JPH0957290A - 微生物固定化担体を用いた廃水処理方法並びに該廃水処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方法 - Google Patents
微生物固定化担体を用いた廃水処理方法並びに該廃水処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方法Info
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- JPH0957290A JPH0957290A JP7220706A JP22070695A JPH0957290A JP H0957290 A JPH0957290 A JP H0957290A JP 7220706 A JP7220706 A JP 7220706A JP 22070695 A JP22070695 A JP 22070695A JP H0957290 A JPH0957290 A JP H0957290A
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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Abstract
(57)【要約】
【課題】微生物固定化担体を利用した廃水処理方法にお
いて、廃水への空気の吹き込みに必要なエネルギーを低
減し、よりエネルギー効率に優れた廃水処理方法を提供
する。 【解決手段】本発明の廃水処理方法では、0.98ない
し1.03の範囲内の比重を有する担体に微生物を固定
化した微生物固定化担体を廃水に加え、この後、微生物
固定化担体に固定化された微生物が必要とする量の酸素
を廃水中に溶解させるために必要な量の空気を廃水に吹
き込む。担体は、水溶性高分子の水溶液に比重が1.0
2以下の水不溶性固形物の粉末を添加した後、水溶性高
分子を重合させてゲル化したものである。
いて、廃水への空気の吹き込みに必要なエネルギーを低
減し、よりエネルギー効率に優れた廃水処理方法を提供
する。 【解決手段】本発明の廃水処理方法では、0.98ない
し1.03の範囲内の比重を有する担体に微生物を固定
化した微生物固定化担体を廃水に加え、この後、微生物
固定化担体に固定化された微生物が必要とする量の酸素
を廃水中に溶解させるために必要な量の空気を廃水に吹
き込む。担体は、水溶性高分子の水溶液に比重が1.0
2以下の水不溶性固形物の粉末を添加した後、水溶性高
分子を重合させてゲル化したものである。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、微生物固定化担体
を用いた廃水処理方法に関する。また、本発明は、廃水
処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方
法に関する。
を用いた廃水処理方法に関する。また、本発明は、廃水
処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物を担体に固体化し、この担
体(以下、微生物固定化担体という)を反応層内におい
て廃水中で流動させ、担体に固定化された微生物により
廃水中の汚濁物質を分解する、微生物を利用した廃水処
理が行われている。
体(以下、微生物固定化担体という)を反応層内におい
て廃水中で流動させ、担体に固定化された微生物により
廃水中の汚濁物質を分解する、微生物を利用した廃水処
理が行われている。
【0003】微生物を固定化する方法が各種開発されて
いる。例えば、須藤隆一編著「微生物固定化法による廃
水処理」(産業用水調査会、pp.192-204,1988 )には、
微生物を高分子物質で包み込んだ、いわゆる包括法が開
示されている。
いる。例えば、須藤隆一編著「微生物固定化法による廃
水処理」(産業用水調査会、pp.192-204,1988 )には、
微生物を高分子物質で包み込んだ、いわゆる包括法が開
示されている。
【0004】包括法では、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリビニルアルコール等の水
溶性高分子および微生物、酵素等の生体触媒を混合し、
次いで、水溶性高分子を重合させて、重合した高分子間
に生体触媒を包括させたゲル状の担体を得る。
リプロピレングリコール、ポリビニルアルコール等の水
溶性高分子および微生物、酵素等の生体触媒を混合し、
次いで、水溶性高分子を重合させて、重合した高分子間
に生体触媒を包括させたゲル状の担体を得る。
【0005】また、局らの「包括型樹脂系固定化担体に
よる下水処理」(第25回下水道研究発表会講演集、p
p.315-317(1988))には、いわゆる結合固定化法が開示
されている。結合固定化法では、水溶性高分子を重合し
てゲル化し、微生物を包括していない担体を作成し、こ
の担体の表面に微生物を付着させる。いずれの方法も、
硝化菌のような増殖速度の小さい微生物を担体に固定化
して有効利用することのできる技術であるという特徴を
有する。
よる下水処理」(第25回下水道研究発表会講演集、p
p.315-317(1988))には、いわゆる結合固定化法が開示
されている。結合固定化法では、水溶性高分子を重合し
てゲル化し、微生物を包括していない担体を作成し、こ
の担体の表面に微生物を付着させる。いずれの方法も、
硝化菌のような増殖速度の小さい微生物を担体に固定化
して有効利用することのできる技術であるという特徴を
有する。
【0006】上述の微生物固定化担体を利用した廃水処
理方法では、反応槽内の廃水に微生物固定化担体を浮遊
させ、次いで、この廃水中に空気が吹き込まれる。廃水
中への空気の吹き込みには、2つの目的がある。一つ
は、担体の流動化であり、もう一つは、微生物が要求す
る酸素を廃水中に溶解させるためである。担体の流動化
が不十分な場合、担体の沈積が生じる。担体の沈積は廃
水処理には不都合である。廃水の負荷が低い状態では反
応速度の面からは一部の担体が沈積しても十分な速度が
保たれる場合もあるが、沈積した担体に固定化された微
生物の嫌気化、腐敗が生じると、処理水の水質に問題が
生じるため、担体の沈積は避けなければならない。
理方法では、反応槽内の廃水に微生物固定化担体を浮遊
させ、次いで、この廃水中に空気が吹き込まれる。廃水
中への空気の吹き込みには、2つの目的がある。一つ
は、担体の流動化であり、もう一つは、微生物が要求す
る酸素を廃水中に溶解させるためである。担体の流動化
が不十分な場合、担体の沈積が生じる。担体の沈積は廃
水処理には不都合である。廃水の負荷が低い状態では反
応速度の面からは一部の担体が沈積しても十分な速度が
保たれる場合もあるが、沈積した担体に固定化された微
生物の嫌気化、腐敗が生じると、処理水の水質に問題が
生じるため、担体の沈積は避けなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な微生物固定化担体を利用した廃水処理方法において、
廃水への空気の吹き込みに必要なエネルギーを低減し、
よりエネルギー効率に優れた廃水処理方法を提供するこ
とを目的とする。
な微生物固定化担体を利用した廃水処理方法において、
廃水への空気の吹き込みに必要なエネルギーを低減し、
よりエネルギー効率に優れた廃水処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】本発明は、また、微生物固定化担体を利用
した廃水処理方法において、廃水への空気の吹き込みに
必要なエネルギーを低減し、よりエネルギー効率に優れ
た廃水処理を可能とする微生物固定化担体およびその製
造方法を提供することを目的とする。
した廃水処理方法において、廃水への空気の吹き込みに
必要なエネルギーを低減し、よりエネルギー効率に優れ
た廃水処理を可能とする微生物固定化担体およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、0.
