JP2002148441A - 積層光学素子及び液晶表示装置 - Google Patents
積層光学素子及び液晶表示装置Info
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Abstract
造効率に優れる積層光学素子の開発。 【解決手段】 リオトロピック液晶性の二色性色素又は
二色性色素含有のリオトロピック液晶性物質からなる厚
さ5μm以下の偏光層(2)の上に、配向液晶の固形膜
又は配向液晶含有のポリマー層からなる複屈折層(3)
を配向膜の介在なく有する積層体からなる積層光学素子
及びその積層光学素子を液晶表示パネルの少なくとも片
側に有する液晶表示装置。 【効果】 TN型やVA型等の液晶表示パネルを光学補
償して良表示品位の視野角に優れる液晶表示装置を形成
できる。
Description
表示パネルの光学補償による視野角の拡大に好適な薄型
軽量性に優れる積層光学素子、及びそれを用いた液晶表
示装置に関する。
直配向)型等の液晶は、複屈折異方性を示すことからそ
れを補償して良表示品位の視野角を拡大する対策が採ら
れている。またノートブック型PC等のモバイル用途で
は更なる薄型軽量化が求められている。従来、斯かる光
学補償に用いる光学部材としては、ポリビニルアルコー
ル系偏光フィルムをアセテート系フイルムで保護してな
る偏光板と延伸フィルムからなる位相差板を接着積層し
たものが知られていた。しかしながら接着積層を接着層
を介して行う必要などもあって得られる光学部材の厚さ
が100μmを超えて嵩高く、モバイル用途等の要求に
応じられないと共に大画面の液晶表示装置では重量増加
も大きい問題点があった。
の液晶ポリマー層からなる位相差板(富士写真フィルム
社製、WVフィルムや3M社製、DBEF)を用いて薄
型化を図る提案もある。しかしその場合、偏光板の薄型
化は困難であると共に液晶の傾斜配向にラビング膜や光
配向処理等による配向膜を形成する必要があり、製造工
程が複雑化する問題点があった。
避でき薄型軽量性と製造効率に優れる積層光学素子の開
発を課題とする。
二色性色素又は二色性色素含有のリオトロピック液晶性
物質からなる厚さ5μm以下の偏光層の上に、配向液晶
の固形膜又は配向液晶含有のポリマー層からなる複屈折
層を配向膜の介在なく有する積層体からなることを特徴
とする積層光学素子、及びその積層光学素子を液晶表示
パネルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶
表示装置を提供するものである。
在なく配向液晶からなる複屈折層を密着重畳状態に形成
でき、薄さに優れる偏光層であることと共に全体として
も薄さと軽量性に優れ、配向膜形成の回避で製造効率に
も優れる積層光学素子を得ることができ、それを用いて
TN型やVA型等の液晶表示パネルを光学補償して良表
示品位の視野角に優れる液晶表示装置を形成することが
できる。
トロピック液晶性の二色性色素又は二色性色素含有のリ
オトロピック液晶性物質からなる厚さ5μm以下の偏光
層の上に、配向液晶の固形膜又は配向液晶含有のポリマ
ー層からなる複屈折層を配向膜の介在なく有する積層体
からなる。その例を図1に示した。2が偏光層、3が複
屈折層である。また1、4、5は、それぞれ必要に応じ
ての支持フィルム、粘着層、セパレータである。
与することを目的とし、リオトロピック液晶性の二色性
色素又は二色性色素含有のリオトロピック液晶性物質に
て厚さ5μm以下の薄層として形成される。斯かる色素
や液晶性物質を用いることによりキャスティング方式や
ドクターブレード方式、ワイヤバー方式やスピンコート
方式、ディッピング方式やスプレー方式等の適宜なコー
ティング方式などにて薄さと耐熱性等に優れる偏光層を
効率よく形成でき、かつその偏光層の配向状態を活用し
て配向膜の介在なく液晶を配向させて複屈折層を形成す
ることができる。薄型化の点より偏光層の好ましい厚さ
は、偏光特性や耐久性等も考慮して0.1〜4μm、就
中0.2〜3μmである。
や二色性色素含有のリオトロピック液晶性物質について
は特に限定はなく、1種又は2種以上の適宜なものを用
いうる。ちなみにリオトロピック液晶性の二色性色素と
しては、例えば式:(クロモゲン)(SO3M)nで表
される水溶性の有機色素などがあげられ、これはクロモ
ゲンがアゾや多環式化合物等からなって液晶性を付与
