JP2007268368A - 包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高活性で、且つ安定して廃水処理することが可能な包括固定化担体を得ることができる。
【解決手段】
微生物を固定化材料中に包括固定する包括固定化担体16であって、包括固定化担体16が無機粒子を含有すると共に、微生物が、無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置に係り、特に、下水処理、産業廃液等の処理、湖沼の浄化処理等において、生物学的にアンモニアを除去する包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置に関する。
食品工場や化学工場などでは、低濃度から高濃度のアンモニアが排出される。これらのアンモニア廃液は、水域の富栄養化や溶存酸素の低下等の一因となっており、環境負荷を低減させる処理の必要性が高まっている。
一般に、中高濃度のアンモニア処理では、生物処理が多く行われている。微生物による硝化反応及び脱窒反応により、窒素ガスに変換している。アンモニアは、硝化細菌による硝化反応により亜硝酸や硝酸に酸化され、亜硝酸と硝酸は従属栄養細菌の一つである脱窒菌により脱窒処理されて、除去される。この脱窒処理には、有機物が必要であるため、窒素濃度の3倍量のメタノールが使用されている。
ところで、硝化細菌は、一般の細菌に比べて増殖速度が遅く、特に冬場の低水温時期に細菌数が減少し、硝化活性が著しく低下する。この傾向は、硝化細菌と同様な増殖速度が遅い微生物にもみられる。このような理由から、硝化細菌を含む活性汚泥をけい砂、活性炭、プラスチック等の付着材の表面に付着させて硝化細菌を高濃度に保持させて(付着固定化させて)、硝化性能を向上させる試みがなされている(参考文献:微生物固定化法による水処理、包括固定化、生物活性炭法(株式会社エヌ・ティー・エス、2000年発行)。
しかし、上記のように微生物を付着固定化する場合、付着させた微生物が付着材から剥離したり、目的の微生物である硝化細菌以外の微生物が付着材に付着したりし、硝化細菌を充分に高濃度化することができないという欠点があった。そこで、目的の微生物である硝化細菌等を固定化材料(例えば、高分子ゲル等)の内部に包括固定させた包括固定化担体を製造し、この包括固定化担体を処理槽に充填することにより、処理槽内の硝化細菌を高濃度に保持させる方法が行われており、これにより、処理槽内の硝化活性を高め、廃水処理が高速化されている。しかし、包括固定化担体を製造する際に、固定化材料として使用するプレポリマー材料の毒性により、微生物が死滅しやすいという問題があった。
これらを解決するための手段として、例えば、特許文献1では、凝集剤を用いて2重に包括固定する方法が提案されており、特許文献2では、プレポリマー材料を高分子化することにより、プレポリマー材料の毒性を低減させる方法が提案されている。これらによれば、プレポリマー材料の毒性によって微生物を死滅させることを抑制し、微生物を高濃度に保持した高活性な包括固定化担体が得られるとされている。
特許第1505852号 特許第1630654号
しかしながら、初期の微生物濃度を増加させても、包括固定化担体内において、微生物が増殖できる空間には限界があり、一定レベル以上の微生物を保持することはできず、活性を顕著に向上させることはできなかった。
したがって、廃水中のアンモニア濃度が高い場合や廃水処理量が多い場合には、廃水中のアンモニアを安定して除去することができず、水質が悪化するという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、高活性で、且つ安定して廃水処理することが可能な包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、微生物を固定化材料中に包括固定する包括固定化担体であって、前記包括固定化担体が無機粒子を含有すると共に、前記微生物が、前記無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在することを特徴とする包括固定化担体を提供する。
本発明者らは、包括固定化担体内に無機粒子を含有させることにより、無機粒子の表面近傍に微生物の増殖空間を形成できることを見出した。さらに、本発明者らは、鋭意検討の結果、無機粒子の表面積あたりに存在させる微生物の適切な量(菌数)を見出し、 これにより、微生物を高濃度に保持できる包括固定化担体を得ることができ、廃水処理の高速化が可能となった。
本発明によれば、包括固定化担体が無機粒子を含有すると共に、微生物が、無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在するので、これにより、高活性な包括固定化担体が得られ、安定して廃水処理することが可能となった。なお、微生物が、無機粒子の表面積あたり7×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在することがより好ましい。ここで、無機粒子としては、有機物以外の無機物であり、板状、針状、球状等の形状に限定されない。また、無機粒子の表面積あたりの微生物の菌数は、MPN法(Most Probable Number method、文献:角野ら、「硝化細菌の包括固定化担体内における増殖特性と硝化速度」水処理生物学会誌、36、4号、173−181(2000))で測定した値である。
請求項2は請求項1において、前記微生物が、硝化細菌であることを特徴とする。
