JPH095524A - 液晶表示素子用補償フィルムおよび該補償フィルムを組み込んだ液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子用補償フィルムおよび該補償フィルムを組み込んだ液晶表示装置

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JPH095524A
JPH095524A JP8087750A JP8775096A JPH095524A JP H095524 A JPH095524 A JP H095524A JP 8087750 A JP8087750 A JP 8087750A JP 8775096 A JP8775096 A JP 8775096A JP H095524 A JPH095524 A JP H095524A
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JP
Japan
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less
film
liquid crystal
integer
substrate
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Application number
JP8087750A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Mazaki
仁詩 真崎
Yasushi Sato
康司 佐藤
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレーの補償板として視野角拡大
を図ることの可能な液晶表示素子用補償フィルムを提供
する。 【解決手段】 ディスコティック液晶の配向形態を固定
化したディスコティック液晶性材料から成る液晶表示素
子用補償フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスコティック
液晶の配向形態を固定化した液晶表示素子用補償フィル
ムおよび該補償フィルムを組み込んだ液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレーは、低電圧駆動、軽
量、低コストなどの特徴のゆえに、ノートパソコン、携
帯用電子機器、携帯用テレビなどのディスプレーとして
広く普及している。液晶ディスプレーは、利用する液晶
の配向の違いや駆動電極の違いから種々の異なる方式が
存在する。中でもTN(wisted emati
c)型液晶を用いたTFT(hin ilm
ansistor)−LCD(iquid rys
tal isplay)に代表されるアクティブマト
リクスタイプのLCDは、高速応答、高画質といった特
徴からブラウン管にかわる高性能のディスプレーとして
期待が大きい。しかしながら、ブラウン管と比較したと
き、TFT−LCDの決定的な欠点は表示の視野角依存
性が存在することにある。視野角依存性とはディスプレ
ーを斜めから見たとき表示性能(コントラスト、階調)
が低下するという問題である。これは光学異方性をもつ
液晶や偏光板といった部材を利用していることに起因
し、液晶ディスプレー一般にあてはまる問題ではある
が、TFT−LCDでは特に高品位の表示を目標として
いるため、この視野角依存性の問題は他のディスプレー
方式よりも深刻である。例えば、TFT−LCDの重要
な用途の一つである液晶テレビでは、視角による僅かな
色の変化や明暗の変化も不快に感じられる。また大面積
化を図ろうとした場合は、画面の位置によって見る角度
が変わってくるので、画面中央部と周辺部とで同一レベ
ルの表示が得られないという問題が生じることになる。
【0003】TFT−LCDに代表されるノーマリーホ
ワイトモードのTN液晶ディスプレーでは、非選択時に
は光が透過し、選択電圧印加により遮光がなされること
により表示が行われる。液晶ディスプレーの視野角依存
性は、主に駆動用TN液晶セル中の液晶配向に起因し、
特に光の遮光された表示状態における液晶の配向形態に
依るところが大きい。従って視野角の補償のためには、
選択電圧印加時の液晶の配向形態に着目すれば良く、補
償板は該液晶の配向形態の屈折率異方性を打ち消す効果
をもてば良いことになる。
【0004】こうした問題点を解決するために、配向形
態に着目した補償板として、例えば特開平3−8772
0号公報、特開平6−250166号公報、特開平6−
222213号公報および特開平6−214116号公
報などがある。特開平3−87720号公報は、ねじれ
ネマティック液晶を用いて、光軸を基板法線方向に持
つ、負の一軸構造とした補償板を開示している。この補
償板は、選択電圧印加時の液晶セル中の液晶のダイレク
ターは、およそ電極基板に垂直に向いており、そのため
屈折率構造は、およそ厚み方向の屈折率の大きい正の一
軸性構造に近い異方性を持っていると考えたものであ
る。該補償板では、ある程度の視野角拡大効果は得られ
たが、全方位で良好な表示が得られるほどではなかっ
た。
【0005】また、光軸が基板法線方向から傾いた負の
一軸性構造では、より高い補償性能を有すると考えら
れ、特開平6−250166号公報では、捻れネマティ
ック配向し、且つその螺旋軸が基板表面の法線方向に対
して傾斜している液晶層を、また特開平6−22221
3号公報では、延伸フィルムを、さらに特開平6−21
4116号公報では、低分子液晶を高分子マトリックス
中に分散し、磁場を掛けることによって得た、光軸が基
板から傾いたシートをそれぞれ補償板として用いたもの
が開示されている。しかしながら、液晶セル中の配向形
態は複雑であり、単に光軸の傾いた負の一軸性構造によ
る補償にも限界があった。以上のように従来知られたL
CDディスプレー用補償板は、未だ視野角が不十分であ
り、更なる改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決することにあり、特に液晶ディスプレーの補
償板として、従来にない視野角拡大を図ることが可能な
液晶表示素子用補償フィルムを提供することにある。さ
らに本発明の目的は、液晶表示素子用補償フィルムを組
み込んだ液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1
は、ディスコティック液晶性材料から成り、ディスコテ
ィック液晶の配向形態を固定化した液晶表示素子用補償
フィルムに関する。また本発明の第2は、ディスコティ
ック液晶の配向形態を固定化したディスコティック液晶
性材料から形成される単層フィルムであって、該配向形
態がフィルム上面界面近傍のディスコティック液晶のダ
イレクターとフィルム平面とのなす角度と、フィルム下
面界面近傍のディスコティック液晶のダイレクターとフ
ィルム平面とのなす角度が異なるハイブリッド配向であ
ることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用補償
フィルムに関する。また本発明の第3は、ハイブリッド
配向が、ディスコティック液晶のダイレクターがフィル
ムの一方の面においては、フィルム平面と60度以上、
90度以下の角度をなしており、フィルムの他の面にお
いては、0度以上、50度以下の角度を成すハイブリッ
ド配向である上記記載の液晶表示素子用補償フィルムに
関する。また本発明の第4は、TN型液晶セルと、該液
晶セルを挟むように上下一対の偏光板を備えたノーマリ
ーホワイトモードの液晶表示素子に少なくとも1枚用い
る上記記載の液晶表示素子用補償フィルムに関する。ま
た本発明の第5は、TN型液晶セルと、該液晶セルを挟
むように上下一対の偏光板との間の、一方または両方
に、少なくとも1枚挟んで用いる上記記載の液晶表示素
子用補償フィルムに関する。また本発明の第6は、上記
記載の液晶表示用補償フィルムを少なくとも1枚組み込
んだ液晶表示装置に関する。また本発明の第7は、上記
記載の補償フィルムと基板とから少なくとも構成され、
基板側のフィルム界面近傍のディスコティック液晶のダ
イレクターとフィルム平面との成す角度が0度以上50
度以下であることを特徴とする補償素子に関する。また
本発明の第8は、ディスコティック液晶の配向制御能を
実質的に持たない基板と上記記載の補償フィルムとから
構成されることを特徴とする補償素子に関する。また本
発明の第9は、配向膜を有しない基板と上記記載の補償
フィルムとから構成されることを特徴とする補償素子に
関する。また本発明の第10は、TN型液晶セルと、該
液晶セルを挟むように上下一対の偏光板を備えたノーマ
リーホワイトモードの液晶表示素子に少なくとも1枚用
いることを特徴とする上記記載の補償素子に関する。ま
た本発明の第11は、TN型液晶セルと、該液晶セルを
挟むように上下一対の偏光板との間の、一方または両方
に、少なくとも1枚挟んで用いることを特徴とする上記
記載の補償素子に関する。さらに本発明の第12は、上
記記載の補償素子を少なくとも1枚組み込んだ液晶表示
装置に関する。
【0008】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。本発明の液晶表示素子用補償フィルム(以下、補償
フィルムと略す。)の補償の対象は、光学的に異方性を
もった液晶ディスプレーである。該液晶ディスプレーの
種類については、特に限定されないが、具体的な例を示
せば、TN(Twisted Nematic)液晶デ
ィスプレー、STN(Super Twisted N
ematic)液晶ディスプレーなどのねじれネマチッ
ク液晶配向を利用したディスプレー、スーパーホメオト
ロピック液晶ディスプレー(J.F.Clerc,
M.Aizawa, S,Yamauchi, J.D
uchene:JAPAN DISPLAY ’89
p.188(1989),OCB(Optically
Compensated Birefringenc
e)モードの液晶ディスプレー(C.L.Kuo,
T.Miyashita,M.Suzuki and
T.Uchida:SID 94 DIGEST,p.
