JP2001042325A - 光学補償素子 - Google Patents
光学補償素子Info
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- JP2001042325A JP2001042325A JP11217842A JP21784299A JP2001042325A JP 2001042325 A JP2001042325 A JP 2001042325A JP 11217842 A JP11217842 A JP 11217842A JP 21784299 A JP21784299 A JP 21784299A JP 2001042325 A JP2001042325 A JP 2001042325A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コントラスト特性を損ねることなく、中間調
表示時の左右の非対称性を低減した高品位な画像表示可
能なLCDを得ることができる光学補償素子を提供する
を提供する。 【解決手段】 光学的に正の一軸性を示す高分子液晶が
液晶状態において形成したツイステッドネマチック配向
をガラス固定化した高分子液晶フィルムおよび光学的に
負の異方性を示すフィルムとから構成される光学補償素
子である。
表示時の左右の非対称性を低減した高品位な画像表示可
能なLCDを得ることができる光学補償素子を提供する
を提供する。 【解決手段】 光学的に正の一軸性を示す高分子液晶が
液晶状態において形成したツイステッドネマチック配向
をガラス固定化した高分子液晶フィルムおよび光学的に
負の異方性を示すフィルムとから構成される光学補償素
子である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノーマリーブラッ
クモード型液晶表示素子の表示コントラスト、階調特性
および表示色の視野角特性を改良することができる光学
補償素子と、この光学補償素子を備えたノーマリーブラ
ックモード型ツイステッドネマチック液晶表示素子に関
する。
クモード型液晶表示素子の表示コントラスト、階調特性
および表示色の視野角特性を改良することができる光学
補償素子と、この光学補償素子を備えたノーマリーブラ
ックモード型ツイステッドネマチック液晶表示素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】TFT素子あるいはMIM素子などを用
いたアクティブ駆動のツイステッドネマチック型液晶表
示素子(以下、TN−LCDと略す。)は、薄型、軽量、
低消費電力というLCD本来の特長に加えて、正面から
見た場合CRTに匹敵する画質を有するために、ノート
パソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末などの表示装
置として広く普及している。電圧無印加時に黒表示とな
り、黒表示時のセル中の液晶配向状態がねじれ構造を形
成するノーマリーブラック(NB)モード型のTN−LC
D(以下、NB−TN−LCDと略す。)は、光学的な
異方性が平均化されているために電圧無印加時に白表示
となるノーマリーホワイト型のTN−LCD(以下、N
W−TN−LCDと略す。)と比較して視野角特性が良
好である。ただしNB−TN−LCDは、黒表示時のセ
ル中の液晶配向状態がねじれ構造であるが故に可視領域
全体にわたって完全に光を遮光することができず、黒表
示が着色してしまい、表示のコントラストが低下してし
まうことから、NW−TN−LCDでは課題となり得な
い色補償を行わなければならないという課題が残されて
いる。この課題を解決するために様々な色補償方法が近
年報告されており、例えばLCDパネルの各色(R、
G、B)の画素毎にセルギャップを最適値に設定する方
法(マルチギャップ法:Hatta et al.、 SID 1986 Dige
st、 p296)、複数の延伸フィルムを用いて色補償を行
う方法(Sergan et al.、 Jpn. J. Appl. Phys.、 37(3
A)、 p889)、補償用の液晶セルにて色補償を行う方法
(吉田ら、第16回液晶討論会予稿集(1990)、2L307、p22
2)等が提案されている。しかしながらマルチギャップ
方法では、セル全面にわたって表示画素毎に基板に段差
を設けるなどの微細加工が必要であり、結果としてセル
の歩留り低下およびコスト上昇を招いてしまう。また複
数の延伸フィルムを用いて色補償を行う方法では、コン
トラスト確保のために4枚以上のフィルムを用いる必要
があり、フィルムのばらつき、貼合加工時の精度などに
より安定した特性を得ることが困難である。また補償用
の液晶セルにて色補償を行う方法では、セルを積層する
ことから重量や厚み増加の問題がある。さらには補償用
液晶セルのパネル間のばらつきにより表示特性が変化
し、かつ補償用液晶セルの面内ムラが表示ムラとなって
現れるため、高精度かつ高均一な補償用液晶セルが必要
であり、セルの歩留まり低下およびコスト上昇を招いて
しまうものであった。
いたアクティブ駆動のツイステッドネマチック型液晶表
示素子(以下、TN−LCDと略す。)は、薄型、軽量、
低消費電力というLCD本来の特長に加えて、正面から
見た場合CRTに匹敵する画質を有するために、ノート
パソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末などの表示装
置として広く普及している。電圧無印加時に黒表示とな
り、黒表示時のセル中の液晶配向状態がねじれ構造を形
成するノーマリーブラック(NB)モード型のTN−LC
D(以下、NB−TN−LCDと略す。)は、光学的な
異方性が平均化されているために電圧無印加時に白表示
となるノーマリーホワイト型のTN−LCD(以下、N
W−TN−LCDと略す。)と比較して視野角特性が良
好である。ただしNB−TN−LCDは、黒表示時のセ
ル中の液晶配向状態がねじれ構造であるが故に可視領域
全体にわたって完全に光を遮光することができず、黒表
示が着色してしまい、表示のコントラストが低下してし
まうことから、NW−TN−LCDでは課題となり得な
い色補償を行わなければならないという課題が残されて
いる。この課題を解決するために様々な色補償方法が近
年報告されており、例えばLCDパネルの各色(R、
G、B)の画素毎にセルギャップを最適値に設定する方
法(マルチギャップ法:Hatta et al.、 SID 1986 Dige
st、 p296)、複数の延伸フィルムを用いて色補償を行
う方法(Sergan et al.、 Jpn. J. Appl. Phys.、 37(3
A)、 p889)、補償用の液晶セルにて色補償を行う方法
(吉田ら、第16回液晶討論会予稿集(1990)、2L307、p22
2)等が提案されている。しかしながらマルチギャップ
方法では、セル全面にわたって表示画素毎に基板に段差
を設けるなどの微細加工が必要であり、結果としてセル
の歩留り低下およびコスト上昇を招いてしまう。また複
数の延伸フィルムを用いて色補償を行う方法では、コン
トラスト確保のために4枚以上のフィルムを用いる必要
があり、フィルムのばらつき、貼合加工時の精度などに
より安定した特性を得ることが困難である。また補償用
の液晶セルにて色補償を行う方法では、セルを積層する
ことから重量や厚み増加の問題がある。さらには補償用
液晶セルのパネル間のばらつきにより表示特性が変化
し、かつ補償用液晶セルの面内ムラが表示ムラとなって
現れるため、高精度かつ高均一な補償用液晶セルが必要
であり、セルの歩留まり低下およびコスト上昇を招いて
しまうものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みて成されたものであり、ツイステッドネマチック配
向を保持した高分子液晶フィルムと、光学的に負の異方
性を示すフィルムとの組み合わせからなる光学補償素子
を提供すると共に、当該素子を駆動用液晶セルと偏光板
との間に配置することにより、コントラスト特性を損ね
ることなく、中間調表示時の左右非対称性を低減し、か
つ高品位な画像表示が可能なノーマリーブラックモード
型のツイステッドネマチック液晶表示素子を提供する。
鑑みて成されたものであり、ツイステッドネマチック配
向を保持した高分子液晶フィルムと、光学的に負の異方
性を示すフィルムとの組み合わせからなる光学補償素子
を提供すると共に、当該素子を駆動用液晶セルと偏光板
との間に配置することにより、コントラスト特性を損ね
ることなく、中間調表示時の左右非対称性を低減し、か
つ高品位な画像表示が可能なノーマリーブラックモード
型のツイステッドネマチック液晶表示素子を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、ツイステッドネマチック配向を安定に保持した高分
子液晶フィルムと、光学的に負の異方性を示すフィルム
との組み合わせからなる光学補償素子に関する。本発明
の第2は、前記の光学補償素子における高分子液晶フィ
ルムが、光学的に正の一軸性を示す高分子液晶層に、そ
のガラス転移温度以上の温度においてツイステッドネマ
チック配向を形成させた後、ガラス転移温度以下の温度
に冷却することによって当該配向をガラス固定化して得
られるフィルムである前記光学補償素子に関する。本発
明の第3は、2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セルと、
前記光学補償素子を設けたノーマリーブラックモード型
ツィステッドネマチック液晶表示素子に関する。本発明
の第4は、駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶層の
屈折率異方性Δnと当該液晶層の厚みdとの積(Δnd
値)が、200nm〜600nmの範囲にあり、当該液
晶層のねじれ配向時のねじれ角が80゜〜100゜の範
囲にあり、光学補償素子を構成する高分子液晶フィルム
の屈折率異方性△n1と当該フィルムの厚みd1との積
(△n1d1値)が、150〜600nmの範囲にあ
