JPH0962126A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0962126A
JPH0962126A JP21555795A JP21555795A JPH0962126A JP H0962126 A JPH0962126 A JP H0962126A JP 21555795 A JP21555795 A JP 21555795A JP 21555795 A JP21555795 A JP 21555795A JP H0962126 A JPH0962126 A JP H0962126A
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JP
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fixing roller
heated
fixing
temperature
preheating
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JP21555795A
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English (en)
Inventor
Takashi Kimura
隆 木村
Kazuto Kishi
和人 岸
Shinichi Adachi
真一 安達
Shuji Motomura
修二 本村
Takao Inoue
隆夫 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスやセラミックス等の表面に発熱抵抗体
を設けた定着ローラに特に生じる端部温度上昇によるホ
ットオフセットの発生、定着ローラの劣化、定着ローラ
の破損等が発生しないように端部温度上昇を低減し、そ
のために可動部を設けず、さらに、特別に電力を消費し
ない手段を有している定着装置を提供する。 【解決手段】 定着ローラ2からの放熱によって加熱さ
れた被加熱部材8から熱結合手段9によって予備加熱用
部材6に伝えられた熱によって、記録体5はトナー像が
形成された表面をまず、予備加熱される。さらにその
後、予備加熱された記録体5は、ガイド4に沿って定着
部すなわち定着ローラ2と加圧ローラ3によるニップ部
Nに搬送され定着される。通紙部は予備加熱用部材6に
より加熱される一方非通紙部、即ち端部は予備加熱され
ないので、端部温度上昇が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着装置に関し、
より詳細には、複写機、FAX、電子写真プリンタ等の
電子写真記録装置において、紙、フィルムなどの記録体
面上に形成された加熱溶融性のトナーからなる画像を加
熱して固着画像として記録体面上に定着する加熱定着装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙やフィルムなど記録体の上に形成した
トナー画像を定着する方法としては、加熱定着や加圧定
着等があるが、一般に熱によりトナーを溶融して、定着
させる加熱定着方式が用いられている。加熱定着方式に
は、熱ローラ方式、熱風方式、熱板方式等があり、中で
も、熱ローラ方式が熱効率が高く、安全であるなどの理
由で最も広く使われている。これは、2つのローラを圧
接し、そのうちの少なくとも一方のローラを加熱し、こ
の2つのローラの圧接部分(ニップ部N)で未定着トナ
ー画像を形成した記録体を加熱し、画像を記録体に定着
させる方式である。
【0003】2つのローラのうちの一方を加熱する場
合、加熱する方のローラを定着ローラと、他方のローラ
を加圧ローラと、以下に呼ぶこととする。定着ローラの
内部には、ハロゲンランプあるいはセラミックスヒータ
等の熱源が、定着ローラの軸方向に内装されている。定
着ローラの外側表面には、温度センサーが取付けられて
おり、ニップ部Nの温度が定着に適した温度に維持され
るように、温度センサーの値によって、熱源への電力供
給量が制御されている。
【0004】前述の熱ローラ方式の加熱定着装置におい
ては、定着ローラの長さに比べ小サイズの記録体を定着
させる場合、この小サイズの記録体(記録用紙及び記録
用紙上の未定着トナー)が通過する領域(通紙部領域)
では、記録体を加熱するため定着ローラの熱が消費され
るが、記録体が通過しない(非通紙部領域)では、記録
体により定着ローラの熱が消費されず、非通紙部領域の
定着ローラの熱は蓄積し、非通紙部領域の温度が通紙部
領域の温度よりも高くなってしまう(いわゆる端部温度
上昇)ため、定着ローラの軸方向の温度分布を均一にす
ることが困難であった。
【0005】このため小サイズ記録体を連続通紙した
後、大サイズ記録体を通紙した場合(例えばA4サイズ
用紙を連続通紙した後、A3サイズの用紙を通紙する場
合)、大サイズの記録体に定着ムラやしわが発生した
り、未定着トナー像の小サイズ紙のときの非通紙部に対
応した部分のトナーが溶けすぎて定着ローラに付着し記
録体の表面を汚す(いわゆるホットオフセット)等の問
題が生じていた。また、非通紙部と通紙部で定着ローラ
に大きな温度差が生じるぐらい非通紙部の温度が高くな
りすぎると、温度による熱膨張の違いから、定着ローラ
に歪みが生じるという問題もある。
【0006】特に、ガラスやセラミックスのパイプ表面
に発熱抵抗体を形成した定着ローラ(表面発熱ローラ)
は、定着ローラの低熱容量化ができ、設定温度に昇温さ
せる時間が短縮可能で、そのため未使用時には定着ロー
ラへの通電をオフでき、省エネルギーであるという点で
優れた定着方式であるが、端部温度上昇が起こり熱膨張
の違いから通紙領域と非通紙領域とでローラ径が異なっ
てしまうと、この表面発熱ローラの場合には、定着ロー
ラが破損してしまうという不具合も生じてしまう。
【0007】前述の諸問題の発生を抑制するための手段
