JPH0954130A - ワーク電位の測定方法 - Google Patents

ワーク電位の測定方法

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JPH0954130A
JPH0954130A JP20616195A JP20616195A JPH0954130A JP H0954130 A JPH0954130 A JP H0954130A JP 20616195 A JP20616195 A JP 20616195A JP 20616195 A JP20616195 A JP 20616195A JP H0954130 A JPH0954130 A JP H0954130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハ29にイオンビーム59を照射するイ
オン注入装置において、リアルタイムで、かつ周辺の構
成物の影響を受けることなく、正確なウエハ電位を計測
し、チャージアップ現象を速やかに検出する。 【解決手段】 誘電性材料から成る載置台42内に電極
43,44が埋込まれ、これらの電極43,44に吸着
用電源46,47から吸着電流が供給されることによっ
てウエハ29を吸着する静電チャック装置41におい
て、図1(a)で示すように、予めサンプル用ウエハ2
9aを載置して直流電源58から可変電圧Vpsを印加
し、そのときのウエハ電位Vwafer に対する電流計5
1,52による吸着電流Iesc + ,Iesc - の値を求め
ておき、図1(b)で示すウエハ29への実際のイオン
ビーム59の照射時には、計測された吸着電流から前記
ウエハ電位を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置や
プラズマエッチャーなどの荷電粒子をウエハなどのワー
クに照射する装置で好適に実施され、前記ワークを吸着
する静電チャック装置において、前記荷電粒子の照射に
よるワーク電位の不所望な変動を検出するためのワーク
電位の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、前記イオン注入装置におい
て、ウエハにイオンビームが照射されて、該ウエハが帯
電して電位が上昇または下降する、いわゆるチャージア
ップ現象が発生し、前記電位が不所望に変動すると、該
ウエハ上に形成される素子の絶縁破壊などの不具合が発
生する。したがって、ウエハの電位を測定することが必
要となる。
【0003】図7は、典型的な従来技術の電位測定方法
を説明するための簡略化した平面図である。図7(a)
で示されるように、この従来技術では、ホルダ1に保持
されているウエハ2に対して、所定の照射領域Wに亘っ
て、イオンビーム3が照射される。前記ウエハ2の電位
測定用のチャージセンサ4は、前記イオンビーム3の照
射の邪魔にならないように、前記照射領域Wから離間し
て配置されており、したがって図7(a)から図7
(b)で示すように、電位測定は、ホルダ1が矢符5方
向に変位されて、チャージセンサ4がウエハ2の表面に
近接した状態で行われる。前記チャージセンサ4の出力
はチャージ測定器6へ入力され、検出されたチャージか
らウエハ2の電位が求められる。
【0004】図8は、他の従来技術の電位測定方法を説
明するための簡略化した正面図である。この従来技術で
は、ディスク状のホルダ11上に、周方向に間隔を開け
て複数のウエハ2が保持されている。前記ホルダ11は
矢符12方向に回転変位される。したがって、前記照射
領域Wよりも矢符12方向下流側に前記チャージセンサ
4が配置されており、イオンビーム3が照射された後、
ホルダ11の回転によって搬送されてきたウエハ2のチ
ャージがこのチャージセンサ4によって検出されて、ウ
エハ2の電位が求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術は、ウ
エハ2の電位が変化することによって生じる電界を検出
するものであり、上述のようにウエハ2にチャージセン
サ4を近接させて測定を行う必要がある。このため、上
述のようにイオンビーム3の照射が終了したウエハ2を
チャージセンサ4近傍にまで変位させるか、またはイオ
ンビーム3の照射を中断してチャージセンサ4をウエハ
2上に変位させる必要がある。
【0006】したがって、イオンビーム3の照射終了後
から、ウエハ2またはチャージセンサ4を変位して、実
