて再
度アライメントされた後、ロボットアーム305によっ
て、レーザー照射室101に移送される。
【0053】レーザー照射終了後、被処理基板105は
ロボットアーム305によって基板搬送室302に引き
出され、徐冷室310に移送される。
【0054】徐冷室310は、ゲイトバルブ311を介
して、基板搬送室302と接続されており、石英製のス
テージ上に配置された被処理基板105が、ランプ、反
射板からの赤外光を浴びて、徐々に冷却される。
【0055】徐冷室310で徐冷された被処理基板10
5は、ロボットアーム305によって、ロード/アンロ
ード室306に移送され、カセット312に収納され
る。
【0056】こうして、レーザーアニール工程が終了す
る。このようにして、上記工程を繰り返すことにより、
多数の基板に対して、連続的に一枚づつ処理できる。
【0057】図9、図10に示す装置を用いてレーザー
アニールを行う工程を説明する。まず、被処理基板10
5(結晶性珪素膜203を有する基板201)は、HF
水溶液、またはHFとH22 の混合水溶液で洗浄され
て自然酸化膜が除去された後、カセット312に納めら
れ、カセット312がロード/アンロード室306に配
置される。
【0058】ロード/アンロード室306から搬送され
る被処理基板105は、アライメントされた後、予備加
熱室308に搬送され、適当に加熱の後、レーザー照射
室101に搬送される。
【0059】レーザー照射室101内は、真空排気ポン
プ108により真空引きされた後、気体供給管109か
ら酸素が、気体供給管110から窒素がそれぞれ供給さ
れ、酸素20%、窒素80%の雰囲気となる。
【0060】酸素含有雰囲気、または酸素含有雰囲気で
結晶性珪素膜203上面に酸化珪素膜が形成された状態
でレーザーアニールを行うことで、レーザーアニールに
よる結晶性珪素膜の結晶性、均質性、レーザー光のエネ
ルギー効率を向上させることができる。
【0061】ただし空気は、不純物が多いため、膜質や
膜特性に悪影響を与えるため、好ましくない。
【0062】レーザー照射室内に供給される酸素、窒素
とも、その純度は、99.9%(3N)〜99.999
99%(7N)、ここでは7Nである。純度が3N未満
では、不純物が多く膜質に悪影響を与える。また、7N
より高純度としても、効果は変わらず、コスト高とな
る。
【0063】酸素含有雰囲気は、酸素のみ、あるいは酸
素と、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体との混
合気体が好ましい。混合気体の場合は、酸素が1%以
上、好ましくは、5%以上含有しているものが好まし
い。
【0064】酸素含有量が1%未満になると、酸化珪素
膜の形成が不十分または不可能となる。5%以上では、
酸素含有雰囲気を用いること、あるいは、酸化珪素膜を
設けることの効果が、安定して得られる。
【0065】また、レーザーアニール時の雰囲気を、水
素含有雰囲気としてもよい。この場合、レーザーアニー
ル後の結晶性珪素膜を用いて作製された薄膜トランジス
タのしきい値が、2〜4V程度正(プラス)側にシフト
される。かつ、薄膜トランジスタの電流−電圧特性にお
ける電流立ち上がり特性は、しきい値がシフトしても低
下しない。よって、水素含有雰囲気でのレーザーアニー
ルにより、しきい値制御をするためにしばしば行われる
硼素ドープ等を不要とすることもできる。
【0066】水素含有雰囲気は、水素と、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性気体との混合気体が好ましい。
混合気体においては、水素は1ppm以上、好ましく
は、0.0%以上、さらに好ましくは1%以上含有され
ていることが好ましい。雰囲気中の水素含有量が増加す
ると、しきい値のシフト量も増加する。
【0067】酸素含有雰囲気または水素含有雰囲気にお
けるアニール時の圧力は、大気圧、またはそれ以下、特
に、0.01Torr以上、700Torr以下の減圧
下で行ってもよい。このような減圧下でレーザーアニー
ルを行うことで、アニール後の結晶性珪素膜の表面や膜
全体のあれを少なくすることができる。0.01Tor
r以下では、酸素または水素の含有雰囲気による効果は
得られない。
【0068】レーザー照射室101に搬送された被処理
基板105は、ステージ111上に載置された状態で、
台106内のヒータにより、所定の温度に加熱される。
酸素含有雰囲気にて加熱されると、結晶性珪素膜203
上面は酸化され酸化珪素膜204が形成される。膜厚
は、10〜100Åここでは30Åである。
【0069】酸化珪素膜204は、純度の高い酸素含有
雰囲気中にて形成されるため、炭素等の不純物がほとん
ど存在しない。そのため、レーザーアニール後の結晶性
珪素膜の諸特性に悪影響を与えず、優れたものが得られ
る。
【0070】図10において、被処理基板105上に照