として定着ローラの軸方向の温度分布を均一にするため
に、以下1)〜3)の技術等が提案されている。 1)定着装置の非通紙部を選択的に冷却する冷却手段を
設け、定着装置の温度分布を冷却手段により均一にする
技術。具体的には、ファンとダクトにより、通紙中にの
み非通紙部領域に選択的に風を送り、非通紙部領域の温
度上昇を抑える技術(特開平4−51799号公報、参
照)。しかしながら、上記1)は、送風手段(ファン)
を用いているため、送風時の音が大きく、騒音の要因と
なる。また、ファンとダクトを用いることから装置が大
がかりとなり、コストが高くなるばかりでなく、画像形
成装置が大きくなってしまう。さらにこの方法のよう
に、ファンによる冷却手段を用いた場合には、通紙部分
の熱が一部冷却されてしまい、定着ヒータにより加熱し
た熱が、有効に用いられず、熱効率が低下する。
【0008】2)紙サイズに応じて放熱部材を定着ロー
ラの端部の非通紙部分に当接し、放熱により端部温度上
昇を抑える技術。具体的には、ローラ状の放熱部材を小
サイズ紙通紙時の非通紙領域に配置し、非通紙部の温度
が上昇したときに、放熱部材を定着ローラに当接して、
上昇した熱を放熱することにより、定着ローラの軸方向
の温度分布を均一にする技術(特開平6−11983号
公報、参照)。しかしながら、上記2)の方法では、放
熱部材を定着ローラに圧接、離脱するための駆動機構が
必要となり、コストが高くなる。また、可動部を有して
いるため、長時間の使用に対して故障、破損が生じやす
い。
【0009】3)定着ローラ内部に2つ以上の発熱体を
設け、紙幅に応じてこれら発熱体を制御する。詳しく
は、定着ローラの軸方向に熱分布が異なる2つ以上の発
熱体を定着ローラ内部に設け、定着手段の表面温度や記
録体の幅に応じて、発熱体を適宜選択し、駆動すること
によって、端部温度上昇を防止する技術(特開平5−2
81877号公報、参照)。しかし、上記3)の方法で
は、定着ローラ内部に2つ以上の発熱体を設け端部温度
上昇を防止するので、使用する紙サイズが多種である場
合(例えば、A3用機でA4,B4,B5,サイズの記
録紙や、さらには、はがき等を使用する場合)、何れの
記録紙でも端部温度上昇を防止し、定着ローラの表面温
度を精度よく均一化するには、発熱分布が異なる発熱体
を紙サイズ種類分用いる必要があり、定着ローラ内部に
それら発熱体を設けた場合、定着ローラを大径化しない
とできないという問題が生じ、その結果、装置が大型化
してしまう。また、熱源を一体化した定着ローラ(ロー
ラ表面あるいは内面に発熱抵抗体を形成した定着ローラ
など)の場合には、この技術では対処できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のごと
き実情に鑑みてなされたものであり、ホットオフセッ
ト、定着ローラの劣化、ガラスやセラミックス等の表面
に発熱抵抗体を設けた定着ローラの場合に生じる定着ロ
ーラの破損等をもたらす端部温度上昇を生ずることがな
いようにすることを目的とし、可動部を必要とせず、特
別に電力を消費しないで効率よく、信頼性の高い手段を
有する定着装置を提供し、さらには、該手段の装置への
組付けを容易にした該定着装置を提供することをその課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内部
あるいは表面に熱源を有する定着ローラを記録体に接触
させることにより定着を行う定着装置において、前記定
着ローラの外周上の少なくとも一部を覆い前記定着ロー
ラの放熱によって加熱される被加熱部材と、前記定着ロ
ーラの上流側に前記記録体の少なくとも中央部を含む領
域を予備加熱すべく前記被加熱部材と熱的に結合されて
前記被加熱部材の熱が伝えられるようになされた予備加
熱用部材とを有し、可動部や特別な電源部を有さずに記
録体を定着する前に予備加熱するようにしたものであ
る。
【0012】請求項2の発明は、内部あるいは表面に熱
源を有する定着ローラを記録体に接触させることにより
定着を行う定着装置において、前記定着ローラの少なく
とも一部及び前記定着ローラの上流側の記録体通過領域
の少なくとも一部を覆うカバーと、該カバーの内面の少
なくとも一部に一体的に設けられ、前記定着ローラの放
熱によって加熱される被加熱部と、前記定着ローラ上流
側カバーの内面の少なくとも一部に一体的に設けられ、
前記記録体の少なくとも中央部を含む領域を予備加熱す
べく前記被加熱部と熱的に結合されて前記被加熱部の熱
が伝えられるようになされた予備加熱用部とを有し、装
置の組付けを容易にし、かつ、可動部や特別な電源部を
有さずに記録体を定着する前に予備加熱するようにした
ものである。
【0013】請求項3の発明は、内部あるいは表面に熱
源を有する定着ローラを記録体に接触させることにより
定着を行う定着装置において、前記定着ローラの少なく
とも一部を覆うカバーと、前記定着ローラに記録体を案
内するためのガイド板と、前記カバーの内面の少なくと
も一部に一体的に設けられ前記定着ローラの放熱によっ
て加熱される被加熱部と、前記ガイド板の記録体面側に
設けられ前記記録体の少なくとも中央部を予備加熱すべ
く前記被加熱部と熱的に結合されて前記被加熱部の熱が
伝えられるようになされた予備加熱用部とを有し、装置
の組付けを容易にし、かつ、可動部や特別な電源部を有
さずに記録体を定着する前に予備加熱する加熱効率を上
げるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
[請求項1の発明の実施の形態]図1(A),(B)
は、請求項1の発明の実施の形態を説明するための概略
図で、図1(A)は図1(B)の断面図、図1(B)は
図1(A)の平面図であり、熱源1はハロゲンランプな
どからなり、定着ローラ2のローラ軸方向に定着ローラ
2の全長とほぼ等しい長さで配設されており、定着ロー
ラ2の内面を軸方向に均一に加熱できるようになってい
