JP2020028867A - 水処理用の微生物固定化担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性に優れ、なおかつ水処理中の担体の浮揚が低減されることを特徴とする、微生物固定化担体の提供。【解決手段】親水性ポリウレタン樹脂と、前記親水性ポリウレタン樹脂とは親水性が異なる樹脂とを含む微生物固定化担体であって、水により膨潤した前記担体の表面が凹凸構造を有し、かつ、比重が1.01〜1.05であることを特徴とする微生物固定化担体により解決する。【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン樹脂組成物を含む微生物固定化担体に関する。
微生物を用いて生活廃水や工場廃水等を生物化学的に処理する方法が従来から知られており、空気や酸素を大量に曝気して行う好気性処理と、空気等を曝気せずに嫌気性雰囲気下で行う嫌気性処理に大別される。好気性処理の方法としては活性汚泥法が最も広く用いられている。また、嫌気性処理の方法としては、嫌気性微生物の保持等の方法により、グラニュールを用いた上向流嫌気性汚泥床法(UASB)や膨張汚泥床法(EGSB)、膜や担体に嫌気性微生物を固定化した生物膜を用いた方法として嫌気性固定床法や嫌気性流動床法等がある。
無機物や有機物の表面に廃水を浄化する微生物を固定化して廃水を浄化する微生物固定化方法は好気性処理、嫌気性処理の両方で使われる方法であり、廃水中の微生物濃度を高くすることが可能である。従って廃水の浄化効率が向上し、廃水中の有機物濃度が高濃度であったとしても廃水処理が可能となり、浄化槽の小型化が可能であるという利点がある。更に従来法で問題となっていた余剰活性汚泥の発生量が少なくなる、廃水組成及び流量の急激な変化に伴う微生物の死滅が起こりにくいという利点も有する。微生物固定化担体を廃水中に浮遊、流動させて浄化する流動床法は、浄化効率を高くできるだけでなく、担体間の隙間が常時変化しているので閉塞しにくく、長期安定に運転できるため、近年注目を集めている。このような微生物固定化担体としては、例えば親水性ポリウレタン樹脂のマトリックス中に疎水性樹脂の粒子が分散した相分離構造を持つことで担体の親水性と耐久性を良質する技術が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、このような担体では、槽内において発生する微細な気泡が付着し、あるいは付着した微生物により生成されるガスが、そのまま担体に付着して余分な浮力が与えられ浮揚してしまい、ストレーナーの詰まりや接触効率の低下に伴う水処理の効率低下を招く要因となる場合があった。
特開2002−263674号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、流動性に優れ、なおかつ水処理中の担体の浮揚が低減されることを特徴とする、微生物固定化担体を提供することにある。
本発明者は微生物固定性能を向上させるべく鋭意研究を重ねた結果、親水性ポリウレタン樹脂、及び前記親水性ポリウレタン樹脂とは親水性が異なる樹脂を含む担体を用い、その比重及び表面の凹凸構造を最適化することで上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の実施形態を含むものである。
[1]親水性ポリウレタン樹脂(A)と、前記(A)とは親水性が異なる樹脂(B)とを含む微生物固定化担体であって、水により膨潤した前記担体の表面が凹凸構造を有し、かつ、比重が1.01〜1.05であることを特徴とする微生物固定化担体。
[2]前記担体表面の断面における、凹部上端間の平均距離が1〜30μmであることを特徴とする上記[1]に記載の微生物固定化担体。
[3]前記親水性ポリウレタン樹脂(A)がポリオキシエチレンユニットを含むことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の微生物固定化担体。
[4]前記樹脂(B)がポリエチレンであることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の微生物固定化担体。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の微生物固定化担体を含む廃水処理用微生物固定化担体。
[6]上記[5]に記載の廃水処理用微生物固定化担体を用いた廃水処理方法。
本発明の微生物固定化担体を用いることにより、流動性が良く、かつ固定化された微生物の増殖性能が損なわれず、廃水浄化を効率的に行う事ができる。
親水性ポリウレタン樹脂(A)と、(A)とは親水性が異なる樹脂(B)を混合した担体の吸水前の表面の模式図である。 親水性ポリウレタン樹脂(A)と、(A)とは親水性が異なる樹脂(B)を混合した担体の吸水後の表面の模式図である。 担体の流動性試験に用いるリアクターを側面から見た図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において微生物とは、人の肉眼ではその個々の存在が識別できないような微小な生物を指し、例えば、細菌や放線菌などの原核生物、酵母やカビなどの真核生物、下等藻類、ウイルス等が含まれる。これらの微生物が集合し、微生物自身が合成する糊状の多糖類により結合されたものがバイオフィルムである。
