JPH0960492A - 支保壁の構造およびその施工方法 - Google Patents

支保壁の構造およびその施工方法

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JPH0960492A
JPH0960492A JP7217906A JP21790695A JPH0960492A JP H0960492 A JPH0960492 A JP H0960492A JP 7217906 A JP7217906 A JP 7217906A JP 21790695 A JP21790695 A JP 21790695A JP H0960492 A JPH0960492 A JP H0960492A
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steel
steel structural
wire mesh
wall
structural material
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JP7217906A
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English (en)
Inventor
Tsugio Takebayashi
亜夫 竹林
Kazuhiro Fukuda
和寛 福田
Masamichi Shintaku
正道 新宅
Kosuke Kakimi
康介 垣見
Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Masahiro Soya
雅宏 征矢
Akira Fujino
晃 藤野
Hidesato Kojima
英郷 小島
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支保壁の構造およびその施工方法において、
大断面の地下空洞に対しても高い支保効果を得るととも
に、容易にPSアンカーの仮固定作業を行うこと、さら
に特殊な吹付コンクリートを不要とすることを課題とす
る。 【解決手段】 掘削面2に吹付コンクリートによる一次
覆工壁11Aが形成され、この一次覆工壁に沿って、金
網15A,15Bが配設されるとともに長尺の鋼製構造
材12が格子状に配設され、それら鋼製構造材を覆うよ
うにコンクリートが吹き付けられて二次覆工壁が形成さ
れ、二次覆工壁からから地山に向けて、その基端部を前
記鋼製構造材に支持させた状態で、プレストレスが導入
された長尺のPC鋼材が打設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下発電所、地下
備蓄基地等の大空洞やトンネル等の支保壁(ここで壁
は、側壁に限らず天井壁をも含む広い意味で用いる)の
構造およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下発電所やトンネル等の地下空洞を掘
削して支保する工法として、一般にNATM(New Aust
rian Tunneling Method)が採用されている。このNA
TMを応用した地下空洞の覆工構造として、例えば、特
公平6−6878号公報には、地下空洞の掘削面に鉄筋
等と吹付コンクリートにより形成された多角形状の格子
構造と、該格子構造から地山に打設されたロックボルト
とを備える技術が提示されている。この覆工構造は、鉄
筋や吹付コンクリート等によって空洞を内側から支持
し、掘削面近傍だけを固定することにより空洞全体を支
保し、格子構造によって集中荷重を防止するとともに、
ロックボルトにより空洞周辺の岩盤のゆるみを抑制し
て、地山応力を分散させるものである。
【0003】しかしながら、空洞の大断面化に伴って、
掘削で生じた掘削面近傍のゆるみ域が広がり、空洞の内
側から支持するこの地下空洞の覆工構造では限界が生じ
る。このため、大空洞における拡大されたゆるみ域に対
する支保をさらに強化した覆工構造が必要である。
【0004】そこで、近年、地下発電所や地下備蓄基地
等の大空洞には、図14(a)に示すように、地山1を
掘削して形成された空洞の掘削面2に吹き付けによって
形成された複数の吹付コンクリート層3と、これらの吹
付コンクリート層3から地山1に向けて、図14(b)
に示すように打設された複数のロックボルト4およびプ
レストレスを導入した長尺のPC鋼撚り線を有するPS
アンカー5とを備えた覆工構造が適用されている。この
覆工構造は、大空洞が通常の道路等のトンネルに比べて
大断面であり、掘削による影響範囲が大きいことから、
空洞を内側から支保するのではなく、長尺のPSアンカ
ー5の端部を地山1の奥に固定してPSアンカー5の導
入力によって大空洞の支保を図るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
地下空洞の覆工構造には、以下のような課題が残されて
いる。すなわち、PSアンカー5のPC鋼撚り線が10
0〜150kg/本もの自重を有しており、特に上向き
施工の場合には、プレストレスを導入しセメント系充填
材で固定されるまでの間、落下を防止するために仮固定
を行う必要がある。
【0006】例えば、従来は、図15(a)に示すよう
に、PC鋼撚り線5aの基端部5bを、該基端部5bの
近傍に打設した仮固定用のロックボルト6からワイヤー
Y等で吊設して仮固定しているが、この固定作業におい
