JPH0959725A - モリブデン焼結体の製造方法 - Google Patents

モリブデン焼結体の製造方法

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JPH0959725A
JPH0959725A JP23608095A JP23608095A JPH0959725A JP H0959725 A JPH0959725 A JP H0959725A JP 23608095 A JP23608095 A JP 23608095A JP 23608095 A JP23608095 A JP 23608095A JP H0959725 A JPH0959725 A JP H0959725A
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JP
Japan
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binder
powder
molybdenum
sintered body
molybdenum powder
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JP23608095A
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English (en)
Inventor
Kenji Muraoka
健二 村岡
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、複雑形状のモリブデン焼結体を欠陥の
発生すること無く、量産性に優れ、安価な製品を製造可
能とする製造方法を提供する。 【解決手段】 モリブデン粉末原料に可塑性材料を含む
バインダーを混練して、該混練物を金型内に射出してグ
リーン成形体とし、該グリーン成形体より前記バインダ
ーを除去してのち、焼結処理することによりモリブデン
焼結体を製造するに際し、前記原料とするモリブデン粉
末の平均粒径を2〜35μmとし、かつタップ密度を
3.8g/cm以上とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モリブデン粉末を
原料とする射出成形冶金法により、特に小型、複雑形状
のモリブデン焼結体を得るのに適したモリブデン焼結体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モリブデン焼結体は、機械的強度並びに
熱伝導性に優れているところから、半導体の放熱基板や
ヒートシンク等に広く利用されている。近年において
は、さらに、マイクロプロセッサーや超小型演算処理装
置を対象とした小型、複雑形状のモリブデン製品に対す
る需要が高まっている。このような市場の情勢に対し
て、従来は同じくモリブデン粉末を原料として、この原
料をプレス機械で成形処理し、ついで得られた成形体を
焼結して焼結体とし、さらにこの焼結体を切削、研磨し
て目的とする製品を得ていた。
【0003】しかしながら、上記の製造方法において
は、特に近年要求されるようになった複雑形状の製品を
効率よく供給することは容易でなく、製造コストの思わ
ぬ高騰を呼ぶと共に、生産性の悪化が課題とされてい
た。さらに、ステンレス鋼、Fe−Ni−C系合金、及
びTi等を原料とする粉末を利用して製品を得ているよ
うに、モリブデン粉末を射出成形し、この成形体を焼結
して製品とする方法の利用も考えられる。しかしなが
ら、モリブデン粉末には二次粒子が多く存在し、タップ
密度が極端に小さいため、市販のモリブデン粉末をその
まま射出成形法で処理しようとすると、非常に多くのバ
インダーを混練しなければ製品が得られず、したがっ
て、バインダーの除去工程や焼結工程において思いも掛
けぬ処理時間を必要とし、現実に安定した製品を供給す
ることは容易でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に記述
したような事態に鑑みてなされたものであって、小型、
複雑形状のモリブデン焼結体を欠陥の発生することな
く、量産性に優れ、安価な製品を製造可能とするモリブ
デン焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、モリブデン粉末原料に可塑性材料を含む
バインダーを混練してなる混練物を金型内に射出してグ
リーン成形体とし、該グリーン成形体より前記バインダ
ーを除去した後、焼結処理することによりモリブデン焼
結体を製造する方法において、原料とするモリブデン粉
末の平均粒径を2〜35μmとし、かつタップ密度を
3.8g/cm以上とするモリブデン焼結体の製造方
法を特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に関して、以
下に詳述する。
【0007】本発明の実施に際して、モリブデン粉末を
原料とし、該原料に可塑性材料を含むバインダーを混練
