JPH0957985A - インクジェットヘッドとその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドとその製造方法

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JPH0957985A
JPH0957985A JP15236596A JP15236596A JPH0957985A JP H0957985 A JPH0957985 A JP H0957985A JP 15236596 A JP15236596 A JP 15236596A JP 15236596 A JP15236596 A JP 15236596A JP H0957985 A JPH0957985 A JP H0957985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐極性溶媒性及び耐水性に優れるインクジェ
ットッド及びその製造方法の提供。 【解決手段】 液体吐出エネルギー発生部を備えた素子
基板を用意する工程、素子基板上に感光性樹脂層を形成
する工程、感光性樹脂層を液流路パターンにパターニン
グして素子基板上に液流路を形成するための固体層を形
成する工程、固体層を被覆するように素子基板上に硬化
性樹脂からなる液流路壁形成材料を設ける工程、液流路
壁形成材料を硬化させる工程、固体層を溶解除去し液流
路を形成する工程、を有するインクジェットヘッドの製
造方法の、液流路壁形成材料をエポキシ付加変性芳香族
アミン硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物とするイン
クジェットヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ント方式に用いるプリント滴を発生するためのインクジ
ェットヘッド及び該ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリント方式(液体噴射
記録方式)に適用されるインクジェットヘッドは、一般
に微細な吐出口(以下、オリフィスとも称する)と、吐
出口に連通する液流路と、液流路の一部に配される液体
吐出エネルギー発生部と、を備えている。
【0003】このようなインクジェットヘッドは、例え
ば以下に示す製造方法により作成することができる。即
ち、まず液体吐出エネルギー発生部を備えた素子基板1
上に感光性樹脂層2を形成する(図1(a)参照)。
【0004】そしてこの感光性樹脂層2を液流路パター
ンにフォトリソグラフィーによってパターニングするこ
とにより素子基板1上に液流路を形成するための型(以
下、固体層と称する)を形成する(図1(b)、(c)
参照)。
【0005】次いで、この固体層を被覆するように素子
基板1上に硬化性樹脂からなる液流路壁形成材料5を設
け、この液流路壁形成材料5を硬化させる(図1(d)
参照)。
【0006】次いで、先程の固体層を含ハロゲン炭化水
素、ケトン、エステル、アルコール等の有機溶媒あるい
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶
液を用いて溶解除去し、液流路6を形成する(図1
(e)参照)ものである。
【0007】ところで、近年更なる画像品位の向上が望
まれて液流路が高密度に配されるようになってきてい
る。この液流路の高密度化に伴い、インクを速やかに各
液流路に供給できるように液室の容積をより大きくする
必要がある。そして、従来より液室の容積をより大きく
するための手段としては上記方法の液流路壁形成材料の
高さを高くすることにより行ってきている。
【0008】この液流路壁形成材料としては、接着力や
硬化時の剛性が高く、比較的密着性に優れているという
理由で従来より光硬化性のエポキシ樹脂組成物が用いら
れている。しかしながら、上述のように液流路壁形成材
料の設けられる高さが高くなるに伴い、適正な露光条件
が厳しくなり、場合によっては露光量不足による樹脂の
硬化不良を起こすこともあった。そこで、発明者らは液
流路壁形成材料に用いられるエポキシ樹脂組成物の硬化
タイプを光硬化型のものから熱硬化型のものに変えるこ
とを考えた。エポキシ樹脂を熱硬化型にするために一般
に用いられている硬化剤としては酸無水物やアミン系硬
化剤がある。
【0009】一方、上述の方法における固体層の材料に
ついては主にナフトキノンジアジド含有のポジ型レジス
トが用いられている。この系のレジストは耐熱性が低
く、液流路壁形成材料であるエポキシ樹脂の硬化工程に
おいて、130〜150℃の比較的高温でしか硬化でき
