JP2003230892A - 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法 - Google Patents

耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法

Info

Publication number
JP2003230892A
JP2003230892A JP2002340389A JP2002340389A JP2003230892A JP 2003230892 A JP2003230892 A JP 2003230892A JP 2002340389 A JP2002340389 A JP 2002340389A JP 2002340389 A JP2002340389 A JP 2002340389A JP 2003230892 A JP2003230892 A JP 2003230892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
water
bioreactor
resin
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002340389A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaya Satou
貴哉 佐藤
Tsutomu Uehara
孜 上原
Yoshiyuki Matsumura
嘉之 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP2002340389A priority Critical patent/JP2003230892A/ja
Publication of JP2003230892A publication Critical patent/JP2003230892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な水膨潤性、適度な体積膨潤度、更には
適度な比重を有するとともに、特に耐薬品性に優れてい
て、高濃度に薬品を含有する有機性排水の微生物処理に
適したバイオリアクター用担体、このものを効率よく製
造する方法、及びその使用方法を提供すること。 【解決手段】 特定の(A)水膨潤性熱可塑性樹脂と、
特定の(B)該(A)成分に対する相溶性樹脂と、場合
により(C)無機フィラーを含み、かつ体積膨潤度が1
20〜3000%に、あるいはさらに、水膨潤時の比重
が0.98〜2.12の範囲に制御された耐薬品性バイ
オリアクター用担体、並びに、高濃度に薬品を含有する
有機性排水中の窒素を微生物により硝化・脱窒素する方
法において、微生物固定化用担体として、上記耐薬品性
バイオリアクター用担体を用いる有機性排水の脱窒素処
理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性バイオリ
アクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、適度な水膨潤性、
適度な体積膨潤度、更には適度な比重を有するととも
に、特に耐薬品性に優れていて、高濃度に薬品を含有す
る有機性排水の微生物処理に適したバイオリアクター用
担体、このものを効率よく製造する方法、及び上記担体
を用い、微生物により有機性排水の脱窒素処理を効果的
に行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイオリアクターに用いられる担体は、
多孔質担体とゲル担体に大別することができる。多孔質
担体としてはポリウレタン多孔体、セルロース担体、ポ
リプロピレン多孔体、ポリビニルホルマール多孔体、セ
ラミックス多孔体などがある。これらの担体は多孔体で
あるので大きな表面積を有し、多孔表面に動植物細胞、
微生物や原生動物を結合固定して用いる場合が多い。し
かしながら、ポリウレタン、ポリプロピレン多孔体は疎
水性であるため、水中流動性に劣り、且つ動植物細胞、
微生物や原生動物が結合しにくい欠点が有る。セルロー
ス多孔体は微生物の侵食を受け耐用年数が低い。ポリビ
ニルホルマール多孔体は工業的製造方法が確立されてい
ない等の欠点が有る。また、セラミックスは比重が高い
ために水中で流動させることができないので、使用方法
が制限されるのを免れない。
【0003】一方、ゲル担体としては、ポリアクリルア
ミドゲル担体、ポリエチレングリコールゲル担体、ポリ
ビニルアルコールゲル担体、アルギン酸ゲル担体、さら
には熱可塑性吸水ゲル担体(例えば、特許文献1参照)
などが知られている。これらのゲル担体では、ゲル中に
動植物細胞、微生物や原生動物を包括固定して用いるこ
とが一般的であるが、ゲル表面に動植物細胞、微生物や
原生動物を結合固定して用いることもできる。上記ゲル
担体は、高度に水分を含有するため、一般に生体に対す
る親和性が高く、動植物細胞、微生物や原生動物に好適
な生息環境を与えるが、上記担体の中で、ポリアクリル
アミドゲル担体、ポリエチレングリコールゲル担体、ポ
リビニルアルコールゲル担体、アルギン酸ゲル担体は、
物理的強度が必ずしも充分ではなく、反応槽中で使用中
に摩耗したり、崩壊するおそれがある。その上、これら
の担体は一度決まった形状に成形したら、再び溶融させ
て別の形状に変えることは不可能である。したがって、
一般的には切断により、所要のサイズにする場合が多
い。含水し、膨潤したゲルを数ミリサイズのサイコロ状
などに切断する工程は大変な手間を要し、その結果、こ
れらのゲル担体の製造はきわめて煩雑であり、製造時間
とコストが著しく大きいという欠点がある。
【0004】これに対し、熱可塑性ポリウレタン吸水ゲ
ル担体で代表される熱可塑性吸水ゲル担体は、物理的強
度が高く、かつ工業的に大量生産が可能である上、親水
性であるため、動植物細胞、微生物や原生動物が、その
生理活性を低下させることなく吸着し、かつ微生物の侵
食を受けにくいなどの長所を有し、バイオリアクター用
担体として好適である。このような熱可塑性吸水ゲル担
体においては、体積膨潤度は重要な特性の一つであり、
例えばこの体積膨潤度が小さすぎると吸水性が低すぎて
微生物の付着が悪くなり、また大きすぎると物理的強度
が低くなり、耐久性に劣ったり、実用に耐えないものに
なったりする。一般家庭排水や特殊な工場排水、更には
