JP2016083628A - 包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置 - Google Patents

包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも高濃度に菌体(例えば硝化菌)を保持することができ且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくできるので、高い反応速度(例えば硝化速度)を達成でき、しかも包括固定化担体を廃水処理槽内で流動させるための動力エネルギーを顕著に低減できる。
【解決手段】菌体の存在下で固定化材料を重合してゲル化することにより菌体を固定化材料に包括固定してなる包括固定化担体12において、固定化材料は、菌体に無毒で且つ水を吸収して膨潤する膨潤性物質であり、該膨潤性物質が包括固定化担体12に対して22〜38質量%の高濃度で含有され、包括固定化担体12の体積を3.5倍以上に膨潤可能である包括固定化担体を、廃水処理槽14に投入した。
【選択図】図3

Description

本発明は下水や産業廃水等の廃水を処理するための包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置に関する。
下水や産業廃水などの廃水には、BOD成分、窒素成分、リン成分等が含まれている。これらの成分は、下水処理場等において活性汚泥法や活性汚泥変法により処理されている。特に、窒素成分の主たる成分であるアンモニアは水域の富栄養化や溶存酸素の低下などの原因となり、処理の必要性が強く望まれている。
一般に、アンモニア処理は、菌体を用いた硝化反応と脱窒反応で窒素ガスに変換することで廃水中から除去される。すなわち、廃水中のアンモニアは硝化菌により亜硝酸や硝酸に硝化(酸化)され、亜硝酸と硝酸は脱窒菌により脱窒(還元)されて窒素ガスになる。
硝化反応と脱窒反応とでは硝化反応が律速となるため、硝化反応の効率化が重要になる。
したがって、硝化菌を高濃度に保持することにより効率化を図ることができる。このことから、硝化菌を高濃度に保持するための各種方法が開発されており、特に硝化菌を高濃度に保持する最適な方法として、硝化菌の存在下で固定化材料を重合してゲル化することにより硝化菌を固定化材料に包括固定してなる包括固定化担体が開発されている(特許文献1)。
特開平11−033577号公報
しかしながら、従来の包括固定化担体では、菌体の保持量に限界があり、菌体濃度において1010cells/g-担体が限界であった(「包括固定化担体を用いた高度処理技術」用水と廃水、vol.39,No8,24-39,1997年:角野立夫から引用)。このため、硝化速度では400mg-N/h/L-担体が限度であり、これ以上の硝化速度を得ることは困難であった。
また、硝化速度を大きくするためには、廃水処理槽内において包括固定化担体を流動させて廃水との接触効率を高める必要がある。
しかしながら、従来の包括固定化担体の比重は、1.015(kg/m)が限界であり、包括固定化担体を流動させるための動力手段、例えばエア曝気装置、攪拌機に大きな動力エネルギーを必要としていた。
従来、包括固定化担体の比重を小さくする方法としては、包括固定化担体に対する固定化材料の含有量を減らす(例えば5質量%)方法があるが、担体強度が得られず、1週間程度の廃水処理で破損してしまう。
このような背景から、従来よりも高濃度に菌体(例えば硝化菌)を保持することができ、且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくすることのできる包括固定化担体が要望されている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、従来よりも高濃度に菌体(例えば硝化菌)を保持することができ且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくできるので、高い反応速度(例えば硝化速度)を達成でき、しかも包括固定化担体を廃水処理槽内で流動させるための動力エネルギーを顕著に低減できる包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置を提供することを目的とする。
本発明の包括固定化担体は前記目的を達成するために、菌体の存在下で固定化材料を重合してゲル化することにより前記菌体を前記固定化材料に包括固定してなる包括固定化担体において、前記固定化材料は、前記菌体に無毒で且つ水を吸収して膨潤する膨潤性物質であり、該膨潤性物質が前記包括固定化担体に対して22〜38質量%の高濃度で含有され、前記包括固定化担体の体積を3.5倍以上に膨潤可能であることを特徴とする。
本発明者は、包括固定化担体の膨潤性と包括固定化担体の菌体の増殖性との間には密接な関係があるとともに、固定化材料を高濃度で含有する包括固定化担体を膨潤させて比重を小さくすることで担体強度を保持しつつ比重を小さくできる、との新規な知見を得た。
包括固定化担体が膨潤することで菌体が増殖し易くなる理由としては、膨潤により、包括固定化担体の内部に菌体が棲息するための棲息域が増加し、これにより菌体の増殖が促進されるものと推察される。
本発明はかかる知見にもとづいてなされたものであり、固定化材料として、菌体に無毒で且つ水を吸収して膨潤する膨潤性物質を用い、該膨潤性物質を包括固定化担体に対して22〜38質量%の高濃度で含有させて、包括固定化担体の体積が3.5倍以上に膨潤するようにした。
