JPH0963970A - 薄膜素子の製造装置および製造方法 - Google Patents

薄膜素子の製造装置および製造方法

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JPH0963970A
JPH0963970A JP22127895A JP22127895A JPH0963970A JP H0963970 A JPH0963970 A JP H0963970A JP 22127895 A JP22127895 A JP 22127895A JP 22127895 A JP22127895 A JP 22127895A JP H0963970 A JPH0963970 A JP H0963970A
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JP
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substrate
thin film
forming chamber
film forming
wall
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JP22127895A
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Inventor
Katsuya Tabuchi
勝也 田淵
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】ステッピング方式で可撓性基板上に成膜する場
合に、真空成膜空間形成のためのシール部材の基板との
粘着による基板搬送トラブルの発生を防止する。 【解決手段】(1)シール部材の材料をふっ素樹脂にす
る。(2)シール部材の表面に金属、金属酸化物、ふっ
素樹脂などの粘着防止膜をコーティングする。(3)シ
ール部材を冷却する。(4)シール部材の接触面を綾状
面とする。(5)粘着した基板を押圧してシール部材か
らはずす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性基板上に各
層をステッピングロール方式で成膜する薄膜光電変換素
子などの薄膜素子の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばアモルファスシリコン (以下a−
Siと記す) を主材料とした光電変換層を含む各層を長
尺の高分子材料あるいはステンレス鋼などの金属からな
る可撓性基板上に形成して薄膜光電変換素子を製造する
方法は、生産性の点ですぐれている。長尺の可撓性基板
上に複数の層を成膜する方式として、各成膜室内を移動
する基板上に成膜するロールツーロール方式と、成膜室
内で停止させた基板上に成膜したのち成膜の終わった基
板部分を成膜室外へ送り出すステッピングロール方式と
がある。プラズマCVD法を用いて成膜するステッピン
グロール方式では、成膜室開放−基板1フレーム移動−
成膜室封止−原料ガス導入−圧力制御−放電開始−放電
終了−原料ガス停止−ガス引き−成膜室開放の操作が繰
り返される。
【0003】このステッピングロール方式を採用した成
膜装置は、通常のロールツーロール成膜に比べ以下の点
で優れている。 (1) 隣接する成膜室とのガス相互拡散がない。 (2) 装置がコンパクトである。 図2 (a) 、 (b) はステッピングロール方式の成膜室
の開放時および封止時の断面をそれぞれ示す。断続的に
搬送されてくる可撓性基板1の上下に函状の下部成膜室
壁体21と上部成膜室壁体22が対向している。下部成
膜室には電源4に接続された高電圧電極31が、上部成
膜室にはヒータ33を内蔵した接地電極32が備えられ
ている。成膜時には、図2 (b) に示すように、上部成
膜室壁体22が下降し、接地電極32が基板1を抑えて
下部成膜室壁体21の開口側端面に取付けられたシール
材5に接触させる。これにより、下部成膜室壁体21と
基板1により、排気管61に連通する気密に密閉された
成膜空間6が形成され、高電圧電極31への高周波電圧
の印加によりプラズマを成膜空間6に発生させ、図示し
ない導入管から導入された原料ガスを分解して基板1上
に膜を形成する。
【0004】図3は、平成4年特許願第347394号
ほかの明細書に記載されている基板1と上部成膜室壁体
とによって囲まれた空間も真空気密に保つシール構造を
示し、下部成膜室壁体21の端面には、二つの帯状端板
23、24が、また上部成膜室壁体22の端面には二つ
