JPH10136980A - バイオリアクタ−用担体及び製造方法 - Google Patents
バイオリアクタ−用担体及び製造方法Info
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- JPH10136980A JPH10136980A JP9256184A JP25618497A JPH10136980A JP H10136980 A JPH10136980 A JP H10136980A JP 9256184 A JP9256184 A JP 9256184A JP 25618497 A JP25618497 A JP 25618497A JP H10136980 A JPH10136980 A JP H10136980A
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Abstract
合固定し、バイオリアクター(固定化生体触媒)として
物質生産、有害物の無害化処理、廃油処理、排水処理、
脱臭等に使用する熱可塑性吸水ゲル担体に関する。 【解決手段】 熱可塑性有機高分子化合物であり、且つ
水中における体積膨潤度が150%から4000%であ
ることを特徴とするバイオリアクター用担体、該担体を
使用した排水処理用担体、又は脱臭用担体、及び長鎖及
び短鎖のポリオール化合物とイソシアネート化合物を反
応させることにより得られる熱可塑性樹脂を、溶融温度
まで加熱することによって可塑化し、押出機から紐状に
押出し、連続切断することによってペレットに成形する
ことを特徴とするバイオリアクター用担体の製造方法。
Description
や原生動物を結合固定し、バイオリアクター(固定化生
体触媒)として物質生産、有害物の無害化処理、廃油処
理、排水処理、脱臭等に使用する熱可塑性吸水ゲル担体
に関する。
別すると多孔質担体とゲル担体(非多孔質)に分けられ
る。多孔質担体としてはポリウレタン多孔体、セルロー
ス多孔体、ポリプロピレン多孔体、ポリビニルホルマー
ル多孔体、セラミックス多孔体などがある。
な表面積を有し、多孔表面に動植物細胞、微生物や原生
動物を結合固定して用いる場合が多い。
孔体は疎水性である為、水中流動性に劣り、且つ動植物
細胞、微生物や原生動物が結合しにくい欠点が有る。セ
ルロース多孔体は微生物の侵食を受け耐用年数が低い。
ポリビニルホルマール多孔体は工業的製造方法が確立さ
れていない等の欠点が有る。又、セラミックスは比重が
高い為に水中で流動させる事が出来ないので、使用方法
に限定を受ける。
ル担体、ポリエチレングリコールゲル担体、ポリビニル
アルコールゲル担体、アルギン酸ゲル担体などが例示出
来る。
胞、微生物や原生動物を包括固定して用いることが一般
的であるが、ゲル表面に動植物細胞、微生物や原生動物
を結合固定して用いることも出来る。
為、細胞毒性のあるアクリルアミドから合成されるポリ
アクリルアミドゲル担体を除き、生体に対する親和性が
高く、動植物細胞、微生物や原生動物に好適な生息環境
を与えるが、一方では高度に水分を含有するがゆえに物
理強度に劣る担体が多い。反応槽中で使用中に磨耗した
り崩壊する恐れが大きい。
ゲル担体は熱硬化性、低温硬化性、イオン架橋による硬
化性あるいは光硬化性有機高分子化合物の範疇に入るも
のである。
たら、再び溶融させて別の形状に変えることは不可能で
ある。従って、一般的には切断により、所要のサイズに
する場合が多い。
イコロ状に切断する工程は大変な手間を要し、その結
果、従来のゲル担体の製造はきわめて繁雑であり、製造
時間とコストが著しく大きいという欠点が有る。また、
大量のゲルを作成することも困難で、これらの理由か
ら、ゲル担体を使用したバイオリアクターが普及しない
と考えられる。
含有し、物理的強度に優れ、微生物などの侵食を受け
ず、工業的大量生産が容易な熱可塑性吸水ゲルからなる
バイオリアクター用担体を提供することを目的とする。
性有機高分子化合物であり、且つ水中における体積膨潤
度が150%から4000%であることを特徴とするバ
イオリアクター用担体、(2)熱可塑性有機高分子化合
物が長鎖及び短鎖のポリオール化合物とイソシアネート
化合物を反応させることにより得られるポリウレタン吸
水ゲルである(1)記載のバイオリアクター用担体、
(3)(1)又は(2)記載のバイオリアクター用担体