98ないし1.03の範囲内の比重を有する担体に微生
物を固定化した微生物固定化担体を廃水に加える工程、
および、前記微生物固定化担体に固定化された微生物が
要求する量の酸素を廃水中に溶解させるために必要な量
の空気を前記廃水に吹き込む工程を具備することを特徴
とする廃水処理方法を提供する。
98ないし1.03の範囲内の比重を有する担体に微生
物を固定化した微生物固定化担体を廃水に加える工程、
および、前記微生物固定化担体に固定化された微生物が
要求する量の酸素を廃水中に溶解させるために必要な量
の空気を前記廃水に吹き込む工程を具備することを特徴
とする廃水処理方法を提供する。
【0010】本発明は、第2に、水溶性高分子の水溶液
に比重が1.02以下の水不溶性固形物の粉末を添加し
た後、前記水溶性高分子を重合させてゲル化することに
より得られ、かつ、0.98ないし1.03の範囲内の
比重を有することを特徴とする微生物固定化用担体を提
供する。
に比重が1.02以下の水不溶性固形物の粉末を添加し
た後、前記水溶性高分子を重合させてゲル化することに
より得られ、かつ、0.98ないし1.03の範囲内の
比重を有することを特徴とする微生物固定化用担体を提
供する。
【0011】本発明は、第3に、0.8ないし1.02
の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高分子を含
浸させ、次いで、前記水溶性高分子を重合させた後、得
られたゲル化体を所定の大きさに切り出すことにより得
られ、かつ、0.98ないし1.03の範囲内の比重を
有することを特徴とする微生物固定化用担体を提供す
る。
の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高分子を含
浸させ、次いで、前記水溶性高分子を重合させた後、得
られたゲル化体を所定の大きさに切り出すことにより得
られ、かつ、0.98ないし1.03の範囲内の比重を
有することを特徴とする微生物固定化用担体を提供す
る。
【0012】本発明は、第4に、水溶性高分子の水溶液
に比重が1.02以下の水不溶性固形物の粉末を添加し
た後、前記水溶性高分子を重合させてゲル化することに
より、0.98ないし1.03の範囲内の比重を有する
微生物固定化用担体を得ることを特徴とする微生物固定
化用担体の製造方法を提供する。
に比重が1.02以下の水不溶性固形物の粉末を添加し
た後、前記水溶性高分子を重合させてゲル化することに
より、0.98ないし1.03の範囲内の比重を有する
微生物固定化用担体を得ることを特徴とする微生物固定
化用担体の製造方法を提供する。
【0013】本発明は、第5に、0.8ないし1.02
の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高分子を含
浸させ、次いで、前記水溶性高分子を重合させた後、得
られたゲル化体を所定の大きさに切り出すことにより
0.98ないし1.03の範囲内の比重を有する微生物
固定化用担体を得ることを特徴とする微生物固定化用担
体の製造方法を提供する。
の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高分子を含
浸させ、次いで、前記水溶性高分子を重合させた後、得
られたゲル化体を所定の大きさに切り出すことにより
0.98ないし1.03の範囲内の比重を有する微生物
固定化用担体を得ることを特徴とする微生物固定化用担
体の製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明者らは、上述の微生物固定
化担体を用いた廃水処理方法において、廃水への空気の
吹き込みに必要なエネルギーを低減することを検討し
た。空気の吹き込みに必要なエネルギーを低減する手段
としては、空気の吹き込み量を少なくすることが考えら
れる。空気の吹き込み量(G0 )を決定するには2つの
因子が存在する。一つは、微生物が要求する量の酸素を
廃水中に溶解させるために必要な空気量(G1 )であ
る。もう一つは、担体を廃水中で流動化させるために必
要な空気量(G2 )である。
化担体を用いた廃水処理方法において、廃水への空気の
吹き込みに必要なエネルギーを低減することを検討し
た。空気の吹き込みに必要なエネルギーを低減する手段
としては、空気の吹き込み量を少なくすることが考えら
れる。空気の吹き込み量(G0 )を決定するには2つの
因子が存在する。一つは、微生物が要求する量の酸素を
廃水中に溶解させるために必要な空気量(G1 )であ
る。もう一つは、担体を廃水中で流動化させるために必
要な空気量(G2 )である。
【0015】廃水処理におけるエネルギーの有効利用を
考慮すると、G1 ≧G2 の関係が成り立つことが好まし
い。なぜならば、G1 ≧G2 の関係が成り立つ場合に
は、微生物が要求する空気量G1 の空気を廃水中に吹き
込むことで、担体の流動化も十分に達成されるからであ
る。これに対して、G1 <G2 の場合には、担体を十分
に流動させるために、微生物が要求する以上の空気を廃
