JP4600818B2 - アンモニア含有水の処理方法 - Google Patents

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本発明はアンモニア含有水の処理方法に係り、特にアンモニア含有水を生物学的に脱窒処理する方法に関する。
アンモニア含有水を生物学的に脱窒処理する方法は周知である。最も一般的な方法は、アンモニアを硝化細菌による好気的な硝化反応によって亜硝酸や硝酸に酸化する。次いで亜硝酸や硝酸を脱窒菌による嫌気的な脱窒反応によって窒素ガスにする。脱窒菌は従属栄養性であるため脱窒反応には有機物が必要であり、通常、総窒素濃度に対して3倍程度の有機物を添加している。この従来方法は上記したように、硝化反応のために多量の酸素と、脱窒反応のために多量の有機物を必要とする点で、処理コストが高くなることが問題点として指摘されている。
最近では生物学的に脱窒処理を効率よく安価に行うために、嫌気性アンモニア酸化法が検討されている。この方法はアンモニアの一部を例えば化1に示した硝化反応によって亜硝酸に変換する。次に、残りのアンモニアと生成した亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により化2に示した反応によって脱窒する。
Figure 0004600818
Figure 0004600818
この方法ではアンモニアの一部のみを亜硝酸にするので、硝化反応に必要な酸素量を大幅に低減できる。また、嫌気性アンモニア酸化細菌は独立栄養性であるため、脱窒反応に際して有機物を必要としない。このため、アンモニア含有水を安価に脱窒処理できるといわれている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
特開2001−170684号公報 特開2004−275997号公報
しかしながら、上記の嫌気性アンモニア酸化法では、嫌気性アンモニア酸化細菌における脱窒反応のアンモニアと亜硝酸の反応モル比が化2に示したように1:1.31である。したがって、この反応モル比が維持できないと、アンモニア又は亜硝酸のいずれか一方が過剰となり、反応後の処理水に残存して処理性能の低下を招く。前記特許文献1及び特許文献2にはこのような技術課題に対処するための方策が記載されているが、処理が複雑であり現実的な方法とはいえない。
化1に示した硝化反応においてもアンモニアのすべてを均一に亜硝酸にすることは至難であり、現実の硝化反応槽ではアンモニア又は硝酸が硝化液中にかなりの割合で混入する。すなわち、未反応のアンモニアを少なくするために硝化処理を十分にすると硝化液中の硝酸が多くなる。逆に硝酸の生成を少なくするために硝化処理の程度を抑えると硝化液中のアンモニアが多くなる。このため、上記した反応モル比のバランスが不安定となり、嫌気性アンモニア酸化法の実用化をより一層困難にしている。
また、嫌気性アンモニア酸化法は化2で明らかなように、反応後の処理液に硝酸が残る処理法である。このため、脱窒処理を十分に遂行するためには、従来の一般的な方法と同様に、反応後の処理液をさらに従属栄養性の脱窒菌によって脱窒しなければならないという問題点があった。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を改善し、多量の酸素や有機物を必要とせず、かつ安定した処理が可能であり、反応後の処理液をさらに従属栄養性の脱窒菌によって脱窒する必要がないアンモニア含有水の処理方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係るアンモニア含有水の処理方法は、嫌気性亜硝酸酸化細菌を脱窒槽に保持し、この脱窒槽に供給したアンモニア含有水と硝化液とを嫌気条件下で前記嫌気性亜硝酸酸化細菌と接触させることを特徴とする。
上記処理方法では、前記脱窒槽に保持する嫌気性亜硝酸酸化細菌数を10cells/mL以上にすることが望ましく、また、必要に応じて前記脱窒槽に有機物を添加することが望ましい。有機物の添加にあたっては、前記脱窒槽に添加・流入される有機炭素量と総窒素量との比が0.1以上、好ましくは0.2〜0.5となるように前記有機物の添加量を調節することが望ましい。