し、該混練物を金型内に射出してグリーン成形体とし、
該グリーン成形体より前記バインダーを除去した後、焼
結処理することによりモリブデン焼結体を製造するが、
該方法において、原料とするモリブデン粉末の平均粒径
を2〜35μmとし、モリブデン粉末のタップ密度を
3.8g/cm以上と規定するものである。この場
合、平均粒径2μm未満のモリブデン粉末を原料として
使用しようとすると、該粉末原料の生産性が格段に低下
して、原料価格を必要以上に高価なものにするため好ま
しくない。
【0008】また、平均粒径が35μmを超えたモリブ
デン粉末を原料として用いた場合は、混練物の流動性が
低下することにより、射出されたグリーン成形体の成形
性が劣化して来ると共に、製品の寸法精度が著しく低下
するので好ましくない。
【0009】さらに、タップ密度が3.8g/cm
満の原料を用いる場合は、混練物中のバインダー量を体
積率として70%以上に保たないと射出成形が不能とな
るため、原料に対するバインダーの添加量が著しく多く
なり、次工程のバインダー除去処理を非常に困難にさせ
る上、グリーン成形体の寸法、形状に異常を生じさせ、
焼結体の密度も低下させる結果を生じるので、好ましく
ない。
【0010】なおタップ密度は上記した理由により3.
8g/cm以上である必要があるが、6.8g/cm
を超えても効果の上で差異がない。なおモリブデン元
素(Mo)の密度は、10.22g/cmである。
【0011】本発明の実施に際して使用される、平均粒
径が2〜35μmで、タップ密度が3.8g/cm
上のモリブデン粉末は、平均粒径が5μmを示す市販の
安価なモリブデン粉末を分級した後、この分級した粉末
をボールミルを用いて解砕することにより得られる。
【0012】また、使用される可塑性材を含むバインダ
ーには、射出成形法を利用して粉末焼結品を得るために
従来から利用されているバインダーの使用が可能であ
る。例えば、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン酢酸共重合体、カルナバワックス、パラフィンワ
ックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸等のバイ
ンダーが使用できる。
【0013】さらに、粉末原料とバインダーとを混練す
る場合にも、射出成形法を利用して粉末焼結品を得るた
めに従来から利用されてきた装置を利用することが可能
であり、例えば、万能混合攪拌機、二輪ニーダ等が利用
できる。また、混練物を構成する粉末原料とバインダー
との混合割合は、選出されたバインダーにもよるが、重
量%表示で、ほぼ92:8から90:10程度の混合割
合で構成された混練物が利用される。
【0014】射出されたグリーン成形体を焼結する方法
としては、射出成形法を利用して粉末焼結品を得るため
に従来から利用されてきた連続式またはバッチ式の焼結
炉を用いた方法を利用することが可能で、例えば、金属
製ヒーターの連続式焼結炉を用いて、グリーン成形体を
水素雰囲気中で1750〜1850℃の温度範囲に1〜
3時間の間保持した後、前記炉中で常温まで冷却して焼
結体を得ることができる。
【0015】
【実施例】
[実施例1]東京タングステン(株)製の平均粒径が5
μmのモリブデン粉末を分級して、粒径が20μm以上
のモリブデン粉末を選び出し、このモリブデン粉末と直
径が5mmの超硬合金製のボールとを1:2の容積比に
なるようにしてポリエチレン製のポツトに投入し、エタ
ノール中で5時間の湿式ボールミル処理を行った。湿式
ボールミル処理により得られたモリブデン粉末の平均粒
径は8μm、タップ密度は5.8g/cm、純度は9
9.2%であった。湿式ボールミル処理により得られた
モリブデン粉末を原料粉末とし、低密度ポリエチレン
と、ポリエチレンワックスと、カルナバワックスと、ス
テアリン酸とを、2:2:0.5:0.5の重量比割合
で混合して得られた混合物をバインダーとし、上記原料
粉末とバインダーとを重量比で92:8になるように配
合し、この配合物を万能混合攪拌機を用いて180℃で
1時間の間混練した。
【0016】このようにして得た混練物をペレット状に
造粒し、厚さが5mm、幅が20mmの板状試料を射出
成形した。この場合の射出圧力は75Mpa、射出温度
は120℃とした。次ぎに、上記の板状試料を窒素雰囲
気中で、室温から400℃までを毎時20℃の割合で昇
温して、板状試料からバインダーを除去する処理を行っ
た。次いで、上記のバインダーを除去した板状試料を焼
結炉に装填し、水素雰囲気中で、室温から1800℃ま
での間を毎分10℃の割合で昇温し、さらに1800℃
にて3時間保持し、その後室温まで炉中で冷却して板状
試料の焼結体を得た。
【0017】上記の板状試料の焼結体について、軟X線
を用いた欠陥検査を行ったところ良好な結果が示され
た。また、板状試料の焼結体について、比重計によって
測定した比重を真比重で除して求めた相対密度は98.
1%であって、良好な結果を示していた。さらに、示差