927(1994)),ECB(Electrical
ly Controlled Birefringen
ce)モードのディスプレー、ゲストホストモードの液
晶ディスプレー、高分子分散型ディスプレー、強誘電性
液晶ディスプレー、および、反強誘電性液晶ディスプレ
ーなどを挙げることができる。また表示システムの方式
としては、それぞれについて直視型、投射型、反射型が
ある。
【0009】本発明の補償フィルムが、最も顕著な補償
効果を示すディスプレーの一つとしては、ノーマリホワ
イトモードで駆動されるTN液晶ディスプレーが挙げら
れる。TN液晶ディスプレーとして駆動方式で分類すれ
ば、単純マトリクス方式、TFT(Thin Film
Transistor)電極やMIM(MetalI
nsulator Metal)電極を用いるアクティ
ブマトリクス方式などのように細分できる。本発明にお
いては、駆動方式の違いは本質ではなく、液晶セル中の
液晶の配向形態がディスプレーの視野角特性を決定す
る。ここでいうTN液晶セルとは、ねじれ角が70度か
ら110度の範囲にあるものであり、最も一般的なTN
液晶ディスプレーでは、ねじれ角はほぼ90度となって
いる。セルの電圧無印加時のリターデーションは、通常
200nmから1200nmの範囲であり、好ましくは
400nmから600nmであり、中でも490nm付
近のリターデーション値が最も広く用いられている。ま
た、上下の偏光板は、ノーマリホワイトモードで駆動さ
れるため、透過軸は互いにほぼ直交している。本発明は
このようなTN液晶セルに対する視野角補償において特
に著しい効果を発揮する。尚、公知の技術である、駆動
電極を細分化した画素分割方式、液晶のプレチルト方向
を二方向または多方向に分割したデュアルドメイン方式
やマルチドメイン方式は、液晶ディスプレーの視野角拡
大を液晶セル側から行おうという試みで考えられたもの
である。このような視野角が、ある程度改善された液晶
ディスプレーに対しても本発明の補償フィルムは、有効
に作用し、更なる視野角拡大が可能となる。上記の如き
液晶ディスプレーに対し、優れた補償効果を与えうる本
発明の補償フィルムは、ディスコティック液晶性材料か
ら成り、該液晶の配向形態を固定化して形成される。
【0010】一般にディスコティック液晶は、平面性の
高い円盤状の形をしたメソゲンを有する分子により発現
される液晶である。ディスコティック液晶の特徴は、液
晶層中の極微小領域における屈折率が負の一軸性を有す
ることであり、図1のように、ある平面内での屈折率が
等しく(noとする)、その平面に垂直な方向がダイレ
クター(液晶の局所的な配向方向を表す単位ベクトル)
であり、該ダイレクター方向の屈折率をneとしたと
き、no>neとなっている。こういった微小領域にお
けるダイレクターが液晶層中でどのように配列するか
で、得られる構造体の屈折率特性、ひいては光学特性が
決定される。該ダイレクターの方向(角度)が、液晶層
全体にわたって同一方向を向いている場合、その向きが
液晶層全体の光軸となる。通常、液晶層全体にわたって
ダイレクターが同一方向を向いている場合、負の一軸性
の構造層となり、従来の方法でディスコティック液晶を
均一配向した場合には、通常、図2(a),(b)の配
向を形成する。図2の(a)は、液晶層に存在するディ
スコティック液晶のダイレクターが全て基板法線にある
ことからホメオトロピック配向と呼ばれる。この配向を
形成した液晶層の光軸は基板法線方向に存在することと
なる。また(b)は、液晶層に存在する全てのディスコ
ティック液晶のダイレクターが基板法線から一定角度傾
いたチルト配向であり、この液晶層全体の光軸は、ダイ
レクターが傾いた方向(チルト角方向)に存在すること
になる。
【0011】本発明の補償フィルムは、前記のようなホ
メオトロピック配向やチルト配向、また該配向形態に基
づく負の一軸性構造とは全く異なるものであり、フィル
ム全体としての光軸が存在せず、ディスコティック液晶
のダイレクターとフィルム平面とのなす角度がフィルム
上面界面近傍と下面界面近傍とで異なった単層フィルム
である。具体的には、フィルムの膜厚方向の各部分にお
いて該ダイレクターとフィルム平面とのなす角度が異な
った配向を形成している。また本補償フィルムにおいて
は、該ダイレクターのフィルム平面への投影ベクトルの
方向(ダイレクター方位)が液晶層全体、すなわち補償
フィルム全体にわたってほぼ一方向である。したがって
本発明の補償フィルムは、該ダイレクターの角度がフィ
ルム上面界面近傍と下面界面近傍とで異なり、またダイ
レクター方位が一方向ということから、図2の(c)の
如くディスコティック液晶の該ダイレクターとフィルム
平面とのなす角度が、該フィルムの膜厚方向でほぼ連続
的な変化をした特異な配向形態を形成しているものと推
察される。棒状のネマティック液晶では、このような厚
さ方向でダイレクターの角度が連続的に変化したものを
ハイブリッド配向と呼ぶことから、本発明の補償フィル
ムの配向形態もハイブリッド配向と呼ぶことにする。
【0012】本発明において、ハイブリッド配向のフィ
ルムの膜厚方向における角度範囲は、ディスコティック
液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす最小の角度
の絶対値、すなわちディスコティック液晶のダイレクタ
ーとフィルム平面における法線とがなす鈍角側ではない
角度(0度以上90度以下の範囲となる角度)をa度と
した際に、〔90度−a度〕により求められる角度が、
フィルムの上面界面近傍または下面界面近傍の一方にお
いては、通常60度以上90度以下の角度をなし、当該
面の反対面においては、通常0度以上50度以下であ
る。好ましくは一方の角度の絶対値が80度以上90度
以下、他方の角度の絶対値が0度以上30度以下であ
る。なお界面近傍とは、フィルムの表面から膜厚方向に
向かって該膜厚の1〜5%程度の深さを意味するもので
ある。
【0013】本発明の補償フィルムは、上述のように少
なくともディスコティック液晶のダイレクターとフィル
ム平面との成す角度が、フィルム上面界面近傍と下面界
面近傍とでは異なったハイブリッド配向を形成してい
る。したがってディスコティック液晶のダイレクター
は、フィルム厚み方向で異なる方向を向いており、フィ
ルムという構造体(ディスコティック液晶層全体)とし
て見た場合、もはや光軸は存在せず一軸性は失われてい
る。このような、液晶の配向形態中を光が通過する際、
従来得られなかった複雑な複屈折挙動を観察することが
できる。
【0014】次に、本発明に用いるディスコティック液
晶性材料について説明する。該材料は、ディスコティッ
ク液晶性化合物単独、または、少なくとも1種の該液晶
性化合物を含有する組成物からなる。ディスコティック
液晶はC.Destradeらにより、その分子の配向
秩序によってND 相(discotic nemati
c phase),Dho相(hexagonal or
dered columnar phase),Dhd相
(hexagonal disordered col
umnar phase),Drd相(rectangu
lar disordered columnar p
hase),Dob相(oblique columna
r phase)のように分類されている(C.Des
trade et al.Mol.Cryst.Li
q.Cryst.106,121(1984))。本発
明において、これらの分子の配向秩序は特に限定はされ
ないが、配向の容易さの観点から、配向秩序の最も低い
ND 相を少なくとも有する材料が好ましく、特に好まし
いのはND 相のみを唯一液晶相として有するものであ
る。
【0015】本発明に用いられるディスコティック液晶
性材料は、その液晶状態における配向形態を損なうこと
なく固定化するために、固定化時に液晶相から結晶相へ
の転移が起こらないものが好ましい。またフィルムを形
成した際、使用条件下で配向形態が保たれ、且つ、固体
と同様に取扱いができるものが望ましい。さらに、本発
明でいう固定化した、という状態は、液晶構造がアモル
ファスなガラス状態で凍結された状態が最も典型的、且
つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、
本発明の補償フィルムの使用条件下、具体的には、通常
0℃から50℃、より過酷な条件下では−30℃から7
0℃の温度範囲において、該フィルムに流動性が無く、
また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせるこ
となく、固定化された配向形態を安定に保ち続けること
ができる状態を指すものである。以上のことより、本発
明に用いられるディスコティック液晶性材料としては、
以下のいずれかの性質を持つものが好ましい。
【0016】 液晶状態より低温域にガラス相のみを
有し、結晶相を持たない。液晶状態より温度を下げてい
くとガラス状態で固定化される。 液晶状態より低温域に結晶相を有し、さらに結晶相
より低温域にガラス相を有するものであって、液晶状態
から温度を下げたとき、結晶相が出現せず(結晶相が過
冷却する場合、または昇温時のみに結晶化を起こすモノ
トロピックな場合)、液晶状態より温度を下げていくと
ガラス状態で固定化される。 液晶状態より低温域に結晶相を有するが、さらに低
温域においては、明瞭なガラス転移を示さないものであ
って、液晶状態から温度を下げたとき、結晶相が出現し
ない(結晶相が過冷却する場合、または昇温時のみに結
晶化を起こすモノトロピックな場合)。この場合、融点
(固定化した後、再度高温に加熱したときに観測され
る)よりさらに低い温度では、分子の流動性が極めて制
限された状況にある、実用上固体の材料と見なせる。 液晶状態より低温域で、昇温過程および高温過程に
おいても明瞭な結晶への転移もガラス状態への転移も観
測されないが、液晶状態における配向形態を固定化した
際、本フィルムの使用温度範囲内で流動性が全く無く、
且つ、ズリなどの外力や外場を加えても配向形態が変化
しない。
【0017】上記のうち、より好ましいものはおよび
のいずれかの場合であり、最も好ましいのはの性質
を持ったものを用いる場合である。尚、およびのい
ずれの場合でも実用上差し支えなく用いることができる
が、フィルムの使用条件下で配向の乱れが起こる可能性
がないことを注意深く確かめる必要性がある。具体的に
は、通常0℃から50℃の温度範囲において、例えばズ
リなどを強制的に加え、配向形態に乱れが生じなければ
特に問題はない。ズリなどによって配向形態に乱れが生
じた場合、本来の光学性能は失われ、その後如何なる処
理を施しても元の配向形態に戻すことは困難であり、実
際の使用において大きな問題となる。
【0018】本発明に用いるディスコティック液晶性材
料は、上記のいずれかの性質を持つと同時に、均一な欠
陥のない配向のために、良好なドメイン合一性を示すも
のが望ましい。ドメインの合一性が悪い場合には、得ら
れる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に
配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。また、フィ
ルムの透過率低下にもつながるので望ましくない。次
に、該液晶性材料と成りうるディスコティック液晶性化
合物について説明する。該化合物の具体的な構造は、主
にディスコティック液晶相を発現させるのに必須の円盤
状の中心部分(ディスコゲン)と、液晶相を安定化する
ために必要な置換基とで構成される。該置換基は、一官
能性のものが好ましく用いられるが、二官能性のものを
用いてディスコゲン同士を一部連結させ、オリゴマー化
またはポリマー化させたりして得られる化合物でも本発
明の材料として好ましく用いることができる。以下、具
体的に本発明に用いることができるディスコティック液
晶性化合物の分子構造を示す。
【0019】
【化1】 1 ,R2 ,R3 は以下の群より選ばれる同一もしくは
異なる、一官能性もしくは二官能性の置換基。一官能性
の置換基としては、
【0020】
【化2】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。X1〜X8は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Cm 2mは直鎖もしくは
分岐のアルキレン基で、mは1以上16以下の整数、よ
り好ましくは2以上10以下の整数。二官能性の置換基
としては、
【0021】
【化3】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0022】
【化4】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0023】
【化5】 ただしpおよびqは、1以上18以下の整数、より好ま
しくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX3
は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、C
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
O−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC1
21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1以
上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0024】
【化6】 ただしpは、1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。X1、X2、X3、X4、X5お
よびX6は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、B
r−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C
6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。こ
こでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、
1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下
の整数。
【0025】
【化7】 ただしX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X
8およびX9は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C 6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0026】
【化8】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0027】
【化9】 ただしpおよびqは、1以上18以下の整数、より好ま
しくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX3
は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、C
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
O−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC1
21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1以
上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0028】
【化10】 ただしpは、1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。X1、X2、X3、X4、X5お
よびX6は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、B
r−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C
6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。こ
こでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、
1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下
の整数。
【0029】
【化11】 ただしX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X
8およびX9は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C 6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0030】
【化12】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0031】
【化13】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0032】
【化14】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0033】
【化15】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0034】
【化16】 ただしpおよびqは、1以上18以下の整数、より好ま
しくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX3
は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、C
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