り、当該フィルムが保持しているツイステッドネマチッ
ク配向のねじれ角が80゜〜100゜の範囲にあって、
そのねじれ方向が駆動用液晶セルにおけるネマチック液
晶のねじれ配向方向と逆方向であり、しかも、光学補償
素子を構成する光学的に負の異方性を示すフィルムの膜
厚方向の複屈折△n2とこのフィルムの厚みd2との積
(△n2d2値)が、−20〜−300nmの範囲であ
る前記ノーマリーブラックモード型ツィステッドネマチ
ック液晶表示素子に関する。ここで、高分子液晶フィル
ムの屈折率異方性△n1とは、当該フィルムを形成して
いる液晶材料の屈折率異方性を意味する。また、高分子
液晶フィルムの厚みとは、正味の厚みを意味し、当該フ
ィルムが支持基板等に支持されているばあいには、その
支持基板の厚みを含まない。
は、ツイステッドネマチック配向を安定に保持した高分
子液晶フィルムと、光学的に負の異方性を示すフィルム
との組み合わせからなる光学補償素子に関する。本発明
の第2は、前記の光学補償素子における高分子液晶フィ
ルムが、光学的に正の一軸性を示す高分子液晶層に、そ
のガラス転移温度以上の温度においてツイステッドネマ
チック配向を形成させた後、ガラス転移温度以下の温度
に冷却することによって当該配向をガラス固定化して得
られるフィルムである前記光学補償素子に関する。本発
明の第3は、2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セルと、
前記光学補償素子を設けたノーマリーブラックモード型
ツィステッドネマチック液晶表示素子に関する。本発明
の第4は、駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶層の
屈折率異方性Δnと当該液晶層の厚みdとの積(Δnd
値)が、200nm〜600nmの範囲にあり、当該液
晶層のねじれ配向時のねじれ角が80゜〜100゜の範
囲にあり、光学補償素子を構成する高分子液晶フィルム
の屈折率異方性△n1と当該フィルムの厚みd1との積
(△n1d1値)が、150〜600nmの範囲にあ
り、当該フィルムが保持しているツイステッドネマチッ
ク配向のねじれ角が80゜〜100゜の範囲にあって、
そのねじれ方向が駆動用液晶セルにおけるネマチック液
晶のねじれ配向方向と逆方向であり、しかも、光学補償
素子を構成する光学的に負の異方性を示すフィルムの膜
厚方向の複屈折△n2とこのフィルムの厚みd2との積
(△n2d2値)が、−20〜−300nmの範囲であ
る前記ノーマリーブラックモード型ツィステッドネマチ
ック液晶表示素子に関する。ここで、高分子液晶フィル
ムの屈折率異方性△n1とは、当該フィルムを形成して
いる液晶材料の屈折率異方性を意味する。また、高分子
液晶フィルムの厚みとは、正味の厚みを意味し、当該フ
ィルムが支持基板等に支持されているばあいには、その
支持基板の厚みを含まない。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の光学補償素子は、ツイステッドネマチッ
ク配向を安定に保持した高分子液晶フィルムと、光学的
に負の異方性を示すフィルムとの組合せからなるが、そ
の高分子液晶フィルムは、光学的に正の一軸性を示す高
分子液晶を主成分とする液晶材料から調製することがで
きる。光学的に正の一軸性を示す高分子液晶は、以下の
ような特性を有することが望ましい。すなわち、ガラス
転移温度Tg以上に加熱してツイステッドネマチック配
向させた後に、Tg以下の温度に冷却してガラス固定化
するために、液晶の相系列で見た場合、ツイステッドネ
マチック相より低温域にスメクチック相等の高次の液晶
相や結晶相が存在せず、ガラス相を有していることが望
ましい。ちなみに、高次の液晶相や結晶相が存在して
も、ツイステッドネマチック相からの冷却時の温度勾配
を急にすれば、過冷却によりツイステッドネマチック相
をガラス固定化できる可能性もある。しかしながら、条
件によっては、一度得られたツイステッドネマチック配
向が、高次の相の発現によって破壊される恐れもある。
本発明に用いる液晶材料は、ツイステッドネマチック配
向を誘起するために光学活性基を含んでいることが必須
である。高分子液晶に光学活性基を有する低分子化合
物、高分子化合物を添加する場合、これら化合物自身は
上記の如き液晶性を呈するものでもよい。また自身は液
晶性を呈さないが、高分子液晶に添加して組成物とする
ことで、当該組成物として液晶性を呈することができる
低分子化合物や高分子化合物等も用いることができる。
液晶材料の主成分となる高分子液晶は、上記特性を有す
るものであれば特に制限されるものではなく、主鎖型お
よび側鎖型の高分子液晶等いずれでも使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶ポリ
マー、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶
ポリマーなどが挙げられる。なかでもツイステッドネマ
チック配向を形成する上で配向性が良く、合成も比較的
容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの
構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオー
ル単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香
族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例
として挙げられる。また光学活性基を有する低分子化合
物や高分子化合物については、上述のように液晶材料と
して高分子液晶に添加して組成物とした際に、当該組成
物が液晶性を呈するものである限りにおいては、自身の
液晶性の有無は問わない。当該化合物としては、低分子
化合物にあっては光学活性基を有し、高分子液晶と相溶
するものであれば特に制限されるものではない。また、
光学活性基を有する高分子化合物としては、例えば、光
学活性基を有する構成単位を含む各種高分子を用いるこ
とができる。なかでも光学活性基を有する構成単位を含
む上記の如き液晶性ポリエステルが、相溶性、配向性等
の観点から望ましい。液晶材料における光学活性基の量
は、液晶材料に対して通常0.01〜50重量%、好ま
しくは0.05〜40重量%、さらに好ましくは0.1
〜30重量%、最も好ましくは、0.2〜20重量%の
範囲にある。そして、液晶材料の主成分が光学活性基を
有する高分子液晶である場合には、その高分子液晶にお
ける光学活性基の量は、高分子液晶の構成単位の全モル
数の、通常0.01〜40モル%、好ましくは0.1〜
30モル%、さらに好ましくは0.2〜20モル%、最
も好ましくは0.4〜10モル%の範囲である。0.0
1モル%より少ない場合は、ネマチック液晶に十分なね
じれを与えることができない恐れがある。また40モル
%より多い場合には、ねじれを誘起する性質が強すぎ、
所望とするツイスト角を得ることが困難となる恐れがあ
る。以上説明した液晶材料の主成分となる高分子液晶の
分子量は、各種溶媒中、例えばフェノール/テトラクロ
ロエタンの60/40(重量比)混合溶媒中、25℃に
て測定した対数粘度が、通常0.05〜3.0、好まし
くは0.07〜2.0の範囲であることが望ましい。対
数粘度が0.05よりも小さい場合、最終的に得られる
高分子液晶フィルム(光学補償フィルム)の機械的強度
が弱くなる恐れがある。また3.0より大きい場合に
は、溶融粘度が高すぎることにより配向性が低下し、均
一なフィルムを得るために長時間配向処理が必要にな
る、といった問題が生じ、プロセス上望ましくない影響
を与える可能性がある。また液晶材料の主成分となる高
分子液晶のガラス転移温度(Tg)も、高分子液晶フィ
ルムを形成する材料には重要であり、通常40〜180
℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60
〜120℃の範囲であることが望ましい。Tgは、配向
に必要な温度および配向固定化した後の配向安定性に影
響を及ぼすものであり、上記範囲を外れた場合には、本
発明の光学補償フィルムを得ることができない恐れがあ
る。また高分子液晶フィルム自身の耐熱性を向上させる
ために、液晶材料中には上記の高分子液晶以外に、ツイ
ステッドネマチック相の発現を妨げない範囲において、
例えば、ビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート
等の架橋剤を添加することもできる。これら架橋剤を添
加することによりツイステッドネマチック相を発現させ
た状態で架橋させることもできる。さらに液晶材料中に
は、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、ハードコート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損
なわない範囲において適宜添加することもできる。
する。本発明の光学補償素子は、ツイステッドネマチッ
ク配向を安定に保持した高分子液晶フィルムと、光学的
に負の異方性を示すフィルムとの組合せからなるが、そ
の高分子液晶フィルムは、光学的に正の一軸性を示す高
分子液晶を主成分とする液晶材料から調製することがで
きる。光学的に正の一軸性を示す高分子液晶は、以下の
ような特性を有することが望ましい。すなわち、ガラス
転移温度Tg以上に加熱してツイステッドネマチック配
向させた後に、Tg以下の温度に冷却してガラス固定化
するために、液晶の相系列で見た場合、ツイステッドネ
マチック相より低温域にスメクチック相等の高次の液晶
相や結晶相が存在せず、ガラス相を有していることが望
ましい。ちなみに、高次の液晶相や結晶相が存在して
も、ツイステッドネマチック相からの冷却時の温度勾配
を急にすれば、過冷却によりツイステッドネマチック相
をガラス固定化できる可能性もある。しかしながら、条
件によっては、一度得られたツイステッドネマチック配
