JPH09139357A - レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置 - Google Patents
レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置Info
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- JPH09139357A JPH09139357A JP31752595A JP31752595A JPH09139357A JP H09139357 A JPH09139357 A JP H09139357A JP 31752595 A JP31752595 A JP 31752595A JP 31752595 A JP31752595 A JP 31752595A JP H09139357 A JPH09139357 A JP H09139357A
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Abstract
に際し、良好な結晶性珪素膜を安定して得る。 【構成】 レーザー光の照射エネルギー密度と、試料
(珪素膜)の加熱温度を、アニール後の珪素膜が示す、
ラマン半値半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、また
は、屈折率、または、その両方の、好ましい範囲に従っ
て決定する。これにより、レーザー光の照射エネルギー
密度および加熱温度の、好ましい範囲が得られ、その範
囲内でアニールされた結晶性珪素膜は、異なる珪素膜間
で同質または類似の、優れた膜質・膜特性を有する。
Description
板上に形成された非晶質(アモルファス)珪素膜や結晶
性シリコン膜に対し、レーザーアニールを施して、結晶
化させる、あるいは結晶性を向上させる方法に関する。
た非晶質珪素膜や結晶性珪素膜(単結晶でない、多結
晶、微結晶等の結晶性を有する珪素膜)、すなわち、非
単結晶珪素膜に対し、レーザーアニールを施して、結晶
化させたり、結晶性を向上させる技術が、広く研究され
ている。
性珪素膜は、高い移動度有するため、この結晶性珪素膜
を用いて薄膜トランジスタ(TFT)に最適である。例
えば、一枚のガラス基板上に、画素駆動用と駆動回路用
のTFTを作製する、モノリシック型の液晶電気光学装
置等に利用するのに好適である。
のパルスレーザービームを使用する方法は知られてい
る。これは、被照射面において、数cm角の四角いスポ
ットや、数ミリ幅×数10cmの線状となるように光学
系にて加工し、レーザービームを走査させる方法であ
る。この方法は、レーザービームの照射位置を被照射面
に対し相対的に移動させて行われる。このようなレーザ
ーアニールを行う方法は、量産性が良く、工業的に優れ
ているため、好んで使用される。
後左右の走査が必要なスポット状のレーザービームを用
いた場合とは異なり、線方向に直角な方向だけの走査で
被照射面全体にレーザー照射を行うことができるため、
高い量産性が得られる。
を光源とする、スポット状、あるいは線状のレーザービ
ームを走査させて、非単結晶珪素膜に対してレーザーア
ニールを施すに際し、いくつかの問題が生じている。
結晶化が助長された結晶性珪素膜は、レーザーアニール
時の種々の条件により、その膜質が大きく変化する。例
えば、レーザーアニールを行うレーザー照射装置におい
て、レーザー光源の出力や、ビームの形状、面積、装置
の経時変化等により、得られる膜質の状態は千変万化す
る。
定して得ることは、いささか困難である。特に、特性が
異なるレーザー照射装置を用いて、同一または類似の膜
特性を有する結晶性珪素膜を得ることは極めて困難であ
る。本発明は、上記課題を解決するものである。
に、本発明は、複数の珪素膜に対してレーザーアニール
を行う方法であって、アニール後の珪素膜が示すラマン
半値半幅に従って、後の珪素膜に対するレーザー光の照
射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決定すること
を特徴とするレーザーアニール方法である。
に対してレーザーアニールを行う方法であって、アニー
ル後の珪素膜が示す屈折率に従って、後の珪素膜に対す
るレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度
とを決定することを特徴とするレーザーアニール方法で
ある。
に対してレーザーアニールを行う方法であって、アニー