ない加熱硬化型の酸無水物や芳香族アミンといった硬化
剤は固体層を変形させてしまうため使用することができ
ない。従って、現在エポキシ樹脂の硬化剤として用いる
ことができるのは比較的低温で硬化が可能ないわゆる常
温硬化型のアミン系硬化剤ということになる。しかしな
がら、常温硬化型の硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物
は加熱硬化型の硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物に比
べ一般に耐薬品性が低い。
【0010】このように常温硬化型の硬化剤を用いたエ
ポキシ樹脂組成物の耐薬品性が比較的低いことから、固
体層の除去液としてケトン類やアルコール類、エステル
類等の極性溶媒(有機溶媒)を用いた場合には、液流路
壁形成材料が非常に膨潤しやすくなっている。そして、
このように液流路壁形成材料が膨潤することは固体層の
除去時間の長期化につながり、インクジェットヘッドの
生産性を向上する妨げになっている。
【0011】また、一般にエポキシ樹脂組成物は、弾性
度が高いため、樹脂硬化時の硬化収縮によって液流路壁
形成材料と基板との間に高い応力が蓄積している。そし
て、液流路壁形成材料の膨潤量が多くなるにつれ更に応
力が増加するため液流路形成材料が基板から剥がれてし
まうこともある。特にインク流路が高密度に配されたイ
ンクジェットヘッドにおいてはインク流路が微細化する
ため固体層の除去時間が長くなり上述した膨潤の問題が
顕著に現れ易い。
【0012】ところで、最近インクジェットプリント方
式を応用したプリンタによる画像記録への高度な要求に
伴ってインクに要求される性能も高度なものとなってき
ており、インク中に保湿剤としての尿素が含有されるよ
うになってきている。更に記録物の耐水性を向上させる
ために色材としても水難溶性染料を用いるようになりこ
の染料を溶解すべくインク中にアルカリ塩を含有させる
構成を採っている。
【0013】このようにインク中に尿素やアルカリ塩が
含有されているとインクは比較的高いアルカリ性を示す
ものとなるが、高アルカリインクは極性溶媒と同様に液
流路壁形成材料を膨潤させ易い。従って、高アルカリイ
ンクを用いた上述の製造方法で作成された従来のインク
ジェットヘッドにおいてはインクによる膨潤で液流路が
変形し所望の吐出状態を得られない虞や、液流路壁形成
材料の基板からの剥離の虞があり、インクジェットヘッ
ドの信頼性の観点から必ずしも充分とは言えないもので
ある。
【0014】このように、上述のインクジェットヘッド
の製造方法では除去液としての極性溶媒や高アルカリイ
ンクを用いた際の液流路壁形成材料の膨潤量の低減とい
った技術課題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは上述の製造
方法により作成されるインクジェットヘッドの課題に鑑
み、液流路壁形成材料として熱硬化型のエポキシ樹脂組
成物について鋭意研究した結果、特にエポキシ樹脂をベ
ースとしたときに特定の硬化剤、触媒を用いることによ
って前述の課題を解決することができるということを見
いだした。
【0016】本発明の目的は除去液としての極性溶媒や
高アルカリインクを用いた際にも膨潤量が低い液流路壁
形成材料を用いたインクジェットヘッドの製造方法を提
供することにある。
【0017】本発明の他の目的は除去液として極性溶媒
を用いた際にも固体層の除去時間がそれほど長くなら
ず、製造時間の短縮化が図れるインクジェットヘッドの
製造方法を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は除去液としての極性溶
媒や高アルカリインクを用いた際にも液流路形成材料が
基板から剥離する虞のないインクジェットヘッドの製造
方法を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は高アルカリインクを用
いた際にも膨潤による液流路の変形の虞がなく、所望の
吐出状態を得ることができるインクジェットヘッドの製
造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は、以
下に示す本発明によって解決・達成される。即ち、本発
明は、液体吐出エネルギー発生部を備えた素子基板を用
意する工程と、該素子基板上に感光性樹脂層を形成する
工程と、該感光性樹脂層を液流路パターンにパターニン
グして素子基板上に液流路を形成するための固体層を形
成する工程と、該固体層を被覆するように素子基板上に
硬化性樹脂からなる液流路壁形成材料を設ける工程と、
該液流路壁形成材料を硬化させる工程と、前記固体層を