る。加圧ローラ3はバネなどで構成される圧接機構によ
って、図中矢印C方向に加圧され、定着ローラ2に圧接
する。ガイド4はトナー像の形成された記録紙やOHP
フィルムなどの記録体5をニップ部N(加圧ローラ2と
定着ローラ3との接触部)に導入する。予備加熱用部材
6はニップ部Nの上流側、記録体5の搬送経路上に設け
られた記録体5を加熱するものである。予備加熱用部材
6の材料としては、Al,Ni,Cu,Fe,SUSな
どの金属及びその合金や、AlNやBNなどの高熱伝導
性のセラミック等が用いられる。
【0015】予備加熱用部材6には、それ自身が発熱す
る手段(ヒータなど)を予備加熱用部材6専用に付加す
る必要はなく、その代りにこの装置には、定着ローラ2
の放熱によって加熱される被加熱部材8を設け、熱的結
合手段9が被加熱部材8と予備加熱用部材6とを熱的に
結合し、被加熱部材8の熱を予備加熱用部材6に伝えて
いる。予備加熱用部材6の長さは、最大通紙幅Wbのサ
イズ(大サイズ紙)に対して、短い幅Wsの記録紙(小
サイズ紙)を通紙する場合、図1(B)に示すように加
熱領域の記録体幅方向の長さが、最大通紙幅Wbより小
さく、少なくとも一部が、小サイズ紙領域Wsを加熱す
る長さに設定される。予備加熱用部材6と記録体5との
距離は、あまり離れすぎると、予備加熱用部材6の熱が
記録体5に効率よく伝わらず、記録体5を充分加熱する
ことができないため、通常20mm以下、最適には10
mm以下に設けられる。
【0016】被加熱部材8は、定着ローラ2の外周上に
一定距離離れて設けられている。被加熱部材8の材料と
しては、Al,Ni,Cu,Fe,SUSなどの金属及
びその合金や、高熱伝導性のセラミック等が用いられ
る。被加熱部材8と定着ローラ2との距離は、定着ロー
ラ2が比較的高温(通常150℃〜200℃)に加熱さ
れていると言っても、あまり離れすぎると被加熱部材8
が充分に加熱されないとか、被加熱部材8を加熱するの
に時間を要してしまうと言った不具合が生じるため、通
常50mm以下、最適には20mm以下に設定するのが
よい。被加熱部材8の定着ローラ周方向の長さは、定着
ローラ2が高温であるため、定着ローラ全周に対応する
必要はなく、少なくとも定着ローラの一部に対応するこ
とで、被加熱部材8を充分加熱することができる。従っ
て、周方向の長さとしては、通常、定着ローラの1/2
周に対応した長さ以下である。
【0017】図2は、被加熱部材8の定着ローラ軸方向
の形状の一例を示す平面図である。被加熱部材8の定着
ローラ軸方向の形状としては、図1(B)に示したよう
に、定着ローラ2のほぼ全長分に配置したもの、図2に
示したように、定着ローラ2の端部領域に配置したも
の、いずれも用いることができる。後者の場合には、定
着ローラ2の温度分布が不均一である原因となってい
る、端部温度上昇の熱を被加熱部材8によって吸熱、放
熱することができるので、予備加熱用部材6による記録
体5の予備加熱によって生ずる端部温度上昇低減効果と
相まって、さらに効果的に端部温度上昇を低減すること
となるため望ましい形状である。
【0018】被加熱部材8と予備加熱用部材6とを熱的
に結合している熱的結合手段9は、被加熱部材8の熱を
予備加熱用部材6に効率よく伝えるものであり、したが
って、その材料としては、高熱伝導性を有したものが用
いられ、さらに、形成しやすいものであれば、加工コス
トの低減ができるため望ましい材料である。そのような
材料としては、Al,Ni,Cu,Fe,SUSなどの
金属及びその合金や、高熱伝導性のセラミック等が用い
られる。
【0019】次に本発明の動作について説明する。PP
C、レーザプリンタ、PPF等に用いられている電子写
真記録装置では、印字開始により、記録体5は帯電、露
光、現像、転写という電子写真作像プロセスにより、そ
の表面にトナー像が形成される。次いで、定着プロセス
を実行する、そこで、定着ローラ2は、定着温度に加熱
されている。定着ローラ2の熱は、その周囲に放熱さ
れ、その放熱によって、被加熱部材8が加熱され、熱的
結合手段9を通じて、ニップ部N上流側に位置する予備
加熱用部材6に熱が伝導する。
【0020】小サイズの記録体(小サイズ紙)5を連続
印字する場合、トナー像が形成された記録体5は、図1
中矢印D方向より搬送され、まず、予備加熱用部材6に
よって、トナー像が形成された表面が予備加熱される。
さらにその後、予備加熱された記録体5は、放熱により
冷却される以前にガイド4に沿って定着部すなわち定着
ローラ2と加圧ローラ3によるニップ部Nに搬送され
る。
【0021】記録体5の予備加熱温度は、高すぎるとト
ナーが予備加熱で溶融して流動化し、記録体中に浸透し
てしまい、その後の定着ローラ2による定着で、さらに
浸透するため、定着画像のシャープさが低下してしま
う。従って、記録体5の予備加熱温度は、最適にはトナ
ーの流動開始温度(一般的なトナーの場合、約100℃
〜120℃)にならない程度の温度になるように加熱す
る。
【0022】この記録体5の予備加熱温度は、予備加熱
用部材6や被加熱部材8の形状や大きさ、あるいは、定
着ローラ2と被加熱部材8との距離、あるいは、予備加
熱用部材6と記録体5との距離を適切に選ぶことによっ
て調整できる。例えば、定着ローラ2と被加熱部材8と
の距離を長くすれば、被加熱部材8の加熱効率が低下
し、被加熱部材8の加熱温度が低下する。したがって、
予備加熱用部材6の温度が低下し、記録体5の予備加熱
温度を下げることができる。記録体5の予備加熱温度を
上げるときには、定着ローラ2と被加熱部材8との距離
を短くすればよい。また、予備加熱用部材6や被加熱部
材8の体積を大きくすれば、それらの温度を上げるのに
大きな熱量を要する、つまり、ある一定の熱量を供給す
る場合、体積を大きくすることでそのものの上昇温度を
下げることができ、その結果、記録体5の予備加熱温度