向が、高次の相の発現によって破壊される恐れもある。
本発明に用いる液晶材料は、ツイステッドネマチック配
向を誘起するために光学活性基を含んでいることが必須
である。高分子液晶に光学活性基を有する低分子化合
物、高分子化合物を添加する場合、これら化合物自身は
上記の如き液晶性を呈するものでもよい。また自身は液
晶性を呈さないが、高分子液晶に添加して組成物とする
ことで、当該組成物として液晶性を呈することができる
低分子化合物や高分子化合物等も用いることができる。
液晶材料の主成分となる高分子液晶は、上記特性を有す
るものであれば特に制限されるものではなく、主鎖型お
よび側鎖型の高分子液晶等いずれでも使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶ポリ
マー、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶
ポリマーなどが挙げられる。なかでもツイステッドネマ
チック配向を形成する上で配向性が良く、合成も比較的
容易である液晶性ポリエステルが望ましい。ポリマーの
構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオー
ル単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香
族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を好適な例
として挙げられる。また光学活性基を有する低分子化合
物や高分子化合物については、上述のように液晶材料と
して高分子液晶に添加して組成物とした際に、当該組成
物が液晶性を呈するものである限りにおいては、自身の
液晶性の有無は問わない。当該化合物としては、低分子
化合物にあっては光学活性基を有し、高分子液晶と相溶
するものであれば特に制限されるものではない。また、
光学活性基を有する高分子化合物としては、例えば、光
学活性基を有する構成単位を含む各種高分子を用いるこ
とができる。なかでも光学活性基を有する構成単位を含
む上記の如き液晶性ポリエステルが、相溶性、配向性等
の観点から望ましい。液晶材料における光学活性基の量
は、液晶材料に対して通常0.01〜50重量%、好ま
しくは0.05〜40重量%、さらに好ましくは0.1
〜30重量%、最も好ましくは、0.2〜20重量%の
範囲にある。そして、液晶材料の主成分が光学活性基を
有する高分子液晶である場合には、その高分子液晶にお
ける光学活性基の量は、高分子液晶の構成単位の全モル
数の、通常0.01〜40モル%、好ましくは0.1〜
30モル%、さらに好ましくは0.2〜20モル%、最
も好ましくは0.4〜10モル%の範囲である。0.0
1モル%より少ない場合は、ネマチック液晶に十分なね
じれを与えることができない恐れがある。また40モル
%より多い場合には、ねじれを誘起する性質が強すぎ、
所望とするツイスト角を得ることが困難となる恐れがあ
る。以上説明した液晶材料の主成分となる高分子液晶の
分子量は、各種溶媒中、例えばフェノール/テトラクロ
ロエタンの60/40(重量比)混合溶媒中、25℃に
て測定した対数粘度が、通常0.05〜3.0、好まし
くは0.07〜2.0の範囲であることが望ましい。対
数粘度が0.05よりも小さい場合、最終的に得られる
高分子液晶フィルム(光学補償フィルム)の機械的強度
が弱くなる恐れがある。また3.0より大きい場合に
は、溶融粘度が高すぎることにより配向性が低下し、均
一なフィルムを得るために長時間配向処理が必要にな
る、といった問題が生じ、プロセス上望ましくない影響
を与える可能性がある。また液晶材料の主成分となる高
分子液晶のガラス転移温度(Tg)も、高分子液晶フィ
ルムを形成する材料には重要であり、通常40〜180
℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60
〜120℃の範囲であることが望ましい。Tgは、配向
に必要な温度および配向固定化した後の配向安定性に影
響を及ぼすものであり、上記範囲を外れた場合には、本
発明の光学補償フィルムを得ることができない恐れがあ
る。また高分子液晶フィルム自身の耐熱性を向上させる
ために、液晶材料中には上記の高分子液晶以外に、ツイ
ステッドネマチック相の発現を妨げない範囲において、
例えば、ビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート
等の架橋剤を添加することもできる。これら架橋剤を添
加することによりツイステッドネマチック相を発現させ
た状態で架橋させることもできる。さらに液晶材料中に
は、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、ハードコート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損
なわない範囲において適宜添加することもできる。
【0006】本発明の高分子液晶フィルムは、上記の如
き液晶材料から得られる薄層に、熱処理を施すことによ
って所望のツイステッドネマチック配向を形成させ、し
かる後、薄層を構成する高分子液晶のTg以下の温度、
より具体的には液晶転移点以下に冷却し、当該配向をガ
ラス固定化することにより得ることができる。ここで所
望のツイステッドネマチック配向を得るためには、少な
くとも一方が配向規制力を有する配向基板上で、液晶材
料の薄膜を形成させることが望ましい。具体的な態様と
しては、例えば、一枚の配向基板上に液晶材料の塗布膜
を得る方法が挙げられる。2枚の配向基板間で液晶材料
の薄層を得る方法や、一方が配向基板であり、他方が配
向規制力を有しない非配向基板である基板間で、液晶材
料の薄層を得ることもできるが、プロセス上のメリット
は少ない。液晶材料の塗布膜を得る際の配向基板は、液
晶分子の基板界面でのダイレクターを規定できるように
異方性を有しているものが望ましく、配向基板が、全く
液晶分子のダイレクターを規定できない場合には、所望
とするツイステッドネマチック配向を得ることができな
い恐れがある。使用可能な配向基板を例示すると、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプ
ロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂などのプラスチック基板、上記プラ
スチックの一軸延伸フィルム、表面にスリット状の溝を
付けたアルミニウム、鉄、銅などの金属基板、表面をス
リット状にエッチング加工したアルカリガラス、ホウ珪
酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板を挙げるこ
とができる。また、上記プラスチックフィルム基板にラ
ビング処理を施したラビングプラスチック基板、ラビン
グ処理を施したプラスチックフィルム、例えば、ラビン
グポリイミドフィルム、ラビングポリビニルアルコール
フィルムなどを積層させた各種基板、さらには、酸化珪
素の斜め蒸着膜を設けた各種基板なども配向基板として
用いることができる。上記各種の配向基板のなかでも好
適な配向基板としては、ラビングポリイミド膜を有する
各種基板、ラビングポリイミド基板、ラビングポリエー
テルエーテルケトン基板、ラビングポリエーテルケトン
基板、ラビングポリエーテルスルフォン基板、ラビング
ポリフェニレンサルファイド基板、ラビングポリエチレ
ンテレフタレート基板、ラビングポリエチレンナフタレ
ート基板、ラビングポリアリレート基板、ラビングセル
ロース系プラスチック基板を挙げることができる。
き液晶材料から得られる薄層に、熱処理を施すことによ
って所望のツイステッドネマチック配向を形成させ、し
かる後、薄層を構成する高分子液晶のTg以下の温度、
より具体的には液晶転移点以下に冷却し、当該配向をガ
ラス固定化することにより得ることができる。ここで所
望のツイステッドネマチック配向を得るためには、少な
くとも一方が配向規制力を有する配向基板上で、液晶材
料の薄膜を形成させることが望ましい。具体的な態様と
しては、例えば、一枚の配向基板上に液晶材料の塗布膜
を得る方法が挙げられる。2枚の配向基板間で液晶材料
の薄層を得る方法や、一方が配向基板であり、他方が配
向規制力を有しない非配向基板である基板間で、液晶材
料の薄層を得ることもできるが、プロセス上のメリット
は少ない。液晶材料の塗布膜を得る際の配向基板は、液
晶分子の基板界面でのダイレクターを規定できるように
異方性を有しているものが望ましく、配向基板が、全く
液晶分子のダイレクターを規定できない場合には、所望
とするツイステッドネマチック配向を得ることができな
い恐れがある。使用可能な配向基板を例示すると、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプ
ロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂などのプラスチック基板、上記プラ
スチックの一軸延伸フィルム、表面にスリット状の溝を
付けたアルミニウム、鉄、銅などの金属基板、表面をス
リット状にエッチング加工したアルカリガラス、ホウ珪
酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板を挙げるこ
とができる。また、上記プラスチックフィルム基板にラ
ビング処理を施したラビングプラスチック基板、ラビン
グ処理を施したプラスチックフィルム、例えば、ラビン
グポリイミドフィルム、ラビングポリビニルアルコール
フィルムなどを積層させた各種基板、さらには、酸化珪
素の斜め蒸着膜を設けた各種基板なども配向基板として
用いることができる。上記各種の配向基板のなかでも好
適な配向基板としては、ラビングポリイミド膜を有する
各種基板、ラビングポリイミド基板、ラビングポリエー
テルエーテルケトン基板、ラビングポリエーテルケトン
基板、ラビングポリエーテルスルフォン基板、ラビング
ポリフェニレンサルファイド基板、ラビングポリエチレ