ては、仮固定用のロックボルト6の打設、ワイヤーYの
取付け等の手間がかかるという不都合があった。さら
に、基端部5bには、PC鋼撚り線5aの導入力を吹付
コンクリート層3に伝達するための支圧板として大径な
円盤状のベアリングプレート7が取り付けられており、
該ベアリングプレート7が重量物であるために、その取
付作業に多大な労力を必要としていた。
【0007】また、図15(b)に示すように、PC鋼
撚り線5aの基端部5bにベアリングプレート7を取り
付け、さらにPC鋼撚り線5aに仮止め装置としてブロ
ッキングパイプ8を嵌装状態に取り付けて吹付コンクリ
ート層3および掘削面2の岩盤に埋設するとともに、前
記ベアリングプレート7を吹付コンクリート層3および
ブロッキングパイプ8にボルト9にて固定している。こ
の場合、各PSアンカー5にブロッキングパイプ8を用
意しなければならず、さらに掘削面2の岩盤にブロッキ
ングパイプ8を埋設するための孔8aを形成する作業等
を必要としていた。さらに、吹付コンクリート層3の最
上層には、支保効果の向上のためスティールファイバー
吹付コンクリートを用いているが、このスティールファ
イバー吹付コンクリートは高価であるとともに、施工時
にスティールファイバーが団子状に吹き付けられ易く施
工性に問題があった。
【0008】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、大断面の地下空洞に対しても高い支保効果が得ら
れるとともに、容易にPSアンカーの仮固定作業を行う
ことができ、さらに特殊な吹付コンクリートが不要とな
るに止まらず、吹付コンクリートの量自体も減少させる
ことができる支保壁の構造およびその施工方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下の構成を採用した。すなわち、請求
項1記載の支保壁の構造では、掘削面にコンクリートが
吹き付けられて一次覆工壁が形成され、該一次覆工壁の
表面から地山に向けてロックボルトが打設され、前記一
次覆工壁の表面に沿って金網が建て込まれるとともに、
該金網の外側に長尺の鋼製構造材が格子状に配設されて
建て込まれ、しかも少なくとも鋼製構造材は前記ロック
ボルトによって固定的に支持され、それら金網並びに鋼
製構造材を覆うようにコンクリートが吹き付けられて二
次覆工壁が形成され、前記二次覆工壁から地山に向け
て、その基端部を前記鋼製構造材に支持させた状態で、
プレストレスが導入された長尺のPC鋼材が打設されて
いることを特徴とする。この支保壁の構造では、地山の
奥に他端部が固定されたPC鋼材がその導入力により掘
削や発破損傷に伴って生じる掘削面周辺のゆるみ域を拘
束し、該ゆるみ域の岩塊がすべり動くことを抑制すると
ともに、前記導入力は、格子状の鋼製構造材およびコン
クリート覆工壁によって掘削面の岩盤に伝達され、地山
応力を分散させて、集中荷重や部分的な変位を抑制す
る。したがって、単に掘削面近傍のゆるみ域に打設され
て掘削面近傍のみの比較的小さな岩塊を固定するロック
ボルトのみを用いたものとは異なり、前記PC鋼材は、
鋼製構造材およびコンクリート覆工壁と一体になって大
空洞の広範囲なゆるみ域全体を拘束して支保する。特
に、PC鋼材の基端部が鋼製構造材に支持され、PC鋼
材の導入力は鋼製構造材を介してコンクリート覆工壁へ
伝達されるので、ベアリングプレート等の導入力伝達用
の大径重量物を用いずとも、導入力は効果的に分散・伝
達される。また、特に上向き施工のPC鋼材の場合、セ
メント系充填材で固定されるまでの間は鋼製構造材によ
って支持されることとなるが、このような支持は、従来
のロックボルトから延びるワイヤ等でPC鋼材が落下し
ないよういちいち仮固定する場合に比べて、かかる手間
ははるかに小さい。さらに、鋼製構造材自身の剛性を有
効に利用し、金網、吹付コンクリート等によって強度的
に優れるスラブ構造を構築する。
【0010】請求項2記載の支保壁の構造では、前記P
C鋼材の基端部は、前記鋼製構造材の交点に固定されて
いることを特徴とする。PC鋼材は鋼製構造材の交点に
固定されるので、PC鋼材にかかる大きな導入力は前記
交点を構成する鋼製構造材によって少なくとも3方に分
散・伝達されるとともに、掘削面に延在する鋼製構造材
全体に分散され、PC鋼材の基端部への地山応力の集中
がより抑制される。
【0011】請求項3記載の支保壁の構造では、前記金
網は複数枚重ね合わされて設けられ、それら複数枚の金
網のうち内側に位置する金網は前記格子状に組まれる鋼
製構造材の格子空間に対応する部分が内方へ突出する台
形状に形成されていることを特徴とする。前記したよう
に鋼製構造材、金網および吹付コンクリート等で金網補
強のスラブ構造を構築するが、このとき、鋼製構造材の
格子空間に対応する部分では金網どうしが適宜距離離間
されて、例えば、それら金網のうちの一つはスラブ構造
の底部近傍にまた他の金網は表面近傍にそれぞれ位置す
ることとなる。
【0012】請求項4記載の支保壁の構造では、前記複
数枚設けられた金網のうち内側に位置する金網の前記内
方への突出量は、鋼製構造材の高さよりも小さい値に設
定され、前記二次覆工壁は、鋼製構造材を覆う部分が鋼
製構造材の格子空間に対応する部分よりも高くなる段付
き構造とされていることを特徴とする。二次覆工壁を鋼
製構造材が位置する部分だけ内方へ突出する段付き構造