ゴミ埋め立て処分場からに浸出液等の、高濃度の薬品を
含む有機排水については、優れた耐薬品性が要求される
ことから、従来はバイオリアクター用担体、特に、含水
ゲル担体を使用することは行われておらず、次亜塩素酸
や、酸、アルカリに腐食されないポリエチレンやポリプ
ロピレンが主として使用されていた。
【0005】
【特許文献1】特開平10−136980号公報(第2
頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、適度な水膨潤性、適度な体積膨潤度、更には
適度な比重を有するとともに、特に耐薬品性に優れてい
て、高濃度に薬品を含有する有機性排水の微生物処理に
適したバイオリアクター用担体、このものを効率よく製
造する方法、及びその使用方法を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の水膨潤
性熱可塑性樹脂と、特定の、該樹脂に対する相溶性樹脂
とを成形時に配合し、押出機を用いて所望形状に成形す
ることにより、また、該水膨潤性熱可塑性樹脂に、その
製造時及び/又は成形時に無機フィラーを配合すると共
に、成形時に該相溶性樹脂を配合し、押出機を用いて所
望形状に成形することにより、それぞれ体積膨潤度及び
体積膨潤度と比重とが制御されると共に、優れた耐薬品
性を有するバイオリアクター用担体が得られることを見
出した。そして、このバイオリアクター用担体を、高濃
度に薬品を含有する有機性排水中の窒素を微生物により
硝化・脱窒素するに際し、微生物固定化用担体として用
いることにより、該有機性排水を効果的に脱窒素処理し
得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、(1)(A)下記(A
1)、(A2)、(A3)及び(A4)から選ばれた水膨潤性熱可塑性
樹脂と、(B)下記(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)から選ば
れた該(A)成分に対する相溶性樹脂とを含み、かつ体
積膨潤度が120〜3000%の範囲に制御されている
ことを特徴とする耐薬品性バイオリアクター用担体、 (A1)分子量3000〜12000のポリエチレングリコ
ール又は該ポリエチレングリコール及び1,4−ブタン
ジオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを反応
させて得られるポリウレタン樹脂 (A2)N−ビニルアセトアミドの重合体架橋物又は共重合
体架橋物 (A3)ノニオン型のポリアルキレンオキサイド系熱可塑性
樹脂 (A4)ポリアクリル酸塩の架橋物 (B1)ポリエーテル系エラストマー (B2)ポリエステル系エラストマー (B3)エチレン−アクリル酸共重合樹脂 (B4)酸変性ポリエチレン
【0009】(2)更に(C)無機フィラーを含み、か
つ水膨潤時の比重が0.98〜2.12の範囲に制御さ
れていることを特徴とする前記(1)の耐薬品性バイオ
リアクター用担体、(3)(C)成分が、平均粒径0.
1〜50μm及び比重1.5以上の無機フィラーである
前記(2)の耐薬品性バイオリアクター用担体、(4)
(A)成分と(B)成分との合計100重量部当たり、
(C)成分1〜350重量部を含む請求項2又は3に記
載の耐薬品性バイオリアクター用担体、(5)(A)成
分と(B)成分との含有割合が、重量比90:10ない
し10:90である前記(1)ないし(4)のいずれか
の耐薬品性バイオリアクター用担体、
【0010】(6)前記(1)に規定された(A)水膨
潤性熱可塑性樹脂に、前記(1)に規定された(B)相
溶性樹脂を配合したのち、加熱溶融して押出機からスト
ランド状に押出し、連続切断することを特徴とする、体
積膨潤度が120〜3000%の範囲に制御された耐薬
品性バイオリアクター用担体の製造方法、(7)前記
(1)に規定された(A)水膨潤性熱可塑性樹脂に、前
記(1)に規定された(B)相溶性樹脂及び(C)無機
フィラーを配合したのち、加熱溶融して押出機からスト
ランド状に押出し、連続切断することを特徴とする、体
積膨潤度が120〜3000%の範囲及び水膨潤時の比
重が0.98〜2.12の範囲に制御された耐薬品性バ
イオリアクター用担体の製造方法、(8)樹脂製造時に
無機フィラーが添加されてなる前記(1)に規定された
(A)水膨潤性熱可塑性樹脂に、前記(1)に規定され
た(B)相溶性樹脂又は前記(1)に規定された(B)
相溶性樹脂及び無機フィラーを配合したのち、加熱溶融
して押出機からストランド状に押出し、連続切断するこ
とを特徴とする、体積膨潤度が120〜3000%の範
囲及び水膨潤時の比重が0.98〜2.12の範囲に制
御された耐薬品性バイオリアクター用担体の製造方法、
【0011】(9)高濃度に薬品を含有する有機性排水
中の窒素を微生物により硝化・脱窒素する方法におい
て、微生物固定化用担体として、前記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の耐薬品性バイオリアクター用
担体を用いることを特徴とする有機性排水の浄化方法、
及び(10)前記(1)ないし(5)のいずれかに記載
のバイオリアクター用担体を硝化工程と脱窒工程の両方
に交互に繰返し使用する前記(9)の有機性排水の浄化
方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の耐薬品性バイオリアクタ
ー用担体には、無機フィラーを含まないものと無機フィ
ラーを含むものとの二つの態様がある。本発明の耐薬品
性バイオリアクター用担体における(A)成分の水膨潤
性熱可塑性樹脂は、前記の如く、下記(A1)、(A2)、(A3)
及び(A4)から選ばれる。 (A1)分子量3000〜12000のポリエチレングリコ
ール又は該ポリエチレングリコール及び1,4−ブタン
ジオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを反応
させて得られるポリウレタン樹脂 (A2)N−ビニルアセトアミドの重合体架橋物又は共重合
体架橋物 (A3)ノニオン型のポリアルキレンオキサイド系熱可塑性
樹脂 (A4)ポリアクリル酸塩の架橋物
【0013】(A1)のポリウレタン樹脂としては、ピュア
なジフェニルメタンジイソシアネート2モルに対し、実
質1モルの前記ポリエチレングリコール又は実質1モル
の前記ポリエチレングリコール及び実質0.25モルの