O−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC1
21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1以
上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0035】
【化17】 ただしpは、1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。X1、X2、X3、X4、X5お
よびX6は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、B
r−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C
6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。こ
こでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、
1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下
の整数。
【0036】
【化18】 で表されるポリマー。Qは、
【0037】
【化19】 ここでnは1以上18以下の整数、より好ましくは3以
上14以下の整数。mは2以上16以下の整数、より好
ましくは4以上12以下の整数。平均分子量は4,00
0以上100,000以下の範囲。
【0038】
【化20】 1 ,R2 ,R3 は以下の群より選ばれる同一もしくは
異なる、一官能性もしくは二官能性の置換基。一官能性
の置換基としては、
【0039】
【化21】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。二官能性の置換基としては、
【0040】
【化22】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0041】
【化23】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0042】
【化24】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0043】
【化25】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0044】
【化26】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0045】
【化27】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0046】
【化28】 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。
【0047】
【化29】 で表されるポリマー。平均分子量は4,000以上10
0,000以下の範囲。Qは、
【0048】
【化30】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0049】
【化31】 1 ,R2 ,R3 ,R4 は以下の群より選ばれる同一も
しくは異なる、一官能性もしくは二官能性の置換基。一
官能性の置換基としては、
【0050】
【化32】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。二官能性の置換基としては、
【0051】
【化33】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0052】
【化34】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0053】
【化35】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0054】
【化36】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0055】
【化37】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0056】
【化38】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0057】
【化39】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0058】
【化40】 ただしp,q,rおよびsは、1以上18以下の整数、
より好ましくは3以上14以下の整数。
【0059】
【化41】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 は以
下の群より選ばれる同一もしくは異なる、一官能性もし
くは二官能性の置換基。一官能性の置換基としては、−
H(最大4個まで),
【0060】
【化42】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。二官能性の置換基としては、
【0061】
【化43】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0062】
【化44】 ただし、p,q,r,s,t,u,vおよびwは、1以
上18以下の整数、より好ましくは3以上14以下の整
数。
【0063】
【化45】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0064】
【化46】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0065】
【化47】 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0066】
【化48】 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0067】
【化49】 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0068】
【化50】 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0069】
【化51】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0070】
【化52】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0071】
【化53】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0072】
【化54】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0073】
【化55】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0074】
【化56】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0075】
【化57】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は以下の群より選
ばれる同一もしくは異なる、一官能性もしくは二官能性
の置換基。一官能性の置換基としては、
【0076】
【化58】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。X1〜X8は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Cm 2mは直鎖もしくは
分岐のアルキレン基で、mは1以上16以下の整数、よ
り好ましくは2以上10以下の整数。二官能性の置換基
としては、
【0077】
【化59】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な例としては、
【0078】
【化60】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0079】
【化61】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0080】
【化62】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0081】
【化63】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0082】
【化64】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0083】
【化65】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0084】
【化66】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0085】
【化67】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X
1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独
立してH−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C
1 21+1O−、C 6 5 −、C6 5 CO−、C6 5
O−のいずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖
もしくは分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整
数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0086】
【化68】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0087】
【化69】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0088】
【化70】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0089】
【化71】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0090】
【化72】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6 p,qは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。
【0091】
【化73】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0092】
【化74】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦w≦6、0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独立して
H−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1
21+1O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−
のいずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もし
くは分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、
好ましくは1以上10以下の整数。
【0093】
【化75】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0094】
【化76】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0095】
【化77】 ただし、p,q,r,s,t,u,vおよびwは、3以
上18以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整
数。kは1,2もしくは3。
【0096】
【化78】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0097】
【化79】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0098】
【化80】 ただし、mは2以上18以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0099】
【化81】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0100】
【化82】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0101】
【化83】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0102】
【化84】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0103】
【化85】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0104】
【化86】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0105】
【化87】 ただし、p,q,r,s,t,u,vおよびwは、1以
上18以下の整数、より好ましくは3以上14以下の整
数。X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それ
ぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1
−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C
6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC1
21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1以上
18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整数。Q
は、
【0106】
【化88】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0107】
【化89】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0108】
【化90】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,a,b,
c,d,eおよびfは、1以上18以下の整数、より好
ましくは3以上14以下の整数。Qは、
【0109】
【化91】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0110】
【化92】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0111】
【化93】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,xおよびy
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。X1、X2、X3、X4、X5、X6、X
7、X8、X9およびX10は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C65 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Qは、
【0112】
【化94】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0113】
【化95】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0114】
【化96】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,a,b,
c,d,eおよびfは、1以上18以下の整数、より好
ましくは3以上14以下の整数。Qは、
【0115】
【化97】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0116】
【化98】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0117】
【化99】 で表されるポリマー。ただし、p,q,r,s,t,
u,v,wは、1以上18以下の整数、より好ましくは
3以上14以下の整数。平均分子量は5,000から1
00,000の範囲。Qは、
【0118】
【化100】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0119】
【化101】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0120】
【化102】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は以下の群より選
ばれる同一もしくは異なる、一官能性もしくは二官能性
の置換基。一官能性の置換基としては、
【0121】
【化103】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。X1〜X8は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Cm 2mは直鎖もしくは
分岐のアルキレン基で、mは1以上16以下の整数、よ
り好ましくは2以上10以下の整数。二官能性の置換基
としては、
【0122】
【化104】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な例としては、