また本発明における微生物固定化担体(以下単に担体とも言う。)とは、微生物を固定化することのできる担体である。
本発明における親水性ポリウレタン樹脂とは、水により膨潤するポリウレタン樹脂であって、自重の1.2倍〜20倍量の質量の水を給水する能力を有すことが好ましく、自重の1.2倍〜12倍量の給水能力を有すことがより好ましい。
給水能力は、いわゆるティーバッグ法によって測定することができる。ティーバッグ法では、紅茶のティーバッグのような不織布性のバッグにサンプル(親水性ポリウレタン樹脂(A)等)を封入して水の中に浸漬し、所定時間後に水切りした後、増加した重量を測定する方法である。より具体的にはサンプル10gをイオン交換水1L中に25℃で24時間浸漬した前後の重量から求めることができる。なお、通常は水に浸漬した後24時間以内に吸水量が飽和する。
本発明において、水により膨潤した後の担体の比重の範囲は、1.01〜1.05であり、1.02〜1.05が好ましく、1.02〜1.04が特に好ましい。比重が1.01未満の場合、比重が小さすぎるため担体が浮揚してしまい、また1.05を超えると、担体が十分にリアクター内で流動せずに水処理効率が低下する。なお、水に膨潤する前の担体の比重には特に制限が無い。ここで言う膨潤とは、飽和するまで吸水した状態のことを指す。
次に、本発明における微生物固定化担体の表面の凹凸構造について説明する。表面に凹凸構造を有する微生物固定化担体は、親水性ポリウレタン樹脂(以下、親水性PUとも言う。)と、前記親水性PUとは親水性が異なる樹脂(以下、その他樹脂とも言う。)とを混合しペレット化した樹脂を、水により膨潤させることにより得ることができる。膨潤後の担体の断面模式図が図2である。この場合、親水性PUとその他樹脂とはそれぞれ1μm〜数十μm程度のサイズで相分離している。このような担体は、通常24時間程度で水により十分膨潤し、特に親水性PU相が水を多量に吸って膨らみ、担体表面では凸部分となる。一方、その他樹脂の親水性が親水性PUよりも低い場合は親水性PUよりも水を吸わないため、担体表面では膨らみにくく凹部分となる。なお、水により膨潤する前の担体は図1に示すように凹凸構造は有しない。
担体表面の断面における凹部上端間の距離(以下、凹部サイズとも言う。)は、レーザー顕微鏡観察によって測定することができる。なお、ここで言う凹部とは、周囲に対して1μm以上凹んでいる箇所を指す。まず、精製水に24時間浸漬して膨潤させた担体の表面をレーザー顕微鏡により撮影する。撮影した画像から50μm四方の領域のラインプロファイルから10ヶ所の凹部サイズを計測し、平均したものが平均凹部サイズである。凹部の計測部分は図2に示す通り、凹部の上端間の距離である。解析する画像範囲が50μm四方を超える場合、成形過程で生じた表面の傷や水中の埃等の付着物が画像内に入ってしまい、純粋な担体表面の凹凸構造の評価ができない恐れがあるため好ましくない。
本発明において好適な平均凹部サイズは1〜30μm、好ましくは2〜20μm、更に好ましくは2.5〜15μmである。平均凹部サイズを前記範囲内にすることで、凹部内に気泡が溜まることを防ぎやすくなることから、担体が必要以上に浮揚することを抑えることができる。
本発明における親水性PUは、ポリイソシアネート、ポリオール、及び鎖長剤の反応生成物であることが好ましい。また、該親水性ポリウレタン樹脂は、熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、TPUとも言う。)であることが好ましい。
<イソシアネート化合物>
本発明のポリウレタン樹脂の製造に用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、硫黄原子含有ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート化合物、及びこれらのアロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレトジオン変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、ビュレット変性ポリイソシアネート、ウレトイミン変性ポリイソシアネート、アシルウレア変性ポリイソシアネート等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
・芳香族ポリイソシアネート
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
・芳香脂肪族ポリイソシアネート
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、又はそれらの混合物;1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、又はそれらの混合物;ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等が挙げられる。
・脂肪族ポリイソシアネート