これにより、従来よりも高濃度に菌体を保持することができ且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくできるので、高い反応速度を達成できる。より好ましくは、固定化材料を包括固定化担体に対して25〜35質量%の高濃度で含有させて、包括固定化担体の体積が4倍以上に膨潤するようにする。
例えば、菌体を硝化菌とした場合、包括固定化担体の菌体濃度を従来の限界であった1010cells/g-担体(硝化速度400mg-N/h/L-担体)を、1011cells/g-担体(硝化速度650mg-N/h/L-担体)に向上させることができた。
本発明の包括固定化担体において、前記固定化材料は、2-ヒドロキシメチルアクリレート及びその誘導体であることが好ましい。
2-ヒドロキシメチルアクリレート及びその誘導体は、本発明の固定化材料として特に好ましい。
本発明の包括固定化担体において、前記菌体は、硝化菌、嫌気性アンモニア酸化菌、リン蓄積菌、有機物資化菌の何れか1つであることが好ましい。
これらの菌体は、廃水処理に使用される菌体として重要であるが、菌体を高濃度に保持することが難しいからである。なお、これら菌体の少なくとも1つが含有される活性汚泥を包括固定化することもできる。
本発明の包括固定化担体において、前記包括固定化担体は、水を吸収して膨潤が完了した膨潤完了時の比重が1.005〜1.010(kg/m)であることが好ましい。
包括固定化担体の比重が1.005〜1.010(kg/m)であれば、包括固定化担体を流動させるためのエア曝気装置、攪拌機等の動力手段の動力エネルギーを顕著に低減できる。
本発明の包括固定化担体において、前記包括固定化担体は、0.2〜1mm角の立方体形状に形成されることが好ましい。
従来の包括固定化担体のサイズは3mm角の立方体形状が一般的であるが、本発明の包括固定化担体は3.5倍以上に膨潤する。したがって、包括固定化担体のサイズを0.2〜1mm角に小さくすることにより、廃水処理装置での運転中は従来と同程度のサイズになる。
本発明の廃水処理装置は、前記目的を達成するために、請求項1〜5の何れか1の包括固定化担体を充填した廃水処理槽において包括固定化担体を流動手段で流動させながら廃水と接触させることにより前記廃水を生物学的に浄化処理することを特徴とする。
これにより、本発明の廃水処理装置によれば、高い反応速度(例えば硝化速度)を達成でき、良好で且つ安定した処理水を得ることができる。また、流動手段の動力エネルギーを顕著に低減することができる。
本発明の廃水処理装置において、記廃水処理槽の処理水出口には、前記流動する包括固定化担体が流出するのを防止するスクリーンが設けられ、前記スクリーンは前記包括固定化担体の膨潤程度に応じて目開きの大きさを可変可能であることが好ましい。
廃水処理槽の処理水出口に設けたスクリーンは、包括固定化担体の膨潤程度に応じて目開きの大きさを可変可能にしたので、処理水の流出を阻害しないように包括固定化担体の流出を防止できる。
ちなみに、膨潤前の包括固定化担体に合わせてスクリーンの目開きを設定すると、包括固定化担体が膨潤して大きくなった時に、スクリーンを塞いでしまい、処理水の流出を阻害する。
本発明の廃水処理装置において、前記廃水処理槽の前段に前記包括固定化担体を膨潤させる膨潤槽を設け、前記膨潤槽で膨潤させた包括固定化担体を前記廃水処理槽に充填することが好ましい。
膨潤槽で予め膨潤させた包括固定化担体を廃水処理槽に充填すれば、高濃度に菌体を保持し且つ比重を小さくした包括固定化担体を廃水処理槽に充填できる。
これにより、廃水処理槽に包括固定化担体を充填した直後から高い反応速度を達成でき、良好で且つ安定した処理水を得ることができるとともに、廃水処理装置のランニングコストを低減できる。
なお、膨潤槽での包括固定化担体の膨潤は、膨潤完了時まで膨潤させることに限定されず、膨潤の途中で廃水処理槽に充填してもよい。これにより、廃水処理槽での包括固定化担体の馴養期間を短縮して廃水処理槽を迅速に立ち上げることができる。膨潤の途中で廃水処理槽に充填する場合には、処理水出口に設けたスクリーンは目開きを可変可能にすることが好ましい。
本発明の廃水処理装置において、前記廃水処理槽に充填した包括固定化担体を前記廃水処理槽から引き抜く担体引抜き手段を備えたことを特徴とする。
廃水処理槽内で包括固定化担体が膨潤すると、廃水処理槽内での包括固定化担体の充填率が大きくなり過ぎて、包括固定化担体の流動性が悪くなり、却って反応速度が低下する。
したがって、担体引抜き手段を備えることにより、包括固定化担体の適切な充填率を維持することができるので、包括固定化担体の流動性を常に良好に維持することができる。
本発明の廃水処理装置において、前記廃水処理槽に充填する前記包括固定化担体の充填率は、前記包括固定化担体が膨潤を完了した膨潤完了時において目標充填率になるように前記包括固定化担体を廃水処理槽に投入する初期充填率を設定することが好ましい。
廃水処理槽の運転開始時に本発明の包括固定化担体を目標充填率で充填すると、廃水処理の過程で包括固定化担体が膨潤して充填率が大きく成り過ぎて、包括固定化担体の流動性が悪くなり、処理性能が却って低下する。
本発明の包括固定化担体によれば、従来よりも高濃度に菌体を保持することができ且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくできるので、高い反応速度を達成でき、しかも包括固定化担体を廃水処理槽内で流動させるための動力エネルギーを顕著に低減できる。