【0123】
【化105】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0124】
【化106】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0125】
【化107】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0126】
【化108】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0127】
【化109】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X
1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独
立してH−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C
1 21+1O−、C 6 5 −、C6 5 CO−、C6 5
O−のいずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖
もしくは分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整
数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0128】
【化110】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0129】
【化111】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0130】
【化112】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0131】
【化113】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0132】
【化114】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0133】
【化115】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0134】
【化116】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6 p,qは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。
【0135】
【化117】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0136】
【化118】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0137】
【化119】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0138】
【化120】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0139】
【化121】 で表されるポリマー。ただし、p,q,r,s,t,
u,v,wは、1以上18以下の整数、より好ましくは
3以上14以下の整数。平均分子量は5,000から1
00,000の範囲。Qは、
【0140】
【化122】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0141】
【化123】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0142】
【化124】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は以下の群より選
ばれる同一もしくは異なる、一官能性もしくは二官能性
の置換基。一官能性の置換基としては、
【0143】
【化125】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。X1〜X8は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Cm 2mは直鎖もしくは
分岐のアルキレン基で、mは1以上16以下の整数、よ
り好ましくは2以上10以下の整数。二官能性の置換基
としては、
【0144】
【化126】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0145】
【化127】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0146】
【化128】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0147】
【化129】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0148】
【化130】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0149】
【化131】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X
1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独
立してH−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C
1 21+1O−、C 6 5 −、C6 5 CO−、C6 5
O−のいずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖
もしくは分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整
数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0150】
【化132】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0151】
【化133】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0152】
【化134】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0153】
【化135】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0154】
【化136】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0155】
【化137】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0156】
【化138】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0157】
【化139】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0158】
【化140】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0159】
【化141】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0160】
【化142】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦w≦6、0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2、X3、X4およびX5は、それぞれ独立してH−、
F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
−、C6 5 −、C65 CO−、C6 5 O−のいず
れかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分
岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好まし
くは1以上10以下の整数。
【0161】
【化143】 ただし、p,q,r,s,t,u,vおよびwは、3以
上18以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整
数、kは1,2もしくは3。
【0162】
【化144】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0163】
【化145】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0164】
【化146】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0165】
【化147】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0166】
【化148】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0167】
【化149】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0168】
【化150】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0169】
【化151】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0170】
【化152】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0171】
【化153】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,a,b,
c,d,eおよびfは、1以上18以下の整数、より好
ましくは3以上14以下の整数。Qは、
【0172】
【化154】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0173】
【化155】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0174】
【化156】 で表されるポリマー。ただし、p,q,r,s,t,
u,v,wは、1以上18以下の整数、より好ましくは
3以上14以下の整数。平均分子量は5,000から1
00,000の範囲。Qは、
【0175】
【化157】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0176】
【化158】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0177】
【化159】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は以下の群より選
ばれる同一もしくは異なる、一官能性もしくは二官能性
の置換基。一官能性の置換基としては、
【0178】
【化160】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3以上
14以下の整数。X1〜X8は、それぞれ独立してH
−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
O−、C6 5 −、C6 5 CO−、C6 5 O−のい
ずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは
分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好ま
しくは1以上10以下の整数。Cm 2mは直鎖もしくは
分岐のアルキレン基で、mは1以上16以下の整数、よ
り好ましくは2以上10以下の整数。二官能性の置換基
としては、
【0179】
【化161】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。具体的な構造を例示すれば、
【0180】
【化162】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0181】
【化163】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0182】
【化164】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0183】
【化165】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0184】
【化166】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X
1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独
立してH−、F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C
1 21+1O−、C 6 5 −、C6 5 CO−、C6 5
O−のいずれかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖
もしくは分岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整
数、好ましくは1以上10以下の整数。
【0185】
【化167】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0186】
【化168】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0187】
【化169】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0188】
【化170】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0189】
【化171】 ただし、p,q,r,s,tおよびuは、1以上18以
下の整数、より好ましくは3以上14以下の整数。
【0190】
【化172】 ただし、p,q,r,sおよびtは、1以上18以下の
整数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2およびX3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl
−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5
−、C6 5 CO−、C6 5 O−のいずれかを意味す
る。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル
基で、1は1以上18以下の整数、好ましくは1以上1
0以下の整数。
【0191】
【化173】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0192】
【化174】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0193】
【化175】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0194】
【化176】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6。 p,q,rは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0195】
【化177】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただしp,qおよびrは、1以上18以下の整数、より
好ましくは3以上14以下の整数。X1、X2およびX
3は、それぞれ独立してH−、F−、Cl−、Br−、
1 21+1−、C1 21+1O−、C6 5 −、C6 5
CO−、C6 5 O−のいずれかを意味する。ここでC
1 21+1は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、1は1
以上18以下の整数、好ましくは1以上10以下の整
数。
【0196】
【化178】 で表される組成物。カッコ横の数字はモル組成比を表
す。 0≦w≦6、0≦x≦6、0≦y≦6、0≦z≦6 ただし、p,q,rおよびsは、1以上18以下の整
数、より好ましくは3以上14以下の整数。X1、X
2、X3、X4およびX5は、それぞれ独立してH−、
F−、Cl−、Br−、C1 21+1−、C1 21+1
−、C6 5 −、C65 CO−、C6 5 O−のいず
れかを意味する。ここでC1 21+1は、直鎖もしくは分
岐のアルキル基で、1は1以上18以下の整数、好まし
くは1以上10以下の整数。
【0197】
【化179】 ただし、p,q,r,s,t,u,vおよびwは、3以
上18以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整
数、kは1,2もしくは3。
【0198】
【化180】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0199】
【化181】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0200】
【化182】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0201】
【化183】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0202】
【化184】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0203】