を下げることができる。記録体5の予備加熱温度を上げ
るときには、予備加熱用部材6や被加熱部材8の体積を
小さくすればよい。また、被加熱部材8や予備加熱用部
材6に溝形状などを設けることによって、空気との接触
面積を増やし、放熱効果を上げることによっても予備加
熱用部材6の温度を下げ、その結果、記録体5の予備加
熱温度を下げることがでる。
【0023】一方、定着ローラ2は定着に必要な所望温
度に加熱されており、ニップ部Nで記録体5を加熱し、
トナー像を記録体5に定着する。このとき、定着ローラ
2の熱は、トナー及び記録体5を加熱するため消費さ
れ、その結果定着ローラ2の温度は低下する。しかし、
この時の低下温度は、予備加熱しないときに比べ、小さ
いものである。なお、定着ローラ2の温度は、その表面
の温度を検知する温度センサ7により検知され、常にほ
ぼ所望温度になるように熱源1を制御している。
【0024】すなわち、定着ローラ2の温度が低下した
ときには、熱源1を駆動して、定着ローラ2を所望温度
まで加熱する。このとき、この実施の形態では、記録体
5が予備加熱用部材6によって予め加熱された予備加熱
状態になっているので、記録体5の接触により、定着ロ
ーラ表面から奪われる熱量は小さくなる。従って、定着
ローラ2の温度低下が少なくなるため、所望温度に回復
するための熱源1の駆動電力が少なくてすむ。その結
果、定着ローラ2の非通紙部での加熱量も少なくなり、
端部温度上昇が低減される。また、以上のことから予備
加熱用部材6は、記録体5がニップ部Nに到達したとき
に、まだ充分加熱された状態である位置に設置する必要
がある。すなわち、予備加熱用部材6とニップ部Nとの
距離Lは、記録体5の送り速度にもよるが、距離Lがあ
まり大きすぎると、予備加熱用部材6で予備加熱された
後に、ニップ部Nに到達する以前に、放熱によって記録
体5が冷却されてしまい、前述の端部温度上昇の低減の
効果がなくなってしまう。従って、通常、距離Lは10
cm以下に設定される。
【0025】
【実施例1】この実施例は、図1に示される構成を基本
とし、被加熱部材8の形状は図2によるもので、以下に
示す条件のA3記録紙用の定着装置を作製し、それにA
4幅の記録紙を連続通紙したときの非通紙部の温度上昇
を測定したものである。比較例として、予備加熱用部材
6、被加熱部材8、熱的結合手段9を設けない場合での
測定も行った。 ・定着ローラ加熱部の幅………305mm ・定着ローラ熱源供給電力……1000W ・被加熱部材……………………材料:アルミ 形状:L1 40mm 厚さ 1mm 被加熱部材〜定着ローラ間距離 10mm ・予備加熱用部材………………材料:アルミ 形状:幅 210mm 長さ 50mm 厚さ 1mm 予備加熱用部材〜記録体間距離 5mm ・熱的結合手段…………………材料:アルミ 厚さ 1mm ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………90mm/s ・定着ローラ設定温度…………180℃ ・予備加熱用部材位置L………5cm
【0026】図3(A),(B)は、非通紙部温度Tw
上昇を示したグラフで、図3(A)は前記実施例1の条
件で図1の実施の形態での非通紙部温度昇温を示したグ
ラフ、図3(B)は前記実施例1の条件で予備加熱用部
材6を設けなかった場合の非通紙部温度昇温を示したグ
ラフである。図3(A),(B)から明らかなように、
本発明により、小サイズ紙を連続通紙した場合の非通紙
部温度Tw上昇は、予備加熱用部材6等を設けなかった
場合に比べ低下し、定着ローラ設定温度Tc(中央部通
紙部温度)との差が小さくなっている。また、実施例1
の定着装置を用いて、A4サイズ紙(小サイズ紙)を5
0枚連続通紙した直後に、トナー画像を形成したA3サ
イズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、実施
例1の場合には、良好な定着画像が得られたのに対し、
予備加熱用部材6等を設けなかった場合には、記録紙端
部でオフセットが生じて劣悪な画像となった。
【0027】図4は、請求項1の発明の他の実施の形態
を説明する図で、図1の構成とは違う熱し方の定着ロー
ラ10を使用した場合の構成図である。図5(A),
(B)は、前記定着ローラ10の具体的な構造を示した
断面図で、図5(A)は基材11の表面に発熱抵抗体1
2を形成し、さらにその上に、トナーとの離形性を向上
するとともに、他の部材と発熱体との接触で発熱体が損
傷するのを防ぎ、及び、発熱抵抗体を電気的に絶縁する
目的で、テフロンなどの耐熱樹脂層13が形成された定
着ローラ10で、図5(B)はパイプ状の基材11の内
面に発熱抵抗体12を形成し、基材11の表面には前述
の耐熱樹脂層13を形成してなる定着ローラ10であ
る。
【0028】基材11の材料としては、ガラスやセラミ
ックス、あるいは、Al,SUSなどの金属が用いられ
る。金属を用いる場合には、発熱抵抗体12との電気的
絶縁のためにSiO2、ポリイミドなどの樹脂材料等に
よる絶縁層を設ける必要がある。また、定着ローラ10
としては、基材11そのものが発熱体となっているもの
でもよい。そのようなものとしては、例えば、セラミッ
クス中に導電性材料を分散したもの、導電性繊維を筒状
に形成したものなどが挙げられる。これらの定着ローラ
10を用いる定着は、ハロゲンランプ等を用いた定着に
比べ、熱源と定着ローラとが一体となっているので、定
着ローラの加熱効率がよく、消費電力の低減が図れると
いう点、設定温度にまで昇温する時間が短くなりPP
C、レーザプリンタ、PPF等の印字までのいわゆるウ
エイトタイムが短くなるという点で優れた定着方式であ
る。しかし、一方では、高速複写機等に用いた場合、端
部温度上昇が比較的大きくなりやすいという不具合もあ
る。
【0029】
【実施例2】この実施例は、図4に示される構成による
もので、以下に示す条件のA3記録紙用の定着装置を作