水中に吹き込む必要がある。この過剰な空気の吹き込み
のために、G1 ≧G2 の場合に比べてより多くの電力が
消費される。この結果、エネルギーの無駄が生じる。
考慮すると、G1 ≧G2 の関係が成り立つことが好まし
い。なぜならば、G1 ≧G2 の関係が成り立つ場合に
は、微生物が要求する空気量G1 の空気を廃水中に吹き
込むことで、担体の流動化も十分に達成されるからであ
る。これに対して、G1 <G2 の場合には、担体を十分
に流動させるために、微生物が要求する以上の空気を廃
水中に吹き込む必要がある。この過剰な空気の吹き込み
のために、G1 ≧G2 の場合に比べてより多くの電力が
消費される。この結果、エネルギーの無駄が生じる。
【0016】微生物が要求する空気量G1 を決定する因
子の一つは、廃水の処理負荷の程度、すなわち、廃水中
の汚濁物質の濃度と廃水の流入量の積である。具体的に
は、廃水の処理負荷が高い、すなわち、廃水中の汚濁物
質の濃度が高いほどまた流入する廃水の量が多いほど、
微生物が要求する酸素量が多くなり、その結果、空気量
G1 が大きくなる。従って、廃水の処理負荷が高い場合
には、G1 ≧G2 の関係が成り立たせることができる。
しかし、廃水の負荷は通常の廃水処理施設では常に変動
し、制御することは困難である。
子の一つは、廃水の処理負荷の程度、すなわち、廃水中
の汚濁物質の濃度と廃水の流入量の積である。具体的に
は、廃水の処理負荷が高い、すなわち、廃水中の汚濁物
質の濃度が高いほどまた流入する廃水の量が多いほど、
微生物が要求する酸素量が多くなり、その結果、空気量
G1 が大きくなる。従って、廃水の処理負荷が高い場合
には、G1 ≧G2 の関係が成り立たせることができる。
しかし、廃水の負荷は通常の廃水処理施設では常に変動
し、制御することは困難である。
【0017】一方、担体を流動化させるために必要な空
気量を決定する因子の一つは、担体の沈降速度である。
比重が水よりも若干重くかつ粒子径が所定の範囲である
単一粒子(例えば、粒子の比重が1.02である場合
0.04〜0.7cmの範囲内である単一粒子)の沈降
速度vと粒子直径rとの関係は、Allenの式で表さ
れる。Allenの式によれば、単一粒子の沈降速度v
は、水と担体との比重差の2/3乗に比例し、担体の直
径rの1/2乗に比例する。
気量を決定する因子の一つは、担体の沈降速度である。
比重が水よりも若干重くかつ粒子径が所定の範囲である
単一粒子(例えば、粒子の比重が1.02である場合
0.04〜0.7cmの範囲内である単一粒子)の沈降
速度vと粒子直径rとの関係は、Allenの式で表さ
れる。Allenの式によれば、単一粒子の沈降速度v
は、水と担体との比重差の2/3乗に比例し、担体の直
径rの1/2乗に比例する。
【0018】従って、担体粒子の沈降速度を小さくして
流動性を高めるためには、担体粒子の直径を小さくする
ことが考えられる。しかし、担体粒子の直径を小さくす
ることには限界がある。通常の微生物固定化担体を用い
た廃水処理設備の反応槽には、担体の外部への流出を防
止するための網目状のスクリーンが設けられている。こ
のスクリーンの目開きを小さくし過ぎると、廃水中の固
形物や微生物等がスクリーンに付着し、網目を閉塞して
しまう。このため、スクリーンの目開きは最低でも1.
5mm以上必要であり、好ましくは2.5mm以上であ
る。従って、スクリーンの網目からの担体の脱落を防止
するためには、担体は3mm以上である必要がある。
流動性を高めるためには、担体粒子の直径を小さくする
ことが考えられる。しかし、担体粒子の直径を小さくす
ることには限界がある。通常の微生物固定化担体を用い
た廃水処理設備の反応槽には、担体の外部への流出を防
止するための網目状のスクリーンが設けられている。こ
のスクリーンの目開きを小さくし過ぎると、廃水中の固
形物や微生物等がスクリーンに付着し、網目を閉塞して
しまう。このため、スクリーンの目開きは最低でも1.
5mm以上必要であり、好ましくは2.5mm以上であ
る。従って、スクリーンの網目からの担体の脱落を防止
するためには、担体は3mm以上である必要がある。
【0019】担体粒子の沈降速度vを決定するもう一つ
の要因は担体の比重である。単一粒子の沈降速度vは、
上述のように水と担体との比重差の2/3乗に比例す
る。従って、単一粒子の形状および粒子径が同一である
場合、水と粒子との比重差が小さいほど、単一粒子の流
動性が高まる。例えば、形状が同じであれば、比重1.
035の担体の単一粒子の沈降速度を1とすると、比重
1.03の担体では単一粒子の沈降速度は0.9、比重
1.02の担体では単一粒子の沈降速度は0.69、比
重1.01の担体では単一粒子の沈降速度は0.43、
比重1.005の担体では単一粒子の沈降速度は0.2
7となる。
の要因は担体の比重である。単一粒子の沈降速度vは、
上述のように水と担体との比重差の2/3乗に比例す
る。従って、単一粒子の形状および粒子径が同一である
場合、水と粒子との比重差が小さいほど、単一粒子の流
動性が高まる。例えば、形状が同じであれば、比重1.