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−α,α’−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、2−イソシアネートプロピル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等が挙げられる。
・脂環族ポリイソシアネート
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、水素化された水添ダイマー酸ジイソシアネート、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2.2.1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2.2.1〕−ヘプタン、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプタン、水素化された水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化された水添トリレンジイソシアネート、水素化された水添キシレンジイソシアネート、水素化された水添テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられる。
・硫黄原子含有ポリイソシアネート
硫黄原子含有ポリイソシアネートとしては、例えば、チオジエチレンジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルフォンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアネートメチルフェニル)スルフィド、4,4’−メトキシフェニルチオエチレングリコール−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジディンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートベンジルジスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシフェニルエチレンスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4−メチル−3−イソシアネートフェニルスルホニル−4’−イソシアネートフェノールエステル、4−メトキシ−3−イソシアネートフェニルスルホニル−4’−イソシアネートフェノールエステル、4−メチル−3−イソシアネートフェニルスルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアネート、ジフェニルスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシフェニルスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネート、4−メチル−3−イソシアナトフェニルスルホニルアニリド−4−メチル−3’−イソシアネート、チオフェン−2,5−ジイソシアネート、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
・ポリイソチオシアネート化合物
ポリイソチオシアネート化合物としては、例えば、1,2−ジイソチオシアネートエタン、1,3−ジイソチオシアネートプロパン、1,4−ジイソチオシアネートブタン、1,6−ジイソチオシアネートヘキサン、p−フェニレンジイソプロピリデンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、1,2−ジイソチオシアネートベンゼン、1,3−ジイソチオシアネートベンゼン、1,4−ジイソチオシアネートベンゼン、2,4−ジイソチオシアネートトルエン、2,5−ジイソチオシアネート−m−キシレン、4,4−ジイソチオシアネート−1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネート−2−メチルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネート−3−メチルベンゼン)、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、4,4’−ジイソチオシアネートベンゾフェノン、4,4’−ジイソチオシアネート−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド−3,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルアミン−4,4’−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソチオシアネート−3,5−トリアジン、ヘキサンジオイルジイソチオシアネート、ノナンジオイルジイソチオシアネート、カルボニックジイソチオシアネート、1,3−ベンゼンカルボニルジイソチオシアネート、1,4−ベンゼンカルボニルジイソチオシアネート、(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボニルジイソチオシアネート、チオビス(3−イソチオシアネートプロパン)、チオビス(2−イソチオシアネートエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアネートエタン)、1−イソチオシアネート−4−〔(2−イソシアネート)スルホニル〕ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、スルフィニルビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアネートベンゼン)、4−イソチオシアネート−1−〔(4−イソシアネートフェニル)スルホニル〕−2−メトキシ−ベンゼン、4−メチル−3−イソチオシアネートベンゼンスルホニル−4’−イソシアネートフェニルエステル、4−メチル−3−イソチオシアネートベンゼンスルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアネート、チオフェノン−2,5−ジイソチオシアネート、1,4−ジチアン−2,5−ジイソチオシアネート、1−イソシアネート−3−イソチオシアネートプロパン、1−イソシアネート−5−イソチオシアネートペンタン、1−イソシアネート−6−イソチオシアネートヘキサン、イソチオシアネートカルボニルイソシアネート、1−イソシアネート−4−イソチオシアネートシクロヘキサン、1−イソシアネート−4−イソチオシアネートベンゼン、4−メチル−3−イソチオシアネート−1−イソチオシアネートベンゼン、2−イソシアネート−4,6−ジイソチオシアネート−1,3,5−トリアジン、4−イソチオシアネート−4’−イソチオシアネートジフェニルスルフィド、2−イソチオシアネート−2’−イソチオシアネートジエチルジスルフィド等が挙げられる。
これらのうち、イソシアネート化合物としては、機械物性や入手の容易さ等の観点から4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。
<ポリオール>
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリオールとしては、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂に親水性を付与するために、ポリエーテルポリオールを少なくとも一種含有することが好ましい。ポリエーテルポリオールは、ポリオール中に90質量%以上含有することが好ましく、100質量%であることがより好ましい。ポリオールの数平均分子量は500〜10000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましく、2000〜9000であることが更に好ましい。この範囲とすることで、良好な力学物性が期待できる。
ポリエーテルポリオール類としては、鎖延長剤として使用し得る後述の低分子ポリオール類等の単独又は2種以上の混合物を開始剤として、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル等、テトラヒドロフラン、エチレンオキサイド等の環状エーテルモノマーの単独又は混合物を公知の方法により付加重合することで得られるものが挙げられる。中でも、ポリウレタン樹脂により良好な親水性を付与するために、構造単位としてポリオキシエチレンユニットを50〜100質量%含むものが好ましく、70〜100質量%含むものが更に好ましい。具体例としては、水酸基を両末端に持ったポリエチレングリコール、ポリプロピレンユニットとポリオキシエチレンユニットを併せ持つグリコール等が挙げられる。また、必要に応じて、適宜ポリテトラメチレンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等も併用することができる。
<鎖長剤>
本発明における鎖長剤は、分子量50以上500以下の低分子ポリオールが好ましく、分子量50以上400以下の低分子ポリオールがより好ましい。このような鎖長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
<親水性ポリウレタン樹脂(A)とは親水性が異なる樹脂(B)>
本発明に用いられる親水性ポリウレタン樹脂(A)とは親水性が異なる樹脂(B)(以下、単に「樹脂(B)」とも言う。)は、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンポリプロピレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカプロラクトン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、また、2種類以上併用しても良い。これらのうち、好ましくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられ、中でもポリエチレンが更に好ましい。
