JPH096043A - トナー - Google Patents

トナー

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Publication number
JPH096043A
JPH096043A JP7152051A JP15205195A JPH096043A JP H096043 A JPH096043 A JP H096043A JP 7152051 A JP7152051 A JP 7152051A JP 15205195 A JP15205195 A JP 15205195A JP H096043 A JPH096043 A JP H096043A
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JP
Japan
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toner
molecular weight
polymer component
elution
styrene
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JP7152051A
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English (en)
Inventor
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Koji Shimizu
浩二 清水
Yoko Harada
陽子 原田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP96917673A priority patent/EP0834778B1/en
Priority to US08/973,552 priority patent/US6140002A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着性および非オフセット性のバランスのと
れたトナ−を提供する。 【構成】 重量平均分子量が200,000〜700,
000の高分子量重合体成分を20〜70重量%と、重
量平均分子量が6,000〜30,000の低分子量重
合体成分とを含み、前記高分子量重合体成分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開始時間
(Ts)、トップ部溶出時間(Tt)および溶出終了時
間(Te)が、Ts−Tt≧Tt−Teの関係を満足す
るスチレン系共重合体をバインダー樹脂として含有する
トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の
現像に用いられるトナーに関するものであり、さらに詳
しくは定着性と非オフセット性とのバランスに優れたト
ナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電印刷法による代表的な
画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、そ
の絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消
散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に
電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可
視化させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写
材に転写させる転写工程、加熱あるいは加圧により永久
定着させる定着工程からなる。
【0003】このような電子写真法あるいは静電印刷法
に使用されるトナーおよびトナー用バインダー樹脂とし
ては、上記各工程において様々な性能が要求される。例
えば、現像工程においては、電気的な潜像にトナーを付
着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂
は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピ
ー機に適した帯電量を保持しなくてはならない。また、
熱ローラー定着方式による定着工程においては、熱ロー
ラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性が良好
でなくてはならない。さらに、コピー機内での保存中に
トナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も要求さ
れる。
【0004】従来、トナー用バインダー樹脂としては、
スチレン−アクリル系樹脂が多用されており、線状タイ
プ(非架橋タイプ)の樹脂と架橋タイプの樹脂が使用さ
れている。架橋タイプのトナー用バインダー樹脂では、
樹脂を架橋することによって分子量分布を広くして、ト
ナーとしての定着性、非オフセット性を改良することが
試みられている。また、線状タイプのトナー用バインダ
ー樹脂では、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分
とを混合して、両成分のガラス転移温度や分子量をコン
トロールしたり、樹脂全体の分子量分布(Mw/Mn)
をコントロールすることによって、トナーの定着性や非
オフセット性等を改良しようとする試みが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、架橋タ
イプのトナー用バインダー樹脂では、樹脂を単に架橋さ
せただけでは、トナーとしての定着性と非オフセット性
とのバランスに劣り、十分な定着特性を有するトナーを
得ることは困難であった。また、顔料等の分散性が悪い
ために高い剪断力によって分散させる必要があり、その
結果、架橋構造が切断させて非オフセット性が低下する
という問題点も有していた。一方、線状タイプのトナー
用バインダー樹脂を用いたトナーは、顔料等の分散性は
良好ではあるが、例えば、定着性を改善すると、トナー