035の担体の単一粒子の沈降速度を1とすると、比重
1.03の担体では単一粒子の沈降速度は0.9、比重
1.02の担体では単一粒子の沈降速度は0.69、比
重1.01の担体では単一粒子の沈降速度は0.43、
比重1.005の担体では単一粒子の沈降速度は0.2
7となる。
【0020】本発明者らは、以上説明したような知見に
基づいて、微生物固定化用担体の比重と廃水中での微生
物固定化用担体の流動化率との関係について調べた結
果、微生物固定化用担体の比重が0.98〜1.03の
範囲内である場合に、G1 ≧G2 の関係が成り立ち、微
生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要
な空気量(G1 )で、廃水中に空気を吹き込むことによ
り、微生物固定化担体を十分に流動化させることができ
る。この結果、廃水処理に必要なエネルギーを低減でき
ることがわかった。
基づいて、微生物固定化用担体の比重と廃水中での微生
物固定化用担体の流動化率との関係について調べた結
果、微生物固定化用担体の比重が0.98〜1.03の
範囲内である場合に、G1 ≧G2 の関係が成り立ち、微
生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要
な空気量(G1 )で、廃水中に空気を吹き込むことによ
り、微生物固定化担体を十分に流動化させることができ
る。この結果、廃水処理に必要なエネルギーを低減でき
ることがわかった。
【0021】本発明の廃水処理方法で用いられる微生物
固定化用担体は、従来の微生物固定化担体の中から0.
98〜1.03の範囲内の比重を有するものを選択して
使用することができる。しかし、従来の技術により製造
された微生物固定化用担体は、上述の条件を満たしてい
ないものが多い。上述の須藤隆一編著「微生物固定化法
による廃水処理」(産業用水調査会、pp.192-204,1988
)に開示されている包括法による微生物固定化用担
体、および、局らの「包括型樹脂系固定化担体による下
水処理」(第25回下水道研究発表会講演集、pp.315-3
17(1988))に開示されている微生物固定化用担体の両方
とも、約1.035の比重である。
固定化用担体は、従来の微生物固定化担体の中から0.
98〜1.03の範囲内の比重を有するものを選択して
使用することができる。しかし、従来の技術により製造
された微生物固定化用担体は、上述の条件を満たしてい
ないものが多い。上述の須藤隆一編著「微生物固定化法
による廃水処理」(産業用水調査会、pp.192-204,1988
)に開示されている包括法による微生物固定化用担
体、および、局らの「包括型樹脂系固定化担体による下
水処理」(第25回下水道研究発表会講演集、pp.315-3
17(1988))に開示されている微生物固定化用担体の両方
とも、約1.035の比重である。
【0022】そこで本発明の条件を満たす微生物固定化
用担体の製造方法としては、例えば、水溶性高分子の水
溶液に、1.02以下、より具体的には0.8〜1.0
2の範囲内の比重を有する水不溶性固形物の粉末を添加
し、次いで、水溶性高分子を重合させてゲル化する方法
がある。
用担体の製造方法としては、例えば、水溶性高分子の水
溶液に、1.02以下、より具体的には0.8〜1.0
2の範囲内の比重を有する水不溶性固形物の粉末を添加
し、次いで、水溶性高分子を重合させてゲル化する方法
がある。
【0023】この方法で用いられる水溶性高分子は、例
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものである。水溶性高分子は、例えば、ポリ
ビニルアルコールの場合には7〜15重量%の濃度で水
に溶解される。
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものである。水溶性高分子は、例えば、ポリ
ビニルアルコールの場合には7〜15重量%の濃度で水
に溶解される。
【0024】水溶性高分子の水溶液中に比重調整剤とし
て水不溶性固形物の粉末を添加する。この水不溶性固形
物の材料は、水溶性高分子の水溶液中で安定な材料であ
り、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、メチルテ
ンペン樹脂、その他比重が1.02以下のプラスチック
である。また、水不溶性固形物は、これらのプラスチッ
クの発泡体で構成されていても良い。この場合、比重が
1.02を超えるプラスチックであっても発泡体とする
ことにより比重が1.02以下にすることができるの
で、このようなプラスチック発泡体を本発明で使用でき
る。
て水不溶性固形物の粉末を添加する。この水不溶性固形
物の材料は、水溶性高分子の水溶液中で安定な材料であ
り、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、メチルテ
ンペン樹脂、その他比重が1.02以下のプラスチック
である。また、水不溶性固形物は、これらのプラスチッ
クの発泡体で構成されていても良い。この場合、比重が
1.02を超えるプラスチックであっても発泡体とする
ことにより比重が1.02以下にすることができるの
で、このようなプラスチック発泡体を本発明で使用でき
る。
【0025】水不溶性固形物の比重は、1.02以下で
ある。水不溶性固形物の比重が大きい場合には、水不溶
性固形物の添加量が多くなるためあまり好ましくない。
一方、水不溶性固形物の比重が小さすぎる場合には、水
不溶性固形物が水不溶性高分子中で偏りを生じやすいた
めあまり好ましくない。従って、水不溶性不溶性固形物
の比重は0.8〜1.02の範囲内が好ましい。水溶性
高分子中での比重調整剤の分散が十分でない場合には、
分散剤を用いることもできる。
ある。水不溶性固形物の比重が大きい場合には、水不溶
性固形物の添加量が多くなるためあまり好ましくない。
一方、水不溶性固形物の比重が小さすぎる場合には、水
不溶性固形物が水不溶性高分子中で偏りを生じやすいた
めあまり好ましくない。従って、水不溶性不溶性固形物
の比重は0.8〜1.02の範囲内が好ましい。水溶性
高分子中での比重調整剤の分散が十分でない場合には、