製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙したときの非通
紙部の温度上昇を測定したものである。比較例として、
予備加熱用部材6等を設けない場合での測定も行った。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ加熱部の幅………305mm ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・被加熱部材……………………材料:アルミ 形状:L1 40mm 厚さ 1mm 被加熱部材〜定着ローラ間距離 10mm ・予備加熱用部材………………材料:アルミ 形状:幅 210mm 長さ 50mm 厚さ 1mm 予備加熱用部材〜記録体間距離 5mm ・熱的結合手段…………………材料:アルミ 厚さ 1mm ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………240mm/s ・定着ローラ設定温度…………180℃ ・予備加熱用部材位置L………5cm
【0030】図6(A),(B)は、非通紙部温度Tw
上昇を示したグラフで、図6(A)は前記実施例2の条
件で図4の実施の形態での非通紙部温度昇温を示したグ
ラフ、図6(B)は前記実施例2の条件で予備加熱用部
材6を設けなかった場合の非通紙部温度Tw上昇を示し
たグラフである。図6(A),(B)から明らかなよう
に、本発明により、小サイズ紙を連続通紙した場合の非
通紙部温度Tw上昇は、予備加熱用部材6等を設けなか
った場合に比べ低下し、定着ローラ設定温度Tc(中央
部通紙部温度)との差が飛躍的に小さくなり、端部温度
上昇が大きく低減されている。また、実施例2の定着装
置を用いて、A4サイズ紙(小サイズ紙)を50枚連続
通紙した直後に、トナー画像を形成したA3サイズ紙を
通紙して、その定着画像を評価した結果、実施例2の場
合には、良好な定着画像が得られたのに対し、予備加熱
用部材6等を設けなかった場合には、記録紙端部でオフ
セットが生じて劣悪な画像となった。
【0031】[請求項2の発明の実施の形態]図7は、
請求項2の発明の実施の形態を説明するための定着部斜
視図である。定着ローラ10及び加圧ローラ3の構成
は、図4と同じである。上部カバー14は定着ローラ1
0を覆ってあり、下部カバー15は加圧ローラ3を覆っ
ている。これらカバー14,15を形成する材料として
はAl,Ni,Cu,SUS等の金属及びその合金や、
フッ素樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性樹脂が用いられ
ている。特に耐熱性樹脂の場合、一般に熱伝導性が悪い
ため、定着ローラの周囲の熱の吸収、放熱が低減され、
定着ローラの加熱効率がよいという長所を有しているた
め望ましい材料である。上部カバー14の一部は、定着
ローラ10の記録体通紙方向上流側に延び、記録体を定
着ローラに導くためのガイド板14aを形成している。
一方、下部カバー15の一部も、同様に記録体通紙方向
上流側に延び、記録体を定着ローラに導くためのガイド
板15aを形成している。
【0032】図8は、上部カバー14の定着ローラ側か
ら見た平面図であり、上部カバー14の定着ローラ10
の端部を覆う位置には、被加熱部17が設けられ、定着
ローラ上流側(ガイド板14a)の記録体通紙領域に
は、予備加熱用部16が設けられており、それらは熱的
結合部18により結合され、被加熱部17の熱を予備加
熱用部16に伝えている。予備加熱用部16、被加熱部
17、熱的結合部18は、Al,Ni,Cu,Fe,S
USなどの金属及びその合金からなる板であり、それら
予備加熱用部16等は、ネジや接着などの方法によっ
て、上部カバー14に固定されている。また、予備加熱
用部16、被加熱部17、熱的結合部18を一体的に
(1枚の板、フィルム等で)作製し、前記方法で上部カ
バー14に取付ける方法でもよい。この方法は、取り付
けが一度の作業ですむため、組立コストが安いという長
所がある。またさらに、上部カバー14に金属粉等を分
散した塗布液を、スプレーなどの既存の塗布方法で、直
接カバー内面に予備加熱用部16、被加熱部17、熱的
結合部18を塗布、形成してもよい。この方法は、ネ
ジ、接着などで上部カバーに取付ける作業が不要である
ため、組立コストがさらに安くなりよい。
【0033】図9は、上部カバー14の形状の他の例を
示した図で、上流側カバー14aを小サイズ紙通紙領域
Wsより大きくし、その一部に予備加熱用部16を設け
た構成である。この構成によると、カールなどが生じて
いる記録体が搬送されてきた場合などでも、記録体端部
がめくれて、カバーに引っかかることにによって生じる
ジャムの発生が抑えられ、望ましい形状である。また、
被加熱部17は、上部カバー14内面の定着ローラ部全
体に対応して設けてもよいが、おおよそ小サイズ紙の非
通紙部領域に対応した部分に設けた方が、端部温度上昇
の熱を中心に、吸熱する構成となるため、望ましいもの
となる。
【0034】次に本発明の動作について説明する。PP
C、レーザプリンタ、PPF等に用いられている電子写
真記録装置では、印字開始により、記録体5は帯電、露
光、現像、転写という電子写真作像プロセスにより、そ
の表面にトナー像が形成される。次いで、定着プロセス
を実行する、そこで、定着ローラ10は、定着温度に加
熱されている。定着ローラ10の熱は、その周囲に放熱
され、その放熱によって、上部カバー14の被加熱部材
17が加熱され、熱的結合部18を通じて、ニップ部N
上流側に位置する予備加熱用部16に熱が伝導する。
【0035】小サイズの記録体(小サイズ紙)5を連続
印字する場合、トナー像が形成された記録体5は、図7
中矢印D方向より搬送され、まず、予備加熱用部16に
よって、トナー像が形成された表面が予備加熱される。
さらにその後、予備加熱された記録体5は、放熱により