し、スルホン酸又はその塩が水溶性を付与して全体とし
てリオトロピック液晶性を示す(特表平8−51110
9号公報)。かかる二色性色素の具体例としては、下記
の式(1)〜(7)で表される化合物などがあげられL
Cポラライザー(商品名、オプティバ社製)などの市販
物もある。
塩素であり、Rは水素、アルキル基、ArNH又はAr
CONHである。アルキル基としては炭素数が1〜4個
のもの、就中メチル基やエチル基が好ましく、アリール
基(Ar)としては置換又は無置換のフェニル基、就中
4位を塩素で置換したフェニル基が好ましい。またMは
カチオンであり、水素イオン、LiやNa、KやCsの
如き第一族金属のイオン、アンモニウムイオンなどが好
ましい(以下同じ)。
(a)又は(b)で表されるものあり、そのR2は水
素、アルキル基、ハロゲン又はアルコキシ基、Arは置
換又は無置換のアリール基、nは2又は3である。前記
のアルキル基は炭素数が1〜4個のもの、就中メチル基
又はエチル基が好ましく、ハロゲンは臭素又は塩素が好
ましい。またアルコキシ基は炭素数が1又は2個のも
の、就中メトキシ基が好ましく、アリール基は置換又は
無置換のフェニル基、就中、無置換あるいは4位をメト
キシ基、エトキシ基、塩素若しくはブチル基で、又は3
位をメチル基で置換したフェニル基が好ましい。
で表される有機色素は、そのクロモゲンにて安定な液晶
相を示し、水やアセトン、アルコール、ジオキサンの如
き水溶性有機溶媒に溶解し、その色素の1種又は2種以
上を溶解させた例えば固形分濃度が1〜20重量%の溶
液をドクターブレード方式等の剪断力が作用する適宜な
塗工方式で塗工することで配向処理でき、その配向固化
層が二色性の偏光機能を示す。
晶性物質も前記したリオトロピック液晶性の二色性色素
に準じ、その溶液をコーティングすることで流動配向さ
せうるものである(WO97/39380号公報)。斯
かる二色性色素含有のリオトロピック液晶性物質は、ロ
シアンテクノロジーグループ社などより市販されてい
る。
複屈折層は、例えば液晶ポリマーや重合性液晶、液晶や
液晶含有のポリマーの1種又は2種以上を用いて配向液
晶の固形膜又は配向液晶含有のポリマー層として形成さ
れる。用いる液晶系の化合物について特に限定はない
が、光学補償効果等の点よりはネマチック型やコレステ
リック型、ディスコチック型の液晶構造を形成するもの
が好ましく用いられる。複屈折層は、液晶表示パネルの
複屈折による位相差を補償してその位相差に基づく視角
変化による着色等を防止したり良視認の視野角を拡大し
たりすることなどの表示品位の向上を目的とするもので
ある。従って複屈折層は、必要に応じて偏光層上に隣接
する状態で2層以上を適宜な組合せで設けることもでき
る。
マーの具体例としては、下記の式で表されるものなどが
あげられる。 ただしRxは、メチル基又は水素原子、pは1〜6、X
1は−CO2−又は−OCO−であり、qとsは1〜2
で、かつq+s=3を満足する。
屈折層は、面方向に水平配向したものであってもよい
し、厚さ方向に傾斜配向したものであってもよい。厚さ
方向に傾斜配向したものの場合には、例えば特願平11
−144567号や特願平11−144582号、特願
平11−144665号に記載の方法などにより配向処
理したものであってもよい。
具体例としては、下記の式で表されるものの如く分子内
に不斉炭素原子を有する構造の液晶を含むモノマー(特
開平9−133810号公報)と前記したネマチック型
のモノマーとの共重合体などがあげられる。 ただしRyはメチル基又は水素原子、tは1〜6、X2
は−CO2−又は−OCO−、X3は−COR3又はR
4であり、そのR3、R4は下記のものである。
る複屈折層は、その液晶ポリマーをグランジャン配向さ
せて形成される。その場合、螺旋構造のピッチと屈折率
との積が400nm以下のグランジャン配向として円偏光
二色性が可視光域で可及的に現れないようにすることが
明るい表示を達成する点より好ましい。
ーの具体例としては、WVフィルム(商品名、富士写真
フイルム社製)の形成に用いられているような重合処理
が可能なトリフェニレン系ディスコチック液晶があげら
れる。また下記の式で表されるトリフェニレン系液晶も
あげられる。
による複屈折層は、前記の如き円盤状化合物が面方向に
水平配向又は厚さ方向に傾斜配向してディスコチックネ
マチック型やカラムナー型等の配向状態にあるものであ