ポリエチレンはポリウレタン樹脂との混合性が良いため、適切な相分離構造サイズが形成しやすい。樹脂(B)の密度は特に限定されないが、900〜990kg/mの範囲にあることが好ましく、905〜960kg/mの範囲にあることが更に好ましい。また、親水性ポリウレタン樹脂(A)よりも親水性が低いことが好ましい。樹脂(B)の形状は特に限定されるものでは無いが、ペレット状、もしくはフレーク状であることが好ましい。なお、本発明における親水性の高低は、前記した給水能力の測定により決めることができ、給水能力が高いほど親水性が高いと言う。
親水性ポリウレタン樹脂(A)と樹脂(B)の組成比は任意に設定できるが、親水性ポリウレタン樹脂(A)と樹脂(B)の質量比率は10/90〜90/10の範囲にあることが好ましく、20/80〜80/20の範囲が更に好ましい。
<微生物固定化担体の製造方法>
本発明の微生物固定化担体は、親水性ポリウレタン樹脂(A)及び樹脂(B)を含む樹脂を所望の形状及び大きさに成形することにより得ることができる。
具体的には、まず、イソシアネート、ポリオール、及び鎖長剤を混合し、加熱処理することで親水性ポリウレタン樹脂を得る。ここで、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他種々の添加剤を添加しても良い。用いる原料の温度及び混合比は、使用する材料によって適宜調整すればよい。次いで、得られた親水性ポリウレタン樹脂を細かく粉砕してフレーク状とする。このフレーク状の親水性ポリウレタン樹脂を押出成形機等を用いて、所望の形状及び大きさになるように成形することで、ペレット状の親水性ポリウレタン樹脂が得られる。それぞれフレーク状、もしくはペレット状の親水性ポリウレタン樹脂と樹脂(B)をドライコンパウンド、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いて混合し、これを押し出し機等を用いて所望の形状及び大きさになるように成形することで担体が得られる。また、必要に応じて各種添加剤等を成形の段階で添加しても良い。また、比重調整等を目的として、適宜フィラー等を混練しても良い。
上記フィラー等を添加する手法としては、フィラーと樹脂とを押し出し機やニーダー等で直接混練しても良く、また高濃度のフィラー等を予めベース樹脂に練りこんだマスターバッチを添加する、マスターバッチ法を用いても良い。マスターバッチを製造する際には、フィラー等の一部又は全部をマスターバッチにする、複数のマスターバッチを用意し、混合して用いる等の方法を用いることができる。また、マスターバッチにするフィラー等に特に制限は無く、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、ゼオライト、シリカ等を使用することができる。
マスターバッチに使用するベース樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限は無いが、例えばポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を好適に用いることができる。マスターバッチにおけるフィラー等の濃度に特に制限は無いが、30〜95質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましい。この範囲を外れると、マスターバッチを用いる経済的な優位性や生産性、分散性等が低下する恐れがある。
マスターバッチの生産方法には、通常のマスターバッチの製造方法を用いればよく、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機、コニーダー、ニーダールーダー等を挙げることができる。
フィラーの混練量は任意に設定できるが、親水性ポリウレタン樹脂(A)と樹脂(B)のブレンド担体の比重調整に用いられるフィラーの比率は、ブレンド担体中0.01〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.05〜8質量%の範囲にあることが更に好ましい。
本発明の親水性ポリウレタン樹脂(A)と樹脂(B)との複合材料(コンパウンド)を得る際の材料の混練方法としては、一般的なコンパウンドに用いられる混練機を用いることができ、例えば、同方向二軸押出機、異方向二軸押出機、コニーダー、単軸押出機、ニーダールーダー等の連続式生産機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等のバッチ式生産機等をあげることができ、これらを複数組み合わせて行ってもよい。混練したものをペレット形状にする場合、通常のコンパウンド加工に用いるペレタイザー等を用いればよい。
更に、混練機に材料を供給する方法として、全ての材料を一度に供給する方法、材料を複数に分けて供給する方法、一部の材料を除いて供給する方法等、樹脂混合物の生産性が高い方法を選択すればよい。例えば、ポンプを用いて押出機のホッパーに直接添加する方法、押出機シリンダーの途中で供給する方法等がある。
本発明の担体の形状としては、例えば、円柱形、球体、立方体、直方体、シート形状、もしくは異形押出しにより断面が円形、楕円形、三角形、四角形以上の多角形、不定形の断面等いかなる形の形状でも構わない。更に、担体の形状としては、これら形状の組み合わせでも良い。ただし、本発明の担体は、担体表面に適切なサイズの凹凸を付与した効果により、微生物が固定化されても気泡付着による浮揚が抑えられることから非多孔質、非発泡体、非中空形状が好ましく、非発泡の円柱形であることが特に好ましい。多孔質、発泡体、中空形状として成形する場合、内部に微生物が侵入してバイオフィルムを形成し、発生した気泡が担体内部に留まり、担体が浮揚する恐れがある。