ンテレフタレート基板、ラビングポリエチレンナフタレ
ート基板、ラビングポリアリレート基板、ラビングセル
ロース系プラスチック基板を挙げることができる。
【0007】液晶材料の塗膜作成は、液晶材料の溶融液
を、好ましくは液晶材料の溶液を、配向基板表面に塗布
することで行われる。液晶材料の溶媒は、これに溶解さ
せる液晶材料の種類により異なるが、通常は、トルエ
ン、キシレン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフタレ
ン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系、エチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−
ブチロラクトン等のエステル系、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド系、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラク
ロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系、ブチルアルコール、トリエチレングリコール、ジア
セトンアルコール、ヘキシレングリコール等のアルコー
ル系等を用いることができる。これらの溶媒は必要によ
り2種以上を適宜混合して使用することもできる。調製
する溶液の濃度は、溶質である高分子液晶等の分子量、
溶解性、さらには製造せんとする光学補償フィルム(高
分子液晶フィルム)の膜厚等により異なるため一概には
言えないが、通常1〜60重量%、好ましくは3〜40
重量%、さらに好ましくは7〜30重量%である。液晶
材料の溶液には、塗布を容易にするために界面活性剤等
を加えても良い。界面活性剤としては、例えば、イミダ
ゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサ
イド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一
級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキル
フェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及
びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫
酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換
芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるい
は芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界
面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリル
アミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロ
アルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン
酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パー
フルオロアルキル基含有親水性基含有オリゴマー、パー
フルオロアルキル基含有親油基含有オリゴマー、パーフ
ルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤
などが使用可能である。界面活性剤の添加量は、界面活
性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する配向基板にもよる
が、通常、液晶材料の重量に対する比率にして10pp
m〜10%、好ましくは50ppm〜5%、さらに好ま
しくは0.01%〜1%の範囲である。液晶材料溶液の
配向基板への塗布には、例えば、ロールコート法、ダイ
コート法、バーコート法、グラビアロールコート法、ス
プレーコート法、ディップコート法、スピンコート法等
を採用することができる。塗布後は溶媒を除去するが、
溶媒除去条件は特に限定されず、溶媒がおおむね除去で
き、塗膜が流動したり、流れ落ちたりさえしなければよ
い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風
の吹き付けなどを利用して溶媒を除去することができ
る。
を、好ましくは液晶材料の溶液を、配向基板表面に塗布
することで行われる。液晶材料の溶媒は、これに溶解さ
せる液晶材料の種類により異なるが、通常は、トルエ
ン、キシレン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフタレ
ン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系、エチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−
ブチロラクトン等のエステル系、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド系、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラク
ロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系、ブチルアルコール、トリエチレングリコール、ジア
セトンアルコール、ヘキシレングリコール等のアルコー
ル系等を用いることができる。これらの溶媒は必要によ
り2種以上を適宜混合して使用することもできる。調製
する溶液の濃度は、溶質である高分子液晶等の分子量、
溶解性、さらには製造せんとする光学補償フィルム(高
分子液晶フィルム)の膜厚等により異なるため一概には
言えないが、通常1〜60重量%、好ましくは3〜40
重量%、さらに好ましくは7〜30重量%である。液晶
材料の溶液には、塗布を容易にするために界面活性剤等
を加えても良い。界面活性剤としては、例えば、イミダ
ゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサ
イド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一
級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキル
フェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及
びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫
酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換
芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるい
は芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界
面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリル
アミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロ
アルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン
酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パー
フルオロアルキル基含有親水性基含有オリゴマー、パー
フルオロアルキル基含有親油基含有オリゴマー、パーフ
ルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤
などが使用可能である。界面活性剤の添加量は、界面活
性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する配向基板にもよる
が、通常、液晶材料の重量に対する比率にして10pp
m〜10%、好ましくは50ppm〜5%、さらに好ま
しくは0.01%〜1%の範囲である。液晶材料溶液の
配向基板への塗布には、例えば、ロールコート法、ダイ
コート法、バーコート法、グラビアロールコート法、ス
プレーコート法、ディップコート法、スピンコート法等
を採用することができる。塗布後は溶媒を除去するが、
溶媒除去条件は特に限定されず、溶媒がおおむね除去で
き、塗膜が流動したり、流れ落ちたりさえしなければよ
い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風
の吹き付けなどを利用して溶媒を除去することができ
る。
【0008】溶媒除去後の塗膜には、必要な熱処理を施
してツイステッドネマチック配向を完成させる。通常、
ツイステッドネマチック配向におけるねじれ角は、フィ
ルム材料中に有する光学活性基の濃度によって調整でき
るが、高分子液晶の種類によっては、ツイステッドネマ
チック配向のねじれ角が熱処理条件等によって異なるこ
とがある。このような液晶材料を用いた場合には、所望
のねじれ角を得るために熱処理条件を適宜制御すること
が好ましい。例えば、塗膜を形成している液晶材料の如
何によっては、これに所望のねじれ角のツイステッドネ
マチック配向を行わせるためには、比較的低温度での熱
処理を必要とするが、低い温度では液晶材料の粘性が高
いために、所望の配向を得るのに長時間を要する場合が
ある。このような液晶材料の場合には、一旦高温度で熱
処理を行い、モノドメインな配向を得た後に、所望のね
じれ角のツイステッドネマチック配向が形成される温度
まで、に段階的または連続的に徐冷する方法が有効であ
る。以上のように本発明の高分子液晶フィルムを得るに
は、用いる液晶材料の特性に応じて熱処理条件を決める