とすることにより、覆工壁を梁スラブ構造に構築するこ
とができ、このため、所定の強度を有しながらも、鋼製
構造材の格子空間に対応する箇所の吹付コンクリートの
厚さを減らすことが可能となる。
【0013】請求項5記載の支保壁の構造では、前記複
数枚設けられた金網どうしのうち、内側に位置する金網
の位置ずれを防止する金網保持手段が設けられているこ
とを特徴とする。前記した梁スラブ構造において、天井
部に位置する金網の場合に自重により下方へ垂れること
となって所望位置に配置することが難しい。しかしなが
ら、この場合には、金網保持手段によって金網の位置ず
れを防止しているので、内側の金網を所望する箇所に配
置させることができ、ひいては、吹付コンクリートのか
ぶり厚さを確保するとともに、内外の金網の離間距離を
一定に保つことができる。
【0014】請求項6記載の支保壁の施工方法では、掘
削面にコンクリートを吹き付けて一次覆工壁を形成する
一次覆工壁形成工程と、前記一次覆工壁の表面から地山
に向けてロックボルトを打設するロックボルト打設工程
と、前記一次覆工壁の表面に沿って金網を建て込むとと
もに、該金網の内側に長尺の鋼製構造材を格子状に配設
して建て込み、しかも、少なくとも鋼製構造材を前記ロ
ックボルトによって固定・支持する、金網並びに鋼製構
造材建込工程と、前記金網並びに鋼製構造材を覆うよう
にコンクリートを吹き付けて二次覆工壁を形成する二次
覆工壁形成工程と、前記一次および二次覆工壁を通して
地山中に長尺のPC鋼材を打設するとともに、該PC鋼
材の基端部を前記鋼製構造材に仮固定した後、プレスト
レスを導入し基端部を固定するPC鋼材打設工程とを備
えることを特徴とする。この支保壁の施工方法では、先
に打設したロックボルトによって鋼製構造材を固定して
いるので、鋼製構造材を所定位置に強固に固定すること
ができ、ひいては、該鋼製構造材でPC鋼材の基端部を
速やかに仮固定できる。なお、鋼製構造材は、PC鋼材
を仮固定する機能を備えるが、その他、PC鋼材に引張
力を作用させる際に応力を分散させる、従来のベアリン
グプレートに相当する機能、並びに、スラブ構造体を構
築するときの強度部材としての機能も備える。
【0015】請求項7記載の支保壁の施工方法では、前
記ロックボルトおよび鋼製構造材には、金網の位置ずれ
を防止する金網保持手段が予めセットされて所定位置に
設置されることを特徴とする。予めセットされた金網保
持手段を用いて金網を所定位置に位置決めできるので、
ロックボルトや鋼製構造材を建て込んだ後に、金網保持
手段をそれら鋼製構造材等の構成部材に溶接等によって
後付けする場合に比べて工程が簡素化できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
1〜図13を参照しながら説明する。これらの図に示す
ものは、本願発明を地下空洞の覆工壁に適用した例であ
る。図において符号11はコンクリート覆工壁、12は
鋼製構造材、13はPSアンカー、14はロックボルト
を示している。
【0017】本発明に係る地下空洞の覆工壁は、図2に
も示すように、地山1を掘削して形成された地下空洞の
掘削面2に沿って吹付コンクリートによる一次覆工壁1
1Aが形成され、これら一次覆工壁11Aから地山に向
けてロックボルト14が打設されている。また、一次覆
工壁11Aに沿って金網15が配設されるととともに、
金網15の内側に複数の長尺の鋼製構造材12が格子状
に配設され、それら金網15並びに鋼製構造材12を覆
うようにコンクリートが吹き付けられて二次覆工壁11
Bが形成されている。また、前記二次覆工壁11Bから
地山1に向けて、その基端部13aを前記鋼製構造材1
2に支持させた状態でプレストレスが導入された複数の
長尺のPC鋼撚り線13bを有するPSアンカー13が
打設されている。
【0018】前記したようにコンクリート覆工壁11
は、一次覆工壁11Aとその内側に配される二次覆工壁
11Bとから構成され(図2,図4参照)、一次覆工壁
11Aは、変掘削面2上に直接形成されるならし吹付コ
ンクリート層11aと、その内側に積層状態で形成され
る第1吹付コンクリート層11bからなり、二次覆工壁
11Bは、金網15並びに鋼製構造材12の一部を覆う
第2吹付コンクリート層11cと、鋼製構造材12の残
りの露出部分を覆う第3、4吹付コンクリート層11
d、11eとからなっている。ここで、二次覆工壁11
Bは、鋼製構造材12を覆う部分が、鋼製構造材の格子
空間に対応する部分よりも高くなる段付き構造とされて
いる。
【0019】前記金網15には、例えば鉄筋を格子状に
配して互いの交点を溶接されて得られる溶接金網が用い
られる。このような溶接金網は、図2,図4に示すよう
に外側(掘削面側のいわゆる1枚目)のもの15Aと内
側(空洞側のいわゆる2枚目)のもの15Bの2種類用
意され、外側のもの15Aは全体が単にフラットな形状
とされ、内側のもの15Bは前記格子状に組まれる鋼製
構造材12の格子空間Zに対応する部分が内方へ突出す
る台形状に形成されている。そして、内側の金網15B
の内方への突出量は、鋼製構造材12の高さよりも小さ
な値(例えば略半分程度)に設定されている。
【0020】前記鋼製構造材12は、第1吹付コンクリ
ート層11bが形成された後、その内側に配されるもの
で、その後形成される第2、3、4吹付コンクリート層
11c,11d,11e内に埋設されるとともに、地山
1に向けて打設された複数の鋼棒等のロックボルト14