を使用した排水処理用担体、(4)(1)又は(2)記
載のバイオリアクター用担体を使用した脱臭用担体、
(5)長鎖及び短鎖のポリオール化合物とイソシアネー
ト化合物を反応させることにより得られる熱可塑性樹脂
を、溶融温度まで加熱することによって可塑化し、押出
機から紐状に押出し、連続切断することによってペレッ
トに成形することを特徴とするバイオリアクター用担体
の製造方法、である。
クター用担体を用いると槽内の撹拌効率及び動植物細胞
密度、微生物や原生動物密度を高め、高度の処理能力を
実現できる。
ゲルからなるバイオリアクター用坦体(以下、熱可塑性
ゲル担体と略す。)は素材が極めて親水性が高く、多量
の水分を素材中に蓄える性質を有し、動植物細胞、微生
物や原生動物に対する親和性に優れている。
微生物や原生動物の存在する培養液や被処理水中に投入
して用いる。担体はきわめて生体に対する親和性が高い
為、水中に存在する動植物細胞、微生物や原生動物はゲ
ル表面に付着し、増殖する。
孔質担体と異なり、肉眼で確認できる多孔構造は有して
いない。従って、アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細
菌、他のアンモニアの硝化細菌、脱窒細菌、糸状菌など
の粘着性の強い動植物細胞、微生物や原生動物が熱可塑
性ゲル担体表面に優先的に付着することになる。
はエアレーシヨン撹拌やアジテータによる撹拌などの方
法で撹拌を受ける。すると、担体への粘着性が低い動植
物細胞、微生物や原生動物は熱可塑性ゲル担体の表面よ
り剥がれ落ちることになる。
物のみが多量に付着、結合固定され、これらの微生物は
流動するときも剥がれにくい。従って、微生物群の中か
ら粘着性の強い動植物細胞、微生物や原生動物のみを担
体表面で増殖させる効果がある。この点は本発明の熱可
塑性ゲル担体において、特に強調すべき点である。
が高いので、生体触媒として扱う動植物細胞、微生物や
原生動物が担体の外部表面に多量高密度に固定化された
状態においてプロペラなどによる効率的な撹拌が可能と
なる。
態窒素の硝酸態窒素への分解処理を例として掲げて説明
する。
た活性汚泥法による排水処理システムの説明図である。
1は最初沈澱池、2は生物学的反応槽、3は最終沈澱池
である。最初沈澱池から供給された被処理水4は生物学
的反応槽内で生物学的に処理され、処理水5は最終沈澱
池で沈澱物を除去して上澄水を放流するように設計され
ている。
濃度を適宜調整した空気を供給するエアレーションの為
の散気装置6が設置されている。6にはブロア7から酸
素を含む空気が送られる。
可塑性ゲル担体8が投入される。反応槽2において、被
処理水4を導入しつつ槽内の処理水5を最終沈澱池3に
送る状態で、散気装置6から酸素を含んだ空気を吹き出
すと、槽内の混合液9に酸素が供給される。
起き、熱可塑性ゲル担体は反応槽内を浮遊、循環流動す
る。混合液9中に存在する有機汚濁物質を分解、除去す
る微生物などが熱可塑性ゲル担体8に付着、結合固定化
される。
水率を有し、微生物に対する親和性が高い。混合液9に
は浮遊の微生物群が含まれている。この微生物群の中に
は、有機汚濁物質を栄養源とするBOD資化細菌、アン
モニア態窒素を硝酸態窒素に分解する硝酸菌、硝酸態窒
素を気体窒素に変換する脱窒菌など多種多様の微生物が
含まれている。
えるので、微生物群を総称して活性汚泥と呼ぶこともあ
る。さらに、ミミズやワムシ、ツリガネムシなどの原生
動物も含まれている場合がある。
強い微生物、例えばアンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細
菌、他のアンモニアの硝化細菌、脱窒細菌、糸状菌など
が積極的に熱可塑性ゲル担体表面に結合固定されてい
く。生物学的反応槽2において、担体の表面に結合固定
された微生物群と浮遊の微生物群の両方の作用で被処理
水中の有機汚濁物質や窒素成分が分解除去される。
汚染の主原因の一つであることが判明し、現在では排水
中のアンモニア態窒素を低下させる事が求められてい
る。排水中のアンモニア態窒素は活性汚泥中に存在する
硝酸菌により硝酸に変換され、硝酸は脱窒菌により、窒
素まで変換され大気中に放出される。
浮遊微生物群すなわち活性汚泥中の濃度は余り高くな
い。従って、一般の排水処理に用いられている活性汚泥
法では十分にアンモニア態窒素を処理することができな