本発明に係る嫌気性亜硝酸酸化細菌は本発明者がアンモニア含有水の硝化脱窒に関する研究を実施する過程でその存在に初めて気付いた細菌であり、亜硝酸を主成分とした培養液によって培養することができる。この嫌気性亜硝酸酸化細菌は、前記従来技術の項で説明した嫌気性アンモニア酸化細菌と同様な脱窒機能を有しており独立栄養性に近いため、脱窒反応に際して有機物をほとんど必要としない。かつ、この嫌気性亜硝酸酸化細菌はアンモニアが共存しない場合でも亜硝酸を酸化して硝酸にする機能を有している。かつ、従属栄養性の還元作用があり、有機物の存在下で硝酸を還元して亜硝酸にする機能を有している。
本発明のアンモニア含有水の処理方法によれば、アンモニア含有水の全量を硝化する必要がないので、硝化反応に必要な酸素量を大幅に低減できる。また、脱窒槽における嫌気性亜硝酸酸化細菌による脱窒は独立栄養性に近い反応であるため、多量の有機物を必要としない。このため、アンモニア含有水を安価に脱窒処理できる。さらに、脱窒槽では流入する硝化液中の硝酸や嫌気性亜硝酸酸化細菌による脱窒反応にともなって生成される硝酸が、少量の有機物の存在下で嫌気性亜硝酸酸化細菌の従属栄養性の還元作用により亜硝酸に変換される。このため、硝化液中の硝酸濃度が高い場合や硝酸濃度の変動幅が大きい場合でも格別の悪影響を受けることなく安定した脱窒処理を行うことができる。加えて、アンモニア含有水中のアンモニアに起因する窒素はそのほとんどが脱窒槽において窒素ガスに変換される。したがって、処理水に残存する硝酸は極めて低濃度であり、従属栄養性の脱窒菌によって脱窒する必要はない。
図1は本発明に係るアンモニア含有水の処理方法の第1実施形態を示す装置系統図である。アンモニア含有水10の一部10aが硝化槽12に供給され、残部10bは脱窒槽14に供給される。硝化槽12には硝化細菌が固定化担体16などに担持された状態で保持されている。硝化槽12では供給されたアンモニア含有水10の一部10aが好気条件下で固定化担体16と接触することにより、含まれたアンモニアが硝化細菌による硝化作用によって亜硝酸や硝酸になる。この硝化槽12で処理された亜硝酸や硝酸を含む硝化液18は脱窒槽14に供給される。
脱窒槽14には嫌気性亜硝酸酸化細菌が固定化担体20に担持された状態で高濃度に保持されている。嫌気性亜硝酸酸化細菌は下水処理場の汚泥や嫌気硝化汚泥などから集積培養できる。すなわち、これらの汚泥に対し例えばアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素との濃度比が0.1:1で総窒素濃度が80mg/mLの合成水を窒素負荷0.3kg-N/m/日程度で連続的に接触させて嫌気培養すると、3ヶ月程度で嫌気性亜硝酸酸化細菌を菌数10cells/mLにまで集積培養することができる。
脱窒槽14に保持する嫌気性亜硝酸酸化細菌数は後述の実験1で明らかなように10cells/mL以上にすることが望ましい。脱窒槽14の液相は酸素が殆んどない嫌気条件に維持され、図示しない攪拌手段によって固定化担体20は流動状態におかれる。脱窒槽14で処理を受けた処理水22は出口側から排出される。脱窒槽14の出口側にはスクリーン26が配設されている。このスクリーン26によって固定化担体20と処理水22を分離し、固定化担体20が出口側から流出しないようにしている。アンモニア含有水の残部10bと硝化液18は脱窒槽14内で一定時間滞留する間に流動状態の固定化担体20と激しく混合、接触する。
嫌気性亜硝酸酸化細菌を固定化担体20に担持させる方法には付着固定化と包括固定化の2つの方法を用いることができる。付着固定化は担体に嫌気性亜硝酸酸化細菌を付着させる方法であり、担体としては球状、筒状、ひも状、ゲル状のものや不織布などが使われ、なるべく凹凸が多い材料を用いると菌が付着しやすく反応効率が向上する。包括固定化では菌と固定化材料(モノマー、プレポリマ)を混合した後に重合し、ゲルの内部に菌を包括固定化する。モノマー材料としてはアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、トリアクリルフォルマールなどがよい。プレポリマ材料としてはポリエチレングリコールジアクリレートやポリエチレングリコールメタアクリレートがよく、その誘導体を用いることができる。形状は球状、角状、筒状、ひも状、不織布状で凹凸が多い包括担体が接触効率に優れており、反応効率がよい。