射される線状レーザービームは、幅0.34mm×長さ
135mmとする。台106を2.5mm/sで一方向
に移動させながら行うことで、線状レーザービームを走
査させる。レーザーの発振周波数は200Hzとする。
被照射物の一点に注目すると、10〜50ショットのレ
ーザービームが照射される。
【0071】このようにして結晶性珪素膜203に対
し、レーザーアニールが施され、結晶性が向上される。
(図8(B))
【0072】ここで、このような結晶性珪素膜に対しレ
ーザーアニールを施すに際し、デバイスとして使用する
のに適した特性の結晶性珪素膜を得るための、試料(こ
こでは結晶性珪素膜)の加熱温度とレーザー光の照射エ
ネルギー密度との関係を示す。
【0073】図1に、ラマン半値半幅に基づく加熱温度
と照射エネルギー密度との関係を示す。図1に示す枠内
の領域の条件でレーザーアニールを行うと、作製される
結晶性珪素膜は、ラマン半値半幅(ラマン半値幅の1/
2の値)を、3.3〜3.5cm-1の範囲に納めること
ができる。
【0074】ラマン半値半幅がこの範囲内の結晶性珪素
膜は、高い結晶性を有し、かつ、膜の荒れが極めて少な
いことが判明している。
【0075】このような結晶性珪素膜は、薄膜トランジ
スタ等のデバイスを構成するのに、極めて適したもので
ある。
【0076】ラマン半値半幅が、3.5cm-1より高い
と、結晶性が低くなり、結晶性珪素膜としての特性、例
えば、高移動度はあまり期待できなくなる。また、3.
3cm-1より低い領域では、結晶性は高いものの、膜自
体の荒れがひどく、デバイス用としての使用は困難とな
る。
【0077】ここで、結晶性珪素膜のラマン半値半幅の
測定は、RANISHAW社 RAMSCOPEを用
い、測定光はアルゴンガスレーザー(波長514.5n
m)、ビーム径φ2μm用い、マルチチャンネルディテ
クターでラマン光を検出する方式により行う。
【0078】また、レーザー光の照射エネルギー密度
は、被照射面における照射エネルギーをパワーメータで
測定し、その値をレーザー光の被照射面の面積で割って
求める。パワーメータとして、OPHIR社製 FL1
50A EXRPを用いる。
【0079】図1に示す枠内の領域は、レーザーアニー
ル時のレーザー光の照射エネルギー密度を横軸、加熱温
度を縦軸とした時における両者の最適な組み合わせの範
囲を示すものである。
【0080】図において座標はX軸をレーザー光の照射
エネルギー密度、Y軸を加熱温度として、(X、Y)で
示される。図1に示す両者の組み合わせの範囲は、(1
81、RT)、(286、RT)、(286、90)、
(196、340)、(181、300)で囲まれた多
角形で示される。(RTは室温)
【0081】即ち、レーザー光の照射エネルギー密度と
試料の加熱温度の関係が、上記の座標で示される領域内
に納まっていればラマン半値半幅が3.3〜3.5cm
-1の範囲にあり、薄膜トランジスタに利用するのに好適
な結晶性珪素膜を得ることができる。
【0082】図1に示す枠の外側の領域について説明す
る。図1に示す枠の外側の領域のうち、枠の上方の領域
は、ラマン半値半幅は3.3cm-1より低くなり、結晶
性は高いが、膜が荒れていて、デバイス用としては不向
きである。
【0083】主に図1の枠の右側上方の領域は、加熱温
度とレーザー光の照射エネルギー密度が共に高くなるた
め、結晶性珪素膜の荒れが激しくなってしまう。すなわ
ち、高い照射エネルギー密度において、加熱温度を高く
すると、結晶性珪素膜に与えられるエネルギーの総量が
大きくなるために、結晶性は高くなるが、膜が荒れてし
まい、当該膜をデバイスに用いることができなくなる。
【0084】また、照射エネルギー密度が290mJ/
cm2 程度以上になると、加熱温度が低くても、膜の荒
れが激しい。ラマン半値半幅は3.3cm-1よりかなり
低く(3.0cm-1近傍またはそれ以下)なるが、デバ
イス用としては好ましくない。
【0085】また、加熱温度が350℃近傍から上の領
域では、結晶性珪素膜からの水素の離脱が激しくなるた
め、膜が荒れてしまい、照射エネルギー密度が低い場合
でも、デバイス用として不適なものとなってしまう。
【0086】他方、図1の枠の左外側の領域、すなわ
ち、照射エネルギー密度が180近傍より低い領域は、
ラマン半値半幅は3.3cm-1〜3.5cm-1の範囲内
に納まる部分もある。しかし、膜の結晶性が低く、結果
として、移動度が低くなってしまい、好ましくない。
【0087】また、図1の枠の下外側の領域は、加熱温
度が室温(RT)より低い領域である。レーザーアニー
ルを行うに際し、加熱温度を、室温より低い温度に、意
図的に低下させても、結晶性珪素膜の結晶性が低くなる
だけで、好ましいものではない。
【0088】以上から明らかなように、図1の枠内で決
められる条件で作製される結晶性珪素膜は、結晶性が高
く、かつ荒れの少ない、デバイス作製に適した良質なも
のとなる。