請求項2によれば、硝化細菌のような増殖速度が比較的遅い微生物を用いた包括固定化担体において、本発明が特に有効である。
請求項3は請求項1又は2において、前記無機粒子が、シリカ、炭酸カルシウム、マグネタイト、タルク、炭素から選ばれる1以上の粒子であることを特徴とする。
請求項3は、無機粒子として、シリカ、炭酸カルシウム、マグネタイト、タルク、炭素から選ばれる1以上の粒子を用いることにより、本発明の効果が良好に得られる。
ここで、無機粒子の平均粒径は、1μm〜50μmであることが好ましい。
請求項4の廃水処理装置は、請求項1〜3の何れか1の包括固定化担体を処理槽に充填して、廃水処理することを特徴とする。
請求子4によれば、包括固定化担体を処理槽に充填した廃水処理装置を使用するので、安定して廃水処理することが可能となった。
本発明によれば、高活性で、且つ安定して廃水処理することが可能な包括固定化担体を得ることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である包括固定化担体の製造方法の操作手順を説明する説明図である。
図1に示されるように、先ず、包括固定する微生物を含有する汚泥を水に懸濁させた懸濁溶液と、無機粒子と、を混合した後、さらに固定化材料を混合してよく攪拌し、原料溶液を調製する。この場合、固定化材料には、水や反応調整剤としての希硫酸が加えられる。
次いで、過硫酸カリウム等の重合開始剤を原料溶液に添加して、重合反応を起させることにより固定化材料をゲル化させ、微生物を含有する汚泥を包括固定させる。このときの重合温度は、15℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃で、重合時間は、1分〜60分、好ましくは1.5分〜60分で重合(ゲル化)させる。
その後、ゲル化させた担体を、約3mm角の角型形状に切断してペレット化する。これにより、本発明に係る包括固定化担体が製造される。
なお、本発明に係る包括固定化担体は、上記手順に限定されることはない。例えば、本実施形態では、先ず微生物を含有する汚泥と無機粒子とを混合した後、固定化材料を混合する例を示したが、無機粒子と固定化材料とを先に混合した後、微生物をさらに混合することも可能である。
上記無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭素、マグネタイト、タルク等の粒子を1種類又は2種類以上を組み合わせて使用できる。また、炭素には、粒状の活性炭や破砕状の活性炭等が含まれる。
無機粒子の粒径は、1μm〜50μmであることが好ましい。また、無機粒子の添加量は、包括固定化担体全体に対して、1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。
固定化する微生物としては、活性汚泥中に含まれる細菌群で、硝化細菌群、脱窒細菌群、嫌気性アンモニア酸化細菌群等の複合微生物を用いることができる。また、対象微生物の固定化初期濃度を高めるため、活性汚泥濃度は、10000mg−ss/L〜40000mg−ss/Lであることが好ましい。また、アオコ分解菌、PCB分解菌、ダイオキシン分解菌、環境ホルモン分解菌等の純粋微生物等、を用いることもできる。
微生物としては、培養によって濃縮分離されたものの他に、下水処理場の活性汚泥、湖沼、河川や海の汚泥、土壌などの各種の微生物を含む微生物含有物等も含まれる。
また、上記の無機粒子の表面積あたりの微生物の菌数が多すぎると、包括固定化担体の担体強度が低下する。これは、無機粒子と固定化材料との間の結合が、微生物の存在により減少するためであると考えられる。したがって、上記微生物を、無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在させることが好ましく、7×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在させることがより好ましい。
このように、包括固定化担体内に無機粒子を含有させることにより、無機粒子の表面近傍に微生物の増殖空間を形成できる。また、無機粒子の表面積あたりの微生物の菌数を上記範囲とすることにより、包括固定化担体内の微生物を高濃度で保持させることができる。
無機粒子の表面積あたりの微生物の菌数は、包括固定化担体に対する微生物汚泥の添加量を増加させるだけでなく、無機粒子の種類、形状、添加量、包括固定化担体の製造手順、製造方法等により制御することもできる。
上記固定化材料としては、高分子モノマー、プレポリマー、オリゴマー等が挙げられ、大きく分けると寒天やアルギン酸等の天然の固定化材料と、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の人工の固定化材料と、がある。このうち、天然の固定化材料は、包括固定化担体のゲル自体が生物分解しやすく、長時間の使用に耐えられないことや、担体強度が低いことから、廃水処理に使用することは困難である。したがって、充分な担体強度を有し、かつ生物分解しにくい人工の固定化材料が使用されることが好ましい。
また、人工の固定化材料として、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールメタアクリレート等、を使用することができる。その他、以下のプレポリマーを使用することもできる。
(モノメタクリレート類)ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3クロロ2ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2ヒドロキシメタクリレート、エチルメタクリレート等。