分散剤を用いることもできる。
【0026】水不溶性固形物の粒子径は、例えば、1〜
200μmの範囲内である。水不溶性固形物の添加量
は、添加する樹脂の比重と量、要求担体比重、水溶性高
分子の種類等により決定される。例えば、ポリエチレン
グリコール系の光硬化性樹脂にポリプロピレンの微粉末
を添加するときに担体比重を1.01とする場合、光硬
化性樹脂1リットル、重合開始剤0.008リットル、
活性汚泥0.6リットル、および、ポリプロピレン微粉
末0.33kgがそれぞれ用いられる。
200μmの範囲内である。水不溶性固形物の添加量
は、添加する樹脂の比重と量、要求担体比重、水溶性高
分子の種類等により決定される。例えば、ポリエチレン
グリコール系の光硬化性樹脂にポリプロピレンの微粉末
を添加するときに担体比重を1.01とする場合、光硬
化性樹脂1リットル、重合開始剤0.008リットル、
活性汚泥0.6リットル、および、ポリプロピレン微粉
末0.33kgがそれぞれ用いられる。
【0027】次に、水不溶性固形物が添加された水溶性
高分子の水溶液において、水溶性高分子を重合させてゲ
ル化する。水溶性高分子の重合は、使用した水溶性高分
子に適当な公知の方法で行わせることができる。例え
ば、重合開始剤を用いる方法、水溶性高分子に光硬化性
樹脂を用いた場合の紫外線を照射する方法である。より
具体的には、水溶性高分子がポリビニルアルコールの場
合、水不溶性固形物を添加したポリビニルアルコール水
溶液を飽和ほう酸溶液中に滴下し、15〜24時間放置
する。これにより、ポリビニルアルコールのビーズが得
られる。また、水不溶性固形物を添加したポリビニルア
ルコール水溶液を冷凍し、その後溶解し、ゲル化したポ
リビニルアルコールと水不溶性固形物の混合物をサイコ
ロ状に裁断および成型することにより、微生物固定化用
担体を得ることができる。
高分子の水溶液において、水溶性高分子を重合させてゲ
ル化する。水溶性高分子の重合は、使用した水溶性高分
子に適当な公知の方法で行わせることができる。例え
ば、重合開始剤を用いる方法、水溶性高分子に光硬化性
樹脂を用いた場合の紫外線を照射する方法である。より
具体的には、水溶性高分子がポリビニルアルコールの場
合、水不溶性固形物を添加したポリビニルアルコール水
溶液を飽和ほう酸溶液中に滴下し、15〜24時間放置
する。これにより、ポリビニルアルコールのビーズが得
られる。また、水不溶性固形物を添加したポリビニルア
ルコール水溶液を冷凍し、その後溶解し、ゲル化したポ
リビニルアルコールと水不溶性固形物の混合物をサイコ
ロ状に裁断および成型することにより、微生物固定化用
担体を得ることができる。
【0028】また、水溶性高分子が末端基を例えばアク
リロイル基で化学修飾したポリエチレングリコールの場
合には、紫外線をこの末端基を化学修飾したポリエチレ
ングリコールの水溶液に紫外線を照射することにより、
末端基を化学修飾したポリエチレングリコールを重合さ
せてゲル化させている。
リロイル基で化学修飾したポリエチレングリコールの場
合には、紫外線をこの末端基を化学修飾したポリエチレ
ングリコールの水溶液に紫外線を照射することにより、
末端基を化学修飾したポリエチレングリコールを重合さ
せてゲル化させている。
【0029】より具体的には、水溶性高分子の水溶液と
比重調整剤を混合および分散した後、この混合液を厚さ
3mmのシート状に展開する。次に、水溶性高分子をゲ
ル化、重合し、その後、一辺約3mmの立方体状に切り
出して担体を作成することができる。
比重調整剤を混合および分散した後、この混合液を厚さ
3mmのシート状に展開する。次に、水溶性高分子をゲ
ル化、重合し、その後、一辺約3mmの立方体状に切り
出して担体を作成することができる。
【0030】また、水溶性高分子の水溶液と比重調整剤
を混合した後、シリンジから打ち出し、球状に成型した
後、ゲル化・重合させて球状の担体を作製することがで
きる。この方法では、球状粒子の形状の安定化と、粒子
同士の付着を防ぐために、水溶性高分子にアルギン酸ナ
トリウムのような成型助剤を添加し、カルシウム溶液中
に滴下し、アルギン酸カルシウムの1次ゲルを形成させ
ることもできる。
を混合した後、シリンジから打ち出し、球状に成型した
後、ゲル化・重合させて球状の担体を作製することがで
きる。この方法では、球状粒子の形状の安定化と、粒子
同士の付着を防ぐために、水溶性高分子にアルギン酸ナ
トリウムのような成型助剤を添加し、カルシウム溶液中
に滴下し、アルギン酸カルシウムの1次ゲルを形成させ
ることもできる。
【0031】微生物固定化用担体への微生物の固定化
は、従来の包括法または結合法のいずれであっても良
い。すなわち、包括法では、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子および微生物、酵素等の生体触媒を混合
し、次いで、水溶性高分子を重合させて、重合した高分
子間に生体触媒を包括させたゲル状の担体を得る。一
方、結合法では、水溶性高分子を重合してゲル化し、微
生物を包括していない担体を作成し、この担体の表面に
微生物を付着させる。
は、従来の包括法または結合法のいずれであっても良
い。すなわち、包括法では、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子および微生物、酵素等の生体触媒を混合
し、次いで、水溶性高分子を重合させて、重合した高分
子間に生体触媒を包括させたゲル状の担体を得る。一
方、結合法では、水溶性高分子を重合してゲル化し、微
生物を包括していない担体を作成し、この担体の表面に
微生物を付着させる。
【0032】本発明で使用される微生物は、細菌(Ba
cteria)、菌類(Fungi)、藻類(Alga
e)、例えば、鞭毛虫類、繊毛虫類のような原生動物
(Protozoa)、後生動物(Metazoa)を
包含する。実際の処理においては、これらの微生物の中
で、処理しようとする廃水に含まれる成分を分解する能
力を有する微生物が優先主となる。一般的な成分構成の
下水に対しては、例えば、Zoloea属、Vorti
cella属、Epistylis属またはPhilo
dina属が優先主となる場合が多い。例えば、一般廃
