JPH0958404A - 車両用乗員保護装置の起動判定方法及び車両用乗員保護装置用起動制御装置 - Google Patents

車両用乗員保護装置の起動判定方法及び車両用乗員保護装置用起動制御装置

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JPH0958404A
JPH0958404A JP7234625A JP23462595A JPH0958404A JP H0958404 A JPH0958404 A JP H0958404A JP 7234625 A JP7234625 A JP 7234625A JP 23462595 A JP23462595 A JP 23462595A JP H0958404 A JPH0958404 A JP H0958404A
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JP7234625A
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Koichi Miyaguchi
浩一 宮口
Yasumasa Yota
康正 要田
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Asco KK
Original Assignee
Asco KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個の加速度センサの検出信号に基づいて、
ラフロードと衝突との判別を的確にでき、かつ、衝突の
際には車両用乗員保護装置を確実に起動できるよにす
る。 【解決手段】 加速度についての積分値が算出されると
共に、d(msec)前の加速度に対して数値変換を施したG
変換値と、s(msec)以前からの加速度についての積分値
に対して数値変化を施したS係数値とが、それぞれ算出
され、G変換値とS係数値との乗算値とを加速度につい
ての積分値に加算することで、加速度変化にピークが出
現するようなラフロードでは、この加算値が所定の閾値
THを越え難くなり、起動信号の誤発生が防止される一
方、高速斜め衝突のような場合には、閾値THを越え易
くなり、起動信号の早期の発生が確保されるようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時に乗
員の保護図るエアバック装置等に代表される車両用安全
装置の起動を制御するための装置に係り、特に、1個の
加速度センサを用いた装置における起動制御の改良を図
ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバック装置や、シートベルト
等の乗員拘束装置に代表される車両用安全装置の起動制
御装置においては、加速度センサを用いて車両の衝撃を
検出し、その検出信号の大きさに基づいて車両用安全装
置の起動の要否を判定するようにしており、加速度セン
サを複数設けたものと、1個の加速度センサを用いるよ
うにしたたものとが、それぞれ種々提案されている。加
速度センサを1個だけ用いるようにしたものは、複数用
いるものに比して、部品点数の削減や構成の簡素化等に
加えて、安価な装置を提供できるといった利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1つの
加速度センサからの信号に基づいて車両用安全装置の起
動を制御するようにした装置においては、いわゆるラフ
ロードと衝突との判別や、いわゆる斜め衝突やオフセッ
ト衝突での早期の判定の的確性が、複数の加速度センサ
を用いて構成された装置に比して、必ずしも十分とは言
い難いものであった。
【0004】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、1個の加速度センサの検出信号に基づいて、いわゆ
るラフロードと衝突の判別が的確に行える車両用安全装
置用起動制御装置を提供する。本発明の他の目的は、1
個の加速度センサの検出信号に基づいて、いわゆる斜め
衝突や、いわゆるオフセット衝突における早期の的確な
判定が可能な車両用安全装置用起動制御装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る車両用乗員保護装置の起動判定方法は、検出された車
両の加速度について積分値を算出すると共に、第1の所