いのである。
のであろうか。発明者等は、考察した結果次のような考
えにたどり着いた。
総数はほぼ一定であると考えられる。従って、活性汚泥
中にBOD資化菌の様な増殖の速い菌が存在すると、B
OD資化菌ばかりが増えて、硝酸菌の様な増殖の遅い菌
は増殖できないことになる。その結果、活性汚泥中の硝
酸菌濃度はいつも低い結果となる。それを避けるには硝
酸菌のみを別の空間で増殖させれば良い。硝酸菌は粘着
性が強い為、熱可塑性ゲル担体の平滑表面にも付着でき
る。
菌の様な微生物は担体表面に付着できない。従って、担
体表面の空間は硝酸菌のみが高濃度で増殖することにな
る。
は、硝酸菌とBOD資化菌の生息空間を分離するという
意味を有している。熱可塑性ゲル担体表面に結合した硝
酸菌により、アンモニア態窒素は極めて効率的かつ高速
度に生物学的に処理される。
ンジ状の担体の気孔部に汚泥が引っ掛けられ、生物学的
反応槽中の汚泥濃度を増加させることにより、排水処理
能力を向上させるものである。したがって発明者等の言
う、生息区間を分ける効果は少ない。その為、多孔質担
体は熱可塑性ゲル担体よりアンモニア態窒素の処理能力
に劣る場合が多い。
の硝酸態窒素への分解処理について例示したが、本発明
の熱可塑性ゲル担体は上記例に限定されず、脱窒過程等
の他の排水処理や、排水処理以外の生体触媒反応にも利
用できる。
特に限定されない。しかし、外表面積をなるべく大きく
採るには、たとえばサイコロ状、円筒状、球状が好まし
い。粒度のそろったチップ状で用いることも出来る。
径5mm、長さ5mmの円筒状、直径5mmの球状等の
担体が好適である。
付着、結合固定化が定常状態に達した時の比重が1.0
00〜1.250である場合に反応槽内で均一に流動し
得るため、熱可塑性ゲル担体の比重をこの範囲に調整す
ることが好ましい。
成時か、あるいは加熱成形時、樹脂が溶融状態にあると
きに硫酸バリウム等の高比重粉末などを添加することで
行う。
付着させる目的で、活性炭、カーボン粉末、ゼオライト
等の無機粉末を熱可塑性ゲル担体に含有する場合も、前
記の高比重粉末と同様に樹脂が溶融状態にある時に添加
するか、あるいはエクストルーダーから押し出されたス
トランド(紐)の表面に無機粉末を付着させた後、切断
することで得ることができる。
樹脂を溶融温度まで加熱する事によって可塑化し、流動
性を示す。加熱出来るエクストルーダーからストランド
(紐)状に押し出し、適当な長さに連続切断することに
より、ぺレットに成形することが出来る。またチップ状
にする場合も破砕を行った後、ふるいにかけて粒度の揃
ったチップに分別して使用すればよい。
体の多くは熱硬化型の高分子樹脂から出来ている。この
場合は任意の形状にするために樹脂を切削せねばなら
ず、極めて繁雑である。本発明の担体のように熱可塑性
の樹脂からなる場合は、熱をかけて可塑化し、任意の形
状に成形できるだけでなく、形や大きさのそろった担体
が簡単に製造出来るので大変有利である。
記のストランドを切断することにより、球状に近い担体
を製造することも可能である。射出成形ももちろん可能
で平板状、ブロック状、波板状など、金型を変更して任
意の形状に担体を成形することが出来る。これらの形に
成形後、膨潤させた熱可塑性ゲル担体を生物学的反応槽
内に沈めて、固定床として使用することも可能である。
本発明の熱可塑性ゲル担体は成形時に水を含んでいな
い。
吸って膨潤する。担体の中に動植物細胞、微生物や原生
動物も含有していないので、担体は防湿袋に入れ、長期
保存が出来る。
ングリコールゲル担体、ポリビニルアルコールゲル担
体、アルギン酸ゲル担体などの従来のゲル担体はその中
に水と動植物細胞、微生物や原生動物を含有している為
に、動植物細胞、微生物や原生動物が死滅しないように
保存管理を厳密に行わなければならない。
を目的地まで輸送する場合の費用はきわめて大きい。本
発明の熱可塑性ゲル担体は乾燥体のまま運び、反応槽の
中で吸水させて使用するので運搬コストは格段に少なく
て済む。
の高濃度懸濁液に浸漬させて吸水させることにより、所
望の動植物細胞や微生物が大量に付着した熱可塑性ゲル
担体を得ることが可能となり、バイオリアクターの初期
性能を向上することができる。
の含水ゲルと異なり、耐剪断性がきわめて高い。従って
生体触媒として扱う動植物細胞、微生物や原生動物が担
体の外部表面に固定化された状態においてプロペラなど