ってもよい。なお上記において液晶の水平配向とは、液
晶分子の最も高い屈折率の方向が支持基材等のその液晶
層を支持する層の面方向と平行であることを意味し、傾
斜配向とは前記の水平配向にない状態を意味する。形成
する各複屈折層の厚さは目的とする位相差等に応じて適
宜に決定でき、一般には薄型軽量化化等の点より100
μm以下、就中0.1〜50μm、特に0.5〜20μm
の厚さとされる。
コーティング方式等で偏光層を形成した後、その上に複
屈折層を形成する液晶等を展開して所定の状態に配向さ
せその配向状態を保持した固形層を形成する方法などに
より行うことができる。偏光層上に液晶等を展開するこ
とでそれを偏光層の配向力を利用して配向させることが
でき、偏光層上に配向膜の介在なしに複屈折層が密着重
畳した積層体を効率よく製造することができる。また支
持体上に剥離コートを設けてそれを介し当該積層体を形
成することより、その積層体を支持体より剥離して偏光
層と複屈折層のみの重畳物からなる積層光学素子を得る
ことができる。
持しうる自己支持性のフィルム状態にない場合には図例
の如く、必要に応じ前記支持体にフィルムを用いて当該
積層体が支持フィルム1上に密着支持された自己支持性
の積層光学素子とすることもできる。用いる支持フィル
ムは、薄型軽量化の点より1枚であることが好ましくそ
の厚さは100μm以下、就中5〜80μm、特に10〜
60μmが一般的であるが、これに限定されず支持強度
等に応じて適宜に決定することができる。
リマーからなるフィルムを用いることができ特に限定は
ない。就中、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽
性等に優れると共に、厚さの均一性に優れて位相差ない
し配向ムラの可及的に小さいものが好ましく用いうる。
ちなみに前記ポリマーの例としては、ポリカーボネート
やポリアリレート、ポリスルホンやポリオレフィン、シ
クロオレフィン系ポリマーやマレイミド系樹脂、PET
やPEN等のポリエステル、ノルボルネン系樹脂やアク
リル系樹脂、ポリスチレンやセルロース系樹脂、それら
の変性体などがあげられる。
どを目的とした適宜な表面処理を施すことができる。ま
た偏光層と複屈折層の積層体を付設しない支持フィルム
面には必要に応じてハードコート層や防眩層、反射防止
層などを設けることができる。また積層光学素子の片側
又は両側には図例の如く他部材との接着を目的にその外
表面に粘着層4を設けることもできる。その粘着層の形
成には例えばアクリル系やシリコーン系、ポリエステル
系やポリウレタン系、ポリエーテル系やゴム系等の適宜
な透明粘着剤などを用いうる。
りアクリル系粘着剤が好ましく用いうる。また粘着層を
介し液晶表示パネル等に接着して加熱処理した場合に積
層光学素子に加熱収縮応力による光学歪が生じにくくて
位相差が発生しにくい粘着層が好ましい。これにより輝
度ムラが少なくて良視認の視野角に優れる液晶表示装置
を形成することができる。
しては、メチル基やエチル基やブチル基等の炭素数が2
0以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアル
キルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル等の改良成分からなるアクリル系
モノマーを、ガラス転移温度が0℃以下となる組合せに
て共重合してなる、重量平均分子量が10万以上のアク
リル系重合体をベースポリマーとするものなどがあげら
れるが、これに限定されない。前記の光学歪が発生しに
くい粘着層は、弾性率の調節などにより達成することが
できる。
剤成分を溶解又は分散させて粘着剤液を調製し、それを
流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で積層光学素子
上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ
上に粘着層を形成してそれを積層光学素子上に移着する
方式などの適宜な方式で行うことができる。設ける粘着
層は異なる組成又は種類等のものの重畳層であってもよ
い。
着力等に応じて適宜に決定でき一般には1〜100μ
m、就中5〜50μmとされる。粘着層には必要に応じて
例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビ
ーズ等からなる充填剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤
を配合することもできる。また微粒子を含有させて光拡
散性を示す粘着層とすることもできる。なお図例の如く
粘着層4の露出面に対しては実用に供するまでの間、セ
パレータ5を接着して汚染等より保護することが好まし
い。
置の形成などに好ましく用いうる。その場合、複屈折層
と偏光層とが予め積層一体化されていることより光軸の
ズレ等による品質のバラツキが生じにくく、液晶表示装
置の組立効率に優れるなどの利点を有している。液晶表
示装置の形成に際しては液晶表示パネルの片側又は両側
に積層光学素子を配置しうる。その場合、複屈折層又は
偏光層のいずれを液晶表示パネル側としてもよいが、補
償効果等の点よりは偏光層と液晶表示パネルの間に光学
補償用の複屈折層が位置する配置構造が通例の場合、好
ましい。なお適用する液晶表示パネルは、例えばTN型
やSTN型、VA型やTFT型、強誘電性液晶型など任
意である。
ルム(富士フイルム社製、T−50SH)の片面に、二
色性色素含有のリオトロピック液晶水溶液(Optiv
a社製、LCポラライザー、固形分濃度16.7重量
%)をワイヤバー(No.5)にてコーティング後、4
0℃で乾燥させて厚さ1.8μmの偏光層を形成した。
チック型モノマーとコレステリック型モノマーの共重合
割合が相違する重量平均分子量が約7000〜1万のコ
レステリック型液晶ポリマーの混合物を塗布し150℃
で加熱してグランジャン配向させ波長350nmで円偏光
二色性を示し厚さ方向位相差が200nmで厚さが2μm
の複屈折層を形成した後、その上にアクリル系粘着層を
形成して積層光学素子を得た。なお前記の厚さ方向位相
差は、面内屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をn
z、厚さをdとしたとき{(nx+ny)/2−
nz)}×dにて定義される。前記の積層光学素子は、
粘着層を含めた総厚が約80μmであり、良好な偏光機
能と位相差特性を示した。
チック液晶の10重量%テトラクロロエタン溶液をスピ
ンコートし200℃で加熱配向処理して厚さ2μmの傾
斜配向層として形成したほかは、実施例1に準じ積層光
学素子を得た。この積層光学素子は、粘着層を含めた総
厚が約80μmであり、良好な偏光機能と位相差特性を
示した。。
G1425DU)の片面に延伸フィルムからなる厚さ方
向位相差が200nmで厚さが80μmの位相差板(日東
電工社製、NRB)をアクリル系粘着層を介し積層し、
その位相差板上にアクリル系粘着層を設けて積層光学素
子を得た。この積層光学素子の粘着層を含めた総厚は、
約360μmであった。
ィルム(富士写真フイルム社製、WV A 01 A)
をアクリル系粘着層を介し積層し、そのWVフィルム上
にアクリル系粘着層を設けて積層光学素子を得た。この
積層光学素子の粘着層を含めた総厚は、約380μmで
あった。
Claims (4)
- 【請求項1】 リオトロピック液晶性の二色性色素又は
二色性色素含有のリオトロピック液晶性物質からなる厚
さ5μm以下の偏光層の上に、配向液晶の固形膜又は配
向液晶含有のポリマー層からなる複屈折層を配向膜の介
在なく有する積層体からなることを特徴とする積層光学
素子。 - 【請求項2】 請求項1において、複屈折層がグランジ
ャン配向のコレステリック液晶層、又は面方向に水平配
向する若しくは厚さ方向に傾斜配向するディスコチック
液晶層若しくはネマチック液晶層よりなる積層光学素
子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、片側又は両側
の表面に粘着層を有する積層光学素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載の積層光学素子を液
晶表示パネルの少なくとも片側に有することを特徴とす
る液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2000348884A JP2002148441A (ja) | 2000-11-16 | 2000-11-16 | 積層光学素子及び液晶表示装置 |
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