したがって、本発明の廃水処理装置は、常時安定した良好な処理水を得ることができるとともに、装置のランニングコストを低減できる。
固定化材料濃度と包括固定化担体の膨潤率及び硝化速度との関係図 包括固定化担体の比重と動力密度との関係図 本発明の廃水処理装置の第1の実施の形態の構成図 本発明の廃水処理装置の第2の実施の形態の構成図 膨潤槽での包括固定化担体の浸漬水温度と膨潤率との関係図 実施例1の試験結果をプロットした図
以下添付図面に従って、本発明に係る包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置の好ましい実施の形態について詳述する。
[包括固定化担体]
本発明の包括固定化担体は、菌体の存在下で固定化材料を重合してゲル化することにより菌体を固定化材料に包括固定することにより形成される。
そして、本発明で使用される固定化材料は、菌体に無毒で且つ水を吸収して膨潤する膨潤性物質であり、この固定化材料を包括固定化担体に対して22〜38質量%の高濃度で含有し、包括固定化担体の体積を3.5倍以上に膨潤可能であるようにする。
より好ましくは、固定化材料を包括固定化担体に対して25〜35質量%の高濃度で含有させて、包括固定化担体の体積が4倍以上に膨潤するようにする。
固定化材料として使用される膨潤性物質は、例えば、2-ヒドロキシメチルアクリレート及びその誘導体を好適に使用することができる。
すなわち、2-ヒドロキシメチルアクリレートは、下記に示す構造式のn=1の構造であり、n=1〜40までの構造の物質が誘導体の範囲である。
Figure 2016083628
また、2-ヒドロキシメチルアクリレートのアクリレートをメタクリレートに置き換えた2-ヒドロキシメチルメタクリレート及びその誘導体(上記n=1〜40)についても誘導体の範囲である。
また、固定化材料以外に、架橋剤を含有させることが好ましい。架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレートやエチレングリコールメタアクリレートのように菌体に無害であり、且つ分子量の低いモノマー又はプレポリマー、及びその誘導体を好適に使用できる。
固定化材料に包括固定される菌体としては、特に限定されないが、硝化菌、嫌気性アンモニア酸化菌、リン蓄積菌、有機物資化菌の何れかを好適に使用できる。また、これらの純粋菌を包括固定してもよいが、これらの菌体を含有する活性汚泥を包括固定化することもできる。
[包括固定化担体の製造方法]
上記した固定化材料、架橋剤、及び菌体を混合して懸濁液とし、この懸濁液に重合促進剤(例えばNNN´N´テトラメチルエチレンジアミン)と、重合開始剤(例えば過硫酸カリウム)を添加する。これにより、懸濁液の重合が始まりゲル化する。このゲルを所定サイズに切断し、包括固定化担体を製造する。
製造された包括固定化担体の形状は、特に限定されないが、四角状、球状、筒状、紐状、不織布状などの形状が好ましい。特に、担体表面に凹凸が多い包括固定化担体は、廃水との接触効率がよくなるので、反応速度が向上する。
一般的に、包括固定化担体は3mm角の立方体形状(キュービック形状)のものが使用されているが、本発明の包括固定化担体は3.5倍以上(好ましくは4倍以上)に膨潤するため、0.2〜1mm角の立方体形状に形成されることが好ましい。
上記の如く形成された包括固定化担体は、従来よりも高濃度に菌体を保持することができ且つ担体強度を保持しつつ従来よりも比重を小さくできるので、高い反応速度を達成できる。
例えば、菌体を硝化菌とした場合、包括固定化担体の菌体濃度を従来の限界であった1010cells/g-担体(硝化速度400mg-N/h/L-担体)を、1011cells/g-担体(硝化速度650mg-N/h/L-担体)に向上させることができた。
また、包括固定化担体は、水を吸収して膨潤が完了した膨潤完了時の比重が1.005〜1.010(kg/m)の範囲内にすることができ、従来の包括固定化担体の比重限界であった1.015(kg/m)を下回ることができた。
(本発明の立証試験)
図1は、本発明の包括固定化担体の膨潤性と菌体の増殖性との関係を示した図である。
下記の懸濁液組成に示すように、菌体として硝化菌を含有する活性汚泥、固定化材料として2-ヒドロキシメチルアクリレート、架橋剤としてエチレングリコールジアクリレートをそれぞれ用いた。
そして、この組成の懸濁液にNNN´N´テトラメチルエチレンジアミン0.5質量部と過硫酸カリウム0.25質量部とを添加して重合し、ゲル化した。得られたゲルを1mm角の立方体形状に切断し、包括固定化担体とした。
また、活性汚泥の量、架橋剤の量は下記に示す一定量とし、固定化材料の量(Y質量部)と水の量(X質量部)とを変化させることにより、包括固定化担体に含有される固定化材料の含有率(濃度)が10質量%〜50質量%となるようにした。
<懸濁液の組成>
・活性汚泥 15質量部
・2-ヒドロキシメチルアクリレート Y質量部
・エチレングリコールジアクリレート 0.5質量部
・水 X質量部
(試験装置)
上記の如く製造された包括固定化担体を、容積が1.4Lの試験槽に充填率10%となるように投入した。そして、下記に示す無機合成廃水を5倍に希釈したアンモニア性廃水(NH−Nとして40mg/L)を試験槽に連続流入させ、負荷0.4〜2kg-N/m/dayで連続処理を行った。