による効率的な撹拌が可能となる。好気的な生物学的反
応槽において担体を撹拌する場合は、空気などの気体に
よるエアレ−ション撹拌が用いられる。
学的反応槽においてはエアレ−ション撹拌が使用できな
いので、プロペラなどを用いた撹拌をしなくてはならな
い。その際、高度に三次元架橋された熱硬化性担体は耐
剪断性が低く、脆いために、撹拌により崩壊してしま
う。本発明の熱可塑性ゲル担体は式(1)で定義される
水に対する体積膨潤度が150%〜4000%の範囲の
ものが好ましい。
る。25℃の純水に浸漬し、容積変化のなくなった点を
完全膨潤時の体積とする。直方体あるいは立方体の担体
の各辺の長さを測定して体積を求める。計算で体積を求
めにくいもの、例えば円柱状のペレットあるいは破砕後
のチップの場合は以下の方法で絶乾時と完全膨潤時の体
積を求めることができる。
塑性樹脂の比重と、100℃乾燥後のペレットあるいは
チップの重量から求める。完全膨潤時:密栓付きのメス
フラスコを用意し、完全膨潤状態のペレットあるいはチ
ップを適当量メスフラスコに入れ、純水を標線(marked
line)まで充たし、4℃下、1時間放置した後、重量A
(g)を測定する。メスフラスコ内のペレットあるいは
チップを取り出し、メスフラスコと残った純水の重量B
(g)を測定し、以下の式により求める。
物の付着が悪く、含水率が低すぎて含水ゲルとは言い難
い。4000%より大きい体積膨潤度では強度が低下し
過ぎるために実用的ではない。
塑性ポリエチレングリコールゲルや熱可塑性ポリウレタ
ンゲルなどがあげられる。熱可塑性ポリウレタンゲル担
体はウレタン結合によってランダムに頭尾結合させたソ
フトセグメントおよびハードセグメントからなるポリウ
レタン共重合体である。2官能長鎖ジオール化合物、2
官能ジイソシアネート化合物、短鎖ジオール化合物を反
応させることによって合成される。長鎖ジオール化合物
とイソシアネート化合物の反応によって得られるソフト
セグメントは、式(2)で表わされる。
応によって得られるハードセグメントは、式(3)で表
わされる。
酸基がイソシアネートと反応することによって生じる基
の、その末端水酸基を除いた部分を表わしている。これ
らの式におけるXの分子量はゲルの膨潤度などに大きな
影響を及ぼすと考えられ、その分子量は1,000から
13,000が好ましく、さらには4,000から8,
000が好ましい。Xの分子量が小さくなるとソフトセ
グメントの分子量が小さくなり、その結果ゲルの膨潤度
が低くなる傾向が見られ、ゲルの比重が高くなってしま
う。またXの分子量が13,000より大きくなると合
成時に粘度の上昇、溶融温度の上昇などの問題が起こり
好ましくない。
は、水溶性ポリオキシアルキレンジオール(ポリオー
ル)が好ましく、特に1分子中に2個の末端水酸基を有
する水溶性の酸化エチレン・酸化プロピレン共重合ポリ
エーテル系ジオールか、ポリエチレングリコ−ルが好ま
しい。
好ましい。より好ましくは酸化エチレンの含有量が85
%以上である。酸化エチレンの含有量が70%未満では
ゲルの膨潤度が低くなる場合がある。
00以下のジイソシアネート化合物が水酸基と反応する
ことによって生じる基の、そのイソシアネート基が除去
された部分を表わしている。
ては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルエーテルジイソシアネート、トリジンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等があげられる。
下の短鎖ジオールの末端水酸基がイソシアネートと反応
することによって生じる基の、その末端水酸基を除いた
部分を表わしている。
しては、エチレングリコール、1,2―プロピレングリ
コール、1,3―プロピレングリコール、1,3―ブタ
ンジオール、2,3―ブタンジオール、1,4―ブタン
ジオール、1,5―ペンタンジオール、1,6―ヘキサ
ンジオール、2,2―ジメチル―1,3―プロパンジオ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,4―ビ
ス―(β―ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p―キシリ
レンジオール、フェニルジエタノールアミン、メチルジ