ル後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って、
後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
ーアニール方法である。
ザーアニールを施して結晶化または結晶化を助長させ
て、結晶性珪素膜を得るに際し、主にレーザー光の照射
エネルギー密度と、試料(珪素膜)の加熱温度の2つの
パラメータを、所定の範囲内の数値とすることで、優れ
た膜質の結晶性珪素膜を得られることを発見した。
と加熱温度を、アニール後の珪素膜が示す、ラマン半値
半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、または屈折率、ま
たはその両方に従って決定することで、レーザー光の照
射エネルギー密度および加熱温度の、好ましい範囲が得
られることを発見した。
び照射エネルギー密度の組み合わせの範囲は、加熱温度
や照射エネルギー密度が異なっても、好ましい膜質や膜
特性を有する、同質または類似の結晶性珪素膜が得られ
る。
アニールを行う。そしてアニール後の珪素膜のラマン半
値半幅(ラマン半値幅の1/2の値)、または屈折率、
またはその両方から、好ましい範囲のレーザー光の照射
エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決める。
にして決定された照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度により、レーザーアニールを行う。
後において、優れた膜質、特性を有するものが得られ
る。
半幅は、3.3〜3.5cm-1の範囲であることが好ま
しい。
は、3.40±0.10の範囲であることが好ましい。
半値半幅と屈折率に従って決定された、後の珪素膜に対
するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度は、X軸をレーザー光の照射エネルギー密度(mJ/
cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度(℃)とするとき、
(225、RT)、(286、RT)、(195、33
5)、(181、300)、(181、270)(RT
は室温)で囲まれた範囲内に制御されることが特に好ま
しい。
熱温度で、後の珪素膜をレーザーアニールすることで、
得られる結晶性珪素膜は高い結晶性を有し、膜面内にお
ける膜質の均質性が高く、かつ膜の荒れが少ない結晶性
珪素膜が得られる。
いて、レーザーアニールされる珪素膜を結晶性珪素膜と
すると、特に顕著な効果が得られる。
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、後の珪素膜に対
するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温
度とを決定する手段を有することを特徴とするレーザー
アニール装置である。
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って、後の珪
素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素膜
の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴とする
レーザーアニール装置である。
てレーザーアニールを行う装置であって、アニール後の
珪素膜が示す屈折率に従って、後の珪素膜に対するレー
ザー光の照射エネルギー密度と珪素膜の加熱温度とを決
定する手段を有することを特徴とするレーザーアニール
装置である。
ーザアニール方法を実施する装置である。
素膜から得られた、ラマン半値半幅や屈折率と、それら
に対応する、試料(珪素膜)の加熱温度、およびレーザ
ー光の照射エネルギー密度のデータを記憶装置に格納し
ておく。
行う際に、格納されたデータを参照して、加熱温度およ
び照射エネルギー密度を制御する。
質や膜特性が得られる加熱温度および照射エネルギー密
度の組み合わせの範囲が得られ、その範囲内であれば、
加熱温度や照射エネルギー密度が異なっても、同質また
は類似の結晶性珪素膜が得られる。
晶性珪素膜を得るに際し、 異なるレーザー照射装置を用いて同質の結晶性珪素膜
を得る。 レーザー照射装置の経時劣化、特性変化が生じても、
同質の結晶性珪素膜を得る。 所定のパラメータを制御することで、常に一定の膜質