<無機合成廃水の組成>
・NHCl 0.764g/L
・NaHCO 2.343g/L
・NaHPO・12HO 0.231g/L
(試験結果の評価方法)
そして、膨潤性(膨潤率)と菌体(硝化菌)の増殖性との関係を調べた。なお、増殖性は硝化速度を測定することにより判断した。
硝化速度は、原水(無機合成廃水)と処理水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)から算出し、包括固定化担体の担体当たりの硝化速度(mg-N/h/L-担体)で示した。
原水及び処理水の水質評価として、アンモニア性窒素濃度(NH−N)、硝酸性窒素濃度(NO−N)、亜硝酸性窒素濃度(NO−N)を測定した。
アンモニア性窒素濃度は、インドフェノール青比色法(JIS−K0102)に準じた。また、硝酸性窒素濃度及び亜硝酸性窒素濃度は、イオンクロマトアナライザー(ダイオネックス社製、ICS−1600)で分析した。なお、処理水は、浮遊物質が若干混在しているため、処理水の分析に際しては、予め0.45μmのフィルターで濾過したものを使用した。
(試験結果)
図1から分かるように、包括固定化担体に含有される2-ヒドロキシメチルアクリレート(固定化材料)の濃度を10質量%から次第に高めていくと、38質量%までは包括固定化担体の膨潤率が略直線的に大きくなった。そして、この膨潤率の増大に略比例して硝化速度が高くなり、高い状態で維持された。
ここで、膨潤率とは、膨潤前の包括固定化担体の体積に対する膨潤完了後の包括固定化担体の体積の%比率を言う。
しかし、包括固定化担体に含有される2-ヒドロキシメチルアクリレートの濃度が38質量%を超えて大きくなっても、包括固定化担体はそれ以上膨潤しなかった。そして、2-ヒドロキシメチルアクリレートの濃度が38質量%を超えたころから硝化速度が明らかに低下し始めた。
すなわち、2-ヒドロキシメチルアクリレートの濃度が10質量%ときに膨潤率230%、硝化速度320(mg-N/h/L-担体)であり、濃度が22質量%ときに膨潤率350%、硝化速度600(mg-N/h/L-担体)となった。
そして、濃度が約25質量%において、膨潤率が約380%、硝化速度が約650(mg-N/h/L-担体)となり、硝化速度は略ピーク値を示した。
また、2-ヒドロキシメチルアクリレートの濃度が35質量%において、膨潤率が440%、硝化速度が650(mg-N/h/L-担体)であり、濃度が38質量%において、膨潤率が約450%、硝化速度が約600(mg-N/h/L-担体)となり、膨潤率は略ピーク値を示し、その後はピーク値で推移した。
また、2-ヒドロキシメチルアクリレートの濃度が45質量%において、膨潤率が450%とピーク値であったが、硝化速度が400(mg-N/h/L-担体)まで低下し、濃度が50質量%において、膨潤率が約450%であったが、硝化速度が約250(mg-N/h/L-担体)まで低下した。
図1の結果から、膨潤性を有する固定化材料の濃度を増大して包括固定化担体が膨潤を続けるうちは硝化速度も上昇又は高い数値を維持する。しかし、固定化材料の濃度を増大しても膨潤しなくなった状態で固定化材料を増大していくことは却って硝化速度の低下を招くことが分かった。
そして、図1から分かるように、固定化材料の濃度22%は山形状の硝化速度のグラフが上昇からピーク値へ移行するポイントであり、濃度38%はグラフがピーク値から下降へ移行するポイントである。
以上の試験結果から、2-ヒドロキシメチルアクリレート(固定化材料)を包括固定化担体に対して22〜38質量%の範囲で含有させることで、包括固定化担体の膨張率を350%以上(3.5倍以上)にすることができ、硝化速度を600(mg-N/h/L-担体)以上に高くすることができる。
包括固定化担体が膨潤することで菌体が増殖し易くなる理由としては、膨潤により、包括固定化担体の内部に菌体が棲息するための棲息域が増加し、これにより菌体の増殖が促進されるものと推察される。しかし、包括固定化担体が膨潤しない状態で固定化材料濃度を大きくすると、包括固定化担体の内部に菌体が棲息するための棲息域が減少し、これにより菌体の増殖が却って阻害され、硝化速度の低下につながるものと推察される。
ちなみに、従来の包括固定化担体の硝化速度限界の400mg-N/h/L-担体を基準に膨張率を設定すれば270%以上になる。しかし、図1から分かるようにグラフが急激に立ち上がっている途中であり、得られた包括固定化担体の硝化速度にバラツキが発生し易い。
硝化速度600(mg-N/h/L-担体)の数値は、従来の硝化速度の限界と言われていた400(mg-N/h/L-担体)に比べて顕著に高い数値であり、従来の包括固定化担体とは明らかな相違がある。
包括固定化担体に対する固定化材料濃度22〜38質量%の範囲は、図1から分かるように、硝化速度が高い状態で安定した領域である。したがって、常時安定した良好な処理水を得るための包括固定化担体を得ることができる。
また、2-ヒドロキシメチルアクリレート(固定化材料)を包括固定化担体に対して25〜35質量%の範囲で含有させることが一層好ましい。これにより、包括固定化担体の硝化速度がピークになる状態で、包括固定化担体を使用することができる。
図2は、包括固定化担体の比重と、包括固定化担体を廃水処理槽内で流動させるための動力密度との関係を調べたものである。