溶解除去し液流路を形成する工程と、を有するインクジ
ェットヘッドの製造方法において、前記液流路壁形成材
料がエポキシ付加変性芳香族アミン硬化剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物であることを特徴とするインクジェッ
トヘッドの製造方法を開示するものである。
【0021】本発明によれば、除去液としての極性溶媒
や高アルカリインクを用いた際にも液流路形成材料が基
板から剥離する虞や膨潤による液流路の変形の虞がなく
所望の吐出状態を確保することが可能なインクジェット
ヘッドを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
工程順に詳細に説明する。図2は、本発明の基本的製造
工程を示す図である。なお、図面では、3つの吐出口を
有するインクジェットヘッドが示されているが、勿論、
これ以上の吐出口を有する高密度マルチアレイインクジ
ェットヘッドの場合でも同様である。
【0023】(1)図2(a)は、本実施態様における
素子基板の模式的斜視図である。まず、本実施態様にお
いては図2(a)に示されるようなガラス、セラミッ
ク、プラスチックあるいは金属などからなる素子基板1
1が用いられる。この素子基板11は、液流路の一部と
して機能し、また後述の液流路壁形成材料の支持体とし
て機能し得るものであればよく、その形状、材質等特に
限定されない。上記素子基板11には、電気熱変換素子
あるいは圧電素子などの吐出エネルギー発生素子12が
所望の個数配置される(図2(a)では3個)。
【0024】この吐出エネルギー発生素子12によりプ
リント液小滴を吐出するための吐出エネルギーがインク
に与えられ、プリントが行われる。例えば、上記吐出エ
ネルギー発生素子12として電気熱変換素子が用いられ
るときには、電気熱変換素子が、該素子近傍のプリント
液を加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。
なお、これら吐出エネルギー発生素子12には、これら
素子を動作させるための制御信号入力用電極(図示せ
ず)が接続されている。また、一般に、これら吐出エネ
ルギー発生素子の耐久性の向上を目的として、吐出エネ
ルギー発生素子12上に保護層などの各種機能層が設け
られているが、本発明においてもこのような機能層を設
けることは一向に差し支えない。
【0025】(2)次いで、上記液体吐出エネルギー発
生素子12を含む素子基板11上に感光性樹脂層を形成
する。この感光性樹脂層の形成方法としては、当該感光
性樹脂を溶剤に溶解してPETフィルム等のフィルム上
に一旦コーティングし、ドライフィルム化した後に、ラ
ミネーターにて素子基板上に転写する方法を挙げること
ができる。また、通常のスピンコート法,ロールコート
法等で被膜を形成しても構わない。
【0026】また、感光性樹脂層の材料としては、ナフ
トキノンジアジド系のポジ型感光性樹脂が好適に用いら
れる。次いで、感光性樹脂層に対して、パターン露光を
行い、液流路パターンとなる第1の固体層14を形成す
る。該第1の固体層14は、液流路となるところに感光
性樹脂層のパターンが残存する(図2(b)参照)。
【0027】(3)次いで、第1の固体層14上に溶解
可能なソルダーレジストからなる第2の固体層15を液
室のパターンにスクリーン印刷等で形成する(図2
(c)参照)。
【0028】(4)次いで、第1、第2の固体層14、
15上に図2(d)に示すように、更に液流路壁形成材
料16を形成する。該液流路壁形成材料16は、インク
ジェットヘッドの構造材料となるため、高い機械的強
度,耐熱性,素子基板に対する密着性,インク液に対す
る耐性などの特性が要求される。このような特性を満足
させるものとして、本発明ではエポキシ樹脂組成物を用
いている。
【0029】このエポキシ樹脂組成物は、主にベースと
なるエポキシ樹脂と硬化剤とから構成される硬化性樹脂
組成物であり、必要に応じて硬化触媒やシランカップリ
ング剤等が含有されていても構わない。ベースとなるエ
ポキシ樹脂としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基
を有する多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられ、この
ようなものとしては、例えばビスフェノールA型、ビス
フェノールF型、ビスフェノールAD型、フェノールノ
ボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型、脂肪族
型、ナフタレン骨格型、ビフェニル型のエポキシ樹脂を