を有した結晶性珪素膜を得ることができる。 といった優れた効果が得られる。
ニールによる結晶性珪素膜を設け、該膜を用いて薄膜ト
ランジスタを形成する例を示す。
基板201として、127mm角のコーニング1737
上に、下地膜としての酸化珪素膜202が2000Å、
その上に非晶質珪素膜が、300〜3000Å、例えば
500Å、共にプラズマCVD法にて、連続的に成膜さ
れる。
が、スピンコート法により非晶質珪素膜上に塗布され、
酢酸ニッケル層が形成される。酢酸ニッケル水溶液に
は、界面活性剤を添加するとより好ましい。酢酸ニッケ
ル層は、極めて薄いので、膜状となっているとは限らな
いが、以後の工程における問題はない。
基板201に、600℃で4時間の熱アニールが施さ
れ、非晶質珪素膜が結晶化し、結晶性珪素膜203が形
成される。(図8(A))
成長の核の役割を果たし、結晶化を促進させる。600
℃、4時間という低温、短時間で結晶化を行うことがで
きるのは、ニッケルの機能による。詳細については、特
開平6−244104号に記載されている。
子/cm3 であると好ましい。1×1019原子/cm3
以上の高濃度では、結晶性珪素膜に金属的性質が現れ、
半導体としての特性が消滅する。本実施例において、結
晶性珪素膜中の触媒元素の濃度は、膜中のおける最小値
で、1×1017〜5×1018原子/cm3 である。これ
らの値は、2次イオン質量分析法(SIMS)により分
析、測定したものである。
3の結晶性をさらに高めるために、エキシマレーザーを
用いてレーザーアニールを行う。
を示す。図10は、レーザー照射室の側断面図である。
装置の上面図を示す。ここでは、図9に示すマルチチャ
ンバー型のレーザーアニール装置を用いる。図9におけ
るA−A’断面を示す図が図10に相当する。
は、レーザー発振装置102から照射され、光学系11
2により断面形状が線状に加工されたパルスレーザービ
ームを、ミラー103で反射させ、石英で構成された窓
104を介して被処理基板105に照射される機能を有
している。
eClエキシマレーザー(波長308nm)を発振する
ものを用いる。他に、KrFエキシマレーザー(波長2
48nm)を用いてもよい。
れたステージ111上に配置され、台106内に設置さ
れたヒーターによって、所定の温度(100〜700
℃)に保たれる。
状レーザービームの線方向に対して直角方向に移動さ
れ、被処理基板105上面に対しレーザービームを走査
しながら照射することを可能とする。
は、減圧、排気手段として、真空排気ポンプ108を有
する。また、気体供給手段として、バルブを介して酸素
ボンベに接続された、気体供給管109と、バルブを介
して窒素やその他の気体のボンベに接続された、気体供
給管110を有する。
01を介して、基板搬送室302に連結されている。
01がゲイトバルブ301を介して基板搬送室302に
連結されている。
ンロード室306に、被処理基板105が多数枚、例え
ば20枚収納されたカセット312が配置される。ロボ
ットアーム305により、カセット312から一枚の基
板がアライメント室に移動される。
05とロボットアーム305との位置関係を修正するた
めの、アライメント機構が配置されている。アライメン
ト室303は、ロード/アンロード室306とゲイトバ
ルブ307を介して接続されている。また、アライメン
ト室303には、エリプソメータを構成する光照射部3
13、受光部314が設けられており、必要に応じて珪
素膜の屈折率を計測することができる構成となってい
る。
れる基板を所定の温度まで予備的に加熱して、レーザー
照射室101において基板加熱に要する時間を短縮さ
せ、スループットの向上を図るものである。
石英で構成されている。円筒状の石英はヒーターで囲ま
れている。また石英で構成された基板ホルダーを備えて
いる。基板ホルダーには、基板が多数枚収容可能なサセ
プターが備えられている。基板ホルダーは、エレベータ
ーにより上下される。基板はヒーターで加熱される。予
備加熱室308は、基板搬送室302とは、ゲイトバル
ブ309によって連結されている。
熱された基板は、ロボットアーム305によって基板搬
送室302に引き戻され、アライメント室303にて再
度アライメントされた後、ロボットアーム305によっ
て、レーザー照射室101に移送される。
ロボットアーム305によって基板搬送室302に引き
出され、徐冷室310に移送される。
して、基板搬送室302と接続されており、石英製のス
テージ上に配置された被処理基板105が、ランプ、反
射板からの赤外光を浴びて、徐々に冷却される。