水の処理には、いわゆる活性汚泥に含まれる各種微生物
が利用される。
cteria)、菌類(Fungi)、藻類(Alga
e)、例えば、鞭毛虫類、繊毛虫類のような原生動物
(Protozoa)、後生動物(Metazoa)を
包含する。実際の処理においては、これらの微生物の中
で、処理しようとする廃水に含まれる成分を分解する能
力を有する微生物が優先主となる。一般的な成分構成の
下水に対しては、例えば、Zoloea属、Vorti
cella属、Epistylis属またはPhilo
dina属が優先主となる場合が多い。例えば、一般廃
水の処理には、いわゆる活性汚泥に含まれる各種微生物
が利用される。
【0033】本発明の廃水処理方法に用いられる微生物
固定化用担体の第2の製造方法では、第1に0.8〜
1.02の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高
分子の水溶液を含浸させる。ここで用いられる繊維状物
質の材質は、水溶性高分子の水溶液に対して安定なもの
であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび
メチルペンテン樹脂である。繊維状物質は、例えば、こ
れらの材料からなる不織布である。
固定化用担体の第2の製造方法では、第1に0.8〜
1.02の範囲内の比重を有する繊維状物質に水溶性高
分子の水溶液を含浸させる。ここで用いられる繊維状物
質の材質は、水溶性高分子の水溶液に対して安定なもの
であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび
メチルペンテン樹脂である。繊維状物質は、例えば、こ
れらの材料からなる不織布である。
【0034】このような繊維状物質に水溶性高分子の水
溶液を含浸させ、例えばシート状に広げた後、水溶性高
分子を重合させてゲル化させる。得られたゲル化体シー
トを所定の大きさ、すなわち使用する反応槽のスクリー
ンの目から脱落しない大きさ、より具体的には3〜5m
m角の立方体に切り分ける。これにより、本発明の微生
物固定化用担体が得られる。この微生物固定化用担体に
微生物を包括法および結合法の何れかにより固定化し
て、本発明の微生物固定化担体が得られる。
溶液を含浸させ、例えばシート状に広げた後、水溶性高
分子を重合させてゲル化させる。得られたゲル化体シー
トを所定の大きさ、すなわち使用する反応槽のスクリー
ンの目から脱落しない大きさ、より具体的には3〜5m
m角の立方体に切り分ける。これにより、本発明の微生
物固定化用担体が得られる。この微生物固定化用担体に
微生物を包括法および結合法の何れかにより固定化し
て、本発明の微生物固定化担体が得られる。
【0035】ここで使用する繊維状物質は、複数の繊維
が集合したものである。これらの繊維の比重が1.02
以下である必要がなく、繊維全体として比重が1.02
以下であれば良い。
が集合したものである。これらの繊維の比重が1.02
以下である必要がなく、繊維全体として比重が1.02
以下であれば良い。
【0036】本発明の廃水処理方法では、上述の微生物
固定化用担体に微生物を固定化した微生物固定化担体を
廃水中に添加し、この廃水に微生物が必要とする量の酸
素を廃水中に溶解させるために必要な空気量G1 の空気
を廃水中に吹き込む。廃水中への空気の吹き込みは、例
えば、全面散気方式または深槽曝気方式で行うことがで
きる。全面散気方式とは、水深約5mの反応層の底面に
ほぼ全面にわたって、空気を吹き出す複数の散気口が形
成された散気用配管を配管し、散気口から空気を吹き出
させる方法である。
固定化用担体に微生物を固定化した微生物固定化担体を
廃水中に添加し、この廃水に微生物が必要とする量の酸
素を廃水中に溶解させるために必要な空気量G1 の空気
を廃水中に吹き込む。廃水中への空気の吹き込みは、例
えば、全面散気方式または深槽曝気方式で行うことがで
きる。全面散気方式とは、水深約5mの反応層の底面に
ほぼ全面にわたって、空気を吹き出す複数の散気口が形
成された散気用配管を配管し、散気口から空気を吹き出
させる方法である。
【0037】一方、深槽曝気方式とは、水深約10m以
上の深槽曝気層の水深約5mの付近に複数の散気口が形
成された1本の散気用配管を配置し、散気口から空気を
吹き出させる方法である。この深槽曝気方式では、微生
物固定化担体の流動が生じにくいため、担体の比重はよ
り水に近づけることが好ましく、具体的には0.985
〜1.015の範囲内が適当である。
上の深槽曝気層の水深約5mの付近に複数の散気口が形
成された1本の散気用配管を配置し、散気口から空気を
吹き出させる方法である。この深槽曝気方式では、微生
物固定化担体の流動が生じにくいため、担体の比重はよ
り水に近づけることが好ましく、具体的には0.985
〜1.015の範囲内が適当である。
【0038】以上説明したように本発明の廃水処理方法
によれば、微生物固定化用担体に比重が0.98〜1.
03の範囲内にあるものを使用することにより、微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )で、廃水中に空気を吹き込むことにより、
微生物固定化担体を十分に流動化させることができる。
この結果、廃水処理に必要なエネルギーを低減できる。
によれば、微生物固定化用担体に比重が0.98〜1.
03の範囲内にあるものを使用することにより、微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )で、廃水中に空気を吹き込むことにより、
微生物固定化担体を十分に流動化させることができる。
この結果、廃水処理に必要なエネルギーを低減できる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
試験の結果について説明する。本試験で使用した微生物
固定化用担体は、次のようにして製造した。ポリプロピ
レン微粉末(平均粒子径50μm)を、末端基をアクリ
ロイル基で化学修飾したポリエチレングリコール系光硬
化性樹脂1リットルに添加量Xで添加した。また、重合
開始剤0.008リットルおよび活性汚泥(1%)0.