1,4−ブタンジオールを反応させて得られたものが、
適当である。ジフェニルメタンジイソシアネートに前記
ポリエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの
両方を反応させる場合には、ポリエチレングリコールと
ジフェニルメタンジイソシアネートとをあらかじめ反応
せしめた後、1,4−ブタンジオールを反応させるプレ
ポリマー法及び反応原料をすべて一時に混合するワンシ
ョット法のいずれも採用することができる。(A2)のN−
ビニルアセトアミドの重合体架橋物又は共重合体架橋物
において、N−ビニルアセトアミドの共重合体は、50
モル%以下の他のエチレン性不飽和化合物、例えばメタ
クリルアミド、メチルアクリレート等を共重合させたも
のであり、架橋剤は、分子内に2個以上の不飽和結合を
有し、N−ビニルアセトアミドと良好な共重合性を示す
化合物、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベ
ンゼン等であり、原料化合物に対して、架橋剤/単量体
の比がモル比で、10/90〜0.0001/99.9
999の範囲で使用される。N−ビニルアセトアミドの
重合体架橋物としては、例えば、NVAポリマー NA
−010の商品名(昭和電工株式会社製)で市販されて
ものが、使用し得る。
【0014】(A3)のノニオン型のポリアルキレンオキサ
イド系熱可塑性樹脂としては、例えば、アクアコークT
WBの商品名(住友精化株式会社製)で市販されてもの
が、使用し得る。(A4)のポリアクリル酸塩の架橋物とし
ては、例えば、アクアキープSA60NTYPEiiの商
品名(住友精化株式会社製)で市販されているものが使
用し得る。
【0015】本発明の耐薬品性バイオリアクター用担体
においては、担体の体積膨潤度を制御するために、
(B)成分として、前記(A)成分の水膨潤性熱可塑性
樹脂に対する相溶性樹脂が配合される。ここで、相溶性
樹脂とは、(A)成分に(B)成分を任意の割合で混合
し、その混合物の融点より30℃高い温度で加熱溶融さ
せた場合、実質上相分離が生じない樹脂のことを意味す
るが、本発明においては、前記の如く、下記(B1)、(B
2)、(B3)及び(B4)から選ばれる。 (B1)ポリエーテル系エラストマー (B2)ポリエステル系エラストマー (B3)エチレン−アクリル酸共重合樹脂 (B4)酸変性ポリエチレン
【0016】(B1)のポリエーテル系エラストマーとして
は、モビロンP24Tの商品名(日清紡績株式会社製)
で市販されているものが、使用し得る。 (B2)のポリエステル系エラストマーとしては、モビロン
F24Tの商品名(日清紡績株式会社製)で市販されて
いるものが、使用し得る。 (B3)のエチレン−アクリル酸共重合樹脂としては、ノバ
テックEAAの商品名(日本ポリケム株式会社製)で市
販されているものが、使用し得る。 (B4)の酸変性ポリエチレンとしては、例えば、モディッ
クAPの商品名(三菱化学株式会社製)で市販されてい
るものが、使用し得る。
【0017】これらの相溶性樹脂は単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。前記(A)
成分の水膨潤性熱可塑性樹脂とこの(B)成分の相溶性
樹脂との含有割合は、担体の所望の体積膨潤度、用いる
水膨潤性熱可塑性樹脂の体積膨潤度、無機フィラーの種
類や量などに左右されるが、一般的には、(A)成分と
(B)成分との重量比が、90:10ないし10:90
の範囲になるように選定される。(A)成分の水膨潤性
熱可塑性樹脂と(B)成分の相溶性樹脂とは種々の組み
合わせを採ることができるが、特に(A1)と(B1)、(A1)と
(B2)、(A2)と(B1)および(A2)と(B2)の組み合わせが好ま
しい。
【0018】本発明の耐薬品性バイオリアクター用担体
の体積膨潤度は120〜3000%の範囲で選定され
る。この体積膨潤度が120%未満では吸水性が低すぎ
て微生物の付着が悪く、一方3000%を超えると強度
が低下しすぎて実用的でない。微生物の付着及び強度な
どを考慮すると、好ましい体積膨潤度は、150〜10
00%の範囲である。なお、この体積膨潤度は、式
(I) 体積膨潤度(%)=〔水中での完全膨潤時の体積(cm3 )/絶乾時の体積(c m3 )〕×100 ・・・(I) によって求められる値である。ここで、100℃で乾燥
し、重量減少がなくなった点を絶乾とする。また、25
℃の純水に浸漬し、容積変化のなくなった点を完全膨潤
時の体積とする。
【0019】本発明の耐薬品性バイオリアクター用担体
において、(C)成分の無機フィラーとしては特に制限
はなく、例えば硫酸バリウム、シリカ、カオリン、ケイ
砂、ケイソウ土、重晶石、タルク、アルミナ、酸化チタ
ン及び酸化鉄などを好ましく用いることができる。これ
らは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。この無機フィラーは、後述の製造方法におい
て説明するように、水膨潤性熱可塑性樹脂の製造時及び
/又は担体を製造するための成形時に配合される。
【0020】この無機フィラーとしては、平均粒径が、
好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.5〜
30μmの範囲にあり、かつ比重(真比重、以下同じ)
が、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0〜
6.0の範囲にあるものを用いるのが有利である。 本
発明で用いる無機フィラーの比重の例を示すと、硫酸バ
リウム4.3、シリカ2.2、カオリン2.4、ケイ砂
2.56、ケイソウ土2.15〜2.31、重晶石4.
5、タルク2.6〜2.8、アルミナ3.99、酸化チ
タン3.8〜4.1及び酸化鉄5.2である。また、該
無機フィラーの含有量は、担体の所望比重、や使用する
相溶性樹脂の種類や無機フィラーの比重などにより左右
されるが、一般的には、(A)成分と(B)成分との合
計100重量部当たり、1〜350重量部、好ましくは
10〜300重量部の範囲で選定される。本発明の耐薬
品性バイオリアクター用担体の水膨潤時の比重は、反応
槽内で微生物の担体への付着、結合固定化が定常状態に
達した際、該担体が反応槽内で均一に流動し得るため、
0.98〜2.12の範囲、好ましくは0.98〜1.