【化185】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0204】
【化186】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,aおよびb
は、1以上18以下の整数、より好ましくは3以上14
以下の整数。Qは、
【0205】
【化187】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0206】
【化188】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0207】
【化189】 ただし、p,q,r,s,t,u,v,w,a,b,
c,d,eおよびfは、1以上18以下の整数、より好
ましくは3以上14以下の整数。Qは、
【0208】
【化190】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0209】
【化191】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0210】
【化192】 で表されるポリマー。ただし、p,q,r,s,t,
u,vおよびwは、1以上18以下の整数、より好まし
くは3以上14以下の整数。平均分子量は5,000か
ら100,000の範囲。Qは、
【0211】
【化193】 ただし、mは2以上16以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0212】
【化194】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0213】
【化195】 1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 は以
下の群より選ばれる同一もしくは異なる、一官能性もし
くは二官能性の置換基。なお、Mは2個のプロトン,M
g,Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Cu,Pb,P
d,Cd,Rh,またはRuなどの金属。一官能性の置
換基としては、
【0214】
【化196】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは3以上18以下の整数、より好ましくは5以上
14以下の整数、kは1,2もしくは3。二官能性の置
換基としては、
【0215】
【化197】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。
【0216】
【化198】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0217】
【化199】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0218】
【化200】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,s,t,u,vお
よびwは、3以上18以下の整数、より好ましくは5以
上14以下の整数。
【0219】
【化201】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,s,t,u,vお
よびwは、3以上18以下の整数、より好ましくは5以
上14以下の整数。
【0220】
【化202】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0221】
【化203】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。nは3以上18以下の整数、より好ま
しくは5以上14以下の整数、mは2以上16以下の整
数、より好ましくは4以上12以下の整数。平均分子量
8,000〜100,000の範囲。Qは、
【0222】
【化204】 ただし、mは2以上18以下の整数。より好ましくはQ
は、
【0223】
【化205】 ただし、mは2以上16以下の整数、さらに好ましくは
4以上12以下の整数。
【0224】
【化206】 1 ,R2 ,R3 ,R4 は以下の群より選ばれる同一も
しくは異なる置換基。なお、Mは2個のプロトン,M
g,Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Cu,Pb,P
d,Cd,Rh,またはRuなどの金属。一官能性の置
換基としては、
【0225】
【化207】 ただし、Cn 2n+1は直鎖もしくは分岐のアルキル基
で、nは3以上18以下の整数、より好ましくは5以上
14以下の整数。二官能性の置換基としては、
【0226】
【化208】 ただし、Cm 2mは直鎖もしくは分岐のアルキレン鎖
で、mは2以上16以下の整数、より好ましくは4以上
12以下の整数。
【0227】
【化209】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0228】
【化210】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0229】
【化211】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0230】
【化212】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0231】
【化213】 Mは2個のプロトン,Mg,Fe,Co,Ni,Mn,
Zn,Cu,Pb,Pd,Cd,Rh,またはRu、よ
り好ましくはMは2個のプロトン,Fe,Co,Ni,
ZnまたはCu。ただしp,q,r,sは、3以上18
以下の整数、より好ましくは5以上14以下の整数。
【0232】また、上記の如き構造式を有する化合物を
側鎖にもつ、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリシロキサン等のポリマーも好適に用いられる。具体
的には、
【0233】
【化214】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0234】
【化215】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0235】
【化216】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0236】
【化217】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0237】
【化218】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0238】
【化219】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0239】
【化220】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数、mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0240】
【化221】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数、mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0241】
【化222】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数、mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0242】
【化223】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0243】
【化224】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0244】
【化225】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0245】
【化226】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0246】
【化227】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0247】
【化228】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0248】
【化229】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数、mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0249】
【化230】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数。
【0250】
【化231】 ただし、nは1以上18以下の整数、より好ましくは3
以上14以下の整数、mは2以上16以下の整数、より
好ましくは4以上12以下の整数。
【0251】が挙げられる。尚、上記ポリマーの平均分
子量は、5,000以上100,000以下の範囲であ
る。上に例示した構造式は、ディスコティック液晶性化
合物の典型的な例であり、本発明に用いられる該化合物
は、これらに限定されるものではなく、上述した性質を
有するものであれば、如何なる構造のディスコティック
液晶性化合物でも単独または組成物として使用すること
ができる。
【0252】本発明に用いられるディスコティック液晶
性材料は、液晶相から結晶相へ転移することを避けるた
めに、メソゲンについた複数の置換基を全て同一でない
化合物を用いる、また、置換基が全て同一の化合物を用
いる場合には、該化合物とは異なる少なくとも1種の化
合物(メソゲンおよび/または置換基の異なる化合物)
とを組成物として用いることが好ましい。
【0253】尚、上記のディスコティック液晶性化合物
は、分子内にエーテル結合やエステル結合を多く含むも
のが主であるが、これらの結合生成には公知の反応方法
を用いることができる。例えば、エーテル結合生成に
は、第一アルキルのハロゲン化合物に、アルコキシドイ
オンを求核置換反応させるWilliamson法など
が利用できるし、エステル結合生成には、酸塩化物とア
ルコールの反応である酸クロライド法や、アルコールの
アセチル化物と酸の反応である脱酢酸反応など、特に限
定されない。また本発明に用いられる該化合物は、ディ
スコゲン構成化合物の置換する部位における置換基選択
といった反応制御をする必要性が無いので、例えば、構
造式の具体的な描写は難しいが、ディスコゲンを構成す
る化合物と該化合物が有する置換部位の数よりも、過剰
の多種類にわたった置換基と成りうる化合物とを、一つ
の反応系内で反応させ、ディスコティック液晶性化合物
または複数種の該化合物より形成される組成物を得るこ
とも可能である。この場合には、ある種の置換基はある
ディスコゲンを構成する化合物の分子中には結合しては
いないが、別の該化合物の分子中には結合している、と
いうことが起こることになる。本発明では、液晶相から
の結晶相への転移が起こっては望ましくないので、例え
ば分子構造の対称性を低下させるなど、上記の如き多種
類の置換基を用いることは本発明において好ましい態様
である。以上説明したディスコティック液晶性材料を本
発明において用いる場合、ディスコティック液晶性化合
物のみから実質的になる該材料を用いることが好まし
い。上記の如きディスコティック液晶性材料を用いて、
均一にハイブリッド配向・固定化した補償フィルムを得
るには、以下に説明する基板および各工程を踏むことが
本発明において好ましい。
【0254】先ず、基板(以下、配向基板という)につ
いて説明する。本発明のハイブリッド配向を得るために
は、ディスコティック液晶性材料層の上下を異なる界面
で挟むことが望ましく、上下を同じ界面で挟んだ場合に
は、該液晶性層の上下界面における配向が同一となって
しまい、本発明のハイブリッド配向を得ることが困難と
なる。具体的な態様としては、1枚の配向基板と空気界
面とを利用し、ディスコティック液晶層の下界面を配向
基板に、また上の界面を空気に接するようにする。上下
に界面の異なる該基板を用いることもできるが、製造プ
ロセス上、1枚の配向基板と空気界面とを利用する方が
好ましい。
【0255】本発明に用いることのできる配向基板は、
液晶の傾く向き(ダイレクターの配向基板への投影)を
規定できるように、異方性を有している基板であること
が望ましい。配向基板が、全く液晶の傾く向きを規定で
きない場合には、無秩序な方位に傾いた構造しか得られ
ない(ダイレクターを基板へ投影したベクトルが無秩序
になる)。本発明に用いることのできる配向基板とし
て、具体的には次のような面内の異方性を有しているも
のが望ましく、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリア
ミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポ
リエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチック
ス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック
フィルム基板および一軸延伸フィルム基板、表面にスリ
ット状の溝をつけたアルミ、鉄、銅などの金属基板、表
面をスリット状にエッチング加工したアルカリガラス、
ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板、な
どである。
【0256】本発明においては上記基板に、親水化処理
や疎水化処理などの表面処理を施した上記各種基板でも
よく、また上記プラスチックフィルム基板にラビング処
理を施したラビングプラスチックフィルム基板、または
ラビング処理を施したプラスチック膜、例えばラビング
ポリイミド膜、ラビングポリビニルアルコール膜などを
有する上記各種基板、さらに酸化珪素の斜め蒸着膜など
を有する上記各種基板なども用いることができる。上記
各種配向基板において、本発明の如きディスコティック
液晶をハイブリッド配向に形成せしめるのに好適な該基
板としては、ラビングポリイミド膜を有する基板、ラビ
ングポリイミド基板、ラビングポリエーテルエーテルケ
トン基板、ラビングポリエーテルケトン基板、ラビング
ポリエーテルスルフォン基板、ラビングポリフェニレン
サルファイド基板、ラビングポリエチレンテレフタレー
ト基板、ラビングポリエチレンナフタレート基板、ラビ
ングポリアリレート基板、セルロース系プラスチック基
板を挙げることができる。本発明の補償フィルムは、フ
ィルムの上面と下面とではディスコティック液晶のダイ
レクターとフィルム平面との成す角度が異なる。該基板
側のフィルム面は、その配向処理の方法によって60度
以上90度以下または0度以上50度以下のどちらかの
角度範囲内に調節できる。通常、配向基板に接したフィ
ルムの界面近傍のディスコティック液晶のダイレクター
とフィルム平面との成す角度を60度以上90度以下に
調整する方が製造プロセス上望ましい。
【0257】本発明の補償フィルムは、これらの配向基
板上に前記のディスコティック液晶材料を塗布し、次い
で均一配向過程、固定化過程を経て得られる。ディスコ
ティック液晶性材料の塗布は、各種溶媒に該材料を溶解
したディスコティック液晶性材料溶液、または、該材料
を溶融した状態のものを用いて行うことができるが、プ
ロセス上、溶媒にディスコティック液晶性材料を溶解し
た該溶液を用いて塗布する、溶液塗布が好ましい。溶液
塗布について説明する。
【0258】ディスコティック液晶性材料を溶媒にとか
し所定濃度の溶液を調製する。この際の溶媒は該液晶性
材料の種類にもよるが、通常、クロロホルム、ジクロロ
メタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエ
タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ク
ロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン
化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなど
のフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メト
キシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香
族炭化水素類、アセトン、酢酸エチル、t−ブチルアル
コール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセ
ルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素などおよびこれ
らの混合溶媒などが用いられる。
【0259】溶液の濃度は、該液晶性材料の溶解性や最
終的に目的とする補償フィルムの膜厚に依存するため一
概にはいえないが、通常1から60重量%の範囲で使用
され、好ましくは3から40重量%の範囲である。これ
らのディスコティック液晶性材料溶液を、次に上記の配
向基板上に塗布する。塗布の方法としては、スピンコー
ト法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法な
どを採用できる。塗布後、溶媒を除去し、基板上に膜厚
の均一な液晶材料の層をまず形成させる。溶媒除去条件
は特に限定されず、溶媒がおおむね除去でき、該液晶性
材料の層が流動したり流れ落ちたりさえしなければ良
い。通常、室温での風乾、ホットプレートでの乾燥、乾
燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどを利用して溶
媒を除去する。
【0260】この塗布・乾燥工程の段階は、まず基板上
に均一にディスコティック液晶性材料の層を形成させる
ことが目的であり、該液晶性材料層は、まだハイブリッ