6リットルを添加し、混合した。この後、厚さ3mmの
シート状に展開し、次いで、紫外線を照射することによ
り重合し、ゲル化させた。その後、一辺3mmの直方体
状に切り出し、水洗した。ここで、ポリプロピレン粉末
の混合量Xは、製造しようとする担体の比重Yに応じて
次のように決定した。
試験の結果について説明する。本試験で使用した微生物
固定化用担体は、次のようにして製造した。ポリプロピ
レン微粉末(平均粒子径50μm)を、末端基をアクリ
ロイル基で化学修飾したポリエチレングリコール系光硬
化性樹脂1リットルに添加量Xで添加した。また、重合
開始剤0.008リットルおよび活性汚泥(1%)0.
6リットルを添加し、混合した。この後、厚さ3mmの
シート状に展開し、次いで、紫外線を照射することによ
り重合し、ゲル化させた。その後、一辺3mmの直方体
状に切り出し、水洗した。ここで、ポリプロピレン粉末
の混合量Xは、製造しようとする担体の比重Yに応じて
次のように決定した。
【0040】 担体の比重Y ポリプロピレン粉末の混合量X 1.035 0 1.03 0.054kg 1.02 0.18kg 1.01 0.33kg 1.005 0.43kg 0.99 0.75kg 0.98 1.05kg 0.97 1.43kg 以上のようにして、異なる比重の微生物固定化用担体を
製造した。微生物固定化用担体の反応槽への充填率は全
て10%である。
製造した。微生物固定化用担体の反応槽への充填率は全
て10%である。
【0041】図1は、水深5m、幅5m、奥行き5mの
全面散気方式の反応槽で試験した微生物固定化用担体の
比重と流動化した微生物固定化用担体の割合(担体流動
化率)の関係を示したもので、吹き込み空気量は一般的
な下水を一般的な滞留時間で処理する場合の吹き込み空
気量と考えられる130m3 /m2 /日として測定し
た。この吹き込み空気量で90%以上の担体流動化率が
得られる担体比重の範囲は0.98〜1.02であっ
た。
全面散気方式の反応槽で試験した微生物固定化用担体の
比重と流動化した微生物固定化用担体の割合(担体流動
化率)の関係を示したもので、吹き込み空気量は一般的
な下水を一般的な滞留時間で処理する場合の吹き込み空
気量と考えられる130m3 /m2 /日として測定し
た。この吹き込み空気量で90%以上の担体流動化率が
得られる担体比重の範囲は0.98〜1.02であっ
た。
【0042】下水処理場で、早朝などの低負荷時に、負
荷が約1/2に減少することを仮定すると、低負荷時に
微生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必
要な空気量(G1 )は約70m3 /m2 /日である。こ
の吹き込み空気量G1 で同様にして行った試験の結果を
図5に示す。90%以上の担体流動化率が得られる担体
比重の範囲は0.985〜1.01、80%以上の担体
流動化率が得られる担体比重の範囲は0.978〜1.
022であった。
荷が約1/2に減少することを仮定すると、低負荷時に
微生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必
要な空気量(G1 )は約70m3 /m2 /日である。こ
の吹き込み空気量G1 で同様にして行った試験の結果を
図5に示す。90%以上の担体流動化率が得られる担体
比重の範囲は0.985〜1.01、80%以上の担体
流動化率が得られる担体比重の範囲は0.978〜1.
022であった。
【0043】図1および図2から明らかなように、比重
約1.035の微生物固定化用担体については、微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )の空気を廃水中に吹き込んだ場合、通常の
負荷時において約40%が沈積し、低負荷時には80%
以上が沈積が起した。
約1.035の微生物固定化用担体については、微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )の空気を廃水中に吹き込んだ場合、通常の
負荷時において約40%が沈積し、低負荷時には80%
以上が沈積が起した。
【0044】これに対して、比重が0.98〜1.03
の微生物固定化用担体については、低負荷時でも微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )の空気を吹き込んだ場合に、50%以上の
担体流動化率を得ることができた。また、0.985〜
1.01の微生物固定化用担体については、低負荷時で
も微生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために
必要な空気量(G1 )の空気を吹き込むことにより、9
0%以上の担体流動化率を得ることができた。
の微生物固定化用担体については、低負荷時でも微生物
が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために必要な空
気量(G1 )の空気を吹き込んだ場合に、50%以上の
担体流動化率を得ることができた。また、0.985〜
1.01の微生物固定化用担体については、低負荷時で
も微生物が要求する量の酸素を廃水に溶解させるために
必要な空気量(G1 )の空気を吹き込むことにより、9
0%以上の担体流動化率を得ることができた。
【0045】図3は、水深10m、幅10m、奥行き7
mの深層曝気槽において、水深約5mのところに設置さ
れた散気装置から空気を吹き込んで試験した場合の微生
物固定化用担体の比重と流動化した微生物固定化用担体
の割合(担体流動化率)の関係を示したものである。一
般的な下水を一般的な滞留時間で処理する場合には、吹
き込み空気量は約260m3 /m2 /日であり、図3
は、吹き込み空気量を260m3 /m2 /日として行っ
た試験結果である。この吹き込み空気量で90%以上の
担体流動化率が得られる担体比重の範囲は0.99〜
1.013であった。比重約1.035の微生物固定化
用担体は、ほとんどが沈積した。なお、上記の吹き込み
空気量は、反応槽全面積当たりの単位時間当たりの量を
示している。
mの深層曝気槽において、水深約5mのところに設置さ
れた散気装置から空気を吹き込んで試験した場合の微生
物固定化用担体の比重と流動化した微生物固定化用担体
の割合(担体流動化率)の関係を示したものである。一
般的な下水を一般的な滞留時間で処理する場合には、吹
き込み空気量は約260m3 /m2 /日であり、図3
は、吹き込み空気量を260m3 /m2 /日として行っ
た試験結果である。この吹き込み空気量で90%以上の
担体流動化率が得られる担体比重の範囲は0.99〜
1.013であった。比重約1.035の微生物固定化
用担体は、ほとんどが沈積した。なお、上記の吹き込み
空気量は、反応槽全面積当たりの単位時間当たりの量を
示している。
【図1】全面散気方式の反応槽における微生物固定化用
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
【図2】全面散気方式の反応槽における微生物固定化用
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
【図3】深槽曝気方式の反応槽における微生物固定化用
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
担体の比重と担体流動化率の関係を示す特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 豊志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (18)
- 【請求項1】 0.98ないし1.03の範囲内の比重
を有する担体に微生物を固定化した微生物固定化担体を
廃水に加える工程、および、前記微生物固定化担体に固