の基端部14aに固定される。
【0021】鋼製構造材12は、図3(a)に示すよう
に、縦方向ラティスガーダ12Aと横方向ラティスガー
ダ12Bの2種類があり、これらを格子状に組み合わす
ことによって掘削面2を覆うように配されている。縦方
向ラティスガーダ12Aおよび横方向ラティスガーダ1
2Bは、共に4角形の四隅に平行して延在する4つの主
筋Sと、これら主筋Sを互いに連結する複数のラティス
材Rとを組み合わせて形成した鉄筋支保工であり、縦方
向ラティスガーダ12Aの両端部には継手板12aが設
けられ、横方向ラティスガーダ12Bの両端部には継手
板12b、12cが設けられている。一方の継手板12
cは、他方の継手板12bに比べて大型に形成されかつ
補強部材12dによって強化・支持されている。
【0022】また、縦方向ラティスガーダ12Aの下端
部には、図3(b)に示すように、該縦方向ラティスガ
ーダ12Aを支持するため、掘削面2の底面に設置する
底板12eが設けられている。該底板12eは、さらに
地下空洞を掘り下げた場合には、下方に配設された他の
縦方向ラティスガーダ12Aとの連結に用いる継手板1
2aとして機能する。
【0023】縦方向ラティスガーダ12Aは、掘削面2
の周方向に沿って配され、互いの継手板12aを当接さ
せて複数のボルトBにより連結・固定されている。ま
た、縦方向ラティスガーダ12Aには、ロックボルト1
4が固定されるロックボルト取付部16と、PSアンカ
ー13が固定されるアンカー取付部17とが互いに離間
して設けられている。
【0024】ロックボルト取付部16は、図2に示すよ
うに、掘削面2側にロックボルト14の基端部14aが
固定される固定部材16aが設けられ、また、アンカー
取付部17には、アンカー取付孔17aが形成され、該
アンカー取付孔17aの空洞内側にはアンカー固定板1
7b、17cが設けられている。
【0025】前記横方向ラティスガーダ12Bは、図3
に示すように、その一端に設けられた継手板12bが縦
方向ラティスガーダ12Aのロックボルト取付部16の
両側に複数のボルトBで固定されて連結され、また、他
端に設けられた継手板12cがアンカー取付部17の両
側に複数のボルトBで固定されて連結されている。これ
により、ロックボルト取付部16およびアンカー取付部
17が、格子状に形成された鋼製構造材12の交点に位
置することとなる。
【0026】前記PSアンカー13は、図2に示すよう
に、複数のPC鋼撚り線13bと、これらPC鋼撚り線
13bが貫通されかつ掘削面2から地山1に向けて形成
されたアンカー孔18に挿入されたシース部材13cと
を具備している。該シース部材13cは、その基端がア
ンカー取付部17のアンカー固定板17bに接続されて
いる。
【0027】また、前記金網15(15A,15B)は
金網保持手段20によって位置決めされて位置ずれを防
止され、これにより、図4に示すように、外側の金網1
5Aに対し内側の金網15Bの特に内方への突出部分の
離間距離hが所定範囲内になるように保持される。
【0028】図5〜図9は金網保持手段20の各例を示
す。図5に示すものは、ロックボルト14の基端部に固
定板21が挿通状態でかつナット22によって内方への
移動を阻止された状態で取り付けられ、この固定板21
によって外側の金網15Aが内方(空洞方向)へずれな
いように保持される。なお、固定板22の4隅には金網
15Aが同一平面内において側方へずれるのを防止する
ための突起21aが設けられている。ロックボルト14
には接続用のナット23を介し、先端に略コ字状の係合
部24aを有する金網保持棒24がロックボルト14の
延長線上に設けられ、この金網保持棒24の係合部24
aの先端が、図中波線で示すように内側の金網15Bを
挟み込んだ状態で折り曲げられることにより、内側の金
網15Bが所定高さ位置に保持されるようになってい
る。
【0029】図6に示すものは、図5で示した金網保持
棒24に代わって先端に雄ねじ25aを有するねじ棒2
5が、ロックボルト14の延長線上に設けられ、ねじ棒
25の先端に、前記固定板21が前記とは逆に取り付け
られ、この固定板21と内側の金網押え26との間で内
側の金網15Bを挟み込むことにより、同内側の金網1
5Bを所定高さ位置に保持するものである。
【0030】図7に示すものは、L字状のピースを略9
0度の開き角を有するように接合したスペーサ部材27
を利用するものであり、このスペーサ部材27の足部2
7aが外側の金網15Aに溶接されて固定され、スペー
サ部材27の先端の屈曲部分27bに、内側の金網15
Bの交差部分を挟み込んだ状態でねじ込まれ、これによ
り、外側の金網15Aに対し内側の金網15Bの所定部
分を所定高さ位置に保持するものである。
【0031】図8に示すものは、縦方向あるいは横方向
のラティスガーダ12A(12B)の側部所定高さ位置
に、リング部材28が該リング部材28に一体的に設け
られた係合爪28aをラティスガータの柱部に係合され
ることにより固定され、この固定されたリング部材28
に、内側の金網15Bの端部が図8(b)に示すように
挿入されて前記柱部に巻き付けられることにより、内側
の金網15Bを所定高さ位置に保持するものである。
【0032】図9に示すものは、縦方向あるいは横方向
のラティスガーダ12A(12B)のハンチ鋼29に略
L字状の係止部材30がその一側を当接され溶接等の固
定手段によって固定され、内側の金網15Bを間に挟み