際に測定を開始するまでに時間差が生じてしまう。これ
に対してウエハ2に帯電した電荷は、該ウエハ2および
ホルダ1,11などの周辺の構成物のC成分やR成分な
どの電気的特性によって決定される時定数に従って、放
電されてゆく。一方、ウエハ2上に形成される前記素子
の静電破壊などの不具合の発生は、該ウエハ2の電位が
最も上昇するイオンビーム3の照射中に生じる可能性が
最も高い。したがって、イオンビーム3の照射状態での
ウエハ2の電位を測定することが極めて重要となる。
【0007】図9は、そのような要求を満足することが
できるさらに他の従来技術の電位測定方法を説明するた
めの簡略化した正面図である。なお、前記図8で示す従
来技術に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付
してその説明を省略する。この従来技術では、前記チャ
ージセンサ4は、前記照射領域Wよりも矢符12方向下
流側において、周方向に相互に間隔を開けて、かつ同一
円周上の測定位置P1,P2,P3にそれぞれ設けられ
ている。したがって、各測定位置P1〜P3で測定され
た電位E1,E2,E3から、図10で示すように、前
記照射領域Wを基点P0として、前記周方向の間隔に対
応して各測定位置P1,P2,P3での電位の降下曲線
が求められ、前記基点P0、すなわち照射領域Wでの電
位E0が推定される。
【0008】しかしながらこのような従来技術でも、依
然として、イオンビーム3が照射されているウエハ2の
電位変動をリアルタイムで測定することができない。ま
たこの従来技術による電位測定方法は、ウエハ2からの
電荷の放電時定数を決定する前記C成分やR成分などの
パラメータがすべてのウエハに関して一定であるという
仮定に基づくものであり、不正確である。
【0009】本発明の目的は、正確、かつリアルタイム
にワーク電位を測定することができるワーク電位の測定
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るワーク電位
の測定方法は、誘電性材料から成る載置台内に埋設され
ている電極に吸着用電源から吸着電圧を供給することに
よってワークを前記載置台に吸着させる静電チャック装
置におけるワーク電位の測定方法であって、帯電用およ
び電位測定用プローブがそれぞれ取付けられ、加工すべ
きワークと同一のサンプル用ワークを予め前記載置台上
に載置して、前記帯電用プローブから可変電圧を印加
し、該可変電圧に対応して計測された電位測定用プロー
ブの各電位に対応して吸着電流のデータを記録してお
き、前記載置台上に加工すべきワークを載置して、該ワ
ークに荷電粒子を照射しつつ前記吸着電流を計測し、そ
の計測結果を前記記録されているデータに対照してワー
ク電位を求めることを特徴とする。
【0011】上記の構成によれば、イオン注入装置など
の荷電粒子をウエハなどのワークに照射する装置であっ
て、静電チャック装置を用いる装置において、ワーク電
位を測定するにあたって、前記静電チャック装置の吸着
電流を利用する。
【0012】すなわち、前記静電チャック装置は、誘電
性材料から成る載置台内に電極が埋込まれ、その電極に
吸着用電源から吸着電圧を供給することによって、ワー
クを載置台に吸着するように構成されている。そこで本
発明では、予め前記載置台上に加工すべきワークと同一
のサンプル用ワークを載置して、吸着電流のデータを記
録しておく。前記データは、サンプル用ワークの帯電用
プローブから可変電圧を印加し、その可変電圧に対応し
て計測された電位測定用プローブの各電位に対応した吸
着電流のデータであり、したがって疑似的に荷電粒子を
ワークに照射した状態を再現し、その状態での測定用プ
ローブの電位と吸着電流との関係を表すものである。
【0013】こうして得られたデータから、載置台上に
実際に加工すべきワークを載置して、該ワークに荷電粒
子を照射しつつ、前記吸着電流を計測し、その計測結果
を記録されているデータに対照することによって、実際
のワーク電位を求める。
【0014】したがって、荷電粒子の照射を行いつつ、
リアルタイムでワーク電位を求めることができ、前記チ
ャージアップ現象を速やかに検出し、たとえば計測され
た電位が所定電位以上であるときには前記荷電粒子の照
射を停止するなどして、ワークの損傷を未然に防止する
ことができる。また、このようにリアルタイムでの計測
が可能となることによって、ホルダなどの周辺の構成物
