JP3353391B2 - 荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents
荷電粒子ビーム照射装置Info
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Description
粒子ビームをビーム照射対象物に照射して、イオン注
入、エッチング、スパッタリング、或いは薄膜形成等を
行う荷電粒子ビーム照射装置に関し、特に、静電チャッ
クによって上記ビーム照射対象物を保持した状態で荷電
粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射装置に関する
ものである。
注入装置を用いてシリコンウェハへ不純物を注入するプ
ロセスがある。このイオン注入装置では、高真空状態の
ターゲットチャンバ内にウェハがセットされた状態で、
加速されて所定のエネルギーを有するイオンビームが、
該ウェハへ照射される。この場合、ウェハは、ビームの
持つエネルギーを受け取るため、ビーム照射時間ととも
にその温度が上昇する。そこで、デバイスの特性を決定
する不純物イオンを任意の量および深さに制御性良く注
入し、期待通りの注入結果を得るためには、ビーム照射
中のウェハの温度を管理することが必要である。
温度上昇を避けるため、ターゲットチャンバ内でウェハ
を固定保持するウェハ保持部材の内部に冷媒通路を形成
し、該冷媒通路に水等の冷媒を流してウェハを冷却する
ようにしているが、ビーム照射中のウェハの温度を検出
することは困難であり、ウェハの温度を検出してモニタ
するようなことは行われていない。
も、原理的には、ウェハ保持部材の冷媒出入口における
冷媒の温度差から、ウェハの温度を検知することは可能
であるが、上記の温度差は非常に小さいため、正確なウ
ェハの温度検出は困難である。
ルをウェハの表面に貼着したままビームを照射すること
により、ウェハの温度を検知する方法があるが、この方
法はあくまで実験的なもので、実際の生産ラインでビー
ム照射中に行うことはできない。
り、その目的は、ビーム照射中におけるウェハ等のビー
ム照射対象物の温度を検知することができる荷電粒子ビ
ーム照射装置を提供することにある。
ーム照射装置は、ビーム照射対象物を保持する保持手段
を備え、上記保持手段がビーム照射対象物を保持した状
態で荷電粒子ビームを照射するものであって、上記の課
題を解決するために、以下の手段が講じられていること
を特徴としている。
距離をおいて複数の電極が埋設されてなる静電チャック
本体と、上記複数の電極間に所定の直流電圧を印加する
直流電圧印加手段とを備え、ビーム照射対象物を静電気
力によって吸着保持する静電チャックであり、上記荷電
粒子ビーム照射装置は、上記誘電体を介して上記複数の
電極間に流れる電流を検出する電流検出手段を備えてい
る。
する保持手段として静電チャックが用いられている。こ
の静電チャックは、誘電体内部に所定距離をおいて複数
の電極が埋設されてなる静電チャック本体と、上記複数
の電極間に所定の直流電圧を印加する直流電圧印加手段
とを備えており、直流電圧印加手段により複数の電極間
に直流電圧が印加されると、これらの電極を披包する誘
電体において誘電分極現象が起こり、ビーム照射対象物
が、静電気力によって上記静電チャック本体の表面に吸
着固定されるようになっている。
るが、これに埋設されている複数の電極間に電圧が印加
されているとき、僅かに電流を通す。そして、上記誘電
体を介して電極間に流れる電流は、電流検出手段によっ
て検出される。
照射対象物に荷電粒子ビームが照射されると、荷電粒子
ビームの持つエネルギーによってビーム照射対象物の温
度が上昇する。このとき、熱伝達によってビーム照射対
象物に密着している静電チャック本体の誘電体の温度も
上昇することになる。このように、ビーム照射対象物の
温度上昇に伴って誘電体の温度が上昇すると、誘電体の
電気抵抗値が低下し、上記電流検出手段によって検出さ
れる電流も大きくなる。即ち、電流検出手段によって検
出される電流の変化は、ビーム照射対象物の温度変化を
反映したものであり、両者の間には相関関係がある。
をモニタすることにより、実際の生産ラインでビーム照
射が行われている状態のビーム照射対象物の温度を簡単
に検出することができる。
基づいて説明すれば、以下の通りである。
してのイオン注入装置は、基本的には、注入元素をイオ
ン化し、引出電源によりイオンビームとして引き出すイ
オン源部、所定の注入イオンのみを選別して取り出す質
量分析部、ビームを輸送する中で加速、整形、偏向、走
査等を行うビームライン部、およびビーム照射対象物と
してのシリコンウェハをセットしてイオン注入処理を行
うエンドステーションから構成されている。
空状態に保持されたターゲットチャンバが設けられてお
り、該ターゲットチャンバ内には、図1に示すように、
ウェハ1を保持するための保持手段としての静電チャッ
ク2が設けられている。