85の範囲に制御される。なお、担体の水膨潤時の比重
は、担体を25℃の純水に浸漬し、容積変化のなくなっ
た点を完全膨潤時の体積とし、その際の重量と該体積と
から求めた値である。
【0021】本発明の耐薬品性バイオリアクター用担体
の大きさや形状については、特に制限はないが、外表面
積をなるべく大きく採るには、例えばサイコロ状、円柱
状、球状が好ましい。また、粒度の揃ったチップ状で用
いることもできる。具体的には、1辺が1〜10mmの
サイコロ状や、直径1〜10mm、長さ1〜10mmの
円柱状、直径1〜10mmの球状などが好適である。本
発明の耐薬品性バイオリアクター用担体は、以下に示す
本発明の方法により、効率よく製造することができる。
まず、無機フィラーを含まない耐薬品性バイオリアクタ
ー用担体の製造においては、水膨潤性熱可塑性樹脂の成
形時に、相溶性樹脂を、得られる担体の体積膨潤度が所
望の値になるように配合して溶融成形する方法が用いら
れる。
【0022】一方、無機フィラーを含む耐薬品性バイオ
リアクター用担体の製造においては、(1)水膨潤性熱
可塑性樹脂の製造時に無機フィラーを添加せずに、成形
時に相溶性樹脂と無機フィラーを、得られる担体の体積
膨潤度及び水膨潤時の比重が、それぞれ所望の値になる
ように配合して溶融成形する方法、(2)水膨潤性熱可
塑性樹脂の製造時に得られる担体の水膨潤時の比重が所
望の値になるように添加し、成形時には無機フィラーを
配合せずに相溶性樹脂のみを、得られる担体の体積膨潤
度が所望の値になるように配合して溶融成形する方法、
(3)水膨潤性熱可塑性樹脂の製造時に無機フィラーを
添加し、成形時に相溶性樹脂と無機フィラーとを、得ら
れる担体の体積膨潤度及び水膨潤時の比重が、それぞれ
所望の値になるように配合して溶融成形する方法が用い
られる。なお、無機フィラーの中で、硫酸バリウム、カ
オリン、ケイソウ土、タルクなどは、通常水分が含まれ
ているため、成形時に配合する場合、このままでは水膨
潤性樹脂を膨潤させるおそれがあるので、予め脱水処理
したものを用いることが好ましい。水膨潤性樹脂製造時
に添加する場合は、脱水処理をする必要はない。
【0023】溶融成形は、押出機を用いて加熱溶融して
ストランド(紐)状に押出したのち、適当な長さに連続
切断することにより、行われる。なお、この成形時に
は、前記の比重調整用無機フィラー以外に、動植物細胞
や微生物などの付着性を向上させるために、活性炭、カ
ーボン粉末、ゼオライトなどの無機粉末を加えてもよ
い。また、押出機から押し出されたストランドの表面
に、該無機粉末を付着させたのち、切断することもでき
る。このようにして得られた本発明の耐薬品性バイオリ
アクター用担体は、水膨潤性を有し、親水性が高く、多
量の水分を蓄える性質を有し、動植物細胞、微生物や原
生動物に対する親和性が高い。該担体は、動植物細胞、
微生物や原生動物の存在する培養液や被処理水中に投入
して用いる。担体はきわめて生体に対する親和性が高い
ため、水中に存在する動植物細胞、微生物や原生動物は
担体表面に付着し、増殖する。特にアンモニア酸化細
菌、亜硝酸酸化細菌、他のアンモニアの硝化細菌、脱窒
細菌、糸状菌などの粘着性の強い動植物細菌、微生物や
原生動物が、その表面に付着し、結合固定される。
【0024】また、本発明の担体は、耐剪断性が高いの
で、生体触媒として扱う動植物細胞、微生物や原生動物
が担体の外部表面に多量高密度に固定化された状態にお
いてプロペラなどによる効率的な攪拌が可能となる。さ
らに、比重を特定の範囲に制御し得るので、反応槽にお
ける均一な流動が可能となり、効率よく微生物反応など
を進行させることができる。次に、本発明の有機性排水
の脱窒素処理方法について説明する。本発明の脱窒素処
理方法においては、有機性排水中の窒素を微生物により
硝化・脱窒素するに際し、微生物固定化用担体として、
前述の本発明の耐薬品性バイオリアクター用担体が用い
られる。排水中のアンモニア態窒素は活性汚泥中に存在
する硝酸菌により硝酸に変換され、硝酸は脱窒菌によ
り、窒素まで変換され大気中に放出される。しかし、硝
酸菌はきわめて生育が遅い菌であるため、浮遊微生物群
すなわち活性汚泥中の濃度は余り高くない。したがっ
て、一般の排水処理に用いられている活性汚泥法では十
分にアンモニア態窒素を処理することができない。
【0025】活性汚泥においては、BOD資化菌のよう
な増殖の速い菌が存在しており、そのため、BOD資化
菌ばかりが増えて、硝酸菌のような増殖の遅い菌は増殖
できないことになる。その結果、活性汚泥中の硝酸菌濃
度はいつも低い結果となる。このような系に、本発明の
担体を適用すると、硝酸菌は粘着性が強いために、該担
体の平滑表面にも付着するが、粘着性があまり強くない
BOD資化菌のような微生物は担体表面に付着しにく
い。その結果、担体表面においては、硝酸菌が優先的に
高濃度に増殖することになり、この硝酸菌により、アン
モニア態窒素は極めて効率的かつ高速度に生物学的に処
理される。また、本発明の担体は、前述のように、長期
の機械攪拌に耐え得る物理的強度、耐久性をもつ、かつ
吸水膨潤して高分子ゲル構造を持つことから凹凸を設け
なくても脱窒菌が強固に結合固定されることが確認され
た。本発明に使用する担体は、好気条件である硝化工程
と嫌気条件である脱窒工程の両方に使用可能であること
から、各種脱窒素活性汚泥法に適用可能である。特に嫌
気槽と好気槽とに別々の担体を投入し、各槽で向流の担
体返送が必要となる各種担体添加硝化液循環返法と比較
して、嫌気好気の担体区分が無くなると共に担体返送を
硝化液循環と同様に行うことができる。また従来は担体
添加例の少ない各種間欠曝気法、オキシデーションディ
ッチ法にも好適である。
【0026】本発明においては、例えば、本発明の耐薬
品性バイオリアクター用担体を処理槽内に留めた状態
で、被処理排水を連続的又は間欠的に処理槽内に供給す
ると共に処理条件を硝化条件と脱窒条件とに交互に繰り
返し変更する方法などにより、同じ微生物担体を硝化条
件と脱窒条件とに交互に繰り返し使用することが可能で
あり、嫌気好気サイクルの回数や1サイクルの時間等に
限定はない。脱窒素活性汚泥法に微生物固定化用担体を
添加する例では、運転初期に長期の馴養が必要という問
題があり、従来では包括固定化した担体を使用すること
によって解決を図っている。しかしながら、本発明にお
いては、好気条件と嫌気条件の両環境下で担体を併用す
ることにより、硝化能と脱窒能を持つ微生物担体が得ら
れるだけでなく、どちらか一方の環境のみで馴養期間を
短縮することが可能となる。
【0027】本発明に用いる担体を活性汚泥の存在下、
硝化菌の増殖する好気条件で馴養すると、担体表面に硝
化菌が、それを覆うようにせん毛虫類等の原生動物が密
生する。この担体を脱窒菌の増殖する嫌気条件下に移し
変えると脱窒菌が担体に吸着され、強固に固定化される
ことを本発明者らは発見した。この現象は1サイクルだ
けに限らず、好気、嫌気の条件を繰り返す毎に硝化能、
脱窒能両方の起ち上がりが速くなることが確認された。
これは微生物同士の凝集力や脱窒菌が通性嫌気性である
ことに関係があると考えられる。次に、図面を参照して
本発明をさらに具体的に説明する。図1は、本発明の一
実施態様を示す排水の硝化脱窒装置の系統図である。図
1において、生物処理槽1内には散気管2及び攪拌羽根
4が備えられており、さらに本発明の担体12が投入さ
れている。生物処理槽1内を好気状態にする場合は、エ
アレーションポンプ3を作動させ、散気管2より空気を
吹き込み、曝気処理を行う。また嫌気状態にするとき
は、攪拌モーター5を作動させて攪拌羽根4を回転さ