ド配向を形成してない。ハイブリッド配向させるために
は、次の熱処理を行うことが本発明においては好まし
い。熱処理は、ディスコティック液晶性材料の液晶転移
点以上で行う。すなわち該液晶性材料の液晶状態で配向
させるか、または、一旦液晶相を呈する温度範囲よりも
さらに高温の等方性液体状態にした後、液晶相を呈する
温度範囲にまで温度を下げることにより行う。通常、熱
処理の温度は、50℃から300℃の範囲で行われ、特
に100℃から250℃の範囲が好適である。
【0261】また、液晶が十分な配向をするために必要
な時間は、ディスコティック液晶性材料により異なるた
め一概にはいえないが、通常5秒から2時間の範囲で行
われ、好ましくは10秒から40分の範囲、特に好まし
くは20秒から20分の範囲である。5秒より短い場
合、該液晶性材料層の温度が所定温度まで上がりきらず
配向不十分となる恐れがあり、また、2時間より長い場
合には、生産性が低下するので好ましくない。以上の工
程により、まず液晶状態においてハイブリッド配向を形
成することができる。
【0262】尚、本発明では、上記の熱処理工程におい
て、ディスコティック液晶性材料を配向させるために磁
場や電場を用いても特に構わない。しかし、熱処理しつ
つ磁場や電場を印加した場合、印加中は均一な場の力が
液晶性材料層に働くために、液晶のダイレクターは一定
の方向に向きやすくなり、ダイレクターがフィルムの膜
厚方向で変化している本発明のハイブリッド配向は得ら
れにくくなる。一旦、ハイブリッド配向以外、例えばホ
メオトロピック、チルト配向またはそれ以外の配向を形
成させた後、場の力を取り除けば熱的に安定なハイブリ
ッド配向を得ることはできるが、プロセス上特にメリッ
トはない。こうして得られた液晶状態のハイブリッド配
向を、次に冷却することにより、該配向形態を損なうこ
となく固定化し、本発明の補償フィルムを得る。
【0263】一般に、冷却の過程で結晶相が出現する場
合、液晶状態おける配向は結晶化にともない破壊されて
しまうが、本発明に用いるディスコティック液晶性材料
は、結晶相を全く有しないか、潜在的に結晶相を有して
いても冷却時には結晶相が現れない性質を持ったもの、
あるいは明瞭な結晶転移点および液晶転移点は確認され
ないもののフィルムの使用温度範囲内においては流動性
がなく、且つ、外場や外力を加えても配向形態が変化し
ない、というような性質のものを用いるため、結晶化に
よる配向形態の破壊は起こらない。
【0264】本発明の補償フィルムは、ディスコティッ
ク液晶性材料の液晶転移点以下に冷却することにより好
適な該フィルムを得ることができる。冷却は、熱処理雰
囲気中から室温中に取り出すだけで均一に固定化するこ
とができる。また、空冷、水冷などの強制冷却、徐冷な
どを行っても何ら差し支えなく、さらに冷却速度にも特
に制限はない。
【0265】また、本発明においてハイブリッド配向の
フィルムの膜厚方向における角度は、フィルムのダイレ
クターとフィルム平面とのなす角度の絶対値が、フィル
ムの上面または下面の一方においては、60度以上90
度以下の範囲内、また当該面の反対面においては、0度
以上50度以下の範囲内である。使用するディスコティ
ック液晶性材料、配向基板などを適宜選択することによ
り所望の角度にそれぞれ調整することができる。また、
いったんフィルムを形成した後でも、例えば、フィルム
表面を均一に削る、溶剤に浸してフィルムの表面を均一
に溶かす、などといった方法を用いることにより所望の
角度に調節することができる。尚この際に用いられる溶
剤は、ディスコティック液晶性材料、配向基板の種類に
よって適宜選択する。
【0266】以上の工程によって得られる本発明の補償
フィルムは、従来ディスコティック液晶からは得ること
ができなかった、ハイブリッド配向という配向形態を均
一に配向・固定化したものであり、また、該配向を形成
しているので、該フィルムの上下は等価ではなく、また
面内方向にも異方性があり、配置の仕方によって様々な
特性を引き出すことが可能となる。本発明の補償フィル
ムを実際に液晶セルに配置する場合、該フィルムの使用
形態として上述の配向基板を該フィルムから剥離して、
補償フィルム単体で用いる、配向基板上に形成したその
ままの状態で使用する、または配向基板とは異なる別の
基板に補償フィルムを積層して使用するということが可
能である。
【0267】フィルム単体として用いる場合には、配向
基板を補償フィルムとの界面で、ロールなどを用いて機
械的に剥離する方法、構造材料すべてに対する貧溶媒に
浸漬したのち機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波
をあてて剥離する方法、配向基板と該フィルムとの熱膨
張係数の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、
配向基板そのもの、または配向基板上の配向膜を溶解除
去する方法などを例示することができる。剥離性は、用
いるディスコティック液晶性材料と配向基板の密着性に
よって異なるため、その系に最も適した方法を採用すべ
きである。
【0268】次に、配向基板上に形成した状態で補償フ
ィルムを用いる場合、配向基板が透明で光学的に等方で
あるか、あるいは配向基板が液晶表示装置にとって必要
な部材である場合には、そのまま目的とする補償素子と
して使用することができる。さらに、配向基板上でディ
スコティック液晶性材料を配向固定化して得られた、本
発明の補償フィルムを該基板から剥離して、光学用途に
より適した別の基板上に積層し、該フィルムと配向基板
とは異なる別の基板とから少なくとも構成される積層体
を補償素子として使用することができる。
【0269】例えば、使用する配向基板が、ハイブリッ
ド配向形態を得るために必要なものではあるが、液晶表
示装置に対して好ましくない影響を与えるような該基板
を用いた場合、その基板を配向固定化後の補償フィルム
から除去して用いることができる。具体的には次のよう
な方法を採ることができる。目的とする液晶表示装置に
組み込む液晶表示素子に適した基板(以下、第2の基板
と言う)と配向基板上の補償フィルムとを、例えば接着
剤または粘着剤を用いて貼りつける。次に、配向基板と
本発明の補償フィルムの界面で剥離し、補償フィルムを
液晶表示素子に適した第2の基板側に転写して補償素子
を製造することが可能である。
【0270】転写に用いられる第2の基板としては、適
度な平面性を有するものであれば特に限定されないが、
ガラスや透明で光学的等方性を有するプラスチックフィ
ルムが好ましい。かかるプラスチックフィルムの例とし
ては、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィ
ン、トリアセチルセルロースあるいはエポキシ樹脂など
をあげることができる。なかでもポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、ポリアリレート、トリアセチ
ルセルロース、ポリエーテルスルフォンなどが好ましく
用いられる。また、光学的に異方性であっても、液晶表
示装置にとって必要な部材である場合には、そのまま使
用することができる。このような例としては、ポリカー
ボネートやポリスチレンなどのプラスチックフィルムを
延伸して得られる位相差フィルム、偏光フィルムなどが
あげられる。
【0271】さらに、用いられる第2の基板の例として
液晶表示セルそのものをあげることができる。液晶表示
セルは、上下2枚の電極付きガラス基板を用いており、
この上下いずれか、あるいは両面のガラス上に本発明の
補償フィルムを転写すれば、本補償フィルムの組み込み
がすでに達成されたことになる。また表示セルを形成す
るガラス基板そのものを配向基板として本発明の補償フ
ィルムを製造することももちろん可能である。以上説明
した第2の基板は、ディスコティック液晶の配向制御能
を実質的に持つ必要はなく、また第2の基板と該フィル
ムとの間に配向膜などは必要としない。転写に用いられ
る第2の基板と本発明の補償フィルムとを貼りつける接
着剤または粘着剤は、光学グレードのものであれば特に
制限はないが、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢
ビ共重合体系、ゴム系、ウレタン系、およびこれらの混
合系などを用いることができる。また接着剤としては、
熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などのいずれの接着
剤でも光学的等方性を有していれば問題なく使用するこ
とができる。
【0272】本発明の補償フィルムを液晶表示素子に適
した第2の基板への転写は、接着後配向基板を該フィル
ムとの界面で剥離することにより行える。剥離の方法
は、上述でも説明したが、ロールなどを用いて機械的に
剥離する方法、構造材料すべてに対する貧溶媒に浸漬し
たのち機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波をあて
て剥離する方法、配向基板と該光学フィルムとの熱膨張
係数の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、配
向基板そのもの、または配向基板上の配向膜を溶解除去
する方法などを例示することができる。剥離性は、用い
るディスコティック液晶性材料と配向基板の密着性によ
って異なるため、その系に最も適した方法を採用すべき
である。以上説明した第2の基板への転写により、通常
基板側のフィルム界面近傍のディスコティック液晶のダ
イレクターとフィルム平面との成す角度が0度以上50
度以下となる補償素子を得ることができる。また本発明
の補償フィルムには、表面の保護のために透明プラスチ
ックフィルムなどの保護層などを設けることもできる。
【0273】このようにして得られた補償フィルムは、
液晶ディスプレーに対して視野角補償効果をもつ。特に
TN液晶セルをノーマリホワイトモードで駆動するディ
スプレーに対し顕著な視野角補償効果をもつ。本発明の
補償フィルムが各種液晶ディスプレーに対して補償効果
を示すための補償層の膜厚は、対象とする液晶ディスプ
レーの方式やパラメーターに依存するので一概には言え
ないが、通常0.1μm以上100μm以下の範囲であ
り、好ましくは0.1μm以上40μm以下の範囲、よ
り好ましくは0.2μm以上20μm以下の範囲、特に
好ましくは0.4μm以上10μm以下の範囲である。
膜厚が0.1μm未満の時は補償効果が十分得られない
恐れがある。膜厚が100μmを越える時はディスプレ
ーの表示が不必要に色づく恐れがあり好ましくない。た
だし本発明の補償フィルムの性能をより高く引き出すた
めには、補償フィルムのパラメーターや軸配置をさらに
詳細に考慮することが好ましい。本発明の補償フィルム
のパラメーターや軸配置の最適化について、ノーマリー
ホワイトモードのTN液晶ディスプレーを例に挙げると
以下のようになる。
【0274】一般に、補償フィルムの構造を特徴づける
光学パラメーターや物性値としては、ダイレクターの角
度、膜厚、見かけの面内リターデーション、平均チルト
角を挙げることができ、それらについて以下に説明す
る。先ずディスコティック液晶のダイレクターが補償フ
ィルム平面となす角は、該フィルムの上面界面近傍もし
くは下面界面近傍の一方においては60度以上90度以
下の角度をなし、当該面の反対面においては0度以上5
0度以下であることが好ましい。この条件を満たさない
場合、液晶セルの選択表示時における屈折率構造の特徴
である、基板界面付近で液晶のダイレクターが基板に略
平行、膜厚方向の中央部で略垂直という屈折率の変化に
対し、補償を十分に行えなくなる恐れがある。本補償フ
ィルムの液晶のダイレクターがフィルム平面となす角度
は、より好ましくは一方が70度以上90度以下、他方
が0度以上30度以下である。
【0275】次に補償フィルムの膜厚は、液晶のもつ固
有の複屈折値との関連において制御する必要がある。こ
こでいう固有の複屈折値(以下Δnとも呼ぶ)とは、本
補償フィルムに用いているディスコティック液晶性材料
が、極微小領域においてもつダイレクターに垂直な方向
の屈折率(以下noとも呼ぶ)とダイレクターに平行な
方向の屈折率(以下neとも呼ぶ)の差のことである。
このような屈折率はアッベ屈折計が、連続的に屈折率が
変化する構造であっても、測定界面近傍の情報を提供す
る性質があることを利用して求めることもできる。ま
た、ディスコティック液晶性材料を2枚の同じ界面の基
板に挟んでハイブリッド配向形態を抑制し、ダイレクタ
ーが一方向に向くように配向せしめた試料を測定するこ
とに依っても求めることができる。このようにして得ら
れた固有の複屈折値と補償フィルムの絶対膜厚との積の
絶対値は、20nm以上1000nm以下の範囲であ
り、より好ましくは50nm以上600nm以下であ
り、特に好ましくは100nmから400nm以下の範
囲である。この範囲にある場合、本発明の補償フィルム
は十分な補償効果を発現する。20nm未満の時は、液
晶ディスプレーの視野角特性をほとんど変化させること
ができない恐れがある。また1000nmを超える時
は、液晶表示に不必要な色付きが生じる恐れがある。
尚、本発明の補償フィルムは、複数枚で使用することも
できるが、その場合、それぞれの補償フィルムについ
て、固有の複屈折値と絶対膜厚との積の値の絶対値が、
これらの範囲内にあることが好ましい。
【0276】次に正面における、面内の見かけのリター
デーション値について説明する。ハイブリッド配向で
は、ダイレクターが一般にフィルム面に垂直な方向にな
いために、フィルム面に垂直な方向から観察したとき、
見かけ上複屈折が生じることになる。ダイレクターをフ
ィルム面内に投影したとき得られる方向が、見かけ上進
相軸で、それと垂直な面内の方向が遅相軸となる。この
正面における、見かけのリターデーション値は、エリプ
ソメトリー等の偏光光学測定により容易に求めることが
できる。本発明の補償フィルムにおける、見かけのリタ
ーデーション値は、550nmの単色光に対し、通常5
nmから500nmの範囲、より好ましくは10nmか
ら300nmの範囲、特に好ましくは15nmから15
0nmの範囲である。見かけのリターデーション値が、
5nm未満の時は補償効果が、負の一軸性構造と同様な
ものとなる恐れがある。また500nmより大きいとき
は、斜めからみたときに液晶ディスプレーに不必要な色
付きが生じる恐れがある。本発明の補償フィルムを複数
枚で使用する場合は、それぞれのフィルムの見かけのリ
ターデーション値の絶対値がこれらの範囲内にあること
が好ましい。
【0277】次に光学パラメーターとして、見かけの平
均チルト角が挙げられる。これは、液晶のダイレクター
が基板法線となす角度の平均的な値である。これは、結
晶構造の解析に有効な、クリスタルローテーション法を
応用して求めることができる。測定方法は以下の通りで
ある。 まず直交した偏光子の間に、本発明の補償フィルム
を挟む。但しその配置の仕方は、フィルム面のディスコ
ティック液晶のダイレクターの投影ベクトルと、偏光子
の透過軸が45度の角度を成すようにする。 次に補償フィルムを、フィルム面における該ダイレ
クターの投影ベクトル方向に沿って傾け、透過率を測定
する。 補償フィルムの傾き角と透過率の関係から、平均チ
ルト角を計算により求める。 尚、偏光子を補償フィルムより光源に近い側に1枚だけ
置き、出射光を偏光解析して見かけのリターデーション
値を求める方法も同様に採用することができる。
【0278】但し本補償フィルムは、ハイブリッド配向
を持つため、光軸が一定方向にある負の一軸性構造とは
完全に等価ではない。すなわち、負の一軸性構造では一
般に透過率がほぼゼロに落ちつく傾き角度が存在し、こ
れは試料の光軸に沿って入射光が進んだことに対応して
いる(但し、フィルム界面での光の屈折を考慮する)。
それに対し本発明でいうハイブリッド配向では、光軸が
存在しないため完全に透過率がゼロになる傾き角度は存
在しない。そのため、透過率の極小値あるいは透過率と
傾き角の関係を示す曲線の曲率が最も近い、均一チルト
配向のチルト角を、本補償フィルムの平均チルト角とす
ることにする。このようにして求められた平均チルト角
は、通常2度から60度の範囲であり、好ましくは5度
から50度の範囲、さらに好ましくは10度から45度
の範囲である。平均チルト角が2度未満の時は、補償効
果が負の一軸性構造と同様なものとなる恐れがある。ま
た、平均チルト角が60度を超える時は、厚み方向の平
均屈折率が、面内のそれに比べて大きくなりすぎ、補償
効果が十分に得られなくなる恐れがある。なお、ここで
いう平均チルト角とは、ディスコティック液晶のダイレ
クターとフィルム平面における法線とがなす角度の膜厚
方向における平均値である。
【0279】以上、補償フィルムの構造を詳述できる光
学パラメーターや物性値として、ダイレクターの角度、
膜厚、面内の見かけのリターデーション値、平均チルト
角について説明した。上記の値は、全て測定可能であ
り、それぞれについて好ましい範囲内にあることが当然
好ましい。しかしながら、補償フィルムの形態によって
は、全てについて測定が困難な場合がある。このような
場合、これらの値は互いに相関があるため、これらのう
ち少なくとも2つを測定し、それぞれについて上述の好
ましい範囲内にあれば実用上差し支えない。例えば同じ
液晶性材料を用い、同様な方法で配向させた場合、本発
明では一般に、フィルム界面でのディスコティック液晶
のダイレクターの角度や、平均チルト角は膜厚によらず
一定であり、またリターデーション値は膜厚に比例す
る。
【0280】次に、本発明の補償フィルムの配置方法に
付いて説明する。本補償フィルムの配置位置は液晶ディ
スプレーの2枚の偏光板の間であればよく、1枚または
複数枚の補償フィルムを配置することができる。本発明
では、1枚または2枚の補償フィルムを用いて視野角補
償を行うことが実用上好ましい。3枚以上の補償フィル
ムを用いても、視野角補償は可能であるが、コストアッ
プに繋がるためあまり好ましいとはいえない。具体的な
配置位置を例示すると以下のようになる。ただしこれら
はあくまで代表的な配置位置であり本発明はこれらに制
限されない。
【0281】まず、本補償フィルムを1枚で用いる場合