【0089】図1は、レーザー光の照射によりアニール
された結晶性珪素膜の膜質をラマン半値半幅によって評
価した結果から得られたものである。
【0090】しかし、本出願人らの研究によれば、レー
ザー光の照射によりアニールされた結晶性珪素膜の膜質
は、その屈折率によっても評価することができる。
【0091】ここでいう屈折率は、ガラス基板上に形成
された結晶性珪素膜の屈折率を、エリプソメータにより
エリプソメトリを実施して測定したものを指す。詳述す
ると、エリプソメトリは測定膜の平坦性が悪いと、実際
の膜の屈折率よりやや低い値を出す特性を持っており、
その特性をも含んだ見かけ上の屈折率を、ここでは屈折
率としている。
【0092】屈折率の測定は、ここでは、被処理基板1
05をレーザーアニール室から取り出した後、該基板を
アライメント室303に移動し、アライメント室内に配
置されたエリプソメータにより行う。エリプソメータ
は、レーザー照射室内に設けてもよい。また屈折率の測
定は、徐冷室310にて徐冷した後に行ってもよい。
【0093】測定は、アライメント機構に配置された被
処理基板105上面に対して、光照射部313から所定
の角度で特定の波長の光が照射され、受光部314に、
その反射光が入射されることで、行われる。測定に要す
る時間は数秒〜数十秒である。
【0094】エリプソメータとしてエムセテック社製S
D−2000LAを用いる。測定光は波長1294nm
の半導体レーザーであり、、測定光の入射角は60°で
ある。
【0095】図2乃至図4に、屈折率に基づく加熱温度
と照射エネルギー密度との関係を示す。図2に示す枠内
の領域は、屈折率を、3.40±0.10の範囲に納め
て、膜面内において結晶性が均質な結晶性珪素膜を得る
ことのできる、極めて好ましいレーザー光の照射エネル
ギー密度と加熱温度の条件範囲である。
【0096】図2において座標はXをレーザー光の照射
エネルギー密度、Yを加熱温度として、(X、Y)で示
される。図2に示す両者の組み合わせの範囲は、(22
5、RT)、(286、RT)、(181、385)、
(181、270)で囲まれた多角形で示される。(R
Tは室温)
【0097】図2に示す枠内の領域の外側について説明
する。まず、枠の下外側の領域、つまり加熱温度が室温
(RT)以下の領域は、加熱温度を室温以下に意図的に
低下させても、結晶性が低くなるだけで好ましいもので
はない。
【0098】また、照射エネルギー密度が180mJ/
cm2 近傍より低い領域は、照射エネルギー密度が低い
ため、膜の均質性は十分ではない。
【0099】上記以外の枠の外側の領域は、結晶性珪素
膜の屈折率の範囲が、3.40±0.10よりさらに広
い領域である。したがって、作製される結晶性珪素膜の
膜面内における均質性が低い。よって、例えば、作製さ
れた結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)
を基板上に複数配置する場合、TFTの形成された位置
により、各TFT間で、移動度やしきい値等の諸特性が
異なってしまう。例えば、TFTにより画素をスイッチ
ングするアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、
表示ムラの原因となる。
【0100】以上から明らかなように、図2に示す枠内
の領域は、屈折率を、3.40±0.10の範囲に納め
て、膜面内において結晶性が均質な結晶性珪素膜を得る
ことのできる、極めて好ましい照射エネルギー密度と加
熱温度の条件である。
【0101】また、図3に示す枠内の領域は、図2で示
した範囲において、さらに、結晶性珪素膜の屈折率が、
3.40±0.05と狭い範囲となる領域である。
【0102】図3に示すレーザー光の照射エネルギー密
度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(253、R
T)、(283、RT)、(181、360)、(18
1、310)で囲まれた多角形で示される。
【0103】さらに、図4に示す枠内の領域は、図3に
示した範囲において、さらに結晶性珪素膜の屈折率が、
3.40±0.02と狭い範囲となる領域である。
【0104】図4に示すレーザー光の照射エネルギー密
度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(265、R
T)、(278、RT)、(181、350)、(18
1、315)で囲まれた多角形で示される。
【0105】図2乃至図4で示される枠は、図2より図
3、図3より図4と、枠の領域の範囲が狭いものほど、
結晶性珪素膜の膜面内の均質性が高く、デバイス用の膜
として優れた特性となる。
【0106】図5乃至図7に、ラマン半値半幅と屈折率
に基づく、加熱温度と照射エネルギー密度との関係を示
す。図5における斜線で示された領域は、図1で示した
領域と、図2で示した領域とが、重なる領域である。