定時間前に検出された加速度について所定の変換条件に
したがって数値変換した値と、第2の所定時間前からの
加速度についての積分値に対して所定の条件の基で定め
られる係数とを乗算し、この乗算結果に前記検出された
車両の加速度について算出された積分値を加算し、この
加算値の大小によって車両用乗員保護装置の起動の要否
を判定するものである。
【0006】この起動判定方法は、加速度の積分値につ
いて、実験的に求められた数値処理を施すことで、例え
ば、高速斜め衝突の場合と、加速度にピークがあるよう
なラフロードの場合とで、その変化特性が異なることに
着目したものである。すなわち、第1の所定時間前に検
出された加速度について行う数値変換は、例えば、図3
に示されたような変換曲線にしたがって行うもので、こ
の変換処理で得られた値をG変換値とする。
【0007】一方、第2の所定時間前からの加速度につ
いての積分値に対して所定の条件の基で定められる係数
は、例えば、図4に示されたような特性線にしたがって
求められ、これをS係数とすると、このS係数とG変換
値との乗算値を加速度の積分値に加算すると、例えば、
図5(a)に示されたような加速度変化を示す高速斜め
衝突の場合には、図5(c)において実線特性線で示さ
れたように、加速度のピークが出現したのち比較的早い
時期に、所定の閾値THを越えることとなり、車両用乗
員保護装置の起動信号の発生時とすることができる。
【0008】その一方、図6(a)に示されたような加
速度変化を示すピークのあるラフロードの場合には、図
6(c)において実線特性線で示されたように、閾値T
Hを越えることがないようにすることができ、誤った起
動判定を防ぐことができることとなるものである。
【0009】請求項2記載の発明に係る車両用乗員保護
装置用起動制御装置は、車両の加速度を検出する加速度
検出手段と、前記加速度検出手段により検出された加速
度について、所定時からの積分値を算出する積分演算手
段と、第1の所定時間前の加速度を、所定の変換条件の
基に数値変換する加速度変換手段と、第2の所定時間以
前からの加速度についての積分値を算出すると共に、こ
の算出値に対して所定の条件に基づいて決定される係数
を算出する係数算出手段と、前記加速度変換手段の算出
値と前記係数算出手段の算出値とを乗算し、この乗算結
果に前記積分演算手段の算出値を加算する総合演算手段
と、前記総合演算手段により算出された値が所定値を越
えるか否か判定し、所定値を越えたと判断された場合
に、車両用乗員保護装置を起動する起動信号を出力する
起動判定手段と、を具備してなるものである。
【0010】この車両用乗員保護装置用起動制御装置
は、積分演算手段により算出された加速度の積分値に、
実験的に導き出された数値処理を施すことで、例えば、
高速斜め衝突と、ピークのあるラフロードとの判別を確
実に行えるようにしたものである。
【0011】すなわち、加速度変換手段では、例えば、
図3に示されたような変換曲線に基づいて所定時間d(m
sec)前の加速度の値の変換が行われる一方、係数算出手
段では、例えば、所定時間s(msec)前からの加速度につ
いての積分値が求められ、その積分値について例えば図
4に示されたような特性線にしたがって定まる係数が算
出される。そして、総合演算手段では、加速度変換手段
で算出された値と係数算出手段で算出された係数との乗
算が行われると共に、その乗算値に積分値演算手段で求
められた積分値が加算される。
【0012】このような演算を行うことにより、例え
ば、図5(a)に示されたような加速度変化を示す高速
斜め衝突の場合には、図5(c)において実線特性線で
示されたように、加速度のピークが出現したのち比較的
早い時期に、所定の閾値THを越えるような変化特性と
なり、車両用乗員保護装置の起動信号の発生時とするこ
とができる。
【0013】その一方、図6(a)に示されたような加
速度変化を示すピークのあるラフロードの場合には、図
6(c)において実線特性線で示されたように、閾値T
Hを越えることがないようにすることができ、誤った起
動判定を防ぐことができることとなるものである。した
がって、起動判定手段では、総合演算手段の演算結果
を、上述したような観点から判断することで、車両用乗
員保護装置の起動の要否判定が行えることとなるもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図10を参照しつつ説明する。まず、本発