の帯状端板25、26がそれぞれねじ止めされ、その間
に形成されるあり溝にシール材5を脱落しないように保
持している。成膜時には、基板1を下部成膜室側の端板
23、24の表面およびその間のシール材5と、上部成
膜室側の端板25、26の表面およびその間のシール材
5とではさむことによって上部および下部成膜室の空間
6および62が真空に保たれる。
【0005】図4(a)、(b)は平成7年特許願第2
356号明細書に記載されたシール構造の成膜室開放時
および閉鎖時の断面がそれぞれ示す。トッププレート2
7の開口45に近接した部分の上には、図3に示したと
同様にシール材5は端板23、24の間に保持されてい
る。一方、上部成膜室壁体22の端面には、ふっ素ゴム
よりなるリップ (唇状体) 7の基部が角環状のL形パッ
キン71の凹部に挿し込まれ、リップ押さえ72との間
にはさみ込むことにより保持されている。リップ7の先
端部は1辺480mmの正方形である。L形パッキン7
1およびリップ押さえ72は壁体22の端面にねじ止め
で固定されており、従ってリップ7の着脱が容易であ
る。リップ7は、方形の壁体22の各辺ごとに4分割さ
れていることが望ましい。。成膜室開放時にはリップ7
は可撓性基板1の面に外方に向かって45〜60°傾斜
しており、L形パッキン71の下端より約5mm下方へ
突出している。リップ押さえ72の縁部は例えば30°
の面取りが施されている。アクチュエータ41によりハ
ウジング28と共に壁体22が矢印51の方向に下降し
始めると、リップ7の先端が鎖線で示した基板に接触
し、さらに基板1を押し込みトッププレート27上の端
板23、24の表面上に到達する。そのまま壁体22が
矢印53の方向に下降すると、リップ7の先端は端板2
3、24の表面に平行に外側に向かって滑って変形す
る。この横方向への変形のストロークは4mmである。
リップ押さえ72の縁部が面取りされているので、変形
したリップ7の端部はこの面取り部へ逃げることができ
る。その際に、リップ7の先端と断面23、24上の基
板1との間に摩擦が発生し、基板1を矢印54の方向に
外側へ引っ張るので、図4(b)に示すように基板1の
外周は端板23、24の表面上を、中心から外側に向か
う矢印54の放射状方向に摺動し、しわが伸びる。そし
て、下降の継続によりL形パッキン71は、下方の基板
1をシール材5および端板23、24に対して押し付け
ることにより、基板1の下方の成膜空間6および基板1
の上方の壁体22によって囲まれた空間を真空封じす
る。さらに、接地電極32を矢印55の方向に下降さ
せ、基板1を強制的に矢印56の方向に引っ張ることに
より、しわをさらに伸ばす。この例では、上部成膜室も
真空にすることができるが、図2に示したような高電圧
電極を収容する成膜室のみを真空にする薄膜光電変換素
子の製造装置においても同様な構造にすることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】可撓性基板を搬送する
ために、基板の搬送方向に向けてテンションをかけてい
る。装置距離が長くなることで、可撓性基板を支持する
ロールの数を増やさなければならず、ロール軸での機械
ロスが増え、その結果、可撓性基板にかかる力は弱くな
る。また、接地電極32は、基板を200℃以上に加熱
するためのヒータを内蔵しているため、ヒータ周辺部の
壁体22は、L型パッキン71、リップ7、リップ押さ
え72、端板23、24、トッププレート27、シール
材5は、加熱される。従って、例えばふっ素ゴムで作製
されているL型パッキン71、リップ7、リップ押さえ
72、シール材5は加熱されることにより、粘度が増
す。このため、成膜終了後、あるいは、成膜室封止後に
上部成膜室を上昇し、可撓性基板1を搬送してコマ送り
する際に、図2、図3の例ではシール材5、図4の例で
はシール材5、あるいはL型パッキン71のどちらか一
方に粘着し、可撓性基板が搬送できない問題が生じた。
【0007】本発明の目的は、上述の問題を解決し、シ
ール部材によって可撓性基板の搬送しか妨げられること
のない薄膜素子の製造装置ならびに製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1記載の本発明は、可撓性基板を函状の成
膜室壁体の開口周囲の端面と弾性をもつシール部材を介
して密着させ、壁体と基板とにより囲まれた成膜室内を
真空にし、この空間内に収容された電極に電圧を印加し
て基板上に薄膜を形成するための薄膜素子の製造装置に
おいて、シール部材がふっ素樹脂よりなるものとする。
ふっ素樹脂は、高分子材料あるいは金属よりなる可撓性
