JP2617044B2 - ウエハー保持装置およびその制御方法 - Google Patents

ウエハー保持装置およびその制御方法

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JP2617044B2 JP8734391A JP8734391A JP2617044B2 JP 2617044 B2 JP2617044 B2 JP 2617044B2 JP 8734391 A JP8734391 A JP 8734391A JP 8734391 A JP8734391 A JP 8734391A JP 2617044 B2 JP2617044 B2 JP 2617044B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造装置
用のウエハー保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体ウエハー固定技術として
は、メカニカル固定、真空チャック、静電チャックの各
方式が知られており、例えば、半導体ウエハーの搬送
用、露光、成膜、微細加工、洗浄、ダイシング等に使用
されている。
【0003】CVD 、スパッタ、エピタキシャル等の成膜
プロセスにおける半導体ウエハー加熱、温度制御では、
半導体ウエハーの温度を均一化できないと、半導体生産
時の歩留り低下の原因になる。この場合、メカニカル固
定では、半導体ウエハーの表面の外周にピン又はリング
が接触するために、押えシロを必要とするため、成膜で
きる面積が減少し、1枚の半導体ウエハーから採れる半
導体チップ数が減少する。また、ピンやリングがウエハ
ーの保持、離脱のために動くときに、パーティクルが発
生するため、不純物混入や成膜不良の原因となる。ま
た、半導体ウエハー全面が均等に抑えられているわけで
はないので、半導体ウエハーに反り、歪みが生ずる。ま
た、いわゆる真空チャックは、スパッタ、CVD 装置等の
ような中高真空の条件下では使用できない。これらのこ
とから、中高真空の条件下でも使用でき、また半導体ウ
エハーを吸着しながら熱処理できる静電チャックが有望
視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、ウエ
ハー吸着面の温度に係わらず、静電チャックに対して一
定の電圧を供給し、半導体ウエハーの保持を行ってい
た。また、半導体ウエハーの保持を解除したいときに
は、印加電圧を除去したり、吸着時と反対符号の電圧を
瞬間的に印加していた。しかし、誘電体の比誘電率等の
特性は、その温度によって大きく変化するため、これに
従ってウエハー吸着力も変化する。特に、例えば熱 CVD
装置などにおいては、室温と 200℃以上、時には 600℃
との間で熱上昇と熱降下のサイクルが繰り返される。こ
うした広範囲の温度変化に対して、従来の静電チャック
では対応できなかった。
【0005】また、静電チャックに電圧を印加しても、
必要な吸着力が実際に発現するまでにはかなりの応答時
間が必要であり、このため半導体生産、処理に要する時
間が長くなっていた。また、静電チャックから半導体ウ
エハーを解除する際にも、同様に応答の遅れが生じてい
た。
【0006】本発明の課題は、広範囲の温度変化に追従
して、必要な吸着力を維持でき、かつウエハーの吸着や
解除に必要な応答時間も短かくすることができるよう
な、ウエハー保持装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウエハーを静
電吸着力によって吸着しつつ保持するためのウエハー保
持装置であって、セラミックス基体、このセラミックス
基体の一方の主面上に形成された膜状電極、この膜状電
極を覆うように一方の主面上に形成されたセラミックス
誘電体層、膜状電極とウエハーとに互いに反対の極性の
電荷を供給し、セラミックス誘電体層のウエハー吸着面
にウエハーを静電吸着させるための電圧を印加するため
の静電チャック電源部、セラミックス誘電体層のウエハ
ー吸着面の温度を検出する温度検出器、及び静電チャッ