挙げることができる。
【0030】本発明においてはエポキシ樹脂組成物中の
硬化剤としてエポキシ付加変性芳香族アミン硬化剤が用
いられる。このエポキシ付加変性芳香族アミン硬化剤は
常温硬化可能であるため、エポキシ樹脂組成物の硬化時
に固体層を変形させる虞がない。また、従来のアミン系
硬化剤に比べ比較的硬化収縮が少ないため硬化時の応力
の蓄積による基板の剥離を生じることがなくなる。ま
た、耐水性や耐インク性にも優れているため、除去液と
しての極性溶媒や高アルカリインクを用いた際にも所望
の吐出状態を維持することができ、信頼性の高いインク
ジェットヘッドを提供することが可能となるものであ
る。
【0031】このエポキシ付加変性芳香族アミンは、メ
タフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルスルフォンといった芳香族アミンにグ
リシジルエーテル等のエポキシ樹脂を反応させることに
より生成することができる。このような反応式を以下に
示す。
【0032】
【化1】
【0033】また、市販品としてはフジキュアー601
0、6300(共に商標名:富士化成工業(株)製)等
を挙げることができる。なお、フジキュアー6010は
4,4’−ジアミノジフェニルメタンのブチルグリシジ
ルエーテル付加物である。
【0034】本発明に用いられる硬化剤であるエポキシ
付加変成芳香族アミン硬化剤を用いた場合には高アルカ
リインクに対して膨潤量が少ないものの、膨潤を実質的
に無くすことは出来ない。そこで、液流路形成材料とな
るエポキシ樹脂組成物の耐水性や耐インク性を更に向上
させるためにエポキシ樹脂組成物中に硬化触媒を含有さ
せることが好ましい。本発明に用いられる硬化触媒とし
ては、カチオン重合系の触媒を用いることが好ましい。
【0035】カチオン重合系の触媒は硬化物の架橋密度
を飛躍的に向上させ、エポキシ樹脂組成物の耐水性を向
上させることができる。カチオン重合系の触媒は一般に
ブレンステッド酸発生タイプとルイス酸発生タイプに分
類されるが、ブレンステッド酸発生タイプは塩基性の強
い物質(窒素を含む化合物等)による硬化阻害があるた
めアミン系硬化剤と併用することができない。従って、
本発明に用いられるカチオン重合系の触媒はルイス酸発
生タイプのものに限られる。このようなルイス酸発生タ
イプの硬化触媒としては、例えば三弗化ホウ素ジブチル
アミン錯体、三弗化ホウ素アニリン錯体、三弗化ホウ素
イソプロピルアミン錯体、三弗化ホウ素ベンジルアミン
錯体等の三弗化ホウ素アミン錯体を挙げることができ
る。
【0036】該液流路壁形成材料16の形成方法として
は、樹脂を溶剤に溶解してソルベントコート法で形成す
る方法が挙げられる。
【0037】(5)更に液流路壁形成材料上にインク供
給口が設けられた天板17を接合する(図2(e)参
照)。
【0038】(6)最後に、図2(f)に示すように、
第1及び第2の固体層14、15を含ハロゲン炭化水
素、ケトン、エステル、アルコール等の有機溶媒あるい
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶
液を用いて溶出し、液流路を形成する。
【0039】なお、上述の説明ではエッヂシューター型
のインクジェットヘッドを用いて説明したが、本発明は
サイドシューター型のインクジェットヘッドにも適用で
きるものである。
【0040】本発明は、液体噴射記録の中でもバブルジ
ェット方式の記録ヘッドにおいて優れた効果をもたら
す。また、本発明は記録紙の全幅にわたり同時に記録が
できるフルラインタイプの記録ヘッドとして、更には記
録ヘッドを一体的にあるいは複数個組合せたカラー記録
ヘッドにも有効である。
【0041】また、本発明による記録ヘッドは、インク
が液体でなくとも、ある温度以上で液化する固体インク
にも好適に適用される。即ち、記録信号付与時にインク
が液状をなすものであればよい。
【0042】
【実施例】
[実験]本発明の効果を確認するために以下の実験1〜
10のインクジェットヘッドを作成し、評価を行った。
なお、実験1〜10のインクジェットヘッドのうち本発
明にかかる実施例は実験1、2、6〜9のインクジェッ
トヘッドである。
【0043】(実験1)電気熱変換体からなる吐出エネ
ルギー発生素子を備えたシリコン基板上にポジ型レジス
ト:PMER AR−900(商標名:東京応化社製)
を50μmの膜厚に塗布した後、該ポジ型レジストをノ
ズルパターンにパターニングすることにより基板上に第
1の固体層を形成した。更に溶解可能なソルダーレジス
トを液室のパターンとなるようにスクリーン印刷にて1
00μmの膜厚で設け第2の固体層を形成した。次いで