基板の表面と粘着性がふっ素ゴム等より少ないため、基
板の搬送を妨げる粘着が生じない。請求項2記載の本発
明は、同じく可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周囲
の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁体
と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空間
内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を形
成するための薄膜素子の製造装置において、シール部材
の可撓性基板との接触面が、弾性のある母材よりも基板
に対する粘着力が少ない材料よりなる表面膜によって覆
われたものとする。この表面膜により、シール部材と基
板との粘着が防止される。シール部材の母材がふっ素ゴ
ムであり、表面膜が金属よりなること、その金属がA
g、Al、Ti、CuおよびCrのうちの一つであるこ
とがよい。シール部材の母材がふっ素ゴムであり、表面
膜が金属酸化物よりなること、その金属酸化物がZn
O、ITOおよびSnO2 のうちの一つであることもよ
い。シール部材の母材がふっ素ゴムであり、表面膜がふ
っ素樹脂よりなることもよい。ふっ素樹脂は、シール部
材の材料として用いる場合を含めて、ポリテトラフルオ
ロエチレン(以下PTFEと記す)あるいはポリクロロ
トリフルオロエチレン(以下PCTFEと記す)である
こともよい。さらに、シール部材の母材がふっ素ゴムで
あり、表面膜がシリコン系化合物あるいは窒化ほう素よ
りなることもよい。請求項10記載の本発明は、可撓性
基板を函状の成膜室壁体の開口周囲の端面と弾性をもつ
シール部材を介して密着させ、壁体と基板とにより囲ま
れた成膜室内を真空にし、この空間内に収容された電極
に電圧を印加して基板上に薄膜を形成するための薄膜素
子の製造装置において、シール部材の近傍にシール部材
の温度を100℃以下にするための冷却手段を備えたも
のとする。これにより、シール部材の粘着性を低く抑え
ることができ、シール部材の基板への粘着を防ぐことが
できる。請求項11記載の本発明は、可撓性基板を函状
の成膜室壁体の開口周囲の端面と弾性をもつシール部材
を介して密着させ、壁体と基板とにより囲まれた成膜室
内を真空にし、この空間内に収容された電極に電圧を印
加して基板上に薄膜を形成するための薄膜素子の製造装
置において、シール部材の可撓性基板との接触面が稜状
であるものとする。接触面を稜状とすることにより、シ
ール部材が基板に押圧されても接触面積を小さくするこ
とができ、粘着しにくくなる。
【0009】請求項12記載の本発明は、可撓性基板を
函状の成膜室壁体の開口周囲の端面と弾性をもつシール
部材を介して密着させ、壁体と基板とにより囲まれた成
膜室内を真空にし、この空間内に収容された電極に電圧
を印加して基板上に薄膜を形成する薄膜素子の製造方法
において、薄膜を形成し、成膜室壁体端面を基板に密着
させる圧力を解除したのち、基板を一面側から他面側に
向けて押圧するものとする。これにより、シール部材に
粘着した基板をはずすことができる。その場合、基板を
基板面が成膜室壁体の開口面より4mm以上突出するま
で押圧することが有効で、4mm未満ではシール部材か
ら基板をはずすことの出来ない場合がある。
【0010】
【発明の実施の形態】シール部材自体が可撓性基板に粘
着しないようにするためにはシール部材をPTFEある
いはPCTFEなどのふっ素ゴムより耐熱性のよいふっ
素樹脂で作製する。シール部材に従来同様にふっ素ゴム
などを用いる場合は、その表面にシール部材より可撓性
基板との粘着性の少ない材料の膜を形成する。そのよう
な表面膜の材料としてはAg、Al、Ti、Cu、Cr
などの金属、あるいはZnO、ITO、SnO2 などの
金属酸化物を用いる。表面膜のコーティングは、スパッ
タリング法、蒸着法、塗布法など何でも良い。しかしな
がら、金属膜あるいは金属酸化膜のコーティングには、
蒸着法よりもスパッタリング法の方がシール部材との付
着力が強化されるため望ましい。その他塗布膜として、
PTFE、PCTFEをコーティングすることや、シリ
コン系の化合物や窒化ほう素もコーティングすることも
良い。シール部材の温度を100℃以下にするために
は、シール部材に直接、あるいはその周囲に水冷などの
冷却体をおく。シール部材、例えばパッキンと基板との
接触面を小さくするためには、二つの平面が交差する稜
状接触面にする。また、粘着した基板をシール部材から
はずすために成膜空間内に押込むためには、例えば基板
のしわ伸ばしにも用いる接地電極を利用する。
【0011】
【実施例】以下、図2ないし図4を含めて共通の部分に
同一の符号を付した図を引用して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明の実施される薄膜素子の製造
装置および製造方法の成膜室開放時に示す。可撓性基板
1は紙面に垂直方向に搬送される。高電圧電極31を収
容する下部成膜室は壁体21と開口部を有するトッププ
レート27とで構成され、真空排気管61に接続されて
いる。図示しないヒータを内蔵する接地電極32を収容
する上部成膜室は、壁体22とハウジング28とで構成
され、ハウジング28に接地電極32の支持チューブ3
4が上下に移動可能に嵌合している。ハウジング28の
端部に移動プレート29が取付けられている。移動プレ
ート29は上下駆動ガイド30にガイドされてアクチュ
エ−タ41により矢印51に示すように上下方向に駆動
される。上下駆動ガイド30およびアクチュエ−タ41
はマウント42に固定され、成膜室チャンバ35の上の
上部フランジ36上に載置されている。支持チューブ3
4は円筒状で、内部の空洞は上端で真空排気管63と連
通し、下端で貫通孔37により上部成膜室の内部空間に
連通している。真空排気管61と真空排気管63は可撓
性配管64により接続されている。一方、接地電極の支
持チューブ34は、移動プレート29に固定されたアク
チュエ−タ44により別の移動プレート43を介してハ
ウジング28内を移動でき、それによって接地電極32
は矢印52に示すように上下方向に駆動される。また、
上部成膜室の壁体22の下端と下部成膜室のトッププレ
ート27の間には、図4に示したリップ7、L型パッキ
ン71などのしわ伸ばし構造が形成されている。 実施例1:シール材5、リップ7、L型パッキン71、
リップ押さえ72の材料を、従来用いていたふっ素ゴム
からふっ素樹脂のPTFEに変更した。PTFEは、ふ
っ素ゴムよりも耐熱性が高く、可撓性基板1のプラスチ
ックフィルムとの粘着性が少ない。この結果、ヒータ温
度350℃に加熱してもシール部材5、71、72の可
撓性基板1との粘着は起こらなかった。また、ガスの封
止も良好で、成膜空間6、62からガスの漏れは認めら
れなかった。他のふっ素樹脂としてPCTFEを用いた
場合にも、PTFEを用いた場合と同様の結果が得られ
た。この装置を用い、成膜室を封止し、成膜空間6内の
圧力を0.5Torr、ヒータ温度を250℃にして基
板1上にa−Si膜を約200nmの厚さに成膜した。
シール材5、リップ7、リップ押さえ71にふっ素樹脂
が用いることにより、シール部材からの温度部材からの
温度上昇によるガス発生が減少し、高品質のa−Si膜
が成膜できた。 実施例2:シール部材のシール材5、リップ7、L型パ
ッキン71の材料としては、従来通りふっ素ゴムを用い
たが、可撓性基板1と接する部分にスパッタリング法に
よりAgを約50nmの厚さにコーティングした。この
結果、シール部材への可撓性基板1の粘着はなくなり、
搬送がスムーズに行えた。また、ガスの封止も良好であ
った。コーティング材にZnO、PTFE、シリコン酸
化物、窒化ほう素を用いてコーティングした場合も同様
の結果を得た。シール部材にその材料により可撓性基板
との粘着性の低い材料の膜をコーティングすることで、
シール部材からの温度上昇によるガス発生が減少し、高
品質なa−Si膜が形成できた。 実施例3:成膜室空間6、62外周で可撓性基板1と接
触して真空を気密にするシール部材5、7をトッププレ
ート27および上部成膜室壁体22の端部に取付けた図
示しない水冷冷却体によって冷却し、100℃以上に保
った。これにより、温度上昇によるシール部材5、7の
粘着性の増大を抑えた。材料にふっ素ゴムを用いたシー
ル部材5、7の温度が150℃以上の時は、成膜室開放
後毎回可撓性基板が粘着したが、100℃以下になるよ
うに周辺を冷却した場合には、100回中8回に減少し
た。さらに50℃以下にすることで粘着を完全に防止す
ることができた。この実施例でもシール部材を冷却する
ことで、シール部材からの温度上昇によるガス発生が減
少し、高品質なa−Si膜が形成できた。 実施例4:図5あるいは図6に示すように、しわ伸ばし
構造のL型パッキン71の基板1との接触面を、図4に
示したような平面ではなく凸状面にされている。すなわ
ち、図5では部分円柱面、図6では断面3角形の稜状面
となっている。このような凸状面に形成しても、成膜室