ク電源部と温度検出器とに電気的に接続された制御部を
備えており、温度検出器からの電気信号を制御部へと送
り、この制御部において、温度検出器での検出温度から
セラミックス誘電体層の静電容量を演算し、セラミック
ス誘電体層の静電容量の演算値および目標とする吸着力
に基づいてウエハー吸着面にウエハーを静電吸着させる
ための電圧の最適値を演算し、この最適値を制御部から
静電チャック電源部へと送り、静電チャック電源部を制
御するように構成されている、ウエハー保持装置に係る
ものである。また、本発明は、こうしたウエハー保持装
置の制御方法を提供する。
【0008】
【実施例】まず、本発明者が開発した、ヒーター付き静
電チャックについて説明する。図1は、こうした単極型
静電チャックを示す概略断面図である。
【0009】例えば円盤状のセラミックス基体2の内部
には抵抗発熱体3が埋設され、この抵抗発熱体3は一例
として螺旋状に巻回されている。抵抗発熱体3の両端部
には、それぞれ電極端子8が接続固定され、各電極端子
8の端面が給電ケーブル10に接合されている。一対の給
電ケーブル10は、それぞれヒーター制御部に接続されて
おり、図示省略したスイッチを作動させることにより、
抵抗発熱体3を発熱させることができる。円盤状セラミ
ックス基体2は、相対向する主面2a, 2bを有する。ここ
で主面とは、他の面よりも相対的に広い面をいう。
【0010】円盤状セラミックス基体2の一方の主面2a
に沿って、例えば円形の膜状電極5が形成されている。
そして、この膜状電極5を覆うように、一方の主面2a上
にセラミックス誘電体層4が形成され、一体化されてい
る。これにより、膜状電極5は、セラミックス基体2と
セラミックス誘電体層4との間に内蔵される。セラミッ
クス基体2の内部には電極端子7が埋設され、この電極
端子7の一端には膜状電極5が接続され、電極端子7の
他端には給電ケーブル12が接続されている。この給電ケ
ーブル12はチャック用電源部の例えば正極に接続され、
この負極がアース線14に接続される。
【0011】ウエハーWを加熱処理する際には、セラミ
ックス誘電体層4のウエハー吸着面6にウエハーWを設
置し、ウエハーWに対してアース線14を接触させる。そ
して、膜状電極5に正電荷を蓄積してセラミックス誘電
体層4を分極させる。それと共に、ウエハーWに負電荷
を蓄積させ、セラミックス誘電体層4とウエハーWとの
間のクーロン引力により、ウエハーWをウエハー吸着面
6へと吸着させる。これと共に、抵抗発熱体3を発熱さ
せてウエハー吸着面6を所定温度に加熱する。
【0012】セラミックス基体2及びセラミックス誘電
体層4中に、温度検出器9が埋設されている。温度検出
器9としては一例として熱電対がある。この温度検出器
9によってウエハー吸着面6の温度を検出し、これを電
気信号として導線11を通してヒーター制御部及び静電チ
ャック制御部へと送る。この電気信号に応じ、静電チャ
ック制御部において最適な電圧値を演算する。この演算
方法については後述する。そして、この演算結果を導線
13を通してチャック用電源部へと送り、ここで印加電圧
を上記演算結果に応じて変化させる。
【0013】こうしたウエハー保持装置によれば、ウエ
ハーWをウエハー吸着面6へとクーロン力によって全面
で吸着しつつ、同時にウエハー吸着面6を加熱してウエ
ハーを加熱することができる。従って、特に中高真空中
でウエハーWが全面に亘って良好に追従し、均熱化する
ことができ、ウエハーWとウエハー吸着面との間の隙間
によるウエハーWの均熱性の低下が生じない。従って、
ウエハーWの熱処理をウエハー全面に亘って均一に行う
ことができ、例えば半導体製造装置においては、半導体
の歩留り低下を防止することができる。
【0014】また、誘電体膜4もセラミックスからなる
ので、誘電体膜4の耐熱性も高く、例えば熱CVD装置
において良好に使用できる。と共に、誘電体膜4は、ウ
エハーの1万回以上のチャックによる摩耗及び変形に対
して耐久性も良好である。
【0015】更に、セラミックス基体2の内部に抵抗発
熱体3が埋設され、また膜状電極5がセラミックス誘電