なお、脱窒槽14内に嫌気性亜硝酸酸化細菌を保持させる手段としては、上記の固定化担体に限らず、例えば嫌気性亜硝酸酸化細菌を集積した汚泥がグラニュール状に自己造粒したものを用いるようにしてもよい。
嫌気性亜硝酸酸化細菌は前記従来技術の項で説明した嫌気性アンモニア酸化細菌と同様な脱窒機能を有しており、前記化2で示したと同様の反応によってアンモニアと亜硝酸を窒素ガスと硝酸に変換する。この嫌気性亜硝酸酸化細菌は独立栄養性に近いため、脱窒反応に際して有機物をほとんど必要としない。脱窒槽14に供給されたアンモニア含有水10の残部10b中のアンモニアと硝化液18中の亜硝酸は、固定化担体20に担持された前記嫌気性亜硝酸酸化細菌と嫌気条件下で接触することによって、脱窒処理を受けて窒素ガスと硝酸に変換する。
この脱窒槽14に保持された嫌気性亜硝酸酸化細菌は、上記の脱窒機能に加えて従属栄養性の還元作用があり、有機物の存在下で硝酸を還元して亜硝酸にする機能を有している。したがって、脱窒槽14内に適度の有機物が存在している場合には、上記脱窒処理によって生成した硝酸や硝化液18中に含まれていた硝酸が嫌気性亜硝酸酸化細菌の還元作用によって亜硝酸になる。そして、この還元された亜硝酸が、繰り返し脱窒処理を受けるので、脱窒槽14では硝酸濃度が極めて低い濃度に維持されることになり、原水であるアンモニア含有水10中のアンモニアに起因する窒素はそのほとんどが脱窒槽14において窒素ガスに変換される。このため、反応後の処理水22に残存する硝酸をさらに従属栄養性の脱窒菌によって脱窒する必要はない。
なお、脱窒槽14内に流入するアンモニア含有水や硝化液が有機物をほとんど含んでおらず、前記嫌気性亜硝酸酸化細菌の還元作用が期待できない場合には適量の有機物24を脱窒槽14内に添加する。添加する有機物としてはメタノール、廃糖蜜、酢酸などがよい。後述の実験2で明らかなように脱窒槽に添加・流入される有機炭素量と総窒素量との比(C/N比)が0.1以上、好ましくは0.2〜0.5となるように有機物の添加量を調節することが望ましい。
上述のとおり、本実施形態のアンモニア含有水の処理方法によれば、アンモニア含有水の一部10aのみを硝化槽12に導き硝化するので、硝化反応に必要な酸素量を大幅に低減できる。また、脱窒槽14における嫌気性亜硝酸酸化細菌による脱窒は独立栄養性に近い反応であるため、多量の有機物を必要としない。このため、アンモニア含有水を安価に脱窒処理できる。さらに、脱窒槽14では流入する硝化液18中の硝酸や嫌気性亜硝酸酸化細菌による脱窒反応にともなって生成される硝酸が、少量の有機物の存在下で嫌気性亜硝酸酸化細菌の従属栄養性の還元作用により亜硝酸に変換される。このため、硝化槽12から供給される硝化液18中の硝酸濃度が高い場合や硝酸濃度の変動幅が大きい場合でも格別の悪影響を受けることなく安定した脱窒処理を行うことができる。したがって、硝化槽12及び脱窒槽14の運転管理が容易になる。加えて、アンモニア含有水10中のアンモニアに起因する窒素はそのほとんどが脱窒槽14において窒素ガスに変換される。したがって、処理水22に残存する硝酸は極めて低濃度であり、従属栄養性の脱窒菌によって脱窒する必要はない。
図2〜図7はそれぞれ本発明の他の実施形態を示す装置系統図である。これらの図において、図1や他図と同一の符号を付した要素は上記第1実施形態などで説明した要素と実質的同一であり、その説明を省略する。