(モノアクリレート類)2ヒドロキシエチルアクリレート、2ヒドロキシプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、tブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、シリコン変性アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、アクリロイルアキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート等。
(ジメタクリレート類)1,3ブチレングリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプレングリコールジメタクリレート、2ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,2ビス4メタクリロキシエトキシフェニルプロパン、3,2ビス4メタクリロキシジエトキシフェニルプロパン、2,2ビス4メタクリロキシポリエトキシフェニルプロパン等。
(ジアクリレート類)エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2ビス4アクリロキシヒエトキシフェニルプロパン、2ヒドロキシ1アクリロキシ3メタクリロキシプロパン等。
(トリメタクリレート類)トリメチロールプロパントリメタクリレート等。
(トリアクリレート類)トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート、グリセリンPO付加トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート等。
(テトラアクリレート類)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等。
(ウレタンアクリレート類)ウレタンアクリレート、ウレタンジメチルアクリレート、ウレタントリメチルアクリレート等。
(その他)アクリルアミド、アクリル酸、ジメチルアクリルアミド等。
なお、上記固定化材料のうち、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
包括固定化担体の重合は、過硫酸カリウムを用いたラジカル重合が最適であるが、紫外線や電子線を用いた重合やレドックス重合であってもよい。過硫酸カリウムを用いたラジカル重合においては、過硫酸カリウムの添加量は、0.001質量%〜0.25質量%であることが好ましく、アミン系の重合促進剤の添加量は、0.01質量%〜0.5質量%であることが好ましく、その種類は、βジメチルアミノプロピオニトリル、NNN’N’テトラメチルエチレンジアミン等、であることが好ましいが、上記に限定されない。
微生物は、球状や筒状等の担体、ひも状材料、包括固定化担体(ゲル状担体)、不織布材料等の凹凸が多い形状に成形されることが好ましい。また、微生物を保持した担体の形状としては、1mm〜5mm角状や球状であることが好ましい。
包括固定化担体の成形方法としては、シート成形法、チューブ成形法、滴下造粒法、ブロック成形法等、を採用することができる。
また、上記の如く製造された本発明に係る包括固定化担体は、処理槽に充填されて、廃水処理に使用される。
図2は、本発明に係る包括固定化担体を用いた廃水処理装置10の一例を説明する図である。図2に示されるように、廃水処理装置10は、主に、原水を処理する処理槽12と、処理槽12にアンモニアを含有する原水を流入する流入配管14と、処理槽12内に投入された包括固定化担体16と、処理槽12内から処理水を流出させる流出配管18と、を備えている。
処理槽12は、流入配管14から流入したアンモニアを含有する原水を処理して、アンモニアを除去する装置である。処理槽12には、包括固定化担体16の流出を抑制するためのフィルタ22が、処理槽12の流出口付近に設けられている。また、処理槽12内には、硝化反応に必要なエアをバブリングするための散気管24が設けられている。
このような構成により、アンモニアを含有する原水は、流入配管14より処理槽12へ流入され、包括固定化担体16の微生物(硝化細菌等)による硝化反応により、原水中のアンモニアが亜硝酸や硝酸に酸化される。なお、硝化反応に必要なエアは、散気管24より供給される。そして、処理水は、フィルタ22を介して流出配管18から流出される。
以上に説明した本発明に係る包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置によれば、高活性な包括固定化担体を得ることができ、安定して廃水処理することができる。
以上、本発明に係る包括固定化担体及びそれを用いた廃水処理装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態において、硝化反応させる廃水処理装置の例について説明したが、嫌気性アンモニア酸化反応、脱窒反応等、目的に応じた各種処理にも本発明を適用できる。
以下、本発明に係る実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。包括固定化担体16は、図1の方法で製造した約3mm角状のものを使用した。
1)培養試験による無機粒子の添加量、及び無機粒子の表面積あたりの硝化細菌数の検討
先ず、包括固定化担体の初期の担体強度及び培養時の硝化速度より、適切な無機粒子の添加量について検討した。ここで、以下の組成の包括固定化担体16を用いた。