図2に示すように、包括固定化担体の比重と動力密度との間には直線的な比例関係があり、比重が大きくなると動力密度が大きくなる。すなわち、包括固定化担体の比重が1.035(kg/m)で動力密度が約43(W/m)、比重が1.015(kg/m)で動力密度が約18(W/m)、比重が1.010(kg/m)で動力密度が約11(W/m)になる。ここで、Wはワット数である。
従来の包括固定化担体の一般的な固定化材料であるポリエチレングリコールジアクリレートを包括固定化担体に対して18質量%で含有させたときの比重が1.035(kg/m)程度である。
このことから分かるように、従来の比重が1.035(kg/m)の包括固定化担体は動力密度が(機械攪拌で算出)43(W/m)必要であるのに対して、比重1.010(kg/m)の場合の本発明の包括固定化担体は動力密度を約11(W/m)にでき、従来の約1/4に削減できる。さらに、比重1.005(kg/m)の場合の本発明の包括固定化担体は動力密度を約5(W/m)にでき、従来の1/10近辺まで大幅に削減できる。
従来のポリエチレングリコールジアクリレートを使用した包括固定化担体の場合、5質量%まで固定化材料濃度を下げれば、比重を1.010(kg/m)にすることは可能である。しかし、包括固定化担体の圧縮強度が0.2(kgf/m)と極めて小さく、廃水処理槽内を流動する際の剪断力によって約1週間で破損し、実用上使用することはできない。
なお、包括固定化担体の圧縮強度は、レオメータを使用し、包括固定化担体の担体面に徐々に圧力をかけて包括固定化担体が破損した圧力(kgf/m)とした。
これに対して、固定化材料を高濃度に含有した包括固定化担体を膨潤させることで比重を低下した本発明の包括固定化担体は、膨潤完了後の圧縮強度が2(kgf/m)以上と良好であった。
現在、本発明の包括固定化担体について、廃水試験装置で464日間連続運転を実施中である。そして、連続運転464日後の包括固定化担体について圧縮強度を測定した結果、2.2(kgf/m)と全く物性に劣化が見られていない。
[本発明の廃水処理装置の第1の実施の形態]
次に、本発明の包括固定化担体を用いた本発明の廃水処理装置の第1の実施の形態について説明する。なお、廃水処理装置の一例として、硝化菌を含有する包括固定化担体でアンモニア性廃水を処理する廃水処理装置の例で説明する。
図3に示すように、本発明の廃水処理装置10の第1の実施の形態は、主として、本発明の包括固定化担体12を充填した廃水処理槽14と、廃水処理槽14にアンモニア性廃水(原水)を流入させる原水配管16と、廃水処理槽14で処理した処理水を排出する処理水配管18と、廃水処理槽14内にエアを曝気する曝気手段20と、処理水出口に設けられて、廃水処理槽14から包括固定化担体12が流出するのを防止するスクリーン22と、で構成される。
曝気手段20は、廃水処理槽14の底部に接続されたエア配管20Aと、エア配管20Aを介してエアを供給するブロア20Bとで構成される。そして、廃水処理槽14内にエアを曝気することにより、廃水処理槽14内を好気性条件に形成するとともに、廃水処理槽14内の包括固定化担体を流動させる。
このように、廃水処理槽14内で包括固定化担体12と廃水とを接触させることにより、廃水中のアンモニアを生物学的に処理して、亜硝酸及び硝酸にする。
廃水処理装置10において、廃水処理槽14に充填(投入)される包括固定化担体12は、膨潤前の状態であり、従来の一般的な包括固定化担体の3mm角サイズよりも小さな0.2〜1mm角の立方体形状に形成される。
このため、従来の3mm角サイズの包括固定化担体用のメッシュ(目開き)のスクリーン22では槽内から流出されてしまう。しかし、0.2mm角の包括固定化担体12が流出しないように、例えば0.1mmメッシュのスクリーン22を設けたのでは、包括固定化担体12が膨張して大きなサイズになったときに、スクリーン22を塞いでしまい、処理水の流出を阻害する。
このことから、本発明の廃水処理装置10のスクリーン22は、包括固定化担体12の膨潤程度に応じて目開き(メッシュ)の大きさを可変可能に形成されている。
目開きの大きさが可変可能なスクリーン22としては、例えば次の構成のスクリーンを採用することができる。
すなわち、廃水処理槽14の処理水出口に、例えば0.1mm、0.5mm、2mmのメッシュの3枚のスクリーンを横方向又は縦方向に並べて取り付け、3枚のスクリーンにそれぞれ開閉板を設ける。
そして、0.2mmの包括固定化担体12の投入時は0.5mmと2mmメッシュのスクリーンの開閉板を閉じておき、0.1mmメッシュのスクリーンのみを使用する。
包括固定化担体12の膨潤に伴い、包括固定化担体12のサイズが0.5mmを超えたら、0.5mmメッシュのスクリーンの開閉板を開く。包括固定化担体12が更に膨潤して2mmを超えたら、2mmメッシュのスクリーンの開閉板を開く。
なお、0.5mmメッシュのスクリーンの開閉板を開くときには、0.1mmメッシュのスクリーンの開閉板は閉じておくことが好ましい。また、2.0mmメッシュのスクリーンの開閉板を開くときには、0.1mmメッシュのスクリーン及び0.5mmメッシュのスクリーンの開閉板は閉じておくことが好ましい。
これにより、廃水処理槽14内で膨潤する包括固定化担体12が廃水処理槽14から流出するのを防止できるとともに、処理水の流出を阻害することもない。
上記の如く構成された廃水処理装置10の第1の実施の形態によれば、従来よりも高濃度に菌体を保持することができるので、常時安定した良好な処理水を得ることができる。また、包括固定化担体12は担体強度を保持しつつ従来よりも比重の小さいので、廃水処理槽14では包括固定化担体12の流動エネルギーを小さくでき、廃水処理装置10のランニングコストを削減できる。