5は、ロボットアーム305によって、ロード/アンロ
ード室306に移送され、カセット312に収納され
る。
る。このようにして、上記工程を繰り返すことにより、
多数の基板に対して、連続的に一枚づつ処理できる。
アニールを行う工程を説明する。まず、被処理基板10
5(結晶性珪素膜203を有する基板201)は、HF
水溶液、またはHFとH2 O2 の混合水溶液で洗浄され
て自然酸化膜が除去された後、カセット312に納めら
れ、カセット312がロード/アンロード室306に配
置される。
る被処理基板105は、アライメントされた後、予備加
熱室308に搬送され、適当に加熱の後、レーザー照射
室101に搬送される。
プ108により真空引きされた後、気体供給管109か
ら酸素が、気体供給管110から窒素がそれぞれ供給さ
れ、酸素20%、窒素80%の雰囲気となる。
結晶性珪素膜203上面に酸化珪素膜が形成された状態
でレーザーアニールを行うことで、レーザーアニールに
よる結晶性珪素膜の結晶性、均質性、レーザー光のエネ
ルギー効率を向上させることができる。
膜特性に悪影響を与えるため、好ましくない。
とも、その純度は、99.9%(3N)〜99.999
99%(7N)、ここでは7Nである。純度が3N未満
では、不純物が多く膜質に悪影響を与える。また、7N
より高純度としても、効果は変わらず、コスト高とな
る。
素と、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体との混
合気体が好ましい。混合気体の場合は、酸素が1%以
上、好ましくは、5%以上含有しているものが好まし
い。
膜の形成が不十分または不可能となる。5%以上では、
酸素含有雰囲気を用いること、あるいは、酸化珪素膜を
設けることの効果が、安定して得られる。
素含有雰囲気としてもよい。この場合、レーザーアニー
ル後の結晶性珪素膜を用いて作製された薄膜トランジス
タのしきい値が、2〜4V程度正(プラス)側にシフト
される。かつ、薄膜トランジスタの電流−電圧特性にお
ける電流立ち上がり特性は、しきい値がシフトしても低
下しない。よって、水素含有雰囲気でのレーザーアニー
ルにより、しきい値制御をするためにしばしば行われる
硼素ドープ等を不要とすることもできる。
ム、アルゴン等の不活性気体との混合気体が好ましい。
混合気体においては、水素は1ppm以上、好ましく
は、0.0%以上、さらに好ましくは1%以上含有され
ていることが好ましい。雰囲気中の水素含有量が増加す
ると、しきい値のシフト量も増加する。
けるアニール時の圧力は、大気圧、またはそれ以下、特
に、0.01Torr以上、700Torr以下の減圧
下で行ってもよい。このような減圧下でレーザーアニー
ルを行うことで、アニール後の結晶性珪素膜の表面や膜
全体のあれを少なくすることができる。0.01Tor
r以下では、酸素または水素の含有雰囲気による効果は
得られない。
基板105は、ステージ111上に載置された状態で、
台106内のヒータにより、所定の温度に加熱される。
酸素含有雰囲気にて加熱されると、結晶性珪素膜203
上面は酸化され酸化珪素膜204が形成される。膜厚
は、10〜100Åここでは30Åである。
雰囲気中にて形成されるため、炭素等の不純物がほとん
ど存在しない。そのため、レーザーアニール後の結晶性
珪素膜の諸特性に悪影響を与えず、優れたものが得られ
る。
射される線状レーザービームは、幅0.34mm×長さ
135mmとする。台106を2.5mm/sで一方向
に移動させながら行うことで、線状レーザービームを走
査させる。レーザーの発振周波数は200Hzとする。
被照射物の一点に注目すると、10〜50ショットのレ
ーザービームが照射される。
し、レーザーアニールが施され、結晶性が向上される。
(図8(B))
ーザーアニールを施すに際し、デバイスとして使用する
のに適した特性の結晶性珪素膜を得るための、試料(こ
こでは結晶性珪素膜)の加熱温度とレーザー光の照射エ
ネルギー密度との関係を示す。
と照射エネルギー密度との関係を示す。図1に示す枠内
の領域の条件でレーザーアニールを行うと、作製される
結晶性珪素膜は、ラマン半値半幅(ラマン半値幅の1/
2の値)を、3.3〜3.5cm-1の範囲に納めること
ができる。
膜は、高い結晶性を有し、かつ、膜の荒れが極めて少な
いことが判明している。
スタ等のデバイスを構成するのに、極めて適したもので
ある。
と、結晶性が低くなり、結晶性珪素膜としての特性、例
えば、高移動度はあまり期待できなくなる。また、3.