【0107】図5に示す斜線で示された領域の、レーザ
ー光の照射エネルギー密度と加熱温度の組み合わせの範
囲は、(225、RT)、(286、RT)、(19
5、335)、(181、300)、(181、27
0)で囲まれた多角形で示される。
【0108】さらに、図6は、図1に示した領域と、図
3で示した領域とが重なる領域を斜線で示す。図6に示
す斜線で示された領域の、レーザー光の照射エネルギー
密度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(253、R
T)、(283、RT)、(191、325)、(18
3、305)で囲まれた多角形で示される。
【0109】また図7は、図1に示した領域と、図4で
示した領域とが重なる領域を斜線で示している。図7に
示す斜線で示された領域の、レーザー光の照射エネルギ
ー密度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(255、R
T)、(283、RT)、(189、320)、(18
3、305)で囲まれた多角形で示される。
【0110】図5乃至図7において、斜線で示された領
域内の条件で作製される結晶性珪素膜は、高い結晶性を
有し、膜の荒れが少ない領域であって、かつ、膜面内に
おける膜質の均質性も優れている。
【0111】特に、図7に示す領域内の条件によって作
製される結晶性珪素膜は、結晶性、膜の荒れの少なさに
加え、膜面内における膜質の均質性が最も優れ、このよ
うな条件にて作製された結晶性珪素膜は、デバイス用と
して、極めて優れたものとなる。
【0112】本実施例において、レーザーアニールを施
す前の被膜として、触媒元素としてニッケルが添加され
た状態で熱結晶化された結晶性珪素膜を用いたが、ニッ
ケル等の触媒元素が添加されずに、熱結晶化された結晶
性珪素膜においても、レーザーアニール時の照射エネル
ギー密度と加熱温度の条件は、全く同様に適用できる。
【0113】また、本実施例においては、レーザーアニ
ールされる結晶性珪素膜の膜厚を500Åとしたが、膜
厚が厚くなると、好ましい作製条件は、照射エネルギー
密度の高い側、かつ加熱温度の高い側へ移動する。膜厚
が薄くなると、その逆へ移動する。
【0114】レーザー光源として、XeClエキシマレ
ーザー(波長308nm)に代えて、KrFエキシマレ
ーザー(波長248nm)を用いても、ほとんど同様の
効果を得ることができる。
【0115】このようにして、良質な結晶性珪素膜20
3が得られる。レーザーアニール終了後、酸化珪素膜2
04は、極めて薄いため、複数回のパルスレーザー照射
によりほとんどが飛散してしまう。
【0116】その後、被処理基板105が徐冷室310
に搬送され、徐冷の後、ロード/アンロード室306の
カセット312に収納される。
【0117】次に、作製された結晶性珪素膜203を用
いて、薄膜トランジスタ(TFT)を作製する。まず結
晶性珪素膜203をエッチングして、島状領域205が
形成される。
【0118】次に、ゲイト絶縁膜206となる酸化珪素
膜が、プラズマCVD法によって厚さ1200Åに形成
される。原料ガスとして、TEOSおよび酸素を用い
る。成膜時の加熱温度は、250℃〜380℃、例え
ば、300℃とする。(図8(C))
【0119】次に、ゲイト電極を作製する。アルミニウ
ム膜をスパッタ法により、厚さ3000Å〜8000
Å、例えば6000Å堆積させる。アルミニウム膜中に
0.1〜2%の珪素を含有させてもよい。該膜をエッチ
ングして、ゲイト電極207が作製される。
【0120】次に、不純物を添加する。Nチャネル型の
TFTを作製する場合、燐イオンが、ゲイト電極をマス
クとしてイオンドーピング法により、島状領域205に
打ち込まれる。ドーピングガスとして、フォスフィン
(PH3 )を用いる。加速電圧は10〜90kV、例え
ば80kV、ドーズ量は、1×1014〜5×1015原子
/cm2 、例えば、1×1015原子/cm2 とする。加
熱温度は室温とする。この結果、チャネル形成領域21
0と、N型の不純物領域として、ソース208、ドレイ
ン209が形成される。
【0121】また、Pチャネル型のTFTを作製する場
合、硼素イオンが、ゲイト電極をマスクとしてイオンド
ーピング法により、島状領域205に打ち込まれる。ド
ーピングガスとして、水素で1〜10%、例えば5%に
希釈されたジボラン(B26 )を用いる。加速電圧は
60〜90kV、例えば65kV、ドーズ量は、2×1
15〜5×1015原子/cm2 、例えば、3×1015
子/cm2 とする。加熱温度は室温とする。この結果、
チャネル形成領域210と、P型の不純物領域として、
ソース208、ドレイン209が形成される。(図8
(D ))
【0122】次に、ドーピングされた不純物を活性化す
るために、再び図9に示すレーザーアニール装置を用い
て、線状レーザービームによりレーザーアニールを行