また、膨潤前の包括固定化担体12を廃水処理槽14に充填して、廃水処理槽14内で包括固定化担体12を膨潤させる場合には、包括固定化担体12が膨潤を完了した膨潤完了時において目標充填率になるように包括固定化担体12を廃水処理槽14に投入する初期充填率を設定することが好ましい。
例えば、目標充填率が8〜20%になるようにするには、初期充填率を2〜4%に設定する。これにより、包括固定化担体12が膨潤を完了して菌体の反応速度が最大のときに廃水処理槽14の充填率を適切にすることができる。
また、膨潤前の包括固定化担体12を廃水処理槽14に充填して、廃水処理槽14内で包括固定化担体12を膨潤させる場合には、廃水処理槽14から包括固定化担体12を引き抜く引抜き手段(図示せず)を設けることが好ましい。
これにより、包括固定化担体12が膨潤して、目標充填率を超えたら、余剰の包括固定化担体12を引抜き手段で引き抜くことができる。
[本発明の廃水処理装置の第2の実施の形態]
次に、本発明の包括固定化担体を用いた本発明の廃水処理装置の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態の場合も、硝化菌を含有する包括固定化担体でアンモニア性廃水を処理する廃水処理装置の例で説明する。
図4に示すように、本発明の廃水処理装置10の第2の実施の形態は、第1の実施の形態の廃水処理装置10で説明した廃水処理槽14の前段に、包括固定化担体12を膨潤させる膨潤槽24を設け、膨潤槽24で膨潤させた包括固定化担体12を廃水処理槽14に投入(充填)するように構成したものである。
膨潤槽24には、膨潤前の包括固定化担体12を膨潤槽24に供給する担体供給配管26が設けられるとともに、膨潤槽24で水に浸漬させて膨潤させた包括固定化担体12を廃水処理槽14に投入(充填)する担体投入配管28が設けられる。
担体供給配管26により膨潤前の包括固定化担体12を膨潤槽24に供給する場合、担体供給配管26に流通させる浸漬水に包括固定化担体12を同伴させることが好ましい。これにより、担体供給時に包括固定化担体12が破損することを防止できる。浸漬水としては、菌体の栄養源を含有させた合成水でもよいが、廃水処理槽13に供給する廃水(原水)を使用することが好ましい。
また、膨潤槽24は廃水処理槽14の上方に設け、担体投入配管28に開閉バルブ28Aを設けることが好ましい。これにより、膨潤槽24で膨潤させた包括固定化担体12を自重により廃水処理槽14に投入することができるので、膨潤槽24から廃水処理槽14への担体投入時にポンプ投入する場合に比べて包括固定化担体12が破損しにくい。
このように、廃水処理槽14の前段に膨潤槽24を設けることにより、廃水処理槽14の運転開始から硝化速度の高い包括固定化担体12を使用することができる。これにより、本発明の廃水処理装置10の第2の実施の形態では、第1の実施の形態の廃水処理装置10よりもさらに常時安定した良好な処理水を得ることができる。
さらに、廃水処理装置10で使用する本発明の包括固定化担体12は、水を吸収して膨潤が完了した膨潤完了時の比重が1.005〜1.010(kg/m)の範囲内にすることができ、従来の包括固定化担体に比べて動力密度を大幅に低減できる。したがって、第2の実施の形態の廃水処理装置についても第1の実施の形態と同様にランニングコストを低減できる。
また、膨潤槽24内の底部には、浸漬水を加温する加温手段30を設けることが好ましい。加温手段30としては、膨潤槽24内にボイラー蒸気を吹き込む蒸気吹込配管、あるいは電気ヒータ等を使用することができる。
図5は、膨潤槽24内の浸漬水の水温と包括固定化担体12の膨潤率との関係を調べたものである。
図5では、2-ヒドロキシメチルアクリレートを包括固定化担体に対して25質量%濃度で含有させた包括固定化担体12を用いた。そして、浸漬水の水温が25℃、30℃、35℃、40℃、50℃の5水準について、包括固定化担体12を浸漬水に90日間浸漬させたときの包括固定化担体12の膨潤率について調べた。ここで、膨潤率とは、前述の通り、膨潤前の包括固定化担体12の体積に対する膨潤完了後の包括固定化担体12の体積の%比率を言う。
図5から分かるように、浸漬水の水温が高いほど膨潤を加速し、短期間で包括固定化担体12の膨潤率が350%以上(好ましくは400%以上)になる。
膨潤率が350%になるまでの経過日数でみると、浸漬水の水温が25℃のときに40日弱、水温が30℃のときに約30日、水温が35℃のときに約20日、水温が40℃のときに約10日、水温が50℃のときに約8日、であった。
また、膨潤率が400%になるまでの経過日数でみると、浸漬水の水温が25℃のときに60日弱、水温が30℃のときに約45日、水温が35℃のときに30日弱、水温が40℃のときに10日強、水温が50℃のときに10日弱、であった。
しかし、浸漬水の水温が50℃の場合、包括固定化担体に包括固定された菌体が熱によって活性が低下したり、死滅したりする恐れがある。また、浸漬水の水温が25℃では、包括固定化担体の膨潤が完了するまでに2か月弱かかってしまい、水温が30℃でも1か月半かかってしまう。
したがって、膨潤槽24における浸漬水の水温を35℃〜40℃に設定して行うことが好ましい。これにより、膨潤槽24での膨潤期間を短縮することができる。