3cm-1より低い領域では、結晶性は高いものの、膜自
体の荒れがひどく、デバイス用としての使用は困難とな
る。
測定は、RANISHAW社 RAMSCOPEを用
い、測定光はアルゴンガスレーザー(波長514.5n
m)、ビーム径φ2μm用い、マルチチャンネルディテ
クターでラマン光を検出する方式により行う。
は、被照射面における照射エネルギーをパワーメータで
測定し、その値をレーザー光の被照射面の面積で割って
求める。パワーメータとして、OPHIR社製 FL1
50A EXRPを用いる。
ル時のレーザー光の照射エネルギー密度を横軸、加熱温
度を縦軸とした時における両者の最適な組み合わせの範
囲を示すものである。
エネルギー密度、Y軸を加熱温度として、(X、Y)で
示される。図1に示す両者の組み合わせの範囲は、(1
81、RT)、(286、RT)、(286、90)、
(196、340)、(181、300)で囲まれた多
角形で示される。(RTは室温)
試料の加熱温度の関係が、上記の座標で示される領域内
に納まっていればラマン半値半幅が3.3〜3.5cm
-1の範囲にあり、薄膜トランジスタに利用するのに好適
な結晶性珪素膜を得ることができる。
る。図1に示す枠の外側の領域のうち、枠の上方の領域
は、ラマン半値半幅は3.3cm-1より低くなり、結晶
性は高いが、膜が荒れていて、デバイス用としては不向
きである。
度とレーザー光の照射エネルギー密度が共に高くなるた
め、結晶性珪素膜の荒れが激しくなってしまう。すなわ
ち、高い照射エネルギー密度において、加熱温度を高く
すると、結晶性珪素膜に与えられるエネルギーの総量が
大きくなるために、結晶性は高くなるが、膜が荒れてし
まい、当該膜をデバイスに用いることができなくなる。
cm2 程度以上になると、加熱温度が低くても、膜の荒
れが激しい。ラマン半値半幅は3.3cm-1よりかなり
低く(3.0cm-1近傍またはそれ以下)なるが、デバ
イス用としては好ましくない。
域では、結晶性珪素膜からの水素の離脱が激しくなるた
め、膜が荒れてしまい、照射エネルギー密度が低い場合
でも、デバイス用として不適なものとなってしまう。
ち、照射エネルギー密度が180近傍より低い領域は、
ラマン半値半幅は3.3cm-1〜3.5cm-1の範囲内
に納まる部分もある。しかし、膜の結晶性が低く、結果
として、移動度が低くなってしまい、好ましくない。
度が室温(RT)より低い領域である。レーザーアニー
ルを行うに際し、加熱温度を、室温より低い温度に、意
図的に低下させても、結晶性珪素膜の結晶性が低くなる
だけで、好ましいものではない。
められる条件で作製される結晶性珪素膜は、結晶性が高
く、かつ荒れの少ない、デバイス作製に適した良質なも
のとなる。
された結晶性珪素膜の膜質をラマン半値半幅によって評
価した結果から得られたものである。
ザー光の照射によりアニールされた結晶性珪素膜の膜質
は、その屈折率によっても評価することができる。
された結晶性珪素膜の屈折率を、エリプソメータにより
エリプソメトリを実施して測定したものを指す。詳述す
ると、エリプソメトリは測定膜の平坦性が悪いと、実際
の膜の屈折率よりやや低い値を出す特性を持っており、
その特性をも含んだ見かけ上の屈折率を、ここでは屈折
率としている。
05をレーザーアニール室から取り出した後、該基板を
アライメント室303に移動し、アライメント室内に配
置されたエリプソメータにより行う。エリプソメータ
は、レーザー照射室内に設けてもよい。また屈折率の測
定は、徐冷室310にて徐冷した後に行ってもよい。
処理基板105上面に対して、光照射部313から所定
の角度で特定の波長の光が照射され、受光部314に、
その反射光が入射されることで、行われる。測定に要す
る時間は数秒〜数十秒である。
D−2000LAを用いる。測定光は波長1294nm
の半導体レーザーであり、、測定光の入射角は60°で
ある。
と照射エネルギー密度との関係を示す。図2に示す枠内
の領域は、屈折率を、3.40±0.10の範囲に納め
て、膜面内において結晶性が均質な結晶性珪素膜を得る
ことのできる、極めて好ましいレーザー光の照射エネル
ギー密度と加熱温度の条件範囲である。
エネルギー密度、Yを加熱温度として、(X、Y)で示
される。図2に示す両者の組み合わせの範囲は、(22
5、RT)、(286、RT)、(181、385)、
(181、270)で囲まれた多角形で示される。(R
Tは室温)
する。まず、枠の下外側の領域、つまり加熱温度が室温
(RT)以下の領域は、加熱温度を室温以下に意図的に
低下させても、結晶性が低くなるだけで好ましいもので
はない。
cm2 近傍より低い領域は、照射エネルギー密度が低い
ため、膜の均質性は十分ではない。