における時定数成分のバラツキなどの影響を受けること
なく、正確な電位を求めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図3に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0016】図1は本発明の実施の一形態の電位測定方
法を説明するための図であり、図2はその測定方法が用
いられるイオン注入装置21の構成を示す簡略化した平
面図である。イオン注入装置21では、イオン源22か
ら引出されたイオンは、分析電磁石23において所望と
するイオンのみが抽出された後、加速管24に入力され
る。前記加速管24において、ターゲットへの注入深さ
に対応した所望とする速度にまで加速または減速された
イオンビームは、FEM(Final Energy Magnet) 25に
おいて、エネルギーコンタミネーションが除去された
後、スイープマグネット26によって所望とするビーム
幅となるように掃引され、コリメータマグネット27を
介してターゲットチャンバ28内のウエハ29に注入さ
れる。
【0017】前記ウエハ29は、エンドステーション3
0内に搬入された後、搬送ロボット31によって前記タ
ーゲットチャンバ28内の所定位置に設けられた静電チ
ャック装置41に装填される。またイオン注入を終了し
たウエハ29は、搬送ロボット31によって前記エンド
ステーション30に取出される。
【0018】図1を参照して、静電チャック装置41
は、たとえばSiCなどの誘電性材料から成り、前記ウ
エハ29を載置することができる載置台42と、前記載
置台42内に埋込まれ、ウエハ29に平行となる平板状
の電極43,44と、アルミなどの導電性材料から成り
前記載置台42を保持するホルダ45と、吸着用電源4
6,47とを備えて構成されている。直流電源である吸
着用電源46,47において、吸着用電源46の負極は
接地され、正極はライン48を介して前記電極43に接
続され、これに対して吸着用電源47の正極は接地さ
れ、負極はライン49を介して電極44に接続される。
前記ホルダ45は接地されている。したがって、この静
電チャック装置41は、正電位の電極43と負電位の電
極44とを有する双極型の静電チャック装置である。
【0019】本発明では、前記ライン48,49にそれ
ぞれ電流計51,52を介在し、これらのライン48,
49に流れる吸着電流Iesc + ,Iesc - を測定し、測
定装置53へ入力する。前記測定装置53にはまた、ウ
エハ29の電位Vwafer を測定するための電圧計54の
測定結果が入力される。測定装置53に関連して、ラン
ダムアクセムメモリなどで実現されるメモリ55が設け
られており、このメモリ55には前記電流計51,52
および電圧計54の測定結果が記録される。
【0020】上述のような構成を用いて、ウエハ29の
電位を測定するにあたって、まず図1(a)で示される
ように、載置台42上には、ウエハ29と同一材料かつ
同一形状に形成されるサンプル用ウエハ29aが載置さ
れる。このサンプル用ウエハ29aの中心には、帯電用
プローブ56が導電性接着剤によって低接触抵抗で接続
されており、同様に該サンプル用ウエハ29aの外周縁
部には、電位測定用プローブ57が前記導電性接着剤に
よって接続されている。
【0021】前記帯電用プローブ56と、ホルダ45、
すなわち接地電位との間には、直流電源58によって可
変電圧Vpsが印加される。これによって、直流電源5
8からサンプル用ウエハ29aには電流Ibeamが供給さ
れ、サンプル用ウエハ29aには擬似的にイオンビーム
の照射状態が再現されることになる。前記電流Ibeamの
供給によって、サンプル用ウエハ29aには電荷が帯電
し、前記帯電用プローブ56が取付けられる該サンプル
用ウエハ29aの中心から電位測定用プローブ57が取
付けられる外周縁部にかけて電位勾配が生じる。
【0022】前記電流Ibeamによる電荷の帯電に対し
て、前記電圧計54は電位測定用プローブ57とホルダ
45との間の電圧、すなわち接地電位に対するサンプル
用ウエハ29aの電位を測定することができ、前記電荷
の帯電による電位Vwafer の変化はこの電圧計54によ
って検出することができる。測定装置53は、前記電位
Vwafer の変化に対応して電流計51,52による吸着
電流Iesc + ,Iesc -を読込み、メモリ55に記録し