せ、生物処理槽1内の原水(被処理排水)と活性汚泥と
担体12を混合させる。この生物処理槽1内に原水タン
ク6から送液ポンプ7を介して原水を流入させる。まず
嫌気好気状態に関わらず、原水の有機物が槽内の活性汚
泥と担体12に固定化された微生物によって分解される
が、同時に有機性窒素がアンモニア態窒素に分解され
る。
【0028】次に好気状態になると担体12に結合した
硝化菌の作用でアンモニア態窒素の酸化が起こり、硝酸
態、亜硝酸態窒素に変換される。次いで嫌気状態になる
と担体12の表面で脱窒菌が優勢となり、その作用によ
り硝酸態、亜硝酸態窒素が窒素ガスにまで分解される。
原水を連続的又は間欠的に生物処理槽1内に供給すると
共に、所定時間嫌気状態と好気状態とに交互に繰り返す
ことによって上記脱窒素処理を行う。処理済排水はオー
バーフローによって生物処理槽1から沈澱槽9に流出す
るが、担体分離スクリーン8によって担体12は生物処
理槽1内に常時滞留するため、生物処理槽1内の微生物
濃度は、原水流入量に関らず高く保たれる。沈澱槽9で
は、活性汚泥と処理済排水が重力沈降によって分離さ
れ、放流ライン11から処理済排水のみが系外に流出さ
れる。沈降した活性汚泥は、生物処理槽1内のMLSS
濃度を維持するために汚泥返送ポンプ10を介して返送
されるが、担体12によって脱窒菌と増殖速度の遅い硝
化菌とが高濃度に保持されているため、汚泥管理は標準
法よりも容易である。このように、本発明の方法では、
担体を入れ換えることなく、間欠曝気による担体添加型
硝化脱窒が可能となる。また上記間欠曝気法に限らず、
各種硝化液循環変法やオキシデーションディッチ法にも
適用可能である。
【0029】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。なお、得られた担体の水膨潤時の比重及び体積膨潤
度は以下のようにして測定した。 (1)水膨潤時の比重 25℃の純水に浸漬し、容積変化のなくなった点を完全
膨潤時の体積とし、その際の比重を測定した。 (2)体積膨潤度 前記の式(I)に従って測定した。
【0030】(3)耐薬品性 JIS K7114「プラスチック一液体薬品への浸漬
効果を求める試験法」及びJIS A4101「ガラス
繊維強化プラスチック製浄化槽構成部品」を参考にし
て、次の手順で試験を行った。 サンプルの重量を測定する。 恒温層付きシェーカーを用い、サンプル瓶に薬液を5
0ミリリットル入れ、所定の温度に暖める。 サンプル瓶に、試験サンプルを10個入れ、5時間、
100rpmで振とうさせる。 サンプルを取り出し、水で充分に洗浄し、乾燥した
後、重量を測定する。 薬品浸漬による重量変動を算出する。 使用薬液の種類及び温度は、次の如くとした。 a:蒸留水 60±2℃ b:0.1%水酸化ナトリウム溶液 60±2℃ c:0.1%硝酸溶液 60±2℃ d:0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液 60±2℃ e:1.0%アンモニア水 20±2℃
【0031】(4)使用原料 水膨潤性熱可塑性樹脂 A−1−1:参考例1で得られた水膨潤性熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂 A−1−2:参考例2で得られた水膨潤性熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂 A−2:昭和電工株式会社製N−ビニルアセトアミド重
合体架橋物(商品名:NVAポリマー NA−010) A−3:住友精化株式会社製ノニオン型のポリアルキレ
ンオキサイド系熱可塑性樹脂(商品名:アクアコークT
WB) A−4:住友精化株式会社製ポリアクリル酸ナトリウム
の架橋物(商品名:アクアキープSA60N TYPE
ii) 相溶性樹脂 B−1:日清紡績株式会社製ポリエーテル系エラストマ
ー(商品名:モビロンP24T) B−2:日清紡績株式会社製ポリエステル系エラストマ
ー(商品名:モビロンF24T) B−3:日本ポリケム株式会社製エチレン−アクリル酸
共重合樹脂(商品名:ノバテックEAA) B−4:三菱化学株式会社製酸変性ポリエチレン(商品
名:モディックAP)無機フィラー C−1:硫酸バリウム粉体(粒径;0.1〜15μm、
平均粒径;9.0μm、比重;4.3) C−2:シリカ粉体(粒径;7.0〜40μm、平均粒
径;15.0μm、比重;2.2)
【0032】参考例1 数平均分子量6000のポリエチレングリコールを用
い、この100重量部を攪拌機付き反応釜中に投入し、
窒素ガス雰囲気下、110℃で1時間予備加熱を行いポ
リエチレングリコール中の水分を放出させた後、反応釜
の温度を130℃に設定した。4,4' −ジフェニルメ
タンジイソシアネート8.33重量部を反応釜中に添加
し、130℃で2時間攪拌してプレポリマーを調製し
た。次いで、これに鎖延長剤として1,4−ブタンジオ
ール0.375重量部を添加し、130℃にて1時間攪
拌した。反応終了後、離型処理したバット上に流延し、
100℃で4時間加熱処理を行い、水膨潤性熱可塑性ポ
リウレタン樹脂(水膨潤性熱可塑性樹脂A−1−1)を
得た。
【0033】参考例2 数平均分子量6000のポリエチレングリコールを用
い、この100重量部を攪拌機付き反応釜中に投入し、
窒素ガス雰囲気下、110℃で1時間予備加熱を行いポ
リエチレングリコール中の水分を放出させた後、反応釜
の温度を130℃に設定した。4,4' −ジフェニルメ
タンジイソシアネート8.33重量部を反応釜中に添加
し、130℃で2時間攪拌した。反応終了後、離型処理
したバット上に流延し、100℃で4時間加熱処理を行
い、水膨潤性熱可塑性ポリウレタン樹脂(水膨潤性熱可
塑性樹脂A−1−2)を得た。
【0034】参考例3 参考例1で得た水膨潤性熱可塑性ポリウレタン樹脂A−
1−1を冷却後に細かく粉砕し、加熱エクストルーダー
を用い、剪断力を加えつつ180〜230℃で加熱溶融
を行い、該エクストルーダーのノズルから押し出された
直径2.5mmのストランドを長さ2.5mmに切断して円
柱状の担体を製造した。この担体の水膨潤時の比重、体
積膨潤度、及び耐酸性を測定した。結果を第1表に示
す。
【0035】実施例1 参考例3において、水膨潤性熱可塑性ポリウレタン樹脂
A−1−1に代えて、水膨潤性熱可塑性ポリウレタン樹
脂A−1−1:50重量部と相溶性樹脂B−1:50重
量部との配合物を使用した以外は、参考例3と同様にし
て担体を製造した。この担体の水膨潤時の比重、体積膨
潤度、及び耐酸性を測定した。結果を第1表に示す。
【0036】実施例2〜12 水膨潤性熱可塑性樹脂及び相溶性樹脂の種類及び配合比
率を第1表に示す如くにした以外は、実施例1と同様に
して担体を製造した。この担体の水膨潤時の比重、体積
膨潤度、及び耐酸性を測定した。結果を第1表に示す。
【0037】実施例13 水膨潤性熱可塑性樹脂A−1−1に、相溶性樹脂B−1
及び脱水硫酸バリウム粉体を第1表に示す割合で配合し
た以外は、参考例3と同様にして担体を製造した。この
担体の水膨潤時の比重、体積膨潤度及び耐酸性を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0038】実施例14〜16 水膨潤性熱可塑性樹脂、相溶性樹脂及び無機フィラーの
種類及び配合比率を第1表に示す如くにした以外は、実
施例13と同様にして担体を製造した。この担体の水膨
潤時の比重、体積膨潤度及び耐酸性を測定した。結果を