込んだ状態で、係止部材30の自由端側を折り曲げるこ
とにより、内側の金網15Bを所定高さ位置に保持する
ものである。
【0033】前記PC鋼撚り線13bは、その基端部1
3aが前記鋼製構造材12の交点であるアンカー取付部
17のアンカー固定板17cに固定用グリップ19によ
って固定され、その他端部13dは、シース部材13c
の他端から突出し、アンカー孔18内に注入されたセメ
ント系充填材(モルタル等)20によってシース部材1
3cとともに地山1の岩盤と固定されるとともに、10
0t程のプレストレスが導入された状態とされている。
【0034】この一形態における地下空洞の覆工構造で
は、地山1の奥に他端部13dが固定されたPC鋼撚り
線13bがその導入力により掘削に伴って生じる掘削面
2周辺のゆるみ域を拘束し、該ゆるみ域の岩塊がすべり
動くことを抑制するとともに、前記導入力は、格子状の
鋼製構造材12およびコンクリート覆工壁11によって
掘削面2の岩盤に伝達し、地山応力を分散させて、集中
荷重や部分的な変位を抑制する。したがって、単に掘削
面2近傍のゆるみ域に打設されて掘削面2近傍のみの岩
塊を固定するロックボルト14とは異なり、前記PC鋼
撚り線13bは、鋼製構造材12およびコンクリート覆
工壁11と一体になって大空洞の広範囲なゆるみ域全体
を拘束して支保する。さらに、アンカー取付部17のア
ンカー固定板17b、17cは、PC鋼撚り線13bに
対する支圧板として機能することにより、PC鋼撚り線
13bの導入力は鋼製構造材12を介してコンクリート
覆工壁11へ伝達される。
【0035】また、PC鋼撚り線13bは鋼製構造材1
2の交点に固定されるので、PC鋼撚り線13bにかか
る100t程の大きな導入力は前記交点を構成する縦方
向ラティスガーダ12Aおよび横方向ラティスガーダ1
2Bによって4方に分散・伝達されるとともに、掘削面
2に延在する鋼製構造材12全体に分散され、PC鋼撚
り線13bの基端部13aへの地山応力の集中が抑制さ
れる。
【0036】次に、地下空洞の覆工構造の一形態におけ
る覆工方法について、図10から図13を参照しながら
説明する。
【0037】本形態における地下空洞の覆工方法では、
地下空洞を掘削する際に、図10に示すように、地下空
洞を上部から下部へ向けて複数の領域A,B,C・・・
Nに分け、上部から各領域ごとに覆工を行う。
【0038】〔上部領域Aの覆工〕まず、地山1を掘削
して地下空洞の上部領域である領域Aを形成する。この
とき、水平方向に一定距離づつ掘削し、形成されたアー
チ状の掘削面2に順次下記の覆工工程を行って支保しな
がら掘削を進める。
【0039】「一次覆工壁形成工程」領域Aの掘削面2
にならしコンクリートを吹き付けてある程度平滑化した
後、さらにコンクリートを吹き付けて第1吹付コンクリ
ート層11aを形成して、一次覆工壁11Aとする(図
11中)。
【0040】「ロックボルト打設工程」形成した一次覆
工壁11Aを貫通するようにロックボルト14を打設し
てモルタル等で固定することにより、掘削面2近傍の岩
盤表面の剥離等の局部破壊を防止する。(図中の)。
このとき、ロックボルト14は、後に配設される鋼製構
造材12のロックボルト取付部16に対応する所定の各
位置に打設されるとともに、鋼製構造材12が配される
箇所に沿って、さらに鋼製構造材12の格子空間の略中
央部分に位置するように打設される(図12参照)。そ
して、ロックボルト14の基端部14aは第1吹付コン
クリート層11aから内側に突出状態とされる。
【0041】「金網並びに鋼製構造材建込工程」前記一
次覆工壁11Aの表面に沿って外側および内側の金網1
5A,15Bを建て込むとともに、内側の金網15Bの
内方に長尺の鋼製構造材12を格子状に配設して建て込
む(図11中参照)。
【0042】このとき、前記外側の金網15Aをロック
ボルト14の基端部14aによって固定するとともに、
内側の金網15Bもロックボルト14に取り付けた金網
保持棒24、ねじ棒25および固定板21を介して固定
する(図5,図6参照)。さらに、ロックボルト14の
基端部14aをロックボルト取付部16に固定部材16
aにより固定する。また、内側と外側の金網15A,1
5Bどうしの間に、図7に示すようにスペーサ部材27
を介在させたり、図8,図9に示すようにラティスガー
タ12A,12Bに設けたリング材28あるいは係止部
材30によって内側の金網15Bが位置ずれしないよう
に固定し、該内側の金網15Bの特に内方への突出部分
の外側の金網15Aに対する離間距離hが所定範囲内に
なるように保持する。
【0043】なお、鋼製構造材12、金網15等を固定
するための部材であるロックボルト取付部16、金網保
持棒24、ねじ棒25、スペーサ部材27,リング材2
8、係止部材30等は予めロックボルト14、縦方向あ
るいは横方向のラティスガータ12A,12B、金網1
5にセットしておき、この状態で建て込むものとする。
【0044】「二次覆工壁形成工程」鋼製構造材12の
建て込み後、さらにコンクリートを吹き付けて金網15
並びに鋼製構造材12が埋設されるように第2、3、4
吹付コンクリート層11c,11d,11eを積層し、
二次覆工壁11Bを形成する(図中の)。このとき、
図4に示すように、第2吹付コンクリート層11cによ
って内側の金網15Bまでを覆うとともに、第3、第4
吹付コンクリート層11d,11eによって鋼製構造材