てゆく。
【0023】図3は、本件発明者の実験結果を示すグラ
フである。この図3において、参照符α1は電流計51
によって計測される正電極43の吸着電流Iesc + の変
化を表し、参照符α2は電流計52で計測される負電極
44の吸着電流Iesc - の変化を示す。
【0024】ただし、吸着用電源46,47によってそ
れぞれ電極43,44に印加される吸着電圧Vesc +
Vesc - は、基準電圧V0,−V0である+500Vお
よび−500Vとそれぞれしている。サンプル用ウエハ
29aの外周縁部は、ホルダ45を介して接地されてい
る。
【0025】この図3から明らかなように、ウエハ電位
Vwafer が正電位側に大きくなってゆくと、参照符α1
で示される正極側の吸着電流Iesc + は直線的に低下し
てゆき、参照符α2で示される負極側の吸着電流Iesc
- は直線的に増加してゆく。
【0026】一方、図3において、参照符α3は吸着用
電源46の吸着電圧Vesc + を前記500Vを基準とし
て変化させたときの差分電圧ΔVに対する吸着電流Ies
c +の変化を表し、参照符α4は吸着用電源47による
吸着電圧Vesc - を前記−500Vから変化させたとき
の差分電圧ΔVに対する吸着電流Iesc - の変化を示
す。このように、吸着電流Iesc + ,Iesc - は、電極
43,44とサンプル用ウエハ29aとの間の実質的な
電位差によって変化することが理解される。
【0027】上述のようにしてメモリ55に記録されて
いるウエハ電位Vwafer に対する吸着電流Iesc + ,I
esc - のデータを用いて、図1(b)で示すようにし
て、実際のイオン注入時におけるウエハ29の電位の測
定を行う。すなわち、測定装置53は、ウエハ29に前
記イオン源22からのイオンビーム59が照射されてい
る状態で、電流計51,52によって吸着電流Iesc
+ ,Iesc - を測定し、その測定結果をメモリ55に
記録されている前記図3で示すデータに対照して、ウエ
ハ電位Vwafer を求める。
【0028】こうして求められたウエハ電位Vwafer が
予め定める値、たとえば20V以上となると、測定装置
53は、たとえばイオン源22を制御してイオンビーム
59を消勢させたり、前記スイープマグネット26を制
御してイオンビーム59がウエハ29に照射されないよ
うにする。また前記イオン源22を制御してイオンビー
ム59のビーム電流を減少させ、または図示しない前記
加速管24部に設置されているイオンビームレンズを制
御してイオンビーム59のビーム径やビーム電流密度分
布を変化させるなどのプロセス条件のパラメータを変更
するなどして、ウエハ電位Vwafer が前記予め定める値
以内となるように、フィードバック制御が行われる。
【0029】このようにして、イオンビーム59の照射
によるウエハ29の電位変化を、リアルタイムで、かつ
正確に測定することができ、上述のようなイオン源22
の消勢などのフィードバック制御を実現し、ウエハ29
の損傷を未然に防止することができる。
【0030】本発明の実施の他の形態について、図4に
基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0031】図4は、本発明の実施の他の形態の電位測
定方法を説明するための図である。この実施形態は前述
の実施形態に類似し、対応する部分には同一の参照符号
を付してその説明を省略する。この実施形態では、前述
の図1(a)で示す実施形態と同様に、サンプル用ウエ
ハ29aを用いてウエハ電位Vwafer に対する吸着電流
Iesc + ,Iesc - が求められてメモリ55内に記録さ
れており、この実施形態は、加工すべきウエハ29への
イオンビーム59の照射時に、前記図1(b)で示す方
法に代えて実施される前記フィードバック制御の具体例
を示すものである。
【0032】この実施形態では、イオンビーム59の照
射による正電荷のチャージアップを防止するために電子
シャワー61の照射が行われるようになっており、前記
電子シャワー61を発生する電子源62のための電子源
制御回路63が前記測定装置53によってフィードバッ
ク制御される。
【0033】すなわち、電子源制御装置63は、測定装
置53から入力されるウエハ29の電位Vwafer に対応
して、該電位Vwafer が負で、その絶対値が大きくなる
程、前記電子シャワー61を減少させ、前記電位Vwafe