明の実施の形態における、装置構成について図1を参照
しつつ説明すれば、この車両用乗員保護装置用起動制御
装置(以下、「本装置」と言う)は、加速度センサ1
と、この加速度センサ1の出力信号をディジタル信号に
変換するアナログ・ディジタル変換器(図1において
「A/D」と略記すると共に、以下「A/D変換器」と
言う)2と、CPU3と、駆動トランジスタ4と、を主
たる構成要素としてなるものである。
【0015】加速度検出手段としての加速度センサ1
は、従来からこの種の装置に用いら、公知・周知となっ
ているものでよく、例えば、半導体により形成されたゲ
ージに加速度の発生に起因して生ずる歪みに応じて半導
体ゲージの抵抗値が変化することを利用した半導体式加
速度センサや、圧電素子に重りを取り付け、加速度によ
る加重が圧電素子に作用するようにして、圧電効果によ
る圧電信号が得られるように構成された圧電式加速度セ
ンサ等の種々の形式のものを用いることができる。この
加速度センサ1は、例えば、車室内前方中央部のフロア
パネルに取り付けられるものである。
【0016】CPU3は、ROM、RAM等を内蔵して
なるいわゆるワンチップ・マイコンで、A/D変換器2
を介して入力された加速度信号を基にして、後述するよ
うな処理を行い、必要に応じていわゆるI/O端子にベ
ースが接続された駆動トランジスタ4に対して、起動信
号を出力するようになっているものである。
【0017】駆動トランジスタ4は、そのエミッタがア
ースされる一方、コレクタには、エアバックの点火素子
であるスクイブ5の一端に接続されている。そして、ス
クイブ5の他端は、いわゆるセーフィングスイッチ6を
介して電源電圧Vが印加されるようになっている。
【0018】図2には、上記CPU3において行われる
判定処理の一例がフローチャートによりされており、以
下、同図を参照しつつこの判定処理について説明する。
まず、加速度センサ1による検出信号がA/D変換器2
を介してCPU3へ順次読み込まれる(図2のステップ
100参照)。この加速度センサ1により検出された加
速度Gが所定値を越えた場合に、この所定値を越えた時
点を衝突開始時点として、この時点以降所定時間tまで
の加速度Gについての積分値の算出が行われる(図2の
ステップ102参照)。
【0019】また、上述の積分値の算出の終了点である
時刻tを基準にして、d(msec)前の時点における加速度
GについてG変換値が算出される(図2のステップ10
4参照)。すなわち、このG変換値の算出は、予め定め
られた変換曲線(ここで「曲線」の語は直線をも含む意
である)又は変換テーブルにしたがって、d(msec)前の
時点における加速度Gの値を変換するものである。この
変換曲線の例としては、例えば、図3に示されたよう
に、2つの直線を合成してなる折れ線が好適である。こ
の折れ線からなる変換曲線により、変換前の加速度G
は、それより小さな値に変換されるようになっている。
なお、この変換曲線に代わって、この変換曲線をいわゆ
るテーブル化して変換テーブルとして用いるようにして
もよい。
【0020】さらに、加速度GについてのS係数の算出
が行われる(図2のステップ106参照)。このS係数
の算出は、上述のステップ102における積分値の算出
の終了点である時刻tの時点よりs(msec)前の時点から
現時点(すなわち時刻tの時点)までの加速度Gについ
ての積分値に対して数値変換を施し、その変換値をS係
数とするものである。
【0021】すなわち、s(msec)間の積分値に対して、
例えば、図4に示されたような特性線に基づいてS係数
の算出が行われるようになっている。図4に示された特
性線は、s(msec)間の積分値が零の場合に、S係数を1
とし、積分値が正の値で増加するに伴いS係数は1以上
となる一方、積分値が負の値で増加するに伴いS係数は
1以下となるようになっている。そして、積分値が正の
所定値以上となる場合には、S係数は1以上の一定値を
とる一方、積分値が負の所定値以上となる場合には、S
係数は1以下の所定値をとるようになっている。
【0022】上述のようにして、t(sec)間における加
速度Gの積分値の算出、G変換値の算出及びS係数の算
出(図2のステップ102,104,106参照)が行
われた後は、これらの算出値に基づく判定値が所定の閾
値を越えるか否かが判定されることとなる(図2のステ