円柱状の形状に成形するには、例えば、押出機の先端にストランド用の金型(ダイス)を取り付け、樹脂の融点以上の温度で樹脂を押し出すことで成形できる。押し出された成形品を冷却用水槽等で冷却し、ペレット切断用のペレタイザー等の切断機にて所定の大きさに切断して担体とする。また、金型から押し出された直後に、例えば、冷却水を噴霧した雰囲気下で連続回転式カッター等の切断機で連続的に切断、冷却し製造してもよい。
押出成形の温度としては、担体が成形できればよいが、成形温度が高くなると、ポリウレタン樹脂が熱で劣化しやすくなる恐れがあり、逆に成形温度が低すぎると、成形時の押出負荷がかかり生産性の低下や形状のばらつきの原因になる恐れがあるため、120〜250℃の範囲が好ましく、180〜230℃の範囲が特に好ましい。
また、担体を成形する際に材料の混練を兼ねても良く、例えば、同方向二軸押出機、単軸押出機等を用いて成形すればよい。この場合、前述した混練方法と同様に、材料の供給方法は如何なる方法でも制限はないが、材料の供給と分散性等を向上させるために、充填剤等、材料の一部をマスターバッチにて供給することが好ましい。
本発明の担体に微生物を固定化させる方法としては特に制限はなく、例えば、担体を直接廃水に投入して自然に微生物を固定させても良い。また、事前に高濃度に微生物を増殖させた水槽に本発明の担体を入れて微生物を固定させてから取り出し、廃水の浄化槽に投入する、一部の担体に予め微生物を固定させてから浄化槽に投入する等の方法を用いることができる。また、担体の投入量は、浄化する廃水の性状と温度、浄化槽の構造等に応じて、決定すれば良い。なお、本発明における廃水としては、例えば産業廃水や生活廃水等を挙げることができる。
本発明の微生物固定化担体は、化学的に安定であり、長期保存安定性がよいため保存方法に特に制限は無いが、乾燥状態での保存が好ましい。更に、使用済みの担体はマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル等も可能である。
<微生物固定化担体を用いた廃水処理方法>
本発明の微生物固定化担体を用いた廃水処理方法が適用される廃水の組成に制限は無く、産業廃水や生活廃水等の廃水に対して適用できる。用いる廃水処理装置に特に特に制限は無く、公知の方法で製造された廃水処理装置の浄化槽に微生物固定化担体を投入して廃水処理を行う事ができる。担体を直接廃水処理装置に投入して自然に微生物を固定させてから廃水処理を行っても良い。もしくは、事前に高濃度に微生物を増殖させた水槽に本発明の担体を入れて微生物を固定させてから取り出し、廃水の浄化槽に投入して廃水処理を行っても良く、また、一部の担体に予め微生物を固定させてから浄化槽に投入した状態で廃水処理を行っても良い。担体の投入量、浄化槽への廃水の導入量、廃水濃度等の運転条件は廃水の性状と温度、浄化槽の構造等に応じて、適宜決定すれば良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<親水性ポリウレタン樹脂の合成>
容量5Lのステンレス製容器に、ポリオールとして予め100℃で減圧乾燥した数平均分子量6000のポリエチレングリコール(商品名:PEG−6000、三洋化成工業社製)781質量部、鎖長剤として1,4−ブタンジオール(三菱化学社製)41質量部、触媒としてネオスタンU−600(商品名、日東化成社製)0.05質量部を添加し、攪拌羽根を装着したハンドドリルにて1分間攪拌した。ここにイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネートMT、東ソー社製)178質量部を添加し、攪拌羽根を装着したハンドドリルにて2分間攪拌した。なお、一連の反応に使用した原料の温度は、全て100℃に調整した。攪拌終了後、混合物をバット上に流し、105℃で16時間の加熱処理を行い、親水性ポリウレタン樹脂を得た。この親水性ポリウレタン樹脂を、樹脂用粉砕機を用いて細かく粉砕してフレーク状とした。この親水性ポリウレタン樹脂の給水能力を測定した結果、自重の4倍量の給水能力を示した。
<微生物固定化担体の製造>
<実施例1>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂とポリエチレン(商品名:ペトロセン175K、東ソー社製、以下同様、PEと表す。ほとんど給水せず、給水能力は親水性ポリウレタン樹脂よりも低い。)とを75:25(質量比)でドライコンパウンドした。これを加熱した押し出し機にて、せん断力を加えながら180〜230℃で加熱溶融を行い、ストランドダイスから直径約5mmのストランドを得た。このストランドを長さ5mmに切断して円柱状の担体(C−1)を得た。後述の評価方法に示す方法により、レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは1.8μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.04であった。