r が正で、その絶対値が大きくなる程、電子シャワー6
1を増加させる。
【0034】電子シャワー61の照射の行われる場合に
は、該電子シャワー61を照射し過ぎてもウエハ29は
負にチャージアップしてしまい、該ウエハ29上に形成
される素子に損傷を与えてしまう恐れがある。この点本
発明では、前記図3から求められるように、ウエハ電位
Vwafer の5Vの変化に対して、吸着電流Iesc + ,I
esc - は、ともに5%程度変化している。したがって、
リアルタイムで高感度なフィードバック制御を行うこと
ができ、ウエハ29の電位Vwafer の変動を、要求され
る±10V程度、さらに好ましくは±5V程度の範囲内
に充分保持することができる。
【0035】本発明のさらに他の実施の形態について、
図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0036】図5は、本発明の実施のさらに他の形態の
電位測定方法を説明するための図である。この実施形態
は前述の実施形態に類似し、対応する部分には同一の参
照符号を付してその説明を省略する。この実施形態も前
記図4で示す実施形態と同様に、図1(b)で示す方法
に代えて実施される。この実施形態において注目すべき
は、各電流計51,52と測定装置53aとの間に、静
電チャック制御装置65が介在されていることである。
【0037】前記静電チャック制御装置65は、載置台
42上に加工すべきウエハ29が載置されると、まず、
イオンビーム59の照射が開始される以前に、吸着用電
源46a,47aを制御して、前記吸着電圧Vesc +
Vesc - を、予め定める電圧V0,−V0、たとえば前
記500V,−500Vを基準として、差分電圧ΔVだ
け変化させて、そのときの吸着電流Iesc + ,Iesc -
を測定する。すなわち、 Vesc+ =V0−ΔV Vesc- =−V0−ΔV とする。このようにして、前記図3において参照符α
3,α4で示すようなデータが得られる。
【0038】次に、静電チャック制御装置65は、吸着
用電源46a,47aを制御して、吸着電圧Vesc +
Vesc - をそれぞれ前記基準電圧V0,−V0とする。
この状態でウエハ29にイオンビーム59が照射され、
静電チャック制御装置65は吸着電流Iesc + ,Iesc
- を測定する。
【0039】その後、該静電チャック制御装置65は、
メモリ55に記録されている前記図3において参照符α
1,α2で示すデータを、前記参照符α3,α4で示す
データでそれぞれ補正し、得られたデータに前記測定さ
れた吸着電流Iesc + ,Iesc - を対照して、正確なウ
エハ電位Vwafer を求める。
【0040】なお、前記補正のための演算は、参照符α
1,α2で示すデータをそれぞれ参照符α3,α4で示
すデータに基づいて一次式や多項式で補正することによ
って求められてもよく、あるいは参照符α1,α2で示
すデータを参照符α3,α4で示すデータにそれぞれ所
定の関数を用いてフィッティングすることによって行わ
れてもよい。
【0041】たとえば、前記参照符α1で示すデータを
一次式 y1=a1・x1+b1 で近似し、前記参照符α3で示すデータから差分電圧Δ
Vが零であるときの吸着電流Iesc + (0) の値を切片b
1に代入する。したがって、 Iesc + (0) =a1・Vwafer +b1 から、 Vwafer =(Iesc + (0) −b1)/a1 で求めることができる。
【0042】また、たとえば差分電圧ΔVを変化して参
照符α3で示すデータを複数求めておき、一次式 y3=a3・x3+b3 で近似し、吸着電流Iesc + に対してウエハ電位Vwafe
r は、 Iesc + =a3・x3+b3 から、 Vwafer =(Iesc + −b3)/a3 で求めることができる。この場合、参照符α1で示すデ
ータは不要となる。
【0043】このように静電チャック制御装置65によ
って、予め各ウエハ29の、たとえば材質や載置台42
への密着度の差などの特性や状態のバラツキ、さらには
静電チャック装置41の経時的な特性変化などによるバ
ラツキも補償して、正確にウエハ電位Vwafer を測定す
ることができるようになる。これによって、たとえば前
記図4で示すようにフィードバックループを構成した場
合などでは、安定した動作を行わせることができる。
【0044】なお、上述の各実施例では、静電チャック