第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例17(担体の硝化・脱窒試験) 実施例1で得られた担体及び図1に示した硝化脱窒装置
を用い、下記の組成の原水を下記の運転条件で間欠曝気
処理した。 原水の組成 濃度(mg/L) グルコース 61.8 L−グルタミン酸 61.8 塩化アンモニウム 93.2 KH2 PO4 4.3 CaCl2 ・2H2 O 46.3 MgSO4 ・7H2 O 32.4 ZnCl2 0.208 FeSO4 ・7H2 O 1.0 EDTA・2Na 1.8 CuSO4 ・5H2 O 0.51 MnCl2 ・4H2 O 0.072 Na2 MoO4 ・2H2 O 0.05 CoCl2 ・6H2 O 0.008
【0041】 運転条件 生物処理槽の容積:20リットル 担体 :実施例1の担体4リットル 曝気サイクル :好気3時間+嫌気3時間を1サイクルとした。好気時の溶存 酸素濃度は6mg/Lとし、嫌気時は攪拌羽根で攪拌した。 原水流量 :嫌気時のみ6.67L/hrで添加した(80L/日)。 滞留時間 :6.0時間 原水窒素濃度 :30mg−N/L 窒素負荷 :0.12kg−N/m3 −槽・日 汚泥返送 :浮遊MLSSが2000mg/Lになるように返送した。 水温 :22℃に温度調節 試験開始60日目以降の処理水の平均水質を第2表に示
す。
【0042】比較例1(担体を使用しない硝化脱窒試
験) 生物処理槽内に担体を添加せず、MLSSを3000〜
3500mg/Lに設定した以外は、実施例17と同様
にして間欠曝気試験を行なった。試験開始60日目以降
の処理水の平均水質を第2表に示す。この試験では、試
験開始10日目以降から沈澱槽で汚泥の浮上が見られ、
SSの流出が発生した。また、試験開始60日目以降の
処理水質は、硝化・脱窒共に安定せず、T−N除去率は
約80%であった。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の耐薬品性バイオリアクター用担
体は、適度な水膨潤性、適度な体積膨潤度、更には適度
な比重を有するとともに、特に耐薬品性に優れていて、
高濃度に薬品を含有する有機性排水の微生物処理を効果
的に行なうことができる上、物理的強度が高く、かつ製
造が容易である。この本発明の耐薬品性バイオリアクタ
ー用担体を、高濃度に薬品を含有する有機性排水中の窒
素を微生物により、硝化・脱窒素する際の微生物固定化
用担体として用いることにより、該有機性排水を効果的
に脱窒素処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す硝化脱窒装置の系統
図である。
【符号の説明】
1 生物処理槽 2 散気管 3 エアーレーションポンプ 4 攪拌羽根 5 攪拌モーター 6 原水タンク 7 送液ポンプ 8 担体分離スクリーン 9 沈澱槽 10 汚泥返送ポンプ 11 放流ライン 12 担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/00 C12N 1/00 R 4J002 11/02 11/02 (72)発明者 松村 嘉之 千葉県千葉市緑区大野台1−2−3 日清 紡績株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 4B029 AA21 BB02 CC03 4B033 NA02 NA12 NB14 NB22 NB37 NB62 NC04 ND04 NE08 NF06 4B065 AA99X AC20 BA22 BC43 BC46 CA56 4D003 AA12 AA13 AB02 AB15 BA02 BA03 CA04 CA07 CA08 DA07 DA09 EA01 EA14 EA23 EA24 EA25 EA26 EA30 EA38 EA40 FA02 FA10 4D040 BB07 BB22 BB42 4J002 BB08X BB20X BG01W BJ00W CF10X CH00X CH02W CK04W DE116 DE136 DE146 DG046 DJ016 DJ036 DJ046 FD016 GD00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)か
    ら選ばれた水膨潤性熱可塑性樹脂と、(B)下記(B1)、
    (B2)、(B3)及び(B4)から選ばれた該(A)成分に対する
    相溶性樹脂とを含み、かつ体積膨潤度が120〜300
    0%の範囲に制御されていることを特徴とする耐薬品性
    バイオリアクター用担体。 (A1)分子量3000〜12000のポリエチレングリコ
    ール又は該ポリエチレングリコール及び1,4−ブタン
    ジオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを反応
    させて得られるポリウレタン樹脂 (A2)N−ビニルアセトアミドの重合体架橋物又は共重合
    体架橋物 (A3)ノニオン型のポリアルキレンオキサイド系熱可塑性
    樹脂 (A4)ポリアクリル酸塩の架橋物 (B1)ポリエーテル系エラストマー (B2)ポリエステル系エラストマー (B3)エチレン−アクリル酸共重合樹脂 (B4)酸変性ポリエチレン
  2. 【請求項2】 更に(C)無機フィラーを含み、かつ水
    膨潤時の比重が0.98〜2.12の範囲に制御されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の耐薬品性バイオ
    リアクター用担体。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、平均粒径0.1〜50μ
    m及び比重1.5以上の無機フィラーである請求項2記
    載の耐薬品性バイオリアクター用担体。
  4. 【請求項4】 (A)成分と(B)成分との合計100
    重量部当たり、(C)成分1〜350重量部を含む請求
    項2又は3に記載の耐薬品性バイオリアクター用担体。
  5. 【請求項5】 (A)成分と(B)成分との含有割合
    が、重量比90:10ないし10:90である請求項1
    ないし4のいずれかに記載の耐薬品性バイオリアクター
    用担体。
  6. 【請求項6】 請求項1に規定された(A)水膨潤性熱
    可塑性樹脂に、請求項1に規定された(B)相溶性樹脂
    を配合したのち、加熱溶融して押出機からストランド状
    に押出し、連続切断することを特徴とする、体積膨潤度
    が120〜3000%の範囲に制御された耐薬品性バイ
    オリアクター用担体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に規定された(A)水膨潤性熱
    可塑性樹脂に、請求項1に規定された(B)相溶性樹脂
    及び(C)無機フィラーを配合したのち、加熱溶融して
    押出機からストランド状に押出し、連続切断することを
    特徴とする、体積膨潤度が120〜3000%の範囲及
    び水膨潤時の比重が0.98〜2.12の範囲に制御さ
    れた耐薬品性バイオリアクター用担体の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂製造時に無機フィラーが添加されて
    なる請求項1に規定された(A)水膨潤性熱可塑性樹脂
    に、請求項1に規定された(B)相溶性樹脂又は請求項
    1に規定された(B)相溶性樹脂及び無機フィラーを配
    合したのち、加熱溶融して押出機からストランド状に押
    出し、連続切断することを特徴とする、体積膨潤度が1