<実施例2>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂とポリエチレンとを50:50(質量比)でドライコンパウンドし、実施例1と同様の手順で円柱状の担体(C−2)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは6.1μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.03であった。
<実施例3>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂とポリエチレンとを40:60(質量比)でドライコンパウンドし、実施例1と同様の手順で円柱状の担体(C−3)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは4.9μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.01であった。
<実施例4>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂とポリエチレンに加え、比重調整のためのフィラーとして、ポリエチレンに炭酸カルシウムが80質量、%混合された比重1.9のマスターバッチペレット(炭カルMB)(商品名:MFP−CLLAR、白石カルシウム社製)を25:75:6.9(質量比)でドライコンパウンドし、実施例1と同様の手順で円柱状の担体(C−4)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは2.4μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.03であった。
<比較例1>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂を、加熱した押し出し機にてせん断力を加えながら180〜230℃で加熱溶融を行い、ストランドダイスから直径約5mmのストランドを得た。このストランドを長さ5mmに切断して円柱状の担体(C−5)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは0.2μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.06であった。
<比較例2>
上記で得られた親水性ポリウレタン樹脂とポリエチレンを25:75(質量比)でドライコンパウンドし、実施例1と同様の手順で円柱状の担体(C−6)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは2.2μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、0.97であった。
<比較例3>
ポリエチレンを、加熱した押し出し機にてせん断力を加えながら180〜230℃で加熱溶融を行い、ストランドダイスから直径約5mmのストランドを得た。このストランドを長さ5mmに切断して円柱状の担体(C−7)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは0.9μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、0.92であった。
<比較例4>
ポリエチレンと実施例4で用いたポリエチレンに炭酸カルシウムが80質量%混合された比重1.9のマスターバッチペレットを100:12.6(質量比)でドライコンパウンドし、実施例1と同様の手順で円柱状の担体(C−8)を得た。レーザー顕微鏡で観察した結果、平均凹部サイズは0.8μmであった。水に24時間浸漬して膨潤させた後に比重計を用いて比重を測定したところ、1.03であった。
<評価方法>
(1)凹部形状、サイズの評価
作製した担体を25℃の精製水中に24時間浸漬させ、その後大気中に取り出し、観察直前にろ紙で観察面の水分を吸い取り、レーザー顕微鏡を用いて表面の凹凸形状を観察した。レーザー顕微鏡はキーエンス製VK−9500/VK−9510を用いた。レーザー顕微鏡により得られた画像から、平均凹部サイズを算出した。
(2)担体の流動性評価
担体の流動性を図3を用いて説明する。内径12cmのアクリル製円筒に2Lの水と、水に浸漬して24時間経過した担体100mLを投入し、トルネード用攪拌羽根(商品名:TB−80、アズワン社製)を静置水面から水深の90%の位置に攪拌羽根の先端が位置するようにセットし、電動モーターにより50rpmで攪拌した。攪拌時に担体が舞い上がり、水面からの距離が水深の20%以上80%未満の範囲に、投入した担体量の30体積%以上が存在する場合、流動性Aとした。前記範囲に、投入した担体量の20体積%以上30体積%未満が存在する場合、流動性Bとした。水面からの距離が水深の20%未満の位置に、投入した担体の80体積%を超える量が存在する場合、流動性Cとし、水面からの距離が水深の80%を超える位置に、投入した担体の80体積%を超える量が存在する場合、流動性Dとした。流動性AまたはBの場合、流動性良好と言える。