について説明する。補償フィルムは、偏光板と液晶セル
の間に配置し、セルの上面側でも良いし下面側でも良
い。尚、補償フィルム中のディスコティック液晶のダイ
レクターの補償フィルム平面に対する投影ベクトルの方
向を以後ダイレクター方位と呼ぶことにする。このダイ
レクター方位は、隣接する偏光板の透過軸または吸収軸
と略平行であることが望ましい。すなわち本補償フィル
ムは、ハイブリッド配向ゆえ正面から見たとき、見かけ
上リターデーションを持っている。したがって、補償フ
ィルムのダイレクター方位が、偏光板の透過軸もしくは
吸収軸から大きくずれると、該リターデーションの影響
で正面での表示品位を低下させてしまう恐れがある。そ
れに対し、補償フィルム中のディスコティック液晶のダ
イレクターが、偏光板の透過軸または吸収軸に略平行で
ある場合は、正面では補償フィルムの複屈折の影響は現
れず、ディスプレーの持つ正面での高い表示品位を損な
うことなく、且つ視野角依存性を補償することができ
る。従って本発明の補償フィルムを配置する場合、ダイ
レクター方位は、偏光板の透過軸もしくは吸収軸となす
角は、通常±30度、より好ましくは±15度、特に好
ましいのはダイレクター方位が偏光板の透過軸もしくは
吸収軸と一致する場合である。
【0282】次に、2枚で用いる場合について説明す
る。2枚の補償フィルムは、上下一対の偏光板に挟まれ
た液晶セルの、上側面または下側面に配置する。配置す
る際、2枚が同じ側にあっても良いし、上下に分かれて
いても良い。また2枚の補償フィルムは、同一のパラメ
ーターを持つものでも良いし、異なるものでも良い。通
常は、1枚の補償フィルムを用いるときと同様に、隣接
する側の偏光板(セルの上側に補償フィルムを配置する
場合、上側の偏光板)の透過軸もしくは吸収軸に略平行
になるようにそれぞれ配置する。
【0283】但し、2枚の補償フィルムの正面でのリタ
ーデーションがほぼ等しい時(両者の差が60nm以
下、より好ましくは30nm以下の時)、両者のダイレ
クター方位を略直交させることにより、偏光板の軸に制
限されることなく配置することができる。これは2枚の
補償フィルムが、それぞれのもつ正面での見かけのリタ
ーデーションを互いに相殺し合うことができるためであ
る。すなわち、両者のダイレクターがおよそ直交関係に
ある限り、偏光板の軸との関係にとらわれずに、正面で
の液晶ディスプレーの表示品位を損なうことなく視野角
補償を達成することができる。それぞれの補償フィルム
が、偏光板の透過軸もしくは吸収軸と平行にある場合
も、もちろん好ましい配置であるし、2枚の補償フィル
ムが、セルの上下面に関して同じ側にあっても良いし、
上下に分かれていても何ら支障がない。
【0284】本発明の補償フィルムは、ハイブリッド配
向を持つがゆえに、補償フィルムの上下は等価でなく、
どちらの面を液晶セルに近い方にするかによって補償効
果に多少の違いが見られ、一概にどちらの面を液晶セル
側に配置するとは言えない。ディスコティック液晶のダ
イレクターとフィルム平面との成す角が大きい面(60
度以上90度以下)または小さい面(0度以上50度以
下)のどちらを液晶セル側に配置するかは、液晶セルの
種類や液晶ディスプレーの各種モードなどによって異な
るため、液晶セルや各種モードの条件に見合うように本
発明の補償フィルムを配置することが望ましい。
【0285】本補償フィルムは、1枚もしくは複数枚で
使用することにより、各種液晶ディスプレー、特にTN
型液晶ディスプレーの視野角改善に絶大な効果を発揮す
る。また、従来の光学フィルム、たとえば負の一軸性屈
折率構造をもつフィルムや、正の一軸性屈折率構造をも
つフィルムを併せて使用することも可能である。但し、
視野角補償に対し決定的な役割を果たすのは本発明の補
償フィルムであり、他の従来の光学フィルムのみを如何
様に組み合わせて用いたとしても、本発明の補償フィル
ムのような顕著な視野角拡大効果は得ることができな
い。以上のように、本発明の補償フィルムを少なくとも
1枚配置した液晶表示装置は、視角による僅かな色の変
化や、明暗の変化も殆ど感じることが無い。また、ディ
スプレーを大面積化した際にも、画面中央部と周辺部と
で同一の表示を行うことが可能である。
【0286】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (化学構造決定)400MHzの 1H−NMR(日本電
子製JNM−GX400)で測定した。 (光学顕微鏡観察)オリンパス製の偏光顕微鏡BX−5
0を用いて、オルソスコープ観察およびコノスコープ観
察を行った。また、液晶相の同定はメトラーホットステ
ージ(FP−80)上で加熱しながらテクスチャー観察
することにより行った。 (偏光解析)(株)溝尻光学工業所製エリプソメーター
DVA−36VWLDを用いて行った。 (屈折率測定)アタゴ(株)製アッベ屈折計Type−
4Tを用いて行った。 (膜厚測定)(株)小坂研究所製高精度薄膜段差測定器
ET−10を主に用いた。また、干渉波測定(日本分光
紫外・可視・近赤外分光光度計V−570)と屈折率
のデーターから膜厚を求める方法も併用した。
【0287】(実施例1)ヘキサヒドロキシトルクセン
50mmol、p−ペンチル安息香酸150mM、ビフ
ェニル−4−カルボン酸100mM、ステアリン酸50
mmolをピリジン300mlとジメチルホルムアミド
300mlに溶かしA液とした。p−トルエンスルホン
酸クロリド330mmolにピリジン300ml加え3
0分放置した後、ジメチルホルムアミド50mlを加え
B液とした。A液とB液を混合し、窒素雰囲気下で12
0℃で8時間加熱した後、氷の上に反応液を投入し、式
(1)のディスコティック液晶性材料(黄白色の粉末7
5g)を得た。この材料をメトラーホットステージ上で
観察すると、シュリーレン模様が見られND 相をもつこ
とがわかり、また冷却しても結晶相は全く現れなかっ
た。この材料8gを92gのクロロホルムに溶かし8重
量%の溶液を調製し、ラビングポリイミド膜を有する1
5cm角のガラス基板上にスピンコート法により塗布
し、次いで50℃のホットプレート上で乾燥し、オーブ
ンで250℃で15分間熱処理した後、室温中に取り出
して冷却し、透明な基板上に単層の補償フィルム1(補
償素子)を得た。
【0288】
【化232】
【0289】該フィルムの膜厚は2.0μmであった。
また後述する屈折率測定により式(1)のディスコティ
ック液晶性材料の複屈折は0.12であり、これと膜厚
との積は240nmとなった。またエリプソメーターを
用いて偏光解析を行ったところ、まず正面での見かけの
リターデーション値は56nmであった。遅相軸はラビ
ング方向と垂直なフィルム面内の方向にあった。
【0290】次に直交した偏光子の間に基板上に形成し
たまま補償フィルム1を挟み、補償フィルム中の液晶の
ダイレクターの補償フィルム面への投影ベクトルと、偏
光子の透過軸が45度の角度をなすように配置し、基板
ごと補償フィルム1をダイレクターの補償フィルム面へ
の投影ベクトル方向(ラビング方向と一致)にそって傾
け、みかけのリターデーション値を測定した。その結
果、図3のグラフが得られ、リターデーションの極小値
を示す傾き角の値より、次に述べる屈折率を考慮して平
均のチルト角25度という結果を得た。また図3より液
晶のダイレクターは、基板のラビング方向に対して図3
中に示したような方向に傾いていることがわかった。
【0291】なお、屈折率測定は以下のようにして行っ
た。ラビングポリイミド膜を有する高屈折率ガラス上
に、補償フィルム1と同様に補償フィルムを形成し、ア
ッベ屈折計で屈折率測定を行った。屈折計のプリズム面
に、ガラス基板が接するように置き、補償フィルムの基
板界面側が空気界面側より下にくる配置としたとき、面
内の屈折率には異方性がなく1.68で一定であり、厚
み方向の屈折率もほぼ一定で1.56であった。このこ
とからガラス基板側では、円盤状の液晶分子が基板に平
行に平面配向していることがわかった(ダイレクターが
基板平面に垂直)。次に屈折計のプリズム面に、補償フ
ィルムの空気界面側が接するように配置した場合、ラビ
ング方向と平行な面内の屈折率は1.56で、ラビング
と垂直な面内の方向は1.68で、厚み方向は試料の方
向に依らず1.68で一定であった。このことから空気
界面側では、円盤状の液晶分子は、基板とラビング方向
に垂直な方向に配向していることがわかった(ダイレク
ターが基板平面に平行)。こういった屈折率構造は、フ
ィルム1でも同じである。このことから補償フィルム1
のもつ固有の屈折率は、ダイレクターに平行な方向で
1.56(ne)、ダイレクターに垂直な方向で1.6
8(no)であり、その差は0.12であることが分か
った。
【0292】このような補償素子をTNセルにのせ、図
4(a)の配置にし、コントラスト比の視野角依存性を
測定した。結果は図6に示したように、補償フィルムの
搭載により大幅に視野角が広がった。また補償素子を上
下逆にして図5(d)の配置にした際にも優れた視野角
拡大効果が得られた。なおTNセルは、以下のようにし
て作製した。まずITO電極を有するガラス基板上にポ
リイミド膜を形成させた後、ラビングして、セルを構成
する上下の電極基板の間にポリマービーズを敷き、隙間
を形成させた。ついで、BDH社製キラル液晶C−15
を少量含むメルク社製液晶ZLI−2293を毛管現象
により充填し、基板の周囲をエポキシ樹脂で固めた。得
られたTNセルは、90度左ねじれで、電圧無印加時の
リターデーションは505nmであった。駆動のための
電圧は、非選択時(白表示)に対し、2.0V、選択時
(黒表示)に対し、6.0Vとした。
【0293】(実施例2)溶液塗布時の条件のみを変え
て、実施例1と同様の操作により、ラビングポリイミド
膜を有するガラス基板上に、膜厚1.2μmの単層の補
償フィルム2を作製した。フィルム2のパラメーターお
よび物性値は表1に示したとおりであった。実施例1で
使用したTNセルを用い、図7(a)の配置でコントラ
ストの視野角依存性を測定し、図7のように補償フィル
ムによる視野角拡大効果を得た。また図8(c)のよう
に補償素子を上下逆にした際にも優れた視野角拡大効果
が得られた。
【0294】(実施例3)実施例1および2で得られた
補償フィルム1および2を用い、図10(c)に記載の
配置でコントラストの視野角依存性を測定し、図12の
ように補償フィルムによる視野角拡大効果を得た。また
図11(c)のように補償素子を上下逆にした際にも優
れた視野角拡大効果が得られた。
【0295】(実施例4)ヘキサアセトキシトリフェニ
レン50mmol、ブトキシ安息香酸75mmol、ペ
ンチルオキシ安息香酸75mmol、ヘキシルオキシ安
息香酸75mmol、ヘプチルオキシ安息香酸75mm
olとを用い、これをガラスフラスコ中、窒素雰囲気下
でメカニカルスターラーで激しくかき混ぜながら280
℃で8時間脱酢酸反応を行いディスコティック液晶性材
料(式(2))を得た。
【0296】
【化233】
【0297】得られた該材料をメトラーホットステージ
で観察したところ、ND 相を有し、液晶相から冷却して
も結晶相が全く現れないことがわかった。また、120
℃以下では全く流動性がなかった。この材料を10重量
%含むキシレン溶液を調製し、ラビングポリイミド膜を
有するガラス基板(30cm角、厚み1.1mm)上に
印刷法により塗布した。次いで風乾し、200℃で30
分熱処理した後、室温中で冷却・固定化させた。得られ
た基板上の補償フィルム3は透明で配向欠陥はなく、厚
みは3.2μmであった。屈折率測定により、液晶のダ
イレクターは配向基板界面においては基板にほぼ垂直、
空気界面側では基板にほぼ平行であり、ne=1.5
5、no=1.64であった。これよりnoとneの屈
折率差は0.09であり、これと膜厚との積は290n
mとなった。また面内の見かけのリターデーション値は
50nmで、遅相軸はラビング方向と垂直な面内の方向
にあった。また補償フィルム3をラビング方向に沿って
傾けて見かけのリターデーション値を測定し、図13の
結果より平均チルト角は18度と計算された。実施例1
で使用したTNセルを用い、補償フィルム3の性能を調
べた。図14(a)のような配置でコントラスト測定を
行ったところ、図16の等コントラスト曲線が得られ、
視野角拡大効果が得られた。また図15(c)の配置に
よっても優れた視野角拡大効果が得られた。
【0298】(実施例5)実施例4で得られた補償フィ
ルム3(基板上に形成したままの状態)を用い、図17
(a)のように各部材を配置した。その結果、図19の
ように横方向に視角の拡大が見られた。また図18
(c)の配置によっても優れた視野角拡大効果が得られ
た。
【0299】(実施例6)
【0300】
【化234】
【0301】ディスコティック液晶性材料として、式
(3)のデカン二酸単位でメソゲンを連結させた分子量
12,000のポリマーを用いた。尚、分子量はGPC
測定により、ポリスチレン換算で求めた。このポリマー
は、結晶相を持たず、ND 相より低温でガラス転移を示
した。Tgは70℃であった。このポリマーを、p−ク
ロロフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比
6:4)に加熱しながら溶かし、12wt%の溶液を得
た。次いで、ロールコーターにより幅25cmのラビン
グポリイミドフィルム(厚さ100μmのデュポン社製
カプトンフィルムをラビングしたもの)に10mの長さ
にわたって塗布した。100℃の熱風で乾燥し、250
℃で2分熱処理した後、冷却して液晶相を固定化したラ
ビングポリイミドフィルム上の補償フィルム4を得た。
フィルム4のパラメーターおよび物性値は表1に示し
た。なお、膜厚、屈折率、ダイレクター角度はラビング
ポリイミドフィルム上で行い、面内のリターデーション
値および平均チルト角の測定は、この状態では難しく次
に述べる剥離転写後に行った。
【0302】
【表1】
【0303】ポリイミドフィルムが透明性に欠け補償板
として用いるには問題があるため、補償フィルム4を光
学グレードのポリエーテルスルフォンに粘着剤を介して
転写した。操作は、粘着処理を施したポリエーテルスル
フォンとラビングポリイミドフィルム上のフィルム4と
を、粘着層とフィルム4が接するようにして貼り合わ
せ、次いでラビングポリイミドフィルムを剥離すること
により行った。なお、転写操作のため補償フィルム4と
基板の関係は、ポリイミドフィルム上と粘着層を有する
ポリエーテルスルフォン上とでは逆になっており、補償
フィルム4の上下界面近傍の液晶のダイレクターは、粘
着層と接している側でフィルム面に略平行、空気側でフ
ィルム面に略垂直となっている。この粘着層を有するポ
リエーテルスルフォン上の補償フィルム4を用いて補償
効果を調べた。液晶セルは、TFT電極基板を有するも
ので、電圧無印加時において、90度の左ねじれ構造を
持っており、リターデーション値は495nmであっ
た。液晶セル、偏光板、および補償フィルム4を2枚用
いて図20(a)のように配置した。市販のパターンジ
ェネレーターにより8階調のグレースケール表示を行っ
た。図22は白と黒の二値のコントラスト比が30以上
であり、かつ8階調のグレースケールの序列の反転が全
く無い領域を示したものである。図22より本補償フィ
ルム4により、高品位の表示が行える視野角範囲が大幅
に広がることがわかった。また図21(c)のように配
置した際にも、優れた視野角拡大効果が得られた。
【0304】(実施例7)実施例6で得られた粘着層を
有するポリエーテルスルホン上の補償フィルム4を、3
重量%のアセトンを含む水溶液に室温下で3分浸漬させ
て液晶層の一部を溶出させ、風乾して新たに補償フィル
ム5を得た。補償フィルム5の構造は表1に示したとお
りであった。実施例6と同じ偏光板、TFT液晶セル、
パターンジェネレーターを用い、図23(a)のように
補償フィルム5を2枚配置して視野角特性を調べた。そ
の結果、コントラストと階調反転に関して図25の結果
を得た。この結果より、補償フィルム5の視野角拡大効
果を確認した。また図24(c)のように配置した際に
も、優れた視野角拡大効果が得られた。
【0305】(実施例8)ディスコティック液晶性材料
として、ND相を有する式(4)の材料を用い、実施例
1の操作と同様に、ラビングポリイミド膜を有するガラ
ス基板上に単層の補償フィルム(膜厚1.2μm)を作
成した。
【0306】
【化235】
【0307】得られた該フィルムについて、実施例1と
同様にして光学顕微鏡観察、屈折率測定を行ったところ
ハイブリッド配向を形成していることがわかった。なお
液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす角度は、ガ
ラス界面側が約90度、空気界面側は約15度であっ
た。また平均チルト角は、38度であった。次いで実施
例1で使用したTNセルを用いて視野角拡大効果を調べ
たところ、実施例1と同様な効果を得ることが確認され
た。
【0308】(実施例9)ディスコティック液晶性材料
として、ND相を有する式(5)の材料を用い、実施例
1の操作と同様に、ラビングポリイミド膜を有するガラ
ス基板上に単層の補償フィルム(膜厚1.2μm)を作
成した。
【0309】
【化236】
【0310】得られた該フィルムについて、実施例1と
同様にして光学顕微鏡観察、屈折率測定を行ったところ
ハイブリッド配向を形成していることがわかった。なお
液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす角度は、ガ
ラス界面側が約90度、空気界面側は約20度であっ
た。また平均チルト角は、33度であった。次いで実施
例1で使用したTNセルを用いて視野角拡大効果を調べ
たところ、実施例1と同様な効果を得ることが確認され
た。
【0311】(実施例10)ディスコティック液晶性材
料として、ND相を有する式(6)の材料を用い、実施
例1の操作と同様に、ラビングポリイミド膜を有するガ
ラス基板上に単層の補償フィルム(膜厚1.5μm)を
作成した。
【0312】
【化237】
【0313】得られた該フィルムについて、実施例1と
同様にして光学顕微鏡観察、屈折率測定を行ったところ
ハイブリッド配向を形成していることがわかった。なお
液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす角度は、ガ