ップ108)。すなわち、t(sec)間における加速度G
の積分値に、G変換値とS係数との乗算結果を加算した
ものが所定の閾値THを越えるか否かが判定され、未だ
越えないと判定された場合(NOの場合)には、先のス
テップ100へ戻り、上述した一連の処理が再び繰り返
されることとなる一方、THを越えたと判定された場合
(YESの場合)には、エアバック装置の起動が行われ
ることとなる。
【0023】すなわち、CPU3から駆動トランジスタ
4を導通状態とする起動信号が出力されて、駆動トラン
ジスタ4が導通状態となる結果、セーフィングスイッチ
6が閉成されていれば、スクイブ5に通電がなされ、エ
アバックの展開が行われることとなる。
【0024】なお、図2においては、ステップ102,
104,106の各処理が同時に実行される如くに並列
に記載されているが、加速度センサ1により検出された
加速度を用いて行われる演算として、これら3つの処理
があることを示すため、便宜的に並列に記載されたもの
であって、各処理が同時進行することを意味するもので
はない。
【0025】ここで、上述のように、加速度Gについて
の積分値にG変換値とS係数との乗算結果を加算し、そ
の加算値の大きさでエアバック装置の起動を決定するよ
うにしたことの意義について図5乃至図7を参照しつつ
説明する。まず、図5は、高速斜め衝突の場合における
加速度Gの変化、G変換値の変化、G変換値とS係数と
の乗算値の変化及び積分値の変化を対比的に示した特性
線図、図6は加速度Gにピークのあるラフロードの場合
の加速度Gの変化、G変換値の変化、G変換値とS係数
との乗算値の変化及び積分値の変化を対比的に示した特
性線図、図7はG変換値の算出において、d(msec)前の
加速度を用いる意義を説明するための特性線図であっ
て、図7(a)は高速斜め衝突の場合に、算出時点にお
ける加速度を用いてG変換値を算出した際のG変換値の
変化及び積分値の変化を示す特性線図、図7(b)はピ
ークのあるラフロードの場合に、算出時点における加速
度を用いてG変換値を算出した際のG変換値の変化及び
積分値の変化を示す特性線図である。
【0026】高速斜め衝突の場合の加速度Gの変化と、
加速度Gにピークが出現するようなラフロードにおける
加速度Gの変化は、それぞれ図5(a)、図6(a)に
示されたように、初期の時点で加速度Gにピーク点が出
現する点で似かよったものとなる。すなわち、単に加速
度センサ1の検出値が所定値を越えるか否かをもって衝
突の有無を判定することはできない。
【0027】ここで、図2のステップ104におけG変
換値の算出とは異なり、d(msec)以前の加速度GにG変
換を施すのではなく、リアルタイムの加速度Gすなわち
G変換値を求める時点での加速度Gを用いてG変換値を
求めた場合の例が図7に示されている。高速斜め衝突の
場合には、図7(a)において実線特性曲線で示された
ように、衝突の有無を判定する基準値である所定の閾値
THを越える時点(図7(a)においては「トリガ点」
と表記)は、エアバック装置を起動(トリガ)するには
遅すぎる点となる一方、加速度Gにピーク点が出現する
ようなラフロードの場合には、図7(b)に示されたよ
うに閾値THを越えやすくなり、本来不要なエアバック
装置の起動を招くこととなる。
【0028】これに対して、d(msec)以前の加速度Gに
ついてG変換値を求めた場合には、加速度Gにピーク点
が出現するようなラフロードについては、図6(b)に
示されたように図7(b)の場合とは異なり、閾値TH
を越えて不必要な起動信号の発生を招くことが防止され
ることとなる。
【0029】その一方で、高速斜め衝突については、図
5(b)に示されたように、このままでは起動信号を適
切な時点で得るには不十分である。S係数は、高速斜め
衝突に対しては、起動信号が発生され易く、ラフロード
に対しては起動信号が発生され難くするためのもので、
高速斜め衝突における加速度Gの積分値の変化と、ラフ
ロードにおける加速度Gの積分値の変化の違いに着目し
て定められたものである。
【0030】すなわち、高速斜め衝突の場合、加速度G
の積分値は、図5(b)において二点鎖線の特性線で示
されたように、時間の経過と共に上昇してゆく(積分が
進む)が、ラフロードの場合には、図6(b)において
二点鎖線の特性線で示されたように、加速度Gのピーク
点の出現(図6(a)参照)に伴い、積分値も一旦増加