第1、第2の固体層が設けられた基板上に固体層を被覆
するように液流路壁形成材料として表1の実験1に示す
エポキシ樹脂組成物を150μm厚で設け、室温で30
時間放置後、130℃で1時間の熱キュアを行うことに
よりエポキシ樹脂組成物を硬化させた。次いで、液流路
壁形成材料上にガラス製の天板を接合した後、ビス(2
−エトキシエチル)エーテルにて第1、第2の固体層を
溶解除去した。次いで、乾燥のため130℃、1時間の
熱キュアを行ってインクジェットヘッドを得た。
【0044】
【表1】
【0045】(実験2)液流路壁形成材料として表1の
実験2に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0046】(実験3)液流路壁形成材料として表1の
実験3に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0047】(実験4)液流路壁形成材料として表1の
実験4に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0048】(実験5)液流路壁形成材料として表1の
実験5に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いるととも
に、液流路壁形成材料の硬化条件を130℃で2時間と
した以外は、実験1と同様にしてインクジェットヘッド
を得た。
【0049】(実験6)液流路壁形成材料として表1の
実験6に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0050】(実験7)液流路壁形成材料として表1の
実験7に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0051】(実験8)液流路壁形成材料として表1の
実験8に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0052】(実験9)液流路壁形成材料として表1の
実験9に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以外は
実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0053】(実験10)液流路壁形成材料として表1
の実験10に記載されるエポキシ樹脂組成物を用いた以
外は実験1と同様にしてインクジェットヘッドを得た。
【0054】実験1〜10で得られたインクジェットヘ
ッドについて、ヒートサイクル試験を行った。なお、ヒ
ートサイクル試験の条件は−30℃で2時間〜室温で2
時間〜60℃で2時間での10サイクルとした。このヒ
ートサイクル試験後、各ヘッドについて観察を行い、反
りや剥離が見受けられなかったものを「○」、反りや剥
離が見受けられたものを「×」として表1に結果を示
す。
【0055】このヒートサイクル試験において、実験
1、2、6〜9で得られたインクジェットヘッドにおい
ては特に異常は見受けられなかった。また、実験3、1
0で得られたインクジェットヘッドにおいては基板と液
流路壁形成材料との剥離が見受けられた。また、実験5
で得られたインクジェットヘッドは所望の液流路形状が
得られていなかった。これは、液流路壁形成材料の加熱
硬化工程において固体層が変形(解けて)しまったため
と考えられる。また、実験4で得られたインクジェット
ヘッドにおいては基板と液流路壁形成材料との剥離は見
受けられなかったもののヘッド自体の湾曲(反り)が見
受けられた。これは液流路形成部材の硬化収縮が大きか
ったために生じたものと考えられる。
【0056】更にインクによる膨潤の影響を調べるため
に、実験1〜10で得られたインクジェットヘッドにつ
いて、インク浸漬試験(PCT)を行った。試験条件
は、高アルカリインク(pH10.7、組成:GLY
10.0、UREA 5.0、IPA 5.0、水酸化
リチウム 0.4、硫酸アンモニウム 0.5)を用い
て、120℃、2気圧、10時間で行った。このインク
浸漬試験後、各ヘッドについて観察を行い、剥離、膨潤
とも見受けられなかったものを「◎」、剥離が見受けら
れなかったが膨潤が見受けられたものを「○」、剥離が
見受けられたものを「×」として表1に結果を示す。
【0057】このインク浸漬試験において、実験1、2
で得られたインクジェットヘッドにおいては基板からの
剥離が見受けられなかったものの若干膨潤が見受けられ
た。実験6〜9で得られたインクジェットヘッドにおい
ては剥離も膨潤も見受けられなかった。これは硬化触媒
が含有されることにより、より架橋密度が向上したため