定化された微生物が要求する量の酸素を廃水中に溶解さ
せるために必要な量の空気を前記廃水に吹き込む工程を
具備することを特徴とする廃水処理方法。 - 【請求項2】 担体が、水溶性高分子の水溶液に比重が
1.02以下の水不溶性固形物の粉末を添加した後、前
記水溶性高分子を重合させてゲル化したものである請求
項1記載の廃水処理方法。 - 【請求項3】 水不溶性固形物が、ポリプロピレン、ポ
リエチレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から選
択される少なくとも1種からなる請求項1記載の廃水処
理方法。 - 【請求項4】 担体が、0.8ないし1.02の範囲内
の比重を有する繊維状物質に水溶性高分子を含浸させ、
次いで、前記水溶性高分子を重合させた後、得られたゲ
ル化体を所定の大きさに切り出すことにより得られたも
のである請求項1記載の廃水処理方法。 - 【請求項5】 繊維状物質が、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から選択さ
れる少なくとも1種からなる請求項1記載の廃水処理方
法。 - 【請求項6】 水溶性高分子が、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものからなる群から選択される少なくとも1
種からなる請求項3ないし5のいずれか一つに記載の廃
水処理方法。 - 【請求項7】 水溶性高分子の水溶液に比重が1.02
以下の水不溶性固形物の粉末を添加した後、前記水溶性
高分子を重合させてゲル化することにより得られ、か
つ、0.98ないし1.03の範囲内の比重を有するこ
とを特徴とする微生物固定化用担体。 - 【請求項8】 水不溶性固形物が、ポリプロピレン、ポ
リエチレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から選
択される少なくとも1種からなる請求項7記載の微生物
固定化用担体。 - 【請求項9】 水溶性高分子が、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものからなる群から選択される少なくとも1
種からなる請求項7または8に記載の微生物固定化用担
体。 - 【請求項10】 0.8ないし1.02の範囲内の比重
を有する繊維状物質に水溶性高分子を含浸させ、次い
で、前記水溶性高分子を重合させた後、得られたゲル化
体を所定の大きさに切り出すことにより得られ、かつ、
0.98ないし1.03の範囲内の比重を有することを
特徴とする微生物固定化用担体。 - 【請求項11】 繊維状物質が、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から選択
される少なくとも1種からなる請求項10記載の微生物
固定化用担体。 - 【請求項12】 水溶性高分子が、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものからなる群から選択される少なくとも1
種からなる請求項10または11に記載の微生物固定化
用担体。 - 【請求項13】 水溶性高分子の水溶液に比重が1.0
2以下の水不溶性固形物の粉末を添加した後、前記水溶
性高分子を重合させてゲル化することにより、0.98
ないし1.03の範囲内の比重を有する微生物固定化用
担体を得ることを特徴とする微生物固定化用担体の製造
方法。 - 【請求項14】 水不溶性固形物が、ポリプロピレン、
ポリエチレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から
選択される少なくとも1種からなる請求項13記載の微
生物固定化用担体の製造方法。 - 【請求項15】 水溶性高分子が、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものからなる群から選択される少なくとも1
種からなる請求項13または14に記載の微生物固定化
用担体の製造方法。 - 【請求項16】 0.8ないし1.02の範囲内の比重
を有する繊維状物質に水溶性高分子を含浸させ、次い
で、前記水溶性高分子を重合させた後、得られたゲル化
体を所定の大きさに切り出すことにより0.98ないし
1.03の範囲内の比重を有する微生物固定化用担体を
得ることを特徴とする微生物固定化用担体の製造方法。 - 【請求項17】 繊維状物質が、ポリプロピレン、ポリ
エチレンおよびメチルペンテン樹脂からなる群から選択
される少なくとも1種からなる請求項16記載の微生物
固定化用担体の製造方法。 - 【請求項18】 水溶性高分子が、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドおよびこれらの官能基を化学的
に修飾したものからなる群から選択される少なくとも1
種からなる請求項16または17に記載の微生物固定化
用担体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7220706A JPH0957290A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 微生物固定化担体を用いた廃水処理方法並びに該廃水処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7220706A JPH0957290A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 微生物固定化担体を用いた廃水処理方法並びに該廃水処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0957290A true JPH0957290A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16755231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7220706A Pending JPH0957290A (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 微生物固定化担体を用いた廃水処理方法並びに該廃水処理方法に用いる微生物固定化用担体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0957290A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002263674A (ja) * | 2001-03-08 | 2002-09-17 | Takeda Chem Ind Ltd | 水処理用担体およびその製造方法および水処理用装置 |
JP2003103284A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-08 | Takeda Chem Ind Ltd | 水処理用担体、その製造方法および水処理用装置 |
-
1995
- 1995-08-29 JP JP7220706A patent/JPH0957290A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002263674A (ja) * | 2001-03-08 | 2002-09-17 | Takeda Chem Ind Ltd | 水処理用担体およびその製造方法および水処理用装置 |
JP2003103284A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-08 | Takeda Chem Ind Ltd | 水処理用担体、その製造方法および水処理用装置 |
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