冷却される以前にガイド15aに沿って定着部すなわち
定着ローラ10と加圧ローラ3によるニップ部Nに搬送
される。
【0036】記録体5の予備加熱温度は、高すぎるとト
ナーが予備加熱で溶融して流動化し、記録体中に浸透し
てしまい、その後の定着ローラ10による定着で、さら
に浸透するため、定着画像のシャープさが低下してしま
う。従って、記録体5の予備加熱温度は、最適にはトナ
ーの流動開始温度(一般的なトナーの場合、約100℃
〜120℃)にならない程度の温度になるように加熱す
る。
【0037】この記録体5の予備加熱温度は、定着ロー
ラ10と被加熱部17との距離、あるいは、予備加熱用
部16と記録体5との距離を適切に選ぶことによって調
整できる。例えば、定着ローラ10と被加熱部17との
距離を長くすれば、被加熱部17の加熱効率が低下し、
被加熱部17の温度が低下する。したがって、熱的に結
合した予備加熱用部16の温度が低下し、記録体5の予
備加熱温度を下げることができる。記録体5の予備加熱
温度を上げるときには、定着ローラ10と被加熱部17
との距離を短くすればよい。
【0038】一方、定着ローラ10は定着に必要な所望
温度に加熱されており、ニップ部Nで記録体5を加熱
し、トナー像を記録体5に定着する。このとき、定着ロ
ーラ10の熱は、トナー及び記録体5を加熱するため消
費され、その結果定着ローラ10の温度は低下する。し
かし、この定着時の低下温度は、予備加熱しないときに
比べ、小さいものである。なお、定着ローラ10の温度
は、その表面の温度を検知する温度センサにより検知さ
れ、常にほぼ所望温度になるように制御している。
【0039】すなわち、定着ローラ10の温度が低下し
たときには、発熱抵抗体を駆動して、定着ローラ10を
所望温度まで加熱する。このとき、この実施の形態で
は、記録体5が予備加熱用部16によって予め加熱され
た予備加熱状態になっているので、記録体5の接触によ
り、定着ローラ表面から奪われる熱量は小さくなる。従
って、定着ローラ10の温度低下が少なくなるため、所
望温度に回復するための発熱抵抗体の駆動電力が少なく
てすむ。その結果、定着ローラ10の非通紙部でも加熱
量が少なくなり、端部温度上昇が低減される。
【0040】被加熱部17の形状が前述(図8,図9の
例)のように、小サイズ紙の通紙時の非通紙領域を中心
に形成されている場合、端部温度上昇が大きくなれば、
上部カバー14の被加熱部17の温度が上昇し、予備加
熱用部16の温度も上昇し、それにより、記録体5の加
熱温度も上昇する。その結果、通紙による定着ローラ1
0の温度低下がさらに少なくなり、定着ローラ全体の加
熱量が減少するため、端部温度上昇が、さらに低減され
る。
【0041】
【実施例3】この実施例は、図7及び図8に示される構
成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用の定着
装置を作製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙したと
きの非通紙部の温度上昇を測定したものである。比較例
として、予備加熱用部16、被加熱部17、熱的結合部
18を設けない場合での測定も行った。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ加熱部の幅………305mm ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・上部カバー……………………材料 :フェノール樹脂 被加熱部 :アルミ 予備加熱用部:アルミ 熱的結合部 :アルミ ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………120mm/s ・定着ローラ設定温度…………180℃ ・予備加熱用部位置L…………5cm
【0042】実施例3の定着装置を用いて、A4サイズ
紙(小サイズ紙)を50枚連続通紙した直後に、トナー
画像を形成したA3サイズ紙を通紙して、その定着画像
を評価した結果、実施例3の場合には、良好な定着画像
が得られたのに対し、予備加熱用部16等を設けなかっ
た場合には、記録紙端部でオフセットが生じて劣悪な画
像となった。
【0043】[請求項3の発明の実施の形態]図10
は、請求項3の発明の実施の形態を説明するための定着
部斜視図である。定着ローラ10及び加圧ローラ3の構
成は、図4と同じである。上部カバー20は定着ローラ
10を覆ってあり、下部カバー21は加圧ローラ3を覆
っている。これらカバー20,21を形成する材料とし
てはAl,Ni,Cu,SUS等の金属及びその合金
や、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性樹脂が用い
られている。特に耐熱性樹脂の場合、一般に熱伝導性が
悪いため、定着ローラの周囲の熱の吸収、放熱が低減さ
れ、定着ローラの加熱効率がよいという長所を有してい
るため望ましい材料である。下部カバー21の一部は、
記録体通紙方向上流側に延び、記録体を定着ローラに導
くためのガイド板21aを形成している。
【0044】図11は、上部カバー20及び下部カバー
21を定着部内側から見た場合の一部断面定着部斜視図
である。上部カバー20の内面側の定着ローラ10を覆
う位置には、被加熱部24が設けられている。その一部
には、熱的結合部材22が接している。下部カバー21
のガイド板部21aの記録体と接する側には、予備加熱
用部23が形成され、またさらに、予備加熱用部23に
熱を伝達するための熱伝達部25が下部カバー21の内
側の一部に設けられている。この熱伝達部25には、前
述の熱的結合部材22の一端が接触している。そして、
被加熱部24からの熱は、熱的結合部材22、熱伝達部
25を伝わり、予備加熱用部23に達する。
【0045】予備加熱用部23、被加熱部24、熱伝達
部25、熱的結合部材22は、Al,Ni,Cu,F