傾向を示した後は、その値が徐々に減少してゆく(積分
が戻る)傾向にある。
【0031】そこで、本発明においては、先に述べたよ
うにs(msec)間の積分値が進んでいる高速斜め衝突にお
いては、G変換値に1以上の係数を乗じることで、積極
的に閾値THを越えるようにして(図5(c)参照)、
起動信号の発生を促進する一方、s(msec)間の積分値が
進まないラフロードの場合には、G変換値に1以下の係
数を乗ずることで、より閾値THを越えないようにし
て、不必要な起動信号の発生を防止するようにしたもの
である。
【0032】このため、本装置においては、1個の加速
度センサ1を用いた装置にも関わらず、高速斜め衝突と
ラフロードとの判別が確実に行われると共に、高速斜め
衝突においては、その衝突の早期の時期に確実にエアバ
ック装置の起動信号が発生され、乗員の安全確保に万全
を期すことができることとなるものである。
【0033】次に、発明の実施の形態の第2の例につい
て、図8乃至図10を参照しつつ説明する。この第2の
例が、上述した第1の例と異なる点は、加速度Gについ
ての積分値の開始点を、積分終了の時点から所定時間前
すなわち、l(msec)前の時点としたことにある。
【0034】すなわち、上述した第1の例において、加
速度Gについての積分範囲は、衝突開始からt(msec)間
である(図2のステップ102参照)のに対して、この
第2の例においては、積分範囲をl(msec)間としている
点に特徴を有するものである。
【0035】このように、積分範囲をl(msec)間とする
ことの意義について、図9及び10を参照しつつ説明す
れば、まず、図9(a)にはエアバック装置の起動の必
要のない衝突における加速度Gの変化例が、図10
(a)にはエアバック装置の起動が必要となる衝突にお
ける加速度Gの変化例が、それぞれ示されている。
【0036】いずれの場合にも、加速度Gにピーク点が
生じないという点では、略同様な加速度変化であるが、
図10(a)の場合には、加速度Gの絶対値が図9
(a)のそれに比して大きく、乗員の保護を図る必要の
ある大きさとなっている点が図9(a)と異なってい
る。
【0037】このような場合、図2のステップ102で
説明したような通常の積分を行うと共に、同様にG変換
値及びS係数の処理を施すと、図9(a)及び図10
(a)に示されたいずれの加速度Gについても、図9
(b)及び図10(b)において、それぞれ二点鎖線の
特性曲線で示されたように、その積分値が進むため、閾
値THのレベルを上げて(感度を下げることに相当)、
エアバック装置の起動の必要のない図9(a)のような
加速度変化を示す衝突において、エアバックの展開が生
じないようにする必要が生ずる。
【0038】ところが、このように図9(a)に示され
たような加速度変化を示すエアバック非展開衝突に対す
る感度を下げると、図10(a)に示されたような加速
度変化を示すエアバック展開衝突においては、逆に、起
動信号の発生点(図10(b)においてトリガ点と記
載)が本来所望の発生点よりも図10(b)に示された
ように遅れてしまう結果を招くこととなる。
【0039】そこで、この第2の例においては、加速度
Gの積分範囲を上述のように、l(msec)間にすること
で、図10(a)に示されたような加速度変化を示すエ
アバック展開衝突に比して積分の進みの遅いエアバック
非展開衝突(図9(a)に示されたような加速度変化を
示す衝突)において、積分値の上限を抑制し(図9
(c)の二点鎖線の特性曲線参照)、閾値THのレベル
を上げる必要がないようにしている。一方、比較的積分
の進みが早いエアバック展開衝突については、積分の上
限の抑制がエアバック非展開衝突の場合に比して少ない
ので、図10(c)に示されたようにより早期に起動信
号の発生を得ることができるようになっている。
【0040】このように、l(msec)間の積分値を用いる
ことにより、エアバック非展開衝突とエアバック展開衝
突の判別を的確に行うことができると共に、エアバック
展開が必要な衝突においては、起動信号を早期に確実に
発生させることができることとなる。
【0041】図8には、この第2の例における具体的な
装置動作を説明するためのフローチャートが示されてお
り、以下、同図を参照しつつこの第2の例における装置
動作について概括的に説明する。まず、加速度センサ1
により検出された加速度信号がCPU3へ読み込まれる