ことが必要であり、使用した液晶材料の主成分となる高
分子液晶のガラス転移温度以上の温度で熱処理すること
が望ましい。熱処理温度としては、50〜300℃、好
ましくは100〜260℃の範囲が、熱処理時間として
は、10秒〜2時間、好ましくは20秒〜1時間の範囲
が一般に採用されるが、これらはあくまでも例示であ
り、本発明を何ら制限するものではない。なお、塗膜の
熱処理に際しては、磁場や電場を利用することもでき
る。
してツイステッドネマチック配向を完成させる。通常、
ツイステッドネマチック配向におけるねじれ角は、フィ
ルム材料中に有する光学活性基の濃度によって調整でき
るが、高分子液晶の種類によっては、ツイステッドネマ
チック配向のねじれ角が熱処理条件等によって異なるこ
とがある。このような液晶材料を用いた場合には、所望
のねじれ角を得るために熱処理条件を適宜制御すること
が好ましい。例えば、塗膜を形成している液晶材料の如
何によっては、これに所望のねじれ角のツイステッドネ
マチック配向を行わせるためには、比較的低温度での熱
処理を必要とするが、低い温度では液晶材料の粘性が高
いために、所望の配向を得るのに長時間を要する場合が
ある。このような液晶材料の場合には、一旦高温度で熱
処理を行い、モノドメインな配向を得た後に、所望のね
じれ角のツイステッドネマチック配向が形成される温度
まで、に段階的または連続的に徐冷する方法が有効であ
る。以上のように本発明の高分子液晶フィルムを得るに
は、用いる液晶材料の特性に応じて熱処理条件を決める
ことが必要であり、使用した液晶材料の主成分となる高
分子液晶のガラス転移温度以上の温度で熱処理すること
が望ましい。熱処理温度としては、50〜300℃、好
ましくは100〜260℃の範囲が、熱処理時間として
は、10秒〜2時間、好ましくは20秒〜1時間の範囲
が一般に採用されるが、これらはあくまでも例示であ
り、本発明を何ら制限するものではない。なお、塗膜の
熱処理に際しては、磁場や電場を利用することもでき
る。
【0009】上記の熱処理によって塗膜の液晶層に形成
されたツイステッドネマチック配向は、液晶層の主成分
である高分子液晶の液晶転移点以下の温度に、塗膜を冷
却することにより、配向の均一性を全く損なわずにガラ
ス固定化される。一般的にネマチック相より低温部にス
メクチック層や結晶層を持った高分子液晶を液晶材料の
主成分として用いた場合、液晶状態におけるネマチック
配向は冷却することによって壊れてしまう恐れがある。
しかし、塗膜を形成する液晶材料の主成分となる高分子
液晶として、ネマチック相を示す温度領域より下の温度
においてスメクチック相や結晶相を全く有さず、潜在的
に結晶相やスメクチック相を有していても冷却時には当
該相が発現しない特性を有し、かつ光学補償フィルムと
しての使用温度範囲において流動性がなく外場や外力を
加えても配向に乱れが生じ得ない、といった特性を有す
る高分子液晶を使用すれば、スメクチック相や結晶相へ
の相転移による配向破壊は起こらずに、完全なモノドメ
インなツイステッドネマチック配向をガラス固定化する
ことができる。ガラス固定化する際の冷却温度は、液晶
転移点以下の温度であれば特に制限されるものではな
い。例えば、液晶転移点より10℃低い温度に冷却する
ことにより、均一なツイステッドネマチック配向をガラ
ス固定化することができる。冷却方法は、特に制限はな
く、熱処理における加熱雰囲気中から液晶転移点以下の
雰囲気中、例えば室温中にさらすだけでガラス固定化す
ることができる。また生産の効率を高めるために、空
冷、水冷などの強制冷却や徐冷等を行ってもよい。ただ
し高分子液晶の種類や組成比によっては、冷却速度によ
って得られるねじれ角が若干異なることがある。このよ
うな高分子液晶を使用し、厳密にねじれ角を制御する必
要が生じた際には、冷却操作も適宜冷却条件を考慮して
行うことが望ましい。
されたツイステッドネマチック配向は、液晶層の主成分
である高分子液晶の液晶転移点以下の温度に、塗膜を冷
却することにより、配向の均一性を全く損なわずにガラ
ス固定化される。一般的にネマチック相より低温部にス
メクチック層や結晶層を持った高分子液晶を液晶材料の
主成分として用いた場合、液晶状態におけるネマチック
配向は冷却することによって壊れてしまう恐れがある。
しかし、塗膜を形成する液晶材料の主成分となる高分子
液晶として、ネマチック相を示す温度領域より下の温度
においてスメクチック相や結晶相を全く有さず、潜在的
に結晶相やスメクチック相を有していても冷却時には当
該相が発現しない特性を有し、かつ光学補償フィルムと
しての使用温度範囲において流動性がなく外場や外力を
加えても配向に乱れが生じ得ない、といった特性を有す
る高分子液晶を使用すれば、スメクチック相や結晶相へ
の相転移による配向破壊は起こらずに、完全なモノドメ
インなツイステッドネマチック配向をガラス固定化する
ことができる。ガラス固定化する際の冷却温度は、液晶
転移点以下の温度であれば特に制限されるものではな
い。例えば、液晶転移点より10℃低い温度に冷却する
ことにより、均一なツイステッドネマチック配向をガラ
ス固定化することができる。冷却方法は、特に制限はな
く、熱処理における加熱雰囲気中から液晶転移点以下の
雰囲気中、例えば室温中にさらすだけでガラス固定化す
ることができる。また生産の効率を高めるために、空
冷、水冷などの強制冷却や徐冷等を行ってもよい。ただ
し高分子液晶の種類や組成比によっては、冷却速度によ
って得られるねじれ角が若干異なることがある。このよ
うな高分子液晶を使用し、厳密にねじれ角を制御する必
要が生じた際には、冷却操作も適宜冷却条件を考慮して
行うことが望ましい。
【0010】以上のような方法で配向基板上に形成され
た塗膜、すなわち、ツイステッドネマチック配向を保持
し、これらがガラス固定化された高分子液晶フィルム
は、その調製に用いた配向基板が光学的に等方で、かつ
可視光波長域において透明であれば、配向基板から剥離
することなく、そのまま本発明の高分子液晶フィルムと
して使用できる。しかし、薄膜形成に使用した配向基板
が、光学的に異方性である場合や可視光波長域で不透明
である場合であって、塗膜が自己支持性を備えている場
合には、塗膜を配向基板から剥離して高分子液晶フィル
ムとすることができる。また、塗膜の自己支持性が不充
分である場合には、配向基板上の塗膜を光学的に等方
で、かつ可視光波長域において透明な基板(以下、これ
を第2の基板と呼ぶ)に転写し、これを本発明の光学補
償フィルムとして使用することも可能である。転写の手
法には、液晶層の表面に接着剤を塗布して第2の基板に
貼り合わせ、接着剤の硬化後、配向基板を液晶層から剥
離させて、液晶層を第2の基板に転写する方法が採用で
きる。第2の基板としては、例えば、フジタック(富士
写真フィルム社製)、コニカタック(コニカ社製)、T
PXフィルム(三井化学社製)、アートンフィルム(日
本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン
社製)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製)等
を好適に使用できる外、ガラス基板等も使用可能であ
る。また、別法として、駆動用液晶セルを構成するガラ
ス基板等に、上記の液晶層を直接転写することもでき、
さらには後述する光学的に負の異方性を示すフィルム
に、上記の液晶層を転写することもできる。
た塗膜、すなわち、ツイステッドネマチック配向を保持
し、これらがガラス固定化された高分子液晶フィルム
は、その調製に用いた配向基板が光学的に等方で、かつ
可視光波長域において透明であれば、配向基板から剥離
することなく、そのまま本発明の高分子液晶フィルムと
して使用できる。しかし、薄膜形成に使用した配向基板
が、光学的に異方性である場合や可視光波長域で不透明
である場合であって、塗膜が自己支持性を備えている場
合には、塗膜を配向基板から剥離して高分子液晶フィル
ムとすることができる。また、塗膜の自己支持性が不充
分である場合には、配向基板上の塗膜を光学的に等方
で、かつ可視光波長域において透明な基板(以下、これ
を第2の基板と呼ぶ)に転写し、これを本発明の光学補
償フィルムとして使用することも可能である。転写の手
法には、液晶層の表面に接着剤を塗布して第2の基板に
貼り合わせ、接着剤の硬化後、配向基板を液晶層から剥
離させて、液晶層を第2の基板に転写する方法が採用で
きる。第2の基板としては、例えば、フジタック(富士
写真フィルム社製)、コニカタック(コニカ社製)、T
PXフィルム(三井化学社製)、アートンフィルム(日
本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン
社製)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製)等
を好適に使用できる外、ガラス基板等も使用可能であ
る。また、別法として、駆動用液晶セルを構成するガラ
ス基板等に、上記の液晶層を直接転写することもでき、
さらには後述する光学的に負の異方性を示すフィルム
に、上記の液晶層を転写することもできる。
【0011】上記の如くして得られる本発明の高分子液
晶フィルムは、その屈折率異方性(厳密には、当該フィ
ルムを形成している液晶材料の屈折率異方性、以下同
じ)△n1と、当該フィルムの厚みd1との積(△n1
d1値)が、通常200nm〜600nm、好ましくは
300nm〜500nmの範囲にある。ここで、フィル
ムの厚みとは、高分子液晶フィルムの正味の厚みを意味
し、フイルムが第2の基板などに積層されている場合に
は、第2の基板の厚みを含まない。△n1d1値が60
0nmより大きい場合には、当該フィルムを各種LCD
に付設した際に、不必要な着色が多く見られる可能性が
あり、△n1d1値が200nmより小さい場合には、
正面の輝度やコントラストの低下を生じる恐れがある。
本発明の高分子液晶フィルムは、そのねじれ角が絶対値
として通常40゜〜120゜、好ましくは80゜〜10
0゜の範囲にある。ねじれ角が上記範囲を外れた場合