う。レーザー照射室101内の雰囲気は、空気(大気
圧)とする。被照射面におけるレーザービームのエネル
ギー密度は、100mJ/cm2 〜350mJ/cm2
の範囲で、例えば160mJ/cm2 として、線状レー
ザービームを走査させる。被照射物の一点に注目する
と、20〜40ショットのレーザービームが照射され
る。加熱温度は200℃とする。その後、窒素雰囲気中
にて2時間、450℃の熱アニールを行う。(図8
(E))
【0123】続いて、酸化珪素膜が厚さ6000Å、プ
ラズマCVD法により形成され、層間絶縁膜211が形
成される。次に、エッチングにより層間絶縁膜211に
コンタクトホールが開孔される。さらに、金属材料、例
えば、チタンとアルミニウムの多層膜が形成、エッチン
グされることで、コンタクトホールを介して、ソース電
極・配線212、ドレイン電極・配線213が形成され
る。
【0124】最後に、1気圧の水素雰囲気で、200〜
350℃の熱アニール処理が行われる。
【0125】このようにして、複数のNまたはPチャネ
ル型の結晶性TFTが形成される。これらのTFTは、
Nチャネル型で70〜120cm2 /Vs、Pチャネル
型で60〜90cm2 /Vsの移動度を有する優れたも
のである。(図8(F))
【0126】
【発明の効果】本発明により、レーザーアニールにより
作製される結晶性珪素膜の膜質を、試料(珪素膜)の加
熱温度とレーザー光の照射エネルギー密度とで決定する
ことができ、高い結晶性を有し、膜の荒れが少なく、か
つ均質性に優れた結晶性珪素膜を、異なる条件にて、得
ることができる。
【0127】具体的には、レーザー光の照射エネルギー
密度と試料(珪素膜)の加熱温度との関係を所定の範囲
に収めることにより、常に所定の好ましい膜質を有した
結晶性珪素膜を得ることができる。
【0128】従って、異なるレーザーアニール装置を用
いたり、レーザーアニール装置のレーザー発振器の経時
劣化、特性変化が生じても、レーザー光の照射エネルギ
ー密度と試料の加熱温度とを所定の範囲に収めることに
より、同質の結晶性珪素膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 屈折率に基づく加熱温度とレーザー光の照射
エネルギー密度との関係を示す図。
【図2】 ラマン半値半幅に基づく加熱温度と照射エネ
ルギー密度との関係を示す図。
【図3】 ラマン半値半幅に基づく加熱温度と照射エネ
ルギー密度との関係を示す図。
【図4】 ラマン半値半幅に基づく加熱温度と照射エネ
ルギー密度との関係を示す図。
【図5】 ラマン半値半幅と屈折率に基づく、加熱温度
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
【図6】 ラマン半値半幅と屈折率に基づく、加熱温度
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
【図7】 ラマン半値半幅と屈折率に基づく、加熱温度
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
【図8】 実施例の作製工程を示す図。
【図9】 実施例におけるレーザーアニール装置の上面
図。
【図10】 実施例におけるレーザー照射室を示す図。
【符号の説明】
101 レーザー照射室 102 レーザー発振装置 103 ミラー 104 窓 105 被処理基板 106 台 107 移動機構 108 真空排気ポンプ 109、110 気体供給管 111 ステージ 112 光学系 201 基板 202 酸化珪素膜(下地膜) 203 結晶化珪素膜 204 酸化珪素膜 205 島状領域 206 ゲイト絶縁膜 207 ゲイト電極 208 ソース 209 ドレイン 210 チャネル形成領域 211 層間絶縁膜 212 ソース電極・配線 213 ドレイン電極・配線 301 ゲイトバルブ 302 基板搬送室 303 アライメント室 305 ロボットアーム 306 ロード/アンロード室 307 ゲイトバルブ 308 予備加熱室 309 ゲイトバルブ 310 徐冷室 311 ゲイトバルブ 312 カセット 313 光照射部 314 受光部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
    行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
    ーアニール方法。
  2. 【請求項2】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
    行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示す屈折率に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
    ーアニール方法。