膨脹方式の熱分析装置により測定した熱膨脹率は5.3
1×10−6/℃であった。上記の板状試料の焼結体か
ら切り出され、JIS G4103に規定された試験片
14号Bを用いて行った引張試験では、引張強さとして
53.6kgf/mmが計測された。
【0018】[実施例2]原料粉末の平均粒径を18μ
m、タップ密度を5.2g/cmとし、原料粉末とバ
インダーとの混合比を、重量比で90:10とした以外
は実施例1と同様にして処理した場合、軟X線を用いた
欠陥検査を行ったところ良好な結果が示された。また、
板状試料の焼結体について実施例1と同様に測定した相
対密度は97.2%、熱膨脹率は5.34×10−6
℃、引張試験は53.3kgf/mmを計測し、好ま
しい結果が得られた。
【0019】[実施例3]原料粉末のの平均粒径を30
μm、タップ密度を4.5g/cmとし、原料粉末と
バインダーとの混合比を、重量比で88:12とした以
外は実施例1と同様にして処理した場合、軟X線を用い
た欠陥検査を行ったところ良好な結果が示された。ま
た、板状試料の焼結体について実施例1と同様に測定し
た相対密度は95.8%、熱膨脹率は5.42×10
−6/℃、引張試験は52.8kgf/mmを計測
し、好ましい結果が得られた。
【0020】[比較例1]原料粉末の平均粒径を本発明
に規定した範囲外の42μm、タップ密度も範囲外の
3.2g/cmとし、原料粉末とバインダーとの混合
比を、重量比で83:17とした以外は実施例1と同様
にして処理した場合、軟X線を用いた欠陥検査を行った
ところ欠陥が示された。また、板状試料の焼結体につい
て実施例1と同様に測定した相対密度は90.3%しか
なく、上記の実施例1〜3に示された本発明品について
測定した結果と比較して劣っていた。さらに、熱膨脹率
は5.26×10−6/℃、引張試験は僅かに33.1
kgf/mmを計測し、大幅な強度劣化が示された。
【0021】[比較例2]原料粉末の平均粒径を本発明
に規定した範囲外の50μm、タップ密度も範囲外の
3.1g/cmとし、原料粉末とバインダーとの混合
比を、重量比で83:17とした以外は実施例1と同様
にして処理した場合、軟X線を用いた欠陥検査を行った
ところ欠陥が示された。また、板状試料の焼結体につい
て実施例1と同様に測定した相対密度は87.4%しか
なく、上記の実施例1〜3に示された本発明品について
測定した結果と比較して劣っていた。さらに、熱膨脹率
は5.51×10−6/℃、引張試験は僅かに31.8
kgf/mmを計測し、大幅な強度劣化が示された。
【0022】以上に示した通り、本発明の方法によると
きは、充分な使用に耐えるモリブデン焼結体を提供する
ことが容易になった。上記の実施例および比較例の結果
をまとめて表1として示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明を実施する場合
には、上記のように市販されているモリブデン粉末を出
発原料とし、このモリブデン粉末の二次粒子を解砕し、
平均粒径とタップ密度とを特定した粉末を原料粉末とし
て利用することにより、従来は困難であった小型で複雑
な形状をしたモリブデン焼結体を内部欠陥を持たず、強
度も保持して安価に供給することが容易になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モリブデン粉末原料に可塑性材料を含む
    バインダーを混練してなる混練物を金型内に射出してグ
    リーン成形体とし、該グリーン成形体より前記バインダ
    ーを除去した後、焼結処理することによりモリブデン焼
    結体を製造する方法において、原料とするモリブデン粉
    末の平均粒径を2〜35μmとし、かつタップ密度を
    3.8g/cm以上とすることを特徴とするモリブデ
    ン焼結体の製造方法。
JP23608095A 1995-08-22 1995-08-22 モリブデン焼結体の製造方法 Pending JPH0959725A (ja)

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JP23608095A JPH0959725A (ja) 1995-08-22 1995-08-22 モリブデン焼結体の製造方法

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JP (1) JPH0959725A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7621420B2 (en) 2003-01-14 2009-11-24 Uni-Charm Corporation Container with auto-opening lid
CN112355312A (zh) * 2020-10-23 2021-02-12 中南大学 一种超细晶纯钼金属材料的活化烧结制备方法

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