2枚の金属電極5a・5bが組み込まれてなる静電チャ
ック本体3を備えている。上記誘電体4としては、例え
ば、アルミナ(Al2 O3 )、炭化ケイ素(SiC)、
およびチタン酸カルシウム(CaTiO3 )等のセラミ
ック材料を使用することができる。尚、本実施例では、
炭化ケイ素からなる誘電体4を使用している。
ャック本体3の両電極5a・5b間に、所定の直流電圧
を印加する直流電源(直流電圧印加手段)6を備えてい
る。この直流電源6は、交流電源から得られる交流電力
を直流電力に変換する整流器、および所定の直流電圧を
得るための変圧器からなる。
インには、上記静電チャック本体3に流れる電流を計測
するための電流計7が設けられている。また、上記直流
電源6には、該直流電源6の電圧を計測するための電圧
計8が並列に接続されている。
コンピュータを有する情報処理装置(図示しない)の入
力端子に接続されており、電流計7からは電流値信号
が、電圧計8からは電圧値信号が上記情報処理装置に出
力されるようになっている。
電圧計8から入力される電流値信号および電圧値信号に
基づいて、ウェハ1の温度を求め、入力電流値、入力電
圧値抗値、およびウェハ温度を表示部(図示せず)に表
示する。また、上記情報処理装置は、ウェハ温度が所定
温度以上になったと判断した場合、イオン注入装置の全
体、または要部にインターロックをかけるようになって
いる。
して、電極5a・5b間に所定の直流電圧を印加する
と、該電極5a・5bを披包する誘電体4において誘電
分極現象が起こる。この誘電体4の表面にウェハ1を接
触させると、該ウェハ1の表面には誘電体4とは逆符号
の電荷が生じ、静電気力によってウェハ1が誘電体4の
表面に吸着される。
吸着保持して、該ウェハ1にイオンビームを照射する
と、イオンビームのエネルギーによりウェハ1の温度が
上昇する。このとき、熱伝達によってウェハ1に密着し
ている誘電体4の温度も上昇する。
し、電極5a・5b間に電圧が印加されているとき、僅
かに電流を通す。上記誘電体4を介して電極5a・5b
間に流れる電流(以下、漏れ電流と称する)は、電流計
7によって検出される。上記のようにウェハ1の温度上
昇に伴って誘電体4の温度が上昇すると、誘電体4の電
気抵抗値が変化し、上記電流計7において検出される漏
れ電流も変化する。即ち、電流計7において検出される
漏れ電流の変化は、ウェハ1の温度変化を反映したもの
であり、電流計7の検出電流とウェハ1の温度との間に
は相関関係がある。
るサーモシールをウェハ1の表面に貼着したままビーム
を照射する等、他の方法を用いて実験的にウェハ1の温
度を測定し、1度、温度の較正を行えば、その後は電流
計7において検出される漏れ電流をモニタするだけで、
実際の生産ラインでビーム照射中のウェハ1の温度を知
ることができる。
その前後における上記電流計7の検出電流の経時変化を
示す。同図中のT1 のタイミングで直流電源6をONに
して、静電チャック2によるウェハ1の吸着を開始し
た。この後、T2 のタイミングでイオン注入処理、即
ち、イオンビームの照射を開始するのであるが、T1 か
らT2 までの期間中は、上記電流計7によって検出され
る漏れ電流は略一定であった。
してからT3 のタイミングまで、ウェハ1へのイオン注
入処理を行った。このイオン注入処理中は、イオンビー
ム電流の流入により、電流計7で検出される漏れ電流が
周期的に変動すると共に、漏れ電流のベースラインがビ
ーム照射時間と共に高くなった。この漏れ電流のベース
ラインの変化がウェハ1の温度変化を反映したものであ
る。
した後は、電流計7で検出される漏れ電流が次第に小さ
くなって行った。これは、ウェハ1の温度が低下してい
ることを示している。この後、ウェハ1の温度がイオン
注入処理前と略同じ温度(室温)になると、電流計7に
よって検出される漏れ電流も、イオン注入処理前と略同
じ値となった。
は、誘電体4の内部に所定距離をおいて2枚の電極5a
・5bが埋設されてなる静電チャック本体3と、上記の
2枚の電極5a・5b間に所定の直流電圧を印加する直
流電源6とを有し、ウェハ1を静電気力によって吸着保
持する静電チャック2を備えると共に、上記誘電体4を
介して上記2枚の電極5a・5b間に流れる電流を検出
する電流計7を備えている構成である。
ニタするだけで、実際の生産ラインでイオン注入処理中
のウェハ1の温度を、簡単に知ることができる。したが
って、ビーム照射中のウェハ1の温度を正確に管理する
ことが可能となり、期待通りの注入結果を得ることがで
き、該イオン注入装置を用いて製造されるデバイスの信
頼性を高めることができる。
処理装置に接続され、上記情報処理装置がウェハ1の温
度を自動監視するようになっており、該情報処理装置
が、冷却機構の異常などによって所定温度以上にウェハ
1の温度が上昇していることを検出したら、ただちに、
イオン注入装置の全体、または要部にインターロックを
かけるようになっている。このため、ウェハ1の異常な