  3. 【請求項3】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
    行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従
    って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
    ーアニール方法。
  4. 【請求項4】請求項1または3において、アニール後の
    珪素膜が示すラマン半値半幅は、3.3〜3.5cm-1
    の範囲であることを特徴とするレーザーアニール方法。
  5. 【請求項5】請求項2または3において、アニール後の
    珪素膜が示す屈折率は、3.40±0.10の範囲であ
    ることを特徴とするレーザーアニール方法。
  6. 【請求項6】請求項3において、アニール後の珪素膜が
    示すラマン半値半幅と屈折率に従って決定された、後の
    珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素
    膜の加熱温度は、X軸をレーザー光の照射エネルギー密
    度(mJ/cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度(℃)と
    するとき、(225、RT)、(286、RT)、(1
    95、335)、(181、300)、(181、27
    0)(RTは室温)で囲まれた範囲内に制御されること
    を特徴とするレーザーアニール方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6において、珪素膜は結晶性
    珪素膜であることを特徴とするレーザーアニール方法。
  8. 【請求項8】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
    行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
    とするレーザーアニール装置。
  9. 【請求項9】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
    行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従
    って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
    とするレーザーアニール装置。
  10. 【請求項10】複数の珪素膜に対してレーザーアニール
    を行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示す屈折率に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
    とするレーザーアニール装置。
  11. 【請求項11】請求項8または9において、アニール後
    の珪素膜が示すラマン半値半幅は、3.3〜3.5cm
    -1の範囲であることを特徴とするレーザーアニール装
    置。
  12. 【請求項12】請求項9または10において、アニール
    後の珪素膜が示す屈折率は、3.40±0.10の範囲
    であることを特徴とするレーザーアニール装置。
  13. 【請求項13】請求項10において、アニール後の珪素
    膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って決定された、
    後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
    珪素膜の加熱温度は、X軸をレーザー光の照射エネルギ
    ー密度(mJ/cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度
    (℃)とするとき、(225、RT)、(286、R
    T)、(195、335)、(181、300)、(1
    81、270)(RTは室温)で囲まれた範囲内に制御
    されることを特徴とするレーザーアニール装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004265968A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 結晶性半導体膜の作製方法及び薄膜トランジスタの作製方法
US8860037B2 (en) 2011-10-12 2014-10-14 Panasonic Corporation Thin-film transistor device

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