(図8のステップ200)。
【0042】CPU3に読み込まれた加速度を用いて、
積分値の算出、G変換値の算出及びS係数の算出が、そ
れぞれ行われる(図8のステップ202,204,20
6参照)。ここで、積分値の算出は、先に述べたように
この演算を行う時点からl(msec)前までの加速度Gにつ
いて行われるものである。なお、ステップ204,20
6の処理は、図2におけるステップ104,106にお
ける処理内容と基本的に同一であるので、ここでの詳細
な説明は省略する。
【0043】そして、l(msec)間の積分値に、G変換値
とS係数との乗算結果が加算され、この加算結果が閾値
THを越えることとなる場合、CPU3から起動信号が
出力され、スクイブ5に通電が開始され、図示されない
エアバックが展開されることとなる(図8のステップ2
08,210参照)。
【0044】上述した発明の実施の形態においては、車
両用乗員保護装置がエアバック装置である場合を例に説
明したが、車両用乗員保護装置として必ずしもエアバッ
ク装置である必要はなく、他の車両用乗員保護装置であ
ってもよいものである。
【0045】上述した発明の実施の形態においては、積
分演算手段は、CPU3及び図2に示されたステップ1
02の実行(又は図8に示されたステップ202の実
行)により実現されている。また、加速度変換手段は、
CPU3及び図2に示されたステップ104(又は図8
に示されたステップ204)の実行により実現されてい
る。さらに、係数算出手段は、CPU3及び図2に示さ
れたステップ106(又は図8に示されたステップ20
6)の実行により実現されている。またさらに、総合演
算手段及び起動判定手段は、CPU3及び図2に示され
たステップ108(又はステップ208)の実行により
実現されているものである。
【0046】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
加速度の積分値に対して数値処理を施すことで、複数の
加速度センサから得られた信号を用いることなく、車両
用乗員保護装置の起動の要否を判断できるように構成す
ることにより、高速斜め衝突においては、早期に所定の
閾値を越える傾向とすることができる一方、ピークのあ
るラフロードにおいては、所定の閾値を越えないように
その数値変化を抑制することができるので、こららの判
別を確実に行え、しかも、車両用乗員保護装置の起動が
必要なものにおいては、的確な時期に車両用乗員保護装
置の起動を確保することができる。
【0047】また、加速度の積分範囲を所定時間前から
のに制限することで、車両用乗員保護装置の起動の必要
のない比較的低速で衝突が比較的長く継続するような場
合には、その加速度の積分値の上限を抑制することがで
きる一方、車両用乗員保護装置の起動が必要な比較的高
速で衝突が比較的長く継続するような場合には、その加
速度の積分値の上限を抑制する程とはならないので、こ
れら2つの場合を確実に判別することができ、車両用乗
員保護装置の起動が必要な場合に、的確にその起動を確
保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用乗員保護装置用起動制御装
置の発明の実施の形態における一構成例を示す構成図で
ある。
【図2】図1に示された車両用乗員保護装置用起動制御
装置の動作の第1の例を説明するためのフローチャート
である。
【図3】G変換に用いられる特性線の一例を示す特性線
図である。
【図4】S係数の算出に用いられる特性線の一例を示す
特性線図である。
【図5】高速斜め衝突における加速度、G変換値、積分
値、G変換値とS係数の乗算値の各変化を対比的に示し
た特性線図であって、図5(a)は加速度変化を示す特
性線図、図5(b)はG変換値及び積分値の変化を示す
特性線図、図5(c)はG変換値とS係数との乗算値の
変化及び積分値の変化を示す特性線図である。
【図6】ピークのあるラフロードにおける加速度、G変
換値、積分値、G変換値とS係数の乗算値の各変化を対
比的に示した特性線図であって、図6(a)は加速度変
化を示す特性線図、図6(b)はG変換値及び積分値の
変化を示す特性線図、図5(c)はG変換値とS係数と
の乗算値の変化及び積分値の変化を示す特性線図であ
る。
【図7】G変換値の算出において、d(msec)前の加速度
を用いる意義を説明するための特性線図であって、図7