用バインダー樹脂の溶融粘度が低下しトナ−の非オフセ
ット性が低下してしまい、両者のバランスの良いトナ−
を得ることは困難であった。そこで、本発明の目的は、
定着性および非オフセット性のバランスに優れたトナ−
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナーに含まれるバインダー樹脂につい
て鋭意検討した結果、バインダー樹脂を構成する高分子
量重合体成分の分子量および溶融特性を制御することに
よって、定着性と非オフセット性とのバランスに優れた
トナーが得られることを見い出し、本発明に到達したも
のである。すなわち、本発明のトナーは、重量平均分子
量が200,000〜700,000の高分子量重合体
成分を20〜70重量%と、重量平均分子量が6,00
0〜30,000の低分子量重合体成分とを含み、前記
高分子量重合体成分のゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにおける溶出開始時間(Ts)、トップ部溶出
時間(Tt)および溶出終了時間(Te)が次の(1)
式の関係を満足するスチレン系共重合体をバインダー樹
脂として含有することを特徴とする。
【0007】
【数2】Ts−Tt≧Tt−Te ・・・ (1) 本発明のトナーにバインダー樹脂として含有されるスチ
レン系共重合体は、高分子量重合体成分と低分子量重合
体成分とからなり、いずれの重合体もスチレン系単量体
および他の共重合可能なビニル系単量体からなる非架橋
スチレン系共重合体であり、特にスチレン−アクリル系
共重合体からなるものが好ましい。本発明において、高
分子量重合体成分および低分子量重合体成分の重合のた
めに使用されるスチレン系単量体としては、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デンシルスチレン、p−n−ドデシルス
チレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジシクロシル
スチレン等が挙げられ、中でも、スチレンが好ましい。
これらのスチレン系単量体は、単独でまたは2種以上組
み合わせて使用することができる。
【0008】また、他の共重合可能なビニル系単量体と
しては、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタ
アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸プロピル、メタ
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステア
リル等の不飽和モノカルボン酸エステル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等
の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。
【0009】さらに、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ
ヒ酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル
酸モノブチル等の不飽和モノカルボン酸モノエステル等
のカルボン酸含基ビニル単量体を併用することもでき
る。これらの単量体の共重合比率は特に限定されるもの
ではないが、得られるスチレン系共重合体のガラス転移
温度が50〜80℃の範囲となるよう選定することが好
ましい。これは、ガラス転移温度が50℃未満である
と、トナーのブロッキング発生温度が低下し、保存安定
性が極端に低下する場合があり、逆に80℃を超えると
軟化温度が高くなりトナーの定着性が低下する傾向にあ
るためであり、好ましくは55〜70℃の範囲である。
【0010】本発明においては、スチレン系共重合体は
高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とを含有し、
高分子量重合体成分の含有割合が20〜70重量%の範
囲である。これは、高分子量重合体成分が20重量%未
満であると、トナーとしての非オフセット性が劣るため
であり、逆に70重量%を超えるとトナーとしての定着
性が劣るためであり、好ましくは20〜60重量%の範
囲である。また、スチレン系共重合体を構成する高分子
量重合体成分の重量平均分子量が200,000〜70
0,000の範囲であることが必要である。これは、重
量平均分子量が200,000未満であると、トナーと
しての非オフセット性が低下するためであり、逆に70
0,000を超えるとトナーとしての定着性が低下する
ためであり、好ましくは300,000〜600,00
0の範囲である。また、低分子量重合体成分としては、
その重量平均分子量を6,000〜30,000の範囲
とすることが必要である。これは、低分子量重合体成分
の重量平均分子量が6,000未満であると、樹脂の機
械的強度が低下し帯電発生時にトナーが過粉砕状態とな
りやすく、画像にカブリが発生する傾向にあるためであ
る。逆に、重量平均分子量が30,000を超えるとト
ナーとしての定着性が低下するためである。好ましく
は、7,000〜20,000の範囲である。
【0011】さらに、本発明においては、スチレン系共
重合体を構成する高分子量重合体成分の分子量と共に溶
融特性を制御することによって、定着性と非オフセット
性とのバランスのとれたトナーを提供できるものであ
る。すなわち、高分子量重合体成分のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにおける溶出開始時間(T
s)、トップ部溶出時間(Tt)および溶出終了時間
(Te)が、次の(1)式の関係を満足することによっ
て、トナーとしての定着性に優れたバインダー樹脂を提
供できる。高分子量重合体成分の溶融特性が上記(1)
の範囲を逸脱すると、トナー用バインダー樹脂としての
スチレン系共重合体の熱に対する応答性が遅延するため
に、トナーとしての定着性が低下する。
【0012】
【数3】Ts−Tt≧Tt−Te ・・・ (1) 本発明においては、上記溶出開始時間(Ts)、トップ