12の残る露出部分を覆い、二次覆工壁11Bを段付き
構造とする。また、二次覆工壁11Bを形成するとき、
図2に示すようにアンカー取付部17の内側部分だけは
埋設せずに露出されておく。
【0045】「PC鋼材打設工程」アンカー取付部17
から一次および二次覆工壁11A,11Bを通して地山
1中に長尺のPC鋼撚り線13bを有するPSアンカー
13を打設するとともに、該PC鋼撚り線13bの基端
部13aをアンカー取付部17に仮固定する。このと
き、仮固定手段として、例えば、図13に示すように、
アンカー固定板17bを貫通して突出状態のPC鋼撚り
線13bの基端部13aに、雄螺子Mを形成しておくと
ともに、該雄螺子Mにナット21を螺着させておき、さ
らに、この基端部13aを、アンカー固定板17bにボ
ルトBによって接続された仮固定部材32の貫通孔32
aに挿通させておく。したがって、ナット31が仮固定
部材32に係止されて、PC鋼撚り線13bが抜け落ち
ることがない。仮固定後、PC鋼撚り線13bにプレス
トレスを導入する際には、仮固定部材32を取り除き、
基端部13bをアンカー固定板17bに固定する(図中
の)。
【0046】〔領域B,C・・・Nの覆工〕領域Aの覆
工完了後、一定深さを掘削して次の領域Bを形成する。
この領域Bにおいても、領域Aと同様に、上記の一次覆
工壁形成工程、ロックボルト打設工程、金網並びに鋼製
構造材建込工程、二次覆工壁形成工程およびPC鋼材打
設工程によって覆工を行う。さらに、領域Bの覆工完了
後、同様に掘削を繰り返し、最下部領域である領域Nま
で各領域毎に上記各工程によって覆工を施し、地下空洞
全体を支保する覆工構造を構築する。
【0047】この地下空洞の覆工方法では、PC鋼撚り
線13bの基端部13aを鋼製構造材12に仮固定する
ので、吹付コンクリート層や掘削面2に直接仮固定する
ための特殊な治具としてブロッキングパイプ等を用いる
ことなく、前述した仮固定用部材22等の簡易かつ軽量
な部材によりボルトやナット締めで仮止めが可能となる
とともに、吹付コンクリート層表面の整形等の作業が不
要となる。
【0048】また、複数の金網15A,15Bを一度の
工程で掘削面にセットし、その後、その内側へ鋼製構造
材12を建て込んでいるので、例えば、間に鋼製構造材
12を建て込む工程を挟んで2度金網を建て込む場合に
比べて、工程の簡素化が図れる。なお、コンクリートを
吹き付ける際の金網のずれは、前記図5〜図9で示した
金網保持手段20を利用することにより、特に、内側の
金網を固定・支持することにより防止することができ、
これにより、金網15A,15Bどうしの鋼製構造材の
格子空間に相当する箇所の離間距離を充分確保すること
ができるとともに、吹付コンクリートのかぶり厚さを確
保することができ、したがって、鋼製構造材、金網、吹
付コンクリート等からなる梁スラブ構造の強度が不足す
ることはない。
【0049】また、鋼製構造材12、金網15等を固定
するための部材であるロックボルト取付部16、金網保
持棒24、ねじ棒25、スペーサ部材27,リング材2
8、係止部材30等は、予めロックボルト14、縦方向
あるいは横方向のラティスガータ12A,12B、金網
15に予めセットしておき、この状態で建て込んでいる
ので、ロックボルトやラティスガータ等を建て込んだ後
に、前記固定部材を後付けでロックボルト等に固定する
場合に比べ、この点においても工程の簡素化が図れる。
【0050】また、地下空洞を上部の領域Aから下部の
領域Nまで領域毎に掘削・覆工を繰り返し行うので、地
下空洞における覆工作業領域の上方が常に支保されるこ
とにより作業の安全性を確保しながら大断面の地下空洞
を形成することができる。
【0051】なお、前記一形態においては、鋼製構造材
12は、縦方向ラティスガーダ12Aおよび横方向ラテ
ィスガーダ12Bのようなラティス状の鉄筋支保工とし
たが、他の鋼製構造材でもよい。例えば、トラス状の鉄
筋支保工やH鋼等の型鋼からなる鉄骨支保工でも構わな
い。そして、鋼製構造材12を四角形状の格子に構築し
たが、他の形状の格子状に形成しても構わない。例え
ば、三角形状の格子でもよい。
【0052】また、PSアンカー13には、PC鋼撚り
線13bを用いてプレストレスを導入したが、他のPC
鋼材によって導入しても構わない。例えば、長尺のPC
鋼線やPC鋼棒等を用いてもよい。
【0053】また、前記一形態では、本発明を地下空洞
の覆工壁に適用した場合について説明したが、本発明は
これに限られることなく、他の支保壁、例えばトンネル
の支保壁や、連続地中壁の山止め壁等にも適用すること
ができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の支保壁の構造によれば、PC鋼材の導入
力が、鋼製構造材およびコンクリート覆工壁に伝達され
て、これらが一体となって地下空洞の広範囲なゆるみ域
全体を拘束し、地山応力を分散させ、集中荷重や部分的
な変位を抑制するとともに、鋼製構造材自体が支保効果
を向上させているので、大断面の地下空洞においても強
固な支保構造を得ることができる。また、PC鋼材の基
端部が鋼製構造材に支持され、その導入力が鋼製構造材
を介してコンクリート覆工壁へ伝達されるので、ベアリ
ングプレート等の導入力伝達用の大径重量物が不要とな
るとともに、軽量かつ簡易な部材によりPC鋼材の固定
が可能となり、施工性および安全性を向上させることが
できる。さらに、鋼製構造材、金網、吹付コンクリート