エタノールアミン、3,9―ビス―(2―ヒドロキシ―
1,1―ジメチルエチル)一2,4,8,10―テトラ
オキサスピロ〔5,5〕―ウンデカンなどがあげられ
る。
短鎖ジオール化合物の組成比は、各々の分子量やゲルの
所望物性などにより変化させることができる。長鎖ジオ
−ル化合物の分子量にもよるが、長鎖ジオ−ル化合物と
短鎖ジオール化合物のモル比が5:1から1:2の範囲
であることが望ましい。長鎖ジオ−ル化合物の分子量が
大きい場合は、熱可塑性樹脂合成時に粘度が高くなる傾
向があるので、ハードセグメントを形成する短鎖ジオー
ル化合物のモル比は小さくした方が好ましい。また高い
物理強度を維持しつつ、体積膨潤度を上げる場合は、短
鎖ジオール化合物のモル比を大きくすることが好まし
い。
アネート化合物のイソシアネート基数(NCO/OH)
は、0.95〜1.8の範囲が望ましく、さらには1.
0〜1.6であることがより望ましい。このように本発
明においては、ポリマー合成反応が十分に完結したポリ
ウレタン共重合体だけでなく、不完全熱可塑性ポリウレ
タン、すなわち一部イソシアネート基等の活性基の残存
したポリウレタン共重合体を、成形後に架橋を生じさせ
て使用することもできる。
タンゲルの合成方法としては、長鎖ジオール化合物とジ
イソシアネート化合物をあらかじめ反応せしめた後、鎖
伸長剤として短鎖ジオール化合物を反応させるプレポリ
マー法も、反応原料をすべて一時に混合するワンショッ
ト法もいずれも採用することができる。
法を例示したが、水中での体積膨潤度が150%〜40
00%の条件を満足する熱可塑性樹脂であれば、この方
法以外の製造法で製造された熱可塑性吸水ゲルを本発明
に使用することができる。
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
チレングリコールを用い、これを100重量部撹拌機付
き反応釜中に投入し、窒素ガス雰囲気下、110℃で1
時間予備加熱を行いポリエチレングリコール中の水分を
放出させた後、反応釜中の温度を130℃に設定する。
ポリイソシアネート化合物として4,4´―ジフェニル
メタンジイソシアネートを用い、これを25重量部、反
応釜中に添加、2時間撹拌してプレポリマー反応を行
う。鎖長延長剤として1,4―ブタンジオールを用い、
プレポリマー反応終了後に、これを1.19重量部添
加、1時間撹拌した。なお予備加熱後の一連の反応は、
130℃でおこなった。反応終了後、離型処理したバッ
ト上に流延し、100℃で4時間加熱処理を行ない、熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
レタン樹脂組成物を冷却後に細かく粉砕し加熱エクスト
ルーダー(押し出し機)を用い、剪断力を加えつつ18
0〜230℃で加熱溶融を行い、押し出し機のノズルか
ら押し出された直径3mmのストランドを長さ3mmに
切断して円柱状の樹脂成形物を得た。このものを水に膨
潤させ、熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担
体の水に対する体積膨潤度は450%であった。
チレングリコール100重量部、ポリイソシアネート化
合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト8.3重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジオ
ール0.4重量部を用いる他は実施例1と同様にして熱
可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担体の水に対
する体積膨潤度は1600%であった。
エチレングリコール100重量部、ポリイソシアネート
化合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネ
ート5.0重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジ
オール0.24重量部を用いる他は実施例1と同様にし
て熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担体の水
に対する体積膨潤度は2600%であった。
チレングリコール100重量部、ポリイソシアネート化