<脱窒細菌の培養条件>
下記の担体の浮揚性能の評価に用いる脱窒細菌含有微生物群の種菌として、主に観賞魚用の微生物添加剤として販売されている水分散体微生物群であるSUPER BICOM 78(商品名、バイコム社製)を2ヵ月間培養したものを用いた。培養条件は、硝酸イオンを窒素源として含有する合成廃水(NO−N300mg/L、メタノール―TOC900mg/L)を流入水とし、溶媒となる水は水道水を用いた。また、pHの変動による硝化細菌の失活および死滅を防ぐため、0.1規定の塩酸及び0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、リアクター内の処理水のpHを常時7.2に調節した。水温は30℃、原水は滞留時間を24hに調節して導入し、負荷を調節した。
(3)担体の浮揚性能の評価
図2に示す装置を用い、担体C−1〜C−8について、それぞれ廃水処理実験を行った。担体の充填率を5体積%とし、2Lのリアクターに充填した。なお、この円筒形の2Lリアクターの内径は図1に示した円筒と同様の12cmである。この2Lのリアクターに上記脱窒細菌含有微生物群200mLを種汚泥として投入した。流入水として、硝酸イオンを窒素源として含有する合成廃水(NO−N300mg/L、メタノール―TOC900mg/L)を用い、連続処理を行った。連続処理の条件は、pHの変動による微生物の失活および死滅を防ぐため、0.1規定の塩酸及び0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、リアクター内の処理水のpHを常時7.2に調節した。水温は30℃、原水は滞留時間を5〜24hに調節して導入し、負荷を調節した。一カ月間の培養を行い、担体の浮揚を確認した。静置水面から水深の20%の位置を基準として、投入した担体量の50体積%以上が基準位置以下に存在する場合は浮揚性Aとし、基準位置より上に存在する場合は浮揚性Cとした。浮揚性Aであれば良好と言える。
(4)微生物付着量の評価
下記に示す方法により、担体への微生物付着量の評価を行った。なお、微生物付着量の評価に用いた担体は、上記の担体の浮揚性能の評価で1ケ月間の培養を行ったリアクターから適量を採取したものを用いた。リアルタイムPCR法により担体1g当たりに付着している微生物由来の全真正細菌の16SrDNAのコピー数を定量し、これを微生物付着量とした。リアルタイムPCRのためのDNA抽出操作は担体及び細胞の物理的破壊およびMORA−EXTRACT kit(極東製薬工業製)を用いた。リアルタイムPCRのためのプライマー及びスタンダードはそれぞれ341f−534r及びEscherichia coli JCM 1649を用いた。リアルタイムPCR装置及び試薬はRotor−Gene Q(QIAGEN社製)及びTB Green Premix Ex TaqII(Tli RNaseH Plus、タカラバイオ社製)を用いた。微生物付着量は、指数部分のオーダーが同じであれば実質的に差が無いと言える。
Figure 2020028867
これら実施例に示す通り、本発明の微生物固定化担体においては、流動性、浮揚性について良好な結果が得られた。よって、本発明の固定化担体を用いることで効率的な水処理が可能となることが明らかとなった。
1.親水性ポリウレタン樹脂及び親水性ポリウレタン樹脂とは親水性が異なる樹脂からなる担体表面(水に膨潤する前)、2.親水性ポリウレタン樹脂相、3.親水性ポリウレタン樹脂とは親水性が異なる樹脂相、4.親水性ポリウレタン樹脂及び親水性ポリウレタン樹脂とは親水性が異なる樹脂からなる担体表面(水に膨潤した後)、5.凹部の測定箇所、6.円筒型容器、7.担体、8.攪拌羽根、9.水面

Claims (6)

  1. 親水性ポリウレタン樹脂(A)と、前記(A)とは親水性が異なる樹脂(B)とを含む微生物固定化担体であって、水により膨潤した前記担体の表面が凹凸構造を有し、かつ、比重が1.01〜1.05であることを特徴とする微生物固定化担体。
  2. 前記担体表面の断面における、凹部上端間の平均距離が1〜30μmであることを特徴とする、請求項1に記載の微生物固定化担体。
  3. 前記親水性ポリウレタン樹脂(A)が、ポリオキシエチレンユニットを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の微生物固定化担体。
  4. 前記樹脂(B)が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の微生物固定化担体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の微生物固定化担体を含む廃水処理用微生物固定化担体。
  6. 請求項5に記載の廃水処理用微生物固定化担体を用いた廃水処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115417627A (zh) * 2022-08-15 2022-12-02 洛阳市誉龙净水材料有限公司 常温免烧低密度除磷填料的低碳制备方法

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