等で強度的に優れるスラブ構造を構築し、このスラブ構
造が前記PC鋼材によって導入される引張力と相俟っ
て、より強固な支保構造が得られる。
【0055】請求項2記載の支保壁の構造によれば、P
C鋼材は鋼製構造材の交点に固定されるので、導入力は
交点を構成する鋼製構造材によって少なくとも3方に分
散・伝達されて、PC鋼材の基端部への地山応力の集中
をより抑制することができるとともに、PC鋼材の基端
部をより簡易かつ軽量な部材によって固定することがで
きる。
【0056】請求項3記載の支保壁の構造によれば、鋼
製構造材、金網および吹付コンクリート等で金網補強の
スラブ構造を構築するが、このとき、鋼製構造材の格子
空間に対応する部分では金網どうしが適宜距離離間され
て、例えば、それら金網のうちの一つはスラブ構造の底
部近傍にまた他の金網は表面近傍にそれぞれ位置させる
こととができ、このため、表面の靱性をも確保して強度
的に優れたスラブ構造が得られることなる。この結果、
従来最内層に使用していたスティールファイバー吹付け
コンクリートを省略、あるいは通常の吹付コンクリート
に置き換えることができる。
【0057】請求項4記載の支保壁の構造によれば、二
次覆工壁を鋼製構造材が位置する部分だけ内方へ突出す
る段付き構造とすることにより、覆工壁を梁スラブ構造
に構築することができ、このため、所定の強度を有しな
がらも、鋼製構造材の格子空間に対応する箇所の吹付コ
ンクリートの厚さを減らすことが可能となる。この結
果、吹付コンクリートの打設量を大幅に削減することが
できる。
【0058】請求項5記載の支保壁の構造によれば、金
網保持手段によって金網の位置ずれを防止しているの
で、内側の金網を所望する箇所に配置させることがで
き、ひいては、吹付コンクリートのかぶり厚さを確保す
るとともに、内外の金網の離間距離を一定に保つことが
できる。この結果、より一層強固な梁スラブ構造が確保
される。
【0059】請求項6記載の支保壁の施工方法によれ
ば、PC鋼材の基端部を鋼製構造材に仮固定するので、
簡易な部材で仮止めが可能となることにより、仮固定用
の特殊な部材等が不要となるとともに、吹付コンクリー
ト層表面の整形等の作業が不要となり、仮固定作業の効
率化および施工コストの低減等を図ることができる。ま
た、鋼製構造材を格子状に配設するので、鋼製構造材が
定規となって吹付コンクリートの仕上がり形状を向上さ
せて凹凸を低減させることができる。
【0060】請求項7記載の支保壁の施工方法によれ
ば、予めセットされた金網保持手段を用いて金網を所定
位置に位置決めできるので、ロックボルトや鋼製構造材
を建て込んだ後に、金網保持手段をそれら鋼製構造材等
の構成部材に溶接等によって後付けする場合に比べて工
程が簡素化でき、その分、施工が簡単になるとともに工
期が短縮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る支保壁の構造の一形態を示す概略
断面図である。
【図2】本発明に係る支保壁の構造の一形態における一
部を拡大した概略断面図である。
【図3】本発明に係る支保壁の構造の一形態における格
子状に組まれた鋼製構造材を示す正面図および縦方向ラ
チスガーダの下端部を示す正面図である。
【図4】本発明に係る支保壁の構造の一形態における一
部を拡大した概略断面図である。
【図5】本発明に係る支保壁の構造における金網保持手
段を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る支保壁の構造における金網保持手
段を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る支保壁の構造における金網保持手
段を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る支保壁の構造における金網保持手
段を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る支保壁の構造における金網保持手
段を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る支保壁の施工方法の一形態を説
明するための概略断面図である。
【図11】本発明に係る支保壁の施工方法の一形態にお
ける上部領域での工程を説明するための概念図である。
【図12】本発明に係る支保壁の施工方法の一形態にお
ける手順を説明するための斜視図である。
【図13】本発明に係る支保壁の施工方法の一形態にお
けるPC鋼撚り線の仮固定を説明するための拡大断面図
である。
【図14】本発明に係る支保壁の構造の従来例を示す概
略断面図および掘削面におけるPSアンカーおよびロッ
クボルトの打設配置図である。
【図15】本発明に係る支保壁の構造の従来例における
PC鋼撚り線の仮固定を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 地山 2 掘削面 11 コンクリート覆工壁 11A 一次覆工壁 11B 二次覆工壁 11b,11c,11d,11e 第1、2、3、4吹
付コンクリート層 12 鋼製構造材 12A 縦方向ラティスガーダ 12B 横方向ラティスガーダ 13 PSアンカー 13a 基端部 13b PC鋼撚り線 15A 外側の金網 15B 内側の金網 17 アンカー取付部 17b、17c アンカー固定板 20 金網保持手段 Z 格子空間