ラス界面側が約90度、空気界面側は約15度であっ
た。また平均チルト角は、36度であった。次いで実施
例1で使用したTNセルを用いて視野角拡大効果を調べ
たところ、実施例1と同様な効果を得ることが確認され
た。
【0314】(実施例11)ディスコティック液晶性材
料として、ND相を有する式(7)の材料を用い、実施
例1の操作と同様に、ラビングポリイミド膜を有するガ
ラス基板上に単層の補償フィルム(膜厚1.6μm)を
作成した。
【0315】
【化238】
【0316】得られた該フィルムについて、実施例1と
同様にして光学顕微鏡観察、屈折率測定を行ったところ
ハイブリッド配向を形成していることがわかった。なお
液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす角度は、ガ
ラス界面側が約90度、空気界面側は約30度であっ
た。また平均チルト角は、30度であった。次いで実施
例1で使用したTNセルを用いて視野角拡大効果を調べ
たところ、実施例1と同様な効果を得ることが確認され
た。
【0317】(実施例12)ディスコティック液晶性材
料として、式(8)の化合物を合成した。この化合物は
ND相を有し、冷却によりND相の配向を保持したまま
固定化できた。この化合物をブチルセロソルブに加熱し
ながら溶かし、10wt%の溶液を得た。
【0318】
【化239】
【0319】次いで、幅60cmのラビング処理したポ
リエチレンナフタレートフィルムに100mの長さにわ
たってダイコート法によりディスコティック液晶性材料
溶液を塗布した。60℃の温風で乾燥し、220℃で1
0分間熱処理した後、冷却し、ラビングポリエチレンナ
フタレートフィルム上に膜厚1.2μmの単層の補償フ
ィルム8を得た。ポリエチレンナフタレートフィルムが
不透明であり、補償素子として用いるには問題があるた
め、補償フィルム8をトリアセチルセルロースフィルム
上にUV硬化型接着剤を介して転写した。転写の方法
は、トリアセチルセルロースフィルムに接着剤を塗布し
た後、ラビングポリエチレンナフタレートフィルム上の
該補償フィルム8とを、接着剤と該フィルム8が接する
ようにして貼り合わせ、接着剤をUV光で硬化させた
後、フィルム8からラビングポリエチレンナフタレート
フィルムを剥離することにより行った。なお転写操作に
より、補償フィルム8の上下界面近傍の液晶のダイレク
ターは、トリアセチルセルロースフィルム上の接着剤層
に接した側でフィルム平面に略平行、空気側で略垂直と
なっていた。正面での見かけのリターデーションは40
nmで遅相軸がポリエチレンナフタレートフィルムのラ
ビング方向に対応する方向に垂直な方位であった。この
接着剤層を介したトリアセチルセルロースフィルム上の
補償フィルム8を2枚作成し、該フィルム8を2枚用い
て補償効果を次のようにして調べた。TN液晶セル、偏
光板および補償フィルム8を図26のように配置し、視
野角特性を調べた。TN液晶セルのパラメーターは、電
圧無印可時において90度左ねじれであり、リターデー
ション値は440nmであった。図27は白と黒の二値
のコントラスト比が50の等コントラスト曲線である。
この結果より、補償フィルム8の補償効果、即ち視野角
の広い表示が得られることがわかった。
【0320】(実施例13)実施例12で得られた補償
フィルム8を用い、図28の配置で視野角特性を調べ
た。図29に示したように視野角の広い表示が得られる
ことがわかった。
【0321】
【発明の効果】ディスコティック液晶をハイブリッド配
向させ、該配向形態を固定化した本発明の補償フィルム
は、種々の液晶ディスプレーに対して優れた補償効果を
示す。特に、単純マトリック方式で駆動するTN液晶デ
ィスプレーやアクティブマトリックス方式で駆動するT
N液晶ディスプレー(MIM−LCDやTFT−LC
D)などに対しては、液晶ディスプレーが有する特性、
例えば色彩、明るさなどを低下せずに、視野角特性を顕
著に改善することができる。TFT−LCDは、高品位
の表示媒体を目指しており、本発明による視野角特性の
改善の意義が大きく、高品位の液晶テレビや将来の大画
面液晶ディスプレーの実現を可能にするものであり、工
業的に極めて高い価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスコティック液晶のもつ固有の屈折率分布
とダイレクターについて説明した図。
【図2】ディスコティック液晶のとり得る配向構造の模
式図。図中の矢印がダイレクター。(a)はダイレクタ
ーが基板面に垂直な負の一軸性構造。(b)は基板面に
対して一定角度チルトした負の一軸性構造。(c)は本
発明の補償板が有するダイレクタ−が厚み方向で徐々に
変化するハイブリッド配向。
【図3】基板上に形成したままの状態の補償フィルム
を、基板のラビング方向に沿って傾け、見かけのリター
デーションを測定した結果。図中にフィルムを傾ける方
向を説明する図を示した。また図中の液晶のダイレクタ
ーの傾き方向は本測定で得られた結果をもとに模式的に
表したもの。
【図4】実施例1で用いた液晶表示装置の斜視図(a)
および各構成部材の軸配置(aおよびb)。(c)は方
位角φと視角θを説明する図。(c)の図は以下の図に
共通。 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償板(補償素子) 7 補償フィルム1 8 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 9 上偏光板の透過軸 10 上電極基板のラビング方向 11 下電極基板のラビング方向 12 下偏光板の透過軸 13 基板のラビング方向
【図5】図4の(a)の変形。
【図6】実施例1(図4における装置の斜視図(a))
で得られた視野角特性。図中の曲線がコントラスト30
の等コントラスト曲線である。3つの同心円はそれぞれ
視角θ=20度,40度および60度を表し、点線で示
した十字は方位角φ=0,90度,180度および27
0度を表す。(a)補償フィルムなし(図4の6の部材
がない場合)(b)補償フィルムあり
【図7】実施例2で用いた液晶表示装置の斜視図(a)
および各構成部材の軸配置(aおよびb)。 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム2 8 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 9 上偏光板の透過軸 10 上電極基板のラビング方向 11 下電極基板のラビング方向 12 下偏光板の透過軸 13 基板のラビング方向
【図8】図7の(a)の変形。
【図9】実施例2(図7における装置の斜視図(a))
で得られた視野角特性(コントラスト30の等コントラ
スト曲線)。
【図10】実施例3で用いた液晶表示装置の斜視図(a
およびc)および各構成部材の軸配置(a,bおよび
c) 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム1 8 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 9 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 10 補償フィルム2 11 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 12 上偏光板の透過軸 13 上電極基板のラビング方向 14 下電極基板のラビング方向 15 下偏光板の透過軸 16 基板のラビング方向 17 基板のラビング方向
【図11】図10の(a)の変形。
【図12】実施例3(図10における装置の斜視図
(a))で得られた視野角特性(コントラスト30の等
コントラスト曲線)。
【図13】実施例4で補償板試料を基板のラビング方向
に沿って傾けてみかけのリターデーションを測定した結
果。
【図14】実施例4で用いた液晶表示装置の斜視図(a
およびc)および各構成部材の軸配置(a,bおよび
c) 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム3 8 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 9 上偏光板の透過軸 10 上電極基板のラビング方向 11 下電極基板のラビング方向 12 下偏光板の透過軸 13 基板のラビング方向
【図15】図14の(a)の変形。
【図16】実施例4(図14における装置の斜視図
(a))で得られた視野角特性(コントラスト30の等
コントラスト曲線)。(a)補償フィルムなし(図13
において部材6が無い場合)(b)補償フィルムあり。
【図17】実施例5で用いた液晶表示装置の斜視図(a
およびc)および各構成部材の軸配置(a,bおよび
c) 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム4 8 基板(ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板) 9 上偏光板の透過軸 10 上電極基板のラビング方向 11 下電極基板のラビング方向 12 下偏光板の透過軸 13 基板のラビング方向
【図18】図17の(a)の変形。
【図19】実施例5(図17における装置の斜視図
(a))で得られた視野角特性(コントラスト30の等
コントラスト曲線)。
【図20】実施例6で用いた液晶表示装置の斜視図(a
およびc)および各構成部材の軸配置(a,bおよび
c) 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有するITO電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有するTFT電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム4 8 基板(粘着層を有するポリエーテルスルフォンフ
ィルム) 9 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 10 補償フィルム4 11 基板(粘着層を有するポリエーテルスルフォン
フィルム) 12 上偏光板の透過軸 13 上電極基板のラビング方向 14 下電極基板のラビング方向 15 下偏光板の透過軸 16 剥離前のポリイミドフィルムのラビング方向に
対応する方向 17 剥離前のポリイミドフィルムのラビング方向に
対応する方向
【図21】図20の(a)の変形。
【図22】実施例6(図20における装置の斜視図
(a))で得られた視野角特性。曲線で囲まれた斜線で
示した領域は、コントラストが30以上かつ8階調のグ
レースケールの反転が全く起こらない領域を表す。
(a)補償フィルムなし(図19で部材6,9が無い場
合)(b)補償フィルムあり。
【図23】実施例7で用いた液晶表示装置の斜視図(a
およびc)および各構成部材の軸配置(a,bおよび
c) 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有するITO電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有するTFT電極基板 5 下偏光板 6 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 7 補償フィルム5 8 基板(粘着層を有するポリエーテルスルフォンフ
ィルム) 9 透明基板上の補償フィルム(補償素子) 10 補償フィルム5 11 基板(粘着層を有するポリエーテルスルフォン
フィルム) 12 上偏光板の透過軸 13 上電極基板のラビング方向 14 下電極基板のラビング方向 15 下偏光板の透過軸 16 剥離前のポリイミドフィルムのラビング方向に
対応する方向 17 剥離前のポリイミドフィルムのラビング方向に
対応する方向
【図24】図23の(a)の変形。
【図25】実施例7(図23における装置の斜視図
(a))で得られた視野角特性。曲線で囲まれた斜線で
示した領域は、コントラストが30以上かつ8階調のグ
レースケールの反転が全く起こらない領域を表す。
【図26】実施例12で用いた液晶表示装置の斜視図
(a)および各構成部材の軸配置(aおよびb)。 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上ITO電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下ITO電極基板 5 下偏光板 6 トリアセチルセルロースフィルム上の補償フィル
ム(補償素子) 7 補償フィルム8 8 接着剤層を有するトリアセチルセルロースフィル
ム 9 トリアセチルセルロースフィルム上の補償フィル
ム(補償素子) 10 補償フィルム8 11 接着剤層を有するトリアセチルセルロースフィ
ルム 12 上偏光板の透過軸 13 上電極基板のラビング方向 14 下電極基板のラビング方向 15 下偏光板の透過軸 16 剥離したポリエチレンナフタレートフィルムの
ラビング方向に対応する方向 17 剥離したポリエチレンナフタレートフィルムの
ラビング方向に対応する方向
【図27】実施例12で得られた等コントラスト曲線
(コントラスト50)
【図28】実施例13で用いた液晶表示装置の斜視図
(a)および各構成部材の軸配置(aおよびb)。 1 上偏光板 2 TN液晶セル 3 ラビングポリイミド膜を有する上ITO電極基板 4 ラビングポリイミド膜を有する下ITO電極基板 5 下偏光板 6 トリアセチルセルロースフィルム上の補償フィル
ム(補償素子) 7 補償フィルム8 8 接着剤層を有するトリアセチルセルロースフィル
ム 9 トリアセチルセルロースフィルム上の補償フィル
ム(補償素子) 10 補償フィルム8 11 接着剤層を有するトリアセチルセルロースフィ
ルム 12 上偏光板の透過軸 13 上電極基板のラビング方向 14 下電極基板のラビング方向 15 下偏光板の透過軸 16 剥離したポリエチレンナフタレートフィルムの
ラビング方向に対応する方向 17 剥離したポリエチレンナフタレートフィルムの
ラビング方向に対応する方向
【図29】実施例13で得られた等コントラスト曲線
(コントラスト50)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスコティック液晶性材料から成り、
    ディスコティック液晶の配向形態を固定化したことを特
    徴とする液晶表示素子用補償フィルム。
  2. 【請求項2】 ディスコティック液晶の配向形態を固定
    化したディスコティック液晶性材料から形成される単層
    フィルムであって、該配向形態がフィルム上面界面近傍
    のディスコティック液晶のダイレクターとフィルム平面
    とのなす角度と、フィルム下面界面近傍のディスコティ
    ック液晶のダイレクターとフィルム平面とのなす角度が
    異なるハイブリッド配向であることを特徴とする請求項
    1記載の液晶表示素子用補償フィルム。
  3. 【請求項3】 ハイブリッド配向が、ディスコティック
    液晶のダイレクターがフィルムの一方の面においては、
    フィルム平面と60度以上90度以下の角度をなしてお
    り、フィルムの他の面においては、0度以上50度以下
    の角度を成すハイブリッド配向であることを特徴とする
    請求項1または2記載の液晶表示素子用補償フィルム。
  4. 【請求項4】 TN型液晶セルと、該液晶セルを挟むよ
    うに上下一対の偏光板を備えたノーマリーホワイトモー
    ドの液晶表示素子に少なくとも1枚用いることを特徴と
    する請求項1乃至3のいづれか1項記載の液晶表示素子
    用補償フィルム。
  5. 【請求項5】 TN型液晶セルと、該液晶セルを挟むよ
    うに上下一対の偏光板との間の、一方または両方に、少
    なくとも1枚挟んで用いることを特徴とする請求項1乃
    至4のいづれか1項記載の液晶表示素子用補償フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいづれか1項記載の液
    晶表示用補償フィルムを少なくとも1枚組み込んだ液晶
    表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2の補償フィルムと基板と
    から少なくとも構成され、基板側のフィルム界面近傍の
    ディスコティック液晶のダイレクターとフィルム平面と
    の成す角度が0度以上50度以下であることを特徴とす
    る補償素子。
  8. 【請求項8】 ディスコティック液晶の配向制御能を実
    質的に持たない基板と請求項1又は2の補償フィルムと
    から構成されることを特徴とする補償素子。
  9. 【請求項9】 配向膜を有しない基板と請求項1又は2
    の補償フィルムとから構成されることを特徴とする補償
    素子。
  10. 【請求項10】 TN型液晶セルと、該液晶セルを挟む
    ように上下一対の偏光板を備えたノーマリーホワイトモ
    ードの液晶表示素子に少なくとも1枚用いることを特徴
    とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の補償素子。
  11. 【請求項11】 TN型液晶セルと、該液晶セルを挟む
    ように上下一対の偏光板との間の、一方または両方に、
    少なくとも1枚挟んで用いることを特徴とする請求項7
    乃至9のいずれか1項記載の補償素子。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1項記載
    の補償素子を少なくとも1枚組み込んだ液晶表示装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009244656A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Casio Comput Co Ltd 液晶表示素子

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