が閉じられてガスを封止する際には、ふっ素ゴムででき
たパッキン材71は弾性が大きいため押しつぶされ真空
を気密するのに十分な接触面積を得られる。次に成膜室
が開放され、押しつぶされる力がかからなくなるとL型
パッキン71は弾力性によりもとの形状に戻る。この場
合、可撓性基板1と接触する面積は小さくなり、接触部
分が平面の場合に比較して基板は粘着しにくくなった。
しかし、通常のOリング等に近い図5のような接触面で
なく、図6に示すような稜状接触面の法が粘着防止に有
効であった。 実施例5:図4(b)に示すように、基板1のしわをさ
らに伸ばすために接地電極〜2を矢印55の方向に下降
させ、基板を2.0〜2.5mmのdだけ押し込む。こ
の実施例では成膜室開放−基板1フレーム移動の一連の
操作において、成膜室開放後に可撓性基板がシール部材
7、71に粘着して搬送不可能な場合、接地電極32を
dが4mm以上になるように押し出す。これにより、シ
ール部材に粘着した可撓性基板1は、接地電極32に押
し出されてシール部材よりはずれる。そして、接地電極
32を引っ込ませた後、可撓性基板1を搬送する。これ
により、問題なく搬送することが可能となった。
【0012】図7は、図1に示したようなCVD成膜室
あるいはステッピングロール成膜方式のスパッタリング
成膜室など5個の成膜室80を組み合わせて共通室81
の中に構成した薄膜光電変換素子製造装置を示す。この
装置においても、上記の各実施例による可撓性基板1の
粘着防止を行うことができる。可撓性基板1を搬送する
ために、基板の搬送方向に張力をかけている。装置距離
が長くなることで、可撓性基板を支持するロールの数を
増やさなければならず、ロール軸での機械ロスが増え、
その結果、可撓性基板にかかる力は弱くなる。張力が弱
いと基板にシール部材が粘着しやすくなるが、図7の装
置を用いて送り出しロール82から巻き取りロール83
まで搬送される幅508mmの可撓性基板1上に成膜し
た場合には、成膜室間で測定する基板幅方向の張力が1
0kgf/幅になるように搬送方向に張力をかけた。
【0013】以上、真空を気密にするシール部材での可
撓性基板の粘着を防ぐ方策、あるいは、粘着した場合の
対策について記述したが、このいくつかを組み合わせる
とさらに有効である。以上の実施例では、可撓性基板が
成膜中に水平方向に支持される薄膜製造装置の例で示し
たが、むろん、成膜中に垂直方向に支持される薄膜製造
装置であっても良い。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、可撓性基板上にステッ
ピンロール方式で薄膜を形成する際に、真空成膜空間を
つくるためのシール部材の停止させた基板への粘着を、
シール部材の材料にふっ素樹脂を用いること、シール部
材表面に粘着防止用の膜を形成すること、シール部材の
冷却、シール部材接触面の稜状面化、あるいは、粘着し
た基板を押圧してシール部材から引きはがす方法などに
より防止することができた。これにより、可撓性基板の
搬送トラブルがなくなり、またシール部材よりのガス発
生が減少する副次効果も得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施される薄膜素子の製造装置の成膜
開放時の断面図
【図2】従来の薄膜素子の製造装置を示し(a)が成膜
室開放時、(b)が成膜室封止時の断面図
【図3】薄膜素子の製造装置の基板両面シール構造部の
一例の断面図
【図4】薄膜素子の製造装置の可撓性基板のかわ伸ばし
方法の一例を(a)、(b)の順に示す断面図
【図5】薄膜素子の製造装置のシール構造部の一例の断
面図
【図6】本発明の一実施例の薄膜素子の製造装置のシー
ル構造部の断面図
【図7】本発明の実施される薄膜素子の製造装置の別の
例の断面図
【符号の説明】
1 可撓性基板 21 下部成膜室壁体 22 上部成膜室壁体 27 トッププレート 28 ハウジング 29、43 移動プレート 30 上下駆動ガイド 31 高電圧電極 32 接地電極 41、44 アクチュエ−タ 6、62 成膜空間 61 真空排気管 7 リップ 71 L形パッキン 72 リップ押さえ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周囲
    の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁体
    と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空間