膜の屈折率の範囲が、3.40±0.10よりさらに広
い領域である。したがって、作製される結晶性珪素膜の
膜面内における均質性が低い。よって、例えば、作製さ
れた結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)
を基板上に複数配置する場合、TFTの形成された位置
により、各TFT間で、移動度やしきい値等の諸特性が
異なってしまう。例えば、TFTにより画素をスイッチ
ングするアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、
表示ムラの原因となる。
の領域は、屈折率を、3.40±0.10の範囲に納め
て、膜面内において結晶性が均質な結晶性珪素膜を得る
ことのできる、極めて好ましい照射エネルギー密度と加
熱温度の条件である。
した範囲において、さらに、結晶性珪素膜の屈折率が、
3.40±0.05と狭い範囲となる領域である。
度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(253、R
T)、(283、RT)、(181、360)、(18
1、310)で囲まれた多角形で示される。
示した範囲において、さらに結晶性珪素膜の屈折率が、
3.40±0.02と狭い範囲となる領域である。
度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(265、R
T)、(278、RT)、(181、350)、(18
1、315)で囲まれた多角形で示される。
3、図3より図4と、枠の領域の範囲が狭いものほど、
結晶性珪素膜の膜面内の均質性が高く、デバイス用の膜
として優れた特性となる。
に基づく、加熱温度と照射エネルギー密度との関係を示
す。図5における斜線で示された領域は、図1で示した
領域と、図2で示した領域とが、重なる領域である。
ー光の照射エネルギー密度と加熱温度の組み合わせの範
囲は、(225、RT)、(286、RT)、(19
5、335)、(181、300)、(181、27
0)で囲まれた多角形で示される。
3で示した領域とが重なる領域を斜線で示す。図6に示
す斜線で示された領域の、レーザー光の照射エネルギー
密度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(253、R
T)、(283、RT)、(191、325)、(18
3、305)で囲まれた多角形で示される。
示した領域とが重なる領域を斜線で示している。図7に
示す斜線で示された領域の、レーザー光の照射エネルギ
ー密度と加熱温度の組み合わせの範囲は、(255、R
T)、(283、RT)、(189、320)、(18
3、305)で囲まれた多角形で示される。
域内の条件で作製される結晶性珪素膜は、高い結晶性を
有し、膜の荒れが少ない領域であって、かつ、膜面内に
おける膜質の均質性も優れている。
製される結晶性珪素膜は、結晶性、膜の荒れの少なさに
加え、膜面内における膜質の均質性が最も優れ、このよ
うな条件にて作製された結晶性珪素膜は、デバイス用と
して、極めて優れたものとなる。
す前の被膜として、触媒元素としてニッケルが添加され
た状態で熱結晶化された結晶性珪素膜を用いたが、ニッ
ケル等の触媒元素が添加されずに、熱結晶化された結晶
性珪素膜においても、レーザーアニール時の照射エネル
ギー密度と加熱温度の条件は、全く同様に適用できる。
ールされる結晶性珪素膜の膜厚を500Åとしたが、膜
厚が厚くなると、好ましい作製条件は、照射エネルギー
密度の高い側、かつ加熱温度の高い側へ移動する。膜厚
が薄くなると、その逆へ移動する。
ーザー(波長308nm)に代えて、KrFエキシマレ
ーザー(波長248nm)を用いても、ほとんど同様の
効果を得ることができる。
3が得られる。レーザーアニール終了後、酸化珪素膜2
04は、極めて薄いため、複数回のパルスレーザー照射
によりほとんどが飛散してしまう。
に搬送され、徐冷の後、ロード/アンロード室306の
カセット312に収納される。
いて、薄膜トランジスタ(TFT)を作製する。まず結
晶性珪素膜203をエッチングして、島状領域205が
形成される。
膜が、プラズマCVD法によって厚さ1200Åに形成
される。原料ガスとして、TEOSおよび酸素を用い
る。成膜時の加熱温度は、250℃〜380℃、例え
ば、300℃とする。(図8(C))
ム膜をスパッタ法により、厚さ3000Å〜8000
Å、例えば6000Å堆積させる。アルミニウム膜中に
0.1〜2%の珪素を含有させてもよい。該膜をエッチ
ングして、ゲイト電極207が作製される。
TFTを作製する場合、燐イオンが、ゲイト電極をマス
クとしてイオンドーピング法により、島状領域205に