    20〜3000%の範囲及び水膨潤時の比重が0.98
    〜2.12の範囲に制御された耐薬品性バイオリアクタ
    ー用担体の製造方法。
  9. 【請求項9】 高濃度に薬品を含有する有機性排水中の
    窒素を微生物により硝化・脱窒素する方法において、微
    生物固定化用担体として、請求項1ないし5のいずれか
    に記載の耐薬品性バイオリアクター用担体を用いること
    を特徴とする有機性排水の浄化方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    バイオリアクター用担体を硝化工程と脱窒工程の両方に
    交互に繰返し使用する請求項9記載の有機性排水の脱窒
    素処理方法。
JP2002340389A 2001-12-03 2002-11-25 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法 Pending JP2003230892A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002340389A JP2003230892A (ja) 2001-12-03 2002-11-25 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001369099 2001-12-03
JP2001-369099 2001-12-03
JP2002340389A JP2003230892A (ja) 2001-12-03 2002-11-25 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003230892A true JP2003230892A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27790431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002340389A Pending JP2003230892A (ja) 2001-12-03 2002-11-25 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003230892A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006223106A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2009039700A (ja) * 2007-08-13 2009-02-26 Kurita Water Ind Ltd 排水の生物処理方法
WO2016067970A1 (ja) * 2014-10-28 2016-05-06 学校法人 東洋大学 包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置

Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62171794A (ja) * 1986-01-24 1987-07-28 Sumitomo Chem Co Ltd 水処理用濾材
JPH06190385A (ja) * 1992-12-28 1994-07-12 Tonen Corp 微生物担体
JPH10136980A (ja) * 1996-09-13 1998-05-26 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクタ−用担体及び製造方法
JPH10251341A (ja) * 1997-03-14 1998-09-22 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体及び触媒
JPH11207380A (ja) * 1998-01-29 1999-08-03 Kurita Water Ind Ltd 微生物担体
JP2001064427A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Nagano Nova Form Kk 発泡成形体用樹脂組成物、発泡成形体およびその製造方法
JP2001205286A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体
JP2001205288A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体、水処理用担体の製造方法および水処理用装置
JP2001205285A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体、水処理用担体の製造方法および水処理用装置
JP2001247703A (ja) * 2000-03-02 2001-09-11 Nagano Nova Form Kk 発泡成形体およびその製造方法
JP2001300583A (ja) * 2000-04-25 2001-10-30 Nisshinbo Ind Inc 有機性排水の硝化脱窒方法
JP2001327285A (ja) * 2000-05-23 2001-11-27 Hagihara Industries Inc 微生物担持用担体
JP2001340075A (ja) * 2000-05-31 2001-12-11 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
JP2002012869A (ja) * 2000-04-07 2002-01-15 Merck Patent Gmbh 電気光学液晶ディスプレイ
JP2002052394A (ja) * 2000-05-31 2002-02-19 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
JP2002223751A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 微生物固定化担体
JP2002263674A (ja) * 2001-03-08 2002-09-17 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体およびその製造方法および水処理用装置
JP2003117577A (ja) * 2001-10-16 2003-04-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 微生物固定化担体及びその製造方法並びにそれを用いた排水処理方法

Patent Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62171794A (ja) * 1986-01-24 1987-07-28 Sumitomo Chem Co Ltd 水処理用濾材
JPH06190385A (ja) * 1992-12-28 1994-07-12 Tonen Corp 微生物担体
JPH10136980A (ja) * 1996-09-13 1998-05-26 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクタ−用担体及び製造方法
JPH10251341A (ja) * 1997-03-14 1998-09-22 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体及び触媒