(包括固定化担体16の溶液組成)
・活性汚泥:4%硝化細菌の集積汚泥 50.0質量%
(無機粒子の表面積あたりの硝化細菌数:1×10cells/cm
・固定化材料:ポリエチレングリコールジアクリレート 5.0 質量%
(分子量 8000)
・無機粒子:シリカ粒子(平均粒径5μm) 0〜5.0 質量%
・水:蒸留水 20.0〜25.0 質量%
・重合促進剤:5.0% NNN’N’テトラメチルエチレンジアミン
10.0 質量%
・重合開始剤:2.5% 過硫酸カリウム 10.0 質量%
(培養条件)
NH−N(アンモニア性窒素)が200mg/Lの無機培地を用いて、20℃でフィードバッチで培養した。
担体強度は、レオメータを使用し、一定の力で包括固定化担体16を圧縮し、担体ゲルが破壊する時の単位面積あたりの圧縮力として測定した。
(無機粒子の添加量)
本例の包括固定化担体16の各固定化材料の濃度において、無機粒子の添加量(無添加、3質量%、5質量%)に対する初期の担体強度、及び培養時の硝化速度を測定した。この結果を、図3及び表1に示す(試験1〜3)。
Figure 2007268368
図3及び表1に示されるように、本例で検討した範囲の固定化材料の濃度においては、無機粒子を添加することで、担体強度、硝化速度が共に向上した。また、無機粒子の添加量が増加するほど、担体強度及び硝化速度もより高くなることが解った。
(無機粒子の表面積あたりの硝化細菌数)
次に、本例の包括固定化担体16において、無機粒子の表面積あたりの硝化細菌数を変えて、初期の担体強度、担体内部の硝化速度、及び培養後の硝化細菌数を測定した。硝化細菌数は、MPN法により測定した。この結果を図4に示す。
図4に示されるように、無機粒子の表面積あたりの初期の硝化細菌数が、7×10cells/cm以上になると、培養後の硝化細菌数は最大となり、一定値を示した。逆に、初期の担体強度は、無機粒子の表面積あたりの初期の硝化細菌数が、2×10cells/cmを超えると、低下した。これは、無機粒子と固定化材料との結合が硝化細菌の存在により妨害されたためと考えられる。
以上より、包括固定化担体16において、硝化細菌が無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmであることが好ましく、7×10cells/cm〜2×10cells/cmであることがより好ましいことが解った。
2) 廃水処理試験
次に、無機粒子の表面積あたりの硝化細菌数に対する廃水処理性能、及び包括固定化担体16の活性について検討した。包括固定化担体16の組成を表2に示す。
Figure 2007268368
包括固定化担体16の活性は、硝化速度、及び処理後の担体内部の硝化細菌数により評価した。また、廃水処理性能は、以下の条件で運転した場合の処理水中のアンモニア性窒素の濃度により評価した。
(廃水処理条件)
・供試廃水:アンモニア性窒素含有無機廃水
(アンモニア性窒素:100〜160mg/L含有)
・処理槽12内の包括固定化担体の充填率:10%
・水温:20℃
・滞留時間:6時間
アンモニア性窒素の測定方法は、下水試験法のイオンクロマトグラフ法で行った。表3に、硝化速度、処理後の担体内部の硝化細菌数、及び処理水中のアンモニア性窒素濃度の測定結果を示す。
Figure 2007268368
表3に示されるように、実施例1及び2の包括固定化担体を用いて廃水処理した場合、硝化速度が約270mg−N/h/L−担体以上で高い値を示した。また、処理水中のアンモニア性窒素濃度も2以下と大幅に低減されており、さらに処理後における担体内部の硝化細菌数は著しく増加しており、硝化細菌の増殖が順調に進んでいることが解った。
一方、従来法の比較例1〜3においては、実施例1及び2よりも、硝化速度、担体内部の硝化細菌数ともに低く、処理水中のアンモニア性窒素も充分に除去されていなかった。特に、無機粒子を含まない比較例2及び3については、硝化速度、担体内部の硝化細菌数ともに一段と低く、処理水中に残留するアンモニア性窒素量も高かった。
このように、本発明に係る包括固定化担体には、無機粒子が存在することにより、硝化細菌の増殖空間が確保することができ、これにより、硝化活性が向上したものと推測される。さらに、この無機粒子の表面近傍における硝化細菌数を制御することにより、効率よく硝化細菌を増殖させ、より高活性にすることができることが解った。
本実施形態における包括固定化担体の製造方法を説明する図である。 本実施形態における廃水処理装置を説明する図である。 本実施例のグラフである。 本実施例のグラフである。
符号の説明
10…廃水処理装置、12…処理槽、14…流入配管、16…包括固定化担体、18…流出配管、22…フィルタ、24…散気管

Claims (4)

  1. 微生物を固定化材料中に包括固定する包括固定化担体であって、
    前記包括固定化担体が無機粒子を含有すると共に、前記微生物が、前記無機粒子の表面積あたり1×10cells/cm〜2×10cells/cmの範囲で存在することを特徴とする包括固定化担体。
  2. 前記微生物が、硝化細菌であることを特徴とする請求項1の包括固定化担体。
  3. 前記無機粒子が、シリカ、炭酸カルシウム、マグネタイト、タルク、炭素から選ばれる1以上の粒子であることを特徴とする請求項1又は2の包括固定化担体。
  4. 請求項1〜3の何れか1の包括固定化担体を処理槽に充填して、廃水処理することを特徴とする廃水処理装置。
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