打ち込まれる。ドーピングガスとして、フォスフィン
(PH3 )を用いる。加速電圧は10〜90kV、例え
ば80kV、ドーズ量は、1×1014〜5×1015原子
/cm2 、例えば、1×1015原子/cm2 とする。加
熱温度は室温とする。この結果、チャネル形成領域21
0と、N型の不純物領域として、ソース208、ドレイ
ン209が形成される。
合、硼素イオンが、ゲイト電極をマスクとしてイオンド
ーピング法により、島状領域205に打ち込まれる。ド
ーピングガスとして、水素で1〜10%、例えば5%に
希釈されたジボラン(B2 H6 )を用いる。加速電圧は
60〜90kV、例えば65kV、ドーズ量は、2×1
015〜5×1015原子/cm2 、例えば、3×1015原
子/cm2 とする。加熱温度は室温とする。この結果、
チャネル形成領域210と、P型の不純物領域として、
ソース208、ドレイン209が形成される。(図8
(D ))
るために、再び図9に示すレーザーアニール装置を用い
て、線状レーザービームによりレーザーアニールを行
う。レーザー照射室101内の雰囲気は、空気(大気
圧)とする。被照射面におけるレーザービームのエネル
ギー密度は、100mJ/cm2 〜350mJ/cm2
の範囲で、例えば160mJ/cm2 として、線状レー
ザービームを走査させる。被照射物の一点に注目する
と、20〜40ショットのレーザービームが照射され
る。加熱温度は200℃とする。その後、窒素雰囲気中
にて2時間、450℃の熱アニールを行う。(図8
(E))
ラズマCVD法により形成され、層間絶縁膜211が形
成される。次に、エッチングにより層間絶縁膜211に
コンタクトホールが開孔される。さらに、金属材料、例
えば、チタンとアルミニウムの多層膜が形成、エッチン
グされることで、コンタクトホールを介して、ソース電
極・配線212、ドレイン電極・配線213が形成され
る。
350℃の熱アニール処理が行われる。
ル型の結晶性TFTが形成される。これらのTFTは、
Nチャネル型で70〜120cm2 /Vs、Pチャネル
型で60〜90cm2 /Vsの移動度を有する優れたも
のである。(図8(F))
作製される結晶性珪素膜の膜質を、試料(珪素膜)の加
熱温度とレーザー光の照射エネルギー密度とで決定する
ことができ、高い結晶性を有し、膜の荒れが少なく、か
つ均質性に優れた結晶性珪素膜を、異なる条件にて、得
ることができる。
密度と試料(珪素膜)の加熱温度との関係を所定の範囲
に収めることにより、常に所定の好ましい膜質を有した
結晶性珪素膜を得ることができる。
いたり、レーザーアニール装置のレーザー発振器の経時
劣化、特性変化が生じても、レーザー光の照射エネルギ
ー密度と試料の加熱温度とを所定の範囲に収めることに
より、同質の結晶性珪素膜を得ることができる。
エネルギー密度との関係を示す図。
ルギー密度との関係を示す図。
ルギー密度との関係を示す図。
ルギー密度との関係を示す図。
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
と照射エネルギー密度との関係を示す図。
図。
Claims (13)
- 【請求項1】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
ーアニール方法。 - 【請求項2】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示す屈折率に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
ーアニール方法。 - 【請求項3】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
行う方法であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従
って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定することを特徴とするレーザ
ーアニール方法。 - 【請求項4】請求項1または3において、アニール後の
珪素膜が示すラマン半値半幅は、3.3〜3.5cm-1
の範囲であることを特徴とするレーザーアニール方法。 - 【請求項5】請求項2または3において、アニール後の
珪素膜が示す屈折率は、3.40±0.10の範囲であ
ることを特徴とするレーザーアニール方法。 - 【請求項6】請求項3において、アニール後の珪素膜が
示すラマン半値半幅と屈折率に従って決定された、後の
珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と珪素