JPH11207380A (ja) * 1998-01-29 1999-08-03 Kurita Water Ind Ltd 微生物担体
JP2001064427A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Nagano Nova Form Kk 発泡成形体用樹脂組成物、発泡成形体およびその製造方法
JP2001205285A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体、水処理用担体の製造方法および水処理用装置
JP2001205288A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体、水処理用担体の製造方法および水処理用装置
JP2001205286A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体
JP2001247703A (ja) * 2000-03-02 2001-09-11 Nagano Nova Form Kk 発泡成形体およびその製造方法
JP2002012869A (ja) * 2000-04-07 2002-01-15 Merck Patent Gmbh 電気光学液晶ディスプレイ
JP2001300583A (ja) * 2000-04-25 2001-10-30 Nisshinbo Ind Inc 有機性排水の硝化脱窒方法
JP2001327285A (ja) * 2000-05-23 2001-11-27 Hagihara Industries Inc 微生物担持用担体
JP2001340075A (ja) * 2000-05-31 2001-12-11 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
JP2002052394A (ja) * 2000-05-31 2002-02-19 Nisshinbo Ind Inc バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
JP2002223751A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 微生物固定化担体
JP2002263674A (ja) * 2001-03-08 2002-09-17 Takeda Chem Ind Ltd 水処理用担体およびその製造方法および水処理用装置
JP2003117577A (ja) * 2001-10-16 2003-04-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 微生物固定化担体及びその製造方法並びにそれを用いた排水処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006223106A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Fuji Photo Film Co Ltd 細胞培養担体
JP2009039700A (ja) * 2007-08-13 2009-02-26 Kurita Water Ind Ltd 排水の生物処理方法
WO2016067970A1 (ja) * 2014-10-28 2016-05-06 学校法人 東洋大学 包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置
JP2016083628A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 学校法人 東洋大学 包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1149804B1 (en) Process for nitrifying denitrifying organic waste water
JPH10174990A (ja) バイオリアクタ−用担体及び方法
JP3608913B2 (ja) バイオリアクタ−用担体及び製造方法
US6565751B2 (en) Bioreactor carrier, process for producing the carrier and method for using the same
US6569337B2 (en) Bioreactor carrier, process for producing the carrier and method for using the same
JPH0951794A (ja) バイオリアクター用多孔質担体
EP0864540B1 (en) Method for carrying out a biocatalyst reaction
JP2003230892A (ja) 耐薬品性バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
EP1316533A2 (en) Chemical-resistant bioreactor carrier, processes for producing the carrier and use of the carrier
JP2002052394A (ja) バイオリアクター用担体、その製造方法及び該担体の使用方法
EP0829536B1 (en) Carrier for bioreactor and method of producing the same
CN112852007B (zh) 乙二胺接枝氧化石墨烯改性聚氨酯载体的制备方法和应用
JPH11207380A (ja) 微生物担体
KR0182402B1 (ko) 미생물 친화성 다공성 세라믹스 담체
JP2002223751A (ja) 微生物固定化担体
JPH09285287A (ja) 担体及びその製造法
JP2003340480A (ja) 微生物固定化担体及びその製造方法、並びにこれを用いた排水処理方法
Tong et al. Preparation and performance evaluation of novel magnetic porous carriers in fluidized bed bioreactor for wastewater treatment
JP6530196B2 (ja) アンモニア含有廃水の処理方法および処理装置
KR100449052B1 (ko) 오, 폐수 처리용 다공성 세라믹 담체 및 그 제조방법
CN114604961A (zh) 一种用于污水处理接触氧化工艺的生物填料
CN117120381A (zh) 水处理用微生物固定化载体、软质聚氨酯泡沫组合物以及软质聚氨酯泡沫的制备方法
CN117264272A (zh) 一种mbbr载体及其制备方法与应用
TWI329128B (en) Bio-film and method for immobilizing microorganism
Dong et al. Immobilization of nitrifying bacteria in waterborne polyurethane hydrogel for removal of ammonium nitrogen from wastewater

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081028

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100309