は、各種LCDに当該フィルムを付設した際に正面コン
トラストが低下する恐れがある。このねじれ角は、上述
した光学活性基の含有量を調整することにより、適宜所
望値に設定することができる。また、光学活性基の種類
によって右ねじれ、左ねじれのどちらのツイステッドネ
マチック配向でも形成することができる。本発明の高分
子液晶フィルムを後述するNB−TN−LCDに組み込
むにあっては、当該フィルムのねじれ角の方向は、LC
Dを構成する駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶の
ねじれ方向と逆方向であることが望ましい。
晶フィルムは、その屈折率異方性(厳密には、当該フィ
ルムを形成している液晶材料の屈折率異方性、以下同
じ)△n1と、当該フィルムの厚みd1との積(△n1
d1値)が、通常200nm〜600nm、好ましくは
300nm〜500nmの範囲にある。ここで、フィル
ムの厚みとは、高分子液晶フィルムの正味の厚みを意味
し、フイルムが第2の基板などに積層されている場合に
は、第2の基板の厚みを含まない。△n1d1値が60
0nmより大きい場合には、当該フィルムを各種LCD
に付設した際に、不必要な着色が多く見られる可能性が
あり、△n1d1値が200nmより小さい場合には、
正面の輝度やコントラストの低下を生じる恐れがある。
本発明の高分子液晶フィルムは、そのねじれ角が絶対値
として通常40゜〜120゜、好ましくは80゜〜10
0゜の範囲にある。ねじれ角が上記範囲を外れた場合
は、各種LCDに当該フィルムを付設した際に正面コン
トラストが低下する恐れがある。このねじれ角は、上述
した光学活性基の含有量を調整することにより、適宜所
望値に設定することができる。また、光学活性基の種類
によって右ねじれ、左ねじれのどちらのツイステッドネ
マチック配向でも形成することができる。本発明の高分
子液晶フィルムを後述するNB−TN−LCDに組み込
むにあっては、当該フィルムのねじれ角の方向は、LC
Dを構成する駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶の
ねじれ方向と逆方向であることが望ましい。
【0012】上記した高分子液晶フィルムと共に本発明
の光学補償素子を構成するところの、光学的に負の異方
性を示すフィルムには、文字とおり光学的に負の異方性
を示すフィルムであれば、種類を問わず使用可能であ
る。例えば、負の一軸性フィルム、負の二軸性フィルム
等のようにフィルム膜厚方向に複屈折(△n2)を有す
るものであればよい。より具体的には、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリス
ルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セ
ルロース、トリアセチルセルロースおよびその部分鹸化
物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなるプラスチ
ックフィルムや、ディスコティック液晶などの円盤状化
合物からなるフィルム等を本発明に用いることができ
る。本発明の光学的に負の異方性を示すフィルムは、フ
ィルム膜厚方向の複屈折△n2とフィルム厚みd2との
積(△n2d2値)に関して特別な制限がない。しか
し、当該フィルムをNB−TN−LCDに組み込む場合
は、△n2d2値が通常−20〜−300nm、好まし
くは−30〜−250nmの範囲であることが望まし
い。
の光学補償素子を構成するところの、光学的に負の異方
性を示すフィルムには、文字とおり光学的に負の異方性
を示すフィルムであれば、種類を問わず使用可能であ
る。例えば、負の一軸性フィルム、負の二軸性フィルム
等のようにフィルム膜厚方向に複屈折(△n2)を有す
るものであればよい。より具体的には、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリス
ルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セ
ルロース、トリアセチルセルロースおよびその部分鹸化
物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなるプラスチ
ックフィルムや、ディスコティック液晶などの円盤状化
合物からなるフィルム等を本発明に用いることができ
る。本発明の光学的に負の異方性を示すフィルムは、フ
ィルム膜厚方向の複屈折△n2とフィルム厚みd2との
積(△n2d2値)に関して特別な制限がない。しか
し、当該フィルムをNB−TN−LCDに組み込む場合
は、△n2d2値が通常−20〜−300nm、好まし
くは−30〜−250nmの範囲であることが望まし
い。
【0013】本発明の光学補償素子は、以上説明した高
分子液晶フィルムと、光学的に負の異方性を示すフィル
ムとから構成されるものであり、当該素子を各種LCD
に組み込むことによって、当該LCDの視野角特性を向
上させることができる。なかでも本発明の光学補償素子
を駆動用液晶セルと偏光板との間に配置したノーマリー
ブラックモード型のツイステッドネマチック液晶表示素
子(以下、NB−TN−LCDと称す。)は、当該LC
Dのコントラスト特性を損ねることなく、中間調表示時
の左右非対称性を低減し、かつ高品位な画像表示を可能
とすることができる。
分子液晶フィルムと、光学的に負の異方性を示すフィル
ムとから構成されるものであり、当該素子を各種LCD
に組み込むことによって、当該LCDの視野角特性を向
上させることができる。なかでも本発明の光学補償素子
を駆動用液晶セルと偏光板との間に配置したノーマリー
ブラックモード型のツイステッドネマチック液晶表示素
子(以下、NB−TN−LCDと称す。)は、当該LC
Dのコントラスト特性を損ねることなく、中間調表示時
の左右非対称性を低減し、かつ高品位な画像表示を可能
とすることができる。
【0014】本発明のNB−TN−LCDは、2枚の偏
光板の間に、上記した高分子液晶フィルムおよび光学的
に負の異方性を示すフィルムからなる光学補償素子と、
駆動用液晶セルとが設けられている。この場合、一方の
偏光板と駆動用液晶セルとの間に、高分子液晶フィルム
を設け、光学的に負の異方性を示すフィルムを、他方の
偏光板と駆動用液晶セルとの間に設けることもできる。
また、上記2つのフィルムを重ね、2枚の偏光板の一方
と駆動用液晶セルとの間に設けることも可能である。そ
して、2枚のフィルムを重ねて設置するに当っては、駆
動用液晶セル側に位置するフィルムは、高分子液晶フィ
ルムであっても、光学的に負の異方性を示すフィルムで
あってもよい。しかし、本発明のNB−TN−LCDに
あっては、駆動用液晶セルの一方の側に設置された高分
子液晶フィルムと、駆動用液晶セルとが、次のような配
置条件を満たしていることが望ましい。すなわち、高分
子液晶フィルムが設置される側の駆動用液晶セル界面の
ラビング方向(さらに詳しくは、セルを構成するガラス
基板のラビング方向)と、光学補償フィルム(液晶層)
を形成している液晶分子の遅相軸とが成す角度が、70
〜110゜、好ましくは75〜105゜、さらに好まし
くは80〜100゜であるか、あるいは−20〜20
゜、好ましくは−15〜15゜、さらに好ましくは−1
0〜10゜となるように、光学補償フィルムを配置する
ことが望ましい。本発明で使用される2枚の偏光板は、
通常、当該分野において用いることができるものであれ
ば特に制限されるものではない。例えば、一軸延伸ポリ
ビニルアルコールフィルムに、偏光度の高いヨウ素分子
を一定方向に配列してなるハロゲン偏光フィルムや、直
接染料で染色したポリビニルアルコールフィルム等を、
適当な2枚の保護フィルムで挟んだ積層フィルムが、本
発明の液晶表示素子における偏光板として使用すること
ができる。また、本発明の液晶表示素子においては、通
常のTN−LCDと同様に、2枚の偏光板の透過軸が互
いに直交または平行になるように配置することができ
る。2枚の偏光板の透過軸が互いに直交するように配置
する場合には、偏光板の透過軸と偏光板に近い側の駆動
用液晶セルのラビング方向とが、直交、平行または45
度の角度をなすように配置することが望ましい。従っ
て、本発明のNB−TN−LCDにおいては、2枚の偏
光板の透過軸の成す角が通常70〜110゜、好ましく
は75〜105゜、さらに好ましくは80〜100゜の
範囲にあり、かつ偏光板の透過軸と偏光板に近い側の駆
動用液晶セルのラビング方向が成す角度が、70〜11
0゜、好ましくは75〜105゜、さらに好ましくは8
0〜100゜の範囲にあるか、あるいは−10〜20
゜、好ましくは−5〜15゜、さらに好ましくは0〜1
0゜の範囲にあるよう配置することが望ましい。本発明
のNB−TN−LCDは、上記した構成要素を以上説明
した配置条件を満足するように、そのまま積み重ねるこ
とによって機能しうるが、各層間を必要に応じ粘着剤や
接着剤等で貼り合わせて使用することもできる。また本
発明のNB−TN−LCDには、その特性をさらに向上
させるために、必要に応じて位相差フィルム、光拡散
層、カラーフィルター等を付設することもできる。前記
の位相差フィルムとしては、一般的にポリカーボネー
ト、ポリメタクリレート等を挙げることができ、光学的
異方性を発現するものであれば特に限定されるものでは
ない。また前記光拡散層とは、入射光を等方的あるいは
異方的に拡散させる性質を有するものであれば特に限定
されるものではない。カラーフィルターの付設は、色純
度の高いマルチカラー又はフルカラー表示を可能にす
る。
光板の間に、上記した高分子液晶フィルムおよび光学的
に負の異方性を示すフィルムからなる光学補償素子と、
駆動用液晶セルとが設けられている。この場合、一方の
偏光板と駆動用液晶セルとの間に、高分子液晶フィルム
を設け、光学的に負の異方性を示すフィルムを、他方の
偏光板と駆動用液晶セルとの間に設けることもできる。
また、上記2つのフィルムを重ね、2枚の偏光板の一方
と駆動用液晶セルとの間に設けることも可能である。そ