膜の加熱温度は、X軸をレーザー光の照射エネルギー密
度(mJ/cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度(℃)と
するとき、(225、RT)、(286、RT)、(1
95、335)、(181、300)、(181、27
0)(RTは室温)で囲まれた範囲内に制御されること
を特徴とするレーザーアニール方法。 - 【請求項7】請求項1乃至6において、珪素膜は結晶性
珪素膜であることを特徴とするレーザーアニール方法。 - 【請求項8】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
とするレーザーアニール装置。 - 【請求項9】複数の珪素膜に対してレーザーアニールを
行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従
って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
とするレーザーアニール装置。 - 【請求項10】複数の珪素膜に対してレーザーアニール
を行う装置であって、 アニール後の珪素膜が示す屈折率に従って、 後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度とを決定する手段を有することを特徴
とするレーザーアニール装置。 - 【請求項11】請求項8または9において、アニール後
の珪素膜が示すラマン半値半幅は、3.3〜3.5cm
-1の範囲であることを特徴とするレーザーアニール装
置。 - 【請求項12】請求項9または10において、アニール
後の珪素膜が示す屈折率は、3.40±0.10の範囲
であることを特徴とするレーザーアニール装置。 - 【請求項13】請求項10において、アニール後の珪素
膜が示すラマン半値半幅と屈折率に従って決定された、
後の珪素膜に対するレーザー光の照射エネルギー密度と
珪素膜の加熱温度は、X軸をレーザー光の照射エネルギ
ー密度(mJ/cm2 )、Y軸を珪素膜の加熱温度
(℃)とするとき、(225、RT)、(286、R
T)、(195、335)、(181、300)、(1
81、270)(RTは室温)で囲まれた範囲内に制御
されることを特徴とするレーザーアニール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31752595A JPH09139357A (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31752595A JPH09139357A (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09139357A true JPH09139357A (ja) | 1997-05-27 |
Family
ID=18089222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31752595A Withdrawn JPH09139357A (ja) | 1995-11-10 | 1995-11-10 | レーザーアニール方法およびレーザーアニール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09139357A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004265968A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 結晶性半導体膜の作製方法及び薄膜トランジスタの作製方法 |
US8860037B2 (en) | 2011-10-12 | 2014-10-14 | Panasonic Corporation | Thin-film transistor device |
-
1995
- 1995-11-10 JP JP31752595A patent/JPH09139357A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004265968A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 結晶性半導体膜の作製方法及び薄膜トランジスタの作製方法 |
US8860037B2 (en) | 2011-10-12 | 2014-10-14 | Panasonic Corporation | Thin-film transistor device |
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