e,SUSなどの金属及びその合金からなる板であり、
それら予備加熱用部23等は、ネジや接着などの方法に
よって、上部カバー20、下部カバー21に固定されて
いる。また、予備加熱用部23、被加熱部24、熱伝達
部25、熱的結合部材22のうち複数を一体的に(1枚
の板、フィルム等で)作製し、前記方法で上部カバー2
0、下部カバー21に取付ける方法でもよい。この方法
は、取り付け工程数が減るため、組立コストが安いとい
う長所がある。またさらに、上部カバー20、下部カバ
ー21に金属粉等を分散した塗布液を、スプレーなどの
既存の塗布方法で、直接カバー内面に予備加熱用部2
3、被加熱部24、熱伝達部25を塗布、形成してもよ
い。この方法は、ネジ、接着などで上部カバー20、下
部カバー21に取付ける作業が不要であるため、組立コ
ストがさらに安くなりよい。
【0046】また、被加熱部24は、上部カバー20内
面の定着ローラ部全体に対応して設けてもよいが、おお
よそ小サイズ紙の非通紙部領域に対応した部分に設けた
方が、端部温度上昇の熱を中心に、吸熱する構成となる
ため、望ましい形状である。
【0047】下部カバー21の形状は、図11に示した
形状に限られず、例えば、ガイド板部21aを小サイズ
紙通紙領域より大きくし、その一部に予備加熱用部23
を設けた構成でも同様の効果を得られるとともに、さら
に、カールなどが生じている記録体が搬送されてきた場
合などでも、記録体端部がめくれて、カバーに引っかか
ることにによって生じるジャムの発生が抑えられ、望ま
しい形状である。
【0048】次に本発明の動作について説明する。PP
C、レーザプリンタ、PPF等に用いられている電子写
真記録装置では、印字開始により、記録体5は帯電、露
光、現像、転写という電子写真作像プロセスにより、そ
の表面にトナー像が形成される。次いで、定着プロセス
を実行する、そこで、定着ローラ10は、定着温度に加
熱されている。定着ローラ10の熱は、その周囲に放熱
され、その放熱によって、被加熱部24が加熱され、熱
的結合部22、熱伝達部25を通って、ニップ部N上流
側に位置する予備加熱用部23に熱が伝導する。
【0049】小サイズの記録体(小サイズ紙)5を連続
印字する場合、トナー像が形成された記録体5は、図1
0中矢印D方向より搬送され、まず、予備加熱用部23
によって、トナー像が形成された表面が予備加熱され
る。さらにその後、予備加熱された記録体5は、放熱に
より冷却される以前にガイド21aに沿って定着部すな
わち定着ローラ10と加圧ローラ3によるニップ部Nに
搬送される。
【0050】記録体5の予備加熱温度は、高すぎるとト
ナーが予備加熱で溶融して流動化し、記録体中に浸透し
てしまい、その後の定着ローラ10による定着で、さら
に浸透するため、定着画像のシャープさが低下してしま
う。従って、記録体5の予備加熱温度は、最適にはトナ
ーの流動開始温度(一般的なトナーの場合、約100℃
〜120℃)にならない程度の温度になるように加熱す
る。
【0051】この記録体5の予備加熱温度は、定着ロー
ラ10と被加熱部24との距離を適切に選ぶことによっ
て調整できる。例えば、定着ローラ10と被加熱部24
との距離を長くすれば、被加熱部24の加熱効率が低下
し、被加熱部24の温度が低下する。したがって、熱的
に結合した予備加熱用部23の温度が低下し、記録体5
の予備加熱温度を下げることができる。記録体5の予備
加熱温度を上げるときには、定着ローラ10と被加熱部
24との距離を短くすればよい。
【0052】一方、定着ローラ10は定着に必要な所望
温度に加熱されており、ニップ部Nで記録体5を加熱
し、トナー像を記録体5に定着する。この定着時に、定
着ローラ10の熱は、トナー及び記録体5を加熱するた
め消費され、その結果定着ローラ10の温度は低下す
る。しかし、この定着時の低下温度は、予備加熱しない
ときに比べ、小さいものである。なお、定着ローラ10
の温度は、その表面の温度を検知する温度センサにより
検知され、常にほぼ所望温度になるように制御してい
る。
【0053】すなわち、定着ローラ10の温度が低下し
たときには、発熱抵抗体を駆動して、定着ローラ10を
所望温度まで加熱する。このとき、この実施の形態で
は、記録体5が予備加熱用部23によって予め加熱され
た予備加熱状態になっているので、記録体5の接触によ
り、定着ローラ表面から奪われる熱量は小さくなる。従
って、定着ローラ10の温度低下が少なくなるため、所
望温度に回復するための発熱抵抗体の駆動電力が少なく
てすむ。その結果、定着ローラ10の非通紙部でも加熱
量が少なくなり、端部温度上昇が低減される。
【0054】被加熱部24の形状が前述(図10,図1
1の例)のように、小サイズ紙の通紙時の非通紙領域を
中心に形成されている場合、端部温度上昇が大きくなれ
ば、上部カバー20の被加熱部24の温度が上昇し、予
備加熱用部23の温度も上昇し、それにより、記録体5
の加熱温度も上昇する。その結果、通紙による定着ロー
ラ10の温度低下がさらに少なくなり、定着ローラ全体
の加熱量が減少するため、端部温度上昇がさらに低減さ
れる。さらに、予備加熱用部23は、直接記録体に接触
するガイド板21aに設けられているため、予備加熱用
部が記録体と離れているときに比べ記録体5の加熱効率
が向上する。
【0055】
【実施例4】この実施例は、図10及び図11に示され
る構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用の
定着装置を作製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙し
たときの非通紙部の温度上昇を測定したものである。比
較例として、予備加熱用部23、被加熱部24、熱的結