図2に示した第2実施形態は硝化槽12が後段にあり、硝化液を前段の脱窒槽14に返送する。図3に示した第3実施形態はアンモニア含有水10に有機物が多い場合である。脱窒槽14の前段に従属栄養式脱窒槽30を設置し、この従属栄養式脱窒槽30に従属栄養性の脱窒菌を付着固定させた充填材32を充填している。硝化液18を従属栄養式脱窒槽30と脱窒槽14に分注することによって、脱窒槽14におけるC/N比を適正値にまで引き下げている。図4に示した第4実施形態もアンモニア含有水10に有機物が多い場合であり、後段の硝化槽12から返送する硝化液18を従属栄養式脱窒槽30と脱窒槽14に分注する。図5に示した第5実施形態では硝化細菌などを含む浮遊汚泥を脱窒槽14、硝化槽12、沈殿槽34の順に循環させ、沈殿汚泥を硝化液18とともに脱窒槽14に返送する。図6に示した第6実施形態ではアンモニア含有水10に有機物が多い場合に沈殿汚泥を硝化液18とともに前段の従属栄養式脱窒槽30と脱窒槽14とに分けて返送する。図7に示した第7実施形態はアンモニア含有水10のアンモニア濃度が例えば500mg/L程度と高い場合に適しており、硝化槽12a、12b、12cが直列、多段に設けられている。
実験例
実験1
下水処理場の活性汚泥を種汚泥としてポリエチレングリコールジアクリレートで包括固定化した。この包括固定体を3mm角に成形し、包括固定化担体を得た。得られた担体を有効容量が1Lの培養槽に充填率が20%になるように充填した。この培養槽に合成水を嫌気条件下で連続通水した。合成水はアンモニア性窒素(NH−N)濃度、亜硝酸性窒素(NO−N)濃度との比が0.1:1で総窒素(T−N)を80mg/L含有したものである。この合成水を培養槽における滞留時間、6時間(T−N負荷0.3kg-N/m/日)で通水した。
1ヵ月後には処理水に硝酸の生成がみられた。3ヵ月後には処理水における硝酸の生成がほぼ100%に安定し、嫌気性亜硝酸酸化細菌が担体中に集積培養されたことを確認した。そこで、担体を培養槽から取り出して微粉砕し、微粉砕した担体を試料として、担体中の嫌気性亜硝酸酸化細菌の菌数をMPN法によって計測した。MPN法の分析では微粉砕した担体を段階的に希釈した複数のサンプルを表1に示した培地を用いて1ヶ月間培養した。この培養後の各サンプルをイオンクロマト装置によって分析し、硝酸を生成しているサンプルを陽性とすることによって、担体中の嫌気性亜硝酸酸化細菌の菌数を計測した。
Figure 0004600818
上記MPN法の計測と併行して、MPN法と同様に微粉砕した担体を段階的に希釈した複数のサンプルを用いて回分実験を実施した。すなわち、試験管内の試料液のT−N濃度が80mg/L(NH−N濃度、NO−N濃度、NO−N濃度の比が1:0.5:0.5)、有機炭素源としての酢酸ナトリウムが総窒素量とのC/N比で0.2となるように各試験管に段階的に希釈したサンプルをそれぞれ投入した。これらの各試験管を嫌気状態で振とうし、試料液中のT−N濃度の経時変化から脱窒速度を求めた。なお、各試験管における嫌気性亜硝酸酸化細菌数は上記MPN法による計測値を換算することによって求めた。
図8はこの実験1に係る回分実験の結果を示すグラフである。図8において横軸は試料液における嫌気性亜硝酸酸化細菌数を示し、縦軸は脱窒速度を示す。図8から明らかなように、嫌気性亜硝酸酸化細菌数が10cells/mL以上で脱窒速度が急激に向上し始める。このことから本発明においては脱窒槽に保持する嫌気性亜硝酸酸化細菌数を10cells/mL以上にすればよいことが判る。
実験2
実験1と同一の微粉砕した担体を用いて回分実験を実施した。すなわち、試験管内に嫌気性亜硝酸酸化細菌の集積汚泥である微粉砕担体と窒素含有試料液を投入し、各試験管を嫌気状態で4時間、振とうした後に、試料液中のT−N濃度の減少量から脱窒率を測定した。試料液としてはT−N濃度が80mg/L(NH−N濃度、NO−N濃度、NO−N濃度の比が1:0.5:0.5)と一定で、有機炭素源としての酢酸ナトリウムを総窒素量とのC/N比で0〜1.5の範囲で変化させたものを用いた。
図9はこの実験2に係る回分実験の結果を示すグラフであり、横軸は試料液のC/N比を示し、縦軸は脱窒率を示す。図9から明らかなようにC/N比が0.1以上の時に脱窒率が高く、C/N比が0.2〜0.5の範囲で特に高い脱窒率を示すことが判った。
実験3