合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト8.3重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジオ
ール1.53重量部を用いる他は実施例1と同様にして
熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担体の水に
対する体積膨潤度は1400%であった。
チレングリコール100重量部、ポリイソシアネート化
合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト8.3重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジオ
ール0.16重量部を用いる他は実施例1と同様にして
熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担体の水に
対する体積膨潤度は2000%であった。
ーテルジオール(EO/PO=7/3)100重量部、
ポリイソシアネート化合物として4,4´―ジフェニル
メタンジイソシアネート8.3重量部、鎖長延長剤とし
て1,4―ブタンジオール0.4重量部を用いる他は実
施例1と同様にして熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可
塑性ゲル担体の水に対する体積膨潤度は400%であっ
た。
チレングリコール100重量部、ポリイソシアネート化
合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト8.3重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジオ
ール0.4重量部を用いる他は実施例1と同様にして熱
可塑性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
却後に細かく粉砕した物を、加熱エクストルーダーに供
給し、剪断力を加えつつ180〜230℃で加熱溶融を
行い、エクストルーダーのノズルから押し出した。押し
出された直径3mmのストランドが溶融状態にある間に
表面に活性炭を付着せしめ、冷却した後、長さ3mmに
切断して円柱状の樹脂成形物を得た。このものを水に膨
潤させ、熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可塑性ゲル担
体の水に対する体積膨潤度は1600%であった。
ーテルジオール(EO/PO=5/5)100重量部、
ポリイソシアネート化合物として4,4´―ジフェニル
メタンジイソシアネート8.3重量部、鎖長延長剤とし
て1,4―ブタンジオール0.4重量部を用いる他は実
施例1と同様にして熱可塑性ゲル担体を得た。この熱可
塑性ゲル担体の水に対する体積膨潤度は120%であっ
た。
チレングリコール100重量部、ポリイソシアネート化
合物として4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネー
ト10.6重量部、鎖長延長剤として1,4―ブタンジ
オール0.4重量部を用いる他は実施例1と同様にして
熱可塑性ゲル担体を製造した。この担体は水に浸漬する
と発泡しながら膨潤した。
ルコールゲル担体の製造) ポリビニルアルコール粉末(重合度2000、ケン化度
99.8%)を水に溶解してポリビニルアルコール濃度
が12wt%の水溶液500gを作製した。この溶液に
4wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液250gを加え
て混合した。この溶液に日清紡東京工場排水処理活性汚
泥装置の活性汚泥(汚泥濃度1500mg/l)を濃縮
し、汚泥濃度8000mg/lにしたスラリーを250
g加えて均一になるまで混合した。この混合液をノズル
から凝固液に滴下した。
/l濃度の塩化カルシウム水溶液である。滴下した溶液
は球状に凝固した。ゲルを取り出し、飽和硫酸ナトリウ
ム水溶液に移して2時間放置し、ポリビニルアルコール
ゲル担体を得た。この球状ゲルの直径は約4mmであっ
た。
の製造) 熱可塑性でない三次元架橋型のポリエチレングリコール
ジメタクリレート(23G;新中村化学工業(株)社
製)15重量部とジメチルアミノプロピオニトリル0.