部溶出時間(Tt)および溶出終了時間(Te)は、ス
チレン系共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーの測定において、その測定開始から要した時間を
表し、溶出開始時間(Ts)とは高分子量重合体成分の
溶出が開始するまでの時間を、トップ部溶出時間(T
t)とは高分子量重合体成分のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにおける分子量分布の最大ピークが溶
出するまでの時間を、溶出終了時間(Te)とは高分子
量重合体成分の溶出が終了するまでの時間を表す。
【0013】上記のようなスチレン系共重合体は、前述
の重合性モノマーを懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合
法、塊状重合法等の公知の重合方法によって行うことが
できるが、残存溶剤による臭気の問題がないとともに、
発熱の制御の容易であり、分散剤の使用量も少なく耐湿
性を損なうこともない等の点から懸濁重合法が好まし
い。特に、得られたバインダー樹脂が、均一に混合され
た高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とから構成
されていることが好ましく、高分子量重合体成分の懸濁
重合を行い、次いで高分子重合体成分の懸濁粒子の存在
下で低分子量重合体成分の懸濁重合する2段懸濁重合法
等の重合方法によって重合を行うことが好ましい。
【0014】以下、2段懸濁重合法によるスチレン系共
重合体の製造方法ついて、具体的に説明する。高分子量
重合体成分の懸濁重合は、特に限定されるものではな
く、一般的な懸濁重合法に従って行うことができ、上記
のような単量体とともに、懸濁重合において一般的に使
用される分散剤、重合開始剤、分子量調整剤等を使用す
ることができ、温度95〜150℃、圧力0.5〜7k
g/cm2 の条件下で行うことが好ましい。
【0015】高分子量重合体成分の懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、1分子内に3個以上のt−ブチ
ルパ−オキサイド基を有する化合物あるいは10時間半
減期温度が90〜140℃の1分子中の官能基が1個で
あるラジカル重合開始剤等を使用することができる。例
えば、1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オキサイド
基を有する化合物としては、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン等が
挙げられる。また、10時間半減期温度が90〜140
℃の1分子中の官能基が1個であるラジカル重合開始剤
としては、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミル
パーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フ
ェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル等の有機過酸化物あるいはアゾ化合物等が挙げら
れる。これら重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量
としては、従来の懸濁重合での重合開始剤の使用量と比
較して非常に少量でよく、全単量体100重量部に対し
て0.001〜0.5重量部の範囲で使用することが好
ましく、さらに好ましくは0.002〜0.05重量部
の範囲である。
【0016】次いで、懸濁重合した高分子量重合体懸濁
粒子の存在下で、懸濁重合によって低分子量重合体成分
の重合を行う。懸濁重合は、特に限定されるものではな
く、一般的な懸濁重合法に従って行うことができ、例え
ば、高分子量重合体の重合反応率が10〜90%程度に
なった時点で、低分子量重合体用の重合開始剤を水また
は低分子量重合体用単量体に溶解して添加することによ
って重合を開始することが好ましい。
【0017】低分子量重合体成分を懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、
通常使用されるラジカル重合性を有する過酸化物やアゾ
系化合物等が使用でき、例えば、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、オクタノニルパーオキシド、デカノニルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパオキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカオーボネート、アゾビスイソブチルニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
が挙げられるが、中でも、単量体に対する重合活性の持
続性や比較的短時間で重合が完了する点から、オクタノ
ニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トリオ
イルパーオキシドが好ましい。これら重合開始剤は、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ、
単量体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10重量部の範囲である。
【0018】懸濁重合は、単量体に対して好ましくは1
〜10倍、さらに好ましくは2〜4倍程度の水ととも
に、分散剤、重合開始剤、必要に応じて分散助剤あるい
は連鎖移動剤等を添加して、所定の重合温度まで昇温し
て、所定の重合率となるまで加温を続けることによって
行われる。懸濁重合で使用される分散剤としては、ポリ
ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸の単独重合体あ
るいは共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシチルセル
ロース、ゼラチン、デンプン、硫酸バリウム、硫酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カ
ルシウム等のが挙げられ、中でも、ポリビニルアルコー
ルが好ましく、特に好ましくは、酢酸基と水酸基がブロ
ック的に存在する部分鹸化ポリビニルアルコールであ
る。これら分散剤は、水100重量部に対して、0.0
1〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。これ
は、分散剤の使用量が0.01重量部未満であると、懸
濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によって重合
体が固化する傾向にあり、逆に5重量部を超えるとトナ
ーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあるため
であり、さらに好ましくは0.05〜2重量部の範囲で
ある。また、必要に応じて、これら分散剤とともに、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム等の分散助剤を併用することもできる。さらに、
分子量を調整するために、必要に応じて、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘクシ
ル、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用
してもよい。
【0019】このような製造方法によって得られたスチ
レン系共重合体は、THF不溶解分が0.5重量%以下
である非架橋タイプであることが好ましい。これは、T
HF不溶解分が0.5重量%を超えるような架橋タイプ
であると、顔料等の分散性が悪く、分散のための高い剪
断力によって架橋構造が切断させて非オフセット性が低
下する傾向にあるためである。本発明のトナーは、上記
のようなスチレン系共重合体をバインダー樹脂として含
有するものであり、スチレン系共重合体を単独でバイン
ダー樹脂として使用してもよいし、上記のようなスチレ
ン系共重合体を主成分として、他のスチレン/アクリル
系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリエステル系
樹脂等の他の樹脂と併用してバインダー樹脂とすること
もできる。また、本発明のトナーは、上記のようなバイ
ンダー樹脂を60重量%以上含有するとともに、カーボ
ンブラック、鉄黒等の無機顔料、有彩色の染料および有
機顔料等の着色剤、ポリオレフィンワックス等のワック
ス類、負帯電性または正帯電性の荷電制御剤等を必要に
応じて配合し、得られた配合物を、例えば、溶融混練し
た後に粉砕・分級し所定の平均粒径とすることによって
製造することができる。
【0020】本発明のトナーは、軟化温度が110〜1
40℃の範囲であることが好ましい。これは、軟化温度
が110℃未満であるとトナーとしての非オフセット性
に劣り、逆に140℃を超えるとトナーとしての定着性
が低下する傾向にあるためであり、さらに好ましくは1
20〜140℃の範囲である。また、ガラス転移温度が
50〜80℃の範囲であることが好ましい。これは、ガ
ラス転移温度が50℃未満であると、トナーのブロッキ
ング発生温度が低下し、保存安定性が極端に低下する場
合があり、逆に80℃を超えると軟化温度が高くなりト
ナーの定着性が低下する傾向にあるためであり、好まし
くは55〜70℃の範囲である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、ガラス転移温度は、サンプルを
100℃まで昇温しメルトクエンチした後、DSC法
(昇温速度10℃/min)により求めた。軟化温度
は、1mmφ×10mmのノズルを有するフローテスタ
ー(島津製作所社製CFT−500)を用い、荷重30
Kgf、昇温速度3℃/minの条件下で、サンプル量
の1/2が流出した時の温度で示した。重量平均分子量
(Mw)、溶出開始時間(Ts)、トップ部溶出時間
(Tt)および溶出終了時間(Te)は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによる測定値であり、テト
ラヒドロフランを溶剤とした0.5重量%のトナー溶液
を、12000rpmの回転速度で30分間遠心分離を
行い、得られた上澄み液を東ソー社製HCL−8020
を用いて測定し、ポリスチレン換算により求めた。
【0022】定着温度領域は、複写機(松下電器産業社
製FP−1570)を用いて得た未定着画像を、プロセ
ススピードとローラー温度を自由に変えることの可能な
定着試験機を用いてプロセススピード200mm/秒で
定着し、得られた定着画像をJIS512に準拠して砂
消しゴムで9回擦り、その前後での画像濃度をマクベス
濃度計を用いて測定し、画像濃度の低下率が20%未満
である最低定着温度と、同様にしてプロセススピード1
00mm/秒で定着試験機を用いて定着させた際のロー
ラーにトナーが移行する最低定着温度で示した。また、
画像のカブリは、定着温度領域の評価で得られた画像の
白色部分を目視にて観察した。
【0023】実施例1 非架橋スチレン−アクリル系共重合体93重量部、カー
ボンブラック(三菱化成社製#40)4重量部、負帯電
用荷電制御剤(オリエント化学工業社製「ボントロンS
−34」)1重量部およびポリオレフィン系ワックス
(三洋化成社製660P)2重量部を配し、145℃で
溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用いて粉
砕し、分級して平均粒径13μmのトナーを得た。得ら
れたトナーは、ガラス転移温度が64.5℃、軟化温度
が130℃であった。また、トナー中に含有されている
バインダー樹脂は、重量平均分子量が370,000、
ガルパミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
始時間(Ts)が18.62分、トップ部溶出時間(T
t)が22.72分、溶出終了時間(Te)が24.7
7分で、含有量は20.1重量%であった。さらに、低
分子量重合体成分の重量平均分子量は14,000であ