体層4とセラミックス基体2との間に内蔵されているの
で、従来の金属ヒーターの場合のような汚染を防止でき
る。また、ウエハーWをウエハー吸着面6へと吸着した
状態で直接加熱するので、間接加熱方式の場合のような
熱効率の悪化の問題は生じない。
【0016】しかも、温度検出部9においてウエハー吸
着面6の温度を検出し、この検出値に基いて静電チャッ
ク制御部において最適の印加電圧を演算し、これにより
チャック用電源部を制御するので、広範囲の温度変化に
追従して、必要な吸着力を保持でき、かつウエハーの吸
着や解除に必要な応答時間を短かくすることができる。
【0017】抵抗発熱体3としては、タングステン、モ
リブデン、白金等を使用することが適当である。膜状電
極5としては、タングステン、モリブデン、白金等が好
ましい。図1の例ではウエハー吸着面6を上向きにした
が、ウエハー吸着面6を下向きにしてもよい。
【0018】加熱装置1全体の形状は、円形のウエハー
Wを均等に加熱するためには円盤状とするのが好ましい
が、他の形状、例えば四角盤状、六角盤状等としてもよ
い。こうした加熱装置は、エピタキシャル装置、プラズ
マエッチング装置、光エッチング装置等における加熱装
置に対しても適用可能である。更に、ウエハーWとして
は、半導体ウエハーだけでなく、Alウエハー、Feウ
エハー等の導体ウエハーの吸着、加熱処理も可能であ
る。
【0019】次いで、静電チャック制御部における、具
体的な制御方法について更に説明する。まず、静電チャ
ック吸着力は、(1) 式で与えられる。 (1) F=1/2 ・ε′・εO ・ S(V/d)2 ε′: 比誘電率、 εO :真空の誘電率、 S : ウエハー吸着部位の面積 V : 印加電圧(V) d : 誘電体層の厚さ(m)
【0020】また、次の(2),(3) 式が成立する。 (2) Q= CV =ε′・εO .(S/d) ・V (3) F=1/2 ・CV2 /d F:吸着力(N) 、 C:誘電体層の静電容量
(F) Q:電荷量(C) これにより、誘電体層に存在する電荷量に吸着力Fが比
例することがわかる。
【0021】誘電体層が強誘電体、例えば BaTiO3 ,Pb
TiO3等からなる場合は、以下のように制御する。膜状電
極と、吸着すべきウエハーとを一対の対向電極とみなす
と、静電チャックの電気回路は図2に示すように置き換
えられる。
【0022】今、t=t1 において,瞬間的に直流電圧
Vを印加すると、誘電体層には、図3に示すようにまず
瞬間的にQ1 まで充電され、引き続き徐々に増加して最
終値のQ2 に達して一定となる。次に、t2 において、
印加電圧を瞬間的にOに戻すと、電荷はまずQ1だけ瞬
間的に放電し、引き続き徐々に放電してOとなる。Q1
を瞬時電荷、充電時に時間と共に増大する電荷を吸収電
荷、放電時に時間と共に減少する電荷を残留電荷と呼
ぶ。
【0023】今、吸収電荷をQC (t) とすると、充電時
の全電荷Q2 は(4) 式で与えられる。 (4) Q2 =Q1 +QC (t) 瞬時電荷Q1 に対応する静電容量をC1、分極形成後の全
電荷Q2 に対応する静電容量をC2とすると(5) 式が成立
する。 (5) Q1 =C1V =C1(T) V,Q2 =C2V = C2(T)V T:温度(℃)。またC1(T),C2(T) は、C1,C2 が温度T
の関数であることを示す。
【0024】従来は、(3) 式において、Fに目的吸着力
O を代入し、CにC2 を代入して印加電圧Vを決定し
ていた。このため、図3に示したような動作となってい
た。そして、吸収電荷は飽和するまでにかなりの時間を
要するので、静電チャックの吸着時のレスポンスが悪か
ったのである。
【0025】レスポンスを決定するQC (t) は材料物性
で決まり、かつ、温度の関数でもある。一方、瞬時電荷
1 も一般的には材料物性で決まり、かつ、温度の関数
である。従って、 (6) Q1 =C1V = C1(T)・V (7) QC (t) = QC (T, t) また残留電荷 Qd (t) も、同様である。 (8) Qd (t) = Qd (T, t) (5) 〜(8) 式の関数は、誘電体層の各温度における電流