(a)は高速斜め衝突の場合に、算出時点における加速
度を用いてG変換値を算出した際のG変換値の変化及び
積分値の変化を示す特性線図、図7(b)はピークのあ
るラフロードの場合に、算出時点における加速度を用い
てG変換値を算出した際のG変換値の変化及び積分値の
変化を示す特性線図である。
【図8】図1に示された車両用乗員保護装置用起動制御
装置の動作の第2の例を説明するためのフローチャート
である。
【図9】エアバックの展開が不要な衝突における加速
度、通常の積分値及びl(msec)間の積分値の変化を対比
的に示した特性線図であって、図9(a)は加速度変化
を示す特性線図、図9(b)は通常の積分を行った際の
積分値の変化及びこの積分値にG変換値とS係数値の乗
算値を加算した値の変化を示す特性線図、図9(c)は
l(msec)間の積分値の変化及びこの積分値にG変換値と
S係数値の乗算値を加算した値の変化を示す特性線図で
ある。
【図10】エアバックの展開が必要な衝突における加速
度、通常の積分値及びl(msec)間の積分値の変化を対比
的に示した特性線図であって、図10(a)は加速度変
化を示す特性線図、図10(b)は通常の積分を行った
際の積分値の変化及びこの積分値にG変換値とS係数値
の乗算値を加算した値の変化を示す特性線図、図10
(c)はl(msec)間の積分値の変化及びこの積分値にG
変換値とS係数値の乗算値を加算した値の変化を示す特
性線図である。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…A/D変換器 3…CPU 4…駆動トランジスタ 5…スクイブ 6…セーフィングスイッチ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】 高速斜め衝突における加速度、G変換値、積
分値、G変換値とS係数の乗算値の各変化を対比的に示
した特性線図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】 ピークのあるラフロードにおける加速度、G
変換値、積分値、G変換値とS係数の乗算値の各変化を
対比的に示した特性線図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出された車両の加速度について積分値
    を算出すると共に、 第1の所定時間前に検出された加速度について所定の変
    換条件にしたがって数値変換した値と、第2の所定時間
    前からの加速度についての積分値に対して所定の条件の
    基で定められる係数とを乗算し、 この乗算結果に前記検出された車両の加速度について算
    出された積分値を加算し、 この加算値の大小によって車両用乗員保護装置の起動の
    要否を判定することを特徴とする車両用乗員保護装置の
    起動判定方法。
  2. 【請求項2】 車両の加速度を検出する加速度検出手段
    と、 前記加速度検出手段により検出された加速度について、
    所定時からの積分値を算出する積分演算手段と、 第1の所定時間前の加速度を、所定の変換条件の基に数
    値変換する加速度変換手段と、 第2の所定時間以前からの加速度についての積分値を算
    出すると共に、この算出値に対して所定の条件に基づい
    て決定される係数を算出する係数算出手段と、 前記加速度変換手段の算出値と前記係数算出手段の算出
    値とを乗算し、この乗算結果に前記積分演算手段の算出
    値を加算する総合演算手段と、 前記総合演算手段により算出された値が所定値を越える
    か否か判定し、所定値を越えたと判断された場合に、車
    両用乗員保護装置を起動する起動信号を出力する起動判
    定手段と、 を具備してなることを特徴とする車両用乗員保護装置用
    起動制御装置。
  3. 【請求項3】 積分演算手段は、衝突発生時からの加速
    度について積分を行うことを特徴とする請求項2記載の
    車両用乗員保護装置用起動制御装置。
  4. 【請求項4】 積分演算手段は、車両用乗員保護装置の
    起動の要否が判定される時点から所定時間前までの加速
    度について積分を行うことを特徴とする請求項2記載の
    車両用乗員保護装置用起動制御装置。
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