装置には正負両方の独立した電源46,47;46a,
47aを備える双極型の静電チャック装置41が用いら
れたけれども、図6で示す静電チャック装置71のよう
に、正負いずれか一方の吸着用電源72を備え、載置台
42a内に単一の電極73が設けられる単極型の静電チ
ャック装置が用いられてもよい。
【0045】本発明は、上述のようなイオン注入装置2
1に限らず、プラズマ処理装置などの静電チャック装置
41,71を用いる他の荷電粒子の照射装置にも好適に
実施することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るワーク電位の測定方法は、
以上のように、荷電粒子をワークに照射する装置の静電
チャック装置において、予めサンプル用ワークを用いて
可変電圧を印加して擬似的に荷電粒子をワークに照射し
た状態を再現し、その状態でのワーク電位に対する吸着
電流の値を求めておき、実際のワークへの荷電粒子の照
射時には、計測された吸着電流からワーク電位を求め
る。
【0047】それゆえ、荷電粒子の照射を行いつつ、リ
アルタイムでワーク電位を求めることができ、チャージ
アップ現象を速やかに検出し、計測された電位が所定電
位以上であるときには荷電粒子の照射を停止するなどし
て、ワークの損傷を未然に防止することができる。ま
た、リアルタイムでの計測が可能となることによって、
周辺の構成物における時定数成分のバラツキなどの影響
を受けることなく、正確な電位を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の電位測定方法を説明す
るための図である。
【図2】図1で示す測定方法が用いられるイオン注入装
置の構成を示す簡略化した平面図である。
【図3】本発明の電位測定方法の根拠となるウエハ電位
または吸着電圧の変化に対する吸着電流の変化を示すグ
ラフである。
【図4】本発明の実施の他の形態の電位測定方法を説明
するための図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態の電位測定方法
を説明するための図である。
【図6】静電チャック装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図7】典型的な従来技術の電位測定方法を説明するた
めの簡略化した平面図である。
【図8】他の従来技術の電位測定方法を説明するための
簡略化した正面図である。
【図9】さらに他の従来技術の電位測定方法を説明する
ための簡略化した正面図である。
【図10】図9で示す従来技術の電位測定方法の原理を
説明するためのグラフである。
【符号の説明】
21 イオン注入装置 22 イオン源 24 加速管 28 ターゲットチャンバ 29 ウエハ 29a サンプル用ウエハ 30 エンドステーション 41 静電チャック装置 42 載置台 42a 載置台 43 電極 44 電極 45 ホルダ 46 吸着用電源 46a 吸着用電源 47 吸着用電源 47a 吸着用電源 51 電流計 52 電流計 53 測定装置 53a 測定装置 54 電圧計 55 メモリ 56 帯電用プローブ 57 電位測定用プローブ 58 直流電源 59 イオンビーム 61 電子シャワー 62 電子源 63 電子源制御装置 65 静電チャック制御装置 71 静電チャック装置 72 吸着用電源 73 電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電性材料から成る載置台内に埋設されて
    いる電極に吸着用電源から吸着電圧を供給することによ
    ってワークを前記載置台に吸着させる静電チャック装置
    におけるワーク電位の測定方法であって、 帯電用および電位測定用プローブがそれぞれ取付けら
    れ、加工すべきワークと同一のサンプル用ワークを予め
    前記載置台上に載置して、前記帯電用プローブから可変
    電圧を印加し、該可変電圧に対応して計測された電位測
    定用プローブの各電位に対応して吸着電流のデータを記
    録しておき、 前記載置台上に加工すべきワークを載置して、該ワーク
    に荷電粒子を照射しつつ前記吸着電流を計測し、その計
    測結果を前記記録されているデータに対照してワーク電
    位を求めることを特徴とするワーク電位の測定方法。
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