    内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を形
    成するための薄膜素子の製造装置において、シール部材
    がふっ素樹脂よりなることを特徴とする薄膜素子の製造
    装置。
  2. 【請求項2】可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周囲
    の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁体
    と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空間
    内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を形
    成するための薄膜素子の製造装置において、シール部材
    の可撓性基板との接触面が、弾性のある母材よりも基板
    に対する粘着力が少ない材料よりなる表面膜によって覆
    われたことを特徴とする薄膜素子の製造装置。
  3. 【請求項3】シール部材の母材がふっ素ゴムであり、表
    面膜が金属よりなる請求項2記載の薄膜素子の製造装
    置。
  4. 【請求項4】金属が銀、アルミニウム、チタン、銅およ
    びクロムのうちの一つである請求項3記載の薄膜素子の
    製造装置。
  5. 【請求項5】シール部材の母材がふっ素ゴムであり、表
    面膜が金属酸化物よりなる請求項2記載の薄膜素子の製
    造装置。
  6. 【請求項6】金属酸化物が酸化亜鉛、酸化インジウムす
    ずおよび酸化すずのうちの一つである請求項5記載の薄
    膜素子の製造装置。
  7. 【請求項7】シール部材の母材がふっ素ゴムであり、表
    面膜がふっ素樹脂よりなる請求項2記載の薄膜素子の製
    造装置。
  8. 【請求項8】ふっ素樹脂がポリテトラフルオロチレンあ
    るいはポリクロロトリフルオロエチレンである請求項1
    あるいは7記載の薄膜素子の製造装置。
  9. 【請求項9】シール部材がふっ素ゴムであり、表面膜が
    シリコン系化合物あるいは窒化ほう素よりなる請求項2
    記載の薄膜素子の製造装置。
  10. 【請求項10】可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周
    囲の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁
    体と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空
    間内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を
    形成するための薄膜素子の製造装置において、シール部
    材の近傍にシール部材の温度を100℃以下にするため
    の冷却手段を備えたことを特徴とする薄膜素子の製造装
    置。
  11. 【請求項11】可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周
    囲の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁
    体と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空
    間内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を
    形成するための薄膜素子の製造装置において、シール部
    材の可撓性基板との接触面が稜状であることを特徴とす
    る薄膜素子の製造装置。
  12. 【請求項12】可撓性基板を函状の成膜室壁体の開口周
    囲の端面と弾性をもつシール部材を介して密着させ、壁
    体と基板とにより囲まれた成膜室内を真空にし、この空
    間内に収容された電極に電圧を印加して基板上に薄膜を
    形成する薄膜素子の製造方法において、薄膜を形成し、
    成膜室壁体端面を基板に密着させる圧力を解除したの
    ち、基板を一面側から他面側に向けて押圧することを特
    徴とする薄膜素子の製造方法。
  13. 【請求項13】基板を、基板面が成膜室壁体の開口面よ
    り4mm以上突出するまで押圧する請求項12記載の薄
    膜素子の製造方法。
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