なお、膨潤槽24では、包括固定化担体12を膨潤が完了するまで膨潤させることに限定されない。例えば、膨潤途中の包括固定化担体12を廃水処理槽14に投入する場合であっても廃水処理槽14での馴養期間を短縮できるので、廃水処理槽14を短期間で定常運転に立ち上げることができる。ここで、定常運転とは、廃水処理槽14が有する処理能力に達した状態で安定的に運転することをいう。
[実施例1]
実施例1は、膨潤前の本発明の包括固定化担体を試験槽に投入して、アンモニア性廃水(無機合成廃水)を硝化処理したときの、包括固定化担体の膨潤率と硝化速度との関係、及び処理水の水質を調べたものである。すなわち、実施例1では膨潤槽を設けていない。
(包括固定化担体を製造する懸濁液の組成)
・活性汚泥(硝化菌含有) 15質量部
・2-ヒドロキシメチルアクリレート 28質量部
・エチレングリコールジアクリレート 2質量部
・水 54.25質量部
そして、上記組成の懸濁液にNNN´N´テトラメチルエチレンジアミン0.5質量部と過硫酸カリウム0.25質量部とを添加して重合を開始し、ゲル化させた。このゲルを1mmの立方体形状に切断し、包括固定化担体を得た。
(試験装置)
上記の如く製造された膨潤前の包括固定化担体を、容積が1.4Lの試験槽に充填率2%となるように投入した。そして、下記に示す無機合成廃水を2倍濃度組成にしたアンモニア性廃水(NH−Nとして400mg/L)を滞留時間5〜24時間の範囲で試験槽に連続流入させ、負荷0.4〜2kg-N/m/dayで連続処理運転を行った。
(試験結果)
連続処理運転60日目で包括固定化担体の膨潤率が410%となり、その時の硝化速度が620(mg-N/h/L-担体)であり、極めて高い硝化速度の包括固定化担体を得ることができた。
図6は、アンモニア性廃水の原水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)、処理水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)、処理水の硝酸性窒素濃度(NO−N)、及び処理水の亜硝酸性窒素濃度(NO−N)を測定し、運転の経過日数(d)との関係でプロットしたものである。また、試験槽におけるアンモニア性廃水の滞留時間(h)を運転の経過日数(d)との関係で示した。
図6から分かるように、経過日数20日以降について、処理水のアンモニア性窒素濃度(NH−N)が低い数値を維持し、安定し良好な処理水を得ることができた。
また、リアルタイムPCR法で包括固定化担体中の硝化菌数を測定した結果、経過日数60日目の包括固定化担体において、amoAプライマーのコピー数として8×1011コピー/g-担体を検出できた。これは、硝化菌として1011cells/g-担体相当であり、従来の包括固定化担体の限界と言われている1010cells/g-担体より1オーダー高い値である。
ここで、リアルタイムPCRは、遺伝子解析により菌体濃度を測定する方法であり、遺伝子解析においては硝化菌に特有の遺伝子を対象として解析を行って遺伝子数を測定し、さらにその遺伝子数から硝化菌の菌濃度、菌数を測定する。
amoAプライマーコピー数の測定には、下記のプライマーを使用した。
プライマー名及び配列5’→ 3’
amoA1f(GGG GTT TCT ACT GGT GGT)
amoA2r(CC CTC KGS AAA GCC TTC TTC)
また、担体質量当たりのコピー数は次式(1)によって算出した。
X=X(V+V)/V……(1)
ここで、X:担体内部の生菌数(コピー/g-担体)
:前処理後の原液の生菌数(コピー/mL)
:前処理した担体量(g)
:前処理に用いた液量(mL)
遺伝子解析の方法としては、プライマーペアにより遺伝子を増幅するPCRが好ましく、特に遺伝子を増幅する際、ハイブリダイゼイションプローブを用いて定量するリアルタイムPCR、および最確数法と組み合わせたMPN−PCRが好ましいが、他の解析方法でもよい。
硝化菌には、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化するアンモニア酸化細菌、および亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する亜硝酸酸化細菌などが含まれ、これらは両方を測定対象とした。
本発明の包括固定化担体は、膨潤により硝化菌の棲息域が増加し、硝化菌がより密集され易くなったことが、従来よりも高濃度に硝化菌を保持することができ、高活性になった原因と考えられる。
[実施例2]
実施例2は、膨潤前の本発明の包括固定化担体を試験槽に投入して、包括固定化担体の膨潤率と、廃水中におけるBOD(生物化学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)の除去性能との関係を調べたものである。
廃水は、A下水処理場の下水を使用するとともに、菌体としてA下水処理場の活性汚泥を使用した。
(本発明の包括固定化担体を製造する懸濁液の組成)
・活性汚泥(A下水処理場の汚泥) 15質量部
・2-ヒドロキシメチルアクリレート 32質量部
・エチレングリコールジアクリレート 3質量部
・水 49.25質量部
そして、上記実施例の懸濁液にNNN´N´テトラメチルエチレンジアミン0.5質量部と過硫酸カリウム0.25質量部とを添加して重合を開始し、ゲル化させた。このゲルを1mmの立方体形状に切断し、包括固定化担体を得た。
(比較例の包括固定化担体を製造する懸濁液の組成)