の経時変化から実測によって求める。
【0026】静電チャックの吸脱着レスポンスは速けれ
ば速い程良いので、出来るならば、瞬時電荷だけで吸着
力を発現させたい。その為には、初期に高電圧をかける
ことで瞬時電荷量Q2 を得、その後、図4に示すように
V2まで電圧を下げれば良い。放電時も印加電圧の極性を
充電時と反対にして高電圧を印加すればレスポンスは向
上する。すなわち、 (9) Q2 =C1 V1 を満たす電圧 V1 を印加すれば良い。
【0027】この制御について図6のフロー図を参照し
つつ再説すると、先ずウエハー吸着面の温度を検出し、
(3) 式よりV2を計算する。また、(5) 式にV2を代入して
2 を算出する。そして、(9) 式にQ2、C1を代入してV1
を算出する。そしてV1が保証電圧Vabs (T) よりも小さ
ければ、このV1の値をチャック用電源部に転送し、図4
に示すようなパターンで電圧を印加する。
【0028】ただし、V1の値が保証電圧Vabs (T) 以上
となる場合には、図4に示すような運転を行うと、静電
チャックが破損するおそれがある。ここで、保証電圧V
abs(T) とは、静電チャックの絶縁耐圧を安全係数 (通
常2〜3程度)で除したものであり、通常印加可能な最
大値である。これも温度Tの関数であり、予め実測して
静電チャック制御部に記憶させる。この場合には、V1
=Vabs(T)の電圧を印加する。これによりQ1 =C1・V
abs(T)を満たす瞬時電荷Q1 だけ電荷がまず蓄積され
る。このまま、Δtの時間だけVabs(T)の電圧を印加す
る。この応答時間Δtの値は、(10)式と(7) 式とから求
める。 (10) Q2 =Q1 +QC (T,t) (10)式は、(4) 式と同様のものである。
【0029】こうして得たVabs(T)=V1,Δtの値をチ
ャック用電源部に転送し、図5に示すパターンで電圧を
印加する。そして、蓄積電荷がQ1 からQ2 に至る間、
またQ2 −Q1 から0に至る間に、Δtの応答時間が必
要である。こうした図4〜図6に示す制御を行えば、原
理的に最もレスポンスの速い運転を実現できる。
【0030】なお、図6のフロー図に示す制御を一通り
終えると、再び温度を検出して同じ制御を繰り返し行
う。ここで、温度の検出又はサンプリングの間隔は、静
電チャックにおける温度の変化速度から決定すべきこと
である。通常の半導体装置では、数秒間に1回、温度を
検出すれば充分と考えられる。
【0031】次いで、いわゆるジョンソンーラーベック
効果を利用した静電チャックの制御について述べる。こ
うした誘電体材料としては、常誘電体である CaTiO3 ,
SrTiO3、電気絶縁材料であるAl2O3 , MgO , Si3N4 , Al
N , ムライト、スピネル、ジルコニアなどが該当する。
このタイプの静電チャック等価回路を図7に示す。
【0032】ジョンソン−ラーベック効果を用いた静電
チャックでは、吸着するウエハーと誘電体層との間に極
めて微小な空間が形成され、ここに電荷を蓄積すること
によって吸着力が発現する。従って誘電体層自体の誘電
率よりも、誘電体層の表面状態によって蓄積電荷量(吸
着力)が決まる。誘電体層は主に抵抗Rとして働く。ジ
ョンソン−ラーベック力を利用しても、吸着力は(3) 式
に従う。しかし、前述のように吸着に関与する電荷蓄積
層は、セラミックス層部分にはないので、材料の誘電率
から吸着力を計算しても実際の吸着力とは一致しない。
しかしながら、実際にはセラミックス層の蓄積電荷量と
相関があることがわかっているので、(3) 式より、 (11) F=αQ = αCV , α=f(V,T) とおく。飽和吸着力FO と電圧Vの関係を実測して、α
を求める。この式でCはセラミックス誘電体層の静電容
量である。
【0033】一方、吸着、脱着(解除)時のレスポンス
は、経験的にセラミックス誘電体層の電荷蓄積速度又は
電荷放出速度と相関がある。セラミックス誘電体層の蓄
積電荷Q(t) は、数1
【数1】 iは電流を示す。
【0034】前述のようにジョンソン−ラ−ベック効果
を用いた静電チャックでは、電荷蓄積層がセラミックス