と考えられる。また、実験3〜5、10で得られたイン
クジェットヘッドにおいてはいずれも基板からの剥離が
見受けられた。これは高アルカリインクによって液流路
壁形成材料が膨潤し易くなったため、この膨潤による応
力が加わることで剥離が生じたものと思われる。
【0058】更に実験1、2、6〜9で得られたインク
ジェットヘッドで前述の高アルカリインクを用いてテス
トプリントを行ったところ、いずれも画像の乱れは見受
けられず優れた印字品位を有することが確認された。以
上のように本発明に係る実施例においてはいずれも液流
路壁形成材料の膨潤が少なく信頼性の高いインクジェッ
トヘッドが得られることがわかる。
【0059】
【発明の効果】上記のように本発明は、製造工程を増や
すことなく安価に液体噴射記録ヘッドの液流路形成材料
の硬化収縮の防止を行なうことができ、液流路形成材料
の硬化収縮がないために液体噴射記録ヘッド自体の偏曲
及び印字不良がなくなり、また変性芳香族アミンを用い
ることにより液流路形成材料の耐インク性が向上し、ヘ
ッドの信頼性向上をもたらす等の効果を奏する。
【0060】更に、エポキシ付加変性芳香族アミン及び
ルイス酸触媒を含有するエポキシ樹脂組成物を用いるこ
とにより、液流路形成材料の耐型材除去液性及び耐イン
ク性が向上しヘッドの生産性及び信頼性が向上する等の
効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインクジェットヘッドの製造方法を示す
工程説明図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を示
す工程説明図。
【符号の説明】
1,11 素子基板(第1の基板) 2 感光性樹脂層(ポジ型フォトレジスト) 3 マスク 4 レジストパターン 5,16 液流路壁形成用材料 6 液流路 12 吐出エネルギー発生素子 14 第1の固体層 15 第2の固体層 17 天板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01D 15/18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出エネルギー発生部を備えた素子
    基板を用意する工程と、該素子基板上に感光性樹脂層を
    形成する工程と、該感光性樹脂層を液流路パターンにパ
    ターニングして素子基板上に液流路を形成するための固
    体層を形成する工程と、該固体層を被覆するように素子
    基板上に硬化性樹脂からなる液流路壁形成材料を設ける
    工程と、該液流路壁形成材料を硬化させる工程と、前記
    固体層を溶解除去し液流路を形成する工程と、を有する
    インクジェットヘッドの製造方法において、前記液流路
    壁形成材料がエポキシ付加変性芳香族アミン硬化剤を含
    有するエポキシ樹脂組成物であることを特徴とするイン
    クジェットヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂組成物が、更にルイス
    酸触媒を含有するものである請求項1記載のインクジェ
    ットヘッド製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ルイス酸触媒が、三フッ化ほう素ア
    ミン錯体である請求項2記載のインクジェットヘッド製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記固体層が、ナフトキノンジアジド含
    有のポジ型フォトレジストからなる請求項1記載のイン
    クジェットヘッド製造方法。
  5. 【請求項5】 前記固体層を溶解除去する際の溶解液と
    して、極性溶媒を用いる請求項1記載のインクジェット
    ヘッド製造方法。
  6. 【請求項6】 前記液流路の液体吐出口が、記録媒体の
    記録領域に亘って複数設けられてなるフルラインタイプ
    のものである請求項1ないし5のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド製造方法。
  7. 【請求項7】 前記吐出エネルギー発生部が、熱エネル
    ギーを発生する電気熱変換体である請求項1ないし6の
    いずれかに記載のインクジェットヘッド製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法により得られるインクジ
    ェットヘッド。
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