して、2枚のフィルムを重ねて設置するに当っては、駆
動用液晶セル側に位置するフィルムは、高分子液晶フィ
ルムであっても、光学的に負の異方性を示すフィルムで
あってもよい。しかし、本発明のNB−TN−LCDに
あっては、駆動用液晶セルの一方の側に設置された高分
子液晶フィルムと、駆動用液晶セルとが、次のような配
置条件を満たしていることが望ましい。すなわち、高分
子液晶フィルムが設置される側の駆動用液晶セル界面の
ラビング方向(さらに詳しくは、セルを構成するガラス
基板のラビング方向)と、光学補償フィルム(液晶層)
を形成している液晶分子の遅相軸とが成す角度が、70
〜110゜、好ましくは75〜105゜、さらに好まし
くは80〜100゜であるか、あるいは−20〜20
゜、好ましくは−15〜15゜、さらに好ましくは−1
0〜10゜となるように、光学補償フィルムを配置する
ことが望ましい。本発明で使用される2枚の偏光板は、
通常、当該分野において用いることができるものであれ
ば特に制限されるものではない。例えば、一軸延伸ポリ
ビニルアルコールフィルムに、偏光度の高いヨウ素分子
を一定方向に配列してなるハロゲン偏光フィルムや、直
接染料で染色したポリビニルアルコールフィルム等を、
適当な2枚の保護フィルムで挟んだ積層フィルムが、本
発明の液晶表示素子における偏光板として使用すること
ができる。また、本発明の液晶表示素子においては、通
常のTN−LCDと同様に、2枚の偏光板の透過軸が互
いに直交または平行になるように配置することができ
る。2枚の偏光板の透過軸が互いに直交するように配置
する場合には、偏光板の透過軸と偏光板に近い側の駆動
用液晶セルのラビング方向とが、直交、平行または45
度の角度をなすように配置することが望ましい。従っ
て、本発明のNB−TN−LCDにおいては、2枚の偏
光板の透過軸の成す角が通常70〜110゜、好ましく
は75〜105゜、さらに好ましくは80〜100゜の
範囲にあり、かつ偏光板の透過軸と偏光板に近い側の駆
動用液晶セルのラビング方向が成す角度が、70〜11
0゜、好ましくは75〜105゜、さらに好ましくは8
0〜100゜の範囲にあるか、あるいは−10〜20
゜、好ましくは−5〜15゜、さらに好ましくは0〜1
0゜の範囲にあるよう配置することが望ましい。本発明
のNB−TN−LCDは、上記した構成要素を以上説明
した配置条件を満足するように、そのまま積み重ねるこ
とによって機能しうるが、各層間を必要に応じ粘着剤や
接着剤等で貼り合わせて使用することもできる。また本
発明のNB−TN−LCDには、その特性をさらに向上
させるために、必要に応じて位相差フィルム、光拡散
層、カラーフィルター等を付設することもできる。前記
の位相差フィルムとしては、一般的にポリカーボネー
ト、ポリメタクリレート等を挙げることができ、光学的
異方性を発現するものであれば特に限定されるものでは
ない。また前記光拡散層とは、入射光を等方的あるいは
異方的に拡散させる性質を有するものであれば特に限定
されるものではない。カラーフィルターの付設は、色純
度の高いマルチカラー又はフルカラー表示を可能にす
る。
【0015】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 (実施例1(光学補償素子1の製造))テレフタル酸5
0mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mm
ol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol、
カテコールジアセテート62mmol、およびN−メチ
ルイミダゾール60mgを用いて窒素雰囲気下、270
℃で12時間重合を行った。次に得られた反応生成物を
テトラクロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈
殿を行って精製し、液晶性ポリエステル14.7gを得
た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.17、液
晶相としてネマチック相をもち、等方相−液晶相転移温
度は250℃以上、ガラス転移点は115℃であった
(ポリマー1)。ビフェニルジカルボニルクロリド90
mmol、テレフタロイルクロリド10mmol、2
R,3R−ジメトキシブタンジオール105mmolを
ジクロロメタン中で室温にて20時間反応させ、反応液
をメタノール中に投入し再沈殿させることにより液晶性
ポリエステル12.3gを得た(ポリマー2)。ポリマ
ー2の対数粘度は0.11、室温でキラルスメクチック
相を示し、アイソトロピック転移温度は40〜50℃の
間であった。またTgは室温付近と思われ、DSCによ
る測定では観測できなかった。ポリマー1の19.3g
とポリマー2の0.7gを80gのフェノール/テトラ
クロロエタン混合溶媒(6/4重量比)に溶解させ溶液
を調製した。この溶液を、レーヨン布にてラビング処理
したポリイミドフィルム(デュポン社製、商品名カプト
ン)上に、バーコート法により塗布し、乾燥し、240
℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化し、
平均実膜厚2.34μmの均一に配向した液晶フィルム
を得た(サンプル1)。実膜厚は触針式膜厚計をもちい
て測定した。次いでアッベ屈折計(アタゴ社製Type
−4)のプリズム面に、サンプル1のポリイミド基板が
接するように配置してサンプル1の液晶の屈折率を測定
した。サンプル1の液晶フィルムにおける基板界面側が
空気界面側より下になるように配置した場合、フィルム
面内の屈折率には異方性があり、ラビング方向に垂直な
面内の屈折率は1.55、平行な面内の屈折率は1.7
5、膜厚方向の屈折率は試料の方向によらず1.55で
一定であった。このことから基板側では、棒状の液晶分
子が基板に対して、かつラビング方向に平行に平面配向
しており、液晶のno、neはそれぞれ1.55、1.
75であることが分かった。次に屈折率計のプリズム面
に液晶フィルムの空気界面側が接するように配置した場
合、面内の屈折率はラビング方向に平行な方向が1.5
5、垂直な方向が1.75になり、膜厚方向の屈折率は
試料の方向によらず1.55で一定であった。このこと
から、ポリマー分子は基板界面、空気界面ともおおかた
ホモジニアス配向しており、かつ基板界面側と空気界面
側では棒状の液晶分子がフィルム面内でほぼ90度ねじ
れている様子が確認された。サンプル1は、不透明かつ
光学的に異方性のあるポリイミドフィルムを含んでいる
ことから、サンプル1の空気界面側にUV硬化型接着剤
(UV−3400、東亞合成社製)を約5μmの厚みに
塗布し、この上に表1に示した3種類の透明基板をそれ
ぞれラミネートし、約600mJのUV照射により該接
着剤を硬化させ(透明基板/接着剤/液晶フィルム/ポ
リイミドフィルム)、次いでポリイミドフィルムを剥離
することにより、液晶フィルムを各透明基板上に転写
し、3種類の補償フィルムを得た。得られた補償フィル
ムの偏光解析を行い、液晶フィルムの△n1d1とツイ
スト角を測定したところ、470nm、−90°(右ね
じれ)であることが確認できた。
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 (実施例1(光学補償素子1の製造))テレフタル酸5
0mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mm
ol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol、
カテコールジアセテート62mmol、およびN−メチ
ルイミダゾール60mgを用いて窒素雰囲気下、270
℃で12時間重合を行った。次に得られた反応生成物を
テトラクロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈
殿を行って精製し、液晶性ポリエステル14.7gを得
た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.17、液
晶相としてネマチック相をもち、等方相−液晶相転移温
度は250℃以上、ガラス転移点は115℃であった
(ポリマー1)。ビフェニルジカルボニルクロリド90
mmol、テレフタロイルクロリド10mmol、2
R,3R−ジメトキシブタンジオール105mmolを
ジクロロメタン中で室温にて20時間反応させ、反応液
をメタノール中に投入し再沈殿させることにより液晶性
ポリエステル12.3gを得た(ポリマー2)。ポリマ
ー2の対数粘度は0.11、室温でキラルスメクチック
相を示し、アイソトロピック転移温度は40〜50℃の
間であった。またTgは室温付近と思われ、DSCによ
る測定では観測できなかった。ポリマー1の19.3g
とポリマー2の0.7gを80gのフェノール/テトラ
クロロエタン混合溶媒(6/4重量比)に溶解させ溶液
を調製した。この溶液を、レーヨン布にてラビング処理
したポリイミドフィルム(デュポン社製、商品名カプト
ン)上に、バーコート法により塗布し、乾燥し、240
℃で30分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化し、
平均実膜厚2.34μmの均一に配向した液晶フィルム
を得た(サンプル1)。実膜厚は触針式膜厚計をもちい
て測定した。次いでアッベ屈折計(アタゴ社製Type
−4)のプリズム面に、サンプル1のポリイミド基板が
接するように配置してサンプル1の液晶の屈折率を測定
した。サンプル1の液晶フィルムにおける基板界面側が
空気界面側より下になるように配置した場合、フィルム
面内の屈折率には異方性があり、ラビング方向に垂直な
面内の屈折率は1.55、平行な面内の屈折率は1.7
5、膜厚方向の屈折率は試料の方向によらず1.55で
一定であった。このことから基板側では、棒状の液晶分
子が基板に対して、かつラビング方向に平行に平面配向
しており、液晶のno、neはそれぞれ1.55、1.