図1に示した装置によって実廃水の処理実験を行った。使用した固定化担体は表2に示した組成で製造した包括固定化担体である。嫌気性亜硝酸酸化細菌の集積汚泥としては実験1や実験2と同一の微粉砕した担体を用いた。過硫酸カリウムを添加することにより、表2に示した組成の混合物はゲル化する。このゲル化体を3mm角に成形し、実験用の包括固定化担体とした。
Figure 0004600818
上記の包括固定化担体を脱窒槽14に充填率20%で投入し、この脱窒槽14を機械攪拌しながら実験した。使用した実廃水はNH−N濃度が90〜120mg/L,BODが15〜30mg/Lであった。この実廃水の60%を硝化槽12に供給して硝化した後に硝化液18として脱窒槽14に送り、残り40%を直接に脱窒槽14に供給した。脱窒槽14では供給液の滞留時間を2時間とし、有機物は添加しなかった。有機物を添加しない理由は、実廃水中のBOD成分を有機炭素源として利用できるからである。
上記の条件で連続処理した結果、1ヵ月後には脱窒率85%以上の安定した脱窒処理性能を示すようになった。
実験4
実験3における包括固定化担体に替えて、(1)嫌気性亜硝酸酸化細菌の集積汚泥を自己造粒させたもの、(2)嫌気性亜硝酸酸化細菌の集積汚泥をスポンジ担体に付着固定したものを脱窒槽14に投入し、その他の条件は実験3と同一条件で実験した。その結果、(1)(2)の両方とも、実験3における包括固定化担体と同様に1ヵ月後には脱窒率85%以上の安定した脱窒処理性能を示すようになった。その後、供給液の滞留時間を減少させることによって包括固定化担体及び(1)(2)について、それぞれ高負荷運転を行ったところ、包括固定化担体の場合では脱窒速度11kg−N/m/日、(1)の自己造粒の場合では脱窒速度6kg−N/m/日、(2)の付着固定担体の場合では脱窒速度4kg−N/m/日の結果が得られた。これらの脱窒速度はこれまで発表されている嫌気性アンモニア酸化法の脱窒速度よりも大きく、本発明方法の有効性を裏付けることができた。
本発明に係るアンモニア含有水の処理方法の第1実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係るアンモニア含有水の処理方法の第2実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係る亜硝酸含有液の酸化処理方法の第3実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係る亜硝酸含有液の酸化処理方法の第4実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係る亜硝酸含有液の酸化処理方法の第5実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係る亜硝酸含有液の酸化処理方法の第6実施形態を示す装置系統図である。 本発明に係る亜硝酸含有液の酸化処理方法の第7実施形態を示す装置系統図である。 実験1の実験結果を示すグラフである。 実験2の実験結果を示すグラフである。
符号の説明
10………アンモニア含有水、12………硝化槽、14………脱窒槽、18………硝化液、20………固定化担体、22………処理水、24………有機物、26………スクリーン、30………従属栄養式脱窒槽、32………充填材、34………沈殿槽。

Claims (4)

  1. 嫌気性亜硝酸酸化細菌を脱窒槽に保持し、この脱窒槽に供給したアンモニア含有水と硝化液とを嫌気条件下で前記嫌気性亜硝酸酸化細菌と接触させることを特徴とするアンモニア含有水の処理方法。
  2. 前記脱窒槽に保持する嫌気性亜硝酸酸化細菌数を10cells/mL以上にすることを特徴とする請求項1に記載のアンモニア含有水の処理方法。
  3. 前記脱窒槽に有機物を添加することを特徴とする請求項1に記載のアンモニア含有水の処理方法。
  4. 前記脱窒槽に添加・流入される有機炭素量と総窒素量との比が0.1以上となるように前記有機物の添加量を調節することを特徴とする請求項3に記載のアンモニア含有水の処理方法。
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