温度上昇による注入不良を未然に防ぐことができる。
bを有する静電チャック2を例に挙げて説明したが、電
極の数は3枚以上であってもよい。また、上記実施例で
は、荷電粒子ビーム照射装置としてイオン注入装置に適
応した例を示したが、エッチング、スパッタリング、或
いは薄膜形成等を行う装置にも適応できる。上記実施例
は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするもの
であって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈
されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求の範
囲内で、いろいろと変更して実施することができるもの
である。
上のように、ビーム照射対象物を保持する保持手段を備
え、上記保持手段がビーム照射対象物を保持した状態で
荷電粒子ビームを照射するものであって、上記保持手段
が、誘電体内部に所定距離をおいて複数の電極が埋設さ
れてなる静電チャック本体と、上記複数の電極間に所定
の直流電圧を印加する直流電圧印加手段とを有し、ビー
ム照射対象物を静電気力によって吸着保持する静電チャ
ックであり、また、上記誘電体を介して上記複数の電極
間に流れる電流を検出する電流検出手段を備えている構
成である。
モニタすることにより、実際の生産ラインでビーム照射
が行われている状態のビーム照射対象物の温度を簡単に
検出することができるという効果を奏する。
入装置のエンドステーションに設けられている静電チャ
ックの概略の構成を示す説明図である。
記静電チャックの2枚の電極間に流れる電流の経時変化
を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】ビーム照射対象物を保持する保持手段を備
え、上記保持手段がビーム照射対象物を保持した状態で
荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム照射装置にお
いて、 上記保持手段は、誘電体内部に所定距離をおいて複数の
電極が埋設されてなる静電チャック本体と、上記複数の
電極間に所定の直流電圧を印加する直流電圧印加手段と
を有し、ビーム照射対象物を静電気力によって吸着保持
する静電チャックであり、 上記誘電体を介して上記複数の電極間に流れる電流を検
出する電流検出手段を備えていることを特徴とする荷電
粒子ビーム照射装置。
Priority Applications (1)
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JP15731193A JP3353391B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 荷電粒子ビーム照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15731193A JP3353391B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 荷電粒子ビーム照射装置 |
Publications (2)
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JPH0721959A JPH0721959A (ja) | 1995-01-24 |
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ID=15646906
Family Applications (1)
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JP15731193A Expired - Lifetime JP3353391B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 荷電粒子ビーム照射装置 |
Country Status (1)
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CN100408720C (zh) * | 2005-10-31 | 2008-08-06 | 哈尔滨工业大学 | 一种实现等离子体升温注渗的方法及其装置 |
JP2011009007A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Texas Instr Japan Ltd | イオン注入装置のウエハ温度補償システム |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP15731193A patent/JP3353391B2/ja not_active Expired - Lifetime
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