った。得られたトナーの定着温度領域は140〜200
℃で実用レベルであり、画像のカブリは認められなかっ
た。
【0024】実施例2 非架橋スチレン−アクリル系共重合体93重量部、カー
ボンブラック(三菱化成社製#40)4重量部、負帯電
用荷電制御剤(オリエント化学工業社製「ボントロンS
−34」)1重量部およびポリオレフィン系ワックス
(三洋化成社製660P)2重量部を配し、145℃で
溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用いて粉
砕し、分級して平均粒径13μmのトナーを得た。得ら
れたトナーは、ガラス転移温度が60.0℃、軟化温度
が130℃であった。また、トナー中に含有されている
バインダー樹脂は、重量平均分子量が380,000、
ガルパミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
始時間(Ts)が18.36分、トップ部溶出時間(T
t)が23.14分、溶出終了時間(Te)が25.9
7分で、含有割合は48.8重量%であった。さらに、
低分子量重合体成分の重量平均分子量は9,000であ
った。得られたトナーの定着温度領域は130〜220
℃で実用レベルであり、画像のカブリは認められなかっ
た。
【0025】実施例3 非架橋スチレン−アクリル系共重合体93重量部、カー
ボンブラック(三菱化成社製#40)4重量部、負帯電
用荷電制御剤(オリエント化学工業社製「ボントロンS
−34」)1重量部およびポリオレフィン系ワックス
(三洋化成社製660P)2重量部を配し、145℃で
溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用いて粉
砕し、分級して平均粒径13μmのトナーを得た。得ら
れたトナーは、ガラス転移温度が57.0℃、軟化温度
が125℃であった。また、トナー中に含有されている
バインダー樹脂は、重量平均分子量が520,000、
ガルパミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
始時間(Ts)が17.79分、トップ部溶出時間(T
t)が22.82分、溶出終了時間(Te)が25.3
6分で、含有割合は53.1重量%であった。さらに、
低分子量重合体成分の重量平均分子量は10,000で
あった。得られたトナーの定着温度領域は120〜21
0℃で実用レベルであり、画像のカブリは認められなか
った。
【0026】比較例1 非架橋スチレン−アクリル系共重合体93重量部、カー
ボンブラック(三菱化成社製#40)4重量部、負帯電
用荷電制御剤(オリエント化学工業社製「ボントロンS
−34」)1重量部およびポリオレフィン系ワックス
(三洋化成社製660P)2重量部を配し、145℃で
溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用いて粉
砕し、分級して平均粒径13μmのトナーを得た。得ら
れたトナーは、ガラス転移温度が57.0℃、軟化温度
が132℃であった。また、トナー中に含有されている
バインダー樹脂は、重量平均分子量が450,000、
ガルパミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
始時間(Ts)が18.04分、トップ部溶出時間(T
t)が21.83分、溶出終了時間(Te)が26.6
7分で、含有割合は33.9重量%であった。さらに、
低分子量重合体成分の重量平均分子量は5,000であ
った。得られたトナーの定着温度領域は160〜210
℃で実用レベルの範囲ではなかった。また、画像にカブ
リも認められた。
【0027】比較例2 非架橋スチレン−アクリル系共重合体93重量部、カー
ボンブラック(三菱化成社製#40)4重量部、負帯電
用荷電制御剤(オリエント化学工業社製「ボントロンS
−34」)1重量部およびポリオレフィン系ワックス
(三洋化成社製660P)2重量部を配し、145℃で
溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用いて粉
砕し、分級して平均粒径13μmのトナーを得た。得ら
れたトナーは、ガラス転移温度が58.0℃、軟化温度
が130℃であった。また、トナー中に含有されている
バインダー樹脂は、重量平均分子量が340,000、
ガルパミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
始時間(Ts)が18.43分、トップ部溶出時間(T
t)が22.22分、溶出終了時間(Te)が26.1
3分で、含有割合は41.7重量%であった。さらに、
低分子量重合体成分の重量平均分子量は7,000であ
った。得られたトナーの定着温度領域は160〜210
℃で実用レベルの範囲ではなかった。画像にカブリは認
めらなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、トナーに含有されるバインダ
ー樹脂を構成する高分子量重合体成分の分子量および溶
融特性を制御することによって、定着性と非オフセット
性とのバランスに優れたトナ−を提供できるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 陽子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が200,000〜70
    0,000の高分子量重合体成分を20〜70重量%
    と、重量平均分子量が6,000〜30,000の低分
    子量重合体成分とを含み、前記高分子量重合体成分のゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィーにおける溶出開
    始時間(Ts)、トップ部溶出時間(Tt)および溶出
    終了時間(Te)が次の(1)式の関係を満足するスチ
    レン系共重合体をバインダー樹脂として含有することを
    特徴とするトナー。 【数1】Ts−Tt≧Tt−Te ・・・ (1)
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