75であることが分かった。次に屈折率計のプリズム面
に液晶フィルムの空気界面側が接するように配置した場
合、面内の屈折率はラビング方向に平行な方向が1.5
5、垂直な方向が1.75になり、膜厚方向の屈折率は
試料の方向によらず1.55で一定であった。このこと
から、ポリマー分子は基板界面、空気界面ともおおかた
ホモジニアス配向しており、かつ基板界面側と空気界面
側では棒状の液晶分子がフィルム面内でほぼ90度ねじ
れている様子が確認された。サンプル1は、不透明かつ
光学的に異方性のあるポリイミドフィルムを含んでいる
ことから、サンプル1の空気界面側にUV硬化型接着剤
(UV−3400、東亞合成社製)を約5μmの厚みに
塗布し、この上に表1に示した3種類の透明基板をそれ
ぞれラミネートし、約600mJのUV照射により該接
着剤を硬化させ(透明基板/接着剤/液晶フィルム/ポ
リイミドフィルム)、次いでポリイミドフィルムを剥離
することにより、液晶フィルムを各透明基板上に転写
し、3種類の補償フィルムを得た。得られた補償フィル
ムの偏光解析を行い、液晶フィルムの△n1d1とツイ
スト角を測定したところ、470nm、−90°(右ね
じれ)であることが確認できた。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例2)液晶材料としてMerck社製ZLI
-4792を用い、セルギャップ4.8μm、Δnd=470
nm、ツイスト角90°(左ねじれ)、プレチルト角2
°のTNセルを作製した。当該セルに実施例1で得られ
た補償素子2を、図1に示すように配置した。液晶セル
に300Hzの矩形波を印加し、黒表示を0V、白表示
を6Vとし、正面での透過率が8等分されるように駆動
電圧を設定した。浜松ホトニクス社製FFP光学系DV
S−3000を用いて液晶セルの全方位の透過率測定を
行い、当該液晶セルの階調特性の視野角依存性を求め
た。得られた左右視角の階調特性を図2に示した。 (実施例3)補償素子として実施例1で得られた補償素
子3を用いた以外は実施例2と同様にして評価を行っ
た。結果を図3に示した。 (実施例4)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1とポリアミドフィルム(Δn2d2=−150n
m)を用いて図4に示すように配置し、実施例2と同様
に評価を行った。結果を図5に示した。 (比較例1)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。
結果を図6に示した。 (比較例2)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1と変成ポリカーボネイトフィルム2枚(Δn2d2
=−400nm)を用い、図7に示すように配置し、実
施例2と同様に評価を行った。結果を図8に示した。以
上、本発明の実施例について説明したが、いずれも各比
較例に比べて、コントラスト特性を損ねることなく、表
2に示す如く、中間調表示時の左右の非対称性を低減で
きることが判明した。
-4792を用い、セルギャップ4.8μm、Δnd=470
nm、ツイスト角90°(左ねじれ)、プレチルト角2
°のTNセルを作製した。当該セルに実施例1で得られ
た補償素子2を、図1に示すように配置した。液晶セル
に300Hzの矩形波を印加し、黒表示を0V、白表示
を6Vとし、正面での透過率が8等分されるように駆動
電圧を設定した。浜松ホトニクス社製FFP光学系DV
S−3000を用いて液晶セルの全方位の透過率測定を
行い、当該液晶セルの階調特性の視野角依存性を求め
た。得られた左右視角の階調特性を図2に示した。 (実施例3)補償素子として実施例1で得られた補償素
子3を用いた以外は実施例2と同様にして評価を行っ
た。結果を図3に示した。 (実施例4)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1とポリアミドフィルム(Δn2d2=−150n
m)を用いて図4に示すように配置し、実施例2と同様
に評価を行った。結果を図5に示した。 (比較例1)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。
結果を図6に示した。 (比較例2)補償素子として実施例1で得られた補償素
子1と変成ポリカーボネイトフィルム2枚(Δn2d2
=−400nm)を用い、図7に示すように配置し、実
施例2と同様に評価を行った。結果を図8に示した。以
上、本発明の実施例について説明したが、いずれも各比
較例に比べて、コントラスト特性を損ねることなく、表
2に示す如く、中間調表示時の左右の非対称性を低減で
きることが判明した。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明の光学補償素子は、ツイステッド
ネマチック配向をガラス固定化によって当該配向を固定
化したものであり、各種液晶表示素子への応用が期待で
きるものである。なかでも本発明の光学補償素子を、駆
動用液晶セルと上側または下側偏光板との間に備えたN
B−TN−LCDは、コントラスト特性を損ねることな
く、中間調表示時の左右非対称性を低減し、かつ高品位
な画像表示が可能である。
ネマチック配向をガラス固定化によって当該配向を固定
化したものであり、各種液晶表示素子への応用が期待で
きるものである。なかでも本発明の光学補償素子を、駆
動用液晶セルと上側または下側偏光板との間に備えたN
B−TN−LCDは、コントラスト特性を損ねることな
く、中間調表示時の左右非対称性を低減し、かつ高品位
な画像表示が可能である。
【図1】実施例2における各構成要素の配置図を示す。
【図2】実施例2における階調の視角(左右)特性を示
す。
す。
【図3】実施例3における階調の視角(左右)特性を示
す。
す。
【図4】実施例4における各構成要素の配置図を示す。
【図5】実施例4における階調の視角(左右)特性を示
す。
す。
【図6】比較例1における階調の視角(左右)特性を示
す。
す。
【図7】比較例2における各構成要素の配置図を示す。
【図8】比較例2における階調の視角(左右)特性を示
す。
す。
1,1’:偏光板 2 :駆動セル 3 :補償フィルム 4,4’:光学的に負の異方性を持つフィルム
Claims (4)
- 【請求項1】 ツイステッドネマチック配向を保持した
高分子液晶フィルムと、光学的に負の異方性を示すフィ
ルムとの組合せからなる光学補償素子。 - 【請求項2】 前記の高分子液晶フィルムが、光学的に
正の一軸性を示す高分子液晶層に、そのガラス転移温度
以上の温度においてツイステッドネマチック配向を形成
させた後、ガラス転移温度以下の温度に冷却することに
よって当該配向をガラス固定化して得られるフィルムで
ある請求項1記載の光学補償素子。 - 【請求項3】 2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セル
と、請求項1または2記載の光学補償素子を設けたノー
マリーブラックモード型ツィステッドネマチック液晶表
示素子。 - 【請求項4】 駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶
層の屈折率異方性Δnと当該液晶層の厚みdとの積(Δ
nd値)が、200nm〜600nmの範囲にあり、当
該液晶層のねじれ配向時のねじれ角が80゜〜100゜
の範囲にあり、光学補償素子を構成する高分子液晶フィ
ルムの屈折率異方性△n1と当該フィルムの厚みd1との
積(△n1d1値)が、150〜600nmの範囲にあ
り、当該フィルムが保持しているツイステッドネマチッ
ク配向のねじれ角が80゜〜100゜の範囲であり、そ
のねじれ方向が駆動用液晶セルにおけるネマチック液晶
のねじれ配向方向と逆方向であり、しかも、光学補償素
子を構成する光学的に負の異方性を示すフィルムの膜厚
方向の複屈折△n2とフィルムの厚みd2との積(△n
2d2値)が、−20〜−300nmの範囲である請求
項3に記載のノーマリーブラックモード型ツィステッド
ネマチック液晶表示素子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11217842A JP2001042325A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 光学補償素子 |
PCT/JP2000/005132 WO2001009674A1 (fr) | 1999-07-30 | 2000-07-31 | Affichage a cristaux liquides nematiques torsades en mode normalement noir |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11217842A JP2001042325A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 光学補償素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001042325A true JP2001042325A (ja) | 2001-02-16 |
Family
ID=16710622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11217842A Pending JP2001042325A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 光学補償素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001042325A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002243942A (ja) * | 2001-02-20 | 2002-08-28 | Konica Corp | 視野角補償楕円偏光板の製造方法、視野角補償楕円偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 |
JP2012161985A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Yoshiaki Uwazumi | シート状の材料の溶着加工装置および方法 |
CN102944946A (zh) * | 2012-11-05 | 2013-02-27 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 液晶显示面板及其应用的显示装置 |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP11217842A patent/JP2001042325A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002243942A (ja) * | 2001-02-20 | 2002-08-28 | Konica Corp | 視野角補償楕円偏光板の製造方法、視野角補償楕円偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 |
JP2012161985A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Yoshiaki Uwazumi | シート状の材料の溶着加工装置および方法 |
CN102944946A (zh) * | 2012-11-05 | 2013-02-27 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 液晶显示面板及其应用的显示装置 |
CN102944946B (zh) * | 2012-11-05 | 2015-04-22 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 液晶显示面板及其应用的显示装置 |
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