・活性汚泥(A下水処理場の汚泥) 15質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 10質量部
・NNN´N´テトラメチルエチレンジアミン 0.5質量部
・水 74.25質量部
そして、上記比較例の懸濁液に過硫酸カリウムを0.25質量部添加して重合を開始し、ゲル化させた。このゲルを1mmの立方体形状に切断し、包括固定化担体を得た。
(試験装置)
上記の如く製造された本発明の包括固定化担体(膨潤前)及び比較例の包括固定化担体を、容積が1.4Lの2つの試験槽にそれぞれ充填率2%となるように投入した。そして、2つの試験槽について、A下水処理場の下水(BOD95〜130mg/L)を滞留時間6時間で試験槽に連続流入させ、負荷0.3〜0.5kg-BOD/m/dayで連続処理運転を行った。
(試験結果)
本発明の包括固定化担体は、連続処理運転85日目で包括固定化担体の膨潤率が430%となり、その時のBOD除去率が94%以上、COD除去率が90%以上を得ることができた。
これに対して、比較例の包括固定化担体は、連続処理運転85日目でも膨潤は認められず、その時のBOD除去率が88〜90%、COD除去率が80〜90%であり、本発明の包括固定化担体の除去率よりも劣った。
このため、比較例の包括固定化担体のポリエチレングリコールジアクリレート(固定化材料)の含有量を30質量部まで大きくした包括固定化担体を製造し、同様に試験槽おいて連続処理運転を行った。しかし、固定化材料濃度を高くした包括固定化担体であっても、連続処理運転85日目で膨潤は認められなかった。
表1は、連続処理運転85日目における実施例の包括固定化担体と、比較例の包括固定化担体(固定化材料10質量部)とについて、リアルタイムPCR法によって担体中の硝化菌濃度を測定した結果である。なお、プライマーとして、全菌数プライマー(全真性細菌プライマー)を使用した。
Figure 2016083628
表1の結果から分かるように、本発明の包括固定化担体は、比較例の包括固定化担体よりも1オーダー高い菌体保持量を有しており、このことが比較例の包括固定化担体よりもBOD除去率及びCOD除去率が向上した理由と考察される。
なお、以上説明した実施の形態は、菌体として硝化菌の例で説明したが、硝化菌には限定されず、基本的には全ての菌体に適用可能である。特に、本発明は嫌気性アンモニア酸化菌、リン蓄積菌、有機物資化菌等にも適用することができる。菌体を嫌気性アンモニア酸化菌として形成された本発明の包括固定化担体は、従来よりも菌体保持量を大きくでき、高速処理が可能である。また、菌体をリン蓄積菌として形成された本発明の包括固定化担体は、従来よりも菌体保持量を大きくでき、高効率なリン回収が可能になる。
10…廃水処理装置、12…包括固定化担体、14…廃水処理槽、16…原水配管、18…処理水配管、20…曝気手段、22…スクリーン、24…膨潤槽、26…担体供給配管、28…担体投入配管、28A…開閉バルブ、30…加温手段

Claims (10)

  1. 菌体の存在下で固定化材料を重合してゲル化することにより前記菌体を前記固定化材料に包括固定してなる包括固定化担体において、
    前記固定化材料は、
    前記菌体に無毒で且つ水を吸収して膨潤する膨潤性物質であり、該膨潤性物質が前記包括固定化担体に対して22〜38質量%の高濃度で含有され、
    前記包括固定化担体の体積を3.5倍以上に膨潤可能であることを特徴とする包括固定化担体。
  2. 前記固定化材料は、2-ヒドロキシメチルアクリレート及びその誘導体である請求項1に記載の包括固定化担体。
  3. 前記菌体は、硝化菌、嫌気性アンモニア酸化菌、リン蓄積菌、有機物資化菌の何れか1つである請求項1又は2に記載の包括固定化担体。
  4. 前記包括固定化担体は、水を吸収して膨潤が完了した膨潤完了時の比重が1.005〜1.010(kg/m)である請求項1から3の何れか1項に記載の包括固定化担体。
  5. 前記包括固定化担体は、0.2〜1mm角の立方体形状に形成される請求項1から4の何れか1項に記載の包括固定化担体。
  6. 請求項1〜5の何れか1の包括固定化担体を充填した廃水処理槽において包括固定化担体を流動手段で流動させながら廃水と接触させることにより前記廃水を生物学的に浄化処理することを特徴とする廃水処理装置。
  7. 前記廃水処理槽の処理水出口には、前記流動する包括固定化担体が流出するのを防止するスクリーンが設けられ、
    前記スクリーンは前記包括固定化担体の膨潤程度に応じて目開きの大きさを可変可能である請求項6に記載の廃水処理装置。
  8. 前記廃水処理槽の前段に前記包括固定化担体を膨潤させる膨潤槽を設け、
    前記膨潤槽で膨潤させた包括固定化担体を前記廃水処理槽に充填することを特徴とする請求項6又は7に記載の廃水処理装置。
  9. 前記廃水処理槽に充填した包括固定化担体を前記廃水処理槽から引き抜く担体引抜き手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の廃水処理装置。
  10. 前記廃水処理槽に充填する前記包括固定化担体の充填率は、前記包括固定化担体が膨潤を完了した膨潤完了時において目標充填率になるように前記包括固定化担体を廃水処理槽に投入する初期充填率を設定する請求項6又は7に記載の廃水処理装置。
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