フロントページの続き (72)発明者 垣見 康介 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 長谷川 誠 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 征矢 雅宏 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 藤野 晃 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 小島 英郷 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削面にコンクリートが吹き付けられて
    一次覆工壁が形成され、 該一次覆工壁から地山に向けてロックボルトが打設さ
    れ、 前記一次覆工壁に沿って金網が建て込まれるとともに、
    該金網の内側に長尺の鋼製構造材が格子状に配設されて
    建て込まれ、しかも少なくとも鋼製構造材は前記ロック
    ボルトによって固定的に支持され、 それら金網並びに鋼製構造材を覆うようにコンクリート
    が吹き付けられて二次覆工壁が形成され、 前記二次覆工壁から地山に向けて、その基端部を前記鋼
    製構造材に支持させた状態で、プレストレスが導入され
    た長尺のPC鋼材が打設されていることを特徴とする支
    保壁の構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の支保壁の構造において、 前記PC鋼材の基端部は、前記鋼製構造材の交点に固定
    されていることを特徴とする支保壁の構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の支保壁の構造に
    おいて、 前記金網は複数枚重ね合わされて設けられ、それら複数
    枚の金網のうち内側に位置する金網は前記格子状に組ま
    れる鋼製構造材の格子空間に対応する部分が内方へ突出
    する台形状に形成されていることを特徴とする支保壁の
    構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の支保壁の構造において、 前記複数枚設けられた金網のうち内側に位置する金網の
    前記内方への突出量は、鋼製構造材の高さよりも小さい
    値に設定され、前記二次覆工壁は、鋼製構造材を覆う部
    分が鋼製構造材の格子空間に対応する部分よりも高くな
    る段付き構造とされていることを特徴とする支保壁の構
    造。
  5. 【請求項5】請求項4記載の支保壁の構造において、 前記複数枚設けられた金網どうしのうち、内側に位置す
    る金網の位置ずれを防止する金網保持手段が設けられて
    いることを特徴とする支保壁の構造。
  6. 【請求項6】 掘削面にコンクリートを吹き付けて一次
    覆工壁を形成する一次覆工壁形成工程と、 前記一次覆工壁の表面から地山に向けてロックボルトを
    打設するロックボルト打設工程と、 前記一次覆工壁の表面に沿って金網を建て込むととも
    に、該金網の内側に長尺の鋼製構造材を格子状に配設し
    て建て込み、しかも、少なくとも鋼製構造材を前記ロッ
    クボルトによって固定・支持する、金網並びに鋼製構造
    材建込工程と、 前記金網並びに鋼製構造材を覆うようにコンクリートを
    吹き付けて二次覆工壁を形成する二次覆工壁形成工程
    と、 前記一次および二次覆工壁を通して地山中に長尺のPC
    鋼材を打設するとともに、該PC鋼材の基端部を前記鋼
    製構造材に仮固定した後、プレストレスを導入し基端部
    を固定するPC鋼材打設工程とを備えることを特徴とす
    る支保壁の施工方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の支保壁の施工方法におい
    て、 前記ロックボルトおよび鋼製構造材には、金網の位置ず
    れを防止する金網保持手段が予めセットされて所定位置
    に設置されることを特徴とする支保壁の施工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101234751B1 (ko) * 2011-03-08 2013-02-19 강릉건설 주식회사 지보 시공방법과 그 골조 체결구조
CN105909289A (zh) * 2016-04-18 2016-08-31 中国矿业大学 一种深部三软煤层非对称巷道支护结构
CN113073992A (zh) * 2021-04-14 2021-07-06 中钢集团马鞍山矿山研究总院股份有限公司 一种用于地下矿山含软弱夹层岩体的巷道支护方法

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CN105909289B (zh) * 2016-04-18 2017-12-29 中国矿业大学 一种深部三软煤层非对称巷道支护结构
CN113073992A (zh) * 2021-04-14 2021-07-06 中钢集团马鞍山矿山研究总院股份有限公司 一种用于地下矿山含软弱夹层岩体的巷道支护方法

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