6重量部とを水84.4重量部に溶解した。これに過硫
酸カリウム0.2%水溶液35重量部を添加し、よく撹
拌した後、型に流し込みゲル化させた。ゲルを取り出し
て裁断し、ポリエチレングリコールゲル担体を得た。
および体積膨潤度を表1に示す。
ル担体について以下の評価を行なった。結果を表2に示
す。 (1)担体の磨耗強度比較ガラス瓶(直径40mm、長
さ200mm)の内面に耐水サンドペーパー(100
番)を貼った容器に、4mm角の担体30ml(100
mlのメスシリンダーを使用して計量)と水120ml
を加えて、栓をした。この容器をストローク70mm、
回転数150rpmで20時間往復振とうした。その
後、中の担体を取り出し、見開きlmmのふるいを通し
た。ふるいに残った担体の容積を100m1のメスシリ
ンダーを使用して計量した。 磨耗残存率(%)=(試験後ふるいに残った担体のみか
け容積(ml)/30ml)x100 実施例2のゲル担体は排水処理の除去率は比較例3、4
と同程度であったが摩耗残存率が優れていた。
て短期間の排水処理硝化試験を行なった。図1の排水処
理試験装置を用いた。20l容の曝気槽2に2lの担体
と硝化槽汚泥(活性汚泥)5g―SSを添加して、表3
の人口排水を用い、表4の条件で試験を行なった。担体
添加から一ヶ月後、馴養したとみなし、原水と処理水の
アンモニア態チッ素濃度を測定し、担体添加後30日目
から100日目までの平均アンモニア態チッ素除去率を
求めた。結果を表1に示す。
100mm、高さ600mm)に実施例7のゲル担体8
を4l充填し、調整槽14の汚泥懸濁液を散水器13か
ら散水しつつ、注入口11からNH3を含有する空気を
通気し、注入口11と吐出口12のアンモニアガス濃度
を測定した。比較としてピートモスを同量充填したカラ
ムで同様の試験を行なった。なお、図2において15は
散水ポンプ、16はpH計、17はNaOHポンプ、1
8はNaOH槽である。結果を表5に示す。
の硝酸態窒素への分解処理と生物脱臭、特にアンモニア
ガスの分解について例示したが、本発明の熱可塑性ゲル
担体は上記例に限定されず、脱窒過程等の他の排水処理
や生物脱臭等の生体触媒反応にも利用できる。
を含有するにもかかわらず、磨耗強度も高く、親水性で
あるため動植物細胞、微生物や原生動物がその生理活性
を低下させることなく吸着し、微生物の侵食を受けにく
い。
アンモニア態窒素を効率的、高速度に処理できる。又、
担体は使用前長期間保存できる。又、耐剪断性が極めて
高いので槽内での効率的な撹拌が可能となる。
システムの説明図である。
ートモスを使用したNH3含有空気の脱臭処理システム
の説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱可塑性有機高分子化合物であり、且つ
水中における体積膨潤度が150%から4000%であ
ることを特徴とするバイオリアクター用担体。 - 【請求項2】 熱可塑性有機高分子化合物が長鎖及び短
鎖のポリオール化合物とイソシアネート化合物を反応さ
せることにより得られるポリウレタン吸水ゲルである請
求項1記載のバイオリアクター用担体。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のバイオリアクター
用担体を使用した排水処理用担体。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載のバイオリアクター
用担体を使用した脱臭用担体。 - 【請求項5】 長鎖及び短鎖のポリオール化合物とイソ
シアネート化合物を反応させることにより得られる熱可
塑性樹脂を、溶融温度まで加熱することによって可塑化
し、押出機から紐状に押出し、連続切断することによっ
てペレットに成形することを特徴とするバイオリアクタ
ー用担体の製造方法。
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