誘電体層そのものではないため、セラミックス誘電体層
の電化蓄積速度を表わす(12)式のtは、吸着レスポンス
そのものを表してはいない。そこで(12)式の時間tを吸
着レスポンスΔtに置き換えるため、係数βを導入す
る。 (13) Q(t) =CV(1−exp(−β・Δt/CR))
【0035】データとしては、セラミックス誘電体層の
C,Rの温度特性(C(T)、R(T) )を実測する。保証電圧
Vabs(T)は、絶縁耐圧の実測値から決定する。飽和吸着
力と印加電圧との関係からα(V,T)を求める。更に、吸
着しスポンスの測定からβも決定しておく。そして、目
標吸着力FO と、目標となる応答時間Δtを予め決め、
入力しておく。
【0036】ここで、従来の吸着、脱着レスポンスにつ
いて、図8を参照しつつ説明しておく。従来は、まず電
圧V2 を印加し、吸着力FがFOに達するまで待たなけ
ればならなかった。ウエハー脱着時も同様であった。
【0037】これに対し、本実施例では、図9、図10に
示すように、印加電圧を制御する。具体的には、まずウ
エハー吸着面の温度を測定し、(11)式のFにFO を代入
してV2 、Qを求める。そして、(13)式に、目標とする
レスポンス時間Δtを代入し、またQ(t) にQを代入
し、V1 を求める。V1 <Vabs(T)であれば、このV1
の値をチャック用電源部に転送し、図10に示すパターン
て電圧を印加する。ウエハー吸着時、脱着時の応答 (レ
スポンス) 時間はΔt となる。
【0038】V1 がVabs(T)以上である場合には、V1
=Vabs(T)と置き、この値をチャック用電源部に転送す
る。そして、図10において、V1 =Vabs(T)として電圧
を印加する。この場合には、応答時間がΔt よりも長く
なるが、セラミックス誘電体層を破壊することなく、こ
れよりも応答時間を短かくすることは、原理上不可能で
ある。
【0039】最後に、制御自体が比較的簡単な簡便法に
ついて述べる。この方法は、あらゆる型の静電チャック
に適用可能である。
【0040】まず、図11に示すように、目標吸着力FO
と目標応答時間Δt とを予め設定する。そして、Δt の
時間で吸着力FがFO に達するような印加電圧V1 を測
定する。また、飽和吸着力がFO となる印加電圧V2
測定する。V1 が保証電圧Vabs(T)を超えるときは、V
1 =Vabs(T)とおく。これらの測定を、種々の温度で実
施し、図12に示すように、V1 の値とV2 の値とを温度
Tに対しプロットし、検量線を作成する。そして、実際
に静電チャックを使用するときには、検出温度に応じ、
図12と検量線を参照してV1,V2 の値を決定する。そし
て、これらV1 , 2 , Δtの値をチャック用電源部の
方に転送して、例えば図10に示すように電圧を印加す
る。ただし、V1 がVabs(T)を超えるときには、V1
Vabs(T)と置くので、応答時間がΔt よりも長くなる。
【0041】図1においては、円盤状のセラミックス基
体2中に抵抗発熱体3を埋設した。しかし、本発明は、
こうしたヒーター内蔵型のものでない、通常の静電チャ
ックに対しても適用できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、温度検出部においてウ
エハー吸着面の温度を検出し、この検出値に基いて、静
電チャック制御部において、セラミックス誘電体層の静
電容量を演算し、この静電容量の演算値および目標とす
る吸着力に基づいてウエハー吸着面にウエハーを静電吸
着させるための電圧の最適値を演算し、これによりチャ
ック用電源部を制御する。従って、広範囲の温度変化に
追従して、必要な吸着力を保持でき、かつウエハーの吸
着や解除に必要な応答時間を短かくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るヒーター付き静電チャッ
クを示す概略断面図である。
【図2】強誘電体を使用した静電チャックの等価回路図
である。
【図3】従来の電荷蓄積パターンを示すグラフである。
【図4】本発明による電圧印加及び電荷蓄積のパターン