合部22を設けない場合での測定も行った。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ加熱部の幅………305mm ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・上部カバー……………………材料 :フェノール樹脂 被加熱部 :アルミ 予備加熱用部:アルミ 熱的結合部 :アルミ ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………240mm/s ・定着ローラ設定温度…………180℃ ・予備加熱用部位置L…………5cm
【0056】実施例4の定着装置を用いて、A4サイズ
紙(小サイズ紙)を50枚連続通紙した直後に、トナー
画像を形成したA3サイズ紙を通紙して、その定着画像
を評価した結果、実施例4の場合には、良好な定着画像
が得られたのに対し、予備加熱用部23等を設けなかっ
た場合には、記録紙端部でオフセットが生じて劣悪な画
像となった。
【0057】
【発明の効果】全請求項共通の効果:定着装置に小サイ
ズ紙を連続通紙(定着)するとき、記録体を定着前に加
熱することで、定着時に定着ローラ通紙部での消費熱量
を少なくし、定着ローラを設定温度に維持するために加
える熱量を少なくすることで、定着ローラの表面の非通
紙部の温度上昇を低減することができ、その後、大サイ
ズ紙を通紙しても端部にオフセットが生じず、高品位の
定着画像が得られ、ガラスや、セラミックス等の表面に
発熱抵抗体を設けた定着ローラの場合でも、定着ローラ
の劣化、破損が生じない信頼性の高い定着装置が実現で
きた。さらに、非通紙部の温度上昇を低減するための手
段に、本発明は可動部を有しないため、摩擦等による劣
化がない信頼性の高い定着装置が実現できた。さらに、
非通紙部の温度上昇を低減するための手段に、特別に熱
源部も有さず省エネルギー化が実現できた。
【0058】請求項2に対応する効果:端部温度上昇を
低減し、さらに、定着装置への組付けを容易にでき低コ
スト化が実現できた。
【0059】請求項3に対応する効果:端部温度上昇を
低減し、さらに、定着装置への組付けを容易にでき低コ
スト化が実現でき、さらに、予備加熱用部が記録体に直
接接触することにより、予備加熱を効率よく行うことが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の実施の形態を説明するため
の概略図である。
【図2】 図1において、被加熱部材8の定着ローラ軸
方向の形状の一例を示す平面図である。
【図3】 実施例1においての非通紙部温度Tw上昇を
示したグラフである。
【図4】 請求項1の発明の他の実施の形態を説明する
図である。
【図5】 図4において、定着ローラ10の具体的な構
造を示した断面図である。
【図6】 実施例2においての非通紙部温度Tw上昇を
示したグラフである。
【図7】 請求項2の発明の実施の形態を説明するため
の定着部斜視図である。
【図8】 図7において、上部カバー14の定着ローラ
側から見た平面図である。
【図9】 図7において、上部カバー14の形状の他の
例を示した図である。
【図10】 請求項3の発明の実施の形態を説明するた
めの定着部斜視図である。
【図11】 図10において、上部カバー20及び下部
カバー21を定着部内側から見た場合の一部断面定着部
斜視図である。
【符号の説明】
1…熱源、2…定着ローラ、3…加圧ローラ、4…ガイ
ド板、5…記録体、6…予備加熱用部材、7…温度セン
サ、8…被加熱部材、9…熱的結合手段。
フロントページの続き (72)発明者 本村 修二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 井上 隆夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部あるいは表面に熱源を有する定着ロ
    ーラを記録体に接触させることにより定着を行う定着装
    置において、前記定着ローラの外周上の少なくとも一部
    を覆い前記定着ローラの放熱によって加熱される被加熱
    部材と、前記定着ローラの上流側に前記記録体の少なく
    とも中央部を含む領域を予備加熱すべく前記被加熱部材
    と熱的に結合されて前記被加熱部材の熱が伝えられるよ
    うになされた予備加熱用部材とを有することを特徴とす
    る定着装置。
  2. 【請求項2】 内部あるいは表面に熱源を有する定着ロ
    ーラを記録体に接触させることにより定着を行う定着装
    置において、前記定着ローラの少なくとも一部及び前記
    定着ローラの上流側の記録体通過領域の少なくとも一部
    を覆うカバーと、該カバーの内面の少なくとも一部に一
    体的に設けられ、前記定着ローラの放熱によって加熱さ
    れる被加熱部と、前記定着ローラ上流側カバーの内面の
    少なくとも一部に一体的に設けられ、前記記録体の少な
    くとも中央部を含む領域を予備加熱すべく前記被加熱部
    と熱的に結合されて前記被加熱部の熱が伝えられるよう
    になされた予備加熱用部とを有することを特徴とする定
    着装置。
  3. 【請求項3】 内部あるいは表面に熱源を有する定着ロ
    ーラを記録体に接触させることにより定着を行う定着装
    置において、前記定着ローラの少なくとも一部を覆うカ
    バーと、前記定着ローラに記録体を案内するためのガイ
    ド板と、前記カバーの内面の少なくとも一部に一体的に
    設けられ前記定着ローラの放熱によって加熱される被加
    熱部と、前記ガイド板の記録体面側に設けられ前記記録
    体の少なくとも中央部を予備加熱すべく前記被加熱部と
    熱的に結合されて前記被加熱部の熱が伝えられるように
    なされた予備加熱用部とを有するとを特徴とする定着装
    置。
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