を示すグラフである。
【図5】V1 が保証電圧を超える場合の電圧印加及び電
荷蓄積のパターンを示すグラフである。
【図6】強誘電体を使用した静電チャックの制御手順を
示すフロー図である。
【図7】ジョンソン−ラ−ベック効果を利用した静電チ
ャックの等価回路図である。
【図8】従来の電圧印加及びレスポンスのパターンを示
すグラフである。
【図9】ジョンソン−ラ−ベック効果を利用した静電チ
ャックの制御手順を示すフロー図である。
【図10】本発明による電圧印加及びレスポンスのパタ
ーンを示すグラフである。
【図11】印加電圧と目標吸着力FO 及び応答時間Δt
の関係を示すグラフである。
【図12】V1 及びV2 の温度変化のパターンを模式的
に示すグラフである。
【符号の説明】
2 円盤状セラミックス基体 2a 一方の主面 3 抵抗発熱体 4 セラミックス誘電体層 5 膜状電極 6 ウエハー吸着面 9 温度検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−315158(JP,A) 実開 昭58−116232(JP,U) 実開 昭63−93642(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハーを静電吸着力によって吸着しつ
    つ保持するためのウエハー保持装置であって、 セラミックス基体; このセラミックス基体の一方の主面上に形成された膜状
    電極; この膜状電極を覆うように前記一方の主面上に形成され
    たセラミックス誘電体層; 前記膜状電極とウエハーとに互いに反対の極性の電荷を
    供給し、前記セラミックス誘電体層のウエハー吸着面に
    前記ウエハーを静電吸着させるための電圧を印加するた
    めの静電チャック電源部; 前記セラミックス誘電体層の前記ウエハー吸着面の温度
    を検出する温度検出器;及び 前記静電チャック電源部と前記温度検出器とに電気的に
    接続された制御部を備えており、 前記温度検出器からの電気信号を前記制御部へと送り、
    この制御部において、前記温度検出器での検出温度から
    前記セラミックス誘電体層の静電容量を演算し、前記セ
    ラミックス誘電体層の静電容量の演算値および目標とす
    る吸着力に基づいて前記ウエハー吸着面に前記ウエハー
    を静電吸着させるための電圧の最適値を演算し、この電
    圧の最適値を前記制御部から前記静電チャック電源部へ
    と送り、この静電チャック電源部を制御するように構成
    されている、ウエハー保持装置。
  2. 【請求項2】 ウエハーを静電吸着力によって吸着しつ
    つ保持するためのウエハー保持装置の制御方法であっ
    て、 前記ウエハー保持装置が、セラミックス基体、このセラ
    ミックス基体の一方の主面上に形成された膜状電極、こ
    の膜状電極を覆うように前記一方の主面上に形成された
    セラミックス誘電体層;前記膜状電極とウエハーとに互
    いに反対の極性の電荷を供給し、前記セラミックス誘電
    体層のウエハー吸着面に前記ウエハーを静電吸着させる
    ための電圧を印加するための静電チャック電源部、前記
    セラミックス誘電体層の前記ウエハー吸着面の温度を検
    出する温度検出器及び前記静電チャック電源部と前記温
    度検出器とに電気的に接続された制御部を備えており、 前記温度検出器からの電気信号を前記制御部へと送り、
    この制御部において、前記温度検出器での検出温度から
    前記セラミックス誘電体層の静電容量を演算し、前記セ
    ラミックス誘電体層の静電容量の演算値および目標とす
    る吸着力に基づいて前記ウエハー吸着面に前記ウエハー
    を静電吸着させるための電圧の最適値を演算し、この最
    適値を前記制御部から前記静電チャック電源部へと送
    り、この静電チャック電源部を制御することを特徴とす